JP3275648B2 - 電動車両の電動機出力制御方法 - Google Patents

電動車両の電動機出力制御方法

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JP3275648B2 JP21087895A JP21087895A JP3275648B2 JP 3275648 B2 JP3275648 B2 JP 3275648B2 JP 21087895 A JP21087895 A JP 21087895A JP 21087895 A JP21087895 A JP 21087895A JP 3275648 B2 JP3275648 B2 JP 3275648B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレス直流電
動機を駆動源とした電動車両の電動機出力をアクセル操
作部材の変位量に応じて制御する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電動スクータや電気自動車等の電動車両
の駆動源としてブラシレス直流電動機が用いられてい
る。周知のように、ブラシレス直流電動機は、多相の電
機子コイルを有するステータと、回転自在に支持された
ヨークに磁石界磁を取り付けてなるロータと、ステータ
の各相に対してロータの回転角度位置を検出する位置検
出器とを備えていて、位置検出器により検出されたロー
タの位置に応じて励磁電流(駆動電流)を流す相(励磁
相)を切り替えることにより多相の電機子コイルに駆動
電流を転流させてロータを回転させる。電動スクータ等
の電動車両を駆動するブラシレス直流電動機としては、
3相ブラシレス直流電動機が多く用いられている。また
電動機から電動車両の駆動輪に動力を伝達する方式とし
ては、電動機の出力軸を直接車両の駆動輪の車軸に伝達
するダイレクトドライブ方式と、電動機の出力軸を変速
比が固定された変速機を介して駆動輪の車軸に伝達する
固定変速比駆動方式とが多く用いられている。
【0003】電動車両においては、アクセルグリップや
アクセルペダルなどのアクセル操作部材が設けられてい
て、該アクセル操作部材の変位量に応じて電動機の出力
を変化させることにより、走行速度を調節するようにし
ている。
【0004】そのため、電動車両においては、電動機の
駆動電流をPWM制御し得るように駆動回路を構成する
とともに、アクセル操作部材の変位を検出してアクセル
操作部材の変位量に相応した検出電圧を出力するセンサ
を設けて、該センサの出力に応じて駆動電流のデューテ
ィ比を制御することにより、電動機の出力をアクセル操
作部材の変位に応じて変化させるようにしている。
【0005】なお本明細書において、駆動電流のデュー
ティ比DFは、オン時間(電流が流れる時間)tonとオ
フ時間(電流が零になる時間)toff とを交互に生じさ
せるように駆動電流をPWM制御する場合に、そのオン
時間がオンオフの周期ton+toff に占める割合を百分
率で示したもので、下記の式により定義される。
【0006】 DF={ton/(ton+toff )}×100[%] …(1) 本明細書では、アクセル操作部材の変位量を検出するセ
ンサをアクセルセンサと呼ぶことにする。アクセルセン
サとしては、変位量を検出して電気信号を発生する任意
のトランスデューサを用いることができるが、多くの場
合、両端に一定の直流電圧が印加されたポテンショメー
タ(可変抵抗器)がアクセルセンサとして用いられる。
このアクセルセンサの出力電圧をアクセル電圧と呼ぶこ
とにする。
【0007】図9(A)は従来のこの種の制御方法によ
り電動機の出力を制御する場合に用いるアクセル電圧V
a [V]と電動機の駆動電流のデューティ比DF[%]
との関係を示す直線D、及び所定の勾配βo の道路を走
行した場合のアクセル電圧Va と電動機の回転速度N
[rpm ]との関係を与える直線No を示したものであ
る。また図9(B)は同アクセルセンサを用いて、アク
セル電圧に応じて電動機の駆動電流のデューティ比を制
御することにより電動機の出力P[KW]を制御した場
合の、出力特性曲線a〜eと、負荷曲線イとを示したも
のである。図9(B)の出力特性a〜eはそれぞれ、駆
動電流のデューティ比を所定のアクセル電圧に相応する
値に固定した場合の出力Pと回転速度Nとの関係を与え
るもので、出力特性a〜eのそれぞれを与えるアクセル
電圧及び駆動電流のデューティ比はそれぞれ図9(A)
のa〜e点におけるアクセル電圧及びデューティ比であ
る。また図9(B)の負荷曲線イは、所定の勾配βo の
道路を走行する場合の走行抵抗を与えるものである。
【0008】一般に道路の傾斜角がβx の場合の走行抵
抗R(βx )は下記の式で与えられる。
【0009】 R(βx )=V・{(μr +sin βx )・W+μe ・A・V2 } …(2) なお図9(B)の負荷曲線イは、平地走行時(βo =0
の場合)を想定している。
【0010】アクセル操作部材の各変位量に対する駆動
電流のデューティ比を一定とした場合に得られる出力特
性は、図9(B)に示す曲線a〜eのように、電動機の
出力が所定の回転速度においてピークを示す特性とな
る。ここで電動車両において、ダイレクトドライブ方式
が採用されていたとすると、図9(B)の横軸の回転速
度Nはそのまま電動車両の走行速度に対応することにな
る。
【0011】今図9において、アクセル操作部材の変位
量を図9(A)のe点に相当する大きさ(アクセル操作
部材の変位量を最大にした状態)として発進を行わせた
とすると、電動機の回転速度は図9(B)の曲線eに沿
