JP3917068B2 - 液圧駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば建設機械等において複数の液圧アクチュエータを複合駆動する液圧駆動装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば油圧ショベルの液圧駆動装置として、図6に示すものがある。これについて説明すると、単一のポンプ42から吐出される加圧作動油は圧力補償要素21〜26、制御弁11〜16を介してアームシリンダ1とブームシリンダ2とバケットシリンダ3と左右の走行モータ4,5及び旋回モータ6に供給される。制御弁11〜16は図示しないコントローラから送られる駆動電流によってアクチュエータ1〜6に対する作動油の給排を切換え、かつこの作動油の流量を調節し、アクチュエータ1〜6を作動させる。圧力補償要素21〜26は制御弁11〜16の前後差圧を一定に保つ。
【0003】
ポンプ42はその吐出量を可変とするレギュレータ41を備える。レギュレータ41はアクチュエータ1〜6の負荷圧力のうちシャトル31〜35により最も高い負荷圧力が選択されて導かれ、この負荷圧力に応じてポンプ吐出量を変化さるロードセンシング制御を行う。
【0004】
車両の走行時、左走行モータ用制御弁14及び右走行モータ用制御弁15が操作され、同制御弁14,15の開度変化に対応し、左走行モータ用圧力補償要素24、右走行モータ用圧力補償要素25が各制御弁14,15の前後差圧を常に一定に保つように機能する。
【0005】
また、特許文献1に開示された油圧ショベルの液圧駆動装置は、複数のポンプを備え、各ポンプから吐出される加圧作動油が異なるアクチュエータに供給される構成となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−130205号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような図6に示す従来の液圧駆動装置にあっては、アクチュエータ1〜6のうち負荷圧力が最も高いもの基準としたポンプ吐出圧力により他の負荷圧力が低いものを駆動するため、負荷圧力の低いアクチュエータ1〜6を駆動するのに圧力補償要素21〜26にて発熱として廃棄されるエネルギーが大きいという問題点があった。
【0008】
また、車両の走行時、左走行モータ用制御弁14及び右走行モータ用制御弁15の操作量を等しくして直進しようとしても、左走行モータ用圧力補償要素24と右走行モータ用圧力補償要素25に特性のバラツキや応答遅れ等に起因して左右の走行モータ4,5に供給される作動油の流量に差が発生する可能性があり、車両の直進性を確保することが難しいという問題点があった。
【0009】
また、特許文献1に開示された油圧ショベルの液圧駆動装置にあっては、アクチュエータ毎にポンプが設けられるため、ポンプの数が増え、ポンプの駆動損失が増大するという問題点があった。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の液圧アクチュエータを複合駆動する際に生じるエネルギーロスを低減する液圧駆動装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、第一、第二ポンプから吐出される作動液を第一、第二アクチュエータにそれぞれ供給する第一、第二供給通路と、第一、第二供給通路を互いに連通する連通路と、第一、第二アクチュエータの負荷圧力に応じて第一、第二ポンプの吐出量をそれぞれ可変とする第一、第二レギュレータと、
第一ポンプの吐出量が所定値を越えて上昇する作動条件でこの第二レギュレータが第一、第二アクチュエータの負荷圧力のうちの最高圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節するように切換える圧力信号選択手段とを備え、ポンプ絶縁/合流要素は連通路を開閉する開閉ポジション及び連通路の断面積を可変とする絞りポジションを有する絶縁/合流切換弁を備え、第一ポンプの吐出量を検出する第一傾角センサを備え、第一傾角センサの検出値に基づいて絶縁/合流切換弁を第一ポンプの吐出流量が所定値を越えて上昇しかつ第一アクチュエータの負荷圧力が第二アクチュエータの負荷圧力より高い作動条件にて開ポジションに、第一ポンプの吐出流量が所定値を越えて上昇しかつ第一アクチュエータの負荷圧力が第二アクチュエータの負荷圧力より低い作動条件にて絞りポジションに切換える制御手段とを備えたことを特徴とする液圧駆動装置。
【0014】
の発明は、第の発明において、ポンプ絶縁/合流要素は連通路を開閉する開閉ポジションを有する絶縁/合流切換弁を備え、車両の左右の走行車輪をそれぞれ駆動する左右の走行モータを備え、この左右の走行モータのうち一方を第一アクチュエータと並列に第一供給通路に接続し、左右の走行モータのうち他方を第二アクチュエータと並列に第二供給通路に接続し、第一、第二アクチュエータがそれぞれの作動を停止した車両走行時にて、絶縁/合流切換弁が閉ポジションに切換わり、第一レギュレータが左右の走行モータのうち一方の負荷圧力に応じて第一ポンプの吐出量を調節するとともに第二レギュレータが左右の走行モータのうち他方の負荷圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節する構成としたことを特徴とするものとした。
【0015】
