JP3243977B2 - 電動車両用ブラシレス直流電動機の制御方法 - Google Patents

電動車両用ブラシレス直流電動機の制御方法

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JP3243977B2 JP21087795A JP21087795A JP3243977B2 JP 3243977 B2 JP3243977 B2 JP 3243977B2 JP 21087795 A JP21087795 A JP 21087795A JP 21087795 A JP21087795 A JP 21087795A JP 3243977 B2 JP3243977 B2 JP 3243977B2
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動車両を駆動す
るブラシレス直流電動機の制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電動スクータや電気自動車等の電動車両
の駆動源としてブラシレス直流電動機が用いられてい
る。周知のように、ブラシレス直流電動機は、多相の電
機子コイルを有するステータと、回転自在に支持された
ヨークに磁石界磁を取り付けてなるロータと、ステータ
の各相に対してロータの回転角度位置を検出する位置検
出器とを備えていて、位置検出器により検出されたロー
タの位置に応じて励磁電流(駆動電流)を流す相(励磁
相)を切り替えることにより多相の電機子コイルに駆動
電流を転流させてロータを回転させる。電動スクータ等
の電動車両を駆動するブラシレス直流電動機としては、
3相ブラシレス直流電動機が多く用いられている。電動
機から電動車両の駆動輪に動力を伝達する方式として
は、電動機の出力軸を直接車両の駆動輪の車軸に伝達す
るダイレクトドライブ方式と、電動機の出力軸を変速機
を介して駆動輪の車軸に伝達する方式とがある。
【0003】図9は、本発明を適用する電動車両の一例
として、ダイレクトドライブ式を採用した電動スクータ
の要部の構成例を示したもので、同図において、1は固
定子2と回転子3とからなるアウタロータ構造のブラシ
レス直流電動機、4はケーシング5とカバー6とからな
るモータハウジングで、モータハウジング4内に電動機
1が収容されている。7は回転子3の回転軸、8は回転
軸7をケーシング5に支持する軸受、9は回転軸7に直
結された車輪である。
【0004】図示のブラシレス直流電動機1の固定子2
は環状の継鉄部から3m個(mは整数で例えば4)の突
極部を放射状に突出させた固定子鉄心11と、該固定子
鉄心の各突極部に巻回されたコイルを3相星形結線して
構成した電機子コイル12とからなり、各突極部の外周
側端部が固定子磁極13となっている。電機子コイル1
2の3相の入力端子は後述の駆動回路の出力端子に接続
されている。
【0005】回転子3は、ほぼカップ状に形成されたフ
ライホイール14の周壁部の内周に永久磁石15を取り
付けたものからなっている。永久磁石15は径方向に着
磁されて、固定子磁極13と径方向に対向する2k極
(kは1以上の整数)の回転子磁極16を構成してい
る。
【0006】フライホイール14の底壁部中央にはボス
17が設けられ、該ボス17が回転軸7の一端に嵌着さ
れて、回転子3が回転軸7に取り付けられている。
【0007】ケーシング5は軽合金等からなっていて、
カップ状部18と軸受支持部19とを有し、軸受支持部
19に嵌装された軸受8により回転軸7が支持されてい
る。ケーシング5は図示しない車両の車体に固定されて
いる。
【0008】カバー6は軽合金等からなっていて、カッ
プ状部20と該カップ状部の底壁中央部に設けられた固
定子取付部21とを有し、固定子取付部21には、ねじ
22により固定子鉄心11が取り付けられている。ケー
シング5とカバー6とは、それぞれのカップ状部18及
び20の開口側を突き合せた状態でねじ(図示せず)に
より互いに結合され、両カップ状部18及び20により
ブラシレス直流電動機1が覆われた状態になっている。
【0009】回転子3の磁極の回転角度位置を検出する
ため、回転子3のボス17の外周に固着された回転子位
置検出用磁石23と、これを取り囲むように、固定子鉄
心11の環状部に120度間隔で取り付けられたホール
素子からなる3個の回転子位置センサ24u〜24w
(図9には24uのみを図示してある。)とが設けられ
ている。
【0010】軸受8は、軸線方向に間隔をあけて配置さ
れた2個のボールベアリング25,25からなってい
て、回転軸7を回転自在に支持している。
【0011】車輪9は、リム27と該リムの外周に装着
されたタイヤ28とからなっている。リム27の中央部
には円筒部材29が固定され、円筒部材29がスプライ
ン30を介して回転軸7に嵌合されて回転軸7と車輪9
とが互いに結合されている。リム27の軸受8側の面に
は、円筒部29を取り囲む状態でほぼカップ状に形成さ
れた泥よけ31が固定されている。
【0012】図10は、3相ブラシレス直流電動機1を
制御する制御装置の構成を示したもので、同図におい
て、36は電動スクータのハンドルに設けられたアクセ
ルグリップである。本実施例ではこのアクセルグリップ
を速度調節部材としている。37はアクセルグリップ3
6に可動接触子37aが連結されて両端に直流電圧が印
加されたポテンショメータで、ポテンショメータ37の
可動接触子と接地間に得られる信号(速度調節部材の変
位量検出信号)と、回転子位置センサ24u〜24wに
より検出された回転子3の位置信号とがコントローラ3
8に入力されている。
【0013】コントローラ38はマイクロコンピュータ
を備えていて、ポテンショメータ37から得られる速度
調節部材の変位量検出信号と図示しない回転センサから
得られる回転速度検出信号とに基づいてブラシレス直流
電動機1に与える駆動電流のデューティ比と励磁相の切
換位相角とをマップ演算により決定する。コントローラ
38はまた、回転子位置センサ24u〜24wの出力信
号に基づいて電機子コイル12に鎖交させる交番磁界の
位相を決定して、電機子コイル12の各相のコイルに流
す励磁電流のデューティ比と位相角とを定めるためのス
イッチング信号を駆動回路39に与える。
【0014】駆動回路39はゲートドライブ回路40と
スイッチング回路41とを備え、ゲートドライブ回路4
0はコントローラ38に、またスイッチング回路41は
スター結線された3相の電機子コイル12u〜12wに
それぞれ接続されている。
【0015】スイッチング回路41は、直列に結線され
た3対のMOSFET(電界効果トランジスタ)(42
u,42z),(42v,42y)及び(42w,42
x)をそれぞれ直列に接続して構成した3つのFET直
列回路を並列に接続して、合計6個のFETを3相全波
ブリッジ接続した周知のインバータ形の回路で、各FE
Tのソース・ドレン間にはそれぞれ帰還ダイオード44
が逆並列接続されている。なお各帰還ダイオード44と
してはそれぞれのFETのドレインソース間に存在する
寄生ダイオードを用いることもできる。
【0016】このスイッチング回路41においては、F
ET42u〜42wのドレインの共通接続点及びFET
42x〜42zのソースの共通接続点がそれぞれ正極側
及び負極側の直流入力端子41a及び41bとなってい
て、直流入力端子41bが接地され、直流入力端子41
a,41b間にバッテリ43の出力電圧が印加されてい
る。FET42uのソースとFET42zのドレインと
の接続点、FET42vのソースとFET42yのドレ