って上昇し、最終的には曲線eと曲線イとの交点で動作
することになる。
【0012】図9のような制御を行わせた場合には、ア
クセル操作部材の各変位量に対して得られる出力が比較
的低い回転速度で落ち込み、アクセル操作部材の各変位
量に対して得られる最高速度が制限されるため、車両の
高速性能を向上させることが難しい。特にダイレクトド
ライブ方式や固定変速比駆動方式が採用された電動車両
の場合には、各負荷曲線に対する電動機の駆動回転領域
をできるだけ広くとることが望ましい。
【0013】そこで、本出願人は先に、図10(A)及
び(B)に示すような制御を行わせることを提案した。
図10(A)は、アクセルセンサから得られるアクセル
電圧Va とブラシレス直流電動機の最大出力との関係を
示す直線Pm と、アクセル電圧Va と回転速度Nとの関
係を示す曲線No 及びN1 とを示している。ここで曲線
No は勾配βo の道路を走行した場合を示し、曲線N1
は勾配β1 (>βo )の道路を走行した場合を示してい
る。図10(A)の最大出力Pm は、アクセル電圧が最
大のときに得られる最大出力を100%として、各アク
セル電圧において得られる最大出力を%表示したもので
ある。また図10(B)は、図10(A)のa点〜f点
におけるアクセル電圧に対して得られる出力特性a〜f
と、勾配がβo 及びβ1 の道路を走行する場合のそれぞ
れの走行抵抗を示す負荷曲線イ及びロとを示したもので
ある。
【0014】図10に示した制御では、駆動電流のデュ
ーティ比を各アクセル電圧に対して決定した値に固定し
て電動機を起動させた後、図9(B)の曲線a〜eで与
えられる出力がピークに達する回転速度を超える所定の
領域(例えば曲線cの場合には約150[rpm ]〜45
0[rpm ]の領域)で、回転速度の上昇に伴ってデュー
ティ比DFを所定の割合で増大させることにより、アク
セル操作部材の各変位量に対して得られる出力特性をフ
ラットにするように制御している。また回転速度が所定
値を超える領域(例えば特性曲線cの場合には、450
[rpm ]以上の領域)を減速領域として、該減速領域で
は駆動電流のデューティ比を所定の割合で減少させて回
転速度の上昇に伴って電動機の出力を設定された割合で
低下させるように制御することにより、各出力特性曲線
が全体として台形状を呈するようにしている。図10の
制御では、図9の制御で用いられた電動機と同一の電動
機を用いており、図10(B)に示す出力特性曲線a〜
eはそれぞれ図9(B)の出力特性曲線a〜eに対応し
ている。図10(B)の曲線a〜eの左端の立上りから
ピーク(台形の左肩部)に至る部分は、図9(B)の曲
線a〜eの該当部分と同一である。また図10(B)の
曲線fは、図9(B)の曲線e(デューティ比を100
%とした場合)よりも更に出力を増大させるために、駆
動電流のデューティ比を100%として、駆動電流の制
御進み角を制御することにより、台形状の出力特性を得
た場合である。
【0015】なおブラシレス直流電動機において、駆動
電流の制御進み角を進角させる制御を行わせると、電動
機の出力を高い状態に維持することができる回転速度領
域を高速側に延ばすことができ、高速領域まで出力がほ
ぼフラットな状態を示す特性を得ることができる。しか
しながら、出力特性曲線のフラット部分が高速領域まで
延びていたとすると、ダイレクトドライブ方式や固定変
速比駆動方式の電動車両においては、風向きの変化など
により走行抵抗が変化したときの回転速度の変動幅が大
きくなり、運転のフィーリングが悪くなるのを避けられ
ない。
【0016】これに対し、図10のように、アクセル操
作部材の各変位量に対して高速側の領域に減速領域を設
定して、該減速領域で電動機の出力を回転速度の上昇に
伴って所定の割合で低下させるようにしておくと、走行
抵抗の変化(負荷曲線の傾きの変化)による回転速度の
変動幅が少なくなるため、運転のフィーリングを良好に
することができる。
【0017】図10のような特性を得るように電動機の
出力を制御する場合には、出力特性曲線a〜fの右肩部
分が、予想し得る最大の勾配β1 の坂道を登る際の走行
抵抗を示す負荷曲線ロの上に乗るように、各出力特性を
設定しておく。わが国では、殆どの場合坂道の勾配は5
%以下であるので、β1 を例えば8%に設定しておく
と、殆どの道路を走行することができることになる。こ
のように、出力特性曲線の右肩を、特定の勾配の坂道を
走行する際の負荷曲線の上に乗せるように制御した場合
には、出力特性曲線a〜fが相似形とならないため、同
図(A)に示したように、アクセル電圧Va に対する回
転速度(走行速度)の変化の特性は非線形になる。
【0018】図11は、図10のように出力特性曲線が
台形状を呈するように制御を行う場合に、出力特性曲線
a〜fの右肩を、道路の勾配にこだわらずに原点を通る
直線ハの上に乗せるようにした場合を示したもので、図
11(A)の直線Pm はアクセル電圧Va と%表示され
た最大出力との関係を示し、曲線No 及びN1 はそれぞ
れ勾配がβo 及びβ1 の道路を走行した場合のアクセル
電圧と回転速度との関係を示している。また図11
(B)の曲線イ及びロはそれぞれ勾配βo 及びβ1の道
路を走行した場合の走行抵抗を示す負荷曲線であり、直
線ハは出力特性曲線a〜fの右肩が乗る直線である。
【0019】図11のように、台形状の出力特性の右肩
を道路の勾配にこだわらずに、原点を通る直線ハの上に
乗せるようにすると、出力特性曲線a〜fの形が相似形
になるため、図11(A)に示したように、アクセル電
圧(アクセル操作部材の変位量)に対して回転速度Nを
