JP3552936B2 - バックホウ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋回台に起伏揺動自在に装備されたブームと、該ブームの先端部に土砂掻き込み方向で揺動自在に支持されたアームと、該アームの先端部に土砂掻き込み方向で揺動自在なバケットを支持してバックホウ装置を構成してあるバックホウに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のバックホウにあっては、アームを土砂掻き込み側に揺動させた状態で停止させるのに、そのアームの揺動終端位置の手前位置から終端位置までの範囲において一定の減速制御を行うように構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のバックホウにあっては、アームの減速制御が一定の減速特性に従って行われるようになっていたため、ブームが立ち上がり姿勢となっている場合と、ブームが倒伏姿勢となっているときとでアームの減速停止時のショックが異なるものとなっていた。すなわち、ブームが立ち上がり姿勢のときはアームはブーム先端周りでの回動において、アームがほぼ垂直方向に沿う姿勢で停止することになるから、重力に抗してアームを停止するものでないため、比較的アームを急速に停止させるものとなって停止時のショックが大きく発生し易く、そのショックでバケット内の土砂の一部がこぼれ出てしまう虞れがあるのに対して、ブームが倒伏した状態でアームを停止する場合には、アームは上昇する途中で減速して停止するものとなるから、アームの停止時にアームの荷重が下向きに作用することもあって、上昇方向に作用する力が小さなものとなるので、ショックが比較的小さいものとなる。
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、ブームの姿勢に関係なくアームが土砂掻き込み作動向きでの揺動終端位置に停止する際のショックを小さくできるとともに、アーム停止時にバケットから土砂の一部がこぼれ落ちたりすることの抑制を図ることのできるバックホウの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(構成) 本発明の請求項1にかかるバックホウは、バックホウ装置のアームを土砂掻き込み作動向きでの終端停止位置近くで漸次減速して該終端停止位置に停止させるアーム用クッション制御手段と、バックホウ装置のブームを立ち上がり側終端停止位置近くで漸次 減速して該終端停止位置に停止させるブーム用クッション手段とを備え、
前記アーム用クッション制御手段は、前記バックホウ装置におけるブームの機台に対する起伏状態の検出結果に基づいて、前記ブームが前記機台に対して立ち上がり状態であるほど前記アームの漸減速作用を強めるように前記アームの減速特性を変更自在に構成してあるとともに、
前記ブーム用クッション手段は、前記ブームに対する前記アームの相対角度が大きいほど前記ブームの漸減速作用を強めるように前記ブームの減速特性を変更自在に構成してあることを特徴構成とする。
【0006】
(作用) 本発明の請求項1にかかる構成によれば、アームを掻き込み側終端位置近くで徐々に減速させるアーム減速制御手段を備えるとともに、該アーム減速制御手段は、ブームの水平に対する立ち上がり角度に基づいて、該角度が大きいほど、つまりブームが立ち上がり姿勢となっているほど衝撃の小さい減速制御を行うようにアームの減速特性を変更調節自在に構成してあるから、特に衝撃が生じ易く、その衝撃によってバケットから土砂がこぼれ落ち易い状態となるブーム起立時にアームをブーム側となる掻き込み側に揺動させる際には、衝撃が生じにくくなるよう、減速側の速度変化率をきわめて低く抑えた状態、すなわち漸減速作用を強めるようにした状態で減速して停止させることになる。また、実際の掘削を行って土砂を掻き込むような作業を行うブームが倒伏している状態のときには、極力迅速に土砂掻き込み作業が行えるとともに、アームが上昇する姿勢で停止させることになるから、アーム自身や土砂等の荷重もあってアームの停止作動においてもともと衝撃が生じにくいものとなっていて、ブーム起立時のアームの停止よりも比較的迅速に停止させても衝撃が発生しにくいものとなっている。
また、請求項1にかかる構成によれば、ブームを揺動終端位置近くで徐々に減速させるブーム減速手段を備えているとともに、該ブーム減速手段は、ブームに対するアームの相対角度が大きいほど衝撃の小さい減速を行うようにブームの減速特性を変更調節自在に構成してあるから、ブームを停止させる際に、アームのブームに対する相対姿勢に合わせてブームを衝撃少なく停止させるに適正な減速制御がなされることになる。
