JP3283829B2 - 脱穀装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバインの脱穀装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】実開昭54−130062号公報や、特
開昭55−34085号公報に示されるように、脱穀処
理量の検出手段を設け、該検出手段の検出結果に基づい
てフィン角度を自動調節した点が記載されている。 【0003】そして、前記特開昭55−34085号公
報に記載の技術においては、前記フィン角度を、脱穀始
めと終わりにおいて小さくすべく構成したものであり、
例えば脱穀始めから定常状態になるまでの間、クリンプ
網から漏下する脱穀物が少なく稈切れなどが多い状態が
続く。また、脱穀作業の終わりにおいては、穀稈列の最
後端が扱室を通過した脱穀終わりから以降も脱穀物が少
なくなると共に稈切れ等が、引き続く二番還元によって
多い状態が続くので、前記の期間でフィン角度を小さく
調節する構成であった。 【0004】 【本発明の課題】しかしながら、刈り始め時から定常状
態になるまでの間であっても、コンバインの走行速度が
高速であるか低速であるかによっては、脱穀量が大小相
違することになるので、前記従来技術の構成だけでは、
刈り始め時から定常状態になるまでの間の選別性能が適
正な状態に維持できないという問題があった。また、脱
穀装置が駆動されていない状態でのフィン角度の自動調
節を実行すると選別不良が発生するという問題もあっ
た。本発明はこの不具合を解決するためになされたのも
のである。 【0005】 【発明を解決するための手段】このために、本発明の脱
穀装置は、チャフシーブにおけるフィンの角度変更手段
と、脱穀処理量の検出手段と、脱穀装置への動力伝達を
行う脱穀クラッチの継合・非継合状態の場合にON・O
FFする脱穀スイッチとを設け、検出脱穀処理量に基づ
いてフィンの角度を自動調節するように構成すると共
に、刈り始め時のフィンの角度を、低速走行の方より高
速走行の方で大きくさせるべく制御する一方、前記脱穀
スイッチをOFFにしたときには、前記検出脱穀処理量
に基づくフィン角度の自動調節を中止するように制御す
る制御手段を備えたものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下本発明をその実施例を示す図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係る脱穀装置を
装備した収穫機の外観斜視図である。図において、3は
走行クローラ1上方における機体上部に搭載された脱穀
装置であり、機体前部に位置して分草杆4,刈刃2、引
起し装置7等で構成されている刈取部Gによって刈取ら
れた穀稈が、図示しない上部及び下部搬送装置等を経て
この脱穀装置3に供給されて脱穀処理され、脱穀後の穀
粒は籾タンク5に送給される。 【0007】また、図中符号9は運転席8の前方に設け
られた操作コラム、10は縦搬送装置であって、その終
端を穀稈挾扼移送装置のフィードチェン12始端部に臨
ませており、この近傍には穀稈の脱穀装置への送給を検
知するための穀稈センサ6が設けられている。なお、穀
稈センサ6は、この位置に限らず、穀稈挾扼移送装置1
1の始端部の側方、或いは縦搬送装置10等の搬送経路
内でもよく、また、扱深さ自動調節装置を備えた収穫機
においては、稈長検出のために設けられるセンサと共用
させる構成としてもよい。穀稈挾扼移送装置11はフィ
ードチェン12と挾扼杆13とから構成されており、脱
穀装置3の扱口に沿って設けられたものである。 【0008】図2は脱穀装置3の一部破断縦断面図であ
る。脱穀装置3は機筐14内上部に形成された扱室15
内に、多数の扱歯16を有する扱胴17を軸架し、該扱
胴17の軸長方向と平行に扱口を延設すると共に、該扱
室15の下方部に受網18を張設し、さらに、前記扱室
15の下部には、扱胴17の軸長方向にほぼ平行な揺動
選別装置19を設けたものである。扱胴17の右側上方
(機体の中央寄り)の位置には二番還元物を再処理する
ための処理室50が設けられており、この処理室50内
にはその軸長方向を扱胴17の軸長方向と同方向として
多数の扱歯52を有する処理胴51が軸架されている。 【0009】揺動選別装置19は、傾斜状に延びる揺動
選別盤20と、該揺動選別盤20の後部下方に設けられ
た後述の角度可変式のチャフシーブ21と、このチャフ
シーブ21の後方に連設したストローラック22等から
構成したものであり、駆動源に連動して揺動する揺動ア
ーム23、24により前記扱胴17の軸長方向に揺動す
べく構成されている。 【0010】また、揺動選別装置19の下方には、一番
流穀板25及び一番スクリュー26からなる一番穀物取
出部(一番口)27と、二番流穀板28及び二番スクリ
ュ−29からなる二番穀物取出部(二番口)30とを有
する選別風路31を形成している。 【0011】一番穀物取出部27に落下した穀粒は一番
スクリュー26から籾タンク5に送給され、また、二番
穀物取出部30に落下した穀粒は二番スクリュー29か
らブロワ47により二番スロワ筒48内上方に吹き上げ
られ、脱穀装置3の屋根板の処理室50上方の位置に突
設された処理胴カバー53から処理胴51上に落下され
て再選別されるようになっている。二番スクリュー29
には、該スクリュー29の回転数を検出する二番回転セ
ンサ69が設けられており、また処理胴カバー53には
処理胴に還元される二番還元物量を検出する二番センサ
60が設けられている。 【0012】前記ストローラック22の後上方には、軸
流ファンを用いてなる吸排塵装置37を設ける一方、該
吸排塵装置37の上方に上部吸引カバー38を、また、
下方に下部吸引カバー39を配設してあり、前記吸排塵
装置37の吸引口40を風路31側に開口すると共に、
その排風口41を排塵口36に向けて開口している。 【0013】前記上部吸引カバー38の上方には、両端
部から斜め上方に流下樋つまり四番樋43を延設して四
番口44を形成し、脱穀後の稈、即ち排藁から取り出さ
れる刺さり粒をストローラック22上方に還元させるよ
うに構成している。 【0014】図3は、チャフシーブ21の一部と共に示
すフィン角変更用の操作レバ71の周辺の側断面図であ
る。チャフシーブ21は矩形に枠組された枠材のうち、
機体前後方向に延びる左右枠材(図示せず)間に、機体
左右方向に延びる多数のフィン21bを前後方向に並設
し、各上部を枠材に枢支している。各フィン21bの下
部は前後方向に延びる1本の調節連杆21cに夫々枢支
されており、該調節連杆21cの前部には回動軸21d
の中程が固着されている。回動軸21dは、調節連杆2
1cの上方位置において枢支されており、その上部には
引張ばね21eの前端が係止されている。引張ばね21
eの他端は脱穀室内適処に係止されている。回動軸21
dの下端部にはプッシュプルワイヤ21fの一端が係止
されており、該プッシュプルワイヤ21fの他端は、運
転席8側方の脱穀装置3の前面に設けられた操作レバ7
1の基端部に取付けられている回動片72に枢支されて
いる。 【0015】従って、プッシュプルワイヤ21fの牽引
操作により、回動杆21dの下部は後方へ回動されて調
節連杆21cは後方に移動し、フィン21bは起立して
フィン角(フィン21bと調節連杆21cとのなす角
度)γは大きくなり、フィン21b間の間隙は大きくな
る。一方、プッシュプルワイヤ21fを押圧すると回動
杆21dの下部は前方へ回動され、調節連杆21cは前
方に移動し、フィン21bは傾倒してフィン角γは小と
なり、フィン21b間間隙は小さくなる。 【0016】操作レバ71は脱穀装置3の前面右側部に
設けられており、運転席8に着座した作業者が操作し得
るようになっている。脱穀装置3の前面における操作レ
バ71側方には、操作盤70が取付けられており、該操
作盤70後面には、前部が開放する平面視コ字状のフレ
ーム77が取付けられていて、該フレーム77側面に操
作レバ71が枢支されている。操作レバ71の前部は操
作盤70に形成された長孔を貫通して前方に突出してお
り、その基端部には矩形の回動片72の下部が固着され
ていて、その上部に前述したプッシュプルワイヤ21f
の一端が係止されている。 【0017】フレーム77の前部には上下方向に回転軸
75が軸架されており、この回転軸75には螺旋を用い
た送り部材76がその両端及び中間適宜部分にて固着さ
れている。また、回転軸75の下端部はフレーム77か
ら下方に突出されており、この突出部はギヤボック74
内に挿入されている。このギヤボックス74は、その出
力軸を前方としたモータ73に装着されており、ウォー
ムギャによりモータ73の駆動力が回転軸75に伝えら
れて送り部材76が回転するようになっている。 【0018】前述の操作レバ71は、図示しない適宜の
方法により回転軸75に押圧付勢されていて、送り部材
76の螺旋間に係合されるようになっている。 【0019】従って、モータ73が駆動されて送り部材
76が回転すると、操作レバ71は送り部材76の螺旋
に送られて上下方向に移動することになり、また、操作
レバ71は送り部材76の螺旋との係合を外して手動に
より操作することも可能となっている。操作レバ71が
手動又はモータ73の逆転(又は正転)により図3の実
線(又は二点鎖線)にて示す方向に回動されると、プッ
シュプルワイヤ21fは牽引(又は押圧)されてフィン
21bは起立(又は傾倒)して、フィン間間隙は大きく
(又は小さく)なる。操作レバ71の基端枢支部には、
ポテンショメータを利用したレバー位置検出センサ78
が設けられており、操作レバ71の回動位置に対応した
電圧、従ってフィン角に対応した電圧が該センサ78よ
り出力される。 【0020】図4は、本案装置を搭載した収穫機の制御
系の回路図(機能ブロック図)である。図において80
はマイクロコンピュータを使用した制御装置であり、C
PU81,RAM82,ROM83,入力インターフェ
ース84,出力インターフェース85より構成されてい
る。 【0021】入力インターフェース34における入力ポ
ートa0には、機体速度変更用の車速レバーの基端部に設
けられ、その回動量に応じた電位を出力するポテンショ
メータを利用した車速センサ58の出力がA/D変換器
59にてデジタル変換されて入力されており、該A/D
変換器59の出力から、車速は高速、中速、低速の三段
階に識別される。 【0022】入力インターフェース84における入力ポ
ートa1には二番センサ60の検出信号がA/D変換器6
1にてデジタル信号に変換されて入力されている。入力