ほぼ直線的に変化させることができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】図9のように、アクセ
ル操作部材の各変位量に対して駆動電流のデューティ比
を一定とするように制御した場合には、アクセル操作部
材の各変位量に対して得られる出力が比較的低い回転速
度で落ち込む特性となるため、アクセル電圧の変化量
(アクセル操作部材の変位量)に対する回転速度の上昇
割合ΔN/ΔVa を大きくすることが難しい。そのた
め、ダイレクトドライブ方式、または固定変速比駆動方
式が採用されている場合に、アクセル操作部材の変位量
に対する走行速度の上昇割合を大きくとることが難し
く、エンジンを駆動源とした車両に比べて、走行速度の
伸びが悪い(増速操作に対する反応が鈍い)との評価を
受けることが多かった。
【0021】図10のような制御を行わせた場合には、
同図(A)に示したように、アクセル電圧Va に対する
回転速度(走行速度)の変化の特性が非線形になり、ア
クセル電圧Va が低い範囲では、アクセル電圧の変化量
に対する回転速度の上昇割合ΔN/ΔVa が大きくなる
ため、アクセル操作部材の変位量が小さい範囲で、アク
セル操作部材の変位量に対する走行速度の伸びを良くす
ることができる。しかしながら、アクセル電圧Va が大
きくなると、アクセル電圧Va の変化に対する回転速度
の上昇割合ΔN/ΔVa が急に小さくなるため、アクセ
ル操作部材の変位量が大きくなると走行速度の伸びが急
に悪くなり、エンジンを駆動源とした車両に慣れた運転
者から、運転のフィーリングが素直でないとの評価を受
けることになる。
【0022】また図11に示した制御を行わせた場合に
は、アクセル電圧に対して回転速度を直線的に変化させ
ることができるが、この場合も、図9の制御を行わせた
場合と同様に、アクセル電圧の変化に対する回転速度の
上昇割合が小さく抑えられる傾向になるため、アクセル
操作部材の変位量に対する走行速度の伸びが鈍くなるの
を避けられない。
【0023】本発明の目的は、アクセル操作部材の変位
量に対する走行速度の伸びをよくすることができるよう
にして、エンジンを駆動源とした車両と同じような運転
感覚を得ることができるようにした電動車両の電動機出
力制御方法を提案することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブラシレス直
流電動機を駆動源とした電動車両の電動機出力をアクセ
ル操作部材の変位量に応じて制御する電動車両の電動機
出力制御方法に係わるものである。
【0025】本発明においては、アクセル操作部材の変
位量に相応した大きさの検出電圧を出力するアクセルセ
ンサを設け、アクセル操作部材の各変位量に対して得ら
れる電動機出力の最大値をアクセル操作部材の変位量の
k次関数(k>1)とするように、アクセルセンサの出
力に応じて、ブラシレス直流電動機の駆動電流のデュー
ティ比、制御進み角及び通電角の少なくとも1つを制御
するようにした。
【0026】アクセルセンサの出力に応じて、ブラシレ
ス直流電動機の駆動電流のデューティ比、制御進み角及
び通電角の少なくとも1つを制御するには、例えば、ア
クセルセンサの外に更に電動機の回転速度を検出する速
度検出手段を設けて、アクセル操作部材の各変位量に対
して得られる電動機出力の最大値をアクセル操作部材の
変位量のk次関数(k>1)とするように、アクセルセ
ンサの出力と電動機の回転速度と電動機の駆動電流のデ
ューティ比との関係を与えるデューティ決定用マップ、
アクセルセンサの出力と電動機の回転速度と電動機の駆
動電流の制御進み角との関係を与える制御進み角決定用
マップ、及びアクセルセンサの出力と電動機の回転速度
と電動機の駆動電流の通電角との関係を与える通電角決
定用マップの少なくとも1つを作成しておく。そして、
アクセルセンサの出力と、速度検出手段により検出され
た電動機の回転速度と、デューティ比決定用マップ、制
御進み角決定用マップ及び通電角決定用マップの少なく
とも1つとを用いることにより、アクセル操作部材の各
変位量及び各回転速度に対して駆動転流のデューティ
比、制御進み角及び通電角の少なくとも1つを演算し、
電動機の駆動電流のデューティ比、制御進み角及び通電
角の少なくとも1つを演算された値に一致させるように
制御すればよい。
【0027】上記アクセルセンサとしては検出電圧をア
クセル操作部材の変位量に比例させるように構成されて
いるものを用いてもよく、検出電圧をアクセル操作部材
の変位量のk次関数とするように構成されたものを用い
てもよい。
【0028】なおアクセル操作部材の各変位量に対して
得られる電動機出力の最大値と、アクセル操作部材の変
位量との関係を与える関数の次数kをいかに選択するか
は、ケースバイケースで決めればよいが、後述するよう
に、通常はk=2とするのがよい。
【0029】上記のように、アクセル操作部材の各変位
量に対して得られる電動機出力の最大値をアクセル操作
部材の変位量のk次関数(k>1)とするように、アク
セルセンサの出力に応じて、ブラシレス直流電動機の駆
動電流のデューティ比、制御進み角及び通電角の少なく
とも1つを制御するようにすると、アクセル操作部材の
変位量が大きくなるに従って、アクセル操作部材の変位
量に対する電動機出力の増加割合が大きくなる特性が得
られるため、アクセル操作部材を増速側に変位させた際
の回転速度の延びを良好にすることができ、運転感覚を
内燃機関を駆動源とした車両の運転感覚に近付けること
ができる。
【0030】特にアクセル操作部材の各変位量に対して
得られる電動機出力の最大値がアクセル操作部材の変位
量の2次関数になるように制御を行なわせると、アクセ