の発明は、第の発明において、ポンプ絶縁/合流要素は連通路を通って絶縁/合流切換弁から第二供給通路へと向かう作動液の流れを止めるチェック弁を備え、左右の走行モータのうち他方を連通路の絶縁/合流切換弁とチェック弁の間に接続し、第一、第二アクチュエータの少なくとも一方を所定値より低い負荷圧力で作動させかつ第一ポンプの吐出流量が所定値より低い車両走行時にて、絶縁/合流切換弁が開ポジションに切換わり、第一レギュレータが左右の走行モータ及び第一アクチュエータのうち最も高い負荷圧力に応じて第一ポンプの吐出量を調節するとともに第二レギュレータが第二アクチュエータの負荷圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節し、第一、第二アクチュエータの少なくとも一方が所定値より低い負荷圧力で作動しかつ第一ポンプの吐出流量が所定値より高い車両走行時にて、絶縁/合流切換弁が開ポジションに切換わり、第一レギュレータが左右の走行モータ及び第一アクチュエータのうち最も高い負荷圧力に応じて第一ポンプの吐出量を調節するとともに第二レギュレータが左右の走行モータ及び第一アクチュエータのうち最も高い負荷圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節し、第二アクチュエータが作動しかつ第二アクチュエータの負荷圧力を左右の走行モータの負荷圧力より高める車両走行時にて、絶縁/合流切換弁が閉ポジションに切換わり、第一レギュレータが左右の走行モータの一方及び第一アクチュエータのうち最も高い負荷圧力に応じて第一ポンプの吐出量を調節するとともに第二レギュレータが第二アクチュエータの負荷圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節する構成としたことを特徴とするものとした。
【0016】
の発明は、第1から第のいずれか一つの発明において、圧力信号選択手段として第一、第二アクチュエータの負荷圧力をそれぞれ検出する圧力センサを備え、この検出値に応じて第一、第二レギュレータの作動を制御する構成としたことを特徴とするものとした。
【0017】
の発明は、第1から第のいずれか一つの発明において、第一、第二アクチュエータに給排される作動液の流量を調節する各制御弁と、第一、第二供給通路にて各制御弁の前後差圧を略一定に保つ圧力補償要素とを備えたことを特徴とするものとした。
【0018】
の発明は、第1から第のいずれか一つの発明において、第一、第二アクチュエータに給排される作動液の流量を調節する各制御弁と、第一、第二供給通路にて各制御弁の上流側圧力とシステム中の最高負荷圧力との差圧を略一定に保つ圧力補償要素とを備えたことを特徴とするものとした。
【0020】
【発明の作用及び効果】
第1の発明によると、第一アクチュエータが高速作動して第一ポンプの吐出量が所定値を越えて上昇する作動条件では、ポンプ絶縁/合流要素が連通路を開き、第一レギュレータが第一アクチュエータの負荷圧力に応じて第一ポンプの吐出量を調節し、第二レギュレータが第一、第二アクチュエータの負荷圧力のうち最高圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節する。このため、第一、第二ポンプの吐出量が共に高められ、第一、第二ポンプの吐出作動液が合流して第一アクチュエータに導かれることにより、第一アクチュエータの高速作動が可能となる。
【0021】
第一アクチュエータが高速作動し、かつ第一アクチュエータの負荷圧力が第二アクチュエータの負荷圧力より低い場合、ポンプ絶縁/合流要素が第一、第二供給通路の連通路を絞ることにより、第二供給通路の圧力が第一供給通路の圧力より高められ、第二アクチュエータの駆動力を高められる。したがって、第一アクチュエータが低負荷で高速作動することと、第二アクチュエータを高負荷で駆動することを両立できる。
【0022】
そして、ポンプ絶縁/合流要素が絶縁/合流切換弁を介して作動条件に応じて連通路の断面積を調節することにより、第一、第二アクチュエータの負荷圧力を効率良く高められる。
【0023】
そして、第一アクチュエータの負荷圧力が第二アクチュエータの負荷圧力より高い作動条件にて、連通路は第一ポンプの吐出流量が所定値を越えて上昇すると開かれる。これにより、第二ポンプから第二アクチュエータに供給される合流分の流量は、必要な負荷圧力を発生させるために不足する分だけとなり、合流流量が必要最小限にとどめられていることから、エネルギーロスが低減される。
【0024】
一方、第一アクチュエータの負荷圧力が第二アクチュエータの負荷圧力より低い作動条件にて、連通路は第一ポンプの吐出流量が所定値以下で閉じられ、所定値を越えて上昇すると絞られる。これにより、第二ポンプにより供給される合流分の流量は、必要な負荷圧力を発生させるために不足する分だけとなる。このとき、第二ポンプの圧力は第一アクチュエータに必要な負荷圧力より一定差圧部だけ高い圧力まで圧力損失を発生させることで下げられ、発熱という形で失われるエネルギーが発生するが、合流流量が必要最小限にとどめられていることから、エネルギーロスが低減される。
【0025】
の発明によると、第一、第二アクチュエータの作動が停止した車両の走行時に、各走行モータには第一、第二ポンプから作動液がそれぞれ供給され、第一、第二ポンプの吐出圧力が第一、第二レギュレータを介して左右の走行モータの負荷に応じた値に制御される。これにより、左右の走行モータの負荷圧力を圧力補償要素で補償しなくて済むため、圧力補償要素の特性のバラツキ、応答遅れが走行に影響せず、車両が曲進することを防止できる。
【0026】
の発明によると、例えば第二アクチュエータを作動させながら車両が走行し、走行モータの負荷圧力が第二アクチュエータより高い場合、絶縁/合流切換弁が連通路を開いても、第一、第二ポンプの吐出圧はチェック弁によって分離されることにより、左右の走行モータには第一ポンプより高圧作動液が供給され、第二アクチュエータには第二ポンプより低圧作動液が供給される。これにより、走行モータと第二アクチュエータは高負荷側、低負荷側で負荷圧力が個別に制御され、負荷圧力の高い圧力を基準としたポンプ吐出圧力により負荷の軽いアクチュエータを駆動する必要がないため、圧力補償要素によって下げられる第二アクチュエータの負荷圧力は必要最低限でよく、エネルギーロスは抑えられる。
