JP3284619B2 - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JP3284619B2
JP3284619B2 JP29740892A JP29740892A JP3284619B2 JP 3284619 B2 JP3284619 B2 JP 3284619B2 JP 29740892 A JP29740892 A JP 29740892A JP 29740892 A JP29740892 A JP 29740892A JP 3284619 B2 JP3284619 B2 JP 3284619B2
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裕司 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空調装置に関し、特には
車両用空調装置に用いられるブロワモータへの印加電圧
を制御する空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭58−112822号公報に開示
されているように、従来の通常ブロワにコントローラを
接続するだけでブロワ風量がゆらぐ機能を付加するため
に、運転者が設定した風量レベルに応じたゆらぎ幅で風
量をゆらぐようにした装置が従来から知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来装置を
例えば車両に適用した場合、本発明者の実験検討によれ
ば、運転者が設定した風量が小さいときは、運転者はゆ
らぎを感じにくく快適感を得ることができないといった
問題があり、また運転者が設定した風量が大きいときに
はゆらぎが大きすぎて騒音が発生し、運転者は不快に感
じるといった問題が生ずることがわかった。
【0004】そこで本発明は上記問題に鑑み、適当な大
きさのゆらぎを与えることによって運転者に快適感を与
え、かつ騒音の発生を防止することのできる空調装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、室内に空気を送風する送風手段と、前記送
風手段に印加する送風電圧を決定し、かつこれを前記送
風手段へ出力する送風電圧決定手段と、前記送風手段よ
り発生する風にゆらぎを与える信号を指令するためのゆ
らぎ指令手段と、前記ゆらぎ指令手段よりゆらぎの指令
が出された場合、前記送風手段より発生する風に、前記
送風電圧が小さいときは大きなゆらぎ幅を付与し、かつ
前記送風電圧が大きいときは小さなゆらぎ幅を付与する
ゆらぎ幅付与手段と 少なくとも設定温と室温の偏差に
基づいて空調の目標値を演算する演算手段とを備え、
記ゆらぎ幅付与手段は、前記空調目標値が所定値以上の
ときに空調装置の起動からエンジン冷却水温が所定温以
上となるまで、あるいは前記空調目標値が前記所定値以
下のときに前記空調装置の起動から所定時間が経過する
までは、前記ゆらぎ指令手段よりゆらぎの指令が出され
ても、前記送風手段より発生する風に前記ゆらぎを付与
しない空調装置をその第1の要旨とする。 また、本発明
は、 室内に空気を送風する送風手段と、 前記送風手段に
印加する送風電圧を決定し、かつこれを前記送風手段へ
出力する送風電圧決定手段と、 前記送風手段より発生す
る風にゆらぎを与える信号を指令するためのゆらぎ指令
手段と、 前記ゆらぎ指令手段よりゆらぎの指令が出され
た場合、前記送風手段より発生する風に、前記送風電圧
が小さいときは大きなゆらぎ幅を付与し、かつ前記送風
電圧が大きいときは小さなゆらぎ幅を付与するゆらぎ幅
付与手段と、 少なくとも設定温と室温の偏差に基づいて
空調の目標値を演算する演算手段とを備え、 前記ゆらぎ
幅付与手段は、前記空調目標値が所定値以上のときに空
調装置の起動からエンジン冷却水温が所定温以上となる
まで、あるいは前記空調目標値が前記所定値以下のとき
に前記空調装置の起動から所定時間が経過するまでは、
前記送風手段より発生する風に、前記エンジン冷却水温
が前記所定温以上となった後、あるいは前記所定時間の
経過後よりも小さな前記ゆらぎ幅を付与する空調装置を
その第2の要旨とする。
