JPH08265919A - 電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法 - Google Patents
電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法Info
- Publication number
- JPH08265919A JPH08265919A JP7061241A JP6124195A JPH08265919A JP H08265919 A JPH08265919 A JP H08265919A JP 7061241 A JP7061241 A JP 7061241A JP 6124195 A JP6124195 A JP 6124195A JP H08265919 A JPH08265919 A JP H08265919A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- control
- advance angle
- speed
- angle
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 43
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 claims abstract description 35
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 claims description 79
- 230000001629 suppression Effects 0.000 claims description 35
- 230000007423 decrease Effects 0.000 claims description 22
- 230000000979 retarding effect Effects 0.000 claims description 12
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 claims description 7
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 claims description 6
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 abstract 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 abstract 1
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 14
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 14
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 12
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 6
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical group [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 3
- 230000005284 excitation Effects 0.000 description 3
- 239000003638 chemical reducing agent Substances 0.000 description 2
- 230000009194 climbing Effects 0.000 description 2
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 2
- 230000020169 heat generation Effects 0.000 description 2
- 229910001234 light alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 2
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 1
- 230000001934 delay Effects 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- 230000005669 field effect Effects 0.000 description 1
- 239000004973 liquid crystal related substance Substances 0.000 description 1
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 1
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/64—Electric machine technologies in electromobility
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/72—Electric energy management in electromobility
Landscapes
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】電機子コイルや駆動回路の構成部品などが過負
荷運転により焼損するのを防ぐことができる電動車両用
ブラシレス直流電動機の駆動方法を提供する。 【構成】 電動車両用のブラシレス直流電動機1の電機
子コイル12の温度及び電機子コイル12に駆動電流を
流すスイッチ回路41の温度をそれぞれ検出する温度セ
ンサ47及び46を設ける。温度センサ46または47
のいずれかにより異常な温度上昇が検出されたときに、
電動機1の制御進み角を遅角させる制御を行い、これに
より電機子コイル12に供給される駆動電流を制限して
駆動電流による発熱を抑制する。
荷運転により焼損するのを防ぐことができる電動車両用
ブラシレス直流電動機の駆動方法を提供する。 【構成】 電動車両用のブラシレス直流電動機1の電機
子コイル12の温度及び電機子コイル12に駆動電流を
流すスイッチ回路41の温度をそれぞれ検出する温度セ
ンサ47及び46を設ける。温度センサ46または47
のいずれかにより異常な温度上昇が検出されたときに、
電動機1の制御進み角を遅角させる制御を行い、これに
より電機子コイル12に供給される駆動電流を制限して
駆動電流による発熱を抑制する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動スクータや、電気
自動車等の電動車両の駆動源として用いる電動車両用ブ
ラシレス直流電動機の駆動方法に関するものである。
自動車等の電動車両の駆動源として用いる電動車両用ブ
ラシレス直流電動機の駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電動スクータや電気自動車等の電動車両
の駆動源として、ブラシレス直流電動機が用いられてい
る。周知のように、ブラシレス直流電動機は、3相以上
の多相の電機子コイルを有するステータと、磁石界磁を
有するロータと、ロータの回転角度位置を検出する位置
検出器と、バッテリを電源として、位置検出器により検
出されたロータの回転角度位置に応じて決定される相の
電機子コイルに、速度調節部材の増速側及び減速側への
変位に応じてそれぞれデューティ比が増加及び減少する
ようにパルス幅変調された駆動電流を流す駆動装置とを
備えていて、位置検出器により検出されたロータの回転
角度位置に応じて駆動電流を流す相(励磁相)を切り替
えることによりロータを回転させるようになっている。
の駆動源として、ブラシレス直流電動機が用いられてい
る。周知のように、ブラシレス直流電動機は、3相以上
の多相の電機子コイルを有するステータと、磁石界磁を
有するロータと、ロータの回転角度位置を検出する位置
検出器と、バッテリを電源として、位置検出器により検
出されたロータの回転角度位置に応じて決定される相の
電機子コイルに、速度調節部材の増速側及び減速側への
変位に応じてそれぞれデューティ比が増加及び減少する
ようにパルス幅変調された駆動電流を流す駆動装置とを
備えていて、位置検出器により検出されたロータの回転
角度位置に応じて駆動電流を流す相(励磁相)を切り替
えることによりロータを回転させるようになっている。
【0003】ここで駆動電流のデューティ比は、駆動電
流のオンオフの周期に対するオン時間の割合を示すもの
で、駆動電流が流れる時間をton、駆動電流が零になる
時間をtoff 、オンオフの周期をT(=ton+toff )
とした場合、デューティ比DFは、DF=(ton/T)
×100[%]で定義される。
流のオンオフの周期に対するオン時間の割合を示すもの
で、駆動電流が流れる時間をton、駆動電流が零になる
時間をtoff 、オンオフの周期をT(=ton+toff )
とした場合、デューティ比DFは、DF=(ton/T)
×100[%]で定義される。
【0004】ブラシレス直流電動機において、駆動電流
を流す相を切り換える位相角(電気角)は制御進み角γ
と呼ばれており、この制御進み角γは一般には、理論的
な切換位相角よりも進み側に設定される。
を流す相を切り換える位相角(電気角)は制御進み角γ
と呼ばれており、この制御進み角γは一般には、理論的
な切換位相角よりも進み側に設定される。
【0005】ブラシレス直流電動機においては、上記制
御進み角γにより発生トルク及び最高回転数が変化し、