【0027】
第一アクチュエータを高速作動させながら車両が走行し、第一ポンプの吐出量が不足する場合、第二ポンプから吐出される作動液の一部がチェック弁を開き第一ポンプから吐出される作動液と合流して左右の走行モータまたは第一アクチュエータに供給され、第一アクチュエータの高速作動が可能となる。
【0028】
第二アクチュエータの負荷圧力が左右の走行モータの負荷圧力より高い車両走行時に、絶縁/合流切換弁が連通路を閉じ、第一レギュレータが走行モータの負荷圧力に応じて第一ポンプの吐出量を調節する一方、第二レギュレータが第二アクチュエータの負荷圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節する。このため、高負荷側の第二アクチュエータを基準としたポンプ吐出圧力により低負荷側の走行モータあるいは第一アクチュエータを駆動する必要がないため、エネルギーロスが低減される。
【0029】
の発明によると、圧力信号選択手段の機能が圧力センサとコントローラ等によって果たされ、第一、第二レギュレータの作動を多様に制御することが可能となる。
【0030】
の発明によると、圧力補償要素が各制御弁の前後差圧を略一定に調節することにより、第一、第二アクチュエータの作動速度制御が的確に行われる。
【0031】
の発明によると、圧力補償要素が各制御弁の上流側圧力とシステム中の最高負荷圧力との差圧を略一定に保つことにより、各負荷への流量分配が的確に行われる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0033】
図1に示すように、油圧ショベル79は車両本体75を走行させる左右のクローラ78と、車両本体75に対して垂直軸まわりに旋回する旋回台76と、フロントアタッチメント70を備える。このフロントアタッチメント70は、旋回台76に対して回動可能に連結されるブーム72と、このブーム72を駆動するブームシリンダ2と、ブーム72の先端に回動可能に連結されるアーム71と、このアーム71を駆動するアームシリンダ1と、アーム71の先端に回動可能に連結されるバケット73と、このバケット73を駆動するバケットシリンダ3とを備える。油圧ショベル79はこれらのクローラ78、旋回台76、ブーム72、アーム71、バケット73をそれぞれ動かして地面の掘削や土砂の搬送作業を行う。
【0034】
図2に示すように、油圧ショベル79に搭載される液圧駆動装置は、油圧アクチュエータ1〜6を備え、これらの油圧アクチュエータ1〜6は油圧回路を構成するうえで便宜上第一アクチュエータ7と第二アクチュエータ8と、左右のクローラ78をそれぞれ駆動する左右の走行モータ4,5とに分ける。この第一アクチュエータ7として、フロントアタッチメント70を構成する各シリンダ1,2,3を備える。第二アクチュエータ8として、旋回台76を旋回させる旋回モータ6を備える。
【0035】
第一、第二アクチュエータ7,8及び左右の走行モータ4,5に対する油圧源として、第一ポンプ42と第二ポンプ44が設けられる。この第一、第二ポンプ42,44は油圧ショベル79に搭載された図示しないエンジンによって駆動される。
【0036】
第一ポンプ42から吐出される作動油(作動液)は第一供給通路47を通ってブームシリンダ2とアームシリンダ1とバケットシリンダ3と左の走行モータ4とに供給される。
【0037】
第二ポンプ44から吐出される作動油(作動液)は第二供給通路48を通って旋回モータ6と右の走行モータ5とに供給される。
【0038】
アクチュエータ1〜6には油圧源(第一、第二ポンプ42,44)からの加圧作動油が圧力補償要素21〜26、制御弁11〜16を介して導かれる。
【0039】
圧力補償要素21〜26は制御弁11〜16の前後差圧を一定に保つ。圧力補償要素21〜26は制御弁11〜16の前後差圧が互いに対向するパイロット圧として導かれ、この前後差圧を一定に調節する。
【0040】
制御弁11〜16はコントローラ10から送られる駆動電流によってアクチュエータ1〜6に対する作動油の給排を切換え、かつこの作動油の流量を調節し、アクチュエータ1〜6を作動させる。
【0041】
第一、第二ポンプ42,44は斜板の傾角に応じて吐出量を可変とする可変容量型のピストンポンプによって構成され、斜板の傾角を変える第一、第二レギュレータ41,43を備える。第一、第二レギュレータ41,43はこれを作動させるパイロット圧力として導かれる第一、第二アクチュエータ7,8の負荷圧力に応じてポンプ吐出量を変化させ、ポンプ吐出圧力が負荷圧力より一定差圧分だけ高くなるように調節する、負荷感応制御(ロードセンシング)を行う。
【0042】
第一レギュレータ41には、そのパイロット圧力として第一アクチュエータ7及び左の走行モータ4に導かれる負荷圧力のうち最高圧がシャトル31〜34を介して導かれ、さらに第一レギュレータ41には、パイロット圧力として、第一圧力信号選択要素51、シャトル34を介して右の走行モータ5の負荷圧力が選択的に導かれる場合がある。圧力信号選択手段として設けられる第一圧力信号選択要素51は、第一レギュレータ41のパイロット圧力として右の走行モータ5の負荷圧力を導くポジションaと、右の走行モータ5の負荷圧力を遮断するポジションbとを有し、これらのポジションa,bがコントローラ10から送られる駆動電流によって切換えられる。つまり、第一レギュレータ41がポンプ吐出量を調節するパイロット圧力は、アクチュエータ1〜4、もしくはアクチュエータ1〜5のうち最も高い負荷圧力となる。