【0007】
(効果) 従って、本発明の請求項1にかかる構成によれば、ブームの起伏姿勢に応じてアームが掻き込み側に作動して停止する際でも殆ど衝撃が発生しないように適正な減速を行うから、特にブームが立ち上げ姿勢となっているときにバケット内の掻き込み土砂がアーム停止時にこぼれ落ちてしまうような不具合の発生を抑制できるとともに、ブームが倒伏している姿勢でのアームの停止を比較的迅速なものにでき、掘削時の作業性を高めることができる。
また、請求項1にかかる構成によれば、アームがブームに沿う姿勢となっているブームに対するアームの相対角度が大きい場合や、ブームに対してアームが交差するような屈折姿勢となっていてブームに対するアームの相対角度が小さい場合において、ブームが起立して停止する位置に到達するまでに停止時にショックが非常に小さくなるようにブームに対するアームの相対角度に応じて適正な減速が成されるように減速特性が変更調節されることになって、アームのみならずブームを衝撃少なく停止させることができ、よって、バケットからの土砂のこぼれが停止時の衝撃で生じることの抑制がなされる。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
(構成) 本発明の請求項2にかかるバックホウは、請求項1に記載のものにおいて、ブームの起伏角度に応じて変更する前記アームの減速特性を、人為的に選択可能に構成してあることを特徴構成とする。
【0012】
(作用) 本発明の請求項2にかかる構成によれば、ブーム角度に応じて変更するアームの減速特性を、人為的に選択変更可能に構成してあるから、例えば、バケット内に土砂が入っていないときには減速制御をほとんど行わないように人為的に設定し、逆にバケット内に土砂がある場合には、減速制御を十分行って停止時の衝撃が生じにくくしてアームの停止時に土砂がこぼれ落ちにくくできる。
【0013】
(効果) 従って、本発明の請求項2にかかる構成によれば、必要に応じてアームの減速制御の減速性能に強弱をつけたり、あるいは減速制御しないよう解除したりすることができるので、軽負荷での作業能率を高くして作業したり、土砂をバケットで運ぶ際の停止ショックを抑制したりできるに至った。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に小旋回型バックホウが示され、1はバックホウ装置、2は機台としての旋回台、3は走行機台、4はクローラ走行装置、50はドーザであり、バックホウ装置1は、ブーム5、アーム6、バケット7等を備えるとともに、ブーム5は、基端側ブーム5xと先端側ブーム5zとを、中間ブーム5yで連結した平行オフセット構造に構成されている。
【0015】
図3に油圧回路の概略が示され、ドーザシリンダ用制御弁29、バケットシリンダ7c用制御弁30、左走行モータ31用制御弁32、ブームシリンダ5c用制御弁9、アームシリンダ6c用制御弁10、右走行モータ33用制御弁34、旋回モータ45用制御弁35、オフセットシリンダ36用制御弁37、サービス用制御弁38が備えられている。運転部44における座席46の両脇夫々に、十字操作型の操作レバー47,48が配置されている。一方がブーム−バケット用であり、他方はアーム−旋回用である。
【0016】
図5に示すように、操作ペダル53が運転部44の前側に備えてあり、制御装置26に入力される操作ペダル53の操作信号に基づいてオフセット制御弁37が切換操作される。操作レバー47,48の操作量検出用の各ポテンショメータ49,50,51,52が制御装置26に接続され、電気的に電磁比例減圧弁型の各パイロット弁9a,9b,10a,10b,30a,30b,35a,35b,37a,37bを操作する構造である。そして、各制御弁9,10,30,35,37に対して、負荷圧よりも僅かに高い圧力で吐出される可変容量型の油圧ポンプ8を備えたL/Sシステムと、騒音や省エネルギーの点で好ましいオートアイドル(AI)システムとを備えてあり、以下に説明する。
【0017】
図3における二点鎖線で囲まれたブームシリンダ5cとアームシリンダ6cとに関する部分を抜粋した主要部の原理回路図が図3に示され、8はエンジン19で駆動される前述した可変容量型の油圧ポンプ、13は油圧ポンプ8の単位時間当たりの吐出油量を可変設定する流量調節機構である。流量調節機構13は、メインポンプ8の吐出圧で作動する馬力制御シリンダ13Aと、調節ポンプ18で駆動される流量制御シリンダ13Bとで構成されている。