トルクを大きくするように制御進み角γを設定すると最
高回転数が低くなり、制御進み角γを進角させていくと
最高回転数が高くなるが発生トルクは小さくなってい
く。
御進み角γにより発生トルク及び最高回転数が変化し、
トルクを大きくするように制御進み角γを設定すると最
高回転数が低くなり、制御進み角γを進角させていくと
最高回転数が高くなるが発生トルクは小さくなってい
く。
【0006】電動車両においては、電動機により車軸を
直接駆動するダイレクトドライブ方式を採用するか、ま
たは電動機の回転を、変速比が一定値に固定された変速
機を介して車軸に伝達する方式を採用する場合が多い
が、これらの場合には、電動機の駆動回転領域を広くと
ることが必要とされる。そのためダイレクトドライブ式
の電動車両にブラシレス直流電動機を用いる場合には、
低速時に十分に大きなトルクを得ることができる制御進
み角γを正規の制御進み角γo として設定して、回転数
が設定値を超える領域で回転数の上昇に応じて制御進み
角γを正規の制御進み角γo に対して進角させ、回転数
が設定された進角終了回転数を超える領域では制御進み
角の進角量を最大値に保持するようにしている。
直接駆動するダイレクトドライブ方式を採用するか、ま
たは電動機の回転を、変速比が一定値に固定された変速
機を介して車軸に伝達する方式を採用する場合が多い
が、これらの場合には、電動機の駆動回転領域を広くと
ることが必要とされる。そのためダイレクトドライブ式
の電動車両にブラシレス直流電動機を用いる場合には、
低速時に十分に大きなトルクを得ることができる制御進
み角γを正規の制御進み角γo として設定して、回転数
が設定値を超える領域で回転数の上昇に応じて制御進み
角γを正規の制御進み角γo に対して進角させ、回転数
が設定された進角終了回転数を超える領域では制御進み
角の進角量を最大値に保持するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、回転数
が設定値を超える範囲で制御進み角γを正規の制御進み
角γo よりも進角させる制御を行わせる場合、上り坂等
で速度調節部材の増速側への変位量を最大にした状態
(フルスロットルの状態)で運転しているときに、制御
進み角γが最大進角値に保たれた状態になり、電動機の
駆動電流は定格値を超えた状態になる。このような状態
が長時間続くと、電機子コイルや駆動装置の半導体スイ
ッチ素子の温度が上昇して許容値を超え、これらが破損
するおそれがある。また駆動電流が定格値を超える状態
が長時間続くとバッテリの温度が上昇して、該温度が許
容値を超える場合もある。
が設定値を超える範囲で制御進み角γを正規の制御進み
角γo よりも進角させる制御を行わせる場合、上り坂等
で速度調節部材の増速側への変位量を最大にした状態
(フルスロットルの状態)で運転しているときに、制御
進み角γが最大進角値に保たれた状態になり、電動機の
駆動電流は定格値を超えた状態になる。このような状態
が長時間続くと、電機子コイルや駆動装置の半導体スイ
ッチ素子の温度が上昇して許容値を超え、これらが破損
するおそれがある。また駆動電流が定格値を超える状態
が長時間続くとバッテリの温度が上昇して、該温度が許
容値を超える場合もある。
【0008】そのため、従来は、駆動装置や電機子コイ
ルの温度を検出する温度センサを設けて、該温度センサ
により異常な温度上昇が検出されたときに、駆動電流の
デューティ比を減少させることにより温度上昇を抑制す
る温度上昇抑制制御を行なわせていたが、この場合制御
進み角の制御は行なっていなかった。
ルの温度を検出する温度センサを設けて、該温度センサ
により異常な温度上昇が検出されたときに、駆動電流の
デューティ比を減少させることにより温度上昇を抑制す
る温度上昇抑制制御を行なわせていたが、この場合制御
進み角の制御は行なっていなかった。
【0009】ところが、温度上昇時に駆動電流の平均値
を小さくしても、制御進み角が進角したままであると、
無効電流が多く流れるため、回転数が大幅に低下し、走
行速度が制限されるという問題が生じる。実用上、温度
上昇抑制制御を行なう際の回転速度の落ち込みはできる
だけ小さくすることが望ましい。
を小さくしても、制御進み角が進角したままであると、
無効電流が多く流れるため、回転数が大幅に低下し、走
行速度が制限されるという問題が生じる。実用上、温度
上昇抑制制御を行なう際の回転速度の落ち込みはできる
だけ小さくすることが望ましい。
【0010】本発明の目的は、温度上昇抑制制御を行な
った際の回転数の変動幅を小さくすることができるよう
にした電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法を提
供することにある。
った際の回転数の変動幅を小さくすることができるよう
にした電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、バッテリを電
源として、ブラシレス直流電動機のロータの回転角度位
置に応じて決定される相の電機子コイルに、速度調節部
材の増速側及び減速側への変位に伴ってそれぞれデュー
ティ比が増加及び減少するようにパルス幅変調された駆
動電流を流して前記電動機を駆動する車両用ブラシレス
直流電動機の駆動方法に係わるものである。
源として、ブラシレス直流電動機のロータの回転角度位
置に応じて決定される相の電機子コイルに、速度調節部
材の増速側及び減速側への変位に伴ってそれぞれデュー
ティ比が増加及び減少するようにパルス幅変調された駆
動電流を流して前記電動機を駆動する車両用ブラシレス
直流電動機の駆動方法に係わるものである。
【0012】本発明においても、駆動電流を流す相を切
り換える位相角を制御進み角として、該制御進み角を回
転数に応じて制御するか、または該制御進み角を速度調
節部材の変位量と回転数とに対して制御する。
り換える位相角を制御進み角として、該制御進み角を回
転数に応じて制御するか、または該制御進み角を速度調
節部材の変位量と回転数とに対して制御する。
【0013】制御進み角を回転数に応じて制御する場合
には、電動機の回転数が設定値以下であるときに制御進
み角を予め設定した正規の制御進み角に固定し、電動機
の回転数が設定された進角開始回転数を超える範囲では
制御進み角を回転数の上昇に伴って正規の制御進み角よ
りも進角させ、電動機の回転数が設定された進角終了回
転数以上になる範囲では制御進み角の進角量を設定され
た値に固定する。
には、電動機の回転数が設定値以下であるときに制御進
み角を予め設定した正規の制御進み角に固定し、電動機
の回転数が設定された進角開始回転数を超える範囲では
制御進み角を回転数の上昇に伴って正規の制御進み角よ
りも進角させ、電動機の回転数が設定された進角終了回
転数以上になる範囲では制御進み角の進角量を設定され
た値に固定する。
【0014】また制御進み角を速度調節部材の変位量と
回転数とに対して制御する場合には、電動機の回転数が
設定値以下であるときには速度調節部材の変位量の如何
に係わりなく制御進み角を予め設定した正規の制御進み
角に固定し、電動機の回転数が設定値を超える範囲で
は、速度調節部材の増速側への変位量が回転数に応じて
設定された進角開始変位量を超える範囲で制御進み角を
速度調節部材の増速側への変位量に対して正規の制御進
み角よりも進角させ、速度調節部材の増速側への変位量
が設定された進角終了変位量以上になったときには制御
進み角の進角量を設定された値に固定する。
回転数とに対して制御する場合には、電動機の回転数が
設定値以下であるときには速度調節部材の変位量の如何
に係わりなく制御進み角を予め設定した正規の制御進み
角に固定し、電動機の回転数が設定値を超える範囲で
は、速度調節部材の増速側への変位量が回転数に応じて
設定された進角開始変位量を超える範囲で制御進み角を
速度調節部材の増速側への変位量に対して正規の制御進
み角よりも進角させ、速度調節部材の増速側への変位量
が設定された進角終了変位量以上になったときには制御
進み角の進角量を設定された値に固定する。
【0015】本発明においては、制御進み角に対して上
記いずれの制御を行う場合にも、バッテリと電機子コイ
ルと該電機子コイルに流す駆動電流を制御する駆動回路
とを含む系の各部の内、温度の監視を要する部分の温度
を検出して、温度の異常上昇が検出されたときに制御進
み角を遅角させることにより駆動電流を減少させて温度
上昇を抑制する温度上昇抑制制御を行う。
記いずれの制御を行う場合にも、バッテリと電機子コイ
ルと該電機子コイルに流す駆動電流を制御する駆動回路
とを含む系の各部の内、温度の監視を要する部分の温度
を検出して、温度の異常上昇が検出されたときに制御進
み角を遅角させることにより駆動電流を減少させて温度
上昇を抑制する温度上昇抑制制御を行う。
【0016】また、温度の監視を要する部分の温度の異
常上昇が検出されたときに、単に制御進み角を遅角させ
るだけでなく、制御進み角を遅角させると同時に駆動電
流のデューティ比をも減少させることにより温度上昇抑
制制御を行うようにしてもよい。
常上昇が検出されたときに、単に制御進み角を遅角させ
るだけでなく、制御進み角を遅角させると同時に駆動電
流のデューティ比をも減少させることにより温度上昇抑
制制御を行うようにしてもよい。
【0017】本発明において、駆動電流のデューティ比
の制御のしかたは特に限定しないが、制御進み角を速度
調節部材の変位量と回転数とに対して制御する場合に
は、速度調節部材の変位量に対するデューティ比の変化
率を電動機の回転数に応じて変化させるようにデューテ
ィ比を速度調節部材の変位量と回転数とに対して制御す
るのが望ましい。
の制御のしかたは特に限定しないが、制御進み角を速度
調節部材の変位量と回転数とに対して制御する場合に
は、速度調節部材の変位量に対するデューティ比の変化
率を電動機の回転数に応じて変化させるようにデューテ
ィ比を速度調節部材の変位量と回転数とに対して制御す