【0006】
【作用】本発明によると、ゆらぎ指令手段により室内へ
送風される風にゆらぎを与える旨の指令が出されたと
き、ゆらぎ幅付与手段は、送風電圧決定手段にて決定さ
れた送風電圧が小さい場合は、送風手段により発生する
に大きなゆらぎ幅を付与するので、室内への送風量が
小さいときでも乗員はゆらぎによって快適感を得ること
ができる。
【0007】またゆらぎ幅付与手段は、送風電圧決定手
段にて決定された送風電圧が大きい場合は、送風手段に
より発生する風に小さなゆらぎ幅を付与するので、乗員
はゆらぎによる快適感を大幅に損なわない範囲内で、騒
音によって不快に感じることを回避することができる
また、ゆらぎ幅付与手段は、空調目標値が所定値以上の
ときに空調装置の起動からエンジン冷却水温が所定温以
上となるまで(ウォームアップ制御中)、あるいは空調
目標値が所定値以下のときに空調装置の起動から所定時
間が経過するまで(マジック冷房制御中)は、ゆらぎ指
令手段よりゆらぎの指令があっても、ゆらぎを付与しな
い。または、空調目標値が所定値以上のときに空調装置
の起動からエンジン冷却水温が所定温以上となるまで
(ウォームアップ制御中)は、エンジン冷却水温が所定
温以上となった後よりも小さなゆらぎ幅を付与する、あ
るいは空調目標値が所定値以下のときに空調装置の起動
から所定時間が経過するまで(マジック冷房制御中)
は、所定時間の経過後よりも小さなゆらぎ幅を付与す
る。
【0008】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は風量の大小
に関係なく乗員はゆらぎによる快適感を得ながら、かつ
騒音によって不快に感じることも回避することができ
。また、ウォームアップ制御中にゆらぎ制御を行うこ
とによる冷風感の増大およびそれに伴う乗員の不快感を
なくすことができる。さらに、マジック冷房制御中にゆ
らぎ制御を行うことによる温風感の増大およびそれに伴
う乗員の不快感をなくすことができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を自動車に適用した実施例を図
を用いて説明する。まず、本発明第1実施例の全体構成
について図2を用いて説明する。
【0010】図2に示すように、通風ダクト20の上流
側には、内気導入口8と外気導入口9とが形成されてい
る。内気導入口8と外気導入口9は、内外気サ−ボモ−
タ5によって駆動される内外気切替ダンパ6によって開
閉される。
【0011】内外気切替ダンパ6の下流には、自身が回
転することによって内気導入口8または外気導入口9か
ら空気を導入し、この空気を通風ダクト20を介して車
室内へ吹き出すためのブロワ19が配設されている。ま
たこのブロワ19は外部から印加される電圧によって駆
動されるブロワモータ11によって駆動される。尚、第
1実施例ではブロワ19およびブロワモータ11にて送
風手段を構成している。
【0012】ブロワ19の下流にはエバポレータ12が
配設されている。このエバポレータ12は、自身内部を
流れる冷媒が周囲の空気から吸熱することによって空気
を冷却除湿する熱交換器であり、図示しないコンプレッ
サ、コンデンサ、減圧器とともに冷凍サイクルを形成す
る。またエバポレータ12の直下流部には、エバポレー
タ12を通過した直後の空気温度を検出するエバポレー
タ吹出温度センサ23が配設されている。
【0013】エバポレータ12の下流にはヒータコア1
3が配設されている。このヒータコア13は、図示しな
い配管を介して流れてくるエンジン冷却水を熱源として
空気を加熱する熱交換器である。またヒータコア13へ
の前記エンジン冷却水の流入は図示しないウォータバル
ブの開閉によって断続される。また前記配管には、エン
ジン冷却水温度を検出するための図示しない水温センサ
が設けられている。
【0014】ヒータコア13の上流部には、エバポレー
タ12によって冷却除湿された空気がヒータコア13を
通る量とヒータコア13をバイパスする量とを調節する
エアミックスダンパ21が配設されている。また、エア
ミックスダンパ21はエアミックスサ−ボモ−タ14に
よって駆動される。
【0015】エアミックスダンパ21によって温度コン