【0018】
又、流量調節機構13に対する圧力補償型の流量調節弁14が設けてある。11はブーム用で12はアーム用の各コンペンセータ(圧力補償弁)であり、ブーム用制御弁9とアーム用制御弁10における供給側油路に絞り弁9s,10sが装備されている。
尚、ブーム用及びアーム用の制御弁9,10以外の各制御弁29,30,32,34,35,37,38の弁構造(操作構造は除く)は全てブーム用及びアーム用の制御弁9,10と基本的には同じものである。
【0019】
各コンペンセータ11,12は、各供給側絞り弁9s,10sに対する圧油供給下手側に位置し、かつ、各アクチュエータ5c,6cに対する圧油供給上手側に配置されている。そして、各コンペンセータ11,12に対する圧油供給下手側であり、かつ、各アクチュエータ5c,6cに対する圧油供給上手側部分と各コンペンセータ11,12のバネ側油室とを連通する低圧側油路11t,12tを設けてある。
【0020】
各コンペンセータ11,12に対する圧油供給上手側であり、かつ、各供給側油路の絞り弁9s,10sに対する圧油供給下手側部分と、各コンペンセータ11,12の反バネ側油室とを連通する高圧側油路11k,12kを設けてある。
各コンペンセータ11,12は、流路断絶側に付勢する圧縮バネ17が備えられた定差減圧弁に構成され、これによってアフターオリフィス型のロードセンシング回路を構成してある。
【0021】
流量制御弁14のバネ側油室14xと各供給側絞り弁9s,10sに対する圧油供給下手側部分とを連通する第1低圧側油路14tを設けてあり、各低圧側油路11t,12tに第1低圧側油路14tが連通している。各制御弁9,10の供給ポート9p,10pに連通される第2油路15と、流量制御弁14におけるバネ側油室14xと反対側の油室とを専用の接続油路16で連通してある。又、流量制御弁14の切換わり時における流量調節機構13に対する圧は、油圧ポンプ8とともにエンジン駆動される専用の調節ポンプ18で賄うように構成してある。
【0022】
つまり、第1油路14tと、制御弁9,10の各供給ポート9p,10pに連通する第2油路15との差圧を所定値に維持するように流量調節機構13を操作する流量制御弁14を設けて負荷制御手段Aが構成されている。
【0023】
そして、エンジン回転数を人為操作で調節設定するアクセルレバー24の操作量を電気的に検出する第1ポテンショメータ25と、ガバナー(回転数調節手段の一例)20のガバナレバー21を駆動操作するギヤードモータ22と、ブームシリンダ5c等の油圧アクチュエータが作動しているか否かを検出する作動検出手段23とを備え、油圧アクチュエータの停止時にはエンジン回転数をアイドリング側に変更操作するとともに、油圧アクチュエータの作動時にはエンジン回転数をアクセルレバー24による設定値に操作するように、第1ポテンショメータ25とギヤードモータ22とを連係するアクセル制御手段Cを備えてある。
【0024】
図5に示すように、ガバナレバー21の操作位置を検出するフィードバック用の第2ポテンショメータ27、ギヤードモータ22、前述した第1低圧側油路(第1油路に相当)14tの圧を検出する圧力センサからなる作動検出手段23、及び、第1ポテンショメータ25を連係するアクセル制御手段Cを制御装置26に備えてある。
【0025】
つまり、アイドリング位置iにあるハンドアクセルレバー24を操作して、作業状態におけるエンジン回転数(通常はフルアクセル位置mにセットすることが多い)を設定し、作業状態であればその設定回転数が維持され、非作業時(無負荷時)にはアクセルレバー24が例えば位置mにセットされたままとしながらエンジン回転数をアイドリング状態に落とすのである。この場合では、圧力センサ23によって作動検出手段が構成されている。
【0026】
又、絞り弁9s,10sの絞り量を変更調節可能な流量調節手段Bを設け、エンジン回転数が高められるとブームシリンダ5c等の油圧アクチュエータの駆動速度が速くなり、エンジン回転数が低められると油圧アクチュエータの駆動速度が遅くなるように、第2ポテンショメータ27と流量調節手段Bとを連係する速度制御手段Eを制御装置26に備えてある。
【0027】