るのが望ましい。
【0018】本発明においてはまた、温度上昇抑制制御
が行われているときに、温度上昇抑制制御中であること
を示す警告信号を発生させ、該警告信号により警告装置
の適宜の表示手段を動作させるようにするのが望まし
い。
が行われているときに、温度上昇抑制制御中であること
を示す警告信号を発生させ、該警告信号により警告装置
の適宜の表示手段を動作させるようにするのが望まし
い。
【0019】本発明において、温度の異常上昇の有無の
判定は、検出された温度が設定値を超えているか否かに
より行うが、この場合に用いる設定値は1つでもよく、
複数でもよい。例えば、検出された温度が設定値以上に
なっている状態を異常な温度上昇が生じている状態と
し、検出された温度が設定値未満になっている状態を異
常な温度上昇が解消された状態とするようにしてもよ
く、検出された温度が第1の設定値以上になった状態を
異常な温度上昇が生じた状態とし、検出された温度が第
1の設定値よりも低く設定された第2の設定値以下にな
った状態を異常な温度上昇が解消した状態とするように
してもよい。
判定は、検出された温度が設定値を超えているか否かに
より行うが、この場合に用いる設定値は1つでもよく、
複数でもよい。例えば、検出された温度が設定値以上に
なっている状態を異常な温度上昇が生じている状態と
し、検出された温度が設定値未満になっている状態を異
常な温度上昇が解消された状態とするようにしてもよ
く、検出された温度が第1の設定値以上になった状態を
異常な温度上昇が生じた状態とし、検出された温度が第
1の設定値よりも低く設定された第2の設定値以下にな
った状態を異常な温度上昇が解消した状態とするように
してもよい。
【0020】
【作用】上記のように、温度の監視を要する部分の温度
を検出して、温度の異常上昇が検出されたときに制御進
み角を遅角させると、駆動電流が減少するため、バッテ
リや駆動装置内の駆動電流制御用半導体スイッチ、ある
いは電機子コイル等の、駆動電流が流れる部分からの発
熱を抑制することができる。
を検出して、温度の異常上昇が検出されたときに制御進
み角を遅角させると、駆動電流が減少するため、バッテ
リや駆動装置内の駆動電流制御用半導体スイッチ、ある
いは電機子コイル等の、駆動電流が流れる部分からの発
熱を抑制することができる。
【0021】また上記のように制御進み角を遅角させる
ことにより駆動電流を減少させる方法をとると、以下に
示すように、制御進み角を遅角させずに駆動電流のデュ
ーティ比をのみを減少させる従来の方法をとった場合に
比べて、回転数の落ち込みを少なくすることができる。
ことにより駆動電流を減少させる方法をとると、以下に
示すように、制御進み角を遅角させずに駆動電流のデュ
ーティ比をのみを減少させる従来の方法をとった場合に
比べて、回転数の落ち込みを少なくすることができる。
【0022】ブラシレス直流電動機を駆動源とした電動
車両において、フルスロットルの状態で運転が行われて
いて、電機子コイルにデューティ比が100%の駆動電
流が供給されているとすると、制御進み角がγo 〜γ3
のときの電動機の出力P[W]は、回転数N[rpm]
に対して、例えば図8の曲線Pm(γo)〜Pm(γ3)のよう
に変化する。また図8において曲線R(θ1)〜R(θ4)
は、それぞれ道路の傾斜角がθ1 〜θ4 (θ1 <θ2 <
θ3 <θ4 )であるときの走行抵抗を示しており、R
(θo)は、傾斜角がほぼ0の場合(平地走行の場合)の
走行抵抗を示している。更に、フルスロットルの状態
(駆動電流のデューティ比が100%の状態)で走行し
ているときに、制御進み角がγ1 〜γ3 であるとする
と、駆動電流Iと回転数Nとの関係は図7の曲線I(γ
1)〜I(γ3)のようになる。
車両において、フルスロットルの状態で運転が行われて
いて、電機子コイルにデューティ比が100%の駆動電
流が供給されているとすると、制御進み角がγo 〜γ3
のときの電動機の出力P[W]は、回転数N[rpm]
に対して、例えば図8の曲線Pm(γo)〜Pm(γ3)のよう
に変化する。また図8において曲線R(θ1)〜R(θ4)
は、それぞれ道路の傾斜角がθ1 〜θ4 (θ1 <θ2 <
θ3 <θ4 )であるときの走行抵抗を示しており、R
(θo)は、傾斜角がほぼ0の場合(平地走行の場合)の
走行抵抗を示している。更に、フルスロットルの状態
(駆動電流のデューティ比が100%の状態)で走行し
ているときに、制御進み角がγ1 〜γ3 であるとする
と、駆動電流Iと回転数Nとの関係は図7の曲線I(γ
1)〜I(γ3)のようになる。
【0023】今制御進み角をγ3 として、フルスロット
ルの状態で傾斜角がθ1 の坂道を走行しているものとす
ると、動作点は図8のa点になり、電動機の回転数はN
a となる。このとき電機子コイルには、図7に示すよう
に、定格値を超えた駆動電流I3 が流れる。この状態が
長く続くと電機子コイルの温度が過度に上昇して該コイ
ルが破損したり、駆動電流をオンオフする半導体スイッ
チの温度が上昇して該半導体スイッチが破損したりする
おそれがある。
ルの状態で傾斜角がθ1 の坂道を走行しているものとす
ると、動作点は図8のa点になり、電動機の回転数はN
a となる。このとき電機子コイルには、図7に示すよう
に、定格値を超えた駆動電流I3 が流れる。この状態が
長く続くと電機子コイルの温度が過度に上昇して該コイ
ルが破損したり、駆動電流をオンオフする半導体スイッ
チの温度が上昇して該半導体スイッチが破損したりする
おそれがある。
【0024】従来の方法では、このとき制御進み角をγ
3 のままにして、駆動電流のデューティ比を減少させる
制御を行っていた。制御進み角をγ3 のままにして、駆
動電流のデューティ比を減少させると、駆動電流Iと回
転数Nとの関係は図7の曲線I(γ3)´のようになり、
駆動電流は定格値または定格値よりも低い値I1 まで低
下するが、回転数はNr まで低下してしまう。この回転
数の落ち込みは比較的大きいため、温度上昇抑制制御が
働いたときに走行速度が急に低下して運転者に不快感を
与えるだけでなく、温度上昇抑制制御が行われている間
走行性能が大幅に低下するため好ましくない。
3 のままにして、駆動電流のデューティ比を減少させる
制御を行っていた。制御進み角をγ3 のままにして、駆
動電流のデューティ比を減少させると、駆動電流Iと回
転数Nとの関係は図7の曲線I(γ3)´のようになり、
駆動電流は定格値または定格値よりも低い値I1 まで低
下するが、回転数はNr まで低下してしまう。この回転
数の落ち込みは比較的大きいため、温度上昇抑制制御が
働いたときに走行速度が急に低下して運転者に不快感を
与えるだけでなく、温度上昇抑制制御が行われている間
走行性能が大幅に低下するため好ましくない。
【0025】これに対し、本発明では、所定の温度上昇
が検出されたときに制御進み角を例えばγ1 (<<γ3
)まで遅角させる。このようにすると、図7において
動作点はcとなって駆動電流がI1 まで低下するため、
各部の温度上昇が抑制される。また回転数はNc (>N
r )となるため、回転数の落ち込みも抑制され、温度上
昇抑制制御が車両の走行性能に与える影響を軽減するこ
とができる。
が検出されたときに制御進み角を例えばγ1 (<<γ3
)まで遅角させる。このようにすると、図7において
動作点はcとなって駆動電流がI1 まで低下するため、
各部の温度上昇が抑制される。また回転数はNc (>N
r )となるため、回転数の落ち込みも抑制され、温度上
昇抑制制御が車両の走行性能に与える影響を軽減するこ
とができる。
【0026】また、温度上昇時に制御進み角をγ3 のま
まにして駆動電流のデューティ比を減少させる制御を行
った場合、フルスロットル時の出力対回転数特性は図8
の曲線Pm(γ3)´のように横に寝た特性になるため、負
荷変動に対する回転数の変動が大きくなる。温度上昇時
に負荷変動に対する回転数の変動が大きい制御を行う
と、運転のフイーリングが悪くなり、過負荷に弱い印象
を運転者に与えることになり好ましくない。
まにして駆動電流のデューティ比を減少させる制御を行
った場合、フルスロットル時の出力対回転数特性は図8
の曲線Pm(γ3)´のように横に寝た特性になるため、負
荷変動に対する回転数の変動が大きくなる。温度上昇時
に負荷変動に対する回転数の変動が大きい制御を行う
と、運転のフイーリングが悪くなり、過負荷に弱い印象
を運転者に与えることになり好ましくない。
【0027】これに対し、本発明のように温度上昇時に
制御進み角を遅角させる制御を行った場合の出力対回転
数特性は、例えば図8の曲線Pm(γ1)のように立った特
性であるため、負荷変動に対する回転数の変動を小さく
抑えることができ、運転のフィーリングが悪くなるのを
防ぐことができる。
制御進み角を遅角させる制御を行った場合の出力対回転
数特性は、例えば図8の曲線Pm(γ1)のように立った特
性であるため、負荷変動に対する回転数の変動を小さく
抑えることができ、運転のフィーリングが悪くなるのを
防ぐことができる。
【0028】上記のように、本発明の方法では、異常な
温度上昇が検出されたときに制御進み角を遅角させる
が、制御進み角を遅角させ過ぎると、無効電流が大きく
なり過ぎて好ましくない。そこで、制御進み角を遅角さ
せると同時に駆動電流のデューティ比を減少させる制御
を行わせるようにすると、温度上昇の抑制のための制御
進み角の遅角量をそれ程大きくしなくて済むため、無効
電流を必要以上に大きくすることなく温度上昇を抑制す
ることができる。
温度上昇が検出されたときに制御進み角を遅角させる
が、制御進み角を遅角させ過ぎると、無効電流が大きく
なり過ぎて好ましくない。そこで、制御進み角を遅角さ
せると同時に駆動電流のデューティ比を減少させる制御
を行わせるようにすると、温度上昇の抑制のための制御
進み角の遅角量をそれ程大きくしなくて済むため、無効