ポートa2には、前述のチャフシーブ21のフィン角度変
更用の操作レバ71の基端部に設けられたポテンショメ
ータを利用したレバー位置検出センサ78の出力が、A
/D変換器62にてデジタル信号に変換されて入力され
ている。 【0023】入力ポートa3には脱穀クラッチを継合状態
とした場合にオンする脱穀スイッチ63が接続されてお
り、脱穀スイッチ63のオンにより該入力ポートa3がハ
イレベルになる。 【0024】入力ポートa4には、刈取クラッチを継合状
態とした場合にオンする刈取スイッチ64が接続されて
おり、刈取スイッチ64のオンにより該入力ポートa4が
ハイレベルとなる。 【0025】入力ポートa5には、チャフシーブのフィン
角を自動調節とすべき場合にオンされる自動スイッチ6
5が接続されており、該自動スイッチ65のオンにより
入力ポートa5がハイレベルになる。 【0026】入力ポートa6には、脱穀すべき穀粒が稲の
場合と麦の場合とに応じて切換操作される穀粒切換スイ
ッチ66が接続されており、麦の場合には入力ポートa6
をハイレベルとすべく該スイッチ66がオンされる。 【0027】入力ポートa7には脱穀すべき穀粒が乾材で
あるか湿材であるかに応じて切換操作される乾湿切換ス
イッチ67が接続されており、湿材の場合には入力ポー
トa7をハイレベルとすべく該スイッチ67がオンされ
る。 【0028】入力ポートa8には前述の脱穀装置への穀稈
の搬送を検知する穀稈センサ6が接続されており、該穀
稈センサ6が穀稈の搬送を検知すると、入力ポートa8が
ハイレベルになる。 【0029】入力ポートa9には、スイッチ回路68の出
力が与えられており、該スイッチ回路68は二番回転セ
ンサ69の出力にてオン,オフし、二番回転センサ69
が二番スクリュ29の低回転を検出して該二番回転セン
サ69の出力がハイレベルになるとスイッチ回路68は
オンして入力ポートa9がハイレベルになる。またスイッ
チ回路68の出力は、一端をボディアースされた発光ダ
イオード(LED)99に与えられている。 【0030】出力インターフェイス85の出力ボートb1
にはスイッチ回路86が接続されており、該スイッチ回
路86のオンより発光ダイオード91が点灯する。該出
力ポートb1は制御装置80が正常に動作していない場合
にハイレベル信号を出力するものであり、そのハイレベ
ル信号により発光ダイオード91は点灯される。 【0031】出力ポートb2にはスイッチ回路87が接続
されており、該スイッチ回路87のオンにより発光ダイ
オード92が点灯する。該出力ポートb2各センサ, スイ
ッチが正常に動作していない場合にハイレベル信号を出
力するものであり、そのハイレベル信号により発光ダイ
オード92が点灯する。 【0032】出力ポートb3にはスイッチ回路88が接続
されており、該スイッチ回路88のオンにより自動ラン
プ93が点灯する。該主力ポートb3はチャフシーブ21
のフィン角自動調節のための自動スイッチ65がオンし
た場合にハイレベル信号を出力するものであり、そのハ
イレベル信号により自動ランプ93が点灯する。 【0033】出力ポートb4にはスイッチ回路89が接続
されており、該スイッチ回路89のオンにより電磁リレ
ー94の励磁コイル94Cが励磁される。この電磁リレ
94は、連動する常開接点94a及び常閉接点94bを
有し、常開接点94aは給電ラインと、チャフシーブ2
1のフィン21bを傾倒、起立される操作レバ71駆動
用モータ73の一端(モータ73を逆転させる場合に高
電圧となる端子)との間に介装されており、また常閉接
点94bはモータ73の同端子とボデイアースとの間に
介装されている。該出力ポートb4はチャフシーブ21の
フィン21bを傾倒させる場合(フィン角を小さくする
場合)にハイレベルの信号を出力する。 【0034】出力ポートb5にはスイッチ回路90が接続
されており、該スイッチ回路90のオンにより電磁リレ
ー95の励磁コイル95cが励磁される。この電磁リレ
95は連動する常開接点95a及び常閉接点95bを有
し、常開接点95aは給電ラインとモータ73の他端
(モータ73を正転させる場合に高電圧となする端子)
との間に介装されており、また常閉接点94bはモータ
73の同端子とボデイアースとの間に介装されている。
該出力ポートb5はチャフシーブ21のフィン21bを起
立させる場合(フィン角を大きくする場合)にハイレベ
ルの信号を出力する。 【0035】従って、出力ポートb4がハイレベルになる
と、電磁リレー94の励磁コイル94cが励磁され、そ
の常開接点94aが閉路してモータ73は逆転し、出力
ポートb5がハイレベルになると電磁リレー95の励磁コ
イル95cが励磁され、その常開接点95aが閉路して
モータ73は正転駆動される。 【0036】出力ポートb6にはスイッチ回路96が接続
されており、該スイッチ回路96にオンより警報ブザー
97及び発光ダイオード98が点灯する。該出力ポート
b6は後述のように、チャフシーブ21のフィン角が自動
調節における制御範囲の上限値又は下限値となっても二
番還元物量が所定範囲とならないときにハイレベル信号
を出力する。 【0037】かかる構成の収穫機の動作について説明す
る。手動によるフィン角の調節を行う場合には、自動ス
イッチ65をオフとし、操作レバ71を操作して送り部
材76との係合を外し、該操作レバ71を回動操作する
と、プッシュプルワイヤ21fが牽引又は押圧され、フ
ィン21bは起立又は傾倒し、フィン角は大きく又は小
さくなる。 【0038】このような状態で機体を走行させて収穫及
び脱穀作業を行うと、刈取部Gで刈り取られた穀稈は脱
穀装置3の穀稈挾扼移送装置11に送給される。穀稈挾
扼移送装置11に受け継がれた穀稈は、その穂先側を脱
穀装置3の扱口から扱室15内へ挿入し、回転駆動され
ている扱胴17の扱歯16,16・・によって脱穀処理
され、脱穀処理された穀粒等の扱ぎおろし物は受網18
を通過して揺動選別装置19上に落下し、該装置19の
揺動によって比重選別が行われ、チャフシーブ21のフ
ィン21b,21b・・・間の間隙を通過した精粒等の
一番物は一番取出部27へ落下し、二番還元物及び三番
物は唐箕装置33で起風された風でストローラック22
上に吹き飛ばされ、防止布42に当たり、ストローラッ
ク22上に落下して、ストローラック22の揺動作用に
よってもみほぐされながら再選別が行われ、穂切れ粒、
枝梗付着粒等の二番還元物は二番取出部30へ落下し、
二番スクリュー29からブロワ47により二番スロワ筒
48内上方に吹き上げられ処理胴51にて再選別され
る。比較的大きな藁くず等は唐箕装置22から送られる
風により防止シート42の干渉を受けながら後方へ移送
され、排塵口36より機外へ排出される一方、比較的軽
量の挾雑物は吸排塵装置37の吸引口40から吸引さ
れ、排風口41より機外へ排出される。 【0039】次に、チャフシーブ21におけるフィン角
の自動調節について、図5〜図12のフローチャートに
基づいて説明する。図5に示すように、まずキースイッ
チをオンすると、ブザー97が鳴動したことを示す警報
カウンタBZ、刈取作業状態であることを示す刈取フラ
グK、及び刈始め時であることを示す刈始めフラグDを
全てリセット状態(D=0)とし、さらに脱穀対象の穀
粒に対応させて各条件を設定する。 【0040】図7は条件設定制御のフローチャートであ
る。条件設定制御においては、まず穀粒切換スイッチ6
6の状態により、脱穀対象の穀粒が稲であるか麦である
かを判断する。そして、穀粒切換スイッチ66がオフさ
れた稲の場合には、二番還元物量の適正範囲の上限値α
として、稲における値αi を設定し、またその下限値β
として稲における値βi を設定する。さらに、チャフシ
ーブ21におけるフィン21bの角度の自動調節時にお
ける制御範囲の上限値(最大値)Lとして稲における値
Li を設定する。 【0041】次いで、脱穀対象の稲が乾湿切換スイッチ
67の状態により乾材であるか湿材であるかを判断し、
乾湿切換スイッチ67がオンされた湿材のときには、フ
ィン21bの角度の自動調節時における制御範囲の下限
値(最小値)Sとして、稲における湿材の値Sisを設定
し、また乾湿切換スイッチ67がオフされた乾材のとき
は、稲における乾材の値Sikを設定する。 【0042】さらに、車速センサ58の捉える車速に応
じて、自動調節開始時に設定されるフィン角Mの設定値
を変更する。即ち、車速が高速である場合には、このフ
ィン角の設定値Mとして、稲における値Mikを、中速の
場合にはMihを、低速の場合にはMitを夫々設定する。 【0043】一方、穀粒切換スイッチ66がオフした、
麦の場合にも同様に条件が設定され、二番還元物量の適
正範囲の上限値αとして麦における値αm を、下限値β
として麦における値βm を夫々設定し、また自動調節時
におけるフィン角の制御範囲の上限値Lとして麦におけ
る値Lm を設定する。 【0044】次いで脱穀対象の麦が乾材であるか湿材で
あるかに対応して自動調節時におけるフィン角の制御範
囲の下限値Sを夫々設定する。即ち乾湿切換スイッチ6
7がオフした乾材の場合は、この下限値Sとして麦にお
ける乾材の値Smkを、また乾湿切換スイッチ67がオン
した場合の湿材の場合は麦における湿材の値Smsを夫々
設定する。 【0045】このようにフィン角の上,下限値を設定す
るのは以下の理由による。即ち、フィン角の制御の基本
は二番還元物量が穀物によって定められた上,下限値
α、βないにあるようにすることにあるが、状況によっ
ては、或いは制御系の不具合によっては、二番還元物量
の検出結果による制御では異常としか考えられない過大
な又は過小のフィン角になる可能性がある。このような
事態を回避して不良選別又は詰まりの発生を防止できる
ようにしているのである。 【0046】さらに設定された車速に応じて、自動調節
開始時において設定されるフィン角Mの設定値を変更す
る。即ち、高速の場合には、前述の稲の場合における低
速状態の値Mitを設定し、中速の場合には麦における値
Mmhを設定し、低速の場合には麦における低速値Mmtを
夫々設定する。 【0047】このように各設定値は、稲と麦、乾材と湿
材により夫々異なっており、稲における二番還元物量の
適正範囲の上,下限設定値αm 、βm の関係は、夫々α
i <αm 、βi <βm となっている。 【0048】これは麦の場合は稲の場合に比べて稈切れ
が発生しやすく、二番還元物量の適正範囲の上,下限値
を稲の場合よりも大きくして二番還元物量を多くする必
要があるためであり、このように設定することにより、
チャフシーブ21への還元物量を多くして、一番物への
稈切れの混入を少なくして選別精度の向上を図ってい
る。 【0049】また、自動調節時におけるフィン角の制御