ル操作部材の変位量と電動機の出力との間の関係を、ス
ロットルバルブにより空燃比と燃料の供給量とを制御す
るようにした内燃機関のバルブ開度と出力との間の関係
に近似させることができるため、内燃機関を駆動源とし
た車両に近い運転感覚を得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用する電動車
両の一例として、ダイレクトドライブ式を採用した電動
スクータの要部の構成例を示したもので、同図におい
て、1は固定子2と回転子3とからなるアウタロータ構
造のブラシレス直流電動機、4はケーシング5とカバー
6とからなるモータハウジングで、モータハウジング4
内に電動機1が収容されている。7は回転子3の回転
軸、8は回転軸7をケーシング5に支持する軸受、9は
回転軸7に直結された車輪である。
【0032】図示のブラシレス直流電動機1の固定子2
は環状の継鉄部から3m個(mは整数で例えば4)の突
極部を放射状に突出させた固定子鉄心11と、該固定子
鉄心の各突極部に巻回されたコイルを3相星形結線して
構成した電機子コイル12とからなり、各突極部の外周
側端部が固定子磁極13となっている。電機子コイル1
2の3相の入力端子は後述の駆動回路の出力端子に接続
されている。
【0033】回転子3は、ほぼカップ状に形成されたフ
ライホイール14の周壁部の内周に永久磁石15を取り
付けたものからなっている。永久磁石15は径方向に着
磁されて、固定子磁極13と径方向に対向する2p極
(pは1以上の整数)の回転子磁極16を構成してい
る。
【0034】フライホイール14の底壁部中央にはボス
17が設けられ、該ボス17が回転軸7の一端に嵌着さ
れて、回転子3が回転軸7に取り付けられている。
【0035】ケーシング5は軽合金等からなっていて、
カップ状部18と軸受支持部19とを有し、軸受支持部
19に嵌装された軸受8により回転軸7が支持されてい
る。ケーシング5は図示しない車両の車体に固定されて
いる。
【0036】カバー6は軽合金等からなっていて、カッ
プ状部20と該カップ状部の底壁中央部に設けられた固
定子取付部21とを有し、固定子取付部21には、ねじ
22により固定子鉄心11が取り付けられている。ケー
シング5とカバー6とは、それぞれのカップ状部18及
び20の開口側を突き合せた状態でねじ(図示せず)に
より互いに結合され、両カップ状部18及び20により
ブラシレス直流電動機1が覆われた状態になっている。
【0037】回転子3の磁極の回転角度位置を検出する
ため、回転子3のボス17の外周に固着された回転子位
置検出用磁石23と、これを取り囲むように、固定子鉄
心11の環状部に120度間隔で取り付けられたホール
素子からなる3個の回転子位置センサ24u〜24w
(図1には24uのみを図示してある。)とが設けられ
ている。
【0038】軸受8は、軸線方向に間隔をあけて配置さ
れた2個のボールベアリング25,25からなってい
て、回転軸7を回転自在に支持している。
【0039】車輪9は、リム27と該リムの外周に装着
されたタイヤ28とからなっている。リム27の中央部
には円筒部材29が固定され、円筒部材29がスプライ
ン30を介して回転軸7に嵌合されて回転軸7と車輪9
とが互いに結合されている。リム27の軸受8側の面に
は、円筒部29を取り囲む状態でほぼカップ状に形成さ
れた泥よけ31が固定されている。
【0040】図2は、3相ブラシレス直流電動機1を制
御する制御装置の構成例を示したもので、同図におい
て、36は電動スクータのハンドルに設けられたアクセ
ル操作部材としてのアクセルグリップ、37はアクセル
グリップの変位量を検出するアクセルセンサである。ア
クセルセンサ37は、アクセルグリップ36に可動接触
子37aが連結されて両端に直流電圧が印加されたポテ
ンショメータからなっていて、可動接触子37aと接地
間にアクセル信号(アクセル操作部材の変位量を示す検
出信号)を出力する。このアクセル信号は、回転子位置
センサ24u〜24wから得られる回転子3の位置信号
とともにコントローラ38に入力されている。
【0041】コントローラ38はマイクロコンピュータ
を備えていて、アクセルセンサ37から得られるアクセ
ル信号と図示しない回転センサから得られる回転速度検
出信号とに基づいてブラシレス直流電動機1に与える駆
動電流のデューティ比と励磁相の切換位相角とをマップ
演算により決定する。コントローラ38はまた、回転子
位置センサ24u〜24wの出力信号に基づいて電機子
コイル12に鎖交させる交番磁界の位相を決定して、電
機子コイル12の各相のコイルに流す励磁電流のデュー
ティ比と位相角とを定めるためのスイッチング信号を駆
動回路39に与える。
【0042】駆動回路39はゲートドライブ回路40と
スイッチング回路41とを備え、ゲートドライブ回路4
0はコントローラ38に、またスイッチング回路41は
スター結線された3相の電機子コイル12u〜12wに
それぞれ接続されている。
【0043】スイッチング回路41は、直列に結線され
た3対のMOSFET(電界効果トランジスタ)(42
u,42z),(42v,42y)及び(42w,42
x)をそれぞれ直列に接続して構成した3つのFET直
列回路を並列に接続して、合計6個のFETを3相全波
ブリッジ接続した周知のインバータ形の回路で、各FE
Tのソース・ドレン間にはそれぞれ帰還ダイオード44
が逆並列接続されている。なお各帰還ダイオード44と
してはそれぞれのFETのドレインソース間に存在する
寄生ダイオードを用いることもできる。
【0044】このスイッチング回路41においては、F
ET42u〜42wのドレインの共通接続点及びFET
42x〜42zのソースの共通接続点がそれぞれ正極側
及び負極側の直流入力端子41a及び41bとなってい
て、直流入力端子41bが接地され、直流入力端子41
a,41b間にバッテリ43の出力電圧が印加されてい
る。FET42uのソースとFET42zのドレインと
の接続点、FET42vのソースとFET42yのドレ
インとの接続点、及びFET42wのソースとFET4
2zのドレインとの接続点がそれぞれスイッチング回路
41のU,V及びW相の出力端子41u,41v及び4
1wとなっており、これらの出力端子にスター結線され
た3相の電機子コイル12u,12v及び12wの非中
性点側の端子が接続されている。
【0045】スイッチング回路41のブリッジの上辺の
スイッチを構成するFET42u〜42w及び下辺のス
イッチを構成するFET42x〜42zのゲートはそれ
ぞれゲートドライブ回路40の出力端子U〜W及びX〜
Zに接続されている。
【0046】駆動回路39は、コントローラ38が出力
するスイッチング信号に基づいてFET42u〜42w
及び42x〜42wにそれぞれパルス波形のトリガ信号
Su〜Sw 及びSx 〜Sz を供給してこれらのFETを
オン・オフ制御することにより、各相の電機子コイルに
PWM制御された駆動電流を流すとともに、各相の駆動
電流のデューティ比をアクセルグリップ36の回動角度
(アクセル操作部材の変位量、以下アクセル開度ともい
う。)αに応じて変化させる。PWM制御される駆動電
流のデューティ比をアクセルグリップの変位に応じて0
から100%まで変化させることにより、電動機の出力
を変化させることができる。
【0047】3相ブラシレス直流電動機を駆動する場
合、各相の駆動電流の通電角を電気角で120度とする
場合と180度とする場合とがある。
【0048】図3(A)〜(L)は3相ブラシレス直流
電動機において、駆動電流の通電角を120度とする場
合の各部の信号波形と駆動電流波形とを電動機の回転角
θに対して模式的に示したもので、図3(A)〜(C)
はそれぞれ回転子位置センサ24u〜24wが発生する
位置検出信号hu 〜hw の一例を示している。コントロ
ール回路38はこれらの位置検出信号に論理演算を施す
ことにより、図3(D)〜(F)及び(G)〜(I)に
示すようなトリガ信号Su 〜Sw 及びSx 〜Sz を作り
出す。トリガ信号Su 〜Sw 及びSx 〜Sz がそれぞれ
発生している期間FET42u〜42w及び42x〜4
2zが導通するため、電機子コイル12のU,V,W3
相のコイル12u,12v及び12wにはそれぞれ、図
3(J),(K)及び(L)に示すように駆動電流が流
れる。
【0049】また3相ブラシレス直流電動機において、
各相の駆動電流の通電角を180度とした場合の位置検
出信号hu 〜hw と、駆動信号Su 〜Sw 及びSx 〜S
z と、U,V及びW相の駆動電流の波形とを図4(A)
ないし(L)に示した。
【0050】なお図3及び図4においては駆動電流のデ
ューティ比を100%としている。デューティ比を10
0%未満とした場合には、信号Sx 〜Sz の波形及び各
相の駆動電流の波形が所定のデューティ比で断続する波
形となる。
【0051】上記のように、3相ブラシレス直流電動機
を駆動する場合に、各相の駆動電流の通電角を電気角で
120度とした場合と、180度とした場合とを比較す
ると、各相の駆動電流の通電角を180度とした場合に
は、3相の駆動コイルにそれぞれ駆動電流を流すことに
より生じるトルクがオーバラップする区間が存在するた
め、通電角を120度とした場合に比べて起動出力及び
最大出力を高くすることができる。また通電角を120
度から180度まで変化させることにより電動機の出力
を変化させることができる。
【0052】電動車両において、ダイレクトドライブ方
式、または電動機の回転を変速比が一定値に固定された
変速機を介して車軸に伝達する方式が採用される場合に
は、電動機の駆動回転領域をできるだけ広くとることが
必要である。そこで、電動車両用のブラシレス直流電動
機においては、駆動電流のデューティ比を100%とし
た場合に得られる最高速度よりも更に速度を上昇させる
ために、設定回転速度を超える領域で電動機の駆動電流
の制御進み角[固定子の励磁相を切り替える位相角(電
気角)]γを進角させる制御を行わせている。
【0053】一般にブラシレス直流電動機の制御進み角
は発生するトルクと最高回転速度とに影響を与え、発生
するトルクを高くするように制御進み角を設定すると、
得られる最高回転速度が低くなり、最高回転速度を高く
するように制御進み角を進角させると発生するトルクが
小さくなる。そのため、ブラシレス直流電動機により電
動車両を直接または変速比が固定された変速機を介して
駆動する場合には、低速時に充分なトルクが得ることが
できる制御進み角γを正規の制御進み角γo として設定
して、設定回転速度以下の領域ではアクセル操作部材の
変位の如何に係わりなく制御進み角γを正規の制御進み
角γo に固定し、設定回転速度を超える領域でアクセル
操作部材の増速側への変位に応じて制御進み角を進角さ
せるようにしている。
【0054】上記のように、ブラシレス直流電動機で
は、PWM制御される駆動電流のデューティ比、通電
角、及び制御進み角の少なくとも1つを変化させること
により、出力を調整することができる。
【0055】本発明では、ブラシレス直流電動機を駆動
源とした電動車両の運転感覚を内燃機関を駆動源とした
車両の運転感覚に近付けて、アクセル操作部材の変位量
に対する走行速度の伸びをよくすることを目的としてい
る。そこで、内燃機関を駆動源とした車両におけるアク
セル操作部材の変位量と機関の最大出力との関係を調べ
たところ、以下に示すように、アクセル操作部材の各変
位量に対して得られる機関の最大出力は、アクセル操作
部材の変位量の二乗にほぼ比例することが明らかになっ
た。
【0056】図5及び図6は、内燃機関に設けられてい
るスロットルボディ50の一部を示したもので、スロッ
トルボディ内にはスロットルバルブ(バタフライバル
ブ)51が取り付けられている。スロットルバルブ51
の回動軸は図示しない連結機構を介してアクセルグリッ
プやアクセルペダル等のアクセル操作部材に連結され、
該アクセル操作部材の操作によりスロットルバルブ51
の開度が調整されるようになっている。なお図5におい
て52は、スロットルバルブの開度を検出するために該
バルブの回動軸に取付けられたセンサを示している。
【0057】この場合、スロットルバルブ51の開口面
積により機関の吸入空気量が決まる。スロットルバルブ
を通して吸入された空気に適量の燃料が混合されて所定
の空燃比の混合気が形成され、該混合気がシリンダ内で
燃焼させられる。内燃機関においては、スロットルバル
ブの各開度において、最適の空燃比が得られるように吸
入された空気と燃料との混合を行わせることにより、そ
のスロットルバルブ開度における最大出力を発生させる
ことができる。最適の空燃比はほぼ一定であるので、機
関の最大出力は、吸入空気量、即ちスロットルバルブの
開口面積Sに比例するといえる。ここで、図示のよう
に、スロットルボディの直径をD、スロットルバルブ5
1の最小開き角度をφ、開き角度をαとすると、バルブ
の開口面積Sは、次の式で与えられる。
【0058】 S=(π/4)D2 {1−cos(φ+α)} (3) ここでφが充分に小さいとしてφを0とみなすと、近似
的に下記の式が成立する。
【0059】 S=(π/4)D2 {1−cos(α)} (4) またcos αを展開すると、 cos α=1−(α2 /2!)+(α4 /4!)+ … (5) ここで(5)式の第3項以降を充分に小さいとして無視
すると、(4)式は近似的に下記のようになる。
【0060】 S=(π/4)D2 (1/2)α2 (6) (6)式から、スロットルバルブの開口面積はスロット
ル開度αの二乗にほぼ比例することが分かる。従って、
各スロットル開度において得られる内燃機関の最大出力
はスロットル開度の二乗にほぼ比例するということがで
きる。
【0061】これらの検討結果から、電動車両において
も、アクセル操作部材の各変位量に対して得られる電動
機の最大出力がアクセル操作部材の各変位量の二乗にほ
ぼ比例するように(電動機の最大出力がアクセル操作部
材の各変位量の2次関数となるように)、アクセル操作
部材の変位に対して電動機出力を制御するようにすれ
ば、内燃機関を駆動源とした電動車両と同じような運転
感覚を得ることができ、アクセル操作部材を増速側に操
作したときの速度の伸びを良好にすることができる。
【0062】そこで、本発明の電動機出力制御方法で
は、アクセル操作部材(図2に示した例ではアクセルグ
リップ36)の各変位量に対して得られる電動機出力の
最大値を、アクセル操作部材の変位量の2次関数とする
ように(二乗に比例させるように)、アクセルセンサ3
7の出力に応じて、ブラシレス直流電動機の駆動電流の
デューティ比、制御進み角及び通電角の少なくとも1つ
を制御する。
【0063】アクセルセンサの出力(アクセル電圧)が
アクセル操作部材の変位量にほぼ比例している場合に
は、各アクセル電圧に対して得られる電動機の出力の最
大値をアクセル電圧の二乗にほぼ比例させるように、ア
クセル電圧に応じて、駆動電流のデューティ比、制御進
み角及び通電角の少なくとも1つを制御すればよい。
【0064】図7は、アクセル操作部材の変位量に比例
したアクセル電圧を出力するアクセルセンサを用いて、
上記のような制御を行わせた場合に得られる特性を示し
たもので、図7(A)は、アクセルセンサから得られる
アクセル電圧Va とブラシレス直流電動機の最大出力と
の関係を示す直線Pm と、アクセル電圧Va と回転速度
Nとの関係を示す曲線No 及びN1 とを示している。こ
こで曲線No は勾配βo の道路を走行した場合を示し、
曲線N1 は勾配β1 (>βo )の道路を走行した場合を
示している。図7(A)の最大出力Pm は、アクセル電
圧が最大のときに得られる最大出力を100%として、
各アクセル電圧において得られる最大出力を%表示した
ものであり、該最大出力Pm はアクセル電圧の二乗にほ
ぼ比例して変化している。図7(B)は、図7(A)の
a点〜f点におけるアクセル電圧に対して得られる出力
特性a〜fと、勾配がβo 及びβ1 の道路を走行する場
合のそれぞれの走行抵抗を示す負荷曲線イ及びロとを示
している。
【0065】この例では、駆動電流のデューティ比を各
アクセル電圧に対して決定した値に固定して電動機を起
動させた後、図7(B)の曲線a〜eで与えられる出力
がピークに達する回転速度を超える所定の領域で、回転
速度の上昇に伴ってデューティ比DFを所定の割合で増
大させることにより、アクセル操作部材の各変位量に対
して得られる出力特性をフラットにするように制御して
いる。また回転速度が所定値を超える領域を減速領域と
して、該減速領域では駆動電流のデューティ比を所定の
割合で減少させて回転速度の上昇に伴って電動機の出力
を設定された割合で低下させるように制御することによ
り、各出力特性曲線が全体として台形状を呈するように
している。曲線fは、曲線eの場合(デューティ比を1
00%とした場合)よりも更に出力を増大させるため
に、駆動電流のデューティ比を100%として、駆動電