電流を必要以上に大きくすることなく温度上昇を抑制す
ることができる。
【0029】上記のように、温度上昇抑制制御が行われ
ていることを表示させるようにすると、温度上昇抑制制
御が行われているために回転数が上昇しないことを運転
者に知らせることができるため、運転者が温度上昇抑制
制御が行われている状態を故障と誤解するおそれをなく
すことができる。
ていることを表示させるようにすると、温度上昇抑制制
御が行われているために回転数が上昇しないことを運転
者に知らせることができるため、運転者が温度上昇抑制
制御が行われている状態を故障と誤解するおそれをなく
すことができる。
【0030】
【実施例】図1は、本発明を適用する電動車両の一例と
して、電動スクータの要部の構成例を示したもので、同
図において、1はステータ2とロータ3とからなるアウ
タロータ構造のブラシレス直流電動機、4はケーシング
5とカバー6とからなっていて電動機1を収容するモー
タハウジング、7はロータ3の回転軸、8は回転軸7を
ケーシング5に支持する軸受、9は回転軸7に直結され
た車輪である。
して、電動スクータの要部の構成例を示したもので、同
図において、1はステータ2とロータ3とからなるアウ
タロータ構造のブラシレス直流電動機、4はケーシング
5とカバー6とからなっていて電動機1を収容するモー
タハウジング、7はロータ3の回転軸、8は回転軸7を
ケーシング5に支持する軸受、9は回転軸7に直結され
た車輪である。
【0031】図示のブラシレス直流電動機1のステータ
2は環状の継鉄部から3n個(nは整数で例えば4)の
突極部を放射状に突出させたステータ鉄心11と、該ス
テータ鉄心の突極部に巻回されたコイル12u〜12w
を3相星形結線して構成された電機子コイル12とから
なり、各突極部の外周側端部がステータ磁極13となっ
ている。電機子コイル12の3相出力端子は後述の駆動
回路の出力端子に接続されている。
2は環状の継鉄部から3n個(nは整数で例えば4)の
突極部を放射状に突出させたステータ鉄心11と、該ス
テータ鉄心の突極部に巻回されたコイル12u〜12w
を3相星形結線して構成された電機子コイル12とから
なり、各突極部の外周側端部がステータ磁極13となっ
ている。電機子コイル12の3相出力端子は後述の駆動
回路の出力端子に接続されている。
【0032】ロータ3は、ほぼカップ状のフライホイー
ル14の周壁部内周に永久磁石15を取り付けたものか
らなっている。永久磁石15は径方向に着磁されて、ス
テータ磁極13と径方向に対向する2n極のロータ磁極
16を構成している。
ル14の周壁部内周に永久磁石15を取り付けたものか
らなっている。永久磁石15は径方向に着磁されて、ス
テータ磁極13と径方向に対向する2n極のロータ磁極
16を構成している。
【0033】フライホイール14の底壁部中央にはボス
17が設けられ、該ボス17が回転軸7の一端に嵌着さ
れて、ロータ3が回転軸7に取り付けられている。
17が設けられ、該ボス17が回転軸7の一端に嵌着さ
れて、ロータ3が回転軸7に取り付けられている。
【0034】ケーシング5は軽合金等からなっていて、
カップ状部18と軸受支持部19とを有し、軸受支持部
19に嵌装された軸受8により回転軸7が支持されてい
る。ケーシング5は図示しない車両の車体に固定されて
いる。
カップ状部18と軸受支持部19とを有し、軸受支持部
19に嵌装された軸受8により回転軸7が支持されてい
る。ケーシング5は図示しない車両の車体に固定されて
いる。
【0035】カバー6は軽合金等からなっていて、カッ
プ状部20と該カップ状部の底壁中央部に設けられたス
テータ取付部21とを有し、ステータ取付部21に、ね
じ22によりステータ鉄心11が取り付けられている。
ケーシング5とカバー6とは、それぞれのカップ状部1
8及び20の開口側を突き合せた状態でねじ(図示せ
ず)により互いに結合され、両カップ状部18及び20
によりブラシレス直流電動機1が覆われた状態になって
いる。
プ状部20と該カップ状部の底壁中央部に設けられたス
テータ取付部21とを有し、ステータ取付部21に、ね
じ22によりステータ鉄心11が取り付けられている。
ケーシング5とカバー6とは、それぞれのカップ状部1
8及び20の開口側を突き合せた状態でねじ(図示せ
ず)により互いに結合され、両カップ状部18及び20
によりブラシレス直流電動機1が覆われた状態になって
いる。
【0036】ロータ3の磁極の回転角度位置を検出する
ため、ロータ3のボス17の外周に固着されたロータ位
置検出用磁石23と、これを取り囲むように、ステータ
鉄心11の環状部に120度間隔で取り付けられたホー
ルIC等のホール素子からなる3個の位置検出器24u
〜24w(図1には24uのみを図示してある。)とが
設けられている。
ため、ロータ3のボス17の外周に固着されたロータ位
置検出用磁石23と、これを取り囲むように、ステータ
鉄心11の環状部に120度間隔で取り付けられたホー
ルIC等のホール素子からなる3個の位置検出器24u
〜24w(図1には24uのみを図示してある。)とが
設けられている。
【0037】軸受8は、軸線方向に間隔をあけて配置さ
れた2個のボールベアリング25,25からなってい
て、回転軸7を回転自在に支持している。
れた2個のボールベアリング25,25からなってい
て、回転軸7を回転自在に支持している。
【0038】車輪9は、リム27と該リムの外周に装着
されたタイヤ28とからなっている。リム27の中央部
には円筒部29が固定され、円筒部29がスプライン3
0を介して回転軸7に嵌合されて回転軸7と車輪9とが
互いに結合されている。リム27の軸受8側の面には、
円筒部29を取り囲む状態でほぼカップ状に形成された
泥よけ31が固定されている。
されたタイヤ28とからなっている。リム27の中央部
には円筒部29が固定され、円筒部29がスプライン3
0を介して回転軸7に嵌合されて回転軸7と車輪9とが
互いに結合されている。リム27の軸受8側の面には、
円筒部29を取り囲む状態でほぼカップ状に形成された
泥よけ31が固定されている。
【0039】図2はブラシレス直流電動機1を駆動する
駆動制御系の構成を示したもので、この制御系としては
公知のものを使用できる。同図において、36は電動ス
クータのハンドルに設けられたアクセルグリップ(速度
調節部材)、37はアクセルグリップ36に可動接触子
37aが連結されて両端に直流電圧が印加されたポテン
ショメータ(変位量センサ)で、ポテンショメータ37
の可動接触子と接地間に得られる速度調節部材の変位量
検出信号と、位置検出器24u〜24wから得られるロ
ータ3の位置検出信号とがコントローラ38に入力され
ている。
駆動制御系の構成を示したもので、この制御系としては
公知のものを使用できる。同図において、36は電動ス
クータのハンドルに設けられたアクセルグリップ(速度
調節部材)、37はアクセルグリップ36に可動接触子
37aが連結されて両端に直流電圧が印加されたポテン
ショメータ(変位量センサ)で、ポテンショメータ37
の可動接触子と接地間に得られる速度調節部材の変位量
検出信号と、位置検出器24u〜24wから得られるロ
ータ3の位置検出信号とがコントローラ38に入力され
ている。
【0040】コントローラ38はマイクロコンピュータ
を備えていて、ポテンショメータ37から得られる速度
調節部材の変位量検出信号と図示しない回転センサから
得られる回転数検出信号とに基づいてブラシレス直流電
動機1の電機子コイルに供給する駆動電流のデューティ
比DFと制御進み角γとを決定する。
を備えていて、ポテンショメータ37から得られる速度
調節部材の変位量検出信号と図示しない回転センサから
得られる回転数検出信号とに基づいてブラシレス直流電
動機1の電機子コイルに供給する駆動電流のデューティ
比DFと制御進み角γとを決定する。
【0041】コントローラ38はまた、位置検出器24
u〜24wの出力信号に基づいて駆動電流を流す相を決
定して、電機子コイル12の3相のコイル12u〜12
wにそれぞれ流す駆動電流の位相角とデューティ比とを
定めるためのスイッチング信号を駆動回路39に与え
る。
u〜24wの出力信号に基づいて駆動電流を流す相を決
定して、電機子コイル12の3相のコイル12u〜12
wにそれぞれ流す駆動電流の位相角とデューティ比とを
定めるためのスイッチング信号を駆動回路39に与え
る。
【0042】駆動回路39はゲートドライブ回路40と
スイッチング回路41とを備え、ゲートドライブ回路4
0はコントローラ38に接続されている。またスイッチ
ング回路41は電機子コイル12のU,V,W3相のコ
イル12u〜12wに接続されている。
スイッチング回路41とを備え、ゲートドライブ回路4
0はコントローラ38に接続されている。またスイッチ
ング回路41は電機子コイル12のU,V,W3相のコ
イル12u〜12wに接続されている。
【0043】スイッチング回路41は、ドレインソース
間回路が直列に結線された3対のFET(電界効果トラ
ンジスタ)(42u,42z),(42v,42y)及
び(42w,42x)を並列に接続した構成を有する周
知の3相ブリッジ形の回路で、各FETのソース・ドレ
ン間にはダイオード44が接続されている。FET42
u〜42w及び42x〜42zのゲートはそれぞれゲー
トドライブ回路40の出力端子U〜W及びX〜Zに接続
され、FET42u〜42wのソースが電機子コイル1
2のU,V,W3相のコイル12u〜12wの入力端子
に接続されている。FET42u〜42wのドレインの
共通接続点にバッテリ43の正極端子が接続され、該バ
ッテリの負極端子は接地されている。FET42x〜4
2zのソースの共通接続点と接地間に電流検出回路45
が接続され、この電流検出回路45から得られる電流検
出信号がコントローラ38に入力されている。電流検出
回路45は例えば抵抗値が十分に小さい抵抗器からなっ
ていて、その両端に駆動電流の大きさに相応した電流検