トロールされた空気は、フェイス吹出口15から車室内
乗員の上半身へ向かって吹き出されたり、フット吹出口
16から乗員の足元へ向かって吹き出されたり、図示し
ないデフロスタ吹出口からフロントガラスへ向かって吹
き出される。これらフェイス吹出口、フット吹出口、お
よびデフロスタ吹出口の開閉は、ヒータコア13の下流
に配設された吹出口切替ダンパ17等によって行われ
る。また、吹出口切替ダンパ17は吹出口切替サ−ボモ
−タ18によって駆動される。
【0016】また、1は車室内の空気温度を検出する内
気温度センサ1、2は外気温を検出する外気温度セン
サ、および3は車室内へ入り込んでくる日射量を検出す
る日射センサである。そしてこれらのセンサが検出する
信号はECU7へ入力される。
【0017】ECU7には、センサ1ないし3からの信
号の他に、車室内温度を設定する温度設定器10からの
信号が入力される。またECU7には、ブロワ電圧にゆ
らぎ幅を付与するためのゆらぎスイッチ22からの信号
が入力される。そしてこれらの信号に基づいて所定の演
算が行われ、この演算結果に基づいて内外気サ−ボモ−
タ5、ブロワモータ11、エアミックスサ−ボモ−タ1
4、吹出口切替サ−ボモ−タ18、および図示しないウ
ォータバルブへ制御信号が出力される。
【0018】次に、ブロワ19の駆動について図3を用
いて説明する。ECU7は上記演算処理の通りにブロワ
19に印加する電圧をフィードバック制御するために、
端子4にてブロワ電圧VMを検出している。またECU
7は端子3からブロワコントローラ4へ制御入力を与え
て出力電圧BLWを制御する。端子2はブロワモータ1
1をバッテリー電圧(+B)で駆動させるためにブロワ
コントローラ4の出力ターミナルを短絡するバイパスリ
レー4aを駆動する端子であり、端子1はブロワモータ
11に電源を供給するためのメインリレー4bを駆動す
る端子である。また4cはパワートランジスタ、4dは
温度ヒューズである。
【0019】次に第1実施例の作動を図4に従って説明
する。ここで図4はECU7内のマイクロコンピュータ
の制御処理を示したフローチャートである。先ずステッ
プ110にて、内気温度センサ1からの内気温度(T
R)、外気温度センサ2からの外気温度(TAM)、日
射センサ3からの日射量(TS)、エバポレータ吹出温
度センサ23からのエバポレータ吹出温度(TE)、図
示しない水温センサからのエンジン冷却水温(TW)、
および温度設定器10からの車室内設定温度(TSE
T)とゆらぎスイッチ22からの信号をそれぞれ読み込
む。
【0020】次にステップ120にて、下記数式1に従
い車室内への目標吹出温度(TAO)を演算する。
【0021】
【数1】TAO=KSET×TSET−KR×TR−K
AM×TAM−KS×TS+C(KSET、KR、KA
M、およびKSは係数であり、Cは定数である) 次にステップ130では、車室内への吹出温度がステッ
プ120にて求めたTAOとなるべく、エアミックスダ
ンパ21の目標開度(SW)を下記数式2に従って演算
する。
【0022】
【数2】 SW=(TAO−TE)×100/(TW−TE) (%) 次にステップ140では、図5に示す相関関係から決定
されるブロワ電圧か、または乗員がマニュアルでブロワ
風量を設定するための図示しない風量設定器によって決
定されたブロワ電圧から、基準ブロワ電圧V1 を決定す
る。なお、前記相関関係は前記マイクロコンピュータ内
のROMに記憶されている。
【0023】次にステップ150では、ステップ120
にて求めたTAOに応じた吹出モードを図6に示す相関
関係から決定する。なお、この相関関係は前記マイクロ
コンピュータ内のROMに記憶されている。
【0024】次にステップ160では、ゆらぎスイッチ
22(図2)がオンされているか否かを判定する。ゆら
ぎスイッチ22がオンされていない(NO)場合、ステ
ップ170にて、ブロワコントローラ4へ出力する最終
的なブロワ電圧Vをステップ140にて求めた基準ブロ
ワ電圧V1 に決定する。
【0025】ステップ160にてゆらぎスイッチ22が
オンされている(YES)と判定された場合は、ステッ
プ180にて、ステップ140にて求めた基準ブロワ電
