JP4817974B2 - 建設機械の動力装置 - Google Patents
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Description
図3に示すように、このパワーショベルにおいては、第1ポンプP1と第2ポンプP2とを駆動源であるエンジンに連係するとともに、エンジンの回転によって両ポンプP1,P2から作動油を吐出するようにしている。
また、第2ポンプP2は、第2ポンプ通路8および第2タンデム通路8aに接続するとともに、この第2ポンプ通路8には、右走行用バルブ9、バケット用バルブ10、ブームI速用バルブ11、アームII速用バルブ12を接続している。ただし、第2ポンプ通路8には第2パラレル通路13を接続するとともに、バケット用バルブ10およびブームI速用バルブ11を、この第2パラレル通路13を介してパラレルに接続している。
なお、左走行用バルブ2および右走行用バルブ9が走行系のアクチュエータを制御するバルブであり、これら両バルブ2,9を切り換えることによって、走行系のアクチュエータを左右独立して作動することができる。そして、両バルブ2,9以外のバルブが、作業機系のアクチュエータを制御するバルブである。
なお、図中符号16は切換弁、17〜19はリリーフ弁、20はパイロットポンプである。このパイロットポンプ20は、各バルブや切換弁15、切換弁16を切り換えるためのパイロット圧を吐出するものであり、リリーフ弁19によってパイロットラインの最高圧が設定されている。
また、リリーフ弁17はリリーフ弁18よりも設定圧を高くしている。したがって、切換弁16が図示の連通位置にある場合には、リリーフ弁18の設定圧が回路の最高圧となり、切換弁16が図面左側の遮断位置にある場合には、リリーフ弁17の設定圧が回路の最高圧となる。
パワーショベルが停止した状態で作業機系のアクチュエータを作動する場合には、第1ポンプP1を回転させるとともに、旋回用バルブ3、アームI速用バルブ4、ブームII速用バルブ5のいずれかを切り換える。いま、アーム用アクチュエータを作動するために、アームI速用バルブ4を切り換えたとすると、第1ポンプP1から吐出した作動油は、第1パラレル通路7およびアームI速用バルブ4を介してアーム用アクチュエータに導かれるとともに、当該作動油によってアーム用アクチュエータを作動することができる。なお、このときアームI速用バルブ4が切り換わったことによって、第1ポンプ通路1が遮断されて第1ポンプP1と左走行用バルブ2とが遮断される。
なお、第1、第2ポンプP1,P2から作動油を吐出させた状態で、アームI速用バルブ4およびアームII速用バルブ12を切り換えれば、アーム用アクチュエータを2速制御することができる。
このように、第1、第2ポンプP1,P2を回転させるとともに、作業機系のアクチュエータを制御するバルブを切り換えれば、アームやブームを2速制御したり、あるいは、ブーム、アーム、バケットを同時に制御したりすることができる。
この状態において、第1ポンプP1を回転させるとともに、旋回用バルブ3、アームI速用バルブ4、ブームII速用バルブ5のいずれかを切り換えれば、第1ポンプP1から吐出する作動油によって作業機系のアクチュエータを作動することができる。
ところが、パワーショベルを用いる建設現場には、泥濘や凸凹が散見され、路面状況が非常に劣悪な場合が多い。このような泥濘や凸凹の地面をパワーショベルが走行すると、クローラが泥濘や凸凹にはまってしまい、そこから抜け出せなくなってしまうという問題があった。
ところが、劣悪な路面状況でも走行できるように、両ポンプP1,P2の容量を大きくしてしまうと、作業機系のアクチュエータを作動する際に、駆動源の負荷が必要以上に大きくなってしまい、今度はエネルギー効率が非常に悪くなってしまうという問題があった。
したがって、走行時に高速走行したり、あるいは泥濘にはまった場合にも、そこから容易に抜け出したりすることができる。