流量調節手段Bは、各コンペンセータ11,12がわの各低圧油路11t,12tと第1低圧油路14tとを電磁高速応答弁28を介して接続させることから構成されている。そして、電磁高速応答弁28は、通常位置bでは各低圧側油路14t,11t,12tを連通し、高圧位置aではコンペンセータがわの両低圧側油路11t,12tと高圧がわの第2油路15とが連通油路21aによって連通される2位置切換弁構造に構成されている。
【0028】
電磁高速応答弁28の作動によってコンペンセータ11,12の低圧側油路11t,12tに作用する油圧をアクチュエータ5c,6cの負荷圧とポンプの吐出圧との中間値に設定できて、コンペンセータ11,12による差圧維持作用によってコンペンセータ11,12への供給圧を、電磁高速応答弁28が通常位置bにある場合よりも高めるようになる。すると、第1低圧側油路14tと調節ポンプ18の吐出圧との差圧を一定に維持する機能上、コンペンセータ11,12の上手側にある絞り弁9s,10sでの差圧を低めるように、すなわち絞り弁9s,10sの絞り量を小さく、つまりは制御弁9,10の開度を小さくするように制御され、その結果、アクチュエータ5c,6cへの供給油量が減じられて駆動速度が遅くなるのである。この作用は、負荷圧とポンプ差圧との差圧に基づく制御構造上、負荷が変動しても維持される。
【0029】
逆に、コンペンセータ11,12への供給圧を低くすると、絞り弁9s,10sでの差圧を高めるように、すなわち絞り弁9s,10sの絞り量を大きく、すなわち制御弁9,10の開度を大きくするように制御され、アクチュエータ5c,6cへの供給油量が増大して駆動速度が速くなる。
【0030】
そして、エンジン19の回転数を検出する第2ポテンショメータ27と、電磁高速応答弁28と、間欠作動時間のデューティー比を可変調節する設定器39と、自動制御モードと手動制御モードとの切換スイッチ40とを制御装置26に接続して、コンペンセータ11,12での分圧を変更設定するように構成されている。つまり、前記分圧の変更によって、絞り弁9s,10sの開度を変更調節可能な流量調節手段Bが構成されている。流量調節手段Bは、高圧位置aに復帰付勢される電磁高速応答弁28を、油圧ポンプ8の吐出油路である高圧油路に接続させる通常位置bに操作するための通電を間欠的に行う間欠作動と、その間欠時間を可変設定する間欠制御を行う機能を有している。
【0031】
速度制御手段Eの作用を説明すれば、先ず、切換スイッチ40を自動制御モードに操作して電磁高速応答弁28への通電を間欠的に行わせるとともに、その間欠時間の1サイクル中における通電時間割合、すなわちデューティー比をエンジン19の回転数が低いと小にするように連係される。これにより、掘削作業中に旋回速度を遅くしたいといった場合にはアクセルレバー24を操作してエンジン回転数を低くすれば良く、逆に駆動速度を速くしたい場合にはエンジン回転数を高くすれば良い。
【0032】
又、アクチュエータの駆動速度を意図的に変更したい場合には、切換スイッチ40を手動操作モードに操作して、第2ポテンショメータ27と制御装置26との連係を絶つ。すると、デューティー比が設定器39によって決定される状態になり、その設定器39の人為操作によってコンペンセータ11,12への供給圧を、アクチュエータ5c,6cの負荷圧とポンプ吐出圧との間の任意の値に設定でき、アクチュエータ5c,6cの駆動速度をエンジン回転数とは無関係に調節することができる。
【0033】
次に、クッション制御装置について説明する。各制御弁9,10,30,35,37の中立位置への切換えに伴って、油圧アクチュエータの駆動速度を漸減して停止させるクッション手段Dを備えている。一例を上げると、操作レバー47を中立操作するとブーム上げ又は下げの位置にあるブーム用制御弁9が中立位置に戻ることによってブームシリンダ5cの伸長又は短縮動が停止するのであるが、そのときのブーム用パイロット弁9a,9bへの供給電流を制御して、徐々にブームシリンダ5cへの油路を閉じ操作するのである。つまり、圧油供給を即座に断つと慣性によって停止衝撃が生じるので、クッション手段Dはそれを防止するべくアクチュエータ速度を減速して止める漸減作用を行うのである。
【0034】
そして、ブームシリンダ5cの伸縮速度等の油圧アクチュエータ速度を検出する速度検出手段Fを備え、ブーム用制御弁9等の制御弁の中立操作時におけるブームシリンダ5c等の油圧アクチュエータの駆動速度が速いと漸減作用を強化し、かつ、油圧アクチュエータの駆動速度が遅いと漸減作用を弱化させるように制御するクッション作用調節手段Gを備えてある。
【0035】