【0043】
第二レギュレータ43には、そのパイロット圧力として第二圧力信号選択要素52、シャトル31〜34,36を介して各アクチュエータ1〜6の負荷圧力が選択的に導かれる。圧力信号選択手段として設けられる第二圧力信号選択要素52は、第二レギュレータ43のパイロット圧力として旋回モータ6の負荷圧力のみを導くポジションaと、各アクチュエータ1〜6の負荷圧力のうち最高圧力を導くポジションbと、右の走行モータ5の負荷圧力のみを導くポジションcとを有し、これらのポジションa,b,cがコントローラ10から送られる駆動電流によって切換えられる。
【0044】
第一供給通路47と第二供給通路48の間には第一、第二ポンプ42,44から吐出される作動油を絶縁または合流させるポンプ絶縁/合流要素53が設けられる。ポンプ絶縁/合流要素53は、第一、第二供給通路47,48を互いに連通する連通路49と、この連通路49の通路断面積を可変にする絶縁/合流切換弁55と、連通路49上にて第二供給通路48からこの絶縁/合流切換弁55へと向かう作動油の流れに対して開弁しかつ絶縁/合流切換弁55から第二供給通路48へと向かう作動油の流れに対して閉弁するチェック弁56とを備える。
【0045】
第一、第二ポンプ42,44の吐出量を検出する吐出量検出手段として、ピストンポンプを構成する斜板の傾角を検出する第一、第二傾角センサ45,46が設けられる。
【0046】
制御手段として設けられるコントローラ10は、第一傾角センサ45の検出信号に基づき、第一ポンプ42の吐出量が所定値以下の作動条件を判定し、この条件で絶縁/合流切換弁55をポジションcに切換える制御を行い、第一供給通路47と第二供給通路48の連通路を遮断する。そして、コントローラ10は第一ポンプ42の吐出量が所定値を超えて上昇する作動条件を判定し、この条件でポンプ絶縁/合流要素53の絶縁/合流切換弁55をポジションaに切換え、第一供給通路47と第二供給通路48を連通させる。
【0047】
コントローラ10は第一、第二傾角センサ45,46の検出信号に基づき、第一、第二ポンプ42,44の吐出量がそれぞれ所定値を超えて上昇する作動条件を判定し、この条件でポンプ絶縁/合流要素53の絶縁/合流切換弁55をポジションbに切換える制御を行い、第一供給通路47と第二供給通路48を可変絞りを介して連通させる。これにより、第二ポンプ44から吐出する作動油はその一部が旋回モータ6へ供給され、その残りが絶縁/合流切換弁55の可変絞りを通過することにより降圧されて第一供給通路47へと流入し第一ポンプ42から吐出される作動油と合流してブームシリンダ2等に供給される。
【0048】
次にこの液圧駆動装置の作動について説明する。
【0049】
まず、旋回台76とフロントアタッチメント70を複合操作した場合の作動を説明する。ここでは説明を単純化するため、フロントアタッチメント70の作動はブーム72の作動に限定して説明するが、アーム72またはバケット73を複合操作する場合もほぼ同様の作動となる。また、第一供給通路47の圧力をブーム圧力とし、第二供給通路48の圧力を旋回圧力として説明する。
【0050】
1.ブームシリンダ2の低速作動時、ブーム圧力>旋回圧力の場合。
ブームシリンダ2が低速作動しているため、コントローラ10は第一ポンプ42の吐出量が所定値以下の作動条件となり、かつブーム圧力が旋回圧力より高い作動時を判定し、第二圧力信号選択要素52をポジションaに、絶縁/合流切換弁55を開ボジションaに切換える。そして、ブームシリンダ用制御弁12及び旋回モータ用制御弁16を同時に作動させると、各圧力補償要素22,26が各制御弁12,16の前後差圧をそれぞれ一定に保つように作動する。このとき、第一レギュレータ41はブームシリンダ2の負荷圧力に応じて第一ポンプ42の吐出量を調節する。第二レギュレータ43は第二圧力信号選択要素52を介して旋回モータ6の負荷圧力が導かれ、この旋回モータ6の負荷圧力に応じて第二ポンプ44の吐出量を調節する。ここで、第一供給通路47及び第二供給通路48はポンプ絶縁/合流要素53のチェック弁56により分離されているため、ブームシリンダ2と旋回モータ6の負荷圧力が個別に制御され、高負荷側のアクチュエータを基準としたポンプ吐出圧力により低負荷側のアクチュエータを駆動する必要がないため、圧力補償要素22,26によって下げられる圧力は必要最低限でよく、エネルギーロスは最小限に抑えられる。
【0051】
2.ブームシリンダ2の低速作動時、ブーム圧力<旋回圧力の場合。
ブームシリンダ2が低速作動しているため、コントローラ10は第一ポンプ42の吐出量が所定値以下の作動条件となり、かつ旋回圧力がブーム圧力より高い作動時を判定し、第二圧力信号選択要素52をポジションaに、絶縁/合流切換弁55を遮断ポジションcに切換える。絶縁/合流切換弁55を遮断ポジションcとすることで、第一供給通路47及び第二供給通路48は分離されるので、ブームシリンダ2には第一ポンプ42より低圧の加圧作動油が供給され、高圧の旋回モータ6には第二ポンプ44より高圧の加圧作動油が供給される。この場合も、高負荷側、低負荷側で負荷圧力が個別に制御されるため、圧力補償要素22,26によって下げられる圧力は必要最低限でよく、エネルギーロスは抑えられる。
【0052】
3.ブームシリンダ2の高速作動時、ブーム圧力>旋回圧力の場合。