出信号を発生する。
間回路が直列に結線された3対のFET(電界効果トラ
ンジスタ)(42u,42z),(42v,42y)及
び(42w,42x)を並列に接続した構成を有する周
知の3相ブリッジ形の回路で、各FETのソース・ドレ
ン間にはダイオード44が接続されている。FET42
u〜42w及び42x〜42zのゲートはそれぞれゲー
トドライブ回路40の出力端子U〜W及びX〜Zに接続
され、FET42u〜42wのソースが電機子コイル1
2のU,V,W3相のコイル12u〜12wの入力端子
に接続されている。FET42u〜42wのドレインの
共通接続点にバッテリ43の正極端子が接続され、該バ
ッテリの負極端子は接地されている。FET42x〜4
2zのソースの共通接続点と接地間に電流検出回路45
が接続され、この電流検出回路45から得られる電流検
出信号がコントローラ38に入力されている。電流検出
回路45は例えば抵抗値が十分に小さい抵抗器からなっ
ていて、その両端に駆動電流の大きさに相応した電流検
出信号を発生する。
【0044】本実施例では、駆動回路39の主としてス
イッチング回路41の部分の温度を検出する温度センサ
46と、電機子コイル12の温度を検出する温度センサ
47と、バッテリ43の温度を検出する温度センサ48
とが設けられ、これらの温度センサ46〜48の出力は
コントローラ38に入力されている。
イッチング回路41の部分の温度を検出する温度センサ
46と、電機子コイル12の温度を検出する温度センサ
47と、バッテリ43の温度を検出する温度センサ48
とが設けられ、これらの温度センサ46〜48の出力は
コントローラ38に入力されている。
【0045】本実施例ではまた、液晶表示パネル、LE
D、ブザー等の表示手段を備えた警告装置50が設けら
れ、コントローラ50が発生する警告信号が警告装置5
0に入力されている。
D、ブザー等の表示手段を備えた警告装置50が設けら
れ、コントローラ50が発生する警告信号が警告装置5
0に入力されている。
【0046】本実施例では、アクセルグリップ(速度調
節部材)36と、ポテンショメータ37と、コントロー
ラ38と、駆動回路39とにより、速度調節部材の増速
側及び減速側への変位に伴ってそれぞれデューティ比が
増加及び減少するようにパルス幅変調された駆動電流を
電機子コイル12u〜12wに流す駆動装置が構成され
ている。
節部材)36と、ポテンショメータ37と、コントロー
ラ38と、駆動回路39とにより、速度調節部材の増速
側及び減速側への変位に伴ってそれぞれデューティ比が
増加及び減少するようにパルス幅変調された駆動電流を
電機子コイル12u〜12wに流す駆動装置が構成され
ている。
【0047】駆動回路39は、コントローラ38が出力
するスイッチンク信号に基づいて各FET42u〜42
w及び42x〜42wにそれぞれパルス波形のトリガ信
号Su 〜Sw 及びSx 〜Sz を供給してこれらのFET
をオン・オフ制御することにより、電機子コイルに駆動
電流を流すとともに、各相の駆動電流のデューティ比を
アクセルグリップ36の回動量(速度調節部材の変位
量)に応じて変化させる。
するスイッチンク信号に基づいて各FET42u〜42
w及び42x〜42wにそれぞれパルス波形のトリガ信
号Su 〜Sw 及びSx 〜Sz を供給してこれらのFET
をオン・オフ制御することにより、電機子コイルに駆動
電流を流すとともに、各相の駆動電流のデューティ比を
アクセルグリップ36の回動量(速度調節部材の変位
量)に応じて変化させる。
【0048】図3(A)〜(L)は3相ブラシレス直流
電動機の各部の信号波形と駆動電流波形とを回転角θに
対して模式的に示したもので、図3(A)〜(C)はそ
れぞれ位置検出器24u〜24wが発生する位置検出信
号eu 〜ew の一例を示している。コントロール回路3
8はこれらの位置検出信号に論理演算を施すことによ
り、図3(D)〜(F)及び(G)〜(I)に示すよう
なトリガ信号Su 〜Sw及びSx 〜Sz を作り出す。ト
リガ信号Su 〜Sw 及びSx 〜Sz がそれぞれ発生して
いる期間FET42u〜42w及び42x〜42zが導
通するため、電機子コイルの3相のコイル12u,12
v及び12wにはそれぞれ、図3(J),(K)及び
(L)に示すように駆動電流が流れる。この例では、図
3(D)ないし(I)において、トリガ信号Su 〜Sw
及びSx 〜Sz のそれぞれの立上り及び立下りの位相角
がそれぞれ、励磁相の理論的な切換位相角よりも一定の
角度だけ進角した状態にある。なお図3においては駆動
電流のデューティ比を100%としている。デューティ
比を100%未満とした場合には、信号Su 〜Sw ,S
x 〜Sz 及び各駆動電流の波形が所定のデューティ比で
断続するパルス波形となる。
電動機の各部の信号波形と駆動電流波形とを回転角θに
対して模式的に示したもので、図3(A)〜(C)はそ
れぞれ位置検出器24u〜24wが発生する位置検出信
号eu 〜ew の一例を示している。コントロール回路3
8はこれらの位置検出信号に論理演算を施すことによ
り、図3(D)〜(F)及び(G)〜(I)に示すよう
なトリガ信号Su 〜Sw及びSx 〜Sz を作り出す。ト
リガ信号Su 〜Sw 及びSx 〜Sz がそれぞれ発生して
いる期間FET42u〜42w及び42x〜42zが導
通するため、電機子コイルの3相のコイル12u,12
v及び12wにはそれぞれ、図3(J),(K)及び
(L)に示すように駆動電流が流れる。この例では、図
3(D)ないし(I)において、トリガ信号Su 〜Sw
及びSx 〜Sz のそれぞれの立上り及び立下りの位相角
がそれぞれ、励磁相の理論的な切換位相角よりも一定の
角度だけ進角した状態にある。なお図3においては駆動
電流のデューティ比を100%としている。デューティ
比を100%未満とした場合には、信号Su 〜Sw ,S
x 〜Sz 及び各駆動電流の波形が所定のデューティ比で
断続するパルス波形となる。
【0049】前述のように、ブラシレス直流電動機にお
いては、制御進み角γによって最大発生トルク及び最高
回転数が変化する。一般には、電動機の用途や要求され
るトルク特性、或いは必要とされる最高回転数等に応じ
て制御進み角の大きさを設定している。
いては、制御進み角γによって最大発生トルク及び最高
回転数が変化する。一般には、電動機の用途や要求され
るトルク特性、或いは必要とされる最高回転数等に応じ
て制御進み角の大きさを設定している。
【0050】本実施例においては、電動機の回転数が設
定値以下であるときには制御進み角γを予め設定した正
規の制御進み角γo に固定し、電動機の回転数が設定さ
れた進角開始回転数を超える範囲では制御進み角γを回
転数の上昇に伴って正規の制御進み角γo よりも進角さ
せ、電動機の回転数が設定された進角終了回転数以上に
なる範囲では制御進み角の進角量を設定された最大値に
固定するように、制御進み角γを回転数に応じて制御す
る。
定値以下であるときには制御進み角γを予め設定した正
規の制御進み角γo に固定し、電動機の回転数が設定さ
れた進角開始回転数を超える範囲では制御進み角γを回
転数の上昇に伴って正規の制御進み角γo よりも進角さ
せ、電動機の回転数が設定された進角終了回転数以上に
なる範囲では制御進み角の進角量を設定された最大値に
固定するように、制御進み角γを回転数に応じて制御す
る。
【0051】正規の制御進み角γo をどのように設定す
るかは任意であるが、本実施例では、電動車両の発進時
のトルクを大きくするために、最大トルクが得られる制
御進み角を正規の制御進み角γo とする。
るかは任意であるが、本実施例では、電動車両の発進時
のトルクを大きくするために、最大トルクが得られる制
御進み角を正規の制御進み角γo とする。
【0052】本実施例では、温度センサ46,47及び
48によりそれぞれ駆動装置のスイッチ回路41、電機
子コイル12及びバッテリ43の温度を検出して、これ
らの温度センサのいずれかにより温度の異常上昇が検出
されたときに制御進み角をその時の制御進み角よりも遅
角させることにより駆動電流を減少させて温度上昇を抑
制する温度上昇抑制制御を行う。この温度上昇抑制制御
を行うときには、コントローラ38から警告信号Va を
発生させ、該警告信号Va を警告装置50に与えて、温
度上昇抑制制御中であることを示す警告表示を行わせ
る。
48によりそれぞれ駆動装置のスイッチ回路41、電機
子コイル12及びバッテリ43の温度を検出して、これ
らの温度センサのいずれかにより温度の異常上昇が検出
されたときに制御進み角をその時の制御進み角よりも遅
角させることにより駆動電流を減少させて温度上昇を抑
制する温度上昇抑制制御を行う。この温度上昇抑制制御
を行うときには、コントローラ38から警告信号Va を
発生させ、該警告信号Va を警告装置50に与えて、温
度上昇抑制制御中であることを示す警告表示を行わせ
る。
【0053】図4は本実施例における制御進み角γと回
転数Nとの関係を示したもので、同図に実線で示したよ
うに回転数がN1 からN4 まで上昇する過程で、制御進
み角γを最大トルクが得られるように設定された正規の
制御進み角γo から設定された制御進み角γ3 まで変化
させる。γ1 〜γ3 は正規の制御進み角γo よりも更に
進角した制御進み角を示しており、その進角量はγ1 →
γ2 →γ3 の順に大きくなっている。
転数Nとの関係を示したもので、同図に実線で示したよ
うに回転数がN1 からN4 まで上昇する過程で、制御進
み角γを最大トルクが得られるように設定された正規の
制御進み角γo から設定された制御進み角γ3 まで変化
させる。γ1 〜γ3 は正規の制御進み角γo よりも更に
進角した制御進み角を示しており、その進角量はγ1 →
γ2 →γ3 の順に大きくなっている。
【0054】また図5は本実施例におけるブラシレス直
流電動機の駆動電流のデューティ比DFとスロットル開
