JP3281630B2 - 水管保護用耐火構造体とその組立方法 - Google Patents

水管保護用耐火構造体とその組立方法

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JP3281630B2 JP53055799A JP53055799A JP3281630B2 JP 3281630 B2 JP3281630 B2 JP 3281630B2 JP 53055799 A JP53055799 A JP 53055799A JP 53055799 A JP53055799 A JP 53055799A JP 3281630 B2 JP3281630 B2 JP 3281630B2
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康博 寺嶋
裕二 中川
敬太 井上
稔 池
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はボイラの水管等の熱交換器の水管を高温ガス
の雰囲気から保護するための水管保護用耐火構造体に関
するものである。
背景技術 廃熱回収ボイラにおいては、伝熱用の水管を、耐火ブ
ロックによって燃焼ガスから伝達される熱及び腐食性雰
囲気から保護している。
第19図〜第21図はかかる廃熱ボイラ用水管の耐火構造
体の従来技術を示す。
第19図に示す技術は特開平９−184602号等にて提供さ
れているもので、第19図において、11はボイラの水管、
13は該水管11同士を水平方向あるいは垂直方向に接続し
て補強するための平面リブである。
26は前記水管11を燃焼ガス50から覆うように設けられ
たセラミックス材から成る耐火ブロックで、前記水管11
は該耐火ブロック26によって燃焼ガス50から伝達される
熱と腐食性雰囲気から保護されている。
23aは前記耐火ブロック26を前記平面リブ13に固定す
るためのボルトである。該ボルト23aは前記平面リブ13
の板面から耐火ブロック26を貫通して立設され、このボ
ルト23aに螺合されるナット23bを締め付けることによっ
て、前記耐火ブロック26が水管11及び平面リブ13に固定
されるようになっている。
20はモルタルで、前記耐火ブロック26の内側と平面リ
ブ13及び水管11の外側との間に形成される空間内に充填
されている。27はキャップで、前記ボルト23aの頭部、
つまりナット23bの螺合部を燃焼ガス50から保護するよ
うにして、ナット23bの上部に被せられている。
第20図〜第21図は特開平９−236203号にて提供されて
いるもので、第20図は水管の軸心に直角な断面図、第21
図は第20図のＡ−Ａ線断面図である。第20図〜第21図に
おいて、11は水管、13は該水管11同士を接続して補強す
る平面リブ、36は前記水管11、平面リブ13等を燃焼ガス
50から保護するための耐火ブロック、20は該耐火ブロッ
ク36と平面リブ13及び水管11との間の充填されたモルタ
ルである。
38は前記耐火ブロック26を平面リブ13に固定するため
のアーム部で、このアーム部38は前記平面リブ13の適所
から突設されている。そして、前記耐火ブロック36は、
これの凹み部37を該アーム部38に引掛けることにより、
水管11及び平面リブ13に固定されている。
また、図示を省略するが、前記のような水管保護用耐
熱構造体として実開平１−106706号（考案の名称：水冷
壁）の考案及び特開平７−225016号（発明の名称：焼却
炉の炉壁構造及び耐火レンガ）が提供されている。
実開平１−106706号の考案の技術は、水管同士を接続
する平面リブ（フィン）に、上向きに傾斜して形成され
た支持金物を水管の長さ方向に所定の間隔で突出させて
固定し、耐火ブロック側には、前記支持金物に嵌り合う
ように窪み部を形成し、さらに該支持金物と窪み部との
間に形成された空隙にモルタルを充填して構成されてい
る。
また、特開平７−225016号の技術は、複数本の水管の
外周面に沿うように断面を円弧状に形成された複数の被
覆部と、該被覆部同士を連結する連結部とによって構成
される耐火ブロック（耐火レンガ）を有しており、該耐
火ブロックには、これと前記水管の外周面との間にモル
タルを充填するに要する隙間を保持するための複数の突
起が前記水管の管軸方向に所定の間隔で設けられてい
る。さらに前記耐火ブロックには、これの前記連結部に
前記水管を取付けるための取付け具が挿入される取付穴
が形成されている。
しかしながら、前記のような従来技術には次のような
問題点がある。
第19図に示されている特開平９−184602号で提供され
た技術では、装置の運転中にボルト23aが高温になって
熱膨張し、この熱膨張によってキャップ27が燃焼ガス50
側に向けて押し出されて係合部から外れてしまう。これ
により前記ボルト23a及びナット23bは燃焼ガス50中に露
出され、燃焼ガス50によって腐食され易くなる。そし
て、かかる腐食が進むと、耐火ブロック26の破損や脱落
を招くこととなる。
また、前記耐火ブロック26は、平面リブ13に固定さ
れ、立設されたボルト23aを介してボイラの水管11及び
平面リブ13に固定されるようになっているため、該ボル
ト23aの締め付けに伴なう拘束があり、これに加えて水
管11側と耐火ブロック26との間の熱膨張差による熱ひず
みが発生する。かかる拘束や熱ひずみが発生すると、こ
れらによる熱応力及び耐火ブロック26の内外温度差によ
る熱応力によって耐火ブロック26の破損を招く。
また第20図〜第21図に示されている特開平９−236203