コントローラ10は第一ポンプ42の吐出量が所定値を超えて上昇した作動条件であり、かつブーム圧力が旋回圧力より高い作動時を判定し、第二圧力信号選択要素52をポジションbに、絶縁/合流切換弁55を当初は遮断ポジションcとし、第一ポンプ42が最大吐出状態であることを確認した後に開ボジションaに切換える。これにより、第一、第二レギュレータ41,43へはシステム中最も高圧な負荷圧力信号がそれぞれ導かれ、第一、第二ポンプ42,44の吐出圧力は負荷中の最高圧力より一定差圧分だけ高い値を目標値として制御される。ここでは、第一ポンプ42の吐出作動油の全量がブームシリンダ2に供給される。第二ポンプ44の吐出作動油の一部が旋回モータ6に供給され、残りがチェック弁56を押し開けてブームシリンダ2へと供給される。つまり、第一、第二ポンプ42,44の吐出作動油は合流してブームシリンダ2へと供給され、ブーム72を高速で駆動することが可能となる。
【0053】
ここで、コントローラ10は第一傾角センサ45の検出信号に基づき第一ポンプ42の吐出流量が最大もしくはその直近の場合のみ、ポンプ絶縁/合流要素53の絶縁/合流切換弁55が開ボジションaとし、第一ポンプ42の吐出流量が最大もしくはその直近にない場合には、ポンプ絶縁/合流要素53の絶縁/合流切換弁55が遮断ポジションcとする制御を行う。これにより、合流が必要な場合、第一ポンプ42は常に最大の流量を吐出し、第二ポンプ44により供給される合流分の流量は、必要な負荷圧力を発生させるために不足する分だけとなる。前述の通り、第二ポンプ44の圧力はブーム負荷圧力より一定差圧部だけ高い圧力まで圧力損失を発生させることで下げられ、発熱という形で失われるエネルギーが発生するが、合流流量が必要最小限にとどめられていることから、エネルギーロスが少ない。
【0054】
4.ブームシリンダ2の高速作動時、ブーム圧力<旋回圧力の場合。
コントローラ10は第一ポンプ42の吐出量が所定値を超えて上昇した作動条件であり、かつ旋回圧力がブーム圧力より高い作動時を判定し、コントローラ10は第二圧力信号選択要素52をポジションbに切換える一方、絶縁/合流切換弁55を当初は遮断ポジションcとし、第一ポンプ42が最大吐出状態であることを確認した後に合流絞りポジションbとする。ここで、絶縁/合流切換弁55の可変絞りは第一供給通路47の圧力がブーム負荷圧力より一定差圧分だけ高い圧力に達するまで徐々に開口面積が増加するように制御される。このとき、第二ポンプ44から吐出される作動油の一部は絶縁/合流切換弁55の可変絞りを通過することで圧力損失を発生させるが、発熱という形で失われるエネルギーはこれだけに抑えられる。
【0055】
ここで、コントローラ10は第一ポンプ42の吐出流量が最大もしくはその直近の場合のみ、ポンプ絶縁/合流要素53の絶縁/合流切換弁55が合流絞りポジションbとし、第一ポンプ42の吐出流量が最大もしくはその直近にない場合には、ポンプ絶縁/合流要素53の絶縁/合流切換弁55が遮断ポジションcとする制御を行う。これにより、合流が必要な場合、第一ポンプ42は常に最大の流量を吐出し、第二ポンプ44により供給される合流分の流量は、必要な負荷圧力を発生させるために不足する分だけとなる。前述の通り、第二ポンプ44の圧力はブーム負荷圧力より一定差圧部だけ高い圧力まで圧力損失を発生させることで下げられ、発熱という形で失われるエネルギーが発生するが、合流流量が必要最小限にとどめられていることから、エネルギーロスが少ない。
【0056】
図3の(a)は従来装置の油圧回路図であり、(b)は本発明による装置を比較するための油圧回路図であるが、それぞれのエネルギーロスは同図に示す(1)(2)式で計算される。この場合、0<Q20<Q2のときQ3<Q2となり、従来装置に比べて本発明による装置のエネルギーロスが小さくなるQ20=Q2のとき、Q3=0となり、本発明による装置のエネルギーロスは0となる。
【0057】
5.左右の走行モータ4,5のみの作動時。
左右の走行モータ4,5を作動させ、他のアクチュエータを作動させない走行時、コントローラ10は第一圧力信号選択要素51をポジションbに、第二圧力信号選択要素52をポジションcに、絶縁/合流切換弁55を遮断ポジションcに切換える。そして、コントローラ10が左走行モータ用制御弁14及び右走行モータ用制御弁15を同時に作動させると、各圧力補償要素24,25が各制御弁14,15の前後差圧をそれぞれ一定に保つように機能する。このとき、第一ポンプ42の吐出圧は左走行モータ4が必要とする圧力に圧力補償要素24での圧力損失分及び制御弁14での圧力損失分を加えた値に制御され、第二ポンプ44の吐出圧は右走行モータ5が必要とする圧力に圧力補償要素25での圧力損失分及び制御弁15での圧力損失分を加えた値に制御される。同時に、第一ポンプ42から吐出される作動油の全量が左走行モータ4へ、第二ポンプ44から吐出される作動油の全量が右走行モータ5へ供給される。つまり、左右の走行モータ4,5の作動時には左右それぞれ異なる第一、第二ポンプ42,44から作動油を供給し、各ポンプ吐出圧力はそれぞれ対応する負荷に応じた値に制御されるので、圧力補償要素24,25で補償する必要がない。従って、圧力補償要素24,25の特性のバラツキ、応答遅れは走行に影響せず、従来のような曲進は発生しない。
【0058】
6.ブームシリンダ2が低速作動する走行時。
左右の走行モータ4,5を作動させて走行し、ブームシリンダ2を低負荷で作動させる場合、コントローラ10は絶縁/合流切換弁55を開ボジションaとし、第一圧力信号選択要素51をポジションa、第二圧力信号選択要素52をポジションaとする。このときチェック弁56が閉弁し、第一ポンプ42から吐出する作動油がブームシリンダ2、左右の走行モータ4,5に供給される一方、第二ポンプ44から吐出する作動油が旋回モータ6に供給される。
【0059】