速度検出手段Fは、アクセルレバー24の操作位置を検出する第1ポテンショメータ(電流指示手段Hの一例)25の制御装置26への出力信号電流を検出することで構成されている。前述したように、このL/Sシステムではアクセル操作によるエンジン回転数変動によってアクチュエータ速度も同調して変動するので、電磁高速応答弁28のソレノイド(電気クアチュエータの一例)28aを作動させる出力電流を指示する信号電流、又は、ガバナレバー21操作用ギヤードモータ(電気アクチュエータの一例)22を作動させる出力電流を指示する信号電流の値を検出することにより、アクチュエータ速度を割り出せるのである。つまり、流量調節手段Bの変更調節操作を電気アチュエータで行うように構成するとともに、その電気アクチュエータへの供給電流値を決める電流指示手段Hを備え、この電流指示手段Hによる指示値を検出することによって速度検出手段Fが構成されている。
【0036】
実際の挙動としては、操作レバー47を中立位置以外の位置から中立操作すると、図6に示すように、その信号電流(ゲイン)を漸減して零にするように制御され、そうなると図7に示すように、制御弁9の開度が漸減して全閉に、すなわちブームシリンダ5cの伸縮速度が減速して停止するようになる。この場合では、ブームシリンダ5cの伸縮速度が最大であるとき(図6、図7の実線ライン)に中立操作してから実際に停止するまでの時間を基準として減速度を設定してあり、伸縮速度がやや速い速度中(図6、図7の一点鎖線ライン)ときや遅い速度小(図6、図7の二点鎖線ライン)のときには中立操作してもそのときの信号電流(ゲイン)及びアクチュエータ速度が暫くそのまま続行される状態(空動状態)の後に、設定された減速度で漸減される制御形態となる。
【0037】
L/Sシステムを採る本バックホウにおいて、ブームシリンダ5c等の油圧アクチュエータ速度が決まる制御作動は、図5に示すようになる。先ず、エンジン回転数を変える指示としてアクセルレバー24を操作し、第1ポテンショメータ25の変動によって制御電流(指示電流又は信号電流)が変化し、それから、高速応答弁28への供給電流、及びギヤードモータ22への供給電流が変化する。
ギヤードモータ22が動くとガバナレバー21の操作位置が変化してエンジン回転数が変わり、その回転数変動を第2ポテンショメータ27が検出して結果的にブームシリンダ5cの速度を変更する。又、高速応答弁28の作動間隔が変わると分圧が、すなわち制御弁9内装絞り弁9s前後の差圧(ゲイン圧)が変わり、その結果ブームシリンダ5cの速度が変更されるのである。
【0038】
次に、アーム6の掻き込み側の作動におけるアーム用油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ6cの伸長限界に達するときにアーム停止位置の手前から徐々に減速するように制御するアーム用クッション制御手段Daは、ブーム5の旋回台2に対する起伏角度θ1によってその減速特性を自動的に変更調節できるように構成している。すなわち、図1,図2及び図5に示すように、ブーム5の旋回台2に対する起伏角度θ1をポテンショメータから成るブーム角センサ43で検出し、その検出情報を制御装置26に入力するとともに、ブーム5に対するアーム6の相対揺動角度θ2を検出するアーム角センサ41、オフセット角θ3を検出するオフセット角センサ42をそれぞれ設けて、各センサ41,42の検出情報を制御装置26に入力している。アーム用クッション手段Daにおいては、起伏角度θ1が大であるほど、つまりブーム5が所定の小旋回用起立姿勢に近い姿勢になっているほど、アームシリンダ6cの伸縮速度が同じときの減速制御の開始時点を停止位置となるブーム6に対する所定のアーム角度位置θsから一層手前に離れる角度位置から減速制御する。具体的には、土砂掻き込み作業を行う状態でブーム5が前方に倒伏しているときにおいて、アーム6を掻き込み側に操作したときのその操作限界位置での停止を行う減速制御が、図8において一点鎖線で示すように、アーム角度位置θsより予め設定された所定角度θa手前から前記アームシリンダ6cへの供給油量を徐々に減少させていくようにしているのであって、それよりもブーム5が起立姿勢となっているときは、前記所定角度θaよりもさらに手前の所定角度θbから前記アームシリンダ6cへの供給油量を徐々に減少させていくようにしている。(図8の実線のグラフ参照)
【0039】
