JP5410329B2 - ハイブリッド建設機械の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ハイブリッド型の建設機械の制御装置に関する。
本出願人は、この種の建設機械を、特願2009−164279号にかかわる出願としてすでに提供している。
上記特願2009−164279号にかかわる発明(以下「従来の建設機械」という)は、サブポンプの吐出油をメインポンプの吐出油と合流させてアクチュエータに供給するためには、メイン切換弁をノーマル位置以外の位置に切り換えなければならなかった。
したがって、アシストポンプの吐出油をメインポンプの吐出油と合流させてアクチュエータに供給するためには、メイン切換弁をノーマル位置以外の位置に切り換えるために、必要なバルブのソレノイドを励磁させなければならない。
特開2002−275945号公報
上記のようにした従来の装置では、メインポンプおよびアシストポンプの吐出油を合流させるたびに、必要なバルブのソレノイドを励磁しなければならないので、消費電力が多くならざるを得ないという問題があった。
この発明の目的は、メインポンプおよびアシストポンプの吐出油を合流させるときに必要以上の電力を消費しないようにした建設機械の制御装置を提供することである。
第1の発明は、一対の可変容量型の第1,2メインポンプと、これら第1,2メインポンプに接続するとともに複数の操作弁を設けてなる第1,2回路系統と、これら第1,2回路系統と上記第1,2メインポンプとの間に設けたメイン切換弁と、これらメイン切換弁を介して上記第1,2メインポンプに接続したアシストポンプとを備えた建設機械の制御装置において、上記第1,2回路系統に接続した各メイン切換弁は、ノーマル位置において第1,2メインポンプをそれに接続した第1,2回路系統に接続するメイン通路とアシストポンプの吐出油を上記第1,2メインポンプにチェック弁を介して合流させる合流通路とを開き、切換位置において上記メイン通路を開いて合流通路を閉じる構成にした点に特徴を有する。
第2の発明は、上記メイン切換弁を介して上記第1,2メインポンプに接続した発電用油圧モータと、この発電用油圧モータに連係した発電機と、この発電機が発電した電力を蓄えるバッテリーとを備え、少なくともいずれか一方の上記回路系統に接続した上記メイン切換弁がそれに接続したいずれか一方のメインポンプを発電用油圧モータに連通する位置にあるとき、いずれか他方の回路系統に接続したメイン切換弁はいずれか他方のメインポンプをいずれか他方の回路系統に連通させる構成にした点に特徴を有する。
第3の発明は、上記メイン切換弁は、メインポンプを発電用油圧モータに接続する位置にあるとき、メイン切換弁内の絞り通路を介してメインポンプをそれに接続した回路系統に連通させる構成にした点に特徴を有する。
この発明によれば、メイン切換弁を切り換えなくても、アシストポンプの吐出油とメインポンプの吐出油とを合流させられるので、メイン切換弁を切り換えるための電力の消費量を節約できる。
また、メインポンプを発電用油圧モータに接続している間でも、メインポンプの吐出油が操作弁側に導かれるので、操作弁が冷えすぎたりしない。したがって、冷えた操作弁に油温の高いメインポンプの吐出油が供給されることによって発生する従来のような不都合は生じない。
さらに、メインポンプを発電用油圧モータに接続している間でも、第1,2回路系統のいずれかに油温の高いメインポンプの吐出油が導かれる。したがって、第1,2回路系統の操作弁を互いに積層した構造のもとでは、いずれか一方の回路系統が温められれば、それが他方の回路系統にも伝達される。つまり、一方の回路系統のみを温めるだけで足りるので、省エネに役立つことになる。
第1実施形態の回路図である。 制御系のフローチャート図である。 第2実施形態の回路図である。 第3実施形態の回路図で、操作弁を切り換えるパイロット操作機構とそのパイロット圧をレギュレータに導く構成を示したものである。
図1に示した第1実施形態は、パワーショベルの制御装置で、図示していない回転数センサーを備えたエンジンEで駆動する可変容量型の第1,2メインポンプMP1,MP2を設けているが、これら第1,2メインポンプMP1、MP2は同軸回転するものである。なお、図中符号1はエンジンEに設けたジェネレータで、エンジンEの余力を利用して発電機能を発揮するものである。
上記第1メインポンプMP1は第1回路系統に接続しているが、この第1回路系統は、その上流側から順に、旋回モータを制御する操作弁2、アームシリンダを制御する操作弁3、ブームシリンダを制御するブーム2速用の操作弁4、予備用アタッチメントを制御する操作弁5および左走行用のモータを制御する操作弁6を接続している。