範囲の上,下限設定値を、稲における場合と麦における
場合を異ならせており、またその下限設定値も稲、麦及
びその乾湿によって異ならせていて、上限設定値はLi
>Lm 、下限設定値はSis>Sik>Sms>Smkとなって
いる。これは稲は麦に比べてチャフシーブの漏下性が悪
く、また湿材は乾材よりも漏下性が悪いためにフィン角
が小さくなるとチャフシーブ上に塵埃が堆積して詰まり
を起こす虞れがあるので、稲の場合におけるフィン角制
御範囲を麦の場合におけるそれよりも全体に大きくし、
また湿材における制御範囲を乾材におけるそれよりも大
きくしたものである。 【0050】さらに刈始め時において設定されるフィン
角の設定値も稲の場合と麦の場合では異なっており、ま
たこの設定値は車速に応じて異なっていて、稲の場合及
び高速の場合の値を麦の場合及び低速の値よりも夫々大
きくしており、Mik>Mih>Mit>Mmh>Mmtとなって
いる。これは麦の場合には稈切れ等が多いために二番還
元物量を多くする必要があり、また稲の場合は漏下性が
悪いために、稲の場合における自動調節開始時の設定フ
ィン角を麦の場合よりも大きくして、選別精度を低下さ
せることにより漏下性を良くする必要があり、さらに車
速が高速である場合には、穀粒流量が多くなって二番還
元物量も増加し、反対に低速の場合にみ穀粒流量が少な
くなって二番還元物量も減少するため、高速時における
自動調節開始時の設定フィン角を低速時における自動調
節開始時の設定フィン角を低速時のそれよりも大きく
し、二番還元物量が多くなりすぎないように選別精度を
低下させる必要があるためである。 【0051】このような条件設定の後、図5に示すよう
に、制御装置80は刈取作業が開始されているか否かを
刈始めフラグDにて判断し、刈始めフラグDがリセット
状態(D=0)であるならば刈取作業が未だ開始されて
いないものとして、フィン角度の記憶値Pを刈始め時に
おけるフィン設定角度Mとして記憶する。 【0052】かかる状態にてフィン角度を自動調節とす
べく自動スイッチ65をオンし、脱穀装置3を駆動すべ
く脱穀クラッチを継合状態として脱穀スイッチ63をオ
ンすると、制御装置80は、まずフィン角を下限値Sと
なるようにモータ73を連続正転駆動し、フィン角をレ
バー位置検出センサ78の検出結果pから判断して、下
限値Sとなった場合にはモータ73の駆動を停止する。 【0053】このような状態で機体を走行させて、刈取
作業及び脱穀作業を開始すると、刈取済穀稈が脱穀装置
3に搬送され、穀稈センサ6がオン状態となり、自動ラ
ンプ93は点灯されて、自動調節が行い得ることを報知
する。そして、刈取クラッチが継合状態すなわち刈取ス
イッチ64がオンしている場合で、且つ、刈取フラグK
がリセット状態(K=0)の場合は、所定時間T1 の間
はフィン角を最も小さい高精度選別状態Sとして選別を
行い、所定時間T1 経過するのを待ってフィン角を、前
述の刈始め時における設定角度Mとすべくモータ73を
連続的に逆転駆動する。そしてレバーー位置検出センサ
78の検出値pによりフィン角が設定角度Mになったこ
とを検出するとモータ73の駆動は停止され、刈取作業
が開始されていることを示す刈取フラグKをセット状態
(K=1)とする。 【0054】これは、通常脱穀作業開始時には、脱穀量
が一定しないため二番還元物量は不安定であり、二番セ
ンサ60の検出結果著しく不安定であるため、このよう
な不安定な検出状態に基づいてフィン角を自動調節する
ことは、選別精度が著しく低下するので、穀稈が搬送さ
れた後、所定時間T1 は、フィン角を自動調節における
制御範囲の最下限状態S、即ち最も選別精度が高い状態
にて選別を行い、脱穀量が安定した所定時間T1 経過後
に早急にフィン角を設定角度Mとし、かかる状態とした
後に、このフィン角Mの状態を中心に、フィン角の制御
を、二番センサ60の検出結果に基づく二番還元物量に
対応させてフィン21bを断続駆動することにより行う
ようにしている。 【0055】一方、自動スイッチ65、脱穀スイッチ6
3いずれかがオフした非作業状態もしくはフィン角手動
調節状態では、自動ランプ93は消灯状態となり、また
両スイッチ65,63がオンした作業状態において、穀
稈センサ6が搬送穀稈を検出しない場合には自動ランプ
93を点滅させると共に、フィン角を自動調節における
下限値Sとすべくモータ73を連続駆動し、フィン21
bを最も傾倒した高選別精度状態としておき、穀稈が搬
送されてもよい状態としている。 【0056】次に、二番センサ60の捉える二番還元物
量に基づくフィン角の制御を図9、図10、図11のフ
ローチャートに基づいて説明する。まずブザー97がす
でに鳴動されたか否か警報カウンタBZにて確かめ、警
報カウンタBZがリセット状態(BZ=0)であるブザ
ー97が未だ鳴動されていない状態の場合には、レバー
位置検出センサ78が検出するレバー位置に対応したフ
ィン角pを記憶値Pとして読み込む。そして、二番セン
サ60の捉える二番還元物量がチャフシーブ21にて適
正な選別を行える上限値α以上(又は下限値β以下)と
なった場合には、フィン角が自動調節時の制御範囲の上
限値L以上(又は下限値S以下)であるか否かを、レバ
ー位置検出センサ78の検出値pから判断し、上限値L
(又は下限値S)となっていない場合(1)(以下図9
〜図12の対応する部分に同符号を付す)には、モータ
73を短い所定時間にわたって逆転(又は正転)させ
て、フィン角を所定量△p増大(又は減少)させ、フィ
ン21b間隙間を大(又は小)として、その間隙を通過
する穀粒等の量を増大(又は減少)させ、二番取出部3
0への穀粒量を減少(又は増大)させる(2)。このよ
うな制御が行われると、刈始めフラグDはセット状態
(D=1)、警報カウンタBZはリセット状態(BZ=
0)とされる。このモータ73の短時間駆動によるフィ
ン角の変化△pによっても二番還元物量が所定範囲内
(α〜β)とならない場合には、再度モータ73を短時
間駆動し、フィン角を再び△pだけ変化させ、結局二番
還元物が所定範囲内となるまでモータ73は断続的に駆
動される。 【0057】この場合、モータ73の所定時間の駆動に
より、フィン角は△pだけ変化し、また二番還元量が所
定範囲内であればモータ73は駆動されず、フィン角は
変更されないが、レバー位置検出センサ78の検出値p
が、モータ73の駆動にも拘わらず、モータ駆動から予
想されるフィン角(P+△p又はP−△p)と一致して
いない場合又はフィン角が変更されていないにも拘わら
ずフィン角が変化している場合(3)には、手動により
操作レバ71が操作されてフィン角が変更されたものと
して図12に示す所定の手動保持制御がなされる。 【0058】図12は手動保持制御のフローチャートで
あり、手動により操作レバ71が操作されたものと判断
した場合には、まずその操作量をレバー位置検出センサ
78の検出値pから判断し、フィン角が自動調節時にお
けるフィン角の制御範囲(S〜L)を越えているか否か
を調べる(4,5)。そして、フィン角が自動調節でき
る範囲内(S≦p≦L)である場合には、手動操作状態
を優先させるべく所定時間T4 は、手動操作されたフィ
ン角の状態を保持し(6)、その後に刈始めフラグDを
セット状態(D=1)とし、また警報カウンタBZをリ
セット状態(BZ=0)として[(8)、図9参照]、
二番還元物量に基づく自動調節を再開する。 【0059】一方、操作レバ71の操作によりフィン角
pが自動調節における制御範囲の下限値Sより小(又は
上限値Lより大)である場合には、この手動操作状態を
優先させるべく、所定時間T5 はこの手動操作されたフ
ィン角の状態を保持し(7)、その後にモータ73を短
い所定時間だけ逆転(又は正転)させてフィン角を増大
(又は減少)させ、このようなモータ73の駆動後にも
フィン角が所定範囲内となっていない場合には、さらに
フィン角を増大(又は減少)させ、結局フィン角を断続
的に増大(又は減少)させることにより、フィン角を自
動調節における制御範囲内(S〜L)とし、かかる状態
にて、刈始めフラグDをセット状態(D=1)及び警報
カウンタBZをリセット状態(BZ=0)として
(8)、二番還元物量に基づく自動調節を再開する。 【0060】この場合の所定時間T5 は、前述の手動操
作によるフィン角の変更が自動調節の制御範囲内(S〜
L)である場合の所定時間T4 よりも長く設定されてい
る。なお、場合によってはT4 =T5 あるいはT4 >T
5 としてもよい。 【0061】このような構成は、刈取穀稈量、二番還元
物量の一時的な変化に対して、手動にて操作した場合
に、その手動操作を優先させて所定時間はその状態を保
持し、その一時的変化に対処させ、その後に二番還元物
量に基づく自動調節に復帰させることにより、作業性の
向上を図ることを意図したものである。 【0062】また手動操作によりフィン角が自動調節の
制御範囲外となっている場合においては、所定時間経過
後にフィン角を自動調節における制御範囲内とし、その
後に自動調節に復帰させるようにして自動調節再開時に
おける暴走を防止している。 【0063】一方、二番還元物量が適正範囲内(α〜
β)でなく、自動調節によるモータ73の断続駆動によ
っても二番還元量が適正範囲内(α〜β)とならない場
合は、モータ73はフィン角が制御範囲の上下値L(又
は下限値S)となるまで断続駆動される[(9)、図1
0、図11参照]。そしてフィン角が制御範囲の上限値
L(又は下限値S)となった自動調節時における最も選
別精度が低い(又は高い)状態になると、警報カウンタ
BZはこのフィン角の上限(又は下限)状態の継続時間
を計測し、一定時間毎に計数内容を「1」進歩する(1
0)。チャフシーブ21はかかる状態にて選別を行う
が、警報カウンタBZの計数内容がT2 となるまでの所
定時間内に、二番還元物量が適正範囲内とならず、フィ
ン角の上限(又は下限)状態がこの所定時間にわたって
継続すると、ブザー97が鳴動されると共に発光ダイオ
ード98が点灯される(11)。 【0064】これは二番還元物量が適正範囲内でない
と、チャフシーブ21のフィン角を自動調節における制
御範囲の上限又は下限として二番還元物を適正範囲内と
すべく選別を行うが、このような状態が所定時間継続し
ても二番還元物量が適正範囲内にならない場合には、チ
ャフシーブに詰まり等が生じた異常状態であり、チャフ
シーブ21における所定の範囲内のフィン角の自動調節
では二番還元物量が適正範囲内にならないとして、ブザ
ー97を鳴動させると共に発光ダイオード98を点灯さ
せ、運転者に異常が発生したことを報知するようにした
ものである。 【0065】而して、上述の如くブザー97の鳴動及び