度(アクセルグリップ36の変位量)αとの関係を示し
たもので、同図に実線で示したようにスロットル開度α
に対してデューティ比DFを直線的に変化させる。
流電動機の駆動電流のデューティ比DFとスロットル開
度(アクセルグリップ36の変位量)αとの関係を示し
たもので、同図に実線で示したようにスロットル開度α
に対してデューティ比DFを直線的に変化させる。
【0055】図6の曲線P(γo )〜P(γ3 )は、駆
動電流のデューティ比を100%とした場合(スロット
ル開度を100%附近に設定した場合)のブラシレス直
流電動機の出力Pと回転数Nとの間の関係の一例を、制
御進み角γo 〜γ3 をパラメータにとって示したもので
ある。図6の曲線R(θo )〜R(θ4 )はそれぞれ道
路の傾斜角がθo 〜θ4 のときの走行抵抗を示す負荷曲
線で、θo は道路が平坦で傾斜角がほぼ零の場合を示
し、θ1 〜θ4 (θ1 <θ2 <θ3 <θ4 )は上り坂の
場合を示している。一般に道路の傾斜角がθx のときの
走行抵抗R(θx)は次式で与えられる。
動電流のデューティ比を100%とした場合(スロット
ル開度を100%附近に設定した場合)のブラシレス直
流電動機の出力Pと回転数Nとの間の関係の一例を、制
御進み角γo 〜γ3 をパラメータにとって示したもので
ある。図6の曲線R(θo )〜R(θ4 )はそれぞれ道
路の傾斜角がθo 〜θ4 のときの走行抵抗を示す負荷曲
線で、θo は道路が平坦で傾斜角がほぼ零の場合を示
し、θ1 〜θ4 (θ1 <θ2 <θ3 <θ4 )は上り坂の
場合を示している。一般に道路の傾斜角がθx のときの
走行抵抗R(θx)は次式で与えられる。
【0056】 R(θx)=V×{(μr +sin θ)W+μe ・A・V2 } …(1) ここでVは走行速度、Wは車両重量、μr はころがり抵
抗、μe ・Aは空気抵抗を示している。
抗、μe ・Aは空気抵抗を示している。
【0057】図6から明らかなように、制御進み角γを
正規の制御進み角γo より進角させていくことにより、
最高回転数を高くすることができ、出力を高くすること
ができる。デューティ比を100%とした場合、電動機
は、走行抵抗を示す曲線R(θo )〜R(θ4 )と出力
P対回転数N特性を示す曲線P(γo)〜P(γ3)との交
点で動作することになる。
正規の制御進み角γo より進角させていくことにより、
最高回転数を高くすることができ、出力を高くすること
ができる。デューティ比を100%とした場合、電動機
は、走行抵抗を示す曲線R(θo )〜R(θ4 )と出力
P対回転数N特性を示す曲線P(γo)〜P(γ3)との交
点で動作することになる。
【0058】出力特性が図6のような場合、駆動電流I
と回転数Nとの関係は図7のようになる。図7において
I(γo)〜I(γ3)はそれぞれ制御進み角をγo 〜γ3
とした場合に流れる駆動電流Iと回転数Nとの関係を示
している。図7から、制御進み角を遅角させると駆動電
流Iが小さくなることが分かる。
と回転数Nとの関係は図7のようになる。図7において
I(γo)〜I(γ3)はそれぞれ制御進み角をγo 〜γ3
とした場合に流れる駆動電流Iと回転数Nとの関係を示
している。図7から、制御進み角を遅角させると駆動電
流Iが小さくなることが分かる。
【0059】また図8の曲線Pm(γo )〜Pm(γ3 )は
それぞれ、図6の曲線P(γo )〜P(γ3 )の最高出
力が得られる点を結ぶことにより得られた曲線であり、
図9の曲線P(γo)1/4 〜P(γo)4/4 はそれぞれ、制
御進み角がγo である場合(進角量が零である場合)に
駆動電流のデューティ比を1/4(25%)から4/4
(100%)まで変化させた場合の出力対回転数特性を
示す曲線である。
それぞれ、図6の曲線P(γo )〜P(γ3 )の最高出
力が得られる点を結ぶことにより得られた曲線であり、
図9の曲線P(γo)1/4 〜P(γo)4/4 はそれぞれ、制
御進み角がγo である場合(進角量が零である場合)に
駆動電流のデューティ比を1/4(25%)から4/4
(100%)まで変化させた場合の出力対回転数特性を
示す曲線である。
【0060】一例として、傾斜角がθ1 の坂道を走行す
る場合に、図4及び図5に示すように制御進み角γとデ
ューティ比DFとをそれぞれ回転数Nとスロットル開度
αとに対して変化させる場合の動作を示すと次の通りで
ある。
る場合に、図4及び図5に示すように制御進み角γとデ
ューティ比DFとをそれぞれ回転数Nとスロットル開度
αとに対して変化させる場合の動作を示すと次の通りで
ある。
【0061】発進時に運転者が所定の速度を得ようとし
てスロットル開度を最大にしたとする。このとき電動機
にはデューティ比が100%の駆動電流が供給されるた
め、電動機の出力は図8の実線の曲線に沿って推移す
る。回転速度が進角開始回転数N1 よりも低い間は、制
御進み角γがγo (進角量が零)に等しいが、回転数が
制御進み角の進角開始回転数N1 以上になると制御進み
角γが進角し始め、回転数がN4 以上になると制御進み
角γの進角量が最大(=γ3 )となる。フルスロットル
状態を維持すると、電動機の回転数は、出力特性曲線P
m(γ3)と負荷曲線R(θ1)との交点aにおける回転数N
a まで上昇する。このように電動機が回転数Na で回転
している状態では、図7に示すように、電機子コイル1
2に定格電流よりも大きい駆動電流I3 が流れる。
てスロットル開度を最大にしたとする。このとき電動機
にはデューティ比が100%の駆動電流が供給されるた
め、電動機の出力は図8の実線の曲線に沿って推移す
る。回転速度が進角開始回転数N1 よりも低い間は、制
御進み角γがγo (進角量が零)に等しいが、回転数が
制御進み角の進角開始回転数N1 以上になると制御進み
角γが進角し始め、回転数がN4 以上になると制御進み
角γの進角量が最大(=γ3 )となる。フルスロットル
状態を維持すると、電動機の回転数は、出力特性曲線P
m(γ3)と負荷曲線R(θ1)との交点aにおける回転数N
a まで上昇する。このように電動機が回転数Na で回転
している状態では、図7に示すように、電機子コイル1
2に定格電流よりも大きい駆動電流I3 が流れる。
【0062】この状態が継続すると電機子コイル12の
温度が許容値を超えて該コイルが焼損するおそれがあ
り、またスイッチ回路41を構成するFET42u〜4
2w及び42x〜42zの温度が許容値を超えてこれら
のFETが破損するおそれがある。また、定格値を超え
る駆動電流I3 が流れる状態が継続すると、バッテリ4
3の温度も許容値を超えるおそれがある。
温度が許容値を超えて該コイルが焼損するおそれがあ
り、またスイッチ回路41を構成するFET42u〜4
2w及び42x〜42zの温度が許容値を超えてこれら
のFETが破損するおそれがある。また、定格値を超え
る駆動電流I3 が流れる状態が継続すると、バッテリ4
3の温度も許容値を超えるおそれがある。
【0063】そのため本実施例においては、温度センサ
46〜48のいずれかの出力から異常な温度上昇が検出
されたときに、制御進み角γを遅角させることにより温
度上昇抑制制御を行わせる。またこのときコントローラ
38から警告信号Va を発生させて、警告装置50に、
温度上昇抑制制御中であることの警告表示を行わせる。
46〜48のいずれかの出力から異常な温度上昇が検出
されたときに、制御進み角γを遅角させることにより温
度上昇抑制制御を行わせる。またこのときコントローラ
38から警告信号Va を発生させて、警告装置50に、
温度上昇抑制制御中であることの警告表示を行わせる。
【0064】制御進み角γを遅角させると、駆動電流I
が減少し、回転数が低下する。例えば制御進み角γをγ
3 からγ2 まで遅角させると、図7に示すように駆動電
流Iの平均値はI2 (<I3 )となり、回転数はNb
(<Na )となる。また制御進み角γを更にγ1 まで遅
角させると、駆動電流Iの平均値はI1 (<I2 )とな
り、回転数はNc (<Nb )となる。ここでI1 を駆動
電流の定格値または定格値よりも若干小さい電流値であ
るとすると、制御進み角がγ3 の状態で運転中に温度の
異常上昇が検出されたときに、制御進み角γをγ1 まで
遅角させることにより、駆動電流を定格値または定格値
よりも小さい値I1 に制限して温度上昇を抑制すること
ができ、電機子コイルが焼損したり、スイッチ回路の半
導体スイッチ素子(本実施例ではFET)が破損したり
するのを防ぐことができる。
が減少し、回転数が低下する。例えば制御進み角γをγ
3 からγ2 まで遅角させると、図7に示すように駆動電
流Iの平均値はI2 (<I3 )となり、回転数はNb
(<Na )となる。また制御進み角γを更にγ1 まで遅
角させると、駆動電流Iの平均値はI1 (<I2 )とな
り、回転数はNc (<Nb )となる。ここでI1 を駆動
電流の定格値または定格値よりも若干小さい電流値であ
るとすると、制御進み角がγ3 の状態で運転中に温度の
異常上昇が検出されたときに、制御進み角γをγ1 まで
遅角させることにより、駆動電流を定格値または定格値
よりも小さい値I1 に制限して温度上昇を抑制すること
ができ、電機子コイルが焼損したり、スイッチ回路の半
導体スイッチ素子(本実施例ではFET)が破損したり
するのを防ぐことができる。
【0065】従来の方法では、制御進み角γをγ3 とし
て(進角量を最大にして)運転中に温度の異常上昇が検
出されたときに、制御進み角をγ3 に保持したままの状
態で駆動電流のデューティ比DFを減少させて駆動電流
をI1 まで低下させていたが、この場合、駆動電流対回
転数特性は図7の曲線I( γ3)´となり、回転数はNr
(<Nc )まで低下するため、温度上昇抑制制御を行っ
た際の回転数の変動幅が大きくなり、出力が大きく低下
してしまうという問題があった。
て(進角量を最大にして)運転中に温度の異常上昇が検