上記各操作弁2〜6のそれぞれは、中立流路7およびパラレル通路8を介して第1メインポンプMP1に接続している。
上記中立流路7であって、左走行モータ用の操作弁6の下流にはパイロット圧を生成するためのパイロット圧制御用の絞り9を設けている。この絞り9はそこを流れる流量が多ければ、その上流側に高いパイロット圧を生成し、その流量が少なければ低いパイロット圧を生成するものである。
また、上記中立流路7は、上記操作弁2〜6のすべてが中立位置もしくは中立位置近傍にあるとき、第1メインポンプMP1から吐出された油の全部または一部を、絞り9を介してタンクTに導くが、このときには絞り9を通過する流量も多くなるので、上記したように高いパイロット圧が生成される。
一方、上記操作弁2〜6がフルストロークの状態で切り換えられると、中立流路7が閉ざされて流体の流通がなくなる。したがって、この場合には、絞り9を流れる流量がなくなり、パイロット圧はゼロを保つことになる。
ただし、操作弁2〜6の操作量によっては、ポンプ吐出量の一部がアクチュエータに導かれ、一部が中立流路7からタンクに導かれることになるので、絞り9は、中立流路7に流れる流量に応じたパイロット圧を生成する。言い換えると、絞り9は、操作弁2〜6の操作量に応じたパイロット圧を生成することになる。
また、上記中立流路7であって、操作弁6と絞り9との間にはパイロット流路10を接続しているが、このパイロット流路10は、電磁切換弁11を介して、第1メインポンプMP1の傾転角を制御するレギュレータ12に接続している。
上記レギュレータ12は、パイロット流路10のパイロット圧と逆比例して第1メインポンプMP1の傾転角を制御し、その1回転当たりの押し除け量を制御する。したがって、操作弁2〜6をフルストロークして中立流路7の流れがなくなり、パイロット圧がゼロになれば、第1メインポンプMP1の傾転角が最大になり、その1回転当たりの押し除け量が最大になる。
また、上記電磁切換弁11には、電磁可変減圧弁13を介してパイロット油圧源PPに接続しているが、この電磁切換弁11が図示のノーマル位置である通常制御位置にあるとき、レギュレータ12がパイロット流路10に接続し、ソレノイドが励磁して回生エネルギー制御位置に切り換わるとレギュレータ12が電磁可変減圧弁13に接続する。
また、上記第1メインポンプMP1と第1回路系統の最上流の操作弁2との間にはメイン切換弁14を接続している。そして、このメイン切換弁14はその両端に設けたパイロット室14a,14bに作用するパイロット圧によって切り換わるもので、一方のパイロット室14aは電磁制御弁15aを介して上記パイロット油圧源PPに接続し、他方のパイロット室14bは電磁制御弁15bを介してパイロット油圧源PPに接続している。
上記のようにしたメイン切換弁14は、図示の中立位置である第1位置と、図面左側位置である第2位置と、図面右側位置である第3位置とに切り換え可能にしている。
そして、このメイン切換弁14が上記第1位置(中立位置)を保っているときには、第1メインポンプMP1の吐出油を第1回路系統に導くメイン通路aが開かれるとともに、アシストポンプAPの吐出油を第1メインポンプMP1の吐出側に導く合流通路bも開かれる。
また、メイン切換弁14が上記左側位置である第2位置に切り換えられたときには、第1メインポンプMP1の吐出油を第1回路系統に導く絞り通路cが開かれるとともに、第1メインポンプMP1の吐出油を発電用油圧モータMに導く回生通路dも開かれる。
したがって、メイン切換弁14が上記のように第2位置に切り換えられたときには、第1メインポンプMP1の吐出油が、回生通路dを経由して発電用油圧モータMに供給されるとともに、その吐出油の一部が絞り通路cを経由して第1回路系統にも供給される。
さらに、メイン切換弁14が上記右側位置である第3位置に切り換えられたときには、上記メイン通路aのみが開かれる。したがって、この場合には、第1メインポンプMP1の吐出油は、第1回路系統にのみ供給されることになる。
なお、図中符号18は第1メインポンプMP1からアシストポンプAPへの流れを防止するチェック弁である。
そして、上記電磁切換弁11および電磁制御弁15a,15bのソレノイドはコントローラCに接続して、それらの切り換え動作をコントローラCが制御するようにしている。
また、上記電磁可変減圧弁13のソレノイドもコントローラCに接続し、当該減圧弁13の二次圧をコントローラCで制御できるようにしている。
一方、上記第2メインポンプMP2は第2回路系統に接続しているが、この第2回路系統は、その上流側から順に、右走行用モータを制御する操作弁19、バケットシリンダを制御する操作弁20、ブームシリンダを制御する操作弁21およびアームシリンダを制御するアーム2速用の操作弁22を接続している。