号で提供された技術では、前記第19図に示されている従
来技術の課題を解決することが可能であるが、この技術
においては平面リブ13から斜め上方に突設されたアーム
部38を耐火ブロック36に形成された凹み部37に引掛ける
のみで耐火ブロック36を支持するようになっているの
で、耐火ブロック36を水管11及び平面リブ13に確実に固
定することは困難であり、該耐火ブロック36の脱落が発
生し易い。
また実開平１−106706号で提供された技術では、前記
した特開平９−236203号の技術と同様に、平面リブから
斜め上方に突設された支持金物に耐火ブロックの窪み部
を引掛けるのみで該耐火ブロックを水管側に支持するよ
うになっているので、耐火ブロックを水管側に確実に固
定することは困難であり、該耐火ブロックの脱落が発生
し易い。
さらに、特開平７−225016号で提供された技術では、
前記した特開平９−184602号の技術と同様、耐火ブロッ
クの連結部に水管を取付けるための取付け具の端部が燃
焼ガス中に露出されるので、該取付け具が燃焼ガスによ
って腐食され、この腐食が進むと耐火ブロックの破損や
脱落を招くという問題点がある。
また、前記のような従来技術、例えば第20図〜第21図
に示す特開平９−236203号の技術におけるように、耐火
ブロック36を凹み部37が水管11側のアーム部38を引掛け
るために上方に傾斜して形成されているような耐火ブロ
ック36を製造するに当たっては、傾斜角が大きくなる
と、前記凹み部37が上方に傾斜して型抜きが出来ないた
め、該耐火ブロック36はプレスによる成型は不可能であ
る。又確実に固定するには傾斜角を大きく取る必要があ
るが、大きく取ると特殊な金型が必要となり、製造時間
とコストが大になる。
従ってかかる耐火ブロック36は、耐火ブロック材料を
金型に流し込むことによって製造しており、かかる製法
によるものはプレス成型によって製造するものに比べて
強度が低く、耐久性に劣るという問題点を有している。
また前記のような従来技術、例えば前記特開平９−23
6203号の技術においては、水管11側に固定された金属製
のアーム部38と耐火ブロック36との間にはモルタル20を
充填して、該アーム部38と耐火ブロック36とを固定して
いる。
然るに、前記アーム部38と耐火ブロック36との間のモ
ルタル20を充填した部位の温度は250℃〜500℃に上昇
し、かつ金属製のアーム部38とモルタル20とは熱膨張率
が大きく異なる。このため、かかる従来技術において
は、前記アーム部38とモルタル20との間に生ずる熱膨張
差によってモルタル20が破損し、耐火構造体の耐久性が
低下するという問題点を有している。
さらに前記のような従来技術においては、水管集合体
と耐火ブロックとを固定するためのモルタルを打設し、
これを所要の厚さに仕上げる際には、作業者がこて等の
手動具を使用し、該作業者の勘によってモルタルを所要
厚さに仕上げている。このため、かかる従来技術におい
てはモルタルの仕上り厚さに作業者によってばらつきが
生じ、これによって複数の耐火ブロックの耐久性に差が
生じ、耐火ブロックの破損の原因となるという問題点を
有している。
発明の開示 本発明は前記のような従来技術の問題点を解決するも
のである。
即ち、本発明の第１の目的は、耐火ブロックを水管及
び平面リブより成る水管構造体に確実に固定して、耐火
ブロックの破損や脱落の発生を防止することである。
また本発明の第２の目的は、耐火ブロックを前記水管
構造体の如何なる部位においても取付け、取外しを可能
として、耐火ブロックの組み立て、分解作業を容易化す
ることである。
本発明の第３の目的は、耐火ブロック及びこれの取付
け部材の、熱応力による破損及び高温腐食の発生を防止
して、これらの耐久性を向上することにある。
本発明の第４の目的は、耐火ブロックをプレス成型に
よって製造可能として、強度の大なる耐火ブロックを得
ることにある。
本発明の第５の目的は、耐火ブロックと水管重合体と
の間に充填されるモルタルと水管集合体との熱膨張差に
よってモルタルが破損するのを防止し、耐火構造体の耐
久性を向上することである。
さらに本発明の第６の目的は、モルタルの充填作業を
簡単化して耐火構造体の取付作業の工数を低減するとと
もに、モルタルを水管重合体と耐火ブロックとの間に均
一な厚さで充填可能として、モルタル打設部の強度を向
上することである。
以上の目的を達成するため、本発明は下記の技術手段
によって構成する。
即ち本発明は、燃焼ガス生成物から、複数の水管と該
水管同士を接続する平面リブとよりなる水管集合体を保
護するため、前記水管集合体と燃焼ガスとの間に、前記
水管の外周面及び平面リブの表面の形状に沿うように形
成された耐火ブロックを介装した水管保護用耐火構造体
において、前記平面リブの表面から前記耐火ブロック側
に突設されるとともに、先端部に係合部が形成されたア
ーム部を備えるとともに、前記耐火ブロックには前記ア
ーム部の係合部が係合される凹み部を備え、該アーム部
及び凹み部を介して前記耐火ブロックを前記水管集合体
に係脱可能に構成したことを要旨としている。
特に本発明は、前記アーム部に係合部が、前記耐火ブ
ロック側への突出部の端部から屈曲して前記水管に対し
て平行にかつ上方へ向けて立ち上がる立上がり部より成
り、該立ち上がり部が、耐火ブロック凹み部の内面との
間にアーム部の熱膨張を許容する空隙が介在可能に形成
されていることを特徴としている。
又本発明は、前記アーム部の係合部と耐火ブロック側
の凹み部を、その直交する断面が、水管集合体側より耐
火ブロック側に向け徐々に断面積が拡大するように形成
された係合凸部と係合凹部とし、該係合凹部と凸部間を
係合させて前記耐火ブロックを前記アーム部に止設させ
たことを特徴としている。
更に本発明は、前記耐火ブロックの上端部及び下端部
の水管側と燃焼ガス側を夫々矩形状に凹設して、燃焼ガ
ス側に面した燃焼ガス側凸部及び水管側に面した水管側
凸部を夫々設け、上下方向に隣接して位置する前記耐火
ブロックの燃焼ガス側凸部と水管側凸部とを互いに対向
させて配置するとともに、前記夫々の凸部の上方若しく
は下方に前記矩形状凹設部が位置し、該凹設部により隙
間が確保されていることを特徴とし、特に前記アーム部
の係合部が、前記耐火ブロック側への突出部の端部から
屈曲して前記水管に対して平行にかつ上方へ向けて立ち
上がる立上がり部よりなる場合において、前記アーム部
の立上がり部平行面に前記耐火ブロックが、その凹み部
を介して重力により上方から係合位置保持可能としてい
る。
かかる発明によれば、水管集合体の平面リブに設けら
れたアーム部に、耐火ブロックに設けられた凹み部を、
耐火ブロック自体の重力を利用して該耐火ブロックを引
掛けることによって固定するので、従来技術のような、
燃焼ガス側に突出する恐れのあるボルト、ナットが不要
となり、これによって高温腐食の発生が抑制される。
また、アーム部に、水管に対して平行な立上がり部を
設けているため、水管と平面リブとよりなる水管集合体
が天井部を形成している際においても、耐火ブロックの
重力を利用して系脱自在に固定することができる。
また、従来技術のように、ボルト、ナットのような緊
締手段を不要とし、係脱可能な固定手段を用いているた
め、水管と耐火ブロックとの間の熱的な拘束が無くな
り、その結果、耐火ブロックを薄肉化することが可能と
なり、耐火ブロックの内・外面温度差が小さくなるとと
もに、該耐火ブロックの温度上昇が抑制され、これらに
よって耐火ブロックの熱応力が低減される。
さらに、耐火ブロックの上下端部において、上側端部
の燃焼ガス側を凸状、下側端部の水管側を凸状とするこ
とにより、耐火ブロックを局部的、例えば１枚（１組）
を取り外すことが可能となる。これにより、容易に耐火
ブロックの部分補修が可能となって、メンテナンスが容
易となる。
また、耐火ブロックの上下の端部を燃焼ガス側の水管
側とで交互に凸にすることによって、耐火ブロックの熱
膨張のための隙間を確保しつつ、燃焼ガス側にある高温
の腐食性ガスが水管及びアーム部と凹み部とより成る固
定手段に侵入するのを阻止することができる。
又本発明は、燃焼ガス生成物から、複数の水管と該水
管同士を接続する平面リブとよりなる水管集合体を保護
するため、前記水管集合体と燃焼ガスとの間に、耐火ブ
ロックを介装してなり、 前記平面リブの表面から前記耐火ブロック側に突設さ
れ、先端に係合部が形成されたアーム部と、一方前記耐
火ブロック側には前記アーム部の係合部が係合される凹
み部を備える管保護用耐火構造体において、 前記アーム部の少なくとも先端部位と前記凹み部との
間に、少なくとも250℃の温度に達した時に溶融するゴ
ム又は塗料を介装し、前記ゴム又は塗料が装置運転時に
アーム部から伝達される熱によって融解し、アーム部の
外面と凹み部の内面との間にアーム部の熱膨張を許容す
る空間を形成したことを特徴とする。
かかる発明によれば、装置の運転中において、水管集
合体を構成する金属製のアーム部の温度が250℃程度以
上になると、前記空隙に介装された溶融部材が融解して
空隙が復活する。
従って、該空隙が高温となるアーム部の膨張代、つま
りアーム部の熱膨張を許容する空間となり、アーム部と
モルタルとの熱膨張差によるモルタルの破損が回避され
る。
そして前記溶融部材としては、ゴム製のテープあるい
は塗料を充填するのがよい。
又本発明は、燃焼ガス生成物から、複数の水管と該水
管同士を接続する平面リブとよりなる水管集合体を保護
するため、前記水管集合体と燃焼ガスとの間に、耐火ブ
ロックを介装してなり、 前記平面リブの表面から前記耐火ブロック側に突設さ
れ、先端に係合部が形成されたアーム部と、一方前記耐
火ブロック側には前記アーム部の係合部が係合される凹
み部を備える管保護用耐火構造体において、 耐火ブロックの凹み部の水管側を開放して耐火ブロッ
クのプレス成型による型抜きを可能とするとともに、前
記凹み部に強度性の高い耐火スリーブを接着して、該耐
火スリーブを介してアーム部の先端係合部に耐火ブロッ
クを係合させるとともに、前記係合部材が、耐火ブロッ
クと同種のシリカ系耐火材であり、又接着剤が前記係合
部の温度に耐え得る高温接着剤であることを特徴とす
る。
本発明によれば、耐火ブロックを水管集合体のアーム
部に取付ける際において、平面リブ側に開放された凹み
部に耐火スリーブを挿入し、その外面に高温接着剤を塗
布して該耐火スリーブを耐火ブロックに固着（接着）す
る。次いでアーム部を耐火スリーブの内面に係合するこ
とにより、耐火ブロックを水管集合体に壁掛け式にて固
定することが出来る。
従ってかかる発明によれば、耐火ブロックはアーム部
との直接の係合部が無く、かつ平面リブ側に開放された
形状となるので、プレス成型の際の型抜きが可能とな
り、プレス成型によって製造することが可能となる。
これによって、強度の大なるプレス成型製耐火ブロッ
クを得ることができる。
特にその係合部においてはSiCからなる耐火スリーブ
を用いているために、強度性が極めて向上する。
又耐火ブロックもアルミナシリカ、SiC等のシリカ系
耐火材であるために、耐火スリーブと同種の材質とな
り、言換えれば熱膨張率も近似しており、熱膨張歪によ
り破損することはない。
又接着剤もリン酸モルタル、アロンセラミック（商品
名）等の250℃以上の高温においても接着性能が低下し
ない接着剤を用いている為に、熱による接着劣化が生じ
ることはない。
図面の簡単な説明 第１図は、本発明の廃熱回収ボイラにおける水管保護
用の耐火構造物構造を示し、特に本発明の第１の実施例
で、ボイラ燃焼室の水管保護用耐火構造物の水管中心に
直角な断面図である。
第２図は、第１図のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。
第３図は、本発明の廃熱回収ボイラにおける水管保護
用の耐火構造物を示し、特に本発明の第２の実施例で、
第１図に対応する断面図である。
第４図は、第３図のＣ−Ｃ線に沿う断面図である。
第５図は、本発明の第３の実施例を示し、第１図のＢ
−Ｂ線に沿う断面図に相当する図である。
第６図は、第５図のＤ−Ｄ線に沿う断面図である。
第７図は、本発明の第３の実施例に対応する作用説明
図であり、第５図に対応する断面図である。
第８図は、第７図のＥ−Ｅ線に沿う断面図である。
第９図は、本発明の第４の実施例を示し、第１図のＢ
−Ｂ線に沿う断面図に相当する図である。
第10図は、第９図のＦ−Ｆ線に沿う断面図である。
第11図は、本発明の第４の実施例に対応する実施例の
作用を説明するための斜視図である。
第12図は、本発明の前記各実施例の耐火ブロックの組
立方法を示す背面図である。
第13図は、本発明の前記各実施例の廃熱回収ボイラに
おける水管保護用の耐火構造物における組立方法、特に
接着用モルタルの掻み落とし要領を示し、水管の中心線
に直角な方向の矢視図である。
第14図は、第13図のＧ−Ｇ矢の方向の矢視図である。
第15図は、第13図に対応する図である。
第16図は、第15図のＨ−Ｈ矢の方向の矢視図である。
第17図は、本発明の各実施例の耐火ブロック組立要領
を示す斜視図である。
第18図は、本発明の各実施例の耐火構造体組立時の仕
上要領を示す斜視図である。
第19図は、従来技術の第１例を示す水管中心に直角方
向に断面図である。
第20図は、従来技術の第２例を示す水管中心に直角方
向の断面図である。
第21図は、第20図のＡ−Ａ線に沿う断面図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を例
示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載さ
れている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置
等に特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲
をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎな
い。
第１図〜第２図には本発明の廃熱回収ボイラにおける
水管保護用の耐火構造物構造を示す第１の実施例が示さ
れている。
かかる第１図〜第２図において、12は水管集合体で、
複数列の水管11と、隣接する水管11同士を水平あるいは
垂直方向に接続する平面リブ13とより成る。
16は耐火ブロックで、前記水管集合体12を燃焼ガス50
側から、その片側面全てを覆うように設けられている。
該耐火ブロック16は、比較的熱伝導率が大きく耐熱性の
大なるSiC等の耐熱材料を金型によって成型してなる成
形品からなり、前記ボイラの水管11及び平面リブ13の燃
焼ガス50側を囲むようにして覆っている。
前記平面リブ13には、水管11の長手方向（軸方向）に
沿って、所定ピッチで以てアーム部18が前記耐火ブロッ
ク16側に向けて立設されている。
該アーム部18は、第２図に示すように、前記平面リブ
13からその板面に垂直方向に延びる突出部18bと、該突
出部18bから上方に平面リブ13と平行になるように屈曲
されてなる立上がり部18aとによって形成される。
また前記耐火ブロック16には、前記アーム部18に対応
して、これと同数の凹み部17が設けられている。
そして前記耐火ブロック16は、前記アーム部18の立上
がり部18aに、モルタル20を介して前記凹み部17を該耐
火ブロック16の重力を利用して係合することにより、壁
掛け式に取付けられている。これにより図２に示すよう
に、前記アーム部18の立上がり部平行面18bに前記耐火
ブロック16が、その凹み部17を介して重力により上方か
ら係合位置保持されている。
前記アーム部18及びこれに対応して設けられた前記凹
み部17は、第１図に示すように、水管12の２列を１組と
して水管11の間に設けるのが好適であるが、３列以上を
１組として設けてもよい。
前記耐火ブロック16と前記水管集合体12との間にはモ
ルタル20が充填されている。また、前記耐火ブロック16
の水管包被部16aの内周中央部には山形状の突起21が形
成され、該突起21の頂部に前記水管11の外周の一部を当
接せしめることによって、水管11と耐火ブロック16とを
確実に位置決めしている。
また、相隣る前記耐火ブロック16の左右端部16bの間
にはモルタル20が充填された隙間が形成され、耐火ブロ
ック16の熱膨張の逃げを構成し、熱応力の低減を図って
いる。
また、前記耐火ブロック16は、水平方向には前記のよ
うに複数の水管11単位で分割されているが、垂直方向に
おいては、第２図に示すように、高さ方向（垂直方向）
にも適当数に分割されてなる。そして、各ブロック16の
上下の端部は、水管側を矩形状に凹設して燃焼ガス50側
が凸部となっている上側端部16c即ち燃焼ガス側凸部
と、燃焼ガス側を矩形状に凹設して水管11側が凸部とな
っている下側端部16d即ち水管側凸部とを互い違いに組
み合わせ、前記夫々の凸部の上方若しくは下方に前記矩
形状凹設部が位置し、該凹設部により隙間S1、S2が確保
され、上方及び下方の双方の隙間S1、S2にはモルタル20
が充填される構造となっている。
更に前記各組の耐火ブロック16は、第２図に示すよう
に、燃焼ガス50側に面するガス側ブロック16eを該ブロ
ック16の全高に亘って設け、該ガス側ブロック16eの水
管集合体12側には前記凹み部17の下方部位に水管側ブロ
ック16fを設け、両ブロック16e、16fを接合部16gにて接
着している。
また各組毎の前記耐火ブロック16は、相隣る耐火ブロ
ック16の影響を受けとることなく、つまり該ブロック16
を動かすことなく、１組毎に取付け、取外しが可能なよ
うに、上側端部16cと相手側ブロックの下面及び下側端
部16dとの垂直方向間隙S1、S2等を設定している。
かかる構成からなる耐火構造体を取付ける際において
は、前記平面リブ13に突設されたアーム部18に、前記耐
火ブロック16の凹み部17を、上方から該耐火ブロック16
の重力を利用して壁掛け式に係合し、次いでモルタル20
を打って固定する。従って、この実施例によれば、第19
図に示す従来技術のようなボルト、ナットが不要とな
り、これらの部材の高温腐食の発生を回避できる。
そして各耐火ブロック16を取外す際には、上記と逆の
手順でモルタル20を取り除いた後、耐火ブロック16を上
方に持ち上げ、凹み部17とアーム部18の平行部（立上が
り部）18aとの係合を外し、該耐火ブロック16を燃焼ガ
ス50側へ引き出す。
これにより、水管集合体12が天井部を構成していて
も、耐火ブロック16はその重力を利用して水管構造体12
に取付け、取外し可能に固定されることとなる。
従ってこの実施例によれば、従来技術のようなボル
ト、ナットによる拘束部分が無くなり、また耐火ブロッ
ク16の１組毎の係脱可能な固定手段であるため、水管集
合体12と耐火ブロック16との間の熱的拘束が無くなり、
耐火ブロック16の薄肉化が可能となり、耐火ブロック16
の内・外面間の温度差が小さくなるとともに、温度上昇
が抑制され、これによって該耐火ブロック16の熱応力が
低減される。
また前記耐火ブロック16の上下端部は、上側端部16c
の燃焼ガス50側を凸、下側端部16dの水管構造体12側を
凸となるように形成されているので、耐火ブロック16を
局部的に１組だけ取り外して部分補修することが容易に
できる。
さらに、前記耐火ブロック16の上、下端部16c、16dを
厚さ方向において交互に凸にすることによって、該耐火
ブロック16の熱膨張のための隙間S1、S2を確保しつつ、
燃焼ガス50側からの高温の腐食性ガスが水管集合体12及
びその固定手段（アーム部18等）側に侵入するのを阻止
することができる。
第３図〜第４図には本発明の第２実施例が示されてい
る。
かかる第３図〜第４図において、前記ボイラの水管構
造体12の平面リブ13には、垂直方向に沿って、所定ピッ
チで以って該平面リブ13から耐火ブロック16側へ突出す
るに従いに徐々に断面積が大きくなるようなアーム部19
が設けられている。また前記耐火ブロック16には前記ア
ーム部19に対応する相似形状の凹み部17が設けられてい
て、該アーム部19にモルタル20を介して凹み部17を係合
せしめるようになっている。
そして前記アーム部19及び凹み部17は、第４図に示す
ように、水平（平面リブ13の板面に直角）に形成されて
いる。かかる構成によって、耐火ブロック16は強固に水
管11側の平面リブ13に固定される。
以上の構成以外は第１図〜第２図に示す第１の実施例
と同様であり、これと同一の部材は同一の符号にて示
す。
第５図〜第８図には本発明の第３の実施例が示されて
いる。
これらの図において、18は水管集合体12の平面リブ13
から突設されたアーム部で、第１図〜第２図に示す第１
の実施例と同様に、平面リブ13の板面に垂直に伸びる突
出部18bと該突出部18bから屈曲されて上方に伸びる立上
がり部18aとより成る。
17は耐火ブロック16に形成された凹み部で、前記第１
の実施例と同様に前記アーム部18が係合可能な形状とな
っている。
この実施例においては、第５図〜第６図に示すよう
に、前記アーム部18の主として立上がり部18aと耐火ブ
ロック16の凹み部17の内面との間の空隙部に溶融部材51
を充填している。
この溶融部材51は、上記アーム部18の温度が少なくと
も250℃に達したとき溶融するような材料によって構成
されており、250℃の温度で熱溶融するゴムテープを装
填する、あるいはアーム部18の外面に、250℃の温度で
熱溶融する塗料を塗布する等によるのが好適である。
上記溶融部材51を介装した部分以外の部分にはモルタ
ル20が打設される。
かかる第３の実施例において、装置の運転中、水管集
合体12を構成するアーム部18の温度が250℃程度までに
上昇すると、第７図〜第８図に示すように、前記溶融部
材51がアーム部18から伝達される熱によって融解し、ア
ーム部18の外面と凹み部17の内面との間に空隙51aが復
活する。この空隙51aは、第７図〜第８図に示すよう
に、アーム部18の外周に沿って形成される。
従って、該空隙51aが高温となっているアーム部18の
熱膨張を許容する空間（熱膨張代）となって、該アーム
部18と耐火ブロック16との熱膨張差が吸収され、従来か
かる熱膨張差によって生じていたモルタル20の破損が回
避される。
その他の構成は、第１図〜第２図に示す第１の実施例
と同様であり、これと同一の部材は同一の符号にて示
す。
第９図〜第11図には本発明の第４の実施例が示されて
いる。
これらの図において、13は水管集合体12の平面リブ、
18は該平面リブ13から突設されて垂直部18b及び立上が
り部18aからなり、上方に屈曲されたアーム部である。
該平面リブ13及びアーム部18の構造は第１図〜第２図に
示す第１の実施例と同様である。
52は耐火スリーブである。該耐火スリーブ52は、前記
耐火ブロック16と同様なSiC等の耐火材料からなる。ま
た、該耐火スリーブ52は第９図〜第11図に示すように、
その内部に下側つまりアーム部18側及び平面リブ13側に
開口部52c及び52aを夫々有する溝部52bが形成されてお
り、該溝部52b内に前記アーム部18が係合されるように
なっている。
一方、前記耐火ブロック16には水管集合体12側が開口
された凹み部54が形成され、該凹み部54に前記耐火スリ
ーブ52がその外面にて係合されている。
そして、前記耐火スリーブ52は、その外面に高温に対
しても高い接着性能を有する高温接着材53を塗布して、
前記耐火ブロック16の凹み部54に接着される。
上記高温接着剤53としては、リン酸モルタル、アロン
セラミック等の250℃以上の高温においても接着性能が
低下しない接着剤を用いる。
上記実施例において、耐火ブロック16を水管集合体12
に取付ける際には、第９図〜第10図に示すように、平面
リブ13側に開放された耐火ブロック16の凹み部54に該平
面リブ13側から耐火スリーブ52を挿入し、その外面に高
温接着剤53を塗布して耐火ブロック16の凹み部54の内面
に接着固定する。
次いで、第11図に示すように、耐火ブロック16に高温
接着剤53によって固定された耐火スリーブ52の下側開口
部52cからアーム部18の立上がり部18aを挿入するように
して、耐火ブロック16及び耐火スリーブ52を下げてい
き、耐火スリーブ52の溝52b内にアーム部18の立上がり
部18aを係合する。
かる係合時において、耐火スリーブ52は、平面リブ13
側に開口部52aを有するので、アーム部18は耐火スリー
ブ52の溝52b内にスムースに係合される。
そして、前記係合後は、第９図〜第10図に示すよう
に、耐火スリーブ52の内側凸部52dによって、アーム部1
8の立上がり部18aの平面リブ13側への抜出しが係止され
ることにより、アーム部18と耐火スリーブ52とはズレや
抜出しを生じることなく確実に嵌着される。
上記のようにして、耐火スリーブ52はアーム部18を嵌
着後、耐火ブロック16周りの空隙部にモルタル20を打設
する。
従って、かかる実施例によれば、耐火ブロック16の凹
み部54はアーム部18との係合部を形成することなく、平
面リブ13側に開放された形状となるので、プレス成型時
の型抜きが容易にでき、これによって耐火ブロック16を
プレス成型によって製造することが可能となる。
次に第12図〜第18図に基づき、前記水管保護用耐火構
造体の組立方法について説明する。
（１）先ず、耐火ブロック16を水管11を含む水管集合体
12に固定する際には、第12図に示すように、最下列底部
の耐火ブロック16aを最初に水管集合体12に固定し、次
いで下から２列目16bを固定し、以下上部耐火ブロック1
6を上部へと積み上げていく。
（２）水管11の熱伸び方向に、エキスパンションゲージ
を、耐火ブロック３〜４個ごとに取付ける。尚、エキス
パンションゲージを入れるのは膨張代を取るためであ
る。
（３）第13図〜第14図に示すように、水管11の間の平面
リブ13上に、モルタル20を打設する。該モルタル20は次
の要領により、スクレーパ55で所要の厚さt1（約10mm）
に仕上げる。
該スクレーパ55は、第13図〜第14図に示すように、そ
の内面55aが前記水管11の外周面と同一形状の円形面に
形成されるとともに、該円形面55a,55aの間にはモルタ
ル20を所要厚さt1（＝10mm）に仕上げ可能になるような
平面55bが形成されている。
しかして、水管集合体12と耐火ブロック16との間に上
記の様にして、モルタル20を打設した後において、スク
レーパ55の円形面55aを水管11の外面に接して、該水管1
1の外面を案内として、第14図の矢印に示すようにスク
レーパ55を水管11の長手方向に移動させる。
かかる動作により、スクレーパ55の平面55bによって
モルタル20の余肉部が掻き落とされ、該モルタル20は所
要の厚さt1に正しく仕上げられる。
（４）次いで、第15図〜第16図に示すように、前記耐火
ブロック16の円形状内面16nにモルタル20を打設する。
該モルタル20は、次の要領により、スクレーパ56で所
要の厚さt2（約5mm）に仕上げる。
該スクレーパ56は、第15図〜第16図に示すように、そ
の円形状凸面56b,56bが前記水管11の外面と同一径に形
成されるとともに、前記２つの円形状凸面56b,56bを直
状面56aに連結して構成されている。
そして、前記スクレーパ56は、これの直状面56aが耐
火ブロック16の直状面16mに当接したとき、円形状凸面5
6bと耐火ブロック16の内面16nとの間に所要の厚さt
2（＝5mm）のモルタル20が充填されるように、該直状面
56aと円形状凸面56bとの関係寸法が設定される。
しかし、耐火ブロック16の内面16nにモルタル20を打
設した後において、スクレーパ56の直状面56aを耐火ブ
ロック16の直状面16mに接して、該直状面16mを案内とし
て、第10図の矢印に示すようにスクレーパ56を水管11の
長手方向に移動させる。
かかる動作により、スクレーパ56の円形状凸面56bに
よってモルタル20の余肉部が掻き落とされ、該モルタル
20は所望の厚さt2に正しく仕上げられる。
（５）次いで、第17図に示すように、耐火ブロック16を
モルタル20とともに、水管集合体12の長手方向に平面リ
ブ13側に押しながら引き降ろし、平面リブ13に突設され
たアーム部18に引掛ける。
（６）第18図に示すように、耐火ブロック16の背面をプ
ラスチック製のハンマー58で叩き、該耐火ブロック16を
水管集合体12にモルタル20を介して、強く接着させる。
この際において、前記ハンマー58の打撃による接着作
業は、耐火ブロック16の中央を先に、次いで該耐火ブロ
ック16の上部及び下部について行ない、左側及び右側に
ついて行なう。
上記のようにして、水管集合体12に耐火ブロック16を
固定した後、第18図に示すように、ゲージ57を用いてモ
ルタル20の厚さを測定し、これが所要厚さt3であること
を確認する。
発明の効果 以上のように、本発明によれば、次の効果が得られ
る。即し、水管集合体の平面リブに設けられたアーム部
に耐火ブロックに設けられた凹み部を上方から耐火ブロ
ックの重力を利用して、壁掛け方式にて固定できるの
で、水管集合体が天井部を形成していても耐火ブロック
を係脱可能な状態で容易にかつ確実に固定できる。これ
により水管の如何なる部位においても耐火ブロックを係
脱可能な状態で確実に固定することが可能となる。
また、耐火ブロックを１枚単位で係脱可能であるの
で、該ブロックの部分補修が容易にでき、メインテナン
ス性が向上する。
また水管集合体側のアーム部と耐火ブロック側の凹み
部とを係脱可能に、かつボルトナットのような緊締手段
を用いることなく固定できるので、水管構造体と耐火ブ
ロックとの間の熱的拘束が無くなり、耐火ブロックの薄
肉化によって温度差及び温度が低下し、熱応力が低減さ
れる。
また、前記のようにボルト、ナット等の緊締手段が不
要であるので高温腐食環境への突出部が無くなり、高温
腐食の発生を防止できる。
以上により耐久性が向上された耐火構造体を得ること
ができる。
特に請求の範囲第６項によれば、装置の運転中、アーム
部と耐火ブロックの凹み部との間の空隙に介装された溶
融部材が溶融して空隙が復活してアーム部の熱膨張代と
なるので、アーム部とモルタルとの熱膨張差によるモル
タルの破損の発生を防止できる。
フロントページの続き (72)発明者 池 稔 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重 工業株式会社横浜製作所内 (56)参考文献 特開 平９−236203（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−178242（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−224224（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−184602（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−121685（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−316983（ＪＰ，Ａ) 実開 昭50−28174（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−106706（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F22B 37/10 602 F23M 5/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】燃焼ガス生成物から、複数の水管と該水管
    同士を接続する平面リブとよりなる水管集合体を保護す
    るため、前記水管集合体と燃焼ガスとの間に、前記水管
    の外周面及び平面リブの表面の形状に沿うように形成さ
    れた耐火ブロックを介装した水管保護用耐火構造体にお
    いて、前記平面リブの表面から前記耐火ブロック側に突
    設され、先端に係合部が形成されたアーム部を備えると
    ともに、前記耐火ブロックには前記アーム部の係合部が
    係合される凹み部を備え、該アーム部及び凹み部を介し
    て前記耐火ブロックを前記水管集合体に係脱可能に構成
    するとともに、前記アーム部の係合部が、前記耐火ブロ
    ック側への突出部の端部から屈曲して前記水管に対して
    平行にかつ上方へ向けて立ち上がる立上がり部より成
    り、該立ち上がり部が、耐火ブロック凹み部の内面との
    間にアーム部の熱膨張を許容する空隙が介在可能に形成
    され、 更に前記耐火ブロックの上端部及び下端部の水管側と燃
    焼ガス側を夫々矩形状に凹設して、燃焼ガス側に面した
    燃焼ガス側凸部及び水管側に面した水管側凸部を夫々設
    け、上下方向に隣接して位置する前記耐火ブロックの燃
    焼ガス側凸部と水管側凸部とを互いに対向させて配置す
    るとともに、前記夫々の凸部の上方若しくは下方に前記
    矩形状凹設部が位置し、該凹設部により隙間が確保され
    ていることを特徴とする水管保護用耐火構造体。
  2. 【請求項２】燃焼ガス生成物から、複数の水管と該水管
