(実施の形態1)
以下本発明を実施の形態1に係る図面に基づいて詳述する。図1はコンバインの外観斜視図である。
図において1は走行クローラであり、該走行クローラ1の上側に脱穀装置2が設けてある。該脱穀装置2の前側に、刈取り穀稈と非刈取り穀稈とを区別する分草板3a、穀稈を刈取る刈刃3b、及び穀稈を引き起こす引起し装置3cを備える刈取部3が設けてある。前記脱穀装置2の左側には穀粒を収容する穀粒タンク4を設けてあり、前記脱穀装置2の右部には穀稈を搬送するフィードチェン5を設けてある。該フィードチェン5には穀稈を挟持する挟持部材6が対向している。前記フィードチェン5の始端部付近には縦搬送装置7を配設してある。また前記穀粒タンク4には、穀粒タンク4から穀粒を排出する筒状の排出オーガ4aを取り付けてあり、穀粒タンク4の前側にはキャビン8を設けてある。
走行クローラ1の駆動によって機体は走行する。機体の走行によって刈取部3に穀稈が取り込まれ、刈り取られる。刈り取られた穀稈は縦搬送装置7、フィードチェン5及び挟持部材6を介して脱穀装置2に搬送され、脱穀装置2内にて脱穀される。
図2は脱穀装置2の内部構成を略示する側面断面図である。
図2に示すように、脱穀装置2の前側上部に穀稈を脱穀するための扱室10が設けてある。該扱室10内に、前後方向を軸長方向とした円筒形の扱胴11が軸架してあり、該扱胴11は軸回りに回動可能となっている。扱胴11の周面には多数の扱歯12、12、・・・12を螺旋状に取り付けてある。前記扱胴11の下側に、前記扱歯12、12、・・・12と協働して稈を揉みほぐすクリンプ網15が配置してある。前記扱胴11は後述するエンジン40の駆動力によって回動し、穀稈を脱穀する。
前記扱室10の上壁に四つの送塵弁10a、10a、10a、10aが前後方向に沿って並設してあり、該送塵弁は扱室10の後部へ送出する稈及び穀粒の量を調節する。
扱室10の後部には処理室13が連設してある。該処理室13内に、前後方向を軸長方向とした円筒形の処理胴13bが軸架してあり、該処理胴13bは軸回りに回動可能となっている。処理胴13bには多数の扱歯13c、13c、・・・、13cを螺旋状に取り付けてある。前記処理胴13bの下側には扱歯13c、13c、・・・、13cと協働して稈を揉みほぐす処理網13dを配置してある。前記処理胴13bはエンジン40の駆動力によって回動し、扱室10から送出された稈及び穀粒から穀粒を分離する処理を行う。処理室13の後端部下側には排出口13eを開設してある。
前記処理室13の上壁に四つの処理胴弁13a、13a、13a、13aが前後方向に沿って並設してあり、該処理胴弁13a、13a、13a、13aは処理室13の後部へ送出する稈及び穀粒の量を調節する。
前記クリンプ網15の下側には、穀粒及び稈の選別を行う揺動選別装置16を設けてある。該揺動選別装置16は、穀粒及び稈を均一化すると共に比重選別を行う揺動選別盤17と、該揺動選別盤17の後側に設けてあり、穀粒及び稈の粗選別を行うチャフシーブ18と、該チャフシーブ18の後側に設けてあり、稈に混入した穀粒を落下させるためのストローラック19とを備える。該ストローラック19は図示しない複数の透孔を有している。また前記揺動選別盤17の前部には揺動アーム21が連結してある。該揺動アーム21は前後に揺動するように構成されている。この揺動アーム21の揺動によって揺動選別装置16は揺動し、稈及び穀粒の選別が行われる。
揺動選別装置16は、前記チャフシーブ18の下側に設けてあり、穀粒及び稈の精選別を行うグレンシーブ20を更に備える。該グレンシーブ20の下方に、前部が後部よりも下に位置するように傾斜した一番穀粒板22が設けてあり、該一番穀粒板22の前側に、穀粒を前記穀粒タンク4に送給する一番スクリュー23が設けてある。前記グレンシーブ20から一番穀粒板22に落下した穀粒は前記一番スクリュー23に向けて滑落する。一番スクリュー23は穀粒タンク4へ延設されており、滑落した穀粒は一番スクリュー23よって搬送され、一番スクリュー23の終端に設けてある投口23aから穀粒タンク4へ送出される。投口23aには、投口23aから穀粒タンク4へ送出される所定時間あたりの穀粒量(投口量)を検出する投口センサ23bが設けてある。投口センサ23bは圧電素子を備えている。投口センサ23bに穀粒が当接することによって圧電素子から電圧が出力され、出力された電圧に基づいて投口量が検出される。
前記一番穀粒板22の後部に、後部が前部よりも下に位置するように傾斜した傾斜板24が連設してある。該傾斜板24の後端部に、前部が後部よりも下に位置するように傾斜した二番穀粒板25が連設してある。該二番穀粒板25と前記傾斜板24との連結部分の上側に稈及び穀粒を搬送する二番スクリュー26が設けてある。
前記ストローラック19の透孔から傾斜板24又は二番穀粒板25に落下した落下物は前記二番スクリュー26に向けて滑落する。滑落した落下物は、二番スクリュー26によって前記扱胴11の左側に設けてある処理ロータ14に搬送され、処理ロータ14にて脱穀処理される。
前記一番スクリュー23よりも前方であって、前記揺動選別盤17よりも下方に、後方に向けて送風する唐箕27が設けてある。該唐箕27と前記一番スクリュー23との間に二つの整流板28、28を配設してある。
前記二番穀粒板25の後端部に通路板36が連ねてある。該通路板36の上方には下部吸引カバー30が設けてある。該下部吸引カバー30及び通路板36の間は塵埃が排出される排気通路37になっている。
下部吸引カバー30の上方に上部吸引カバー31が設けてある。該上部吸引カバー31及び下部吸引カバー30の間に、稈を吸引排出する軸流ファン32を配設してある。該軸流ファン32の後方には排塵口33を設けてある。前記唐箕27の動作によって発生した気流は、前記整流板28、28によって整流された後に、前記揺動選別装置16を通過して、前記排塵口33及び排気通路37に至る。
排塵口33及び排気通路37には、圧電素子を備える二つの排出量センサ34、34が配してある。排塵口33及び排気通路37から、穀粒が排出され、排出量センサ34、34に当接する。このとき排出量センサ34、34の圧電素子から電圧信号が出力され、排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量(ロス量)が検出される。なお排出量センサ34、34は圧電素子を有するセンサに限るものではなく、発光素子及び受光素子を有する光センサを排出量センサ34として使用し、発光素子及び受光素子の間を通過する穀粒量を検出しても良い。また発信器及び受信機を有する超音波センサを排出量センサ34として使用し、発信器及び受信機の間を通過する穀粒量を検出しても良い。
前記上部吸引カバー31の上側であって、前記処理室13の下方に、前部が後部よりも下に位置するように傾斜した流下樋35が設けてある。前記処理室13の排出口13eから排出された排出物は流下樋35を滑落して前記ストローラック19に落下する。
前述した走行クローラ1の駆動、刈取部3の刈取動作、扱胴11の回動、処理胴13bの回動、揺動選別装置16の揺動及び唐箕27の起風動作はエンジン40の駆動力によって行われる。図3はエンジン40の駆動力の伝達経路を略示する伝動機構図である。
図3に示すように、エンジン40はHST(Hydro Static Transmission)41を介して走行ミッション42に連結してある。HST41は油圧ポンプ(図示せず)と、該油圧ポンプに供給される作動油の流量及び油圧ポンプの圧力を調整する機構(図示せず)と、該機構を制御する変速回路41aとを有している。変速回路41aは後述する制御部100(図7参照)からの入力信号に基づいて、前記機構を制御し、走行クローラ1の変速を行うようにしてある。