発光ダイオード98の点灯時に、乾湿切換スイッチ67
を、オフ状態からオン状態即ち乾材設定から湿材設定
に、又はオン状態からオフ状態即ち湿材設定から乾材設
定に切換えると、或いは穀粒切換スイッチ66を、オフ
状態からオン状態即ち稲設定から麦設定に、又はオン状
態からオフ状態即ち麦設定から稲設定に切換えると、前
述した条件設定制御における設定値が変更されることに
なり、二番還元量の適正範囲の上,下限値、フィン角の
上,下限の設定値が夫々変更されるため、ブザー97の
鳴動及び発光ダイオード98の点灯は停止されて、各設
定値に対応してフィン角が変更される。そしてフィン角
が変更された後においても二番還元量が適正状態となら
ない場合には、再びブザー97が鳴動されると共に発光
ダイオード98が点灯される。 【0066】これは、乾湿切換スイッチ67、或いは穀
粒切換スイッチ66が正しく操作されていないと、適切
な選別が行われず警報が発せられるが、この警報により
いずれかのスイッチの誤操作に気付き正しく操作した場
合には一旦警報を停止させて、各設定条件を変更し、そ
の後においても二番還元量が適正状態にならない場合に
警報を再び発するようにしたものである。 【0067】一方、ブザー97の鳴動及び発光ダイオー
ド98の点灯により運転者は二番還元量が異常に多い
(又は少ない)ことを知り、この異常を早急に解消すべ
く操作レバ71を自動調節時における制御範囲の上限値
L以上(又は下限値S以下)に回動操作してフィン角を
さらに低(又は高)選別精度とする。 【0068】かかる操作により、ブザー97の鳴動は停
止されると共に、発光ダイオード98は消灯され(1
2)、さらに手動操作されたフィン角の状態を保持して
二番還元量を早急に適正範囲とする。そして二番還元量
が適正範囲(α〜β)内となった場合には所定時間T6
にわたって手動操作されたフィン角状態を保持し(1
3)、然る後にモータ73を短い所定時間正転(又は逆
転)駆動し、フィン角を所定量減少(又は増大)させ
(14)、かかる短時間のモータ73の駆動によってもフ
ィン角が自動調節の制御範囲(L〜S)内とならない場
合には再度モータ73を短時間駆動させ、結局、フィン
角が自動調節の制御範囲(L〜S)内となるまでモータ
73を断続駆動する。そしてフィン角が自動調節の制御
範囲(L〜S)内となった場合には自動調節制御が再開
され、爾後前述したように二番還元物量に対応してフィ
ン角が断続駆動される。 【0069】このような作業時において二番穀物取出部
30に落下する二番物量が多くなり、二番スクリュー2
9が過負荷になって、その回転数が所定値以下に低下し
たことを、二番回転センサ69が捉えた場合には、チャ
フシーブ21のフィン角の自動調節を禁じ、自動ランプ
93を消灯してフィン角を自動調節における制御範囲の
上限値Lとなるようにモータ73の連続逆転し、フィン
21b間を通過する穀粒の量を増加させて一番穀物取出
部27に落下する穀粒量を増加させることにより二番穀
物取出部30に落下する二番物量を減少させる。この場
合、二番スクリュー29が過負荷になった時点における
フィン角pを記憶値Pとして記憶しており、過負荷が解
消された場合にフィン角を早急にその値Pとして、かか
る状態にてフィン角の自動調節を行う。 【0070】一行程の刈取作業終了時には、搬送穀稈が
存在せず、穀稈センサ6がオフとなるが、このような刈
取作業終了時には、作業開始時と同様、脱穀量が一定せ
ず、二番還元物量も不安定であるため、二番還元物量に
基づいてフィン角の制御を行うと、選別精度が著しく低
下するため二番還元物量に基づく自動調節を禁じ、自動
ランプ93を点灯状態とし、穀稈センサ6がオフした時
点におけるフィン角pを記憶値Pとして記憶すると共
に、所定時間T3 後にチャフシーブ21のフィン角が自
動調節の制御範囲の下限値Sとなるようにモータ73を
連続駆動して、フィンが最も傾倒した状態、即ち、最も
高精度の状態にて選別するようになっている。このとき
刈取フラグKはリセット状態(K=0)とされる。そし
て一行程の刈取作業を終え、次行程への旋回を行い、再
び刈取作業を開始すると、穀稈がセンサ6にて検出さ
れ、穀粒流量が少ない所定時間T1 は、チャフシーブ2
1による穀粒選別はフィン角が下限値Sとなった高選別
精度状態として行われるが、所定時間T1 経過後には、
フィン角を前述の刈取終了時における記憶値とし、その
状態にて二番還元物量に基づくフィン角の自動開始が再
開される。 【0071】従って、一行程における刈始め時において
も、最初は高選別精度状態にて選別が行われ、所定時間
経過後には、その前行程におけるフィン角自動調節時の
最終フィン角となるようにフィン角を連続駆動し、かか
る状態にて自動調節が再開される。 【0072】一方、かかる構成の収穫機において、刈取
作業を行わず、手扱ぎにより脱穀作業を行う場合のフィ
ン角自動調節について説明する。 【0073】フィン角を自動調節とすべく自動スイッチ
65をオンし、また脱穀クラッチを係合状態として脱穀
スイッチ63をオン状態とすると、前述の収穫作業時と
同様、チャフシーブ21のフィン角は小さくなり、最も
選別精度が高い状態とされる。かかる状態にて脱穀処理
すべき穀稈を扱室15内に挿入すると、穀稈センサ6が
オンする。この場合、手扱脱穀であるため、刈取クラッ
チは離脱状態となっており、刈取スイッチ64はオフ状
態であるため、フィン角を標準状態とすることなく即座
にフィン角の自動調節が行われることになり、自動調節
は、選別精度が高いフィン角の状態にて開始され、この
フィン角の状態を中心に、自動調節は行われる。爾後の
自動調節は、前述の収穫作業時の自動調節と同様であ
り、二番還元物量が所定値となるようにフィン21bが
断続駆動される。 【0074】なお、上述の実施例においては、フィン角
を二番還元物量に基づいて自動調節する構成としたが、
これに替えて一番流量、三番流量、穀稈供給量揺動選別
上の処理量等に基づいて自動調節する構成としてもよ
い。 【0075】以上のように、請求項1に記載の発明の脱
穀装置は、チャフシーブにおけるフィンの角度変更手段
と、脱穀処理量の検出手段と、脱穀装置への動力伝達を
行う脱穀クラッチの継合・非継合状態の場合にON・O
FFする脱穀スイッチとを設け、検出脱穀処理量に基づ
いてフィンの角度を自動調節するように構成すると共
に、刈り始め時のフィンの角度を、低速走行の方より高
速走行の方で大きくさせるべく制御する一方、前記脱穀
スイッチをOFFにしたときには、前記検出脱穀処理量
に基づくフィン角度の自動調節を中止するように制御す
る制御手段を備えたことを特徴とするものであるから、
検出された脱穀処理量に対応して脱穀制御されるので、
脱穀の選別制御性能が向上すると共に、刈り始め時の走
行速度が低ければ、脱穀処理量も少ないから、それに対
応してフィンの角度を小さくしてチャフシーブにおける
選別を適正にできる一方、刈り始め時の走行速度が高け
れば、脱穀処理量も多くなるから、それに対応してフィ
ンの角度を大きくしてチャフシーブにおける選別を適正
にできるというように、脱穀量の検出値が不安定な刈り
始め時における走行速度の状態に対応させて選別性能も
向上できるという効果を奏するのである。他方、収穫作
業を中止したときに前記検出脱穀処理量に基づくフィン
角度の自動調節を行うと、選別不良が発生するので、前
記脱穀スイッチをOFFにしたときには、前記検出脱穀
処理量に基づくフィン角度の自動調節を中止すること
で、選別不良の発生を確実に防止できるのである。
に関する。 【0002】 【従来の技術】実開昭54−130062号公報や、特
開昭55−34085号公報に示されるように、脱穀処
理量の検出手段を設け、該検出手段の検出結果に基づい
てフィン角度を自動調節した点が記載されている。 【0003】そして、前記特開昭55−34085号公
報に記載の技術においては、前記フィン角度を、脱穀始
めと終わりにおいて小さくすべく構成したものであり、
例えば脱穀始めから定常状態になるまでの間、クリンプ
網から漏下する脱穀物が少なく稈切れなどが多い状態が
続く。また、脱穀作業の終わりにおいては、穀稈列の最
後端が扱室を通過した脱穀終わりから以降も脱穀物が少
なくなると共に稈切れ等が、引き続く二番還元によって
多い状態が続くので、前記の期間でフィン角度を小さく
調節する構成であった。 【0004】 【本発明の課題】しかしながら、刈り始め時から定常状
態になるまでの間であっても、コンバインの走行速度が
高速であるか低速であるかによっては、脱穀量が大小相
違することになるので、前記従来技術の構成だけでは、
刈り始め時から定常状態になるまでの間の選別性能が適
正な状態に維持できないという問題があった。また、脱
穀装置が駆動されていない状態でのフィン角度の自動調
節を実行すると選別不良が発生するという問題もあっ
た。本発明はこの不具合を解決するためになされたのも
のである。 【0005】 【発明を解決するための手段】このために、本発明の脱
穀装置は、チャフシーブにおけるフィンの角度変更手段
と、脱穀処理量の検出手段と、脱穀装置への動力伝達を
行う脱穀クラッチの継合・非継合状態の場合にON・O
FFする脱穀スイッチとを設け、検出脱穀処理量に基づ
いてフィンの角度を自動調節するように構成すると共
に、刈り始め時のフィンの角度を、低速走行の方より高
速走行の方で大きくさせるべく制御する一方、前記脱穀
スイッチをOFFにしたときには、前記検出脱穀処理量
に基づくフィン角度の自動調節を中止するように制御す
る制御手段を備えたものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下本発明をその実施例を示す図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係る脱穀装置を
装備した収穫機の外観斜視図である。図において、3は
走行クローラ1上方における機体上部に搭載された脱穀
装置であり、機体前部に位置して分草杆4,刈刃2、引
起し装置7等で構成されている刈取部Gによって刈取ら
れた穀稈が、図示しない上部及び下部搬送装置等を経て
この脱穀装置3に供給されて脱穀処理され、脱穀後の穀
粒は籾タンク5に送給される。 【0007】また、図中符号9は運転席8の前方に設け
られた操作コラム、10は縦搬送装置であって、その終
端を穀稈挾扼移送装置のフィードチェン12始端部に臨
ませており、この近傍には穀稈の脱穀装置への送給を検
知するための穀稈センサ6が設けられている。なお、穀
稈センサ6は、この位置に限らず、穀稈挾扼移送装置1
1の始端部の側方、或いは縦搬送装置10等の搬送経路
