JP3278361B2 - 光学式エンコーダ - Google Patents

光学式エンコーダ

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JP3278361B2 JP28425596A JP28425596A JP3278361B2 JP 3278361 B2 JP3278361 B2 JP 3278361B2 JP 28425596 A JP28425596 A JP 28425596A JP 28425596 A JP28425596 A JP 28425596A JP 3278361 B2 JP3278361 B2 JP 3278361B2
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    • G01D5/36Forming the light into pulses

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械や半導体
製造装置の位置計測に利用される光学式エンコーダに関
する。
【0002】
【従来の技術】光学式エンコーダは、光束を発する発光
ユニットと2つの回折格子の後方に光電変換素子を配
し、2つの回折格子を透過した光を光電変換素子により
検出し、2つの回折格子の相対移動によって生じる光の
強度の変化を基に、移動量を検出するものである。一般
に、回折格子は、光を透過させる透過部及び透過させな
い非透過部が、交互に配置されている。この配列ピッチ
が格子ピッチと呼ばれ、透過部、非透過部の各々の幅
は、格子ピッチPの2分の1となっている。これらの回
折格子を2つ用いたエンコーダにおいては、それぞれの
透過部が一致したとき、透過光量が最大となり、光電変
換素子で検出される出力も最大となる。また、一方の透
過部と他方の非透過部の位置が一致した場合、透過光量
は最小となり、光電変換素子で検出される出力も最小と
なる。光電変換素子から出力される電気信号は、2つの
回折格子の相対変位量に対して、前記最大値、最小値の
間を増減する。2つの回折格子を等速で相対変位させた
場合に、光電変換素子で得られる出力信号は、理想的に
は、周期Pの三角波信号となる。しかし、実際は回折の
影響などによって前記三角波形状はひずんでいる。そし
て、この関数を正弦波として取扱い、相対変位の検出が
なされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、従来の構成の光
学式エンコーダでは、第1の回折格子(以下、第1格子
と記す)の後方に配置される第2の回折格子(以下、第
2格子と記す)としては、図7に示すような第2格子2
が用いられており、位置を検出する場合、各相の検出場
所が離れており、各相の検出が異なった場所の第1格子
において行なわれているため、スケールの汚れやキズや
誤差の影響により各信号にアンバランスが生じ、それが
誤差になってしまうという問題があった。そして、光源
の平行性や強度のばらつきによっても、各相の信号にば
らつきが生じるという問題があった。また、各相の光の
クロストークを防ぐために、第2格子や受光部の受光素
子各相の間にスペースを設ける必要があり、装置の大型
化をもたらしていた。
【0004】このような問題を解消するため、特開平8
−201117号公報には、第1格子を透過した光を直
接格子状の受光素子で受光する光学式エンコーダが示さ
れている。この光学式エンコーダでは、受光部3の受光
素子は、図8に示すように格子状に設けられている。そ
して、各相用の受光素子が、光電変換素子上に格子状に
混在して形成されているので、各相の検出をほぼ同じ場
所で行なうことができるようになっている。そのため、
図7に示すような第2格子2を用いたエンコーダに比べ
て、スケールの汚れやキズや誤差の影響、光源の平行性
や強度のばらつきがあっても、より精度の高い検出が可
能となる。しかしながら、これらのスケールの汚れやキ
ズや誤差などが、スケールのピッチに近い細かさで生じ
た場合、わずかとはいえ1相のみの信号がその影響を受
けてしまい、位置検出に誤差を生じてしまう。
【0005】また、さらに、図8の受光部3の受光素子
は、出力信号のひずみ成分を除去して精密な位置検出を
行なうために受光素子が、その間隔が一定でなく所定の
位相差をもって配置することで、3次や5次の高調波成
分を除去するようになっている。しかし、このような構
成において、例えば3次及び5次の高調波歪成分を除去
する場合には、少なくとも4つの受光素子を必要とす
る。受光素子の本数が十分多い場合は、照射光束の不均
一さがあっても十分な平均化効果が発揮されるが、スリ
ットの本数が少ない場合、例えば4本〜数本程度の場合
は平均化効果が低下し、3次及び5次の高調波歪成分の
除去能力が薄れるという問題があった。
【0006】本発明は上述した事情から成されたもので
あり、本発明の目的は、各相の検出を従来の光学式エン
コーダよりもさらに同一の場所で行うことができ、より
歪の少ない変位信号を充分な平均化効果をもって安定し
て出力できる光学式エンコーダを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、スケールと、
このスケールと相対変位し、受光素子が前記スケールの
長手方向に複数並設され所定の位相差を有する複数の信
号を生成する複数の受光素子群とを備え、前記受光素子
から得られる前記所定位相差を有する複数の信号を
もと前記相対変位を検出する光学式エンコーダであっ
て、前記複数の受光素子群は、それぞれの受光素子群に
属する前記スケールのパターン周期Pよりも小さいパタ
ーン幅を持った複数の受光素子から構成され、1つの受
光素子群と他受光素子群に属する受光素子が、前記ス
ケールの長手方向に入り混じって配置されており、前記
受光素子群それぞれに属する複数の受光素子の信号を加
算し、それぞれが属する受光素子群の信号とする光学式
エンコーダに関するものであり、本発明の上記目的は、
前記受光素子群に属する受光素子の長手方向の位置とパ
ターン幅は、予め前記スケールの長手方向のパターン周
期Pに対応して算出された位置と幅Wとによって決めら
れており、前記受光素子群に属する受光素子は、前記ス
ケールの長手方向に対して複数の受光素子片に分割され
おり、分割された前記複数の受光素子片は、分割され
る前の位置から前記スケールの長手方向のパターン周期
Pのj倍(は整数)の距離だけ移動した位置配置さ
ており、分割された前記複数の受光素子片それぞれか
らの電気信号を加算することにより、分割される前の受
光素子から得られる電気信号と同等の信号が得られるよ
うに構成されていることによって達成される。
【0008】この構成によれば、第2スケールを必要と
しない構成で、受光素子の幅が、スケールのパターン幅
に対応した幅に対して、2つ以上分割された幅となって
いる。また、それらのより微細な受光素子が、各相入り
混じって配置されているので、各相の検出をほぼ同一場
所で行なうことができる。そのため、スケールのピッチ
に近い細かさでスケールの汚れやキズや誤差などが生じ
ても、各相への影響が均等で、各出力信号はアンバラン
スが生じず、それによる位置検出への誤差を生じさせな
いという利点を有する。そして、これらは、光源の平行
性や強度のばらつき、スケールの誤差に対しても、より
影響を受けにくいという利点を有する。さらに、受光素
子の幅により高次の歪成分が除去されるようになってお
り、少ない本数の受光素子によりより歪の少ない変位信
号を得ることができるので、信号が、充分な平均化効果
をもって安定して出力できる。
【0009】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好適な実施の形
態(以下、実施形態と記す)を図面に従って説明する。
図1は本発明の第1の実施形態のエンコーダの斜視構造
図であり、本実施形態のエンコーダは、光源からの光を
最初に受けるスケール(第1格子)1と、図示矢印方向
に相対移動し、第1格子1を透過した光を受けてこの光
量に応じた電気信号を出力する受光素子などからなる受
光部3とを有している。受光部3の受光素子は、図2
(A)に示すように格子状に設けられている。 図2
(A)に示す受光部3の受光素子は、平均すると数μ
m〜数百μmの間隔で配置されている。この配置パター
ンは、4相の信号a,b,a/,b/(0゜、90゜、
180゜、270゜)を出力する光学式エンコーダに用
いられるものであり、各々受光素子群3a 、3b 、3a
/、3b/より出力するようになっている。さらにこれら
受光素子群は、受光素子片31aと32a、31bと32b、3
1a/ と32a/ 、31b/ と32b/ とにわかれている。
【0010】図2に示す本実施例では、第1格子1のピ
ッチをPとすると、受光素子は、その幅が、P/4と
なっている。a相用の受光素子は、分割された受光素子
31aと32aとからなり、これらは周期Pもしくはその
整数倍を隔てたところで連続しており、これらを合わせ
た幅の和がP/2となる。そして、a相用の受光素子
31aに対して、その隣にb信号用の受光素子31b/ 、
その隣にa/信号用の受光素子31a/ 、その隣にb/
信号用の受光素子31bが配置され、4相用の受光素子
が、交互に混在して配置されている。配置パターン
は、これらを周期として繰り返し、その周期は5P/4
である。本実施例は、図2(A)の受光素子群のうち例
えばa相用の受光素子31a、32aから得られる信号を
加算したものが、図2(B)の受光素子3Aで得られる
信号と等価であることを利用している。また、b相用の
受光素子31b、32bから得られる信号を加算したもの
が、図2(E)の受光素子3Bで得られる信号と等価で
あり、図2(D)、(C)の受光素子3A/、B/につ
いても同様である。
【0011】図1に示す構成において受光素子で得られ
る光強度は、第1格子1での透過、回折により生じた受
光素子上の各点の光強度をI(x,z)とすると、受光
素子全体での光強度Iは、次の式即ち、I ∝ ∫ I
(x,z)dx(ただし、積分範囲は、長手方向で、受
光素子の受光部範囲)で示される。この光強度は、一般
的な2枚の回折格子を用いてるエンコーダで得られる光
強度とは全く異なるものである。また、第1格子1は、
Pを周期として同じスリットが、繰り返し配置されてい
る。従って、受光部3上の各点においても、周期P毎に
同じ光強度が繰り返される。図3に光強度のイメージを
示すと、光強度は、図中のエリアa1エリアa2に対し
て、図中のエリアa1’エリアa2’では、等価とな
る。従って、図2(A)の受光素子31a、32aで得ら
れる信号(I(x,z)の31a及び32a区間積分)は、
図2(B)の受光素子で得られる信号(I(x,
z)の3a区間積分)と等しい。同様に、受光素子31
b、32bおよび31a/ 、32a/ ならびに31b/ 、32b/で
得られる信号は、受光素子3B、3A/ 、3B/ で得ら
れる信号に等しく、各々90degづつ位相の異なる信
号である。本実施例によれば、5P/4という微小な幅
区間内に、微細な形で4相の受光素子が混在しており、
たとえばスケールのピッチに近い細かさでスケールの汚
れやキズや誤差などが生じても、各相への影響が均等
で、各出力信号はアンバランスが生じず、それによる位
置検出への誤差を生じさせない。そして、光源の平行性
や強度のばらつき、スケールの誤差に対しても、より影
響を受けにくいものである。
【0012】ここで、各相の受光素子は、ほとんど同一
場所に混入されて置かれているので、照射される光強度
は各相に均等であり、受光素子の特性も揃っており、第
1格子1の汚れやキズなどの影響を受けにくく安定かつ
高精度な位置検出が可能となる。またIa、とIa/、な
らびにIbとIb/の差動をとるように受光素子どうしを
接続してもよく、その場合、従来の構成では各相信号の
アンバランスにより除去しきれなかったDC成分が相殺
され、精度よくAC成分のみを得ることができる。隣り
合った受光素子は、その中心の間隔が3P/4となっ
ているが、5P/4やその他の間隔でもよい。パターン
としては、32bのすぐ右隣に31aがきて31a〜32bが繰
り返されるようにしてもよい。また、信号は、2相を得
るようにしてもよいし、120deg 等の位相差の3相信
号を得るようにしてもよい。
【0013】続いて、第2の実施形態について説明す
る。本実施形態の光学式エンコーダは、第1の実施形態
の受光部3を改良して図4に示す受光部30に入れ替え
たものである。本実施例では、受光部30に含まれる受
光素子のパターンの幅が一定でない。a相用の受光素子
は、分割された受光素子片31aと32aおよび33a、34a
とからなり、31aと32aは、分離しているが、周期Pも
しくはその整数倍を隔てたところで連続している。ま
た、33aと34aも同様である。そして、31aと32aの合
わせた幅の和が13P/30、33aと34aの合わせた幅
の和が7P/30となっている。このような受光素子の
幅を選択することによって、受光素子パターンの配置分
布には、3次及び5次の高次フーリェ成分が含まれな
い。なお、受光素子パターンの配置分布とは、長手方向
の位置xに対する関数であって、例えば、受光素子パタ
ーンの受光する部分を“1”、受光しない部分を“0”
とした場合の分布関数である。また、第1格子1を透過
した光を直接格子状の受光素子で受光する場合、受光素
子で得られる光強度の信号は、第1格子1の透過率1 C
kや、受光素子パターンの配置分布のフーリエ係数2 Ck
に比例する。図2に示す受光素子パターンは、その配
置分布に3次、5次等の高次のフーリェ歪成分を含んで
いるので、信号Iaも、それらの成分を含む歪んでもの
となる。これに対して、図4に示す受光素子を用いる場
合、受光素子パターンの配置分布に、3次及び5次の高
次フーリェ成分が含まれていないので、得られる光強度
信号Iaにも3次及び5次の高次フーリェ成分が含まれ
ない。
【0014】受光素子の幅は、3次と5次の歪成分を同
時に除去する場合、この他にも、17P/30及び23
P/30、11P/30及び29P/30、P/30及
び19P/30等の組合せのどれを用いてもよい。ま
た、これらを組み合わせて4種の幅を用いてもよい。こ
れらの受光素子群、例えば3a から得られる信号は、3
次と5次の歪成分を含まない。3b 、3a/、3b/につい
ても、同様である。また、受光素子群3a 、3b 、3a
/、3b/から、各々位相が90゜異なった信号が得られ
る。さらに、信号Iaは、第1格子1の透過率1 Ck
や、受光素子パターンのフーリエ係数2 Ck が偶数次の
成分を含まない場合は、偶数次成分を含まず、kは奇数
のみをとる。2枚の回折格子を用いる従来のエンコーダ
の構成では、2度の回折により信号に偶数次成分が含ま
れていたが、本発明の構成では、偶数次成分が含まれな
い信号を得ることができるという長所を有する。
【0015】なお、上記の受光素子幅のほかにも、次の
数1を満足する幅2L又は2L’を用いることで、任意
のa次b次の高次フーリェ成分が除去できる。
【数1】2L = p (n/a +(1 +2m)/2b) 2L′ = p (n/a −(1 +2m)/2b) ただし、 2L、2L′ :受光素子幅、n 、m :−∞〜∞
の整数、a,b:除去すべき高次フーリェ成分 本実施例によれば、5P/4という微小な幅区間内に、
微細な形で4相の受光素子が混在しており、たとえばス
ケールのピッチに近い細かさでスケールの汚れやキズや
誤差などが生じても、各相への影響が均等で、各出力信
号はアンバランスが生じず、それによる位置検出への誤
差を生じさせない。さらに、分割され微細となっている
受光素子が、2種の幅で3次と5次の歪成分を同時に除
去するようになっているので、非常に高い平均化効果を
もって純粋な正弦波信号を得ることができ、4相の受光
素子が微細な形で混在していることと相乗して、安定な
検出信号を得ることができる。さらに、図2の受光部3
と比べて、各受光素子間のスペースをとることができる
ので、素子間のクロストークを減少させることができる
等のメリットが生じる。
【0016】また、図示しないが、図4に示す受光部3
0の代わりに、分割された例えば31aと32aや33aと3
4aを合わせた受光素子の幅が17P/30及び23P/
30、ならびに11P/30及び29P/30となるよ
うな受光素子を用いると、3次及び5次の歪成分が含ま
れない上に、図4に示すような幅の受光素子の組合せの
場合よりも7次の歪成分も低下させることができる。従
って、この受光素子で受光される回折光における7次の
回折光強度は減少するので、この受光素子より構成され
る受光部30を光学式エンコーダに用いた場合、受光部
30で得られる受光信号に含まれる7次の歪成分も低下
させることができる。さらに、受光部30に含まれる分
割された例えば31aと32aを合わせた受光素子の幅が、
17P/30及び23P/30ならびに、11P/30
及び29P/30であり、それらの割合が、2:1とな
るように設けるとさらに、7次の歪成分も低下させるこ
とができる。これらの組み合わせは、パターンのフーリ
エ係数を数値計算して選択された。なお、このような効
果が得られれば、他のパターン幅の受光素子の組合せを
用いてもよいし、他の次数(例えば11次等)歪成分を
低下させる受光素子の組合せを用いてもよい。
【0017】続いて、第3の実施形態について説明す
る。本実施形態の光学式エンコーダは、第1の実施形態
の受光部3を改良して図5に示す受光部30に入れ替え
たものである。本実施例では、第2の実施形態として図
4に示した例に対して、4相の混入順序の設定の仕方に
より、受光素子の面積の割合が、増加している。そのた
め、この受光素子部の割合の増加よって、発光量に対す
る受光効率が一層向上して、消費電力が軽減される。
【0018】前述の図4の例を更に改善した第4の実施
形態について、図6を参照して説明する。図4の実施例
では、図4(A)に示した分割された2つの受光素子
を合わせて1つと見なした受光素子の配置間隔がPの整
数倍であった。これに対し、本実施例においては、分割
された2つの受光素子を合わせて1つと見なした受光
素子パターンの配置間隔が一定ではない。図6に示す受
光素子31a-1、32a-1、33a-1、34a-1は、受光素子
31a-2、32a-2、33a-2、34a-2 が配置されている
位置からPの整数倍の位置に対して、P/14だけシフ
トして配置されている。つまり、位相差P/14を有し
ている。この位相差P/14は、受光素子パターン3
1a-1、32a-1、33a-1、34a-1 の7次の歪成分と、受
光素子パターン31a-2、32a-2、33a-2、34a-2 の
7次の歪成分の位相が逆相となって相殺されるように受
光素子パターンを配置している。そして、受光素子の幅
による効果と合わせて、3次、5次、7次の各歪成分が
除去されたa相信号が得られる。b,a/,b/につい
ても同様である。なお、7次の歪成分に限らず、任意の
C次の歪成分が除去可能であり、そのためには受光素子
31a-1、32a-1、33a-1、34a-1の群と受光素子
1a-2、32a-2、33a-2、34a-2の群との間にP/(2・
C)だけの位相差を持たせればよい。また、受光素子
の左右の配置順序などは本実施例に限定されるものでは
なく、これらの組み合わせを含んでいればどのように行
ってもよい。また、分割された例えば受光素子片31aと
32aを合わせた受光素子の幅も前記数式を満足すればよ
く、任意の2つの次数の歪成分を同時に除去することが
できる。
【0019】また、図示しないが、第4の実施形態の受
光部30をさらに改良して、図6に示した受光素子
1a-1、32a-1、33a-1、34a-1、31a-2、32a-2、33a
-2、34a-2 が配置されている位置からPの整数倍の位
置に対して、P/22だけシフトした位置に受光素子群
を配置するようにしてもよい。この位相差P/22は、
11次の歪成分の位相が逆相となって相殺されるように
受光素子パターンを配置している。これによって、受光
素子の幅によって3次と5次( a=3、b=5)の歪成
分が、受光素子の間隔によって7次と11次( c=7、
d=11) の歪成分が除去された信号が得られる。ここ
で、除去する歪成分は、これに限らず、a次、b次、c
次、d次には任意の次数が選択できる。
【0020】さらに、13次の歪成分を除去する場合
は、e=13として、P/(2・13)の位相差、P/
26だけ隔てて受光素子群を配置すればよい。さらに、
17次や23次の歪成分を除去する場合は、同様に、f
=17、g=21として、P/(2・17)や、P/
(2・23)の位相差をもって受光素子群を配置すれば
よい。なお、これらの場合、9次や15次、21次の歪
成分を除去するためのパターンを設ける必要がない。こ
れは、9次や15次、21次が3次を因数とする歪成分
であり、3次の歪成分を除去するためのパターンで除去
されるからである。
【0021】また、上述の実施例において、分割された
例えば受光素子片31aと32aを合わせた受光素子の幅
を、一定なP/2としてもよい。そして、上述のよう
に、受光素子の位置により位相をシフトさせて3次、5
次、7次、11次・・・等の歪成分を除去するようにし
てもよい。
【0022】受光部の受光素子は、さらに分割して配置
してもよい。例えば、3分割や5分割して用いてもよ
い。また、受光部3は、耐環境性のために樹脂モールド
やキャンパッケージ化してもよいし、セラミックやメタ
ルなどのパッケージに格納して、受光面をガラスや樹脂
などで保護してもよい。
【0023】また、これまでの実施形態では、変位信号
のひずみ成分を除去する方法として、受光部3の幅や周
期を変調する例を示したが、これを第1格子に設けても
よい。その際、第1格子は、振幅変調格子でも、位相格
子でもよい。また、これまで、パターン部の幅や周期を
変調する例を示したが、非パターンの幅や周期を変調し
てもよい。変調は、受光素子の形状やその他の方式で行
なってもよい。受光素子パターンの変調による高次ひず
み成分の除去は、本実施例で説明した次数以外の歪成分
を除去するようにしてもよく、3、5、7、11、13
次等の奇数次ひずみ成分に対して複数の組み合わせで行
なってもよいしある次数に対してのみ行なってもよい
し、2次や偶数次のひずみ成分に対して行なってもよ
い。偶数次の成分については、変位信号の位相が180
deg 異なる信号を生成し、その反転信号の差をとること
で除去できるので、このように変位信号レベルで除去し
てもよい。第1格子1、反射型の回折格子を用いてもよ
い。発光される光束は、レーザダイオード等のコヒーレ
ントなものでもよいし、LEDなどのインコヒーレント
なものを用いてもよい。この光束は、平行光束でも、非
平行でもよい。また、本発明は、直線式でも回転式のエ
ンコーダでも用いることができる。さらに、円筒部材の
周囲に位相格子を設けたトルボット干渉を利用したエン
コーダにも用いることができる。第1の格子のピッチと
受光部の受光素子の平均的なピッチはほぼ同じでも、
1:2やそれ以外の異なったピッチでも本発明は適用可
能であり、本発明は上記実施形態に限定されるものでは
ない。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、微小区間
内に、より微細な形で4相の受光素子が混在してお
り、例えばスケールのピッチに近い細かさでスケールの
汚れやキズや誤差などが生じても、各相への影響が均等
で、各出力信号はアンバランスが生じず、それによる位
置検出への誤差を生じさせない。さらに、分割され微細
となっている受光素子が、2種の幅で3次と5次の歪
成分を同時に除去するようになっているので、非常に高
い平均化効果をもって純粋な正弦波信号を得ることがで
き、4相の受光素子が微細な形で混在していることと
相乗して、平均化効果が向上し、安定な検出信号を得る
ことができる。従って、外部要因にかかわらず、高精度
の位置検出を安定して行うことができるので、精度の高
い加工を容易に行うことが可能となり、生産効率の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学式エンコーダの実施例を示す斜視
構造図である。
【図2】図1に示す実施例の受光部の第1の例を示す図
である。
【図3】図2に示す実施例の説明を示す図である。
【図4】図1に示す実施例の受光部の第2の例を示す図
である。
【図5】図1に示す実施例の受光部の第3の例を示す図
である。
【図6】図1に示す実施例の受光部の第4の例を示す図
である。
【図7】従来の光学式エンコーダの第2格子の一例を示
す図である。
【図8】従来の光学式エンコーダの受光部の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1 第1回折格子 2 第2回折格子 3,30 受光部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/26 - 5/38 G01B 11/00 - 11/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スケールと、このスケールと相対変位
    し、受光素子が前記スケールの長手方向に複数並設され
    所定の位相差を有する複数の信号を生成する複数の受光
    素子群とを備え、前記受光素子から得られる前記所定
    位相差を有する複数の信号をもと前記相対変位を検
    出する光学式エンコーダであって、前記複数の受光素子
    群は、それぞれの受光素子群に属する前記スケールのパ
    ターン周期Pよりも小さいパターン幅を持った複数の受
    光素子から構成され、1つの受光素子群と他受光素子
    群に属する受光素子が、前記スケールの長手方向に入り
    混じって配置されており、前記受光素子群それぞれに属
    する複数の受光素子の信号を加算し、それぞれが属する
    受光素子群の信号とする光学式エンコーダにおいて、前記受光素子群に属する受光素子の長手方向の位置とパ
    ターン幅は、予め前記スケールの長手方向のパターン周
    期Pに対応して算出された位置と幅Wとによって決めら
    れており、 前記受光素子群に属する 受光素子は、前記スケールの
    手方向に対して複数の受光素子片に分割されており、 分割された前記複数の受光素子片は、分割される前の位
    置から 前記スケールの長手方向のパターン周期Pのj
    は整数)の距離だけ移動した位置配置されてお
    り、 分割された前記複数の受光素子片それぞれからの電気信
    号を加算することにより、分割される前の受光素子から
    得られる電気信号と同等の信号が得られるように 構成さ
    れていることを特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 【請求項2】 前記スケールの長手方向のパターン周期
    に対応して算出された幅Wは、前記相対変位に伴って
    発生する電気信号から除去したい高次フーリェ成分をa
    次およびb次としたときに、次の式即ち、W=P×(n
    /a±(1+2m)/2b)、ただし、Pは前記スケー
    ルのパターン周期、nとmは−∞〜∞の整数、であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
  3. 【請求項3】 前記スケールの長手方向のパターン周期
    に対応して算出された受光素子の位置は、ある1つの
    受光素子群に属する複数の受光素子の配置間隔が一定で
    なく、1つの受光素子を基準としたとき、他の受光素子
    が、k×P(kは正の整数)に加えて、P/(2・
    c)、およびP/(2・d)およびP/(2・c)+P
    /(2・d)だけシフトした配置となっていることを特
    徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
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