上記各操作弁19〜22は、中立流路23を介して第2メインポンプMP2に接続するとともに、操作弁20および操作弁21はパラレル通路24を介して第2メインポンプMP2に接続している。
上記中立流路23であって、操作弁22の下流側にはパイロット圧制御用の絞り25を設けているが、この絞り25は、第1回路系統の絞り9と全く同様に機能するものである。
そして、上記中立流路23であって、最下流の操作弁22と上記絞り25との間には、パイロット流路26を接続しているが、このパイロット流路26は、電磁切換弁27を介して、第2メインポンプMP2の傾転角を制御するレギュレータ28に接続している。
上記レギュレータ28は、パイロット流路26のパイロット圧と逆比例して第2メインポンプMP2の傾転角を制御し、その1回転当たりの押し除け量を制御する。したがって、操作弁19〜22をフルストロークして中立流路23の流れがなくなり、パイロット圧がゼロになれば、第2メインポンプMP2の傾転角が最大になり、その1回転当たりの押し除け量が最大になる。
また、上記電磁切換弁27には、上記電磁可変減圧弁13を介してパイロット油圧源PPに接続しているが、この電磁切換弁27が図示のノーマル位置である通常制御位置にあるとき、レギュレータ28がパイロット流路26に接続し、ソレノイドが励磁して回生エネルギー制御位置に切り換わるとレギュレータ28が電磁可変減圧弁13に接続する。つまり、電磁可変減圧弁13に対して、上記電磁切換弁11,27が並列に接続され、これら電磁切換弁11,27には、電磁可変減圧弁13で制御された同じ圧力が導かれることになる。
また、上記第2メインポンプMP2と第2回路系統の最上流の操作弁19との間にはメイン切換弁29を接続している。そして、このメイン切換弁29はその両端に設けたパイロット室29a,29bに作用するパイロット圧によって切り換わるもので、一方のパイロット室29aは電磁制御弁16aを介して上記パイロット油圧源PPに接続し、他方のパイロット室29bは電磁制御弁16bを介してパイロット油圧源PPに接続している。
上記のようにしたメイン切換弁29は、図示の中立位置である第1位置と、図面左側位置である第2位置と、図面右側位置である第3位置とに切り換え可能にしている。そして、このメイン切換弁29が上記第1位置(中立位置)に切り換えられたときには、第2メインポンプMP2の吐出油を第2回路系統に導くメイン通路aが開かれるとともに、アシストポンプAPの吐出油を第2メインポンプMP2の吐出側に導く合流通路bも開かれる。
また、メイン切換弁29が上記左側位置である第2位置に切り換えられたときには、第2メインポンプの吐出油を第2回路系統に導く絞り通路cが開かれるとともに、第2メインポンプMP2の吐出油を発電用油圧モータMに導く回生通路dも開かれる。
したがって、メイン切換弁29が上記のように第2位置に切り換えられたときには、第2メインポンプMP2の吐出油が、回生通路dを経由して発電用油圧モータMに供給されるとともに、その吐出油の一部が絞り通路cを経由して第2回路系統にも供給される。
さらに、メイン切換弁29が上記右側位置である第3位置に切り換えられたときには、上記メイン通路aのみが開かれる。したがって、この場合には、第2メインポンプMP2の吐出油は、第2回路系統にのみ供給されることになる。
なお、符号31は第2メインポンプMP2からアシストポンプAPへの流れを防止するチェック弁である。
また、上記電磁切換弁27および電磁制御弁16a,16bのソレノイドはコントローラCに接続して、それらの切り換え動作をコントローラCが制御できるようにしている。
上記のようにした操作弁2〜6および19〜22には、その中立位置を検出するための図示していない中立位置検出手段を設けているが、この中立位置検出手段は、操作弁2〜6および19〜22の中立位置を電気的なセンサーを利用して検出してもよいし、油圧的に検出するようにしてもよい。操作弁2〜6および19〜22の中立位置を油圧的に検出するとは、例えば、各操作弁2〜6および19〜22に、それらを直列につなぐパイロットラインを設け、上記操作弁を中立位置から切り換え位置に切り換えたとき、上記パイロットラインがふさがれてその圧力が変化する構成が考えられるが、この圧力変化を電気信号に変換する。
いずれにしても、操作弁2〜6および19〜22が中立位置にあるかどうかの電気信号はコントローラCに入力されるようにしている。
さらに、上記発電用油圧モータMは発電機32に連係し、発電用油圧モータMが回転することによって、発電機32が回転して発電機能を発揮するとともに、この発電機32で発電された電力は、インバータ33を介してバッテリー34に充電されるようにしている。そして、このバッテリー34はコントローラCに接続し、バッテリー34の充電量をコントローラCが把握できるようにしている。