出されたときに、制御進み角をγ3 に保持したままの状
態で駆動電流のデューティ比DFを減少させて駆動電流
をI1 まで低下させていたが、この場合、駆動電流対回
転数特性は図7の曲線I( γ3)´となり、回転数はNr
(<Nc )まで低下するため、温度上昇抑制制御を行っ
た際の回転数の変動幅が大きくなり、出力が大きく低下
してしまうという問題があった。
【0066】これに対し、本発明のように、制御進み角
γをγ1 まで遅角させることにより駆動電流の平均値を
I1 に低下させる方法をとると、回転数はNc まで低下
するが、この回転数Nc は、制御進み角をγ3 に保持し
たままで駆動電流のデューティ比を小さくして駆動電流
の平均値を同じI1 とした場合の回転数Nr よりは充分
に高いため、温度上昇抑制制御を行った際の回転数の変
動幅を小さくすることができ、出力が大きく低下するの
を防ぐことができる。
γをγ1 まで遅角させることにより駆動電流の平均値を
I1 に低下させる方法をとると、回転数はNc まで低下
するが、この回転数Nc は、制御進み角をγ3 に保持し
たままで駆動電流のデューティ比を小さくして駆動電流
の平均値を同じI1 とした場合の回転数Nr よりは充分
に高いため、温度上昇抑制制御を行った際の回転数の変
動幅を小さくすることができ、出力が大きく低下するの
を防ぐことができる。
【0067】本発明において、温度の異常上昇の有無の
判定は、検出された温度が設定値を超えているか否かに
より行うことができる。この場合に用いる設定値は1つ
でもよく、複数でもよい。例えば、検出された温度が設
定値以上になっている状態を異常な温度上昇が生じてい
る状態とし、検出された温度が設定値未満になっている
状態を異常な温度上昇が解消された状態とするようにし
てもよく、検出された温度が第1の設定値以上になった
状態を異常な温度上昇が生じた状態とし、検出された温
度が第1の設定値よりも低く設定された第2の設定値以
下になった状態を異常な温度上昇が解消した状態とする
ようにしてもよい。
判定は、検出された温度が設定値を超えているか否かに
より行うことができる。この場合に用いる設定値は1つ
でもよく、複数でもよい。例えば、検出された温度が設
定値以上になっている状態を異常な温度上昇が生じてい
る状態とし、検出された温度が設定値未満になっている
状態を異常な温度上昇が解消された状態とするようにし
てもよく、検出された温度が第1の設定値以上になった
状態を異常な温度上昇が生じた状態とし、検出された温
度が第1の設定値よりも低く設定された第2の設定値以
下になった状態を異常な温度上昇が解消した状態とする
ようにしてもよい。
【0068】本発明において、制御進み角の遅角のさせ
方及び遅角の解除のさせ方は任意である。例えば、温度
の異常上昇が検出されたときに制御進み角をいきなり所
定の角度(温度上昇抑制制御時に流す駆動電流の大きさ
により決る。)まで遅角させるようにしてもよく、温度
の上昇が検出されたときに制御進み角を温度の上昇に伴
って徐々に遅角させるようにしてもよい。
方及び遅角の解除のさせ方は任意である。例えば、温度
の異常上昇が検出されたときに制御進み角をいきなり所
定の角度(温度上昇抑制制御時に流す駆動電流の大きさ
により決る。)まで遅角させるようにしてもよく、温度
の上昇が検出されたときに制御進み角を温度の上昇に伴
って徐々に遅角させるようにしてもよい。
【0069】同様に、温度の異常上昇が解消されたとき
に、制御進み角をいきなり定常時の角度(温度の異常上
昇が生じていないときに回転数に応じて決定される制御
進み角、または速度調節部材の変位量と回転数とに対し
て決定される制御進み角)に戻すようにしてもよく、制
御進み角を温度の低下に伴って徐々に定常時の角度に戻
すようにしてもよい。
に、制御進み角をいきなり定常時の角度(温度の異常上
昇が生じていないときに回転数に応じて決定される制御
進み角、または速度調節部材の変位量と回転数とに対し
て決定される制御進み角)に戻すようにしてもよく、制
御進み角を温度の低下に伴って徐々に定常時の角度に戻
すようにしてもよい。
【0070】温度上昇抑制制御時の制御進み角の制御
は、マイクロコンピュータにより行ってもよく、電子回
路により行ってもよい。マイクロコンピュータにより制
御進み角の制御を行う場合には、例えば検出された温度
とその温度に対する最適な遅角量との関係を予め実験に
より求めておいて、温度と遅角量との関係を与える遅角
流マップをROMに記憶させておき、いずれかの温度セ
ンサから設定値以上の温度が検出されたときに、該温度
に対する遅角量を遅角量マップを用いて演算して、制御
進み角を演算された遅角量だけ遅角させるようにすれば
よい。
は、マイクロコンピュータにより行ってもよく、電子回
路により行ってもよい。マイクロコンピュータにより制
御進み角の制御を行う場合には、例えば検出された温度
とその温度に対する最適な遅角量との関係を予め実験に
より求めておいて、温度と遅角量との関係を与える遅角
流マップをROMに記憶させておき、いずれかの温度セ
ンサから設定値以上の温度が検出されたときに、該温度
に対する遅角量を遅角量マップを用いて演算して、制御
進み角を演算された遅角量だけ遅角させるようにすれば
よい。
【0071】また駆動電流を検出する検出回路を設け
て、いずれかの温度センサから設定値以上の温度が検出
されたときに、駆動電流を所定の値に制限するように、
駆動電流の検出値に応じて制御進み角の遅角量を制御す
るようにしてもよい。
て、いずれかの温度センサから設定値以上の温度が検出
されたときに、駆動電流を所定の値に制限するように、
駆動電流の検出値に応じて制御進み角の遅角量を制御す
るようにしてもよい。
【0072】上記の実施例では、制御進み角を遅角させ
ることによってのみ駆動電流の平均値を所定の値まで低
下させるようにしたが、制御進み角の遅角量が余り大き
くなると、無効電流が多くなりすぎて好ましくない。温
度上昇抑制制御時に制御進み角の遅角量が大きくなり過
ぎる場合には、制御進み角の遅角量を制限して、制御進
み角を遅角させる制御と、駆動電流のデューティ比を減
少させる制御とを併用することにより、駆動電流を所定
の値まで低下させる方法をとるのがよい。
ることによってのみ駆動電流の平均値を所定の値まで低
下させるようにしたが、制御進み角の遅角量が余り大き
くなると、無効電流が多くなりすぎて好ましくない。温
度上昇抑制制御時に制御進み角の遅角量が大きくなり過
ぎる場合には、制御進み角の遅角量を制限して、制御進
み角を遅角させる制御と、駆動電流のデューティ比を減
少させる制御とを併用することにより、駆動電流を所定
の値まで低下させる方法をとるのがよい。
【0073】上記の実施例では、速度調節部材の変位量
に対するデューティ比DFの変化率を回転数の如何に係
わりなく一定とし、制御進み角を電動機の回転数に対し
てのみ制御するようにしているが、以下に示すように、
速度調節部材の変位量に対するデューティ比DFの変化
率を電動機の回転数に応じて変化させるようにデューテ
ィ比DFを速度調節部材の変位量と回転数とに対して制
御し、制御進み角も回転数と速度調節部材の変位量との
双方に対して制御するのが好ましい。
に対するデューティ比DFの変化率を回転数の如何に係
わりなく一定とし、制御進み角を電動機の回転数に対し
てのみ制御するようにしているが、以下に示すように、
速度調節部材の変位量に対するデューティ比DFの変化
率を電動機の回転数に応じて変化させるようにデューテ
ィ比DFを速度調節部材の変位量と回転数とに対して制
御し、制御進み角も回転数と速度調節部材の変位量との
双方に対して制御するのが好ましい。
【0074】上記のブラシレス直流電動機において、制
御進み角γを正規の制御進み角γoに固定したままでフ
ルスロットルで傾斜角θ1 の坂道を走行した場合、動作
点は図6のP1 となり、駆動電流I1 が流れる。これに
対し、制御進み角を正規の制御進み角γo よりも進角さ
せた場合には、無効電流が多く流れるため、同じ出力に
対して、制御進み角を進角させない場合に流れる駆動電
流I1 よりも大きな駆動電流が流れ、電動機の効率が悪
くなってバッテリの消耗が激しくなる。
御進み角γを正規の制御進み角γoに固定したままでフ
ルスロットルで傾斜角θ1 の坂道を走行した場合、動作
点は図6のP1 となり、駆動電流I1 が流れる。これに
対し、制御進み角を正規の制御進み角γo よりも進角さ
せた場合には、無効電流が多く流れるため、同じ出力に
対して、制御進み角を進角させない場合に流れる駆動電
流I1 よりも大きな駆動電流が流れ、電動機の効率が悪
くなってバッテリの消耗が激しくなる。
【0075】そこで、効率を高めるために、制御進み角
γを正規の制御進み角γo に固定して、スロットル開度
に対してデューティ比DFを変化させる制御のみを行わ
せることが考えられるが、この場合には、車両の運転感
覚を良好にするための設定が難しく、スムースな運転を
行わせるための調整が難しいという問題が生じる。例え
ば、平地での発進時に速度調節部材をデューティ比が5
0%となる位置まで変位させてその位置に保持したとす
ると、電動機の出力は、図9の曲線P(γo)2/4 に沿っ
て上昇してピークに達した後、直ちに出力特性曲線P
(γo)2/4 に沿って該曲線と負荷曲線R(θo)との交点
まで下降していくため、十分な加速感を得ることができ
ない。また出力特性曲線P(γo)2/4 と負荷曲線R(θ
o)との交点で車両の速度が不足している場合、運転者は
速度調節部材を更に増速側に変位させることになるが、
その場合も電動機の出力はピークに達した後直ちに下降
するので、良好な加速感を得ることができない。
γを正規の制御進み角γo に固定して、スロットル開度
に対してデューティ比DFを変化させる制御のみを行わ
せることが考えられるが、この場合には、車両の運転感
覚を良好にするための設定が難しく、スムースな運転を