内でもよく、また、扱深さ自動調節装置を備えた収穫機
においては、稈長検出のために設けられるセンサと共用
させる構成としてもよい。穀稈挾扼移送装置11はフィ
ードチェン12と挾扼杆13とから構成されており、脱
穀装置3の扱口に沿って設けられたものである。 【0008】図2は脱穀装置3の一部破断縦断面図であ
る。脱穀装置3は機筐14内上部に形成された扱室15
内に、多数の扱歯16を有する扱胴17を軸架し、該扱
胴17の軸長方向と平行に扱口を延設すると共に、該扱
室15の下方部に受網18を張設し、さらに、前記扱室
15の下部には、扱胴17の軸長方向にほぼ平行な揺動
選別装置19を設けたものである。扱胴17の右側上方
(機体の中央寄り)の位置には二番還元物を再処理する
ための処理室50が設けられており、この処理室50内
にはその軸長方向を扱胴17の軸長方向と同方向として
多数の扱歯52を有する処理胴51が軸架されている。 【0009】揺動選別装置19は、傾斜状に延びる揺動
選別盤20と、該揺動選別盤20の後部下方に設けられ
た後述の角度可変式のチャフシーブ21と、このチャフ
シーブ21の後方に連設したストローラック22等から
構成したものであり、駆動源に連動して揺動する揺動ア
ーム23、24により前記扱胴17の軸長方向に揺動す
べく構成されている。 【0010】また、揺動選別装置19の下方には、一番
流穀板25及び一番スクリュー26からなる一番穀物取
出部(一番口)27と、二番流穀板28及び二番スクリ
ュ−29からなる二番穀物取出部(二番口)30とを有
する選別風路31を形成している。 【0011】一番穀物取出部27に落下した穀粒は一番
スクリュー26から籾タンク5に送給され、また、二番
穀物取出部30に落下した穀粒は二番スクリュー29か
らブロワ47により二番スロワ筒48内上方に吹き上げ
られ、脱穀装置3の屋根板の処理室50上方の位置に突
設された処理胴カバー53から処理胴51上に落下され
て再選別されるようになっている。二番スクリュー29
には、該スクリュー29の回転数を検出する二番回転セ
ンサ69が設けられており、また処理胴カバー53には
処理胴に還元される二番還元物量を検出する二番センサ
60が設けられている。 【0012】前記ストローラック22の後上方には、軸
流ファンを用いてなる吸排塵装置37を設ける一方、該
吸排塵装置37の上方に上部吸引カバー38を、また、
下方に下部吸引カバー39を配設してあり、前記吸排塵
装置37の吸引口40を風路31側に開口すると共に、
その排風口41を排塵口36に向けて開口している。 【0013】前記上部吸引カバー38の上方には、両端
部から斜め上方に流下樋つまり四番樋43を延設して四
番口44を形成し、脱穀後の稈、即ち排藁から取り出さ
れる刺さり粒をストローラック22上方に還元させるよ
うに構成している。 【0014】図3は、チャフシーブ21の一部と共に示
すフィン角変更用の操作レバ71の周辺の側断面図であ
る。チャフシーブ21は矩形に枠組された枠材のうち、
機体前後方向に延びる左右枠材(図示せず)間に、機体
左右方向に延びる多数のフィン21bを前後方向に並設
し、各上部を枠材に枢支している。各フィン21bの下
部は前後方向に延びる1本の調節連杆21cに夫々枢支
されており、該調節連杆21cの前部には回動軸21d
の中程が固着されている。回動軸21dは、調節連杆2
1cの上方位置において枢支されており、その上部には
引張ばね21eの前端が係止されている。引張ばね21
eの他端は脱穀室内適処に係止されている。回動軸21
dの下端部にはプッシュプルワイヤ21fの一端が係止
されており、該プッシュプルワイヤ21fの他端は、運
転席8側方の脱穀装置3の前面に設けられた操作レバ7
1の基端部に取付けられている回動片72に枢支されて
いる。 【0015】従って、プッシュプルワイヤ21fの牽引
操作により、回動杆21dの下部は後方へ回動されて調
節連杆21cは後方に移動し、フィン21bは起立して
フィン角(フィン21bと調節連杆21cとのなす角
度)γは大きくなり、フィン21b間の間隙は大きくな
る。一方、プッシュプルワイヤ21fを押圧すると回動
杆21dの下部は前方へ回動され、調節連杆21cは前
方に移動し、フィン21bは傾倒してフィン角γは小と
なり、フィン21b間間隙は小さくなる。 【0016】操作レバ71は脱穀装置3の前面右側部に
設けられており、運転席8に着座した作業者が操作し得
るようになっている。脱穀装置3の前面における操作レ
バ71側方には、操作盤70が取付けられており、該操
作盤70後面には、前部が開放する平面視コ字状のフレ
ーム77が取付けられていて、該フレーム77側面に操
作レバ71が枢支されている。操作レバ71の前部は操
作盤70に形成された長孔を貫通して前方に突出してお
り、その基端部には矩形の回動片72の下部が固着され
ていて、その上部に前述したプッシュプルワイヤ21f
の一端が係止されている。 【0017】フレーム77の前部には上下方向に回転軸
75が軸架されており、この回転軸75には螺旋を用い
た送り部材76がその両端及び中間適宜部分にて固着さ
れている。また、回転軸75の下端部はフレーム77か
ら下方に突出されており、この突出部はギヤボック74
内に挿入されている。このギヤボックス74は、その出
力軸を前方としたモータ73に装着されており、ウォー
ムギャによりモータ73の駆動力が回転軸75に伝えら
れて送り部材76が回転するようになっている。 【0018】前述の操作レバ71は、図示しない適宜の
方法により回転軸75に押圧付勢されていて、送り部材
76の螺旋間に係合されるようになっている。 【0019】従って、モータ73が駆動されて送り部材
76が回転すると、操作レバ71は送り部材76の螺旋
に送られて上下方向に移動することになり、また、操作
レバ71は送り部材76の螺旋との係合を外して手動に
より操作することも可能となっている。操作レバ71が
手動又はモータ73の逆転(又は正転)により図3の実
線(又は二点鎖線)にて示す方向に回動されると、プッ
シュプルワイヤ21fは牽引(又は押圧)されてフィン
21bは起立(又は傾倒)して、フィン間間隙は大きく
(又は小さく)なる。操作レバ71の基端枢支部には、
ポテンショメータを利用したレバー位置検出センサ78
が設けられており、操作レバ71の回動位置に対応した
電圧、従ってフィン角に対応した電圧が該センサ78よ
り出力される。 【0020】図4は、本案装置を搭載した収穫機の制御
系の回路図(機能ブロック図)である。図において80
はマイクロコンピュータを使用した制御装置であり、C
PU81,RAM82,ROM83,入力インターフェ
ース84,出力インターフェース85より構成されてい
る。 【0021】入力インターフェース34における入力ポ
ートa0には、機体速度変更用の車速レバーの基端部に設
けられ、その回動量に応じた電位を出力するポテンショ
メータを利用した車速センサ58の出力がA/D変換器
59にてデジタル変換されて入力されており、該A/D
変換器59の出力から、車速は高速、中速、低速の三段
階に識別される。 【0022】入力インターフェース84における入力ポ
ートa1には二番センサ60の検出信号がA/D変換器6
1にてデジタル信号に変換されて入力されている。入力
ポートa2には、前述のチャフシーブ21のフィン角度変
更用の操作レバ71の基端部に設けられたポテンショメ
ータを利用したレバー位置検出センサ78の出力が、A
/D変換器62にてデジタル信号に変換されて入力され
ている。 【0023】入力ポートa3には脱穀クラッチを継合状態
とした場合にオンする脱穀スイッチ63が接続されてお
り、脱穀スイッチ63のオンにより該入力ポートa3がハ
イレベルになる。 【0024】入力ポートa4には、刈取クラッチを継合状
態とした場合にオンする刈取スイッチ64が接続されて
おり、刈取スイッチ64のオンにより該入力ポートa4が
ハイレベルとなる。 【0025】入力ポートa5には、チャフシーブのフィン
角を自動調節とすべき場合にオンされる自動スイッチ6
5が接続されており、該自動スイッチ65のオンにより
入力ポートa5がハイレベルになる。 【0026】入力ポートa6には、脱穀すべき穀粒が稲の
場合と麦の場合とに応じて切換操作される穀粒切換スイ
ッチ66が接続されており、麦の場合には入力ポートa6
をハイレベルとすべく該スイッチ66がオンされる。 【0027】入力ポートa7には脱穀すべき穀粒が乾材で
あるか湿材であるかに応じて切換操作される乾湿切換ス
イッチ67が接続されており、湿材の場合には入力ポー
トa7をハイレベルとすべく該スイッチ67がオンされ
る。 【0028】入力ポートa8には前述の脱穀装置への穀稈
の搬送を検知する穀稈センサ6が接続されており、該穀
稈センサ6が穀稈の搬送を検知すると、入力ポートa8が
ハイレベルになる。 【0029】入力ポートa9には、スイッチ回路68の出
力が与えられており、該スイッチ回路68は二番回転セ
ンサ69の出力にてオン,オフし、二番回転センサ69
が二番スクリュ29の低回転を検出して該二番回転セン
サ69の出力がハイレベルになるとスイッチ回路68は
オンして入力ポートa9がハイレベルになる。またスイッ
チ回路68の出力は、一端をボディアースされた発光ダ
イオード(LED)99に与えられている。 【0030】出力インターフェイス85の出力ボートb1
にはスイッチ回路86が接続されており、該スイッチ回
路86のオンより発光ダイオード91が点灯する。該出
力ポートb1は制御装置80が正常に動作していない場合
にハイレベル信号を出力するものであり、そのハイレベ
ル信号により発光ダイオード91は点灯される。 【0031】出力ポートb2にはスイッチ回路87が接続
されており、該スイッチ回路87のオンにより発光ダイ
オード92が点灯する。該出力ポートb2各センサ, スイ
ッチが正常に動作していない場合にハイレベル信号を出
力するものであり、そのハイレベル信号により発光ダイ
オード92が点灯する。 【0032】出力ポートb3にはスイッチ回路88が接続
されており、該スイッチ回路88のオンにより自動ラン
プ93が点灯する。該主力ポートb3はチャフシーブ21
のフィン角自動調節のための自動スイッチ65がオンし
た場合にハイレベル信号を出力するものであり、そのハ
イレベル信号により自動ランプ93が点灯する。 【0033】出力ポートb4にはスイッチ回路89が接続
されており、該スイッチ回路89のオンにより電磁リレ
ー94の励磁コイル94Cが励磁される。この電磁リレ
94は、連動する常開接点94a及び常閉接点94bを
有し、常開接点94aは給電ラインと、チャフシーブ2