このように、コントローラ10は、走行モータ4,5及び第一アクチュエータ7の負荷圧力を所定値より低くして作動させ、第二アクチュエータ8の作動を停止し、かつ第一ポンプ7の吐出流量が所定値より低い走行時にて、絶縁/合流切換弁55を開ポジションに切換え、第一レギュレータ41が左右の走行モータ4,5及び第一アクチュエータ7のうち最も高い負荷圧力に応じて第一ポンプ42の吐出量を調節するとともに第二レギュレータ43が第二アクチュエータ8の負荷圧力に応じて第二ポンプ44の吐出量を調節する構成とする。
【0060】
これにより、走行モータ4,5及び第一アクチュエータ7と第二アクチュエータ8は高負荷側、低負荷側で負荷圧力が個別に制御され、負荷圧力の高い圧力を基準とした第一ポンプ42の吐出圧力により負荷の軽い第二アクチュエータ8を駆動する必要がないため、圧力補償要素26によって下げられる第二アクチュエータ8の負荷圧力は必要最低限でよく、エネルギーロスが抑えられる。
【0061】
7.ブームシリンダ2が高速作動する走行時、合流ありの場合。
左右の走行モータ4,5を作動させて走行し、ブームシリンダ2を高速作動させる場合は以下の通りである。ブームシリンダ2用及び走行モータ4,5用の制御弁22,24,25を同時に作動させる。このとき、第一レギュレータ41にはブームシリンダ2の負荷圧力信号が入力され、シャトル31〜34で選択された負荷圧力信号が入力され、第一ポンプ42の吐出量が調節される。第一ポンプ42が最大供給流量を吐出する状態であることを確認後、第二圧力信号選択要素52にパイロット信号を加えポジションbとする。すると、第二レギュレータ43へはシステム中最も高圧な負荷圧力信号が導かれ、第二ポンプ44の吐出量が調節される。第一、第二レギュレータ41,43へはシステム中最も高圧な負荷圧力信号がそれぞれ導かれ、第一、第二ポンプ42,44の吐出圧力は負荷中の最高圧力より一定差圧分だけ高い値を目標値として制御される。しかし、第一ポンプ42は要求される流量に対し、供給流量が不足する状態となるため、負荷圧力に対し、低い圧力しか得られない。一方、第二ポンプ44は要求される流量に対し、供給流量が不足していないため、負荷圧力より一定差圧分だけ高い値まで上昇する。ここで、コントローラ10はポンプ絶縁/合流要素53の絶縁/合流切換弁55をポジションaとしている。すると、第一ポンプ42の吐出流量は全量が各アクチュエータへ供給される。一方、第二ポンプ44は第一ポンプ42に対してやや吐出圧力が高いため、チェック弁56を押し開けて、その吐出流量は第一ポンプ42の流量不足分を補う形でブームシリンダ2へ供給される。ここで、各アクチュエータ駆動のためには第一ポンプ42及び第二ポンプ44の合流流量が要求される流量を満足すればよく、種々の流量の組み合わせが考えられることになるが、ここで、ポンプ傾角センサ45,46を用いる等により、第一ポンプ42の吐出流量を検知しておき、第一ポンプ42の吐出流量が最大(もしくはその直近)の場合のみ、ポンプ絶縁/合流要素53の絶縁/合流切換弁55がポジションaとなり、第一ポンプ42の吐出流量が最大(もしくはその直近)にない場合には、ポンプ絶縁/合流要素53の絶縁/合流切換弁55がポジションcとなるようパイロット信号を操作する。第一ポンプ42は最大流量の作動油を吐出し、第二ポンプ44により供給される合流分の作動油流量は、必要な負荷圧力を発生させるために不足する分だけとなり、安定した作動性が確保される。
【0062】
このように、コントローラ10は、第一、第二アクチュエータ7,8の少なくとも一方が所定値より低い負荷圧力で作動しかつ第一ポンプ42の吐出流量が所定値より高い走行時にて、絶縁/合流切換弁55が開ポジションaに切換わり、第一レギュレータ41が左右の走行モータ4,5及び第一アクチュエータ7のうち最も高い負荷圧力に応じて第一ポンプ42の吐出量を調節するとともに第二レギュレータ8が左右の走行モータ4,5及び第一アクチュエータ7のうち最も高い負荷圧力に応じて第二ポンプ42の吐出量を調節する構成とする。
【0063】
これにより、第一アクチュエータ7を高速作動させながら車両が走行し、第一ポンプ42の吐出量が不足する場合、第二ポンプ44から吐出される作動液の一部がチェック弁56を開き第一ポンプ42から吐出される作動液と合流して左右の走行モータ4,5または第一アクチュエータ7に供給され、第一アクチュエータ7の高速作動が可能となる。
【0064】
8.左右の走行モータ4,5、ブームシリンダ2及び旋回モータ6の作動時、走行圧力>旋回圧力の場合。
走行及び旋回複合操作が行われ、走行モータ4,5の負荷圧力が旋回圧力より高い場合、コントローラ10は第一圧力信号選択要素51をポジションa、第二圧力信号選択要素52をポジションa、絶縁/合流切換弁55をポジションaとする。このとき、第一、第二ポンプ42,44の吐出圧はチェック弁56によって分離されることにより、左右の走行モータ4,5には第一ポンプ42より高圧作動油が供給され、旋回モータ6には第二ポンプ44より低圧作動油が供給される。つまり、高負荷側、低負荷側で負荷圧力が個別に制御されるため、負荷圧力の高い圧力を基準としたポンプ吐出圧力により負荷の軽いアクチュエータを駆動する必要がないため、圧力補償要素によって下げられる圧力は必要最低限でよく、エネルギーロスは抑えられる。
【0065】
このように、コントローラ10は、第一アクチュエータ7の負荷圧力を所定値よりも低くするとともに、走行モータ4,5の負荷圧力を第二アクチュエータ8の負荷圧力より高くし、かつ第一ポンプ42の吐出流量が所定値より低い走行時にて、絶縁/合流切換弁55を開ポジションに切換え、第一レギュレータ41が左右の走行モータ4,5及び第一アクチュエータ7のうち最も高い負荷圧力に応じて第一ポンプ42の吐出量を調節するとともに第二レギュレータ43が第二アクチュエータ8の負荷圧力に応じて第二ポンプ44の吐出量を調節する構成とする。
【0066】