インとの接続点、及びFET42wのソースとFET4
2zのドレインとの接続点がそれぞれスイッチング回路
41のU,V及びW相の出力端子41u,41v及び4
1wとなっており、これらの出力端子にスター結線され
た3相の電機子コイル12u,12v及び12wの非中
性点側の端子が接続されている。
【0017】スイッチング回路41のブリッジの上辺の
スイッチを構成するFET42u〜42w及び下辺のス
イッチを構成するFET42x〜42zのゲートはそれ
ぞれゲートドライブ回路40の出力端子U〜W及びX〜
Zに接続されている。
【0018】駆動回路39は、コントローラ38が出力
するスイッチング信号に基づいてFET42u〜42w
及び42x〜42wにそれぞれパルス波形のトリガ信号
Su〜Sw 及びSx 〜Sz を供給してこれらのFETを
オン・オフ制御することにより、各相の電機子コイルに
励磁電流を流すとともに、各相の励磁電流のデューティ
比をアクセルグリップ36の回動角度(速度調節部材の
変位量、以下スロットル開度という。)αに応じて変化
させる。
【0019】3相ブラシレス直流電動機を駆動する場
合、各相の駆動電流の通電角を電気角で120度とする
場合と180度とする場合とがある。
【0020】図11(A)〜(L)は3相ブラシレス直
流電動機において、駆動電流の通電角を120度とする
場合の各部の信号波形と駆動電流波形とを電動機の回転
角θに対して模式的に示したもので、図11(A)〜
(C)はそれぞれ回転子位置センサ24u〜24wが発
生する位置検出信号hu 〜hw の一例を示している。コ
ントロール回路38はこれらの位置検出信号に論理演算
を施すことにより、図11(D)〜(F)及び(G)〜
(I)に示すようなトリガ信号Su 〜Sw 及びSx 〜S
z を作り出す。トリガ信号Su 〜Sw 及びSx 〜Sz が
それぞれ発生している期間FET42u〜42w及び4
2x〜42zが導通するため、電機子コイル12のU,
V,W3相のコイル12u,12v及び12wにはそれ
ぞれ、図11(J),(K)及び(L)に示すように駆
動電流が流れる。
【0021】また3相ブラシレス直流電動機において、
各相の駆動電流の通電角を180度する場合の位置検出
信号hu 〜hw と、駆動信号Su 〜Sw 及びSx 〜Sz
と、U,V及びW相の駆動電流の波形とを図12(A)
ないし(L)に示した。
【0022】なお図11及び図12においては駆動電流
のデューティ比を100%としている。デューティ比を
100%未満とした場合には、信号Sx 〜Sz の波形及
び各相の駆動電流の波形が所定のデューティ比で断続す
る波形となる。
【0023】上記のように、3相ブラシレス直流電動機
を駆動する場合、各相の駆動電流の通電角を電気角で1
20度とする場合と、180度とする場合とがあるが、
各相の駆動電流の通電角を180度とすると、3相の駆
動コイルにそれぞれ駆動電流を流すことにより生じるト
ルクがオーバラップする区間が存在するため、通電角を
120度とした場合に比べて起動出力及び最大出力を高
くすることができる。また各相の駆動電流の通電角を1
20度とした場合には、3相の駆動コイルにより生じる
トルクがオーバラップする区間が存在しないため、特に
起動時のように高トルクを発生させる場合に、電動機を
スムースに回転させることができず、電動機からゴロゴ
ロという振動が発生して運転のフィーリングが悪くなる
という問題が生じる。
【0024】これらの理由により、3相ブラシレス直流
電動機を用いた電動車両では、多くの場合、各相の駆動
電流の通電角を180度として、PWM制御される駆動
電流のデューティ比を速度調節部材の変位に応じて0か
ら100%まで変化させることにより、電動機の出力を
制御するようにしていた。
【0025】なお本明細書において、駆動電流のデュー
ティ比DFは、オン時間(電流が流れる時間)tonとオ
フ時間(電流が零になる時間)toff とを交互に生じさ
せるように駆動電流をPWM制御する場合に、そのオン
時間がオンオフの周期ton+toff に占める割合を百分
率で示したもので、下記の式により定義される。
【0026】 DF={ton/(ton+toff )}×100[%] …(1) 電動車両において、ダイレクトドライブ方式、または電
動機の回転を変速比が一定値に固定された変速機を介し
て車軸に伝達する方式が採用される場合には、電動機の
駆動回転領域をできるだけ広くとることが必要である。
そこで、電動車両用のブラシレス直流電動機において
は、駆動電流のデューティ比を100%とした場合に得
られる最高速度よりも更に速度を上昇させるために、設
定回転速度を超える領域で電動機の制御進み角[固定子
の励磁相を切り替える位相角(電気角)]γを進角させ
る制御を行わせている。
【0027】一般にブラシレス直流電動機の制御進み角
は発生するトルクと最高回転速度とに影響を与え、発生
するトルクを高くするように制御進み角を設定すると、
得られる最高回転速度が低くなり、最高回転速度を高く
するように制御進み角を進角させると発生するトルクが
小さくなる。そのため、ブラシレス直流電動機により電
動車両を直接または変速比が固定された変速機を介して
駆動する場合には、低速時に充分なトルクを得ることが
できる制御進み角γを正規の制御進み角γo として設定
して、設定回転速度以下の領域では速度調節部材の変位
の如何に係わりなく制御進み角γを正規の制御進み角γ
o に固定し、設定回転速度を超える領域で速度調節部材
の増速側への変位に応じて制御進み角を進角させるよう
にしている。
【0028】図13は、3相ブラシレス直流電動機にお
いて、各相の駆動電流の通電角を180度として、駆動
電流のデューティ比制御と制御進み角制御とを行わせた
場合に得られる出力P対回転速度N特性を示したもので
ある。同図において破線で示した曲線a,b,c,d及
び実線で示した曲線eはそれぞれ、制御進み角γを正規
の進み角γo に固定した状態で、スロットル開度をα1
,α2 ,α3 及びα4(α1 <α2 <α3 <α4 )とし
て駆動電流のデューティ比をスロットル開度に相応した
値とした場合の出力対回転速度特性である。これらの特
性では、駆動電流のデューティ比をスロットル開度に応
じて決まる値に固定しており、曲線eの特性では、デュ
ーティ比を100%としている。
【0029】また図13において曲線a´,b´及びc
´は、それぞれ、スロットル開度をα1 ,α2 及びα3
に保って電動機を起動した場合に、電動機の出力がスロ
ットル開度に相応したデューティ比で得られる最大値に
達した後、その最大値を維持したままの状態で回転速度
を上昇させるように、設定された速度領域でスロットル
開度の各値におけるデューティ比を回転速度に応じて所
定の割合で変化させるようにした場合に得られる特性を
示したもので、これらの特性はほぼ台形状を呈する特性
となる。
【0030】また図13において、曲線f,g及びhは
それぞれ、スロットル開度がα6 ,α7 及びα8 (α5
<α6 <α7 <α8 )の場合の特性を示したもので、こ
れらの特性では駆動電流のデューティ比を100%に固
定して、制御進み角γをそれぞれ正規の制御進み角γo
よりも進角した値γ1 ,γ2 及びγ3 (γ1 <γ2 <γ
3 )としている。この例では、α8 をフルスロットル時
のスロットル開度としている。
【0031】更に曲線iは、スロットル開度をα8 とし
た場合(フルスロットル時)に、駆動電流のデューティ
比を100%として、出力対回転速度特性が台形状を呈
するように制御進み角を制御した場合の特性である。