走行ミッション42は、前記走行クローラ1に駆動力を伝達するギヤ(図示せず)を有している。走行ミッション42には、ホール素子を有する車速センサ43を設けてある。該車速センサ43は前記ギヤの回転数を検出して、ギヤの回転数に対応する機体の車速を示す信号を出力するようにしてある。
前記エンジン40は電磁式の脱穀クラッチ44を介して、前記扱胴11及び処理胴13bに連結してあり、また偏心クランク45に連結してある。該偏心クランク45は前記揺動アーム21に連結してある。偏心クランク45の駆動により前記揺動選別装置16が揺動する。また前記エンジン40は脱穀クラッチ44を介して前記唐箕27に連結してある。また前記エンジン40は脱穀クラッチ44及び電磁式の刈取クラッチ46を介して前記刈取部3に連結してある。
走行ミッション42を介してエンジン40の駆動力が走行クローラ1に伝達され、機体が走行する。また刈取クラッチ46を介して刈取部3にエンジン40の駆動力が伝達し、刈取部3にて穀稈が刈取られる。
脱穀クラッチ44を介して前記扱胴11にエンジン40の駆動力が伝達し、扱胴11にて穀稈は脱穀される。また脱穀クラッチ44を介して処理胴13bにエンジン40の駆動力が伝達し、扱胴11にて脱穀された稈及び穀粒から穀粒が分離される。
また前記揺動選別装置16には、脱穀クラッチ44及び偏心クランク45を介してエンジン40の駆動力が伝達し、扱胴11から漏下した稈及び穀粒並びに処理室13の排出口13eから排出された稈及び穀粒の選別が行われる。また脱穀クラッチ44を介して前記唐箕27にエンジン40の駆動力が伝達し、揺動選別装置16にて選別された稈及び穀粒を唐箕27による起風作用によって排塵口33及び排気通路37から排出する。
以上の構成によって、刈取部3にて刈り取られた穀稈は脱穀装置2にて脱穀され、穀稈から分離した穀粒は選別を受けて穀粒タンク4に収容される。穀粒の選別の調整は、前記キャビン8に配設されている穀粒の選別を調整するためのスイッチ群をユーザが操作することによって行われる。
図4はキャビン8内のダッシュボードパネルに設けてあるスイッチ群及びランプ群の略示正面図である。図4に示すように、刈取スイッチ80、送塵弁角度設定スイッチ81、処理胴弁角度設定スイッチ82、関数選択スイッチ83、自動制御ランプ84及び警告ランプ85がダッシュボードパネルに並設してある。
刈取スイッチ80は正面側に突出した円柱形をなしている。刈取スイッチ80は押圧によって押し下げられた状態で固定される。また押し下げられた状態で押圧されることによって、刈取スイッチ80に内蔵してある弾性部材(図示せず)の弾性力により元の位置に復帰する。刈取スイッチ80が押し下げられた場合に前記刈取クラッチ46及び脱穀クラッチ44が継合し、刈取スイッチ80が復帰した場合に刈取クラッチ46及び脱穀クラッチ44は切断されるようにしてある。
送塵弁角度設定スイッチ81は、正面側に突出した軸回りに回動可能な円柱状をなしている。送塵弁角度設定スイッチ81の正面には、図4に示すように、三角形の目印を付してある。また送塵弁角度設定スイッチ81の周囲には1〜5の番号を付してある。前記目印を1〜5の番号に合わせて、送塵弁10a、10a、10a、10aの角度を5段階に設定するようにしてある(以下送塵弁角度設定スイッチ81にて設定された角度を設定角度θ1 という)。送塵弁角度設定スイッチ81の内部には、図示しないポテンショメータが内蔵されており、設定角度θ1 に応じた電圧信号を制御部100へ出力するようにしてある。
なお処理胴弁角度設定スイッチ82も送塵弁角度設定スイッチ81と同様な構成となっており、処理胴弁角度設定スイッチ82の正面には目印が設けられ、処理胴弁角度設定スイッチ82の周囲には1〜5の番号を付してある。前記目印を1〜5の番号に合わせて、処理胴弁13aの角度を5段階に設定するようにしてある(以下処理胴弁角度設定スイッチ82にて設定された角度を設定角度θ2 という)。また処理胴弁角度設定スイッチ82の内部には、ポテンショメータが内蔵されており、設定角度θ2 に応じた電圧信号を制御部100へ出力するようにしてある。
関数選択スイッチ83は、正面側に突出した軸回りに回動可能な円柱状をなしている。関数選択スイッチ83の正面には図4に示すように、三角形の目印を付してある。また関数選択スイッチ83の周囲には1〜3の数字を付してある。前記目印を1〜3の数字のいずれかに合わせて、投口23aから穀粒タンク4へ送出される穀粒量と塵量の割合を示す閾値(閾値P)との関係を示す三つの関数x〜z(後述する図8参照)から一の関数を選択する。関数選択スイッチ83の内部には、図示しないポテンショメータが内蔵されており、ポテンショメータの出力電圧に応じて、関数x〜zが選択される。
自動制御ランプ84及び警告ランプ85は、後述する制御部100の出力信号に基づいて、点灯するか又は消灯する。
前記投口センサ23bにて検出された穀粒量を前記関数x〜zに適用して閾値Pが算出され、該閾値Pと排出量センサ34にて検出された穀粒量とに基づいて、送塵弁10a、10a、10a、10a及び処理胴弁13a、13a、13a、13aの開閉が行われる。図5は送塵弁10a、10a、10a、10a及び処理胴弁13a、13a、13a、13a並びにこれらの伝動機構を示す略示平面図である。なお処理胴弁13aの伝動機構の構成は送塵弁10aの伝動機構の構成と同様であり、処理胴弁13a及び処理胴弁13aの伝動機構の構成に対応する送塵弁10a及び送塵弁10aの伝動機構の構成に、括弧付きで名称又は符号を付し、その詳細な説明を省略する。
前記複数の送塵弁10a、10a、10a、10a(処理胴弁13a、13a、13a、13a)は扱胴11(処理胴13b)と扱室10(処理室13)の上壁との間に前後方向に沿って並設してあり、互いに対向している。図5に示すように、扱室10(処理室13)の上壁に四つの送塵弁軸65、65、65、65(処理胴弁軸65′、65′、65′、65′)が設けてあり、該送塵弁軸65(処理胴弁軸65′)は円筒形の扱胴11(処理胴13b)の径方向に沿って扱室10(処理室13)の内側に突出している。前記送塵弁10a、10a、10a、10a(処理胴弁13a、13a、13a、13a)は送塵弁軸65、65、65、65(処理胴弁軸65′、65′、65′、65′)にそれぞれ枢着している。
各送塵弁10a、10a、10a、10a(処理胴弁13a、13a、13a、13a)の一側部には、図5に示すように、前後方向に延びる杆体64(64′)が、上下方向を軸長方向とした四つの枢軸66、66、66、66(66′、66′、66′、66′)を介して連結してある。
また前記送塵弁10a(処理胴弁13a)に略直角な伝動杆63(63′)が送塵弁10a(処理胴弁13a)の送塵弁軸65(処理胴弁軸65′)付近から延出している。伝動杆63(63′)の延出端にクランクロッド61(61′)の一端部が、上下方向に沿う枢軸62(62′)を介して連結してある。クランクロッド61(61′)の他端部はクランク60(60′)に連結してある。該クランク60(60′)は減速機67(67′)を介してモータM1(M2)に連結している。
モータM1(M2)が正回転した場合には、図5中の実線矢印によって示すように、クランク60(60′)が一方向に回動し、クランクロッド61(61′)が一方向に移動する。クランクロッド61(61′)の移動によって伝動杆63(63′)が前記枢軸62(62′)を中心にして一方向に回動し、伝動杆63(63′)を連結してある送塵弁10a(処理胴弁13a)が送塵弁軸65(処理胴弁軸65′)を中心にして一方向に回動する。該送塵弁10a(処理胴弁13a)の回動によって前記杆体64(64′)が前方に移動し、図5中の実線矢印によって示すように、他の送塵弁10a、10a、10a(処理胴弁13a、13a、13a)も連動して、送塵弁軸65、65、65(処理胴弁軸65′、65′、65′)を中心にして一方向へ回動する。