ブーム5についてもその小旋回用の起立姿勢で停止させる際のブーム用油圧シリンダ5cの伸長限界に達するときにブーム停止位置の手前から徐々に減速するように制御するブーム用クッション制御手段Dbは、ブーム5に対するアーム6の相対揺動角度θ2によってその減速特性を自動的に変更調節できるように構成している。すなわち、図1及び図5に示すように、ブーム5に対するアーム6の相対揺動角度θ2を前記アーム角センサ41で検出し、その検出情報に基づいて、制御装置26のブーム用クッション制御手段Dbは、前記相対揺動角度θ2が大であるほど、つまりアーム6がブーム5に対して大きく開いて相対揺動角度θ2が180度側にあるほど、ブームシリンダ5Cの伸縮速度が同じときの起立側終端位置に移動して停止する際の減速制御の開始位置を停止位置となるブーム5の旋回台2に対する停止位置θtから一層手前に離れる角度位置から減速制御する。具体的には、図9に示すように、ブーム5に対してアーム6の屈折角度が鋭角側にあるときにおいて、ブーム5を起立側に操作したときのその操作限界位置での停止を行う減速制御が、図9において一点鎖線で示すように、ブームの起立終端位置に対応するブーム角度位置θtより予め設定された所定角度θc手前から前記ブームシリンダ5cへの供給油量を徐々に減少させていくようにしているのであって、それよりもブーム5に対してアーム6の屈折角度が鈍角側となっているときは、前記所定角度θcよりもさらに角度位置θtより離れた所定角度θdから前記ブームシリンダ5cへの供給油量を徐々に減少させていくようにしている。
【0040】
さらに、このバックホウにおいては、ブーム5やアーム6のどちらでもクッション制御を行うようにしているのであって、通常そのクッション制御を行っているものの、前記角度センサ43や41の一方が故障している場合でも、故障していないがわのクッション制御は行えるようになっている。すなわち、例えばアーム6のブーム5に対する相対角度を検出する前記角度センサ41が断線等で故障した場合でも、制御装置26においては、その故障状態であると自己診断し、ブーム5の角度センサ43については正常である場合、ブーム5のクッション制御については正常に行うようにしているのである。
【0041】
さらにまた、人為操作によって、掘削作業を行っているときはアーム6の掻き込み側への操作での終端停止時における減速制御の減速特性を、減速性を強くする状態と弱くする状態とに、変更調節可能となっている。すなわち、図4及び図5に示すように、運転部44に設けた切換スイッチ60によって、バケット7に土砂が入っていないときと、バケット7に土砂が入っているときとで、前者において減速性を弱め、後者において減速性を強めるように制御装置26において減速特性を変更するようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】バックホウを示す全体側面図
【図2】ブームのオフセットについて示す平面図
【図3】油圧回路の概略全体図
【図4】ブーム及びアームに対する油圧回路図
【図5】制御ブロック図
【図6】中立操作に伴う制御電流(指示電流)の変化グラフを示す図
【図7】中立操作に伴う制御弁の挙動変化グラフを示す図
【図8】アームの停止時のクッション制御におけるアーム速度と、ブームに対するアーム角度との関係を示すグラフ
【図9】ブームの停止時のクッション制御におけるブーム速度と、ブームに対するアーム角度との関係を示すグラフ
【符号の説明】
1 バックホウ装置
2 機台
5 ブーム
6 アーム
Da アーム用クッション制御手段
Db ブーム用クッション制御手段
Claims (2)
- バックホウ装置のアームを土砂掻き込み作動向きでの終端停止位置近くで漸次減速して該終端停止位置に停止させるアーム用クッション制御手段と、バックホウ装置のブームを立ち上がり側終端停止位置近くで漸次減速して該終端停止位置に停止させるブーム用クッション手段とを備え、
前記アーム用クッション制御手段は、前記バックホウ装置におけるブームの機台に対する起伏状態の検出結果に基づいて、前記ブームが前記機台に対して立ち上がり状態であるほど前記アームの漸減速作用を強めるように前記アームの減速特性を変更自在に構成してあるとともに、
前記ブーム用クッション手段は、前記ブームに対する前記アームの相対角度が大きいほど前記ブームの漸減速作用を強めるように前記ブームの減速特性を変更自在に構成してあるバックホウ。 - 請求項1に記載のバックホウにおいて、前記ブームの起伏角度に応じて変更する前記アームの減速特性を、人為的に選択可能に構成してあるバックホウ。
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