1のフィン21bを傾倒、起立される操作レバ71駆動
用モータ73の一端(モータ73を逆転させる場合に高
電圧となる端子)との間に介装されており、また常閉接
点94bはモータ73の同端子とボデイアースとの間に
介装されている。該出力ポートb4はチャフシーブ21の
フィン21bを傾倒させる場合(フィン角を小さくする
場合)にハイレベルの信号を出力する。 【0034】出力ポートb5にはスイッチ回路90が接続
されており、該スイッチ回路90のオンにより電磁リレ
ー95の励磁コイル95cが励磁される。この電磁リレ
95は連動する常開接点95a及び常閉接点95bを有
し、常開接点95aは給電ラインとモータ73の他端
(モータ73を正転させる場合に高電圧となする端子)
との間に介装されており、また常閉接点94bはモータ
73の同端子とボデイアースとの間に介装されている。
該出力ポートb5はチャフシーブ21のフィン21bを起
立させる場合(フィン角を大きくする場合)にハイレベ
ルの信号を出力する。 【0035】従って、出力ポートb4がハイレベルになる
と、電磁リレー94の励磁コイル94cが励磁され、そ
の常開接点94aが閉路してモータ73は逆転し、出力
ポートb5がハイレベルになると電磁リレー95の励磁コ
イル95cが励磁され、その常開接点95aが閉路して
モータ73は正転駆動される。 【0036】出力ポートb6にはスイッチ回路96が接続
されており、該スイッチ回路96にオンより警報ブザー
97及び発光ダイオード98が点灯する。該出力ポート
b6は後述のように、チャフシーブ21のフィン角が自動
調節における制御範囲の上限値又は下限値となっても二
番還元物量が所定範囲とならないときにハイレベル信号
を出力する。 【0037】かかる構成の収穫機の動作について説明す
る。手動によるフィン角の調節を行う場合には、自動ス
イッチ65をオフとし、操作レバ71を操作して送り部
材76との係合を外し、該操作レバ71を回動操作する
と、プッシュプルワイヤ21fが牽引又は押圧され、フ
ィン21bは起立又は傾倒し、フィン角は大きく又は小
さくなる。 【0038】このような状態で機体を走行させて収穫及
び脱穀作業を行うと、刈取部Gで刈り取られた穀稈は脱
穀装置3の穀稈挾扼移送装置11に送給される。穀稈挾
扼移送装置11に受け継がれた穀稈は、その穂先側を脱
穀装置3の扱口から扱室15内へ挿入し、回転駆動され
ている扱胴17の扱歯16,16・・によって脱穀処理
され、脱穀処理された穀粒等の扱ぎおろし物は受網18
を通過して揺動選別装置19上に落下し、該装置19の
揺動によって比重選別が行われ、チャフシーブ21のフ
ィン21b,21b・・・間の間隙を通過した精粒等の
一番物は一番取出部27へ落下し、二番還元物及び三番
物は唐箕装置33で起風された風でストローラック22
上に吹き飛ばされ、防止布42に当たり、ストローラッ
ク22上に落下して、ストローラック22の揺動作用に
よってもみほぐされながら再選別が行われ、穂切れ粒、
枝梗付着粒等の二番還元物は二番取出部30へ落下し、
二番スクリュー29からブロワ47により二番スロワ筒
48内上方に吹き上げられ処理胴51にて再選別され
る。比較的大きな藁くず等は唐箕装置22から送られる
風により防止シート42の干渉を受けながら後方へ移送
され、排塵口36より機外へ排出される一方、比較的軽
量の挾雑物は吸排塵装置37の吸引口40から吸引さ
れ、排風口41より機外へ排出される。 【0039】次に、チャフシーブ21におけるフィン角
の自動調節について、図5〜図12のフローチャートに
基づいて説明する。図5に示すように、まずキースイッ
チをオンすると、ブザー97が鳴動したことを示す警報
カウンタBZ、刈取作業状態であることを示す刈取フラ
グK、及び刈始め時であることを示す刈始めフラグDを
全てリセット状態(D=0)とし、さらに脱穀対象の穀
粒に対応させて各条件を設定する。 【0040】図7は条件設定制御のフローチャートであ
る。条件設定制御においては、まず穀粒切換スイッチ6
6の状態により、脱穀対象の穀粒が稲であるか麦である
かを判断する。そして、穀粒切換スイッチ66がオフさ
れた稲の場合には、二番還元物量の適正範囲の上限値α
として、稲における値αi を設定し、またその下限値β
として稲における値βi を設定する。さらに、チャフシ
ーブ21におけるフィン21bの角度の自動調節時にお
ける制御範囲の上限値(最大値)Lとして稲における値
Li を設定する。 【0041】次いで、脱穀対象の稲が乾湿切換スイッチ
67の状態により乾材であるか湿材であるかを判断し、
乾湿切換スイッチ67がオンされた湿材のときには、フ
ィン21bの角度の自動調節時における制御範囲の下限
値(最小値)Sとして、稲における湿材の値Sisを設定
し、また乾湿切換スイッチ67がオフされた乾材のとき
は、稲における乾材の値Sikを設定する。 【0042】さらに、車速センサ58の捉える車速に応
じて、自動調節開始時に設定されるフィン角Mの設定値
を変更する。即ち、車速が高速である場合には、このフ
ィン角の設定値Mとして、稲における値Mikを、中速の
場合にはMihを、低速の場合にはMitを夫々設定する。 【0043】一方、穀粒切換スイッチ66がオフした、
麦の場合にも同様に条件が設定され、二番還元物量の適
正範囲の上限値αとして麦における値αm を、下限値β
として麦における値βm を夫々設定し、また自動調節時
におけるフィン角の制御範囲の上限値Lとして麦におけ
る値Lm を設定する。 【0044】次いで脱穀対象の麦が乾材であるか湿材で
あるかに対応して自動調節時におけるフィン角の制御範
囲の下限値Sを夫々設定する。即ち乾湿切換スイッチ6
7がオフした乾材の場合は、この下限値Sとして麦にお
ける乾材の値Smkを、また乾湿切換スイッチ67がオン
した場合の湿材の場合は麦における湿材の値Smsを夫々
設定する。 【0045】このようにフィン角の上,下限値を設定す
るのは以下の理由による。即ち、フィン角の制御の基本
は二番還元物量が穀物によって定められた上,下限値
α、βないにあるようにすることにあるが、状況によっ
ては、或いは制御系の不具合によっては、二番還元物量
の検出結果による制御では異常としか考えられない過大
な又は過小のフィン角になる可能性がある。このような
事態を回避して不良選別又は詰まりの発生を防止できる
ようにしているのである。 【0046】さらに設定された車速に応じて、自動調節
開始時において設定されるフィン角Mの設定値を変更す
る。即ち、高速の場合には、前述の稲の場合における低
速状態の値Mitを設定し、中速の場合には麦における値
Mmhを設定し、低速の場合には麦における低速値Mmtを
夫々設定する。 【0047】このように各設定値は、稲と麦、乾材と湿
材により夫々異なっており、稲における二番還元物量の
適正範囲の上,下限設定値αm 、βm の関係は、夫々α
i <αm 、βi <βm となっている。 【0048】これは麦の場合は稲の場合に比べて稈切れ
が発生しやすく、二番還元物量の適正範囲の上,下限値
を稲の場合よりも大きくして二番還元物量を多くする必
要があるためであり、このように設定することにより、
チャフシーブ21への還元物量を多くして、一番物への
稈切れの混入を少なくして選別精度の向上を図ってい
る。 【0049】また、自動調節時におけるフィン角の制御
範囲の上,下限設定値を、稲における場合と麦における
場合を異ならせており、またその下限設定値も稲、麦及
びその乾湿によって異ならせていて、上限設定値はLi
>Lm 、下限設定値はSis>Sik>Sms>Smkとなって
いる。これは稲は麦に比べてチャフシーブの漏下性が悪
く、また湿材は乾材よりも漏下性が悪いためにフィン角
が小さくなるとチャフシーブ上に塵埃が堆積して詰まり
を起こす虞れがあるので、稲の場合におけるフィン角制
御範囲を麦の場合におけるそれよりも全体に大きくし、
また湿材における制御範囲を乾材におけるそれよりも大
きくしたものである。 【0050】さらに刈始め時において設定されるフィン
角の設定値も稲の場合と麦の場合では異なっており、ま
たこの設定値は車速に応じて異なっていて、稲の場合及
び高速の場合の値を麦の場合及び低速の値よりも夫々大
きくしており、Mik>Mih>Mit>Mmh>Mmtとなって
いる。これは麦の場合には稈切れ等が多いために二番還
元物量を多くする必要があり、また稲の場合は漏下性が
悪いために、稲の場合における自動調節開始時の設定フ
ィン角を麦の場合よりも大きくして、選別精度を低下さ
せることにより漏下性を良くする必要があり、さらに車
速が高速である場合には、穀粒流量が多くなって二番還
元物量も増加し、反対に低速の場合にみ穀粒流量が少な
くなって二番還元物量も減少するため、高速時における
自動調節開始時の設定フィン角を低速時における自動調
節開始時の設定フィン角を低速時のそれよりも大きく
し、二番還元物量が多くなりすぎないように選別精度を
低下させる必要があるためである。 【0051】このような条件設定の後、図5に示すよう
に、制御装置80は刈取作業が開始されているか否かを
刈始めフラグDにて判断し、刈始めフラグDがリセット
状態(D=0)であるならば刈取作業が未だ開始されて
いないものとして、フィン角度の記憶値Pを刈始め時に
おけるフィン設定角度Mとして記憶する。 【0052】かかる状態にてフィン角度を自動調節とす
べく自動スイッチ65をオンし、脱穀装置3を駆動すべ
く脱穀クラッチを継合状態として脱穀スイッチ63をオ
ンすると、制御装置80は、まずフィン角を下限値Sと
なるようにモータ73を連続正転駆動し、フィン角をレ
バー位置検出センサ78の検出結果pから判断して、下
限値Sとなった場合にはモータ73の駆動を停止する。 【0053】このような状態で機体を走行させて、刈取
作業及び脱穀作業を開始すると、刈取済穀稈が脱穀装置
3に搬送され、穀稈センサ6がオン状態となり、自動ラ
ンプ93は点灯されて、自動調節が行い得ることを報知
する。そして、刈取クラッチが継合状態すなわち刈取ス
イッチ64がオンしている場合で、且つ、刈取フラグK
がリセット状態(K=0)の場合は、所定時間T1 の間
はフィン角を最も小さい高精度選別状態Sとして選別を
行い、所定時間T1 経過するのを待ってフィン角を、前
述の刈始め時における設定角度Mとすべくモータ73を
連続的に逆転駆動する。そしてレバーー位置検出センサ
78の検出値pによりフィン角が設定角度Mになったこ
とを検出するとモータ73の駆動は停止され、刈取作業
が開始されていることを示す刈取フラグKをセット状態
(K=1)とする。 【0054】これは、通常脱穀作業開始時には、脱穀量
が一定しないため二番還元物量は不安定であり、二番セ