上記のようにした発電用油圧モータMは、可変容量型であって、その傾転角を、コントローラCに接続したレギュレータ35で制御できるようにしている。
なお、図中符号36はバッテリーチャージャーで、ジェネレータ1で発電された電力をバッテリー34に充電するためのものであるが、この実施形態では、バッテリーチャージャー36を、家庭用の電源などの別系統の電源37にも接続している。
また、上記のようにした発電用油圧モータMにはアシストポンプAPを連係しているが、このアシストポンプAPは発電用油圧モータMに連係して回転する構成にしている。ただし、このアシストポンプAPは、可変容量型にするとともに、その傾転角をレギュレータ38で制御できるようにしている。したがって、発電用油圧モータMが発電機能を発揮しているときには、アシストポンプAPの傾転角を最小にして、その負荷が発電用油圧モータMにほとんど作用しない状態に設定できる。そして、発電機32を電動モータとして機能させれば、上記アシストポンプAPが回転してポンプ機能を発揮させることができる。
上記のようにした実施形態において、コントローラCは、すべての操作弁2〜6,19〜22が中立位置に保たれていなければ、これら操作弁に接続したアクチュエータが作動状態にあると判定して、電磁切換弁11,27、電磁制御弁15a,15b,16a,16bおよび電磁可変減圧弁13のソレノイドを励磁せず、それら各弁をノーマル状態に保つ。また、上記のように電磁制御弁15a,15b,16a,16bをノーマル位置に保った状態では、メイン切換弁14,29のパイロット室14a,14bおよび29a、29bのそれぞれには、パイロット圧が作用しないので、メイン切換弁14,29も図示の中立位置である第1位置を維持し、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出油を、それぞれの回路系統に導く。
また、メイン切換弁14,29が上記のように中立位置にあれば、それらのメイン通路aとともに合流通路bも開くので、この状態で発電機32を電動モータにしてアシストポンプAPを回転させれば、アシストポンプAPの吐出油を、上記合流通路bを通って第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出油と合流させることができる。
したがって、アシストポンプAPの吐出油を第1,2メインポンプMP1,MP2に合流させるときには、発電機32のみを回せばよく、電磁制御弁15a,15b,16a,16b等のソレノイドを励磁させなくてもよいので、その分、電力の消費量が少なくてすむ。
さらに、メイン切換弁14,29が中立位置にある状態では、当該操作弁の操作量に応じて中立流路7,23に流れる流量が変化する。そして、中立流路7,23に流れる流量に応じて、パイロット圧発生用の絞り9,25の上流側に発生するパイロット圧が変化するが、このパイロット圧に応じてレギュレータ12,28は第1,2メインポンプMP1,MP2の傾転角を制御する。すなわち、パイロット圧が小さくなればなるほど、上記傾転角を大きくして第1,2メインポンプMP1,MP2の1回転当たりの押し除け量を多くする。反対にパイロット圧が大きくなればなるほど、上記傾転角を小さくして第1,2メインポンプMP1,MP2の1回転当たりの押し除け量を少なくする。
したがって、第1,2メインポンプMP1,MP2は、操作弁の操作量に応じた要求流量に見合った流量を吐出することになる。
また、電磁制御弁15a,16aのソレノイドを励磁して、電磁制御弁15a,16aを図示のノーマル位置から切り換え位置に切り換えると、メイン切換弁14,29の一方のパイロット室14a,29aにパイロット圧が導かれ、メイン切換弁14,29は図面左側位置である第2位置に切り換わる。メイン切換弁14,29が上記第2位置に切り換われば、これらメイン切換弁14,29の回生通路dおよび絞り通路cが開かれる。
したがって、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出油は回生通路dを通って発電用油圧モータMに供給される。このように発電用油圧モータMに圧油が供給されれば、発電用油圧モータMが回転して発電機32を回転させるので、発電機32が発電機能を発揮するとともに、その発電された電力はインバータ33を介してバッテリー34に充電される。