扱胴11(処理胴13b)の周面に沿って、後方へ向かって螺旋状に移動する稈及び穀粒は、送塵弁10a、10a、10a、10a(処理胴弁13a、13a、13a、13a)の一方向への回動によって、図5中の実線矢印によって示すように、送塵弁10a、10a、10a、10a(処理胴弁13a、13a、13a、13a)に当接して前方へ跳ね返り、扱室10(処理室13)における稈及び穀粒の送出量は減少する。
モータM1(M2)が逆回転した場合には、図5中の破線矢印によって示すように、クランク60(60′)が他方向に回動し、クランクロッド61(61′)が他方向に移動する。クランクロッド61(61′)の移動によって伝動杆63(63′)が前記枢軸62(62′)を中心にして他方向に回動し、伝動杆63(63′)を連結してある送塵弁10a(処理胴弁13a)が送塵弁軸65(処理胴弁軸65′)を中心にして他方向に回動する。該送塵弁10a(処理胴弁13a)の回動によって前記杆体64(64′)が後方に移動し、図5中の破線矢印によって示すように、他の送塵弁10a、10a、10a(処理胴弁13a、13a、13a)も連動して、送塵弁軸65、65、65(処理胴弁軸65′、65′、65′)を中心にして他方向へ回動する。
送塵弁10a、10a、10a、10a(処理胴弁13a、13a、13a、13a)の他方向への回動によって、扱胴11(処理胴13b)の周面に沿って螺旋状に移動する稈及び穀粒は、図5中の破線矢印によって示すように、送塵弁10a、10a、10a、10a(処理胴弁13a、13a、13a、13a)に当接して後方へ跳ね返り、扱室10(処理室13)における稈及び穀粒の送出量は増加する。
モータM1(M2)にはロータリエンコーダE1(E2)が設けてある。モータM1(M2)は、制御部100から与えられる動作指令に従って駆動され、またモータM1(M2)の回転数及び回転方向がロータリエンコーダE1(E2)によって検出される。制御部100には、前記送塵弁角度設定スイッチ81の電圧信号が入力され、ロータリエンコーダE1(E2)によって検出されたモータM1(M2)の回転数及び回転方向を示す値が入力される。
図6は送塵弁10a(処理胴弁13a)の前後方向に対する角度と前記送塵弁角度設定スイッチ81(処理胴弁角度設定スイッチ82)との関係を説明する説明図である。図中α1 〜α5 (β1 〜β5 )は、送塵弁角度設定スイッチ81(処理胴弁角度設定スイッチ82)の1〜5の番号に対応する送塵弁10a(処理胴弁13a)の前後方向に対する角度を示しており、前記設定角度θ1 (設定角度θ2 )はα1 〜α5 (β1 〜β5 )のいずれかに設定される。角度α1 〜α5 (β1 〜β5 )は、角度α1 (β1 )を下限値とし、角度α5 (β5 )を上限値としてこの順に大きくなる。送塵弁10a(処理胴弁13a)の前後方向に対する角度が大きくなるに従って、扱室10(処理室13)における稈及び穀粒の送出量は減少する。
制御部100は、送塵弁10a(処理胴弁13a)の前後方向に対する角度を前記送塵弁角度設定スイッチ81にて設定された角度α1 〜α5 (β1 〜β5 )に一致させるべくモータM1(M2)に動作指令を発し、ロータリエンコーダE1(E2)によるモータM1(M2)の回転数及び回転方向を示す値をフィードバック情報として、モータM1(M2)を駆動制御する。
次に制御部100の構成について説明する。図7は制御部100の構成を示すブロック図である。
制御部100は内部バス100gにより相互に接続されたCPU100a、ROM100b、RAM100c、及びEEPROM100dを備えている。CPU100aはROM100bに記憶された制御プログラムをRAM100cに読み込み、該制御プログラムに従って、送塵弁10a及び処理胴弁13aの動作を制御する。
制御部100は、モータM1に係る送塵弁駆動回路86及びモータM2に係る処理胴弁駆動回路87を更に備えており、CPU100aに制御された送塵弁駆動回路86及び処理胴弁駆動回路87が駆動指令をモータM1及びモータM2へそれぞれ出力する。また制御部100は出力インタフェース100fを介して、HST41の変速回路41aに変速指令を出力し、自動制御ランプ84及び警告ランプ85に点灯又は消灯信号を出力する。また制御部100は刈取クラッチ46及び脱穀クラッチ44に継断信号を出力する。
刈取スイッチ80、送塵弁角度設定スイッチ81、処理胴弁角度設定スイッチ82、関数選択スイッチ83、排出量センサ34、車速センサ43、ロータリエンコーダE1、ロータリエンコーダE2及び投口センサ23bの各出力信号は入力インタフェース100eを介して制御部100に入力されている。
図8は閾値Pと投口センサ23aから穀粒タンク4へ送出される穀粒量(投口量D)との関係を示す関数x〜関数z及び閾値Qと投口量Dとの関係を示す関数kを示すグラフである。
EEPROM100dには閾値Rと投口量Dとの関係を示す関数x、y、z及び閾値Sと投口量Dとの関係を示す関数kが記憶してある。図8に示すように、任意の投口量Dに対する閾値Qは任意の投口量Dに対する閾値P以下になる。また関数x〜関数zにおいて、投口量Dの増減に応じて前記閾値R及び閾値Sはそれぞれ増減する。なお図8においては、関数選択スイッチ83によって関数xが選択された場合を示している。
EEPROM100dにおいては、ロータリエンコーダE1によるモータM1の回転数及び回転方向を示す値をCPU100aにて積算して求めた送塵弁10aの角度を示す値が、変数である送塵弁角度θa に格納してあり、ロータリエンコーダE2によるモータM2の回転数及び回転方向を示す値をCPU100aにて積算して求めた処理胴弁13の角度を示す値が、変数である処理胴弁角度θb に格納してある。
またEEPROM100dには穀稈を刈取ることができる機体の速度の下限値Vminが記憶してある。
図9は制御部100が実行する送塵弁10a及び処理胴弁13aの動作制御の処理手順を示すフローチャートである。
制御部100のCPU100aは、刈取スイッチ80からオン信号を取込むまで待機する(ステップS1:NO)。刈取スイッチ80からオン信号を取り込んだ場合には(ステップS1:YES)、CPU100aは、関数選択スイッチ83の出力を取込み(ステップS2)、EEPROM100dにアクセスして関数x〜z及び関数kを参照する。次にCPU100aは、投口センサ23aによって検出された投口量Dを取込む(ステップS3)。そして、CPU100aは投口量Dを関数x〜z及び関数kに適用して(ステップS4)、閾値P及び閾値Qを設定する(ステップS5)。
そしてCPU100aは、排出量センサ34によって検出されたロス量A1 を取込み(ステップS6)、ロス量A1 が閾値P以上であるか否かを判定する(ステップS7)。ロス量A1 が閾値P未満である場合には(ステップS7:NO)、CPU100aは処理をステップS6へ戻す。
ロス量A1 が閾値P以上である場合には(ステップS7:YES)、CPU100aは自動制御ランプ84に点灯信号を出力し(ステップS8)、自動制御ランプ84を点灯させる。次にCPU100aは後述する送塵弁作動処理を実行し(ステップS9)、後述する処理胴弁13a作動処理を実行する(ステップS10)。そしてCPU100aは自動制御ランプ84に消灯信号を出力し(ステップS11)、後述する戻弁処理を実行して(ステップS12)、処理を終了する。
次に排出量センサ34にて閾値P以上の穀粒量が検出された場合に実行される送塵弁作動処理について説明する。図10は送塵弁作動処理の処理手順を示すフローチャートである。