ンサ60の検出結果著しく不安定であるため、このよう
な不安定な検出状態に基づいてフィン角を自動調節する
ことは、選別精度が著しく低下するので、穀稈が搬送さ
れた後、所定時間T1 は、フィン角を自動調節における
制御範囲の最下限状態S、即ち最も選別精度が高い状態
にて選別を行い、脱穀量が安定した所定時間T1 経過後
に早急にフィン角を設定角度Mとし、かかる状態とした
後に、このフィン角Mの状態を中心に、フィン角の制御
を、二番センサ60の検出結果に基づく二番還元物量に
対応させてフィン21bを断続駆動することにより行う
ようにしている。 【0055】一方、自動スイッチ65、脱穀スイッチ6
3いずれかがオフした非作業状態もしくはフィン角手動
調節状態では、自動ランプ93は消灯状態となり、また
両スイッチ65,63がオンした作業状態において、穀
稈センサ6が搬送穀稈を検出しない場合には自動ランプ
93を点滅させると共に、フィン角を自動調節における
下限値Sとすべくモータ73を連続駆動し、フィン21
bを最も傾倒した高選別精度状態としておき、穀稈が搬
送されてもよい状態としている。 【0056】次に、二番センサ60の捉える二番還元物
量に基づくフィン角の制御を図9、図10、図11のフ
ローチャートに基づいて説明する。まずブザー97がす
でに鳴動されたか否か警報カウンタBZにて確かめ、警
報カウンタBZがリセット状態(BZ=0)であるブザ
ー97が未だ鳴動されていない状態の場合には、レバー
位置検出センサ78が検出するレバー位置に対応したフ
ィン角pを記憶値Pとして読み込む。そして、二番セン
サ60の捉える二番還元物量がチャフシーブ21にて適
正な選別を行える上限値α以上(又は下限値β以下)と
なった場合には、フィン角が自動調節時の制御範囲の上
限値L以上(又は下限値S以下)であるか否かを、レバ
ー位置検出センサ78の検出値pから判断し、上限値L
(又は下限値S)となっていない場合(1)(以下図9
〜図12の対応する部分に同符号を付す)には、モータ
73を短い所定時間にわたって逆転(又は正転)させ
て、フィン角を所定量△p増大(又は減少)させ、フィ
ン21b間隙間を大(又は小)として、その間隙を通過
する穀粒等の量を増大(又は減少)させ、二番取出部3
0への穀粒量を減少(又は増大)させる(2)。このよ
うな制御が行われると、刈始めフラグDはセット状態
(D=1)、警報カウンタBZはリセット状態(BZ=
0)とされる。このモータ73の短時間駆動によるフィ
ン角の変化△pによっても二番還元物量が所定範囲内
(α〜β)とならない場合には、再度モータ73を短時
間駆動し、フィン角を再び△pだけ変化させ、結局二番
還元物が所定範囲内となるまでモータ73は断続的に駆
動される。 【0057】この場合、モータ73の所定時間の駆動に
より、フィン角は△pだけ変化し、また二番還元量が所
定範囲内であればモータ73は駆動されず、フィン角は
変更されないが、レバー位置検出センサ78の検出値p
が、モータ73の駆動にも拘わらず、モータ駆動から予
想されるフィン角(P+△p又はP−△p)と一致して
いない場合又はフィン角が変更されていないにも拘わら
ずフィン角が変化している場合(3)には、手動により
操作レバ71が操作されてフィン角が変更されたものと
して図12に示す所定の手動保持制御がなされる。 【0058】図12は手動保持制御のフローチャートで
あり、手動により操作レバ71が操作されたものと判断
した場合には、まずその操作量をレバー位置検出センサ
78の検出値pから判断し、フィン角が自動調節時にお
けるフィン角の制御範囲(S〜L)を越えているか否か
を調べる(4,5)。そして、フィン角が自動調節でき
る範囲内(S≦p≦L)である場合には、手動操作状態
を優先させるべく所定時間T4 は、手動操作されたフィ
ン角の状態を保持し(6)、その後に刈始めフラグDを
セット状態(D=1)とし、また警報カウンタBZをリ
セット状態(BZ=0)として[(8)、図9参照]、
二番還元物量に基づく自動調節を再開する。 【0059】一方、操作レバ71の操作によりフィン角
pが自動調節における制御範囲の下限値Sより小(又は
上限値Lより大)である場合には、この手動操作状態を
優先させるべく、所定時間T5 はこの手動操作されたフ
ィン角の状態を保持し(7)、その後にモータ73を短
い所定時間だけ逆転(又は正転)させてフィン角を増大
(又は減少)させ、このようなモータ73の駆動後にも
フィン角が所定範囲内となっていない場合には、さらに
フィン角を増大(又は減少)させ、結局フィン角を断続
的に増大(又は減少)させることにより、フィン角を自
動調節における制御範囲内(S〜L)とし、かかる状態
にて、刈始めフラグDをセット状態(D=1)及び警報
カウンタBZをリセット状態(BZ=0)として
(8)、二番還元物量に基づく自動調節を再開する。 【0060】この場合の所定時間T5 は、前述の手動操
作によるフィン角の変更が自動調節の制御範囲内(S〜
L)である場合の所定時間T4 よりも長く設定されてい
る。なお、場合によってはT4 =T5 あるいはT4 >T
5 としてもよい。 【0061】このような構成は、刈取穀稈量、二番還元
物量の一時的な変化に対して、手動にて操作した場合
に、その手動操作を優先させて所定時間はその状態を保
持し、その一時的変化に対処させ、その後に二番還元物
量に基づく自動調節に復帰させることにより、作業性の
向上を図ることを意図したものである。 【0062】また手動操作によりフィン角が自動調節の
制御範囲外となっている場合においては、所定時間経過
後にフィン角を自動調節における制御範囲内とし、その
後に自動調節に復帰させるようにして自動調節再開時に
おける暴走を防止している。 【0063】一方、二番還元物量が適正範囲内(α〜
β)でなく、自動調節によるモータ73の断続駆動によ
っても二番還元量が適正範囲内(α〜β)とならない場
合は、モータ73はフィン角が制御範囲の上下値L(又
は下限値S)となるまで断続駆動される[(9)、図1
0、図11参照]。そしてフィン角が制御範囲の上限値
L(又は下限値S)となった自動調節時における最も選
別精度が低い(又は高い)状態になると、警報カウンタ
BZはこのフィン角の上限(又は下限)状態の継続時間
を計測し、一定時間毎に計数内容を「1」進歩する(1
0)。チャフシーブ21はかかる状態にて選別を行う
が、警報カウンタBZの計数内容がT2 となるまでの所
定時間内に、二番還元物量が適正範囲内とならず、フィ
ン角の上限(又は下限)状態がこの所定時間にわたって
継続すると、ブザー97が鳴動されると共に発光ダイオ
ード98が点灯される(11)。 【0064】これは二番還元物量が適正範囲内でない
と、チャフシーブ21のフィン角を自動調節における制
御範囲の上限又は下限として二番還元物を適正範囲内と
すべく選別を行うが、このような状態が所定時間継続し
ても二番還元物量が適正範囲内にならない場合には、チ
ャフシーブに詰まり等が生じた異常状態であり、チャフ
シーブ21における所定の範囲内のフィン角の自動調節
では二番還元物量が適正範囲内にならないとして、ブザ
ー97を鳴動させると共に発光ダイオード98を点灯さ
せ、運転者に異常が発生したことを報知するようにした
ものである。 【0065】而して、上述の如くブザー97の鳴動及び
発光ダイオード98の点灯時に、乾湿切換スイッチ67
を、オフ状態からオン状態即ち乾材設定から湿材設定
に、又はオン状態からオフ状態即ち湿材設定から乾材設
定に切換えると、或いは穀粒切換スイッチ66を、オフ
状態からオン状態即ち稲設定から麦設定に、又はオン状
態からオフ状態即ち麦設定から稲設定に切換えると、前
述した条件設定制御における設定値が変更されることに
なり、二番還元量の適正範囲の上,下限値、フィン角の
上,下限の設定値が夫々変更されるため、ブザー97の
鳴動及び発光ダイオード98の点灯は停止されて、各設
定値に対応してフィン角が変更される。そしてフィン角
が変更された後においても二番還元量が適正状態となら
ない場合には、再びブザー97が鳴動されると共に発光
ダイオード98が点灯される。 【0066】これは、乾湿切換スイッチ67、或いは穀
粒切換スイッチ66が正しく操作されていないと、適切
な選別が行われず警報が発せられるが、この警報により
いずれかのスイッチの誤操作に気付き正しく操作した場
合には一旦警報を停止させて、各設定条件を変更し、そ
の後においても二番還元量が適正状態にならない場合に
警報を再び発するようにしたものである。 【0067】一方、ブザー97の鳴動及び発光ダイオー
ド98の点灯により運転者は二番還元量が異常に多い
(又は少ない)ことを知り、この異常を早急に解消すべ
く操作レバ71を自動調節時における制御範囲の上限値
L以上(又は下限値S以下)に回動操作してフィン角を
さらに低(又は高)選別精度とする。 【0068】かかる操作により、ブザー97の鳴動は停
止されると共に、発光ダイオード98は消灯され(1
2)、さらに手動操作されたフィン角の状態を保持して
二番還元量を早急に適正範囲とする。そして二番還元量
が適正範囲(α〜β)内となった場合には所定時間T6
にわたって手動操作されたフィン角状態を保持し(1
3)、然る後にモータ73を短い所定時間正転(又は逆
転)駆動し、フィン角を所定量減少(又は増大)させ
(14)、かかる短時間のモータ73の駆動によってもフ
ィン角が自動調節の制御範囲(L〜S)内とならない場
合には再度モータ73を短時間駆動させ、結局、フィン
角が自動調節の制御範囲(L〜S)内となるまでモータ
73を断続駆動する。そしてフィン角が自動調節の制御
範囲(L〜S)内となった場合には自動調節制御が再開
され、爾後前述したように二番還元物量に対応してフィ
ン角が断続駆動される。 【0069】このような作業時において二番穀物取出部
30に落下する二番物量が多くなり、二番スクリュー2
9が過負荷になって、その回転数が所定値以下に低下し
たことを、二番回転センサ69が捉えた場合には、チャ
フシーブ21のフィン角の自動調節を禁じ、自動ランプ
93を消灯してフィン角を自動調節における制御範囲の
上限値Lとなるようにモータ73の連続逆転し、フィン
21b間を通過する穀粒の量を増加させて一番穀物取出
部27に落下する穀粒量を増加させることにより二番穀
物取出部30に落下する二番物量を減少させる。この場
合、二番スクリュー29が過負荷になった時点における
フィン角pを記憶値Pとして記憶しており、過負荷が解
消された場合にフィン角を早急にその値Pとして、かか
る状態にてフィン角の自動調節を行う。 【0070】一行程の刈取作業終了時には、搬送穀稈が