【0032】図13において曲線イ,ロ及びハはそれぞ
れ傾斜角がβ0 ,β1 及びβ2 の道路を走行する場合の
走行抵抗を示す負荷曲線であり、βo は道路が平坦な場
合(傾斜角=0の場合)を示している。一般に道路の傾
斜角がβx の場合の走行抵抗R(βx )は下記の式で与
えられる。
【0033】 R(βx )=V・{(μr +sin βx )・W+μe ・A・V2 } …(2) ここでVは車両の走行速度、Wは車両重量、μr はころ
がり抵抗、μe ・Aは空気抵抗を示しており、ダイレク
トドライブ方式の場合、走行速度Vは電動機の回転速度
に対応している。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】図13の曲線a´〜c
´及びiのように、所定の速度領域で出力Pが最大値を
保持したまま推移する特性を得ると、スロットル開度を
所定値に保って発進した場合に、出力がそのスロットル
開度に対応したデューティ比で得られる最大値に達した
後、その最大値を維持したままの状態で回転速度を上昇
させて最終的に所望の回転速度に落ち着かせることがで
きるため、加速をスムースに行わせることができる。ま
た上記のように制御進み角を進角させる制御を行わせる
と、電動機の最高回転速度を高くすることができるた
め、車両の高速性能を高めることができる。
【0035】しかしながら、上記のように通電角を18
0度としてデューティ比制御を行うと、特定の運転状況
下で、例えば運転者が車両を減速させる操作を行ったと
きに電動機で異音が生じることが明らかになった。これ
は以下に示す理由によるものと思われる。
【0036】図14は、図13から曲線a´〜c´と曲
線イ〜ハとを抜き出して示したものである。ここで、傾
斜角がβo の平坦な道路(負荷曲線イ)で、スロットル
開度をα3 に保って発進を行わせた場合を考えると、出
力対回転速度特性は図14の曲線c´に沿って変化し、
最終的には負荷曲線イと交差する点pの回転速度N2で
回転する。この場合は、曲線c´と曲線イとの交点が動
作点となる。その後減速するためにスロットル開度をα
2 に減少させたとすると、回転速度は曲線イに沿って下
降し、最終的には曲線イと曲線b´とが交差する点qの
回転速度N1 (<N2 )で回転する。
【0037】上記のように、スロットル開度をα3 から
α2 に変化させた場合、慣性により、回転速度はすぐに
は低下することができないため、スロットル開度をα3
からα2 に変化させた瞬間には、未だ回転速度はN2 の
状態にある。従って、スロットル開度が変化させられた
瞬間には、駆動電流のデューティ比がスロットル開度α
3 に相応する値からα2 に相応する値に減少させられた
にもかかわらず、回転速度が高い状態にある。そのた
め、電機子コイルに与えられている印加電圧に対して回
転速度が高い状態にあって、回転子の界磁により電機子
コイルに誘起する逆起電圧と印加電圧との差が少なくな
り、逆起電圧の方が印加電圧よりも高くなる区間が生じ
る。
【0038】図15(A)は上記のブラシレス直流電動
機の回転子RTの磁極N,Sと固定子STの3相の磁極
部Pu ,Pv 及びPw との位置関係を展開して示したも
ので、固定子の磁極部Pu ,Pv 及びPw の一端に相応
する位置にそれぞれホール素子からなる位置センサHw
,Hu 及びHv が配置されている。位置センサHu 〜
Hw はそれぞれ電機子コイル12u〜12wに対して回
転子の界磁の極性を検出して回転子の位置を検出するも
ので、これらの位置センサは図15(B)ないし(D)
に示すように位置検出信号hu 〜hw を発生する。
【0039】図15(E)のφu は、電動機の無負荷時
に、回転子の界磁極から出てU相の電機子コイル12u
に鎖交する磁束の波形を示したもので、この磁束の変化
により、U相の電機子コイルに逆起電圧eu が誘起す
る。
【0040】図15(F)のEu ´は、図12に示した
ように駆動電流の通電角を180度とした場合に、スイ
ッチング回路41から電機子コイル12uに印加される
印加電圧を示し、eu ´は印加電圧Eu ´により駆動電
流が流れたときの逆起電圧を示している。この場合電機
子コイル12uの両端の実際の電圧(駆動電圧)Eu
は、印加電圧Eu ´から逆起電圧eu ´を差し引いたも
のとなり、図15(G)のようになる。この駆動電圧E
u により駆動電流Iu が流れる。
【0041】上記のようにスロットル開度を減少させた
場合、逆起電力eu ´が印加電圧Eu ´を超えている区
間では、図10に実線矢印で示したように、電動機側か
らスイッチング回路41のU相の帰還ダイオードを通し
てバッテリ43に逆電流が流れる。この逆電流は鉄心内
の磁束の変化を妨げる方向に流れるため、U相の磁束φ
u 及び逆起電圧を変化させる。即ち、逆電流が流れない
場合のU相の磁束波形は図16(B)に破線で示したφ
u1のようになり、図16(A)に示すような逆起電圧e
u1´が誘起するが、逆電流が流れると、磁束波形は図1
6(B)に実線で示したφu2のように変化し、該磁束φ
u2により誘起する逆起電圧は、図16(A)のeu2´の
ように逆電流を増大させる方向に変化する。逆起電圧e
u2´が誘起したときの電機子コイル12uの両端の電圧
Eu (=Eu ´−eu2)は図16(C)に示すようにな
り、この電圧Eu により、図16(C)に破線で示した
ような駆動電流Iu が流れる。
【0042】駆動電流の通電角を180度とした場合に
は、隣り合う2つの相の電機子コイルに駆動電流がオー
バラップして流れる区間が存在するため、上記のような
逆電流が流れると駆動電流がオーバラップする区間で、
隣り合う電機子コイル間に循環電流が流れることにな
る。例えば、上記の例において、U相の電機子コイル1
2uに逆電流が流れている区間で次の相のスイッチ素子
(図示の例ではV相のFET42v)がオン状態になる
と、図10及び図16(E)に破線で示したように、循
環電流Ic が流れることになる。このように循環電流が
流れると、U相の駆動電流Iu 及びV相の駆動電流Iv
の波形がそれぞれ図16(F)及び(E)のようにな
り、電流が流れる区間と殆ど流れない区間とが交互に生
じることになる。このように駆動電流が間欠的に流れる
状態が生じると、電動機で「ゴー」という異音が生じ、
運転者に不快感を与えることになる。このような状態
は、定常走行時にスロットル開度を減速側に変化させた
際に生じ易いことがわかっている。
【0043】上記の問題は3相のブラシレス直流電動機
が用いられる場合に限られるものではなく、一般にn相
(nは3以上の整数)のブラシレス直流電動機が用いら
れて、通電角(電気角)を360/n度よりも大きい値
として複数の相からトルクをオーバラップさせて生じさ
せつつ速度調節部材の変位量に応じて出力の制御を行う
場合にも同様な問題が生じる。
【0044】本発明の目的は、電動機の出力の低下を招
くことなく、電動機からの異音の発生を抑制することが
できるようにした電動車両用ブラシレス直流電動機の制
御方法を提供することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】本発明は、電動車両の駆
動輪を駆動するn相(nは3以上の整数)ブラシレス直
流電動機の出力を速度調節部材の変位に応じて変化させ
るように制御する場合に、電動機から異音が生じる状態
を極力発生させないようにしたものである。
【0046】本発明の基本的な考え方は、起動時や登坂
時のように大きな出力を必要とする運転状況下では、通
電角を360/n度よりも大きくしてn相の電機子コイ
ルにより生じるトルクがオーバラップする区間を生じさ
せることにより大きな出力を取り出し、平地における定
常走行時のように余り大きな出力を必要としない運転状
況下では通電角を360/n度として、循環電流が流れ
るの防止することにある。
【0047】そのため本発明の制御方法においては、電
動機の各相の駆動電流の通電角を360/n度と360
/n度よりも大きい角度との間で変化させ得るようにし
ておき、駆動電流の通電角を速度調節部材の位置と電動
機の回転速度とに応じて決定した大きさとして速度調節
部材の変位に応じて電動機の出力を制御する。
【0048】電動車両用の電動機として最も多く用いら
れている3相ブラシレス直流電動機に本発明を適用する
場合の構成は次の通りである。
【0049】即ち、3相ブラシレス直流電動機の場合に
は、電動機の各相の駆動電流の通電角を120度と18
0度との間で変化させ得るようにしておき、駆動電流の
通電角を速度調節部材の位置と電動機の回転速度とに応
じて決定した大きさとして速度調節部材の変位に応じて
電動機の出力を制御する。
【0050】3相ブラシレス直流電動機において、駆動
電流の通電角を120度とすると、3相の電機子コイル
にオーバラップして駆動電流が流れる区間が生じない。
この場合、電機子コイルに循環電流が流れることがな
く、各相の電機子コイルの正負の通電期間には同じよう
に駆動電流が流れるため、異音が生じることがない。
【0051】従って、上記のように、速度調節部材の位
置と回転速度とに応じて通電角の大きさを決定するよう
にすると、電動機から異音が生じ易い運転状況下で通電
角を120度とするように通電角を決定するための条件
を設定しておくことにより、電動機からの異音の発生を
抑制することができる。通電角を120度としても、定
常運転時の出力は充分に確保できるため、定常運転状態
での異音の発生をなくすことができ、異音が生じる頻度
を充分に少なくして、車両の乗り心地を改善することが
できる。
【0052】また駆動電流の通電角を120度とした状
態では、電機子コイルに循環電流が流れないため、特に
大きな出力を必要としない定常走行時に通電角を120
度とするように設定しておけば、循環電流による余分な
負荷が生じるのを防いで、電動機の効率を向上させるこ
とができる。
【0053】また大きな出力が必要なときには、通電角
を180度とすることにより、電動機の出力が不足する
状態が生じるのを防ぐことができる。
【0054】なお駆動電流の通電角をいずれの運転状況
で120度とし、いずれの運転状況で180度とするか
は、電動機の特性や、車両の用途、車両に対する法規制
(制限速度)などに応じて適宜に設定することができ
る。
【0055】3相ブラシレス直流電動機が用いられる場
合には、電動機の各相の駆動電流の通電角を120度と
して速度調節部材の変位に応じて出力を制御する120
度通電制御と、通電角を180度として速度調節部材の
変位に応じて出力を制御する180度通電制御とを行わ
せ得るようにしておいて、速度調節部材の位置と電動機
の回転速度とに応じて120度通電制御または180度
通電制御を行わせ、120度通電制御から180度通電
制御に移行させる際には通電角を120度から180度
まで連続的に変化させ、180度通電制御から120度
通電制御に移行する際には通電角を180度から120
度に連続的に変化させるようにするのがよい。
【0056】この場合、電動機の起動時及び加速時に1
80度通電制御を行わせ、電動機の定常運転時及び減速
時には120度通電制御を行わせるようにするのが好ま
しい。
【0057】電動機から異音が発生する現象は、定常運
転時及び減速時に生じ易い。従って、電動機の起動時及
び加速時に通電角を180度とし、定常運転時及び減速
時には通電角を120度とするようにすると、異音が発
生する頻度を小さくすることができる。
【0058】また本発明においては、速度調節部材の変
位に応じて駆動電流のデューティ比を変化させることに
より電動機の出力を制御するデューティ比制御領域と、
速度調節部材の変位に応じて駆動電流の通電角を変化さ
せることにより電動機の出力を制御する通電角制御領域
とを速度調節部材の位置と電動機の回転速度とに対して
設定しておいて、速度調節部材の位置及び回転速度がデ
ューティ比制御領域にあるときには、駆動電流の通電角
を120度として速度調節部材の変位に応じて駆動電流
のデューティ比を変化させることにより電動機の出力を
制御し、速度調節部材の位置及び回転速度が前記通電角
制御領域にあるときには駆動電流のデューティ比を10
0%とした状態で速度調節部材の変位に応じて通電角を
120度と180度との間で連続的に変化させるように
することができる。
【0059】上記のようにデューティ比制御領域で通電
角を120度として、駆動電流のデューティ比を速度調
節部材の変位に応じて0〜100%の範囲で制御するよ
うにすると、該デューティ比制御により定常運転時の出
力を充分に確保することができる。したがって、定常運
転時には、通電角を120度として、異音の発生を防止
し、循環電流が流れるのを防いで電動機の効率を高める
ことができる。また通電角制御領域では、デューティ比
を100%に保って通電角を120度から180度まで
変化させるため、電動機から大きな出力を取り出すこと
ができ、起動時や加速時の走行性能を高めることができ
る。
【0060】上記のように、通電角制御領域で通電角を
連続的に変化させるようにすると、出力を急変させるこ
となく、徐々に変化させることができるため、運転のフ
ィーリングを良好にすることができる。
【0061】本発明においてはまた、速度調節部材の変
位に応じて駆動電流のデューティ比を変化させることに
より電動機の出力を制御するデューティ比制御領域と、
速度調節部材の変位に応じて駆動電流の通電角を変化さ
せることにより電動機の出力を制御する通電角制御領域
と、速度調節部材の変位に応じて電動機の制御進み角を
変化させることにより電動機の出力を制御する制御進み
角制御領域とを速度調節部材の位置と電動機の回転速度
とに対して設定しておいて、速度調節部材の位置及び回
転速度がデューティ比制御領域にあるときには、駆動電
流の通電角を120度として速度調節部材の変位に応じ
て駆動電流のデューティ比を変化させることにより前記
電動機の出力を制御し、速度調節部材の位置及び回転速
度が前記通電角制御領域にあるときには駆動電流のデュ
ーティ比を100%とした状態で速度調節部材の変位に
応じて通電角を120度と180度との間で変化させる
ことにより電動機の出力を制御し、速度調節部材の位置
及び回転速度が制御進み角制御領域にあるときには駆動
電流のデューティ比を100%とし、通電角を180度
とした状態で速度調節部材の変位に応じて制御進み角を
変化させることにより電動機の出力を制御するようにす
ることができる。
【0062】上記のように制御進み角の制御をも行わせ
るようにすると、電動機の最高回転速度を高くすること
ができるため、高速走行性能を向上させることができ
る。
【0063】
【発明の実施の形態】本発明は、電動機の出力を車両の
駆動輪の車軸に直接伝達するダイレクトドライブ方式が
採用されている場合、及び電動機の出力を変速比が一定
の変速機を介して駆動輪に伝達する方式が採用されてい
る場合のいずれの場合にも適用できるが、以下の説明で
は、図9に示されたダイレクトドライブ式の電動スクー
タに本発明を適用する場合を例にとって、本発明の好ま
しい実施の形態を説明する。
【0064】本実施形態においては、電動機として3相
ブラシレス直流電動機を用い、該電動機を制御する制御
装置のハードウェアは図10に示された構成を有するも
のとする。
【0065】本発明の方法により、電動車両の駆動輪を
駆動する3相ブラシレス直流電動機の出力を速度調節部
材の変位に応じて変化させるように制御する場合には、
電動機の各相の駆動電流の通電角を120度として速度
調節部材の変位に応じて出力を制御する120度通電制
御と、通電角を180度として速度調節部材の変位に応
じて出力を制御する180度通電制御とを行わせ得るよ
うにしておき、速度調節部材と電動機の回転速度とに応
じて120度通電制御または180度通電制御を行わせ
る。
【0066】図3は、本発明の好ましい実施形態におい
て用いる3相ブラシレス直流電動機の出力対回転速度特
性を示したものである。同図において曲線A〜Cはそれ
ぞれ図13に示した曲線a´〜c´と同様のものであ
り、制御進み角γを正規の進み角γo に固定し、各相の
駆動電流の通電角を180度として、スロットル開度を
α1 ,α2 及びα3 (α1 <α2 <α3 )に保って電動
機を起動した場合に、電動機の出力がスロットル開度に
相応したデューティ比で得られる最大値に達した後、そ
の最大値を維持したままの状態で回転速度を設定値まで
上昇させるように、設定された速度領域でスロットル開
度の各値におけるデューティ比を回転速度に応じて所定
の割合で変化させるように制御した場合に得られる特性
を示したものである。これらの出力特性はほぼ台形状を
呈する特性となる。
【0067】また曲線A´,B´,C´及びD´は、そ
れぞれ、駆動電流の通電角を120度とし、制御進み角
を正規の進み角γo に固定した状態で、スロットル開度
をα1 ,α2 ,α3 及びα4 (α1 <α2 <α3 <α4
)として、駆動電流のデューティ比をそれぞれのスロ
ットル開度に相応した値とした場合の出力対回転速度特
性である。これらの特性では、駆動電流のデューティ比
をスロットル開度に応じて決まる値に固定しており、曲
線D´の特性では、デューティ比を100%としてい
る。
【0068】更に図3の曲線Eは、制御進み角を正規の
進み角γo に固定し、駆動電流の通電角を180度とし
た状態で、スロットル開度をα5 として駆動電流のデュ
ーティ比を100%とした場合に得られる特性である。
【0069】また曲線Fは図13の曲線iと同じもの
で、スロットル開度をα8 とした場合(フルスロットル
時)に、駆動電流のデューティ比を100%として、出
力対回転速度特性が台形状を呈するように制御進み角を
制御した場合に得られる特性である。
【0070】図3において曲線イ〜ハは図13に示した
曲線イ〜ハと同様の負荷曲線であり、道路の傾斜角がβ
o ,β1 及びβ2 (βo <β1 <β2 )の場合の走行抵
抗を各回転速度に対して示したものである。ここでβo
は平坦な道路(傾斜角=0)の場合を示している。
【0071】本発明の好ましい実施形態においては、図
3に斜線を施して示した領域よりも内側の領域をデュー
ティ比制御領域とし、この制御領域では、駆動電流の通
電角を120度としてスロットル開度の変化に応じてデ
ューティ比を0から100%まで変化させることにより
電動機の出力を制御するデューティ比制御を行わせる。
【0072】また図3の斜線が施された領域を通電角制
御領域とし、この領域では、駆動電流のデューティ比を
100%に固定した状態でスロットル開度に応じて通電
角を120度と180度との間で変化させる通電角制御
を行わせる。
【0073】更に斜線が施された領域の外側の領域を進
角制御領域とし、この領域では通電角を180度とし、
デューティ比を100%に固定した状態でスロットル開
度に応じて電動機の制御進み角を変化させる制御進み角
制御を行わせる。
【0074】図10に示した制御装置を用いて、上記デ
ューティ制御を行わせる場合には、スロットル開度と電
動機の回転速度とに対してデューティ比制御領域を設定
して、該デューティ比制御領域でスロットル開度の変化
と回転速度の変化とに対して所定の割合で駆動電流のデ
ューティ比を変化させるように、スロットル開度と回転
速度とデューティ比との間の関係を与えるマップをデュ
ーティ比決定用マップとして作成して、該マップをコン
トローラ38内のマイクロコンピュータのROMに記憶
させておく。そして、電動機1の回転速度の検出値とポ
テンショメータ37から得られるスロットル開度の検出
値とに基づいて該マップから読み出したデューティ比に
補間演算を施すことにより、検出された回転速度とスロ
ットル開度とに対するデューティ比を演算し、各相の駆
動電流のデューティ比を演算されたデューティ比に等し
くするように、ゲートドライブ回路40からスイッチン
グ回路41のFET42x〜42zに所定のデューティ
比で断続する駆動信号を与える。
【0075】また通電角制御を行わせるために、スロッ
トル開度と電動機の回転速度とに対して通電角制御領域
を設定して、該通電角制御領域でスロットル開度の変化
と回転速度の変化とに対して所定の割合で各相の通電角
を変化させるように、スロットル開度と回転速度と通電
角との間の関係を与えるマップを通電角決定用マップと
して作成して、該マップをROMに記憶させておく。そ
して、電動機1の回転速度の検出値とスロットル開度の
検出値とに基づいて通電角決定用マップから読み出した
通電角に補間演算を施すことにより、検出された回転速
度とスロットル開度とに対する通電角を演算し、各相の
駆動電流の通電角を演算された通電角に等しくするよう
に、ゲートドライブ回路40からスイッチング回路41
のFET42u〜42w及び42x〜42zに与える駆
動信号のパルス幅を制御する。
【0076】更に、制御進み角制御を行わせるために、
スロットル開度と電動機の回転速度とに対して制御進み
角制御領域を設定して、該制御進み角制御領域でスロッ
トル開度の変化と回転速度の変化とに対して所定の割合
で各相の制御進み角を変化させるように、スロットル開
度と回転速度と制御進み角との間の関係を与えるマップ
を制御進み角決定用マップとして作成して、該マップを
ROMに記憶させておく。そして、電動機1の回転速度
の検出値とスロットル開度の検出値とに基づいて制御進
み角決定用マップから読み出した制御進み角に補間演算
を施すことにより、検出された回転速度とスロットル開
度とに対する制御進み角を演算し、各相の駆動電流の制
御進み角を演算された制御進み角に等しくするように、
ゲートドライブ回路40からスイッチング回路41のF
ET42u〜42w及び42x〜42zに与える駆動信
号の立上り位置及び立ち下がり位置を制御する。
【0077】一例として、スロットル開度の変化に対し
て図4に示すように出力と回転速度とを変化させるよう
に電動機を制御する場合に用いるデューティ比決定用マ
ップを図5に示し、通電角決定用マップを図6に示し
た。また制御進み角決定用マップを図7に示した。これ
らのマップは図3に示すような特性が得られることを前
提にし、図8の曲線aに示したようにスロットル開度を
増大させて加速する際に通電角を180度とし、図8の
曲線bのようにスロットル開度を減少させて減速する際
及び定常走行時に通電角を120度とすることを基本と
して作成されている。これらのマップの細部は、ベンチ
テストや走行テストの結果に基づいて実験的に決定す
る。
【0078】通電角制御及び制御進み角制御を行わせる
ためには、スイッチング回路41のスイッチ素子(FE
T42u〜42w及び42x〜42z)に与える駆動信
号の角度幅と立上り位置とをスロットル開度と回転速度
とに対して制御し得るようにしておく必要がある。その
ため、本実施形態では、図1に示す回路を用いて位置検
出信号hu 〜hw の立上り及び立ち下がりでそれぞれ立
上り検出信号Hic1 及び立ち下がり検出信号Hic2 を発
生させ、これの検出信号が発生したときにコントローラ
38を構成するマイクロコンピュータにより実行される
メインルーチンに割り込みをかけて、マイクロコンピュ
ータ内のタイマを制御することにより、所定の立上り位
置で所定の通電角を有する駆動信号Su 〜Sw 及びSx
〜Sz を発生させるようにしている。
【0079】図1において50は電源電圧Vccを与える
電源ラインと、アースラインと、ブラシレス直流電動機
1に設けられた位置検出器Hu 〜Hw から得られる位置
検出信号hu 〜hw を与える信号ラインとが接続される
コネクタで、このコネクタ50に接続された信号線Lu
,Lv 及びLw と抵抗R1 ,R2 及びR3 とを介して
コントローラ38を構成するマイクロコンピュータの入
力ポートP10,P11,及びP12に位置検出信号hu ,h
v 及びhw が入力されている。また信号線Lu ,Lv 及
びLw はそれぞれダイオードD1 ,D2 及びD3 を通し
てマイクロコンピュータの電源(5[V])に接続され
ている。これらのダイオードは、信号線Lu 〜Lw にマ
イクロコンピュータの電源電圧(5[V])を超える電
圧が入力されたときに該入力電圧の電源電圧を超える分
を電源を通してマイクロコンピュータから側路するため
に設けられている。信号線Lu 〜Lw にはまた抵抗R4
〜R6 を通して電源電圧が印加されている。信号線Lu
に入力されるU相の位置検出信号hu は抵抗R7 を通し
てインバータ51に入力され、インバータ51の出力端
子には抵抗R8 を通して電源電圧が印加されている。イ
ンバータ51の出力信号はナンド回路54の一方の入力
端子に入力されるとともに、インバータ52に入力され
ている。インバータ52の出力信号は抵抗R9 とコンデ
ンサC1 とからなる積分回路に入力され、積分回路のコ
ンデンサC1 の両端の電圧がナンド回路54の他方の入
力端子に入力されている。インバータ52の出力端子に
は抵抗R10を通して電源電圧が印加され、該インバータ
52の出力信号はナンド回路53の一方の入力端子に入
力されている。またインバータ51の出力信号が抵抗R
11とコンデンサC2 とからなる積分回路に入力され、該
積分回路のコンデンサC2の両端の電圧がナンド回路5
3の他方の入力端子に入力されている。またナンド回路
53及び54の出力端子にはそれぞれ抵抗R12及びR13
を通して電源電圧が印加されている。ナンド回路53の
出力信号は立上り検出信号Hic1 としてマイクロコンピ
ュータの割り込み信号入力端子FTi1及びFTi3に入力
され、ナンド回路54の出力信号は立ち下がり検出信号
Hic2 としてマイクロコンピュータの割り込み信号入力
端子FTi2に入力されている。
【0080】この例では、インバータ51,52と、ナ
ンド回路53,54と、抵抗R7 〜R13と、コンデンサ
C1 及びC2 とによりU相の位置検出信号hu の立上り
及び立ち下がりをそれぞれ検出するエッジ検出回路が構
成されている。
【0081】図1には図示してないが、V相及びW相の
位置検出信号hv 及びhw に対してもそれぞれ図1に示
したものと同様のエッジ検出回路が設けられていて、該
エッジ検出回路から得られる立上り検出信号Hic1 及び
立ち下がり検出信号Hic2 がマイクロコンピュータの割
り込み信号入力端子に入力されている。
【0082】図1の回路において、位置検出信号hu が
高レベルの状態に安定しているとき及び低レベルの状態
に安定しているときには、ナンド回路53及び54の出
力が高レベルになっている。位置検出信号hu が低レベ
ルから高レベルに立上ると、ナンド回路53の出力がコ
ンデンサC2 の放電が完了するまでの短時間の間だけ低
レベルになり、このナンド回路53の出力の立ち下がり
が立上り検出信号Hic1 としてマイクロコンピュータに
より認識される。また位置検出信号hu が高レベルから
低レベルに立ち下がると、ナンド回路54の出力がコン
デンサC1 の放電が完了するまでの短時間の間低レベル
に立ち下がり、このナンド回路54の出力の立ち下がり
が立ち下がり検出信号Hic2 としてマイクロコンピュー
タにより認識される。
【0083】図2は、図1の回路が用いられる場合の各
部の信号波形を示したもので、図2(A)〜(C)はそ
れぞれ位置検出信号hu 〜hw を示し、図2(D)及び
(I)はそれぞれ立ち下がり検出信号Hic2 及び立上り
検出信号Hic1 を示している。なおこれらの検出信号は
実際には、高レベルの状態から低レベルの状態に瞬時的
に立ち下がる負論理の信号であるが、便宜上図2におい
ては正論理の信号として示してある。
【0084】図2(E)はマイクロコンピュータ内に設
けられたタイマT1 の計数動作を示す線図であり、図2
(F)ないし(H)はそれぞれタイマT1 の動作により
発生させられる駆動信号Su 〜Sw を示している。
【0085】また図2(J)はマイクロコンピュータ内
に設けられたタイマT2 の計数動作を示す線図で、図2
(K)ないし(M)はそれぞれタイマT2 の動作により
発生させられる駆動信号Sx 〜Sz を示している。
【0086】図2(N)ないし(P)はそれぞれ通電角
を180度とする場合にU相、V相及びW相の電機子コ
イルに印加される電圧の波形を示している。
【0087】図1の回路において、V相の位置検出信号
hv の立ち下がりを示す立ち下がり検出信号Hic2 が発
生すると、CPUは割込みルーチンを実行して、U相の
駆動信号Su の立上りを決める角度δをそのときの回転
速度における時間に換算したものに相当する計数値をタ
イマT1 にセットし、該タイマT1 の計数動作を開始さ
せる。タイマT1 がδに相当する時間の計数を完了した
ときにU相の駆動信号Su を立ち上げるとともに、タイ
マを走らせたままで該タイマにW相の駆動信号Sw の立
ち下がりを決めるための角度Bを時間に換算したものに
相当する計数値をセットする。タイマT1 が角度Bに相
当する計数値の計数を完了したときにW相の駆動信号S
w を立ち下げるとともにタイマT1 をリセットする。
【0088】次にW相の位置検出信号hw の立ち下がり
を検出する立ち下がり検出信号Hic2 が発生したときに
タイマT1 にV相の駆動信号の立上りを決める角度δに
相当する計数値をセットして該タイマT1 の計数動作を
開始させ、タイマT1 がδに相当する計数値の計数を完
了したときにV相の駆動信号Sv を立ち上げると同時に
タイマT1 を走らせたままの状態でU相の駆動信号の立
ち下がりを決める角度Bに相当する計数値をセットし、
該計数値の計数動作が完了したときにU相の駆動信号S
u を立ち下げる。
【0089】同様に、U相の位置検出信号hu の立ち下
がりを検出する立ち下がり検出信号Hic2 が発生したと
きにタイマT1 にW相の駆動信号の立上りを決めるため
の角度δに相当する計数値をセットして該タイマT1 の
計数動作を開始させ、タイマT1 がδに相当する計数値
の計数を完了したときにW相の駆動信号Sw を立ち上げ
ると同時にタイマT1 を走らせたままの状態でV相の駆
動信号の立ち下がりを決めるための角度Bに相当する計
数値をセットし、該計数値の計数動作が完了したときに
V相の駆動信号Sv を立ち下げる。
【0090】同様にして、位置検出信号hu 〜hw の立
上りを検出する立上り検出信号Hic1 が発生したときに
行われる割込みにより、図2(J)に示すようにタイマ
T2を動作させて、図2(K)ないし(M)に示すよう
に駆動信号Sx 〜Sz を発生させる。
【0091】上記のようにして駆動信号Su 〜Sw 及び
Sx 〜Sz を発生させると、各駆動信号の角度幅(通電
角)はA+B(但しA=120−δ)となり、各駆動信
号の立上り位置(制御進み角)をδにより決めることが
できる。従って、スロットル開度と回転速度とに対して
δに相当する計数値をマップ演算することにより各スロ
ットル開度と回転速度とに対して制御進み角を決定する
ことができ、スロットル開度と回転速度とに対してBに
相当する計数値を演算することにより、各相の駆動電流
の通電角を決めることができ、図2(N)に示したよう
に、通電角を120度から180度まで変化させること
ができる。なお図2(N)においてVDは電源電圧を示
している。
【0092】次に、図3において斜線を施した領域を通
電角制御領域とし、斜線を施した領域の内側及び外側を
それぞれデューティ比制御領域及び制御進み角制御領域
として、本発明の方法により電動機の出力制御を行わせ
た場合の電動機の動作の一例を図3を用いて説明すると
下記の通りである。今平地走行時(負荷曲線イ)にスロ
ットル開度を最大(=α8 )にした状態で車両を発進さ
せたとすると、デューティ比が100%に固定された状
態で180度通電制御が行われ、出力特性は曲線Fに沿
って推移する。180度通電制御においてデューティ比
を100%とした場合に最大出力が得られる回転速度N
1 に達すると制御進み角制御が開始され、設定された回
転速度領域で出力がほぼ一定になるように制御進み角が
制御される。設定された回転速度領域を超えて回転速度
が上昇していくと出力が低下していき、最終的には曲線
Fと負荷曲線イとの交点の回転速度N2 で回転する。
【0093】次いで運転者が速度を下げるためにスロッ
トル開度を例えばα3 まで絞ると、負荷曲線イに沿って
回転速度が低下していき、回転速度N3 において通電角
制御領域に入る。通電角制御領域では通電角が180度
から120度へと連続的に変化していき、回転速度が低
下していく。回転速度がN4 まで低下すると通電角が1
20度なり、通電角制御が終了する。回転速度がN4 よ
りも低くなると120度通電制御が開始され、駆動電流
のデューティ比がスロットル開度α3 に相応した値まで
減少させられる。この時の出力特性曲線はC´となり、
該特性曲線C´と負荷曲線イとの交点の回転速度N5 で
回転速度が落ち着く。
【0094】上記の例では、スロットル開度を最大に保
ったままで発進を行わせるとしたが、実際には、速度が
過大になる前にスロットル開度が減少させられるため、
定常走行時には殆どの場合、図3の斜線が施された領域
よりも内側の領域で運転が行われる。通電角を120度
とした場合には、図17(E)に示したように、各相の
駆動電流が正負の通電区間において均一に流れるため、
異音が発生することがない。なお図17(A)ないし
(C)はそれぞれ位置検出信号hu 〜hw を示してお
り、同図(D)のEu ´及びeu ´はそれぞれU相の電
機子コイルの印加電圧及び逆起電圧である。また図17
(E)のEu はU相の電機子コイルの両端の実際の電
圧、Iu は該電圧Eu により流れる駆動電流を示してい
る。
【0095】上記の例では、180度通電制御でデュー
ティ比を100%とした場合に各負荷に対して最大出力
が得られる回転速度を超える領域で制御進み角制御を行
わせているが、特に高速性能を向上させることを望まな
い場合には、制御進み角制御を行わずに、120度通電
制御及び通電角制御のみを行わせるようにしてもよい。
【0096】図3に示したように、通電角を120度と
してデューティ制御を行わせるデューティ比制御領域
と、通電角を120度と180度との間で変化させる通
電角制御領域と、デューティ比を100%に保って制御
進み角を制御する制御進み角制御を行わせる制御進み角
制御領域とを分けておくと、デューティ比決定用マッ
プ、通電角決定用マップ及び制御進み角決定用マップの
作成を容易にすることができる。しかしながら、本発明
は、このように制御領域を分ける場合に限定されるもの
ではなく、例えば、デューティ比制御を行わせながら通
電角をも変化させるように、各マップを作成することも
できる。
【0097】上記の説明では、通電角を180度として
制御する場合に、デューティ比を100%に固定すると
したが、180度通電制御においても、デューティ比を
制御するようにしてもよい。例えば図3の斜線が施され
た領域で通電角を180度としてスロットル開度に応じ
てデューティ比を制御し、斜線が施された領域の内側の
領域で通電角を120度としてスロットル開度に応じて
デューティ比を制御するようにしてもよい。
【0098】上記の例では、通電角を120度とする場
合に、出力対回転速度特性を台形状にする制御(所定の
回転速度領域で出力を一定に保つようにする制御)を行
わせていないが、120度通電制御においても、出力対
回転速度特性を台形状とする制御を行わせるようにして
もよい。
【0099】また180度通電制御において、出力対回
転速度特性を台形状とする制御を行わない場合にも本発
明を適用できる。、
【0100】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、n相の
ブラシレス直流電動機の各相の駆動電流の通電角を、異
音が生じるおそれがない360/n度から360/n度
よりも大きい角度まで変化させ得るようにしておいて、
各相の駆動電流の通電角を速度調節部材の位置と回転速
度とに応じて決定した大きさとするようにしたので、定
常運転時に通電角を360/n度とし、起動時や加速時
のように特に出力を必要とする場合にのみ通電角を36
0/n度よりも大きくするように設定しておくことによ
り、出力を犠牲にすることなく、異音が発生する頻度を
少なくして車両の乗り心地を改善することができる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態で用いる回路の構
成を示した回路図である。
【図2】図1の回路が用いられる場合の各部の信号波形
を示した波形図である。
【図3】本発明の好ましい実施の形態で用いる電動機の
特性を示した線図である。
【図4】本発明の好ましい実施の形態により得られる出
力とスロットル開度と回転速度との関係を示した線図で
ある。
【図5】本発明の好ましい実施の形態でスロットル開度
と回転速度とに対してデューティ比を決定するために用
いる三次元マップを示した図である。
【図6】本発明の好ましい実施の形態でスロットル開度
と回転速度とに対して通電角を決定するために用いる三
次元マップを示した図である。
【図7】本発明の好ましい実施の形態でスロットル開度
と回転速度とに対して制御進み角を決定するために用い
る三次元マップを示した図である。
【図8】本発明の好ましい実施の形態でデューティ比と
通電角と制御進み角とをスロットル開度と回転速度とに
対して決定するために用いる三次元マップを作成する際
の基本的な考え方を説明するための線図である。
【図9】本発明を適用する電動車両の要部の構造を示し
た断面図である。
【図10】本発明を適用する電動車両に用いられている
制御装置のハードウェアの構成例を概略的に示した構成
図である。
【図11】3相ブラシレス直流電動機において駆動電流
の通電角を120度とした場合の各部の信号波形及び電
圧波形を示した線図である。
【図12】3相ブラシレス直流電動機において駆動電流
の通電角を180度とした場合の各部の信号波形及び電
圧波形を示した線図である。
【図13】従来の電動車両用ブラシレス直流電動機の出
力対回転速度特性と負荷曲線とを示した線図である。
【図14】従来のブラシレス直流電動機の制御方法を説
明するための線図である。
【図15】ブラシレス直流電動機の各部の信号波形と電
圧及び電流波形とを回転子と固定子との位置関係ととも
に示した図である。
【図16】3相ブラシレス直流電動機において通電角を
180度とした場合の各部の電圧及び電流波形を示した
線図である。
【図17】3相ブラシレス直流電動機において通電角を
120度とした場合の各部の電圧及び電流波形を示した
線図である。
【符号の説明】
1 3相ブラシレス直流電動機 12u〜12w 電機子コイル 36 アクセルグリップ 37 ポテンショメータ 38 コントローラ 40 ゲートドライブ回路 41 スイッチング回路 42u 〜42w FET 42x 〜42z FET
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 15/00 H02P 6/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動車両の駆動輪を駆動するn相(nは
    3以上の整数)ブラシレス直流電動機の出力を速度調節
    部材の変位に応じて変化させるように制御する電動車両
    用ブラシレス直流電動機の制御方法において、 前記電動機の各相の駆動電流の通電角を360/n度と
    360/n度よりも大きい角度との間で変化させ得るよ
    うにしておき、 前記駆動電流の通電角を速度調節部材の位置と電動機の
    回転速度とに応じて決定した大きさとして速度調節部材
    の変位に応じて電動機の出力を制御することを特徴とす
    る電動車両用ブラシレス直流電動機の制御方法。
  2. 【請求項2】 電動車両の駆動輪を駆動する3相ブラシ
    レス直流電動機の出力を速度調節部材の変位に応じて変
    化させるように制御する電動車両用ブラシレス直流電動
    機の制御方法において、 前記電動機の各相の駆動電流の通電角を120度と18
    0度との間で変化させ得るようにしておき、 前記駆動電流の通電角を速度調節部材の位置と電動機の
    回転速度とに応じて決定した大きさとして速度調節部材
    の変位に応じて電動機の出力を制御することを特徴とす
    る電動車両用ブラシレス直流電動機の制御方法。
  3. 【請求項3】 電動車両の駆動輪を駆動する3相ブラシ
    レス直流電動機の出力を速度調節部材の変位に応じて変
    化させるように制御する電動車両用ブラシレス直流電動
    機の制御方法において、 前記電動機の各相の駆動電流の通電角を120度として
    前記速度調節部材の変位に応じて出力を制御する120
    度通電制御と、前記通電角を180度として前記速度調
    節部材の変位に応じて出力を制御する180度通電制御
    とを行わせ得るようにしておいて、速度調節部材の位置
    と電動機の回転速度とに応じて前記120度通電制御ま
    たは180度通電制御を行わせ、 前記120度通電制御から180度通電制御に移行させ
    る際には通電角を120度から180度まで連続的に変
    化させ、180度通電制御から120度通電制御に移行
    する際には通電角を180度から120度に連続的に変
    化させることを特徴とする電動車両用ブラシレス直流電
    動機の制御方法。
  4. 【請求項4】 電動車両の駆動輪を駆動する3相ブラシ
    レス直流電動機の出力を速度調節部材の変位に応じて変
    化させるように制御する電動車両用ブラシレス直流電動
    機の制御方法において、 前記電動機の各相の駆動電流の通電角を120度として
    前記速度調節部材の変位に応じて出力を制御する120
    度通電制御と、前記通電角を180度として前記速度調
    節部材の変位に応じて出力を制御する180度通電制御
    とを行わせ得るようにしておき、 前記電動機の起動時及び加速時には前記180度通電制
    御を行わせ、 前記電動機の定常運転時及び減速時には前記120度通
    電制御を行わせることを特徴とする電動車両用ブラシレ
    ス直流電動機の制御方法。
  5. 【請求項5】 電動車両の駆動輪を駆動する3相ブラシ
    レス直流電動機の回転速度を速度調節部材の変位に応じ
    て変化させるように制御する電動車両用ブラシレス直流
    電動機の制御方法において、 速度調節部材の変位に応じて駆動電流のデューティ比を
    変化させることにより電動機の出力を制御するデューテ
    ィ比制御領域と、速度調節部材の変位に応じて駆動電流
    の通電角を変化させることにより電動機の出力を制御す
    る通電角制御領域とを速度調節部材の位置と電動機の回
    転速度とに対して設定しておき、 前記速度調節部材の位置及び回転速度が前記デューティ
    比制御領域にあるときには、前記駆動電流の通電角を1
    20度として速度調節部材の変位に応じて駆動電流のデ
    ューティ比を変化させることにより前記電動機の出力を
    制御し、 前記速度調節部材の位置及び回転速度が前記通電角制御
    領域にあるときには駆動電流のデューティ比を100%
    とした状態で速度調節部材の変位に応じて前記通電角を
    120度と180度との間で変化させることにより電動
    機の出力を制御することを特徴とする電動車両用ブラシ
    レス直流電動機の制御方法。
  6. 【請求項6】 電動車両の駆動輪を駆動する3相ブラシ
    レス直流電動機の回転速度を速度調節部材の変位に応じ
    て変化させるように制御する電動車両用ブラシレス直流
    電動機の制御方法において、 速度調節部材の変位に応じて駆動電流のデューティ比を
    変化させることにより電動機の出力を制御するデューテ
    ィ比制御領域と、速度調節部材の変位に応じて駆動電流
    の通電角を変化させることにより電動機の出力を制御す
    る通電角制御領域と、速度調節部材の変位に応じて電動
    機の制御進み角を変化させることにより電動機の出力を
    制御する制御進み角制御領域とを速度調節部材の位置と
    電動機の回転速度とに対して設定しておき、 前記速度調節部材の位置及び回転速度が前記デューティ
    比制御領域にあるときには、前記駆動電流の通電角を1
    20度として速度調節部材の変位に応じて駆動電流のデ
    ューティ比を変化させることにより前記電動機の出力を
    制御し、 前記速度調節部材の位置及び回転速度が前記通電角制御
    領域にあるときには駆動電流のデューティ比を100%
    とした状態で速度調節部材の変位に応じて前記通電角を
    120度と180度との間で変化させることにより電動
    機の出力を制御し、 速度調節部材の位置及び回転速度が前記制御進み角制御
    領域にあるときには前記駆動電流のデューティ比を10
    0%とし、通電角を180度とした状態で速度調節部材
    の変位に応じて制御進み角を変化させることにより電動
    機の出力を制御することを特徴とする電動車両用ブラシ
    レス直流電動機の制御方法。
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