圧V1 に付与するゆらぎ幅ΔVを図7から決定する。つ
まり、ステップ140にて求めた基準ブロワ電圧V1 が
ロー(Lo)のときは、その電圧が増す方向(+方向)
に2ボルトのゆらぎ幅を付与する。また、基準ブロワ電
圧V1 がハイ(Hi)のときは、その電圧が減る方向
(−方向)に1ボルトのゆらぎ幅を付与する。また基準
ブロワ電圧V1 がメディアム(Me)のときは+,−各
方向に0.5ボルトずつのゆらぎ幅を付与する。なお、
図7に示す相関関係は前記マイクロコンピュータ内のR
OMに記憶されている。
【0026】図7からもわかるように、第1実施例では
基準ブロワ電圧がLoのときはゆらぎ幅の絶対値を2ボ
ルトとし、基準ブロワ電圧がMeとHiのときはゆらぎ
幅の絶対値を1ボルトとしている。これら絶対値の大き
さは図8に示す実験データに基づくものである。
【0027】すなわち、図8からもわかるように、ゆら
ぎ幅を大きくすればそれだけゆらぎによって感じる快適
度は高まるのであるが、騒音によって感じる不快度の方
も高まってしまう。そこで、ゆらぎによって感じる快適
度を大幅に損なわない範囲内で騒音によって感じる不快
度を低くするために、第1実施例では、ステップ140
にて決定された基準ブロワ電圧がLoのときはゆらぎ幅
ΔVが2ボルトとなるようにしている。また、前記基準
ブロワ電圧がMeとHiのときはゆらぎ幅ΔVが1ボル
トとなるようにしている。
【0028】ステップ180にてゆらぎ幅ΔVが決定し
たら、ステップ190にて、そのゆらぎ幅ΔVをステッ
プ140にて求まった基準ブロワ電圧V1 に加算し、加
算後の値V(=V1 +ΔV)をブロワコントローラ4へ
出力する最終的なブロワ電圧として決定する。
【0029】次にステップ200では、エアミックスダ
ンパ21の開度がステップ130にて決定された開度S
Wとなるようにエアミックスサ−ボモ−タ14へ制御信
号を出力する。
【0030】次にステップ210では、ステップ170
またはステップ190にて決定されたブロワ電圧をブロ
ワコントローラ4へ印加するように制御信号を出力す
る。次にステップステップ210では、吹出口モードが
ステップ150にて決定された吹出モードとなるように
吹出口切替サ−ボモ−タ18へ制御信号を出力する。そ
の後リターンする。
【0031】ここで、Meの基準ブロワ電圧にて風が吹
き出されているときにゆらぎスイッチ22をオンし、そ
の後ゆらぎを継続させたまま基準ブロワ電圧を前記図示
しない風量設定器でMeからLoに下げた場合の作動例
を図1および図4を用いて説明する。
【0032】図1に示すように、時間TがT<T1 のと
きはゆらぎスイッチ22がオンされていないので、ブロ
ワ電圧Vは基準ブロワ電圧V1 と同じくMeのまま一定
である。つまり図4のステップ160にてNOと判定さ
れ、最終的にブロワコントローラ4へ出力するブロワ電
圧Vがステップ170にて基準ブロワ電圧V1 に決定さ
れているのである。
【0033】そして、図1(b)に示すようにT=T1
のときにゆらぎスイッチ22がオンされ、基準ブロワ電
圧V1 に図1(d)のような+,−両方向のゆらぎ幅が
付与される。その結果ブロワ電圧Vは、図1(c)に示
すように、Meレベルを中心に+,−両方向にゆらぐも
のとなる。これはつまり、ステップ160にてYESと
判定され、ステップ180にてゆらぎ幅ΔVが図1
(d)のように決定され、ステップ190にてこのゆら
ぎ幅ΔVが基準ブロワ電圧V1 に付与され、これがブロ
ワコントローラ4へ出力される最終的なブロワ電圧Vと
して決定されるのである。
【0034】そして、図1(a)、(b)に示すよう
に、ゆらぎスイッチ22がオンされたままの状態で、T
=T2 のときに前記図示しない風量設定器によって基準
ブロワ電圧V1 をMeからLoに下げた場合、基準ブロ
ワ電圧V1 に付与されるゆらぎ幅ΔVは図1(d)に示
すように+方向に2ボルトの大きさのものとなる。その
結果ブロワ電圧Vは、図1(c)に示すように、Loレ
ベルを基準として+方向にのみ2ボルトの大きさでゆら
ぐものとなる。
【0035】以上述べたように、第1実施例では基準ブ
ロワ電圧がLoのときは、この基準ブロワ電圧に付与す