CPU100aはEEPROM100dから送塵弁角度θa の値を読出し(ステップS91)、送塵弁角度θa が角度α5 であるか否かを判定する(ステップS92)。送塵弁角度θa が角度α5 でない場合(ステップS92:NO)、すなわち送塵弁角度θa がαn (n=1〜4)である場合には、CPU100aは、送塵弁駆動回路100gに正回転信号を出力し(ステップS93)、ロータリエンコーダE1によるモータM1の回転数及び回転方向を示す値をフィードバック情報として、送塵弁角度θa がαn+1 になるまでモータM1を正回転させる。そしてCPU100aはタイマを使用して、所定時間が経過するまで待機する(ステップS94:NO)。該所定時間は、ステップS9での処理によって送塵弁10a、10a、10a、10aの角度を変更した時から前記排出口13eから排出される排出物が減少するまでの時間に相当する。
所定時間が経過した場合には(ステップS94:YES)、CPU100aは、排出量センサ34によって検出されたロス量A2 を取込み(ステップS95)、ロス量A2 が閾値Q未満であるか否かを判定する(ステップS96)。ロス量A2 が閾値Q以上である場合には(ステップS96:NO)、ステップS91に処理を戻す。ロス量A2 が閾値Q未満である場合には(ステップS96:YES)、CPU100aは送塵弁作動処理を終了し、ステップS10へ処理を進める。また送塵弁角度θa が角度α5 以上である場合には(ステップS92:YES)、CPU100aは送塵弁作動処理を終了する。
次に排出量センサ34にて閾値P以上の穀粒量が検出された場合に実行される処理胴弁作動処理について説明する。図11は処理胴弁作動処理の処理手順を示すフローチャートである。
CPU100aはEEPROM100dから処理胴弁角度θb の値を読出し(ステップS101)、処理胴弁角度θb が角度β5 以上であるか否かを判定する(ステップS102)。
処理胴弁角度θb が角度β5 未満である場合(ステップS102:NO)、すなわち処理胴弁角度θb がβn (n=1〜4)である場合には、CPU100aは、処理胴弁駆動回路100hに正回転信号を出力し(ステップS103)、ロータリエンコーダE2によるモータM2の回転数及び回転方向を示す値をフィードバック情報として、処理胴弁角度θb がβn+1 になるまでモータM2を正回転させる。そしてCPU100aは、CPU100aに内蔵してある図示しないタイマを使用して、所定時間が経過するまで待機する(ステップS104:NO)。該所定時間は、ステップS103での処理によって処理胴弁13a、13a、13a、13aの角度を変更した時から前記排出口13eから排出される排出物が減少するまでの時間に相当する。
所定時間が経過した場合には(ステップS104:YES)、CPU100aは、排出量センサ34によって検出されたロス量A3 を取込み(ステップS105)、ロス量A3 が閾値Q未満であるか否かを判定する(ステップS106)。ロス量A3 が閾値Q以上である場合には(ステップS106:NO)、CPU100aはステップS101に処理を戻す。ロス量A3 が閾値Q未満である場合には(ステップS106:YES)、CPU100aは処理胴弁作動処理を終了する。
処理胴弁角度θb が角度β5 以上である場合には(ステップS102:YES)、CPU100aは後述する車速低減処理を実行し(ステップS107)、処理胴弁作動処理を終了する。
次に車速低減処理について説明する。図12は車速低減処理の処理手順を示すフローチャートである。
CPU100aは、車速センサ43から車速検出値を取込む(ステップS1071)。そしてCPU100aは取込んだ車速検出値とEEPROM100dに記憶してある前記機体の速度の下限値Vminとを比較して、車速検出値がVmin以上であるか否かを判定する(ステップS1072)。車速検出値がVmin以上である場合には(ステップS1072:YES)、CPU100aは、低速指令を変速回路41aに出力し(ステップS1073)、機体を所定速度低減させる。そしてCPU100aはタイマを使用して、所定時間が経過するまで待機する(ステップS1074:NO)。該所定時間は、ステップS1073での処理によって車速を低減させた時から前記排出口13eから排出される排出物が減少するまでの時間に相当する。
所定時間が経過した場合には(ステップS1074:YES)、CPU100aは排出量センサ34によって検出されたロス量A4 を取込み(ステップS1075)、ロス量A4 が閾値Q未満であるか否かを判定する(ステップS1076)。ロス量A4 が閾値Q以上である場合には(ステップS1076:NO)、CPU100aはステップS1071に処理を戻す。ロス量A4 が閾値Q未満である場合には(ステップS1076:YES)、CPU100aは車速低減処理を終了する。
車速検出値がVmin未満である場合には(ステップS1072:NO)、CPU100aは、警告ランプ85に点灯信号を出力し(ステップS1077)、車速低減処理を終了する。車速検出値がVmin未満である場合であって、ロス量が閾値Q以上であるときには、グレンシーブ、チャフシーブに稈が詰まる等の異常が発生している可能性があり、警告ランプ85の点灯によって当該可能性をユーザに報知することができる。
次に排出量センサ34にて閾値Q未満の穀粒量が検出された場合に実行される戻弁処理について説明する。図13は戻弁処理の処理手順を示すフローチャートである。
CPU100aは送塵弁角度設定スイッチ81にて設定された設定角度θ1 を取込む(ステップS1201)。そしてCPU100aはEEPROM100dにアクセスして送塵弁角度θa の値と設定角度θ1 の値とを比較し、送塵弁角度θa が設定角度θ1 に等しいか否かを判定する(ステップS1202)。送塵弁角度θa が設定角度θ1 に等しくない場合には(ステップS1202:NO)、CPU100aは送塵弁駆動回路100gに戻弁信号を出力し(ステップS1203)、ロータリエンコーダE1によるモータM1の回転数及び回転方向を示す値をフィードバック情報として、図6中の破線矢印によって示すように、送塵弁角度θa がαk (k=2〜5)からαk-1 になるまでモータM1を逆回転させる。
次にCPU100aは、タイマを使用して所定時間が経過するまで待機する(ステップS1204:NO)。所定時間が経過した場合には(ステップS1204:YES)、CPU100aは処理をステップS1201に戻す。
送塵弁角度θaの値が設定角度θ1 に等しい場合には(ステップS1202:YES)、CPU100aは処理胴弁角度設定スイッチ82にて設定された設定角度θ2 の値を取込む(ステップS1205)。そしてCPU100aはEEPROM100dにアクセスして処理胴弁角度θb の値と設定角度θ2 の値とを比較し、処理胴弁角度θb の値が設定角度θ2 の値に等しいか否かを判定する(ステップS1206)。処理胴弁角度θb が設定角度θ2 に等しくない場合には(ステップS1206:NO)、CPU100aは処理胴弁駆動回路100hに戻弁信号を出力し(ステップS1207)、ロータリエンコーダE2によるモータM2の回転数及び回転方向を示す値をフィードバック情報として、図6中の破線矢印によって示すように、処理胴弁角度θb がβk (k=2〜5)からβk-1 になるまでモータM2を逆回転させる。
次にCPU100aは、タイマを使用して所定時間が経過するまで待機する(ステップS1208:NO)。所定時間が経過した場合には(ステップS1208:YES)、CPU100aは処理をステップS1205に戻す。処理胴弁角度θb の値が設定角度θ2 に等しい場合には(ステップS1206:YES)、CPU100aは戻弁処理を終了する。
実施の形態1に係るコンバインにあっては、脱穀装置2から穀粒タンク4へ搬送される穀粒量を投口センサ23bにて検出し、検出した穀粒量に基づいて閾値Pを算出する。そして脱穀装置2から排出される穀粒量が閾値P以上であるか否かを判定し、閾値P以上である場合に、前記送塵弁10a及び処理胴弁13aの作動を制御して、脱穀装置2から排出される穀粒量を低減させる。また閾値Pを、脱穀装置2から穀粒タンク4へ搬送される穀粒量に基づいて算出しているので、収穫される穀粒量に応じた閾値Pを設定することができる。
また前記閾値Pと投口センサ23bにて検出された穀粒量との関係を示す予め設定された関数x〜zに、前記投口センサ23bにて検出された穀粒量を適用して閾値Pを算出するので、閾値Pが迅速に算出される。またユーザが穀稈の品種等に応じて複数の関数x〜zから一の関数を選択することによって、前記送塵弁10a及び処理胴弁13aの作動を適切に制御することができる。
また前記排出量センサ34にて検出された穀粒量が閾値P以上であると判定された場合に、前記送塵弁10aを一方向へ回動させて、脱穀装置2から排出される穀粒量を低減させる。また排出量センサ34にて検出された穀粒量が前記閾値P以上であると判定された場合に、前記処理胴弁13aを一方向へ回動させて、脱穀装置2から排出される穀粒量を低減させる。
また送塵弁10a及び処理胴弁13aの作動が不可能であると判定された場合に、前記走行クローラ1を強制的に減速させて、刈り取られる穀稈量を低減させる。これにより、脱穀装置2から排出される穀粒量を低減させることができる。
また脱穀装置2から排出される穀粒量が前記閾値P以上であることを自動制御ランプ84を点灯することによってユーザへ向けて報知し、脱穀装置2から排出される穀粒量を減少させるための操作、例えば減速等をユーザが行うことを促すことができる。
また送塵弁10a及び処理胴弁13aの制御を解除する場合に、送塵弁10a及び処理胴弁13aを設定された位置まで徐々に戻して、送塵弁10a及び処理胴弁13aに対して急激な負荷が作用することを防止し、送塵弁10a及び処理胴弁13aの破損を回避することができる。
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係るコンバインを示す図面に基づいて詳述する。
図14はグレンシーブ20の上方に設けてある調整網の進退動作を説明する説明図である。
前記キャビン8内のダッシュボードパネルには、調整網位置設定スイッチ70が設けてある。該調整網位置設定スイッチ70は、正面側に突出した軸回りに回動可能な円柱状をなしている。調整網位置設定スイッチ70の正面には、図14に示すように、三角形の目印を付してある。また調整網位置設定スイッチ70の周囲には1〜5の番号を付してある。前記目印を1〜5の番号に合わせて、調整網94の位置を5段階に設定するようにしてある(以下調整網位置設定スイッチ70にて設定された調整網94の位置を設定位置Ds という)。また調整網位置設定スイッチ70の内部には、ポテンショメータが内蔵されており、設定位置Ds に応じた電圧信号を制御部100へ出力するようにしてある。
前記揺動選別装置16のグレンシーブ20の上方に、グレンシーブ20よりも網目の細かい調整網94が設けてある。該調整網94は進退機構90によってグレンシーブ20の上方を進退するようにしてある。図14に示すように、前記進退機構90は、前記グレンシーブ20の前側に配置してあるケーシング91を備えている。該ケーシング91は前記グレンシーブ20側に開口92を有している。ケーシング91内にはモータM3が配設してあり、該モータM3にボールねじ機構93が連結している。
該ボールねじ機構93は、前記モータM3の回転軸に連結してあり、前記グレンシーブ20と略平行な雄ねじ93aを備えている。該雄ねじ93aにはナット部93bが螺合している。該ナット部93bと雄ねじ93aとの間には図示しない複数の転動体が配設してある。モータM3の正回転によって前記ナット部93bはグレンシーブ20に接近し、モータM3の逆回転によって前記ナット部93bはグレンシーブ20から離反する。
前記ナット部93bの上側に前記グレンシーブ20と略平行な調整網94が固設してある。モータM3が正回転した場合に、図14中の破線矢印によって示すように、調整網94はグレンシーブ20の上方に進出し、モータM3の逆回転した場合に、図14中の実線矢印によって示すように、グレンシーブ20の上方から退出して、前記ケーシング91に収容される。
モータM3にはロータリエンコーダE3が設けてある。モータM3は、制御部100から与えられる動作指令に従って駆動され、モータM3の回転数及び回転方向がロータリエンコーダE3によって検出される。制御部100には、調整網位置設定スイッチ70の出力信号が入力され、ロータリエンコーダE3によって検出されたモータM3の回転数及び回転方向を示す値が入力される。
図14中X1 〜X5 は、調整網位置設定スイッチ70の1〜5の番号に対応する調整網94の先端位置を示しており、調整網位置設定スイッチ70の操作によって前記設定位置Dsは位置X1 〜X5 のいずれかに設定される。位置X1 〜X5 の順に、グレンシーブ20の上方への調整網94の進出距離は長くなり、グレンシーブ20から漏下する穀粒量は減少する。
制御部100は、調整網94の先端位置を調整網位置設定スイッチ70にて設定された位置X1 〜X5 に一致させるべくモータM3に動作指令を発し、ロータリエンコーダE3によるモータM3の回転数及び回転方向を示す値をフィードバック情報として、モータM3を駆動制御する。
次に制御部100の構成について説明する。図15は制御部100の構成を示すブロック図である。
EEPROM100dには、ロータリエンコーダE3によるモータM3の回転数及び回転方向を示す値をCPU100aにて積算して求めた調整網94の先端位置を示す値が、変数である調整網先端位置Da に格納してある。
制御部100は、モータM3に係る調整網駆動回路88を備えており、CPU100aの出力信号に基づいて調整網駆動回路88が駆動指令をモータM3へそれぞれ出力する。
調整網位置設定スイッチ70及びロータリエンコーダE3の各出力信号が入力インタフェース100gを介して制御部100に入力されている。
図16は制御部100が実行する送塵弁10a及び処理網94の動作制御の処理手順を示すフローチャートである。
制御部100のCPU100aは、刈取スイッチ80からオン信号を取込むまで待機する(ステップS21:NO)。刈取スイッチ80からオン信号を取り込んだ場合には(ステップS21:YES)、CPU100aは、関数選択スイッチ83の出力を取込み(ステップS22)、EEPROM100dにアクセスして関数x〜z及び関数kを参照する。次にCPU100aは、投口センサ23aによって検出された投口量Dを取込む(ステップS23)。そして、CPU100aは投口量Dを関数x〜z及び関数kに適用して(ステップS24)、閾値P及び閾値Qを設定する(ステップS25)。
そしてCPU100aは、排出量センサ34によって検出されたロス量A5 を取込み(ステップS26)、ロス量A1 が閾値P以上であるか否かを判定する(ステップS27)。ロス量A5 が閾値P未満である場合には(ステップS27:NO)、CPU100aは処理をステップS26へ戻す。
ロス量A5 が閾値P以上である場合には(ステップS27:YES)、CPU100aは自動制御ランプ84に点灯信号を出力し(ステップS28)、自動制御ランプ84を点灯させる。次にCPU100aは送塵弁作動処理を実行し(ステップS29)、後述する調整網作動処理を実行する(ステップS30)。次にCPU100aは自動制御ランプ84に消灯信号を出力して(ステップS31)、自動制御ランプ84を消灯させる。そして戻弁処理を実行し(ステップS32)、後述する調整網復帰処理を実行して(ステップS33)、処理を終了する。
次に調整網作動処理について説明する。図17は調整網作動処理の処理手順を示すフローチャートである。
送塵弁作動処理(ステップS29)が終了した場合には、CPU100aはEEPROM100dから調整網先端位置Da の値を読出し(ステップS301)、調整網先端位置Da の値が位置X1 を示す値に等しいか否かを判定する(ステップS302)。
調整網先端位置Da の値が位置X1 を示す値に等しくない場合(ステップS302:NO)、すなわち調整網先端位置Da の値が位置Xn (n=2〜5)を示す値である場合には、CPU100aは、調整網駆動回路88に逆回転信号を出力し(ステップS303)、ロータリエンコーダE3によるモータM3の回転数及び回転方向を示す値をフィードバック情報として、調整網先端位置Da の値が位置Xn+1 を示す値になるまでモータM3を逆回転させる。そしてCPU100aは、CPU100aに内蔵してある図示しないタイマを使用して、所定時間が経過するまで待機する(ステップS304:NO)。該所定時間は、ステップS303での処理によって調整網先端位置Da の値を変更した時から、前記グレンシーブ20から横溢する穀粒量が減少する時までの時間に相当する。
所定時間が経過した場合には(ステップS304:YES)、CPU100aは、排出量センサ34によって検出されたロス量A6 を取込み(ステップS305)、ロス量A6 が閾値Q未満であるか否かを判定する(ステップS306)。ロス量A6 が閾値Q以上である場合には(ステップS306:NO)、CPU100aはステップS301に処理を戻す。ロス量A6 が閾値Q未満である場合には(ステップS306:YES)、CPU100aは調整網作動処理を終了する。
調整網先端位置Daの値が位置X1を示す値である場合には(ステップS302:YES)、CPU100aは車速低減処理を実行して(ステップS307)、調整網作動処理を終了する。
次に調整網復帰処理について説明する。図18は調整網復帰処理の処理手順を示すフローチャートである。
CPU100aはEEPROM100dから調整網位置設定スイッチ70による設定位置Ds を示す値を読出す(ステップS331)。そしてCPU100aはEEPROM100dにアクセスして、調整網先端位置Da の値と設定位置Ds を示す値とを比較し、調整網先端位置Da の値が設定位置Ds を示す値に等しいか否かを判定する(ステップS332)。
調整網先端位置Da の値が設定位置Ds を示す値に等しくない場合には(ステップS332:NO)、調整網駆動回路88に復帰信号を出力し(ステップS333)、ロータリエンコーダE3によるモータM3の回転数及び回転方向を示す値をフィードバック情報として、調整網先端位置Da の値が設定位置Ds を示す値になるまでモータM3を正又は逆回転させる。そしてCPU100aはタイマを使用して、所定時間が経過するまで待機する(ステップS334:NO)。所定時間が経過した場合に(ステップS334:YES)、CPU100aは処理をステップS331に戻す。
調整網先端位置Da の値が設定位置Ds を示す値に等しい場合には(ステップS332:YES)、CPU100aは調整網復帰処理を終了する。
なおステップS29における送塵弁作動処理、ステップS32における戻弁処理及びステップS307における車速低減処理は、それぞれ実施の形態1における送塵弁作動処理(図10参照)、戻弁処理(図13参照)及び車速低減処理(図12参照)と同様であり、その詳細な説明を省略する。
実施の形態2に係るコンバインにあっては、脱穀装置2から穀粒タンク4へ搬送される穀粒量を投口センサ23bにて検出し、検出した穀粒量に基づいて閾値Pを算出する。そして脱穀装置2から排出される穀粒量が閾値P以上であるか否かを判定し、閾値P以上である場合に、前記調整網94の作動を制御して、脱穀装置2から排出される穀粒量を低減させる。また排出量センサ34にて検出された穀粒量が前記閾値P以上であると判定された場合に、調整網94をグレンシーブ20の上方から退出させて、脱穀装置2から排出される穀粒量を低減させることができる。
実施の形態2に係るコンバインの構成の内、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
(実施の形態3)
以下本発明を実施の形態3に係る図面に基づいて詳述する。図19はチャフシーブの動作機構を示す側面図である。
前記扱胴11の近傍に、扱胴11にて脱穀された排桿を図示しないカッタに向けて搬送する排ワラチェン50が設けてある。該排ワラチェン50に対向させて排ワラガイド棒51が設けてあり、該排ワラガイド棒51及び排ワラチェン50の間を、排ワラチェン50の移動と共に排桿が移動するようにしてある。
図19に示す如く、前記排ワラガイド棒51の下側にL形の回動レバー52が設けてあり、該回動レバー52は前後方向に長い前後杆52aと、該前後杆52aの前端部から上方に突出した上下杆52bとを備えている。該上下杆52b及び前後杆52aとの角部分に枢軸52cが設けてある。
排ワラガイド棒51と前後杆52aの後端部とが連結棒53を介して連結してある。前後杆52aと連結棒53とは枢結されている。該連結棒53の周囲にばね体54が配設されている。
前記排ワラガイド棒51及び排ワラチェン50の間を移動する排桿が増加するに連れて、前記排ワラガイド棒51は押圧されて下側に移動し、前記回動レバー52は枢軸52cを支点にして後方に回動する(図19実線矢印参照)。このとき前記ばね体54は圧縮される。一方排桿が減少するにつれて、圧縮されたばね体54の復元力によって前記排ワラガイド棒51は上側に移動し、前記回動レバー52は枢軸52cを支点にして前方に回動する(図19破線矢印参照)。
次にチャフシーブ18の構成について説明する。前記チャフシーブ18は矩形に枠組された枠体を有している。該枠体を構成しており、前後方向に延びる左右に配置された二つの枠材の間に、左右方向に延びる多数のシーブ板18a、18a、・・・、18aを前後方向に沿って並設してある。該シーブ板18a、18a、・・・、18aの各上部は枠材に支軸18k、18k、・・・、18kを介して枢支してある。各シーブ板18a、18a、・・・、18aの下部は、前後方向に延びる一本の連結桿18bに枢軸18l、18l、・・・、18lを介して連結してある。該連結桿18bの前部に、矩形状の回動板18cの中途部が連結してあり、該回動板18cの一端部は前記連結桿18bの上方にて軸体18iを中心にして枢支してある。前記回動板18cの他端部には、チャフワイヤ18eの一端部が連結してあり、該チャフワイヤ18eの他端部は前記上下杆52bに連結してある。
また前記軸体18iには、軸体18i周りの回動板18cの位置を検出するポテンショメータ型のシーブセンサ18jを設けてある。該シーブセンサ18jによってシーブ角(シーブ板18aと連結桿18bとのなす角度)θr が検出される構成にしてある。
また前記軸体18iに、図示しない手動レバーに操作されるL形の手動板18hの一端部が連結してある。該手動板18hの他端部には前記チャフワイヤ18eの中途部及び手動ワイヤ18gの一端部を連結してある。該手動ワイヤ18gの他端部は前記手動レバーに連結している。
また前記回動板18cの一端部及び手動板18hの他端部に、ばね体18dを介装して前記手動板18hと前記回動板18cとを連結してある。また前記手動板18hの中途部には、ばね体18fの一端部を連結してあり、該ばね体18fの他端部は前記脱穀装置2の適所に固定してある。
前記回動レバー52が後方へ回動したときに、前記チャフワイヤ18eは牽引され、前記回動板18cは反時計回りに回動し、前記連結桿18bは後方へ移動し、前記シーブ板18a、18a、・・・、18aは起立してシーブ角θr は大きくなり、シーブ板18a、18a、・・・、18a同士の間隔は広くなる。このときばね体18fは圧縮される(図19実線矢印参照)。一方前記回動レバー52が前方に回動したときには、前記ばね体18fの復元力により、前記回動板18cは時計回りに回動し、前記連結桿18bは前方へ移動し、前記シーブ板18a、18a、・・・、18aは傾倒してシーブ角θr は小となり、シーブ板18a、18a、・・・、18a同士の間隔は狭くなる(図19破線矢印参照)。
排桿の減増に応じて排ワラガイド棒51が上下動し、前記回動レバー52が回動して前記手動板18h及び回動板18cが回動し、シーブ角θr が調整される。また前記手動レバーの操作に応じて、前記手動ワイヤ18gが牽引されるか又は弛緩され、前記手動板18h及び回動板18cが回動して、シーブ角θr が調整される。なお前記手動レバーは適当な位置で固定することができるようにしてある。
次に唐箕27の吸気口55付近の構成について説明する。前記唐箕27の一側に、唐箕27に吸い込まれる空気が通流する矩形の吸気口55が設けてある。該吸気口55の中央部に、吸気口55の一部を覆う前後方向に長い矩形の固定板56が設けてあり、該固定板56の上側部に沿って矩形板状のシャッタ57が隣接してある。該シャッタ57はその一端部を前記脱穀装置2の適所に枢支してあり、前記シャッタ57が上方に回動したときに、前記シャッタ57は前記固定板56から離間して前記吸気口55の開口面積が拡大し、前記シャッタ57が下方に回動したときに、前記シャッタ57は前記固定板56に接近して前記吸気口55の開口面積が縮小する。
前記シャッタ57の前端部には引張ばね58の上端部が連結してあり、該引張ばね58の下端部は前記脱穀装置2の適所に係止してある。また前記シャッタ57の前端部から前方に軸体59が突出しており、該軸体59の突出端部にシャッタワイヤ60の一端部が連結してある。該シャッタワイヤ60の他端部は前記上下軸52bに連結してある。
前記回動レバー52が後方に回動したときに、前記シャッタワイヤ60は牽引され、前記シャッタ57は上方に回動して、前記吸気口55の開口面積が拡大し、引張ばね58は伸長する(図4実線矢印参照)。一方前記回動レバー52が前方に回動したときに、前記引張ばね58の復元力により、前記シャッタ57は下方に回動して、前記吸気口55の開口面積が縮小する(図4破線矢印参照)。
前記回動レバー52の下方にモータM4が配設してあり、該モータM4には、モータM4の回転軸を制動する図示しない電磁ブレーキが設けてある。また前記モータM4の回転軸は、図示しない減速ギヤボックスを介して、電磁式のモータクラッチ71の一方に連結してある。該モータクラッチ71の他方は前記枢軸52cに連結してある。またモータM4には、モータM4の回転数及び回転方向を検出するロータリエンコーダE4を設けてある。
モータM4は制御部100の動作指令によって駆動する。制御部100はロータリエンコーダE4によるモータM4の回転数及び回転方向を示す値をフィードバック情報として、モータM4を駆動制御する。また前記モータM4の回転開始と同時に電磁ブレーキが解除され、回転終了と同時に電磁ブレーキが作動する。またモータクラッチ71は制御部100の継断信号によって継合又は切断される。
制御部100の継合信号に基づいて前記モータクラッチ71が継合し、制御部100の動作指令に基づいて前記モータM4が正回転した場合には前記回動レバー52は後方に回動して、前記排ワラガイド棒51は下側に移動し、前記ばね体54は伸長する(図19実線矢印参照)。そして制御部100の切断信号に基づいて前記モータクラッチ71が切断されたときには、前記ばね体54の復元力と排ワラガイド棒51に作用する排桿の圧力とによって前記回動レバー52は回動し、前記排ワラガイド棒51は排桿量に応じた位置に配される(図19破線矢印参照)。
モータクラッチ71が継合し、モータM4が正回転することによって回動レバー52が後方に回動し、前記手動板18h及び回動板18cが回動して、シーブ角θr が調整される。またモータクラッチ71を切断することによって、前記排ワラガイド棒51は排桿量に応じた位置に配され、排桿の増減に応じて前記手動板18h及び回動板18cが回動し、シーブ角θr が調整される。
次に制御部100の構成について説明する。図20は制御部100の構成を示すブロック図である。
制御部100のEEPROM100dには、シーブ角θr の上限値θmax が記憶してある。制御部100はモータM4に係るチャフシーブ駆動回路89を備えており、CPU100aの出力信号に基づいてチャフシーブ駆動回路89が駆動指令をモータM4へ出力する。また制御部100は出力インタフェース100hを介して、モータクラッチ71に継断信号を出力する。またロータリエンコーダE4及びシーブセンサ18jの各出力信号が入力インタフェース100gを介して制御部100に入力されている。
図21は制御部100が実行する送塵弁10a及びチャフシーブ18の動作制御の処理手順を示すフローチャートである。
制御部100のCPU100aは、刈取スイッチ80からオン信号を取込むまで待機する(ステップS41:NO)。刈取スイッチ80からオン信号を取り込んだ場合には(ステップS41:YES)、CPU100aは、関数選択スイッチ83の出力を取込み(ステップS42)、EEPROM100dにアクセスして関数x〜z及び関数kを参照する。次にCPU100aは、投口センサ23aによって検出された投口量Dを取込む(ステップS43)。そして、CPU100aは投口量Dを関数x〜z及び関数kに適用して(ステップS44)、閾値P及び閾値Qを設定する(ステップS45)。
そしてCPU100aは、排出量センサ34によって検出されたロス量A7 を取込み(ステップS46)、ロス量A7 が閾値P以上であるか否かを判定する(ステップS47)。ロス量A7 が閾値P未満である場合には(ステップS47:NO)、CPU100aは処理をステップS46へ戻す。
ロス量A7 が閾値P以上である場合には(ステップS47:YES)、CPU100aは自動制御ランプ84に点灯信号を出力し(ステップS48)、自動制御ランプ84を点灯させる。次にCPU100aは後述する送塵弁作動処理を実行し(ステップS49)、後述するチャフシーブ作動処理を実行する(ステップS50)。次にCPU100aは自動制御ランプ84に消灯信号を出力して(ステップS51)、自動制御ランプ84を消灯させる。そしてCPU100aは戻弁処理を実行して(ステップS52)、処理を終了する。
なお送塵弁作動処理(ステップS49)及び戻弁処理(ステップS52)は、それぞれ実施の形態1における送塵弁作動処理(図10参照)及び戻弁処理(図13参照)と同様であり、その詳細な説明を省略する。
次に排出量センサ34にて閾値P以上の穀粒量が検出された場合に実行されるチャフシーブ作動処理について説明する。図22はチャフシーブ作動処理の処理手順を示すフローチャートである。なお初期状態においてモータクラッチ71は切断されているとする。
まず制御部100のCPU100aは、モータクラッチ71に継合信号を出力し(ステップS501)、モータクラッチ71を継合させる。そしてCPU100aはシーブセンサ18jによって検出されたシーブ角θr を取り込む(ステップS502)。次にCPU100aは、シーブ角θr がEEPROM100dに記憶してある上限値θmax 以上であるか否かを判定する(ステップS503)。シーブ角θr が上限値θmax 未満である場合には(ステップS503:NO)、CPU100aはチャフシーブ駆動回路89に正回転信号を出力し(ステップS504)、モータM4を所定数正回転させる。該モータM4の正回転によってシーブ角θr は大きくなり、穀粒が漏下しやすくなる。またシャッタ57が上方へ回動し、唐箕27に吸引される空気量が増加する。
そしてCPU100aはタイマを使用して、所定時間が経過するまで待機する(ステップS505:NO)。該所定時間は、ステップS504での処理によってモータM4を所定数正回転させた時から、排出量センサ34によって検出されるロス量が減少するまでの時間に相当する。所定時間が経過した場合に(ステップS505:YES)、CPU100aは排出量センサ34によって検出されたロス量A8 を取込み(ステップS506)、ロス量A8 が閾値Q未満であるか否かを判定する(ステップS507)。ロス量A8 が閾値Q以上である場合には(ステップS507:NO)、CPU100aはステップS502に処理を戻す。ロス量A8 が閾値Q未満である場合には(ステップS507:YES)、CPU100aはモータクラッチ71に切断信号を出力し(ステップS508)、モータクラッチ71を切断させて、チャフシーブ作動処理を終了する。
シーブ角θr の検出値が上限値θmax 以上である場合には(ステップS503:YES)、車速低減処理を実行し(ステップS509)、ステップS508へ処理を進める。なおステップS509における車速低減処理は実施の形態1における車速低減処理(図12参照)と同様であり、その詳細な説明を省略する。
実施の形態3に係るコンバインにあっては、脱穀装置2から穀粒タンク4へ搬送される穀粒量を投口センサ23bにて検出し、検出した穀粒量に基づいて閾値Pを算出する。そして脱穀装置2から排出される穀粒量が閾値P以上であるか否かを判定し、閾値P以上である場合に、前記チャフシーブ18の作動を制御して、脱穀装置2から排出される穀粒量を低減させる。また排出量センサ34にて検出された穀粒量が前記閾値P以上であると判定された場合に、チャフシーブ18を開いて、脱穀装置2から排出される穀粒量を低減させることができる。
なお実施の形態1〜3に係るコンバインにあっては、投口センサ23bに代えて、穀粒タンク4に貯留した穀粒量の総量を検出する重量センサを設け、該重量センサにて検出された穀粒量と閾値とを比較しても良いが、凹凸の大きな圃場をコンバインが走行し、コンバインの姿勢が急激に変化した場合に、穀粒タンク4内にて穀粒が偏在し、前記重量センサにて正確に穀粒量を検出することができない虞がある。実施の形態1〜3に係るコンバインにおいては、投口センサ23b及び排出量センサ34にて所定時間あたりの穀粒量を検出しているので、凹凸の大きな圃場をコンバインが走行し、コンバインの姿勢が急激に変化する場合であっても、コンバインの姿勢の変化の影響は投口センサ23b及び排出量センサ34にて検出される検出値へほとんど波及しない。
実施の形態3に係るコンバインの構成の内、実施の形態1又は2と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
次に実施の形態1〜3に係るコンバインの変形例について説明する。図23〜図27は変形例1〜5の脱穀装置2の内部構成を略示する側面断面図、図28は変形例6の表示部を略示する正面図である。
(変形例1)
図23に示すように、グレンシーブ20の横に排出量センサ34が配してある。該排出量センサ34はグレンシーブ20から横溢した所定時間あたりの穀粒量を検出する。前記制御部100は、該排出量センサ34にて検出された穀粒量に基づいて、排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量を求めるようにしてある。例えば、グレンシーブ20から横溢する所定時間あたりの穀粒量と排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量との関係を示す関数に、排出量センサ34によって検出された穀粒量を適用して、排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量(ロス量)を求める。制御部100は、求めたロス量と閾値P及びQとを比較して、前記送塵弁10a、処理胴弁13a、チャフシーブ18、唐箕27及び調整網94の動作を制御する。
(変形例2)
図24に示すように、処理ロータ14の下方に排出量センサ34が配してある。処理ロータ14は図示しない排出口を備え、該排出口から穀粒が排出される。前記排出量センサ34は、処理ロータ14から排出された所定時間あたりの穀粒量を検出する。前記制御部100は、該排出量センサ34にて検出された穀粒量に基づいて、排塵口33及び排気通路37から排出される穀粒量を求めるようにしてある。例えば、処理ロータ14から排出される所定時間あたりの穀粒量と排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量との関係を示す関数に、排出量センサ34によって検出された穀粒量を適用して、排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量(ロス量)を求める。制御部100は、求めたロス量と閾値P及びQとを比較して、前記送塵弁10a、処理胴弁13a、チャフシーブ18、唐箕27及び調整網94の動作を制御する。
(変形例3)
図25に示すように、処理室13の排出口13eの下方に排出量センサ34が配してある。該排出量センサ34は排出口13eから排出された所定時間あたりの穀粒量を検出する。前記制御部100は、排出量センサ34にて検出された穀粒量に基づいて、排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量を求めるようにしてある。例えば、排出口13eから排出される所定時間あたりの穀粒量と排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量との関係を示す関数に、排出量センサ34によって検出された穀粒量を適用して、排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量(ロス量)を求める。制御部100は、求めたロス量と閾値P及びQとを比較して、前記送塵弁10a及び処理胴弁13aの動作を制御する。
(変形例4)
図26に示すように、排出量センサ34がクリンプ網15と揺動選別装置16との間に配置してある。該排出量センサ34はクリンプ網15から漏下した所定時間あたりの穀粒量を検出する。前記制御部100は、該排出量センサ34にて検出された穀粒量に基づいて、排塵口33及び排気通路37から排出される穀粒量を求めるようにしてある。例えば、クリンプ網15から漏下する所定時間あたりの穀粒量と排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量との関係を示す関数に、排出量センサ34によって検出された穀粒量を適用して、排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量(ロス量)を求める。制御部100は、求めたロス量と閾値P及びQとを比較して、前記送塵弁10aの動作を制御する。
(変形例5)
図27に示すように、クリンプ網15の下方であって、クリンプ網15よりも後側に排出量センサ34が配してある。該排出量センサ34は、扱胴11から落下した所定時間あたりの穀粒量を検出する。前記制御部100は、該排出量センサ34にて検出された穀粒量に基づいて、排塵口33及び排気通路37から排出される穀粒量を求めるようにしてある。例えば、扱胴11から落下する所定時間あたりの穀粒量と排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量との関係を示す関数に、排出量センサ34によって検出された穀粒量を適用して、排塵口33及び排気通路37から排出される所定時間あたりの穀粒量(ロス量)を求める。制御部100は、求めたロス量と閾値P及びQとを比較して、前記送塵弁10aの動作を制御する。
(変形例6)
前記キャビン8には、ユーザに必要な情報を報知するための表示部95が設けてある。図28に示すように、表示部95は表示パネル95aを備えている。表示パネル95aには必要に応じて情報が表示される。例えば図28に示す如く、「ロス制御を行っています」、「穀稈が過剰供給されています」、又は「減速します」と表示する。これによりロス量の増大に応じた操作、例えば走行クローラ1を減速させる操作を行うようユーザに促すことができる。
なお実施の形態1〜3に係るコンバイン及びその変形例に使用されているロータリエンコーダ又はポテンショメータは、位置検出器の例示であって、ロータリエンコーダ又はポテンショメータに変えて、レゾルバ等の他の位置検出器を使用しても良い。