存在せず、穀稈センサ6がオフとなるが、このような刈
取作業終了時には、作業開始時と同様、脱穀量が一定せ
ず、二番還元物量も不安定であるため、二番還元物量に
基づいてフィン角の制御を行うと、選別精度が著しく低
下するため二番還元物量に基づく自動調節を禁じ、自動
ランプ93を点灯状態とし、穀稈センサ6がオフした時
点におけるフィン角pを記憶値Pとして記憶すると共
に、所定時間T3 後にチャフシーブ21のフィン角が自
動調節の制御範囲の下限値Sとなるようにモータ73を
連続駆動して、フィンが最も傾倒した状態、即ち、最も
高精度の状態にて選別するようになっている。このとき
刈取フラグKはリセット状態(K=0)とされる。そし
て一行程の刈取作業を終え、次行程への旋回を行い、再
び刈取作業を開始すると、穀稈がセンサ6にて検出さ
れ、穀粒流量が少ない所定時間T1 は、チャフシーブ2
1による穀粒選別はフィン角が下限値Sとなった高選別
精度状態として行われるが、所定時間T1 経過後には、
フィン角を前述の刈取終了時における記憶値とし、その
状態にて二番還元物量に基づくフィン角の自動開始が再
開される。 【0071】従って、一行程における刈始め時において
も、最初は高選別精度状態にて選別が行われ、所定時間
経過後には、その前行程におけるフィン角自動調節時の
最終フィン角となるようにフィン角を連続駆動し、かか
る状態にて自動調節が再開される。 【0072】一方、かかる構成の収穫機において、刈取
作業を行わず、手扱ぎにより脱穀作業を行う場合のフィ
ン角自動調節について説明する。 【0073】フィン角を自動調節とすべく自動スイッチ
65をオンし、また脱穀クラッチを係合状態として脱穀
スイッチ63をオン状態とすると、前述の収穫作業時と
同様、チャフシーブ21のフィン角は小さくなり、最も
選別精度が高い状態とされる。かかる状態にて脱穀処理
すべき穀稈を扱室15内に挿入すると、穀稈センサ6が
オンする。この場合、手扱脱穀であるため、刈取クラッ
チは離脱状態となっており、刈取スイッチ64はオフ状
態であるため、フィン角を標準状態とすることなく即座
にフィン角の自動調節が行われることになり、自動調節
は、選別精度が高いフィン角の状態にて開始され、この
フィン角の状態を中心に、自動調節は行われる。爾後の
自動調節は、前述の収穫作業時の自動調節と同様であ
り、二番還元物量が所定値となるようにフィン21bが
断続駆動される。 【0074】なお、上述の実施例においては、フィン角
を二番還元物量に基づいて自動調節する構成としたが、
これに替えて一番流量、三番流量、穀稈供給量揺動選別
上の処理量等に基づいて自動調節する構成としてもよ
い。 【0075】以上のように、請求項1に記載の発明の脱
穀装置は、チャフシーブにおけるフィンの角度変更手段
と、脱穀処理量の検出手段と、脱穀装置への動力伝達を
行う脱穀クラッチの継合・非継合状態の場合にON・O
FFする脱穀スイッチとを設け、検出脱穀処理量に基づ
いてフィンの角度を自動調節するように構成すると共
に、刈り始め時のフィンの角度を、低速走行の方より高
速走行の方で大きくさせるべく制御する一方、前記脱穀
スイッチをOFFにしたときには、前記検出脱穀処理量
に基づくフィン角度の自動調節を中止するように制御す
る制御手段を備えたことを特徴とするものであるから、
検出された脱穀処理量に対応して脱穀制御されるので、
脱穀の選別制御性能が向上すると共に、刈り始め時の走
行速度が低ければ、脱穀処理量も少ないから、それに対
応してフィンの角度を小さくしてチャフシーブにおける
選別を適正にできる一方、刈り始め時の走行速度が高け
れば、脱穀処理量も多くなるから、それに対応してフィ
ンの角度を大きくしてチャフシーブにおける選別を適正
にできるというように、脱穀量の検出値が不安定な刈り
始め時における走行速度の状態に対応させて選別性能も
向上できるという効果を奏するのである。他方、収穫作
業を中止したときに前記検出脱穀処理量に基づくフィン
角度の自動調節を行うと、選別不良が発生するので、前
記脱穀スイッチをOFFにしたときには、前記検出脱穀
処理量に基づくフィン角度の自動調節を中止すること
で、選別不良の発生を確実に防止できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本案装置を搭載した収穫機の外観斜視図であ
る。 【図2】本案装置の縦断面図である。 【図3】チャフシーブの要部及び操作レバ周辺の側面図
である。 【図4】本案装置を搭載した収穫機の要部電子回路図で
ある。 【図5】動作説明のためのフローチャートである。 【図6】動作説明のためのフローチャートである。 【図7】動作説明のためのフローチャートである。 【図8】動作説明のためのフローチャートである。【図9】動作説明のためのフローチャートである。 【図10】動作説明のためのフローチャートである。 【図11】動作説明のためのフローチャートである。 【図12】動作説明のためのフローチャートである。 【符号の説明】 3 脱穀装置 6 穀稈センサ 11 穀稈挾扼移送装置 17 扱胴 21 チャフシーブ 21b フィン 27 一番穀物取出部 29 二番スクリュー 30 二番穀物取出部 50 処理室 51 処理胴 58 車速センサ 60 二番センサ 63 脱穀スイッチ 64 刈取スイッチ 65 自動スイッチ 66 穀粒切換スイッチ 67 乾湿切換スイッチ 69 二番回転センサ 71 操作レバ 73 モータ 76 送り部材 78 レバ一検出センサ 80 制御装置 97 ブザー
る。 【図2】本案装置の縦断面図である。 【図3】チャフシーブの要部及び操作レバ周辺の側面図
である。 【図4】本案装置を搭載した収穫機の要部電子回路図で
ある。 【図5】動作説明のためのフローチャートである。 【図6】動作説明のためのフローチャートである。 【図7】動作説明のためのフローチャートである。 【図8】動作説明のためのフローチャートである。【図9】動作説明のためのフローチャートである。 【図10】動作説明のためのフローチャートである。 【図11】動作説明のためのフローチャートである。 【図12】動作説明のためのフローチャートである。 【符号の説明】 3 脱穀装置 6 穀稈センサ 11 穀稈挾扼移送装置 17 扱胴 21 チャフシーブ 21b フィン 27 一番穀物取出部 29 二番スクリュー 30 二番穀物取出部 50 処理室 51 処理胴 58 車速センサ 60 二番センサ 63 脱穀スイッチ 64 刈取スイッチ 65 自動スイッチ 66 穀粒切換スイッチ 67 乾湿切換スイッチ 69 二番回転センサ 71 操作レバ 73 モータ 76 送り部材 78 レバ一検出センサ 80 制御装置 97 ブザー
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 平野 俊樹
大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農
機株式会社内
(56)参考文献 特開 昭55−34085(JP,A)
実開 昭59−14534(JP,U)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.チャフシーブにおけるフィンの角度変更手段と、脱
穀処理量の検出手段と、脱穀装置への動力伝達を行う脱
穀クラッチの継合・非継合状態の場合にON・OFFす
る脱穀スイッチとを設け、検出脱穀処理量に基づいてフ
ィンの角度を自動調節するように構成すると共に、刈り
始め時のフィンの角度を、低速走行の方より高速走行の
方で大きくさせるべく制御する一方、前記脱穀スイッチ
をOFFにしたときには、前記検出脱穀処理量に基づく
フィン角度の自動調節を中止するように制御する制御手
段を備えたことを特徴とする脱穀装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21975898A JP3283829B2 (ja) | 1984-04-13 | 1998-07-17 | 脱穀装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21975898A JP3283829B2 (ja) | 1984-04-13 | 1998-07-17 | 脱穀装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17305897A Division JP2841293B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 脱穀装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000270936A Division JP2001086847A (ja) | 2000-09-07 | 2000-09-07 | 脱穀装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1189406A JPH1189406A (ja) | 1999-04-06 |
JP3283829B2 true JP3283829B2 (ja) | 2002-05-20 |
Family
ID=16740549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21975898A Expired - Lifetime JP3283829B2 (ja) | 1984-04-13 | 1998-07-17 | 脱穀装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3283829B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101762412B1 (ko) * | 2015-05-12 | 2017-07-27 | 국제종합기계 주식회사 | 수확기의 선별 조절 장치 |
-
1998
- 1998-07-17 JP JP21975898A patent/JP3283829B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101762412B1 (ko) * | 2015-05-12 | 2017-07-27 | 국제종합기계 주식회사 | 수확기의 선별 조절 장치 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1189406A (ja) | 1999-04-06 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |