JP3276914B2 - 静電荷現像用トナー - Google Patents

静電荷現像用トナー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等の画像形成装置において使用され
る静電荷現像用トナーに関する。さらに詳しくは、非オ
フセット幅が広い温度範囲にわたり、かつ低温定着性を
有し、流動性および保存性が良好で均一な転写画像を得
ることができる静電荷現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電記録法、静電印刷法等
においては、支持体(記録層)上に形成された静電荷像
は結着樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子によって
可視化される。この可視像は支持体上にそのまま定着さ
れるか、あるいは紙等の被着体に転写された後定着され
る。このため、静電荷現像用トナーは現像性はもちろん
のこと、良好な転写性および定着性が要求される。さら
に近年、電子写真方式を用いた複写機およびプリンター
は広く普及し、一般家庭へも普及しつつある。また、多
機能化も進みつつあり、これにともない消費電力の削
減、定着機構の簡素化を目的とした低エネルギー定着化
に関する要求が強まっている。最近の複写機、プリンタ
ーには、熱ロール等の接触加熱方式が広く採用されてい
る。この方式は従来に比べて熱効率が高く、定着部の電
力が削減できかつ小型化できる利点がある。この方式に
用いられるトナーの結着樹脂としては、オフセット現象
を防止するため、幅広い分子量分布を持たせたスチレン
アクリル酸エステル共重合体樹脂(以下St/AC系樹
脂ともいう)などが知られている。しかしオフセット現
象を充分に防止できるものではないためオフセット防止
剤として低分子量のパラフィンワックス・ポリオレフィ
ンワックスなどの合成ワックス、又はカルナウバワック
スなどの植物性ワックスの添加が必須となっている。し
かしながら、これら従来のワックス系オフセット防止剤
は、以下のような問題を生じる。例えば、低分子量のパ
ラフィンワックス・ポリオレフィンワックスにおいて
は、添加量の増加と共にオフセットを防止できる温度幅
は広がり、定着強度も良好になる傾向を示す。しかしな
がらSt/AC樹脂系との相溶性が悪いため、これらワ
ックス粒子がトナー表面に露出し、トナー流動性の悪
化、キャリアへのスペント増加、現像スリーブや感光体
への融着を生じやすい。植物性ワックスの場合は、添加
量の増加と共に低温におけるオフセット現象の防止や定
着強度は向上傾向となるが、上記合成ワックスに比べ離
型性が劣るため高温においてオフセット現象が生ずる。
同時にオリゴマー成分が多いためにトナーの保存性や流
動性が悪化する。また流動性が悪いトナーは、粉砕分級
時に粉砕分級機の内部に付着し生産性を著しく悪くす
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
に鑑み、非オフセット幅が広い温度範囲にわたりかつ低
温定着性を有し、流動性および保存性が良好で均一な転
写画像を得ることができる静電荷現像用の1成分現像ト
ナーあるいは2成分現像トナーの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】スチレンアクリル酸エス
テル共重合体樹脂、式(1)で示す共重合体、および着
色剤を少なくとも含有する静電荷現像用トナーにおい
て、前記問題点が解決されることを見いだした。 (式中、Rは水素、安息香酸残基または炭素数4以下の
脂肪酸残基を示し、R1は炭素数11以上の脂肪族基を
示す。k,m,nは共重合比を示し、kは0〜0.60
の範囲であり、mおよびnは共に0より大きく、n/
(m+n)の値は0.20〜0.85の範囲で、k+m
+n=1.0である。また、xは平均重合度を示す。)
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。式
(1)で示す共重合体は、下記に示す式(2)の重合体
と式(3)の脂肪酸を縮合して合成することができる。 (式中、Rは水素、安息香酸残基または炭素原子数4以
下の脂肪酸残基を示す。k,m,nは共重合比を示し、
kは0〜0.60の範囲であり、mおよびnは共に0よ
り大きく、n/(m+n)の値は0.20〜0.85の
範囲で、k+m+n=1.0である。また、xは平均重
合度を示す。)。 R1−COOH (3) (式中、R1は炭素原子数11以上の脂肪族基を示
す。)。あるいは、ラジカル重合性モノマーに側鎖成分
OCOR1導入してラジカル重合して合成してもよい
が、前記縮合法が副反応を抑制し易いため好ましい。式
(3)におけるR1は炭素数11〜40の脂肪族基がよ
り好ましい。式(1)で示す共重合体は、数平均分子量
Mnが2,000〜50,000の範囲である。Mnが
2,000未満ではトナーの保存特性に問題が生じやす
い。50,000を超えると溶融粘度が上昇するためト
ナーの低温定着性の向上が認められなくなる。好ましい
Mnは4,000〜45,000、更に好ましくは1
0,000〜45,000の範囲である。式(1)で示
す共重合体の主鎖部分であるエチレン部共重合比、すな
わち式(1)におけるkは0〜0.60の範囲である。
エチレン部共重合比が0.60を超えると示差走査熱量
計(以下、DSCと略す。)の吸熱ピーク温度が急激に
低下する。また、ビニルアルコール部分の共重合比m、
nについて、n/(m+n)の値はグラフト化率を示
し、0.20〜0.85の範囲である。また、該グラフ
ト化率の好ましい値は0.30〜0.85、更に好まし
くは0.40〜0.85である。n/(m+n)の値が
上記範囲の下限未満では、共重合体の溶融開始温度が高
くなり低温定着性が悪化する。上記範囲の上限を超える
と共重合体の主鎖部分の分子間水素結合による結晶性が
高くなるため溶融温度と熱分解温度が近くなり、目的と
する静電荷現像用トナーの製造が困難になる。
【0006】式(1)で示す共重合体の側鎖部分OCO
1(R1は炭素数11以上の脂肪族基を示す。)は式
(3)で示される脂肪酸が縮合した残基である。また、
本発明の式(1)で示す共重合体における吸熱ピーク温
度と高化式フローテスターにおける溶融開始温度との温
度差が50℃以下であることが好ましく、より好ましく
は40℃以下、さらに好ましくは35℃以下である。温
度差が50℃より大きいと低温定着性が悪化する。さら
に、本発明のトナーは、定着方式が、熱ロール、熱ベル
ト、熱板、フラッシュ、およびこれらの組み合わせから
なる画像形成装置に用いることが好ましい。
【0007】式(1)で示す共重合体の主鎖部分、すな
わち式(2)で示す重合体は、部分ケン化型ポリビニル
アルコール、ポリエチレンビニルアルコールおよびそれ
らの前駆体からなる。この場合、該部分ケン化型ポリビ
ニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコールおよび
それらの前駆体の数平均分子量Mnが2,000以上5
0,000以下であり、DSCにより測定したガラス転
移温度(以下、Tgと略す。)が40〜70℃であるも
のが好ましい。式(2)で示す重合体のTgが40℃未
満である場合には、トナーの保存安定性を満足するため
に式(3)で示す脂肪酸の選択範囲が制限される。ま
た、70℃より大きい場合には低温定着性が悪化するた
め好ましくない。また、前駆体には、置換基として安息
香酸残基、炭素数4以下の脂肪酸残基を有していてもか
まわない。式(2)で示す重合体の重合度xとしては2
00〜1,000、部分ケン化型ポリビニルアルコール
についてはケン化度が80モル%以下のものが好まし
く、更に好ましくは70モル%以下のものが使用され
る。部分ケン化型ポリビニルアルコールのケン化度が8
0モル%を超えると、部分ケン化型ポリビニルアルコー
ルの溶融温度と熱分解開始温度の値が近接するため、得
られた式(1)で示す共重合体が不均一になりやすい。
【0008】式(2)で示す重合体は、部分ケン化型ポ
リビニルアルコールのみで主鎖部分を構成してもよく、
その場合はn=0となる。該重合体は上市されており、
市販のものも使用できる。部分ケン化型ポリビニルアル
コールは具体的には日本合成化学社:ゴーセファイマー
NK−05、ゴーセファイマーKP−08等の他、電気
化学工業社、信越化学工業社、ユニチカケミカル社、ク
ラレ社から、ポリエチレンビニルアルコールは日本合成
化学社:ソアノールE3803等の他、クラレ社から市
販されており、前記特性を有するものが使用できる。
【0009】本発明で使用される式(3)で示す脂肪酸
は、炭素数12以上の飽和および不飽和脂肪酸である。
具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン
酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸(α−及びγ−を含む)、リシノ
ール酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、リグノセリ
ン酸等、それらの天然混合物である牛脂脂肪酸、牛脂硬
化脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム油硬化脂肪酸、糖脂
肪酸、植物油脂脂肪酸、魚油硬化脂肪酸、大豆硬化脂肪
酸、石炭由来のモンタン酸等のエステル化物および誘導
体等が例示される。これらは、単独あるいは物性に応じ
て併用することもできる。また、長鎖の合成脂肪酸もペ
トロライト社から商品名:ユニシッドとして分子量80
0程度まで上市されており、使用することができる。式
(3)で示す脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸を縮合してグ
ラフトさせる場合、酸化反応、架橋反応等の副反応が起
きることがある。必要に応じてラジカル反応禁止剤、抗
酸化剤等を添加して副反応を防ぐことができるが、該添
加剤は縮合反応に支障がないことが前提である。
【0010】式(3)で示す脂肪酸としては、前記飽和
および不飽和脂肪酸中、DSCにより測定した融点が6
5〜120℃のものが特に好ましい。式(1)で示す共
重合体は、溶融法、溶液法何れの方法でも製造できる。
また式(2)で示す重合体と式(3)で示す脂肪酸を窒
素雰囲気下で150〜290℃で縮合反応させることで
得ることができる。
【0011】式(1)で示す共重合体の製造にあたって
は、エステル化、エステル交換反応に使用する触媒を使
用できる。例えば、式(2)で示す重合体の反応性基が
水酸基である場合、すなわちRが水素である場合には、
公知のエステル化触媒、具体的には酢酸リチウム、酢酸
ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸カ
ルシウム、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸バリウ
ム、酢酸マンガンおよびそれらの水和物等が好ましく使
用される。また、反応性基が酢酸エステルに代表される
低級エステルである場合、すなわちRが炭素数1〜4の
脂肪酸残基または安息香酸残基である場合には、公知の
エステル交換反応触媒、具体的にはジブチル錫オキシド
等の有機錫化合物、チタンテトラプロポキシド等の有機
チタン化合物、酢酸亜鉛およびその水和物等が好ましく
使用される。前記触媒の中でも、酢酸アルカリ金属塩
類、酢酸アルカリ土類金属塩類、酢酸遷移金属塩類が反
応性に富むため好ましく、更に好ましい触媒としては酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マ
グネシウム、酢酸バリウム、酢酸亜鉛、酢酸ニッケル、
酢酸マンガン、酢酸コバルトおよびそれらの水和物が使
用される。
【0012】本発明の静電荷現像用トナーは、少なくと
も、St/AC系樹脂と式(1)で示す共重合体および
着色剤からなり、その他必要に応じて添加剤を適宜添加
分散含有せしめてなる粒子であり、その平均粒子径は5
〜20μmの範囲である。このようにして得られる粒子
にシリカ等の微粒子よりなる添加剤を混合して静電荷現
像用トナーを構成してもよい。トナー中に含まれる式
(1)の共重合体の割合はSt/Ac系樹脂100重量
部に対して1〜60重量部が好ましい。1重量%未満で
は低温定着性の向上が認められないばかりか、熱ロール
方式などの接触型定着機において、オフセット現象が生
じやすく好ましくない。60重量部を超えるとSt/A
C系樹脂と式(1)で示す共重合体中の着色剤や帯電制
御剤などの他の添加物の分散性が不均一となりやすく、
均一な画像が得られにくい。また、トナーの機械的強度
が低下し長期間の現像機中での撹拌においてトナーの微
粉化が生じ、画像濃度の低下やカブリの増加が発生しや
すい。更に好ましい割合は2〜40重量部である。ま
た、場合によっては、低分子量のパラフィンワックスや
ポリオレフィンワックス及び植物性ワックスなどの公知
の離型剤を弊害のない範囲で含有させても良い。該着色
剤としては、カーボンブラック、アニリンブルー、カル
コオイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブル
ー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレ
ンブルークロライド、フタロシアニンブルー、マラカイ
トグリーンオクサレートランプブラック、ローダミンー
B、キナクリドン、ローズベンガル、およびこれらの混
合物等が挙げられる。これらの着色剤は、十分な濃度の
可視像が形成されるに十分な割合で含有されることが必
要である。
【0013】その他必要に応じて添加される添加剤とし
ては、磁性剤、外添剤等がある。離型剤としては、カル
ナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワック
ス等の天然ワックス、低分子量ポリプロピレン、低分子
量ポリエチレン、フィッシャートロプシュワックス等の
合成炭化水素ワックス、合成エステルワックス等があ
る。電荷制御剤としては、ニグロシン染料、四級アンモ
ニウム塩、トリフェニルメタン系、樹脂系、ピリジニウ
ム塩、アジン等の正帯電用制御剤、クロム系または鉄系
金属錯塩、樹脂系等の負帯電用制御剤がある。通常結着
樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部使用さ
れる。磁性剤としては、酸化鉄、フェライト、マグネタ
イト等の他、コバルト、ニッケル等の強磁性体、ホイス
ラー合金等熱処理により強磁性を示す合金等があり、平
均粒径1μm以下の磁性粉が好ましく使用される。磁性
粉はトナーに磁性を付与して磁性トナーにするととも
に、着色作用、研磨作用も有し、必要に応じて適宜使用
される。磁性粉は現像システムにより使用量は大きく異
なるが、通常トナー中に0.01〜90重量%使用され
る。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ等
の無機微粒子、樹脂微粒子、磁性粉があり、平均粒径1
μm以下の無機微粒子、樹脂微粒子、磁性粉が好ましく
使用され、無機微粒子は平均粒径0.1μm以下のもの
がさらに好ましい。シリカ、アルミナ、酸化チタン等の
無機微粒子は、表面に疎水化処理を施したものがさらに
好ましく使用される。一般に、これらの外添剤は、流動
性および保存安定性の向上、研磨作用を期待して使用さ
れ、その添加量はトナー100重量部に対して0.01
〜3重量部である。
【0014】本発明のトナーは、鉄粉、フェライト、造
粒マグネタイト、磁性粉を含有せしめた樹脂粒子等から
なるキャリアと混合して二成分現像剤あるいはキャリア
と混合しない一成分現像剤として使用される。上記キャ
リアは一般に平均粒径30〜200μmのものが使用さ
れ、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等でキ
ャリア表面をコート処理を施してもよい。該コート処理
を施したキャリアは耐スペント性が向上するため好まし
く使用される。
【0015】本発明の静電荷現像用トナーは、少なくと
も、熱ロール、熱ベルトまたは熱板等を使用した熱定着
方式に用いることが好ましい。該定着装置のトナーと接
する熱ロール、熱ベルトおよび熱板は、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂等の離型性を有する樹脂で表面を処理し
たものが好ましい。また、該定着装置のトナーと接する
表面は、シリコーンオイル等の離型剤を少量付着させて
もよい。
【0016】本発明における吸熱開始温度、吸熱ピーク
温度およびガラス転移点(Tg)はセイコー電子工業社
製DSC:DSC−120を用い、10℃/minの昇
温、急冷を2回繰り返し、2回目の昇温時の吸熱曲線か
ら求めた。Tgはミッドポイント値で、吸熱開始温度と
吸熱ピーク温度の中点である。また、溶融開始温度、フ
ロー軟化点は島津製作所製高化式フローテスター:CF
T−500を用い、下記測定条件におけるプランジャー
の降下開始温度を溶融開始温度、降下開始温度から降下
終了温度までの中点をフロー軟化温度とした。 測定条件;プランジャー : 1cm2 ダイ 直径×長さ:1×1mm 荷 重 : 20Kgf 予熱温度、時間 :50〜80℃、300秒 昇温速度 : 6℃/min また、分子量の測定は浸透圧法にて行い、ポリスチレン
を標準とした。
【0017】以下、本発明を実施例に基づいてより詳細
に説明する。
【実施例】以下に本発明の共重合体の合成例を示す。 合成例1 [ポリエチレンビニルアルコールとベヘン酸
による合成例(グラフト化率40モル%)] 500ml丸底セパラブルフラスコにポリエチレンビニル
アルコール(日本合成化学社製 商品名;ソアノールE
3803、Tg58℃)18.98g、 ベヘン酸(吸
熱ピーク温度77℃)42.35g、酢酸カルシウム
0.80gを入れ窒素ガス雰囲気下で150℃に昇温し
て内容物を溶融した。次いで150℃から20℃づつ昇
温させながら各温度で1時間縮合反応させて270℃の
温度になるまで反応を行い、270℃で副生水および酢
酸が発生しなくなるまで反応させた後、反応容器を22
0℃まで放冷し溶融物を取り出した。得られた本発明の
共重合体の吸熱開始温度は53.2℃、吸熱ピーク温度
は60.2℃、溶融開始温度は71.4℃、フロー軟化
点は89.2℃、溶融開始温度と吸熱ピーク温度との差
は11.2℃、数平均分子量Mnは34,300、グラ
フト化率は40モル%であった。
【0019】 合成例2 [ポリエチレンビニルアルコールと ベヘン
酸による合成例(グラフト化率60モル%)] ポリエチレンビニルアルコール、 ベヘン酸、酢酸カル
シウムの配合量を、それぞれポリエチレンビニルアルコ
ール(日本合成化学社製 商品名;ソアノールE380
3)18.98g、 ベヘン酸63.34g、酢酸カル
シウム1.26gに代えた以外は合成例1と同様に操作
して本発明の共重合体を得た。得られた共重合体の吸熱
開始温度は53.1℃、吸熱ピーク温度は60.6℃、
溶融開始温度は63.0℃、フロー軟化点は79.44
℃、溶融開始温度と吸熱ピーク温度との差は2.4℃、
Mnは44200、グラフト化率は60モル%であっ
た。
【0020】 合成例3 [ポリエチレンビニルアルコ−ルと ベヘン
酸による合成例(グラフト化率40モル%)] 下記およびで得た低分子量エチレンビニルアルコー
ル共重合体24.0gを用い、 ベヘン酸 53.55
g、触媒として酢酸カルシウム1.61gを用いた以外
は合成例1と同様に操作して窒素気流下、副生する水の
溜出がなくなるまで溶融下に反応させた。尚、補集した
水は理論量の97%であった。また、合成例1と同様に
グラフト樹脂を粉砕し、熱物性を評価した。DSCによ
る吸熱開始温度は53.7℃、吸熱ピーク温度は60.
1℃、フローテスターによるフロー開始温度は65.4
℃、フロー軟化点は79.2℃であった。Mnは210
0であった。
【主鎖樹脂の合成方法】 エチレン酢酸ビニル共重合体(共重合比率:エチレン
/酢酸ビニル=0.38/0.62)の合成 攪拌翼を装備した1Lステンレス製オートクレーブ中
に、 脱水メタノール100mlと常法によって蒸留精
製した酢酸ビニルモノマー 20.0gを仕込み、窒素
導入管より、窒素ガスをこの溶液中にバブルさせ、十分
に溶存酸素を除去した後、冷却下に過酸化ベンゾイル
0.01gを加え、オートクレーブを組み上げた。次い
で、窒素ガスで完全に内部が置換されるまで、120気
圧の窒素ガスの導入、排気を5回繰り返した。さらに、
導入口より、エチレンガスを入れ、ガス圧が45Kgf
/cmになるように調整した後、60℃で18時間反
応を行った。室温まで冷却した後、残留ガスを除去し、
内容物を大量の水中に注ぎ入れ、析出させた。粗製エチ
レン酢酸ビニル共重合体を35g得た。GPC分析(溶
媒THF,カラム:Shodex KF−80M)を行
いポリスチレン換算数平均分子量を評価した。その結
果、Mnは2400、Mwは4200、Mw/Mnは
1.75であった。 エチレンビニルアルコール共重合体の調整 で得られた粗製エチレン酢酸ビニル共重合体全量35
gを、還流冷却管とメカニカルスターラーを装備した2
L三口丸底セパラブルフラスコ中に入れ、5%NaOH
/エタノール溶液 1Lを加え、還流下に4時間ケン化
反応を行い脱アセチル化した。エチレンビニルアルコー
ル共重合体のアルコール溶液に4倍量の水を加え、エチ
レンビニルアルコール共重合体を析出させた。ろ過後、
水洗を繰り返し、副生した酢酸ナトリウムを十分洗浄し
た後、50℃で一昼夜乾燥した。収量は、24.0gで
あった。
【0021】上記合成例1〜3にて得られた共重合体を
使用して下記配合および手順にて本発明のトナーを作製
した。
【0022】 実施例1 St/AC樹脂(三井東圧化学製商品名CPR−100) 100重量部 合成例1で得られた共重合体 5重量部 カーボンブラック(三菱化学社製商品名MA−100) 6重量部 帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名TRH) 1重量部 上記配合物をヘンシェルミキサー(三井三池工業社製)
で混合した。混合物を二軸混練機で混練物の温度が約1
45℃になるようにして溶融混練した後、ジェット粉砕
・気流分級して平均粒径9.2μmのトナー粒子を得
た。このトナー粒子100重量部に対して疎水性シリカ
(ヘキスト社製 商品名H2000/4)0.5重量部
をヘンシェルミキサーで混合して本発明の静電荷現像用
トナーを得た。
【0023】実施例2〜3 合成例1で得られた共重合体の代わりに合成例2〜3で
得られた共重合体を使用した以外は実施例1と同様に操
作して、それぞれ実施例2〜3のトナーを得た。
【0024】実施例4 合成例1の共重合体を20重量部に変え、混練物の温度
が約120℃になるように混練した以外は実施例1と同
様に操作してトナーを得た。
【0025】比較例1 合成例1の共重合体の代わりに同量の市販のポリプロピ
レンワックス(三洋化成工業社製商品名ビスコール55
0P)を使用した以外は実施例1と同様に操作して比較
用トナーを得た。
【0026】比較例2 合成例1の共重合体の代わりに同量の市販のポリエチレ
ンワックス(ヘキスト社製PE−130)を使用した以
外は実施例1と同様に操作して比較用トナーを得た。
【0027】比較例3 合成例1の共重合体の代わりに同量の市販のカスターワ
ックス(伊藤製油社製硬化ヒマシ油)を使用した以外は
実施例1と同様に操作して比較用トナーを得た。
【0028】さらに、実施例1〜4、比較例1〜3で得
られたトナー5重量部とフェライトキャリア(パウダー
テック社製FL−1025)95重量部を混合して二成
分現像剤を得た。
【0029】次に前記二成分現像剤について下記の項目
の試験を行った。 (1)非オフセット温度域 上記二成分現像剤を市販の複写機(東芝社製商品名ED
−3810)を用い、A4転写紙に縦2cm、横12c
mの帯状の未定着画像を複数枚作製した。次にシャ−プ
社製複写機SF−2022の熱ロール式定着装置を、ロ
ーラー表面温度と紙送りスピードが自由設定できるよう
に改造した外部定着機を用いて紙送りスピード190m
m/秒になるよう設定し、ローラー表面温度を段階的に
変化させて、上記未定着画像を有する転写紙のトナー像
の定着を行った。この時余白部分にトナー汚れが生じる
か否かの観察を行い、汚れが生じない温度域を非オフセ
ット温度域とした。
【0030】(2)定着強度 前記定着機のローラー表面温度を170℃および190
℃に設定し、前記未定着画像の形成された転写紙のトナ
ー像の定着を行った。次に定着画像の画像濃度をマクベ
ス社製反射濃度計RD−914により測定し、その後、
定着画像に対して消しゴムによる摺擦(荷重1kg,3
往復)を行い、摺擦後の画像濃度を測定した後、下記式
にて定着強度を算出して低エネルギー定着の指標とし
た。 定着強度(%)=(摺擦後の画像濃度/摺擦前の画像濃
度)×100
【0031】(3)流動性 トナーの流動性を示す指標として実施例1〜4および比
較例1〜3で得られたトナーについて、JIS K51
01に準じて見掛け密度を測定した。
【0032】(4)保存安定性の評価 実施例1〜4および比較例1〜3で得られたトナー20
gをポリエチレン製ボトルに入れ、50℃の恒温槽で4
8時間保管した。室温に放冷後、トナーをボトルから取
り出し凝集の程度を確認した。塊は指で軽く触れてほぐ
れ実用上問題ない程度は○、指で硬さを感じる程度は×
と判断した。上記項目の試験結果を表1に示す。
【0033】
【表1】 非オフセット 定着強度(%) 流 動 性 保 存 温度域(℃) 170℃ 190℃ (g/cm3 安定性 実施例1 150〜220以上 80 95 0.367 ○ 実施例2 150〜220以上 82 96 0.372 ○ 実施例3 150〜220以上 81 97 0.369 ○ 実施例4 150〜220以上 90 100 0.361 ○ 比較例1 165〜220以上 60 81 0.352 ○ 比較例2 160〜210 66 88 0.341 ○ 比較例3 155〜205 72 90 0.312 ×
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、非オフセット温度域が
広く、低温においても定着強度に優れ、かつ流動性、保
存安定性に優れた静電荷像現像用トナーが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−61239(JP,A) 特開 平6−202375(JP,A) 特開 平6−308762(JP,A) 特開 平8−184986(JP,A) 特開 平7−98511(JP,A) 特開 平8−328296(JP,A) 特開 平8−278663(JP,A) 特開 昭59−53593(JP,A) 特開 平6−128524(JP,A) 特開 平6−202267(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレンアクリル酸エステル共重合体樹
    脂と下記式(1)で示す共重合体、および着色剤を少な
    くとも含有する静電荷現像用トナー、 (式中、Rは水素、安息香酸残基または炭素原子数4以
    下の脂肪酸残基を示し、R1は炭素原子数11以上の脂
    肪族基を示す。k,m,nは共重合比を示し、kは0〜
    0.60の範囲であり、mおよびnは共に0より大き
    く、n/(m+n)の値は0.20〜0.85の範囲
    で、k+m+n=1.0である。また、xは平均重合度
    を示す。)。
  2. 【請求項2】 式(1)の共重合体が、式(2) (式中、Rは水素、安息香酸残基または炭素原子数4以
    下の脂肪酸残基を示す。k,m,nは共重合比を示し、
    kは0〜0.60の範囲であり、mおよびnは共に0よ
    り大きく、n/(m+n)の値は0.20〜0.85の
    範囲で、k+m+n=1.0である。また、xは平均重
    合度を示す。)で示す重合体と式(3) R1−COOH (3) (式中、R1は炭素原子数11以上の脂肪族基を示
    す。)。で示す脂肪酸との縮合により得られる請求項1
    記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 スチレンアクリル酸エステル共重合体樹
    脂100重量部に対して式(1)の共重合体が1〜60
    重量部含有される請求項1記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
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