これにより、走行モータ4,5と第二アクチュエータ8は高負荷側、低負荷側で負荷圧力が個別に制御され、負荷圧力の高い圧力を基準とした第一ポンプ42の吐出圧力により負荷の軽い第二アクチュエータ8を駆動する必要がないため、圧力補償要素26によって下げられる第二アクチュエータ8の負荷圧力は必要最低限でよく、エネルギーロスが抑えられる。
【0067】
9.左右の走行モータ4,5、ブームシリンダ2及び旋回モータ6の作動時、走行圧力<旋回圧力の場合。
走行及び旋回複合操作が行われ、旋回圧力が走行モータ4,5の負荷圧力より高い場合、コントローラ10は第一圧力信号選択要素51をポジションb、第二圧力信号選択要素52をポジションa、絶縁/合流切換弁55をポジションcとする。これにより、低圧の左走行モータ4には第一ポンプ42より低圧作動油が供給され、低圧の左走行モータ4及び高圧の旋回モータ6には第二ポンプ44より高圧作動油が供給される。ただし、右走行モータ5には第二ポンプ44から旋回モータ駆動に必要な高圧が供給される。右走行モータ5ではエネルギーロスは発生するが、左走行モータ4において、負荷圧力の高い圧力を基準としたポンプ吐出圧力により負荷の軽いアクチュエータを駆動する必要がないため、その分エネルギーロスが抑えられる。
【0068】
このように、コントローラ10は、第二アクチュエータ8が作動しかつ第二アクチュエータ8の負荷圧力を左右の走行モータ4,5の負荷圧力より高める走行時にて、絶縁/合流切換弁55が閉ポジションcに切換わり、第一レギュレータ41が左の走行モータ4及び第一アクチュエータ7のうち最も高い負荷圧力に応じて第一ポンプ42の吐出量を調節するとともに第二レギュレータ43が第二アクチュエータ8の負荷圧力に応じて第二ポンプ44の吐出量を調節する構成とする。
【0069】
これにより、高負荷側の第二アクチュエータ8を基準としたポンプ吐出圧力により低負荷側の走行モータ4,5あるいは第一アクチュエータ7を駆動する必要がないため、エネルギーロスが低減される。
【0070】
なお、本実施の形態におけるポンプ絶縁/合流要素53、第一圧力信号選択要素51、第二圧力信号選択要素52は機能として付加されるものであり、図2に示す油圧機器の他、センサ、コントローラ、電磁弁、ソフトウェアなどを組み合わせて実現することも可能である。また、配置に関しても、独立の機器として存在することも、他の機器の一部分として存在することも可能である。
【0071】
図4に示す他の実施の形態は、第一レギュレータ41、第二レギュレータ43への負荷信号を電子信号に置き換えるものである。圧力信号選択手段として各アクチュエータ1〜6の負荷圧力を検出する各圧力センサ61〜66を備える。コントローラ67は各圧力センサ61〜66の検出値を入力し、前記実施の形態にて行われる各機能をコントローラ67の演算機能で実現する。
・シャトル31〜36で行っていた高圧選択機能。
・作業モードに応じて右走行モータ5の負荷圧力信号を第一レギュレータ41への負荷圧力信号へ合流/絶縁する機能。
・作業モードに応じて第二レギュレータ43の負荷圧力信号を、旋回モータ6の負荷圧力信号、システム全体で最も高圧な負荷圧力信号、右走行モータ5の負荷圧力信号のいずれかを選択する機能。
【0072】
次に図5に示す他の実施の形態は、ロードセンシング回路をアフターオリフィス方式とするものである。なお、ビフォアオリフィス方式のロードセンシング回路を備える前記図2に示す実施の形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0073】
アフターオリフィス方式のロードセンシング回路では、各負荷への流量分配が的確に行われるようにシステム中の最高負荷圧力と該当する負荷圧力が対向する形で圧力補償要素21〜26に加えられている。そして、各作業モードにおける第一圧力信号選択要素51、第二圧力信号選択要素52、ポンプ絶縁/合流要素53のポジションを始め、各アクチュエータ1〜6は図2に示す前記実施の形態と同様に作動する構成となっている。
【0074】
本実施の形態は図2に示す前記実施の形態に対し、第一圧力信号選択要素51により選択される信号の数、種類が異なっている。図2に示す前記実施の形態では、第一圧力信号選択要素51は、第一レギュレータ41への負荷圧力信号系に右走行モータ5の負荷圧力を接続、切り離しを行っているのみである。一方、本実施の形態では、第一圧力信号選択要素51は第一レギュレータ41への負荷圧力信号系に右走行モータ5の負荷圧力を接続、切り離しを行っていると同時に、第二圧力信号選択要素52への入力に対して、右走行モータ5の負荷圧力を切り離し、接続を行っている。さらに、右走行モータ用圧力補償要素25への負荷圧力を第一レギュレータ41への負荷信号または第二レギュレータ43への負荷信号のいずれかより選択できるようになっている。
【0075】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、油圧ショベル以外の液圧駆動装置に適用しても良く、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す油圧ショベルの側面図。
【図2】同じく液圧駆動装置のシステム図。
【図3】同じく従来装置と比較するための油圧回路図。
【図4】他の実施の形態を示す液圧駆動装置のシステム図。
【図5】さらに他の実施の形態を示す液圧駆動装置のシステム図。
【図6】従来例を示す液圧駆動装置のシステム図。
【符号の説明】
1 アームシリンダ
2 ブームシリンダ
3 バケットシリンダ
4 左走行モータ
5 右走行モータ
6 旋回モータ
7 第一アクチュエータ
8 第二アクチュエータ
10 コントローラ(制御手段)
11〜16 制御弁
21〜26 圧力補償要素
31〜36 シャトル