るゆらぎ幅の大きさを2ボルトとしたので、乗員はゆら
ぎによって高い快適度を得ることができる。また、ゆら
ぎ幅の大きさを2ボルトとすることによって起こる音の
大きさを乗員が不快適に感じることも殆ど無い。
【0036】また第1実施例では、基準ブロワ電圧がM
eまたはHiのときは、この基準ブロワ電圧に付与する
ゆらぎ幅の大きさを1ボルトとしたので、乗員はゆらぎ
によって体感する快適度が確保されながら、かつ音の大
きさによって不快に感じることも殆ど無くなる。
【0037】尚、第1実施例では、送風電圧決定手段を
ステップ140およびステップ210、または図示しな
い風量設定器にて構成している。またゆらぎ指令手段を
ゆらぎスイッチ22にて構成している。また、ゆらぎ幅
付与手段をマイクロコンピュータ内のROM、ステップ
180および190で構成している
【0038】また、第1実施例では、外気温が低くかつ
エンジン冷却水温が低いときに送風を停止して冷風が吹
き出されるのを防止するウォームアップ制御を行ってい
るとき、あるいは外気温が高いときに一定時間送風を停
止してエバポレータからの温風の吹出を防止するマジッ
ク冷房制御を行っているときは、ゆらぎ指令手段からゆ
らぎの指令が出されていてもゆらぎを行わない。以下、
この作動を図10を用いて具体的に説明する
【0039】ずステップ310ないしステップ340
にて上のステップ110ないしステップ140と同様
の制御を行う。
【0040】次にステップ350にて、上記ステップ3
20にて求めた目標吹出温度(TAO)と、図11に示
す相関関係とより、現在の環境条件がウォームアップ制
御を行う条件であるかあるいはマジック冷房制御を行う
条件であるかを判定し、そのときに印加するブロワ電圧
を図12、図13より仮決定する。つまり、TAOが高
い場合は図11よりウォームアップ制御を行う条件であ
ると判定し、そのときに印加するブロワ電圧V2 を図1
2より仮決定する。またTAOが低い場合は図11より
マジック冷房制御を行う条件であると判定し、そのとき
に印加するブロワ電圧V3 を図13より仮決定する。
【0041】次にステップ360では、上記ステップ3
40にて仮決定されたブロワ電圧V1 、およびステップ
350にて仮決定されたブロワ電圧V2 ,V3 より、ブ
ロワモータ11に印加すべきブロワ電圧Va を決定す
る。具体的に説明すると、ステップ350にてウォーム
アップ制御を行う条件であると判定された場合は、図1
2より仮決定されたブロワ電圧V2 と図5より仮決定さ
れた基準ブロワ電圧V1とを比較し、低い方のブロワ電
圧をVa に決定する。また、ステップ350にてマジッ
ク冷房制御を行う条件であると判定された場合は、図1
3より仮決定されたブロワ電圧V3 と図5より仮決定さ
れた基準ブロワ電圧V1 とを比較し、低い方のブロワ電
圧をVa に決定する。
【0042】次にステップ370では、ステップ320
で求めたTAOに応じた吹出モードを図6に示す相関関
係から決定する。次にステップ380では、上記ステッ
プ360で決定されたブロワ電圧Va が基準ブロワ電圧
V1 であるか否かを判定する。
【0043】ステップ380にてNOと判定された場
合、つまりウォームアップ制御あるいはマジック冷房制
御を行う場合は、ステップ390に進んでブロワモータ
11に印加する最終的なブロワ電圧Vをステップ360
にて決定されたブロワ電圧Vaに決定する。すなわち、
ステップ360にてウォームアップ制御を行うと決定さ
れた場合はV=V2 に決定し、ステップ360にてマジ
ック冷房制御を行うと決定された場合はV=V3 に決定
する。
【0044】またステップ380にてYESと判定され
た場合、つまりウォームアップ制御もマジック冷房制御
も行わず、図5に応じた風量制御を行う場合は、ステッ
プ400にてゆらぎスイッチ22が操作されているか否
かを判定し、操作されている場合はステップ360にて
決定されたブロワ電圧Va にゆらぎ幅ΔVを付与し(ス
テップ410)、操作されていない場合はV=Va =V
1 に決定する(ステップ390)。尚、ステップ410
にて付与するゆらぎ幅は、図7で示したゆらぎ幅を用い
る。
【0045】次にステップ420ないしステップ440
では、上のステップ200ないしステップ220と同
様の制御を行う。その後リターンする。ここで、ゆらぎ
スイッチ22が操作された状態でウォームアップ制御を
行い、その後に定常制御を行う場合の作動例を図14を
用いて説明する。
【0046】空調装置の起動を開始した時間をT=0と
する。尚、T=0の時点ではゆらぎスイッチ22はオン
されており、外気温度および内気温度はかなり低いもの
とする。この場合、T=0の時点ではTAOは高い温度
として算出され、ウォームアップ制御が開始される。そ
して空調装置を起動してからT3の時間が経過してエン
ジン冷却水温(TW)が40℃になったら、Loの大き
さのブロワ電圧がブロワモータ11に印加される。そし
てエンジン冷却水温の上昇とともに徐々に大きなブロワ
電圧が印加され、T=T4になると(TW=70℃にな
ると)、ウォームアップ制御が解除され、この時点から
ブロワ電圧にゆらぎ幅が付与され始める。この後の制御
については第1実施例で述べた通りである。
【0047】以上述べたように、第実施例では、ウォ
ームアップ制御を行うときにはゆらぎスイッチ22が押
されていてもゆらぎを行わないようにしたので、ウォー
ムアップ制御中にゆらぎ制御を行うことによる冷風感の
増大およびそれに伴う乗員の違和感をなくすことができ
る。また第実施例では、マジック冷房制御を行うとき
にはゆらぎスイッチ22が押されていてもゆらぎを行わ
ないようにしたので、マジック冷房制御中にゆらぎ制御
を行うことによる温風感の増大およびそれに伴う乗員の
違和感をなくすことができる。
【0048】尚、ステップ360およびステップ430
は送風電圧決定手段である。ステップ410はゆらぎ幅
付与手段である。
【0049】尚、上記第実施例では、ウォームアップ
制御中あるいはマジック冷房制御中にはゆらぎを完全に
停止させるように制御したが、小さなゆらぎであれば付
与しても効果は発揮できる。
【0050】また、上記第1実施では、送風手段より
発生する風にゆらぎを与える信号をブロアモータ11に
指令するように構成したが、例えばスイングルーバ,吹
出モード切換ダンパ等に指令するように構成しても良
い。
【0051】また、上記第1実施では、基準ブロア電
圧がMeまたはHiのときにこの基準ブロア電圧に付与
するゆらぎ幅の大きさを1ボルトとしたが、乗員が騒音
によって感じる不快適度が高くない程度であれば、ゆら
ぎ幅の大きさをさらに大きくしても良い。
【0052】また、上記第1実施では、基準ブロア電
圧V1に対するゆらぎ幅ΔVの絶対値を図9実線(a)
のようにV1がLoからMeまでの間は直線的に変化さ
せ、V1がMeからHiまでの間は全て同じとなるよう
に設定したが、一点鎖線(b)のようにV1がLoから
Hiまでの間で直線的に変化させたり、二点鎖線(c)
のようにV1がLoからHiまでの間で二次曲線的に変
化させても良い。
【0053】また、上記第1実施では、本発明を自動
車に適用した例として説明したが、例えば室内用空調装
置、扇風機等に適用しても有効である。また、上実施
例では、ゆらぎ指令手段をゆらぎスイッチ22にて構成
したが、空調条件によって自動的にゆらぎを指令する手
段を用いても良い。
【0054】また、上記第1実施では、ゆらぎ幅付与
手段をソフトで構成したが、回路等のハードで構成して
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例の作動例を示す図であり、
(a)は基準ブロワ電圧を示す図、(b)はゆらぎスイ
ッチの状態を示す図、(c)はブロワ電圧を示す図、お
よび(d)はゆらぎ幅を示す図である。
【図2】上記第1実施例の全体構成を概略的に示した全
体構成図である。
【図3】上記第1実施例に用いるブロワの駆動回路図で
ある。
【図4】上記第1実施例で用いるマイクロコンピュータ
の制御処理を示したフローチャートである。
【図5】上記第1実施例におけるTAOと基準ブロワ電
圧との相関関係図である。
【図6】上記第1実施例におけるTAOと吹出モードと
の相関関係図である。
【図7】上記第1実施例における基準ブロワ電圧とゆら
ぎ幅との相関関係図である。
【図8】ゆらぎ幅の大きさに応じたゆらぎによる快適度
と、ゆらぎ幅の大きさに応じた騒音による不快度とを示
した実験データである。
【図9】上記第1実施例および他の実施例における基準
ブロワ電圧とゆらぎ幅の絶対値との相関関係図である。
【図10】上記第1実施例のマイクロコンピュータの制
御処理を示すフローチャートである。
【図11】上記第実施例における、ウォームアップ制
御を行うかあるいはマジック冷房制御を行うかをTAO
との相関関係で示した図である。
【図12】上記第実施例におけるエンジン冷却水温と
ブロア電圧V2との相関関係図である。
【図13】上記第実施例におけるエアコン起動後の経
過時間とブロア電圧V3との相関関係図である。
【図14】上記第実施例の作動例を示す図であり、
(a)はエンジン冷却水温を示す図、(b)はブロア電
圧を示す図である。
【符号の説明】
11 送風手段としてのブロワモータ 19 送風手段としてのブロワ 22 ゆらぎ指令手段としてのゆらぎスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 裕司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 寒川 克彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 杉 光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−160264(JP,A) 特開 平4−110218(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101 F24F 11/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内に空気を送風する送風手段と、 前記送風手段に印加する送風電圧を決定し、かつこれを
    前記送風手段へ出力する送風電圧決定手段と、 前記送風手段より発生する風にゆらぎを与える信号を指
    令するためのゆらぎ指令手段と、 前記ゆらぎ指令手段よりゆらぎの指令が出された場合、
    前記送風手段より発生する風に、前記送風電圧が小さい
    ときは大きなゆらぎ幅を付与し、かつ前記送風電圧が大
    きいときは小さなゆらぎ幅を付与するゆらぎ幅付与手段
    少なくとも設定温と室温との偏差に基づいて空調の目標
    値を演算する演算手段とを備え、 前記ゆらぎ幅付与手段は、前記空調目標値が所定値以上
    のときに空調装置の起動からエンジン冷却水温が所定温
    以上となるまで、あるいは前記空調目標値が前記所定値
    以下のときに前記空調装置の起動から所定時間が経過す
    るまでは、前記ゆらぎ指令手段よりゆらぎの指令が出さ
    れても、前記送風手段より発生する風に前記ゆらぎを付
    与しない ことを特徴とする空調装置。
  2. 【請求項2】 室内に空気を送風する送風手段と、 前記送風手段に印加する送風電圧を決定し、かつこれを
    前記送風手段へ出力する送風電圧決定手段と、 前記送風手段より発生する風にゆらぎを与える信号を指
    令するためのゆらぎ指令手段と、 前記ゆらぎ指令手段よりゆらぎの指令が出された場合、
    前記送風手段より発生する風に、前記送風電圧が小さい
    ときは大きなゆらぎ幅を付与し、かつ前記送風電圧が大
    きいときは小さなゆらぎ幅を付与するゆらぎ幅付与手段
    と、 少なくとも設定温と室温との偏差に基づいて空調の目標
    値を演算する演算手段とを備え、 前記ゆらぎ幅付与手段は、前記空調目標値が所定値以上
    のときに空調装置の起動からエンジン冷却水温が所定温
    以上となるまで、あるいは前記空調目標値が前記所定値
    以下のときに前記空調装置の起動から所定時間が経過す
    るまでは、前記 送風手段より発生する風に、前記エンジ
    ン冷却水温が前記所定温以上となった後、あるいは前記
    所定時間の経過後よりも小さな前記ゆらぎ幅を付与する
    ことを特徴とする 空調装置。
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