また、上記のようにメイン切換弁14,29が第2位置に切り換えられた状態では、絞り通路cも開くので、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出油の一部は絞り通路cを経由して第1,2回路系統に供給される。そして、このときの第1,2メインポンプMP1,MP2からの吐出油は、発電用油圧モータMとの間で循環したものなので、油温が高く保たれている。したがって、上記のように第1,2回路系統に導かれた作動油によって、それら回路系統における操作弁2〜6,19〜22が温められる。
さらに、電磁制御弁15b,16bのソレノイドを励磁して、これら電磁制御弁15b,16bを図示のノーマル位置から切り換え位置に切り換えると、メイン切換弁14,29の他方のパイロット室14b,29bにパイロット圧が導かれ、メイン切換弁14,29は図面右側位置である第3位置に切り換わる。メイン切換弁14,29が上記第3位置に切り換われば、第1,2メインポンプMP1,MP2と第1,2回路系統とがそれぞれ各メイン通路aを介して接続される。
上記のようにメイン切換弁14,29に第3切換位置を設けたのは、一方の回路系統のみにアシストポンプAPの吐出油を合流させて、他方のメインポンプの吐出量を最少に保つようにするためである。
例えば、第1回路系統の操作弁に接続したアクチュエータのみを作動させ、第2回路系統の操作弁をすべて中立位置に保っているときには、メイン切換弁14を中立位置に保つとともに、電磁制御弁16bのソレノイドのみを励磁してメイン切換弁29を右側位置である第3位置に切り換える。
メイン切換弁14が上記のように中立位置を保てば、そのメイン通路aと合流通路bとが開くので、第1メインポンプMP1とアシストポンプAPとの吐出油が合流して第1回路系統に供給される。
一方、第3位置に切り換えられたメイン切換弁29は、メイン通路aのみが開いて、合流通路bは閉じられる。
したがって、第2メインポンプMP2の吐出油は上記メイン通路aを通って、すべての操作弁19〜22が中立位置に保たれている第2回路系統の中立流路23にのみ流れるとともに、絞り25の上流側の圧力を上昇させ、第2メインポンプMP2の吐出量を最少に保つ。
上記のように一方のメイン切換弁14側では、電磁制御弁15a,15bのソレノイドを励磁させず、他方のメイン切換弁29側における電磁制御弁16bのみを励磁させるだけで足りるので、いろいろなソレノイドを励磁する場合に比べて電力の消費量が少なくなるメリットがある。
次に、図2に基づいてこの実施形態の制御フローを説明する。
コントローラCは、上記中立位置検出手段の信号に基づいて各アクチュエータの作動状態を読み込む(ステップS1)。そして、コントローラCは、すべての操作弁2〜6、19〜22が中立位置にあるか否かを判定し(ステップS2)、いずれかの操作弁が中立位置以外の切り換え位置にあるときには、操作弁に接続されたアクチュエータが作業中であると判断してステップS3に移行する。
そして、上記ステップS3では、オペレータの入力信号に応じて、アシストポンプAPのアシストを必要としているか否かを判定し、オペレータがアシストを必要とする旨の信号を入力していれば、コントローラCは、ステップS4に移行して、電磁制御弁15a,15b,16a,16bのソレノイドを非励磁状態に保ち、メイン切換弁14,29を中立位置である第1位置に保持する。メイン切換弁14,29が第1位置に保持されれば、アシストポンプAPの吐出油が第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出油と合流して第1,2回路系統に供給され、アシスト付きの作業が実施される(ステップS5)。
また、上記ステップS3において、オペレータからアシストを必要とする信号が入力されていなければ、コントローラCは、ステップS6に移行し、電磁制御弁15b,16bのソレノイドを励磁して、メイン切換弁14,29を右側位置である第3位置に切り換える。したがって、このときにはアシストポンプAPからのアシストがない状態での作業が実施されることになる(ステップS7)。
上記ステップS2ですべての操作弁が中立位置にあると判定したときには、上記各アクチュエータが非作業状態にあると判断してステップS8に移行する。このステップS8において、オペレータからのスタンバイ回生信号が入力されているかどうかを判定し、スタンバイ回生信号が入力されていなければ、ステップS1に戻る。
上記ステップS8においてスタンバイ回生信号が入力されていると、コントローラCは、ステップS9に移行してバッテリー34がフル充電近傍の状態にあるかどうかを判定する。
バッテリー34がフル充電近傍の状態にあれば、コントローラCは、ステップS10,S11に移行して、電磁切換弁11,27を非励磁状態に保つとともに、電磁制御弁15a、15b、16a、16bを非励磁し、メイン切換弁14,29を図示のノーマル位置に切り換えるとともにステップS1に戻る。
上記のようにメイン切換弁14,29がノーマル位置を保てば、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出油は、メイン切換弁14,29のメイン通路aを通って中立流路7,23からパイロット流路10,26を経由するとともに、電磁切換弁11,27を通ってレギュレータ12,28にいたる。
したがって、レギュレータ12,28は、絞り9,25の上流に発生するパイロット圧によって、可変容量型のメインポンプMP1,MP2の吐出量を最少すなわちスタンバイ流量に保つとともに、そのスタンバイ流量は絞り9,25を介してタンクTに戻される。
また、コントローラCが上記ステップS9においてバッテリー34の充電量が不足していると判定すると、コントローラCは、ステップS12に移行し、電磁制御弁15a,16aのソレノイドを励磁し、電磁制御弁15b,16bを非励磁状態に保つ。したがって、パイロット油圧源PPからの圧力が、メイン切換弁14,29のパイロット室14a,29aに導かれるので、メイン切換弁14,29は図示の左側位置である第2位置に切り換わり、第1,2メインポンプMP1,MP2を発電用油圧モータMに連通させる。
さらに、コントローラCは、ステップS13に移行して電磁切換弁11,27をノーマル位置である通常制御位置から回生エネルギー制御位置に切り換えて、レギュレータ12,28とパイロット流路10,26との連通を遮断するとともに、電磁可変減圧弁13を上記レギュレータ12,28に連通させる。
上記のように第1,2メインポンプMP1,MP2を発電用油圧モータMに連通させるとともに、電磁可変減圧弁13をレギュレータ12,28に連通させたら、コントローラCは、ステップS14に移行し、エンジンEに備えた上記回転数センサーからの信号に基づいて、現状のエンジンEの回転数が高速か低速かを判定する。なお、高速か低速かの判定基準は、コントローラCにあらかじめ記憶されているものである。
そして、エンジン回転数が高速の場合に、コントローラCは、ステップS15に移行し、電磁可変減圧弁13を制御してその二次圧を、第1,2メインポンプMP1,MP2の一回転当たりの押し除け量が最少近傍になるように設定する。
上記のようにエンジンEの回転数が高いときに、第1,2メインポンプMP1,MP2の一回転当たりの押し除け量を最少近傍に設定したのは、その一回転当たりの押し除け量が少なくても、第1,2メインポンプMP1,MP2の単位時間当たりの吐出量はエンジンEの回転数で確保できるからである。
また、上記ステップS14においてエンジン回転数が低いと判定されたときには、コントローラCは、ステップS16でバッテリー34の充電状況を判定する。このときバッテリーの充電量が多いと判定したときには、コントローラCは、現状の充電量を基準にして必要充電量を演算するとともに、その必要充電量に応じたポンプ吐出量を決定する(ステップS17)。
そして、コントローラCは、ステップS19に移行して、電磁可変減圧弁13の励磁電流を制御するが、この励磁電流に応じて電磁可変減圧弁13の二次圧が制御されるとともに、この制御された二次圧がレギュレータ12,28に作用する。したがって、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出量は、上記必要充電量を充電するのに必要な吐出量を確保することになる。
一方、ステップS16において、バッテリー34の充電量が少ないと判定したときには、コントローラCは、現状の充電量を基準にして必要充電量を演算するとともに、その必要充電量に応じたポンプ吐出量を決定する(ステップS18)が、このときには、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出量がスタンバイ流量よりも多くなるようにしている。
なお、上記充電量の多少を判定する基準は、コントローラCにあらかじめ記憶されているものである。
そして、コントローラCは、ステップS19に移行して、電磁可変減圧弁13の励磁電流を制御するが、この励磁電流に応じて電磁可変減圧弁13の二次圧が制御されるとともに、この制御された二次圧がレギュレータ12,28に作用する。したがって、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出量は、上記必要充電量を充電するのに必要な吐出量を確保することになる。
上記のようにして電磁可変減圧弁13が制御され、その制御された二次圧に応じて第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出量が制御されるとともに、その吐出量に応じて発電用油圧モータMが動作して、スタンバイ回生制御が実行される(ステップS20)。
したがって、この実施形態によれば、電磁可変減圧弁13を制御してレギュレータ12,28に導かれる圧力を自由に制御できるので、バッテリー34をチャージするためのエネルギーが不足気味になることもなく、ポンプ効率の良いところを利用しているので、エネルギーロスが少なくなる。
また、上記のように第1,2メインポンプMP1,MP2の傾転角を自由に制御できるので、当該メインポンプの吐出量を大きくするためにエンジン回転数を上げたりしなくてもよくなり、その分、エネルギーロスも少なくなる。
さらに、第1,2メインポンプMP1,MP2と発電用油圧モータMおよびアシストポンプAPとは、メイン切換弁14,29を介して直接接続されるので、第1,2メインポンプMP1,MP2と発電用油圧モータMとの間、あるいは第1,2メインポンプMP1,MP2とアシストポンプAPとの間に、特別なバルブを設ける必要がなくなり、その分、回路構成も簡素化できる。
図3に示した第2実施形態は、第1回路系統に接続したメイン切換弁14を2位置4ポートバルブとしたものである。
つまり、上記メイン切換弁14は、その一方にパイロット室を設け、このパイロット室に対向する側にスプリングのばね力を作用させている。そして、メイン切換弁14のパイロット室は電磁制御弁15bを介してパイロット油圧源PPに接続している。
上記のようにしたメイン切換弁14は、それが図示のノーマル位置であるとき、第1メインポンプMP1の吐出油を第1回路系統に導くメイン通路aを開くとともに、アシストポンプAPの吐出油を第1メインポンプMP1の吐出油と合流させる合流通路bも開かれる
そして、電磁制御弁15bのソレノイドを励磁して開位置に切り換えると、パイロット油圧源PPの圧力がメイン切換弁14のパイロット室14bに導かれるので、そのパイロット圧の作用でメイン切換弁14が上記スプリングのばね力に抗して図面右側位置に切り換わる。このようにしてメイン切換弁14が切り換わると、上記合流通路bが閉じて、メイン通路aのみが開く。
したがって、この場合には、第1メインポンプMP1の吐出油のみが第1回路系統に供給されることになる。
また、他方のメイン切換弁29は、中立位置である図示の第1位置にあるとき、第1実施形態と同様にメイン通路aおよび合流通路bを開くが、パイロット室29aに導かれたパイロット圧の作用で図面左側位置である第2位置に切り換わったときには、回生通路dのみが開く。そして、パイロット室29bに導かれたパイロット圧の作用で図面右側位置である第3位置に切り換わったときには、メイン通路aのみが開く。
上記のようにこの第2実施形態は、メイン切換弁14において第1メインポンプMP1を発電用油圧モータMに連通させるポジションを省略したものである。したがって、第2実施形態では、第2メインポンプMP2のみが発電用油圧モータMを駆動する。
上記のようにした第2実施形態において、メイン切換弁14,29を図示のノーマル位置に保持しているときには、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出油と、アシストポンプAPの吐出油とが合流して第1,2回路系統に供給される。したがって、このときには、第1実施形態と同様に電磁制御弁15b,16a,16bを励磁しなくてもよく、その分、消費電力を小さくできる。
また、例えば第1回路系統のアクチュエータのみを作動させ、第2回路系統のアクチュエータを非作動状態に保つときには、一方のメイン切換弁14を図示のノーマル位置に保持するとともに、他方のメイン切換弁29を図面右側位置である第3位置に切り換える。
この状態では、アシストポンプAPの吐出油は、第1メインポンプMP1の吐出油のみと合流する。そして、第2メインポンプMP2は、スタンバイ流量を維持しながらその吐出油を第2回路系統に供給する。
逆に、第2回路系統のアクチュエータのみを作動させ、第1回路系統のアクチュエータを非作動状態に保つときには、他方のメイン切換弁29を図示のノーマル位置に保持するとともに、一方のメイン切換弁14を図面右側位置に切り換える。
この状態では、アシストポンプAPの吐出油は、第2メインポンプMP2の吐出油のみと合流する。そして、第1メインポンプMP1は、スタンバイ流量を維持しながらその吐出油を第1回路系統に供給する。
また、アクチュエータの非作業時に発電用油圧モータMを回転して発電機32を回すときには、電磁制御弁16aのソレノイドを励磁して開位置に切り換え、メイン切換弁29を図面左側位置である第2位置に切り換える。
上記のようにメイン切換弁29を切り換えると、第2メインポンプMP2の吐出油が発電機用油圧モータMに供給されるので、発電機32が回って発電するとともに、その電力がバッテリー34に蓄電される。
さらに、上記の状態で、電磁切換弁11のソレノイドを励磁して、それを開位置に切り換えれば、パイロット油圧源PPのパイロット圧がレギュレータ12に作用し、第1メインポンプMP1の吐出量を最少に保つ。したがって、第1メインポンプMP1の最少吐出量が中立流路7に流れて、操作弁全体を暖める。
なお、上記のように発電用油圧モータMを駆動しているときに、油温が高くなっている作動油を第1回路系統のみに供給するようにしたが、実際には、第1,2回路系統の操作弁はそれらのバルブ本体を積層しているので、いずれか一方の回路系統に暖気用の作動油を供給すれば、他方の回路系統の操作弁も暖められることになる。
図4に示した第3実施形態は、各操作弁2〜6、9〜22を切り換えるためのパイロット圧を制御するパイロット操作機構PV1〜PV7を設け、このパイロット操作機構PV1〜PV7で発生したパイロット圧を、複数の高圧選択弁39で選択して、その最高圧を第1,2可変容量型ポンプMP1,MP2のレギュレータ12,28に導くようにしたものである。
なお、パイロット操作機構PV1は旋回モータを制御する操作弁2に導くパイロット圧を制御し、パイロット操作機構PV2はアームシリンダを制御する操作弁3,22に導くパイロット圧を制御し、パイロット操作機構PV3はブームシリンダを制御する操作弁4,21に導くパイロット圧を制御し、パイロット操作機構PV4は予備のアクチュエータを制御する操作弁5に導くパイロット圧を制御し、パイロット操作機構PV5は一方の走行モータを制御する操作弁6に導くパイロット圧を制御し、パイロット操作機構PV6は他方の走行モータを制御する操作弁19に導くパイロット圧を制御し、パイロット操作機構PV7はバケットシリンダを制御する操作弁20に導くパイロット圧を制御するものである。
そして、上記パイロット操作機構PV1〜PV7で制御されるパイロット圧は、それらに関連した操作弁2〜6,19〜22のそれぞれを中立位置に保つときにゼロを保ち、操作弁2〜6,19〜22のそれぞれを切り換えるときに高くなる。
したがって、第1,2可変容量型ポンプMP1,MP2に導かれる圧力は、第1,2実施例とは反対になる。そして、これら第1,2可変容量型ポンプMP1,MP2に設けたレギュレータ12,28は、上記パイロット圧がゼロのときに第1,2可変容量型ポンプMP1,MP2の吐出量を最少に保ち、パイロット圧が高くなるにしたがって、第1,2可変容量型ポンプMP1,MP2の吐出量を増やす制御をする。
上記の構成のみが第2実施形態と異なるもので、その他は第2実施形態と同じである。なお、この第3実施形態の制御機構は、第1実施形態にも利用できること当然である。
この発明は、パワーショベルに用いるのに最適である。
MP1,MP2 第1,2メインポンプ
2〜6 操作弁
14 メイン切換弁
15a,15b 電磁制御弁
16a,16b 電磁制御弁
19〜22 操作弁
29 メイン切換弁
M 発電用油圧モータ
32 発電機
36 バッテリー

Claims (3)

  1. 一対の可変容量型の第1,2メインポンプと、これら第1,2メインポンプに接続するとともに複数の操作弁を設けてなる第1,2回路系統と、これら第1,2回路系統と上記第1,2メインポンプとの間に設けたメイン切換弁と、これらメイン切換弁を介して上記第1,2メインポンプに接続したアシストポンプとを備えた建設機械の制御装置において、上記第1,2回路系統に接続した各メイン切換弁は、ノーマル位置において第1,2メインポンプをそれに接続した第1,2回路系統に接続するメイン通路とアシストポンプの吐出油を上記第1,2メインポンプにチェック弁を介して合流させる合流通路とを開き、切換位置において上記メイン通路を開いて合流通路を閉じる構成にしたことを特徴とする建設機械の制御装置。
  2. 上記メイン切換弁を介して上記第1,2メインポンプに接続した発電用油圧モータと、この発電用油圧モータに連係した発電機と、この発電機が発電した電力を蓄えるバッテリーとを備え、少なくともいずれか一方の上記回路系統に接続した上記メイン切換弁がそれに接続したいずれか一方のメインポンプを発電用油圧モータに連通する位置にあるとき、いずれか他方の回路系統に接続したメイン切換弁はいずれか他方のメインポンプをいずれか他方の回路系統に連通させる構成にした請求項1記載の建設機械の制御装置。
  3. 上記メイン切換弁は、メインポンプを発電用油圧モータに接続する位置にあるとき、メイン切換弁内の絞り通路を介してメインポンプをそれに接続した回路系統に連通させる構成にした請求項2記載の建設機械の制御装置。
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