流の制御進み角を制御することにより台形状の出力特性
を得た場合である。
【0066】図7(A)の曲線No 及びN1 から明らか
なように、各アクセル電圧に対して得られる電動機の出
力の最大値をアクセル電圧の二乗にほぼ比例させるよう
に、アクセル電圧に応じて電動機の出力を制御すると、
アクセル電圧が高くなる範囲(アクセル操作部材の変位
量が大きい範囲)で、アクセル電圧の変化量に対する回
転速度の上昇割合を大きくすることができるため、電動
車両の運転感覚を内燃機関を駆動源とした車両の運転感
覚に近付けることができ、アクセル操作部材を増速側に
変位させていった場合の速度の伸びを良好にすることが
できる。
【0067】特に、図7(B)に示したように、出力特
性曲線a〜fの台形の右肩が特定の負荷曲線ロの上に乗
るように制御した場合には、アクセル電圧が低い低速走
行時に、アクセル電圧の変化量に対する回転速度の上昇
割合を比較的小さくして、走行速度の細かい調整を行わ
せることができ、アクセル電圧が高くなる高速走行時に
は、アクセル電圧の変化量に対する回転速度の変化割合
を大きくして、速度の伸びをよくすることができる。
【0068】図2に示すように、マイクロコンピュータ
を用いたコントローラ38が設けられている場合には、
アクセル電圧及び電動機の回転速度に対して、駆動電流
のデューティ比、通電角、及び制御進み角の少なくとも
1つをマップ演算して、これらの内の少なくとも1つを
演算された値に一致させるように制御することにより、
上記の制御を容易に行わせることができる。
【0069】即ち、マイクロコンピュータを用いたコン
トローラ38が設けられている場合には、アクセルセン
サの他に、電動機の回転速度を検出する速度検出手段を
設けるとともに、アクセル操作部材の各変位量に対して
得られる電動機出力の最大値をアクセル操作部材の変位
量の2次関数とするように、アクセルセンサの出力と電
動機の回転速度と電動機の駆動電流のデューティ比との
関係を与えるデューティ決定用マップ、アクセルセンサ
の出力と電動機の回転速度と電動機の駆動電流の制御進
み角との関係を与える制御進み角決定用マップ、及びア
クセルセンサの出力と電動機の回転速度と電動機の駆動
電流の通電角との関係を与える通電角決定用マップの少
なくとも1つを作成しておいて、アクセルセンサの出力
と、速度検出手段により検出された電動機の回転速度
と、上記デューティ比決定用マップ、制御進み角決定用
マップ及び通電角決定用マップの少なくとも1つとを用
いることにより、アクセル電圧及び各回転速度に対して
駆動転流のデューティ比、制御進み角及び通電角の少な
くとも1つを演算し、電動機の駆動電流のデューティ
比、制御進み角及び通電角の少なくとも1つを演算され
た値に一致させるように制御することにより、図7
(A)の曲線Pm のような出力特性を得ることができ
る。
【0070】なお、マップを用いて駆動電流のデューテ
ィ比、制御進み角及び通電角を演算する場合には、アク
セル電圧及び回転速度の検出値に対してマップから読み
取った値を用いて補間演算を行うことになるため、各マ
ップを作成する際には、図7(A)の曲線Pm を例えば
図8(A)の折れ線Pm ´で近似することになる。この
場合、折れ線Pm ´は曲線Pm の内側を通ることになる
ため、アクセル操作部材の変位量が小さい範囲では、ア
クセル操作部材の各変位量に対して電動機の最大出力が
大き目になる傾向になる。内燃機関においても、スロッ
トル開度が小さいときには、吸入空気の流速が大きく、
各スロットル開度に対して機関の出力が大き目に出るた
め、図8(A)の折れ線Pm ´のような近似を行うとか
えって内燃機関を用いた車両の運転感覚に近付くことに
なり、好都合である。
【0071】上記の説明では、電動機の出力特性が台形
状を呈するような制御を行わせるとしたが、一定のスロ
ットル電圧に対して駆動電流のデューティ比を一定に保
って、図9に示すような特性を得る場合にも、各スロッ
トル電圧に対して得られる電動機出力の最大値をスロッ
トル電圧の二乗にほぼ比例させるように、各スロットル
電圧に対応させるデューティ比を決めることにより、本
発明を適用することができる。
【0072】上記の説明では、スロットル電圧がスロッ
トル操作部材の変位量にほぼ比例しているとしたが、ス
ロットル電圧がスロットル操作部材の変位量の二乗にほ
ぼ比例する特性を有するスロットルセンサを用いること
もできる。このようなスロットルセンサを用いた場合に
は、スロットル操作部材の変位量に対して、駆動電流の
デューティ比や制御進み角を制御することにより、電動
機の出力を調整する従来の制御方法で用いられていたマ
ップをそのまま用いて、スロットル操作部材の各変位量
に対して得られる電動機出力の最大値をスロットル操作
部材の変位量の二乗にほぼ比例させる制御を行わせるこ
とが可能である。
【0073】上記の説明では、スロットル操作部材の各
変位量に対して得られる電動機出力の最大値をスロット
ル操作部材の変位量の2次関数とするとしたが、本発明
の目的を達成するためには、スロットル操作部材の変位
量が大きくなるに従って、該変位量の増加割合に対する
最大出力の上昇割合が大きくなるような制御を行わせれ
ばよいので、スロットル操作部材の各変位量に対して得
られる電動機出力の最大値は、必ずしもスロットル操作
部材の変位量の2次関数でなくなもよく、スロットル操
作部材の各変位量に対して得られる電動機出力の最大値
をスロットル操作部材の変位量のk次関数(但しk>
1)として、kの値を適当に選ぶことにより、運転感覚
を調整するようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、アクセ