また、必要に応じて補助ポンプから吐出する作動油を合流することができるので、第1、第2ポンプの容量を必要以上に大きくする必要がない。したがって、駆動源の負荷を小さくすることができ、エネルギー効率を高めることができる。
なお、この第1実施形態においては、従来の回路構成と同様、左右独立して作動する走行系のアクチュエータと、作業機系のアクチュエータと、走行系または作業機系のアクチュエータに作動油を選択的に供給する第1、第2ポンプとを備え、第1ポンプから吐出した作動油を一方の走行系アクチュエータに供給するとともに、第2ポンプから吐出した作動油を他方の走行系アクチュエータに供給して走行する建設機械の動力装置を前提とする。
そして、この第1実施形態は、従来の回路構成を前提とするため、従来の回路構成については同様の符号を付するとともに、従来と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
圧力補償弁24は、第1合流通路22であって、補助ポンプP3側(通路21側)の圧力と、高圧選択弁26から導かれたパイロット圧とによってバランスする。一方、圧力補償弁25は、第2合流通路23であって、補助ポンプP3側(通路21側)の圧力と、高圧選択弁26から導かれたパイロット圧とによってバランスする。また、圧力補償弁24,25の上流側には、それぞれ同一面積の固定絞りを設けているので、補助ポンプP3から第1合流通路22に導かれる作動油と、補助ポンプP3から第2合流通路23に導かれる作動油とが常に等しくなる。
作業機系のアクチュエータを作動せずに、パワーショベルを走行させる場合には、切換弁15を図示の遮断位置に保ったまま、第1、第2ポンプP1,P2を回転させて作動油を吐出させるとともに、左走行用バルブ2と右走行用バルブ9とを切り換える。すると、第1ポンプP1から吐出した作動油が左走行用アクチュエータに導かれるとともに、第2ポンプP2から吐出した作動油が右走行用アクチュエータに導かれ、パワーショベルが走行する。
そして、第1ポンプP1および補助ポンプP3から吐出した作動油が、第1ポンプ通路1で合流して左走行用アクチュエータに導かれるとともに、第2ポンプP2および補助ポンプP3から吐出した作動油が、第2ポンプ通路8で合流して右走行用アクチュエータに導かれる。
例えば、走行系と作業機系とを同時制御している場合に、補助ポンプP3から吐出する作動油を合流させれば、同時制御時であっても、高負荷作業を行ったり、高速走行したりすることができる。
したがって、走行時に高速走行したり、あるいは泥濘にはまった場合にも、そこから容易に抜け出したりすることができる。
また、必要に応じて補助ポンプP3から吐出する作動油を合流することができるので、第1、第2ポンプP1,P2の容量を必要以上に大きくする必要がない。したがって、駆動源の負荷を小さくすることができ、エネルギー効率を高めることができる。
なお、この第2実施形態の回路構成は、第1実施形態の回路構成に、二点鎖線で示す回生回路を接続した点に特徴を有するものであり、その他の回路構成については第1実施形態と同じである。したがって、第1実施形態と同じ回路構成については同様の符号を付するとともに、ここでは、回生回路を中心に説明することとする。
また、補助ポンプP3の吐出側には、吐出側流路32を接続するとともに、回生切換弁Sを切り換えることによって、この吐出側流路32が、通路21と連通したり、タンクに連通したりするようにしている。
また、補助ポンプP3の駆動源である発電電動機MGには、電力変換装置Gと、発電電動機MGの回転によって発電した電気エネルギーを蓄電する蓄電ユニットUとを接続している。そして、発電電動機MGを駆動する際には、蓄電ユニットUに蓄電された電気エネルギーによって、発電電動機MGが駆動するようにしている。
ブーム用アクチュエータAに負荷が作用している状態から、当該負荷を下降させる場合には、ブーム操作レバーを下げ側に操作し、ブームI速用バルブ11あるいはブームII速用バルブ5を切り換える。すると、当該操作信号を受信したコントローラCが、第1ポンプP1あるいは第2ポンプP2を回転させるとともに、パイロット電磁弁33を制御して、回生切換弁Sを図中下側位置に切り換える。したがって、ブームII速用バルブ5およびブームI速用バルブ11を介して、第1ポンプP1あるいは第2ポンプP2からロッド側室A1に作動油が導かれるとともに、ピストン側室A2からの戻り油が、接続通路29→戻り流路30→回生切換弁S→吸入側流路31を介して補助ポンプP3の吸入側に導かれる。なお、ここでは接続通路29が、作業機系のアクチュエータに慣性エネルギーや位置エネルギーが作用したときに戻り側となる通路である。
コントローラCの制御によって、発電電動機MGは、蓄電ユニットUに蓄電した電気エネルギーによって回転するとともに、この発電電動機MGの回転に伴って、補助ポンプP3が回転して作動油を吐出する。
また、両走行用アクチュエータに圧力差が生じた場合、つまり、第1合流通路22と第2合流通路23との圧力に差が生じた場合には、いずれか高い方の圧力がパイロット圧として両圧力補償弁24,25に導かれ、このパイロット圧によって両圧力補償弁24,25を制御することは上記した通りである。
なお、第2実施形態では、ブーム用アクチュエータに作用する慣性エネルギーや位置エネルギーを電気エネルギーに変換する構成としたが、作業機系のアクチュエータであって、慣性エネルギーあるいは位置エネルギーが作用するものであれば、いずれのアクチュエータでも構わない。したがって、作業機系のアクチュエータは、シリンダに限られずモータを利用するものでもよい。
また、第1、第2実施形態においては、パワーショベルの回路構成について説明したが、この発明はパワーショベルに限らず、走行系と作業機系のアクチュエータを備えるとともに、走行系のアクチュエータがそれぞれ別々のポンプによって作動する動力装置において、広く利用することができる。
26 高圧選択弁
30 戻り流路
G 電力変換装置
M 電動モータ
MG 発電電動機
P1 第1ポンプ
P2 第2ポンプ
P3 補助ポンプ
U 蓄電ユニット
Claims (2)
- 左右独立して作動する走行系のアクチュエータと、作業機系のアクチュエータと、上記走行系または上記作業機系のアクチュエータに作動油を選択的に供給する第1ポンプおよび第2ポンプとを備え、上記第1ポンプから吐出した作動油を上記一方の走行系アクチュエータに供給するとともに、上記第2ポンプから吐出した作動油を上記他方の走行系アクチュエータに供給して走行する建設機械の動力装置において、上記第1、第2ポンプに接続する補助ポンプと、上記補助ポンプから上記第1、第2ポンプ側に導く圧力を制御する一対の圧力補償弁と、上記一対の圧力補償弁に導くパイロット圧を選択する高圧選択弁とを設け、上記高圧選択弁は、上記第1、第2ポンプ吐出圧のうちいずれか高い方の圧力を選択して上記一対の圧力補償弁に導くとともに、上記圧力補償弁によって上記補助ポンプから吐出する作動油を制御し、上記圧力補償弁が制御した作動油を上記第1、第2ポンプから吐出する作動油に均等に合流させて上記走行系の両アクチュエータに導く構成にした建設機械の動力装置。
- 上記補助ポンプと一体に回転する発電電動機と、上記発電電動機の回転によって発電した電力を蓄電する蓄電ユニットとを備え、上記作業機系のアクチュエータに慣性エネルギーや位置エネルギーが作用したときに戻り側となる通路を上記補助ポンプの吸入側に接続する構成とし、上記作業機系のアクチュエータからの戻り流体によって上記補助ポンプおよび上記発電電動機を回転させて上記慣性エネルギーあるいは上記位置エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電する一方、蓄電した上記電気エネルギーによって上記発電電動機を回転させて、上記補助ポンプから作動油を吐出する構成にした上記請求項1記載の建設機械の動力装置
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