    同士を接続する平面リブとよりなる水管集合体を保護す
    るため、前記水管集合体と燃焼ガスとの間に、前記水管
    の外周面及び平面リブの表面の形状に沿うように形成さ
    れた耐火ブロックを介装した水管保護用耐火構造体にお
    いて、前記平面リブの表面から前記耐火ブロック側に突
    設され、先端に係合部が形成されたアーム部を備えると
    ともに、前記耐火ブロックには前記アーム部の係合部が
    係合される凹み部を備え、該アーム部及び凹み部を介し
    て前記耐火ブロックを前記水管集合体に係脱可能に構成
    するとともに、前記アーム部の係合部と耐火ブロック側
    の凹み部を、その直交する断面が、水管集合体側より耐
    火ブロック側に向け徐々断面積が拡大するように形成さ
    れた係合凸部と係合凹部とし、該係合凹部と凸部間を係
    合させて前記耐火ブロックを前記アーム部に止設させ、 更に前記耐火ブロックの上端部及び下端部の水管側と燃
    焼ガス側を夫々矩形状に凹設して、燃焼ガス側に面した
    燃焼ガス側凸部及び水管側に面した水管側凸部を夫々設
    け、上下方向に隣接して位置する前記耐火ブロックの燃
    焼ガス側凸部と水管側凸部とを互いに対向させて配置す
    るとともに、前記夫々の凸部の上方若しくは下方に前記
    矩形状凹設部が位置し、該凹設部により隙間が確保され
    ていることを特徴とする水管保護用耐火構造体。
  3. 【請求項３】前記アーム部の係合部が、前記耐火ブロッ
    ク側への突出部の端部から屈曲して前記水管に対して平
    行にかつ上方へ向けて立ち上がる立上がり部より成り、
    前記アーム部の立上がり部平行面に前記耐火ブロック
    が、その凹み部を介して重力により上方から係合位置保
    持されていることを特徴とする請求の範囲１若しくは２
    項記載の水管保護用耐火構造体。
  4. 【請求項４】燃焼ガス生成分から、複数の水管と該水管
    同士を接続する平面リブとよりなる水管集合体を保護す
    るため、前記水管集合体と燃焼ガスとの間に、前記水管
    の外周面及び平面リブの表面形状に沿うように形成され
    た耐火ブロックを介装した水管保護用耐火構造体におい
    て、前記平面リブの表面から前記耐火ブロック側に突設
    され、先端に係合部が形成されたアーム部を備えるとと
    もに、前記アーム部の係合部が係合される凹み部を備
    え、該アーム部及び凹み部を介して前記耐火ブロックを
    前記水管集合体に係脱可能に構成するとともに、前記ア
    ーム部の係合部が、前記耐火ブロック側への突出部の端
    部から屈曲して前記水管に対して平行にかつ上方へ向け
    て立ち上がる立ち上がり部より成り、前記アーム部の少
    なくとも先端部位と前記凹み部との間に、少なくとも25
    0℃の温度に達した時に溶融するゴム又は塗料を介装
    し、前記ゴム又は塗料が装置運転時にアームから伝達さ
    れる熱によって融解し、アーム部の外面と凹み部の内面
    との間にアーム部の熱膨張を許容する空間を形成したこ
    とを特徴とする水管保護用耐火構造体。
  5. 【請求項５】燃焼ガス生成物から、複数の水管と該水管
    同士を接続する平面リブとよりなる水管集合体を保護す
    るため、前記水管集合体と燃焼ガスとの間に、前記水管
    の外周面及び平面リブの表面の形状に沿うように形成さ
    れた耐火ブロックを介装した水管保護用耐火構造体にお
    いて、前記平面リブの表面から前記耐火ブロック側に突
    設され、先端に係合部が形成されたアーム部を備えると
    ともに、前記耐火ブロックには前記アーム部の係合部が
    係合される凹み部を備え、該アーム部及び凹み部を介し
    て前記耐火ブロックを前記水管集合体に係脱可能に構成
    するとももに、前記アーム部の係合部と耐火ブロック側
    の凹み部を、その直交する断面が、水管集合体側より耐
    火ブロック側に向け徐々に断面積が拡大するように形成
    された係合凸部と係合凹部とし、該係合凹部と凸部間を
    係合させて前記耐火ブロックを前記アーム部に止設さ
    せ、 更に前記アーム部の係合凸部と前記係合凹部との間に、
    少なくとも250℃の温度に達した時に溶融するゴム又は
    塗料を介装し、前記ゴム又は塗料が装置運転時にアーム
    部から伝達される熱によって融解し、アーム部の外面と
    凹み部の内面との間にアーム部の熱膨張を許容する空間
    を形成したことを特徴とする水管保護用耐火構造体。
  6. 【請求項６】耐火ブロック側の係合凹部の水管側を開放
    して耐火ブロックのプレス成型による型抜きを可能とす
    るとともに、前記係合凹部に強度性の高い耐火スリーブ
    を接着して、該耐火スリーブを介してアーム部の先端係
    合部に耐火ブロックを係合させるとともに、前記係合部
    材が、耐火ブロックと同種のシリカ系耐火材であり、又
    接着剤が前記係合部の温度に耐え得る高温接着剤である
    ことを特徴とする請求項４若しくは５記載の水管保護用
    耐火構造体。
JP53055799A 1997-11-28 1998-10-26 水管保護用耐火構造体とその組立方法 Expired - Lifetime JP3281630B2 (ja)

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