ル操作部材の各変位量に対して得られる電動機出力の最
大値をアクセル操作部材の変位量のk次関数(k>1)
とするように、アクセルセンサの出力に応じて、ブラシ
レス直流電動機の駆動電流のデューティ比、制御進み角
及び通電角の少なくとも1つを制御するようにしたの
で、アクセル操作部材の変位量が大きくなるに従って、
アクセル操作部材の変位量に対する電動機出力の増加割
合が大きくなる特性を得ることができる。従って、アク
セル操作部材を増速側に変位させた際の回転速度の延び
を良好にして、運転感覚を内燃機関を駆動源とした車両
の運転感覚に近付けることができ、内燃機関により駆動
される車両の運転に慣れた運転者に違和感を与えるのを
防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する電動車両の要部の構造を示し
た断面図である。
【図2】本発明を適用する電動車両に用いられる制御装
置のハードウェアの構成を概略的に示した構成図であ
る。
【図3】3相ブラシレス直流電動機において駆動電流の
通電角を120度とした場合の各部の信号波形及び電圧
波形を示した線図である。
【図4】3相ブラシレス直流電動機において駆動電流の
通電角を180度とした場合の各部の信号波形及び電圧
波形を示した線図である。
【図5】内燃機関のスロットルボディの要部を示した縦
断面図である。
【図6】内燃機関のスロットルボディの要部を示した横
断面図である。
【図7】本発明の制御を行った場合に得られる特性を示
す線図である。
【図8】本発明の制御を行うに際して最大出力とアクセ
ル電圧との関係を折れ線で近似した例を示した線図であ
る。
【図9】従来の制御方法によった場合に得られる特性を
示した線図である。
【図10】従来の他の制御方法によった場合に得られる
特性を示した線図である。
【図11】従来の更に他の制御方法によった場合に得ら
れる特性を示した線図である。
【符号の説明】
1 3相ブラシレス直流電動機 12u〜12w 電機子コイル 36 アクセルグリップ(アクセル操作部材) 37 アクセルセンサ 38 コントローラ 40 ゲートドライブ回路 41 スイッチング回路 42u 〜42w FET 42x 〜42z FET
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 15/00 H02P 6/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレス直流電動機を駆動源とした電
    動車両の電動機出力をアクセル操作部材の変位量に応じ
    て制御する電動車両の電動機出力制御方法において、 前記アクセル操作部材の変位量に相応した大きさの検出
    電圧を出力するアクセルセンサを設け、 前記アクセル操作部材の各変位量に対して得られる電動
    機出力の最大値を前記アクセル操作部材の変位量のk次
    関数(k>1)とするように、前記アクセルセンサの出
    力に応じて、前記ブラシレス直流電動機の駆動電流のデ
    ューティ比、制御進み角及び通電角の少なくとも1つを
    制御することを特徴とする電動車両の電動機出力制御方
    法。
  2. 【請求項2】 ブラシレス直流電動機を駆動源とした電
    動車両の電動機出力をアクセル操作部材の変位量に応じ
    て制御する電動車両の電動機出力制御方法において、 前記アクセル操作部材の変位量に相応した大きさの検出
    電圧を出力するアクセルセンサと、前記電動機の回転速
    度を検出する速度検出手段とを設けておき、 前記アクセル操作部材の各変位量に対して得られる電動
    機出力の最大値を前記アクセル操作部材の変位量のk次
    関数(k>1)とするように、前記アクセルセンサの出
    力と電動機の回転速度と電動機の駆動電流のデューティ
    比との関係を与えるデューティ決定用マップ、前記アク
    セルセンサの出力と電動機の回転速度と電動機の駆動電
    流の制御進み角との関係を与える制御進み角決定用マッ
    プ、及び前記アクセルセンサの出力と電動機の回転速度
    と電動機の駆動電流の通電角との関係を与える通電角決
    定用マップの少なくとも1つを作成しておき、 前記アクセルセンサの出力と、前記速度検出手段により
    検出された電動機の回転速度と、前記デューティ比決定
    用マップ、制御進み角決定用マップ及び通電角決定用マ
    ップの少なくとも1つとを用いることにより、前記アク
    セル操作部材の各変位量及び各回転速度に対して駆動転
    流のデューティ比、制御進み角及び通電角の少なくとも
    1つを演算し、 前記電動機の駆動電流のデューティ比、制御進み角及び
    通電角の少なくとも1つを演算された値に一致させるよ
    うに制御することを特徴とする電動車両の電動機出力制
    御方法。
  3. 【請求項3】 前記アクセルセンサは前記検出電圧をア
    クセル操作部材の変位量に比例させるように構成されて
    いる請求項1または2に記載の電動車両の電動機出力制
    御方法。
  4. 【請求項4】 前記アクセルセンサは前記検出電圧をア
    クセル操作部材の変位量のm次関数とするように構成さ
    れている請求項1または2に記載の電動車両の電動機出
    力制御方法。
  5. 【請求項5】 前記kは2とすることを特徴とする請求
    項1,2,3または4のいずれかに記載の電動車両の電
    動機出力制御方法。
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