41 第一レギュレータ
42 第二レギュレータ
45 第一傾角センサ
46 第二傾角センサ
47 第一供給通路
48 第二供給通路
49 連通路
51 第一圧力信号選択要素
52 第二圧力信号選択要素
53 ポンプ絶縁/合流要素
55 絶縁/合流切換弁
56 チェック弁

Claims (6)

  1. 第一、第二ポンプから吐出される作動液を第一、第二アクチュエータにそれぞれ供給する第一、第二供給通路と、第一、第二供給通路を互いに連通する連通路と、第一、第二アクチュエータの負荷圧力に応じて第一、第二ポンプの吐出量をそれぞれ可変とする第一、第二レギュレータと、第一ポンプの吐出量が所定値を超えて上昇しかつ第二アクチュエータの負荷圧力を第一アクチュエータより高める作動条件にて連通路を絞るポンプ絶縁/合流要素と、第一ポンプの吐出量が所定値を越えて上昇する作動条件でこの第二レギュレータが第一、第二アクチュエータの負荷圧力のうちの最高圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節するように切換える圧力信号選択手段とを備え、前記ポンプ絶縁/合流要素は前記連通路を開閉する開閉ポジション及び連通路の断面積を可変とする絞りポジションを有する絶縁/合流切換弁を備え、前記第一ポンプの吐出量を検出する第一傾角センサを備え、第一傾角センサの検出値に基づいて前記絶縁/合流切換弁を第一ポンプの吐出流量が所定値を越えて上昇しかつ前記第一アクチュエータの負荷圧力が前記第二アクチュエータの負荷圧力より高い作動条件にて開ポジションに、第一ポンプの吐出流量が所定値を越えて上昇しかつ第一アクチュエータの負荷圧力が第二アクチュエータの負荷圧力より低い作動条件にて絞りポジションに切換える制御手段とを備えたことを特徴とする液圧駆動装置。
  2. 前記ポンプ絶縁/合流要素は前記連通路を開閉する開閉ポジションを有する絶縁/合流切換弁を備え、車両の左右の走行車輪をそれぞれ駆動する左右の走行モータを備え、この左右の走行モータのうち一方を前記第一アクチュエータと並列に前記第一供給通路に接続し、左右の走行モータのうち他方を前記第二アクチュエータと並列に前記第二供給通路に接続し、前記第一、第二アクチュエータがそれぞれの作動を停止した車両走行時にて、前記絶縁/合流切換弁が閉ポジションに切換わり、前記第一レギュレータが左右の走行モータのうち一方の負荷圧力に応じて第一ポンプの吐出量を調節するとともに前記第二レギュレータが左右の走行モータのうち他方の負荷圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節する構成としたことを特徴とする請求項に記載の液圧駆動装置。
  3. 前記ポンプ絶縁/合流要素は前記連通路を通って前記絶縁/合流切換弁から前記第二供給通路へと向かう作動液の流れを止めるチェック弁を備え、前記左右の走行モータのうち他方を連通路の絶縁/合流切換弁とチェック弁の間に接続し、前記第一、第二アクチュエータの少なくとも一方を所定値より低い負荷圧力で作動させかつ第一ポンプの吐出流量が所定値より低い車両走行時にて、前記絶縁/合流切換弁が開ポジションに切換わり、前記第一レギュレータが左右の走行モータ及び第一アクチュエータのうち最も高い負荷圧力に応じて第一ポンプの吐出量を調節するとともに前記第二レギュレータが第二アクチュエータの負荷圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節し、第一、第二アクチュエータの少なくとも一方を所定値より低い負荷圧力で作動させかつ第一ポンプの吐出流量が所定値より高い車両走行時にて、絶縁/合流切換弁が開ポジションに切換わり、第一レギュレータが左右の走行モータ及び第一アクチュエータのうち最も高い負荷圧力に応じて第一ポンプの吐出量を調節するとともに前記第二レギュレータが左右の走行モータ及び第一アクチュエータのうち最も高い負荷圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節し、第二アクチュエータが作動しかつ第二アクチュエータの負荷圧力を左右の走行モータの負荷圧力より高める車両走行時にて、絶縁/合流切換弁が閉ポジションに切換わり、第一レギュレータが左右の走行モータの一方及び第一アクチュエータのうち最も高い負荷圧力に応じて第一ポンプの吐出量を調節するとともに第二レギュレータが第二アクチュエータの負荷圧力に応じて第二ポンプの吐出量を調節する構成としたことを特徴とする請求項に記載の液圧駆動装置。
  4. 前記圧力信号選択手段として前記第一、第二アクチュエータの負荷圧力をそれぞれ検出する各圧力センサを備え、各圧力センサの検出値に応じて前記第一、第二レギュレータの作動を制御する構成としたことを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載の液圧駆動装置。
  5. 前記第一、第二アクチュエータに給排される作動液の流量を調節する各制御弁と、前記第一、第二供給通路にて各制御弁の前後差圧を略一定に保つ圧力補償要素とを備えたことを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載の液圧駆動装置。
  6. 前記第一、第二アクチュエータに給排される作動液の流量を調節する各制御弁と、前記第一、第二供給通路にて各制御弁の上流側圧力とシステム中の最高負荷圧力との差圧を略一定に保つ圧力補償要素とを備えたことを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載の液圧駆動装置。
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