行わせるための調整が難しいという問題が生じる。例え
ば、平地での発進時に速度調節部材をデューティ比が5
0%となる位置まで変位させてその位置に保持したとす
ると、電動機の出力は、図9の曲線P(γo)2/4 に沿っ
て上昇してピークに達した後、直ちに出力特性曲線P
(γo)2/4 に沿って該曲線と負荷曲線R(θo)との交点
まで下降していくため、十分な加速感を得ることができ
ない。また出力特性曲線P(γo)2/4 と負荷曲線R(θ
o)との交点で車両の速度が不足している場合、運転者は
速度調節部材を更に増速側に変位させることになるが、
その場合も電動機の出力はピークに達した後直ちに下降
するので、良好な加速感を得ることができない。
【0076】このように、制御進み角を固定して速度調
整部材の変位量に対してデューティ比DFのみを変化さ
せた場合には、電動機の出力がピークに達した後直ちに
負荷と釣り合う動作点に向かって下降していくため、加
速性能が悪くなり、スムースな運転を行わせるための設
定が難しいという問題が生じる。
整部材の変位量に対してデューティ比DFのみを変化さ
せた場合には、電動機の出力がピークに達した後直ちに
負荷と釣り合う動作点に向かって下降していくため、加
速性能が悪くなり、スムースな運転を行わせるための設
定が難しいという問題が生じる。
【0077】車両の運転感覚を良好にするための設定を
容易にし、スムースな運転を行わせるための調整を容易
にするためには、速度調節部材(本実施例ではアクセル
グリップ36)の変位量(スロットル開度)αに対する
デューティ比DFの変化率を電動機の回転数Nに応じて
変化させるようにデューティ比DFを速度調節部材の変
位量αと回転数Nとに対して制御するのが良い。
容易にし、スムースな運転を行わせるための調整を容易
にするためには、速度調節部材(本実施例ではアクセル
グリップ36)の変位量(スロットル開度)αに対する
デューティ比DFの変化率を電動機の回転数Nに応じて
変化させるようにデューティ比DFを速度調節部材の変
位量αと回転数Nとに対して制御するのが良い。
【0078】このような制御を行う場合には、例えば図
10に示したように、電動機の回転数Nが高い場合ほど
速度調節部材の変位量αに対する駆動電流のデューティ
比DFの変化率を大きくするように、速度調節部材の変
位量αと、電動機の回転数Nと、駆動電流Iのデューテ
ィ比DFとの間の関係を与えるデューティ比特性を予め
定めておく。図10に示した例では、回転数がN6 以下
の領域で、スロットル開度αが0からほぼ100%まで
変化したときにデューティ比も0から100%まで変化
するように、スロットル開度とデューティ比DFとの関
係を定める。また回転数が設定値N6 を超える領域で
は、図示のN7 ,N8 及びN9 のように、回転数が高い
場合ほどスロットル開度の増加量に対するデューティ比
の増加割合が大きくなって、デューティ比が早く(スロ
ットル開度が100%になる前に)100%に達するよ
うにする。そして、速度調節部材の変位量と電動機の回
転数とを検出して、上記デューティ比特性から速度調節
部材の変位量の検出値と回転数の検出値とに対するデュ
ーティ比を求め、駆動電流のデューティ比DFを、デュ
ーティ比特性から求められたデューティ比に等しくする
ように制御する。
10に示したように、電動機の回転数Nが高い場合ほど
速度調節部材の変位量αに対する駆動電流のデューティ
比DFの変化率を大きくするように、速度調節部材の変
位量αと、電動機の回転数Nと、駆動電流Iのデューテ
ィ比DFとの間の関係を与えるデューティ比特性を予め
定めておく。図10に示した例では、回転数がN6 以下
の領域で、スロットル開度αが0からほぼ100%まで
変化したときにデューティ比も0から100%まで変化
するように、スロットル開度とデューティ比DFとの関
係を定める。また回転数が設定値N6 を超える領域で
は、図示のN7 ,N8 及びN9 のように、回転数が高い
場合ほどスロットル開度の増加量に対するデューティ比
の増加割合が大きくなって、デューティ比が早く(スロ
ットル開度が100%になる前に)100%に達するよ
うにする。そして、速度調節部材の変位量と電動機の回
転数とを検出して、上記デューティ比特性から速度調節
部材の変位量の検出値と回転数の検出値とに対するデュ
ーティ比を求め、駆動電流のデューティ比DFを、デュ
ーティ比特性から求められたデューティ比に等しくする
ように制御する。
【0079】コントローラ38をマイクロコンピュータ
により実現する場合には、図10に示したようなデュー
ティ比特性を与えるスロットル開度αと回転数Nとデュ
ーティ比DFとの間の関係をテーブル化して3次元マッ
プとしてマイクロコンピュータのROMまたはEEPR
OMに記憶させておき、該マップを用いて補間法により
検出されたスロットル開度と回転数とに対するデューテ
ィ比を演算するようにすればよい。図10のデューティ
比特性を与える3次元マップの構造をグラフ化すると例
えば図11に示すようになる。
により実現する場合には、図10に示したようなデュー
ティ比特性を与えるスロットル開度αと回転数Nとデュ
ーティ比DFとの間の関係をテーブル化して3次元マッ
プとしてマイクロコンピュータのROMまたはEEPR
OMに記憶させておき、該マップを用いて補間法により
検出されたスロットル開度と回転数とに対するデューテ
ィ比を演算するようにすればよい。図10のデューティ
比特性を与える3次元マップの構造をグラフ化すると例
えば図11に示すようになる。
【0080】上記のように、速度調節部材の変位量αに
対するデューティ比DFの変化率を電動機の回転数Nに
応じて変化させるように速度調節部材の変位量と回転数
と駆動電流のデューティ比との間の関係を与えるデュー
ティ比特性を予め定めておいて、駆動電流のデューティ
比を、上記デューティ比特性から速度調節部材の変位量
の検出値と回転数の検出値とに対して求めた大きさに等
しくするように制御すると、車両の運転感覚を良好にす
るための設定を容易にすることができる。例えば速度調
節部材の変位量を所定の値に保った状態で発進した場合
に、電動機の出力がその速度調節部材の変位量に対応し
たデューティ比で得られる最大値に達した後、該最大出
力を維持したままの状態で回転数を上昇させて、最終的
に所望の回転数に落ち着かせることができるため、加速
をスムースに行わせることができる。
対するデューティ比DFの変化率を電動機の回転数Nに
応じて変化させるように速度調節部材の変位量と回転数
と駆動電流のデューティ比との間の関係を与えるデュー
ティ比特性を予め定めておいて、駆動電流のデューティ
比を、上記デューティ比特性から速度調節部材の変位量
の検出値と回転数の検出値とに対して求めた大きさに等
しくするように制御すると、車両の運転感覚を良好にす
るための設定を容易にすることができる。例えば速度調
節部材の変位量を所定の値に保った状態で発進した場合
に、電動機の出力がその速度調節部材の変位量に対応し
たデューティ比で得られる最大値に達した後、該最大出
力を維持したままの状態で回転数を上昇させて、最終的
に所望の回転数に落ち着かせることができるため、加速
をスムースに行わせることができる。
【0081】また、電動機の最高回転数を高くして電動
機の最大出力(車両の最高速度)を高め、定常走行時に
電動機に流れる無効電流を少なくして電動機の効率を高
めるためには、電動機の回転数が設定値以下であるとき
に速度調節部材の変位量の如何に係わりなく制御進み角
を予め設定した正規の制御進み角γo に固定し、電動機
の回転数が設定値を超える範囲では、速度調節部材の増
速側への変位量が回転数に応じて設定された進角開始変
位量を超える範囲で制御進み角を速度調節部材の増速側
への変位量に対して正規の制御進み角よりも進角させ、
速度調節部材の増速側への変位量が設定された進角終了
変位量以上になったときには制御進み角の進角量を設定
された最大値に固定するように制御進み角γを速度調節
部材の変位量αと回転数Nとの双方に対して制御するの
がよい。
機の最大出力(車両の最高速度)を高め、定常走行時に
電動機に流れる無効電流を少なくして電動機の効率を高
めるためには、電動機の回転数が設定値以下であるとき
に速度調節部材の変位量の如何に係わりなく制御進み角
を予め設定した正規の制御進み角γo に固定し、電動機
の回転数が設定値を超える範囲では、速度調節部材の増
速側への変位量が回転数に応じて設定された進角開始変
位量を超える範囲で制御進み角を速度調節部材の増速側
への変位量に対して正規の制御進み角よりも進角させ、
速度調節部材の増速側への変位量が設定された進角終了
変位量以上になったときには制御進み角の進角量を設定
された最大値に固定するように制御進み角γを速度調節
部材の変位量αと回転数Nとの双方に対して制御するの
がよい。
【0082】このような制御を行う場合には、例えば図
12に示したように、電動機の回転数が設定値N6 以下
であるときには速度調節部材の変位量(スロットル開
度)の如何に係わりなく電動機の制御進み角γを正規の
制御進み角γo に固定して該制御進み角の進角量を零と
し、電動機の回転数が設定値N6 を超える範囲では、速
度調節部材の増速側への変位量αが回転数N7 ,N8 及
びN9 (N7 <N8 <N9 )に対してそれぞれ設定され
た進角開始変位量α7 ,α8 ,α9 を超える範囲で制御
進み角γを速度調節部材の増速側への変位量に対して、
γo →γ1 →γ2→γ3 のように正規の制御進み角γo
よりも進角させ、速度調節部材の進角開始変位量α7 ,
α8 及びα9 を回転数の上昇に応じて小さくし、かつ速
度調節部材の増速側への変位量に対する制御進み角の進
角量の増加割合を回転数の上昇に応じて小さくするよう
に、速度調節部材の変位量と回転数と制御進み角との間
の関係を与える制御進み角特性を予め定めておく。
12に示したように、電動機の回転数が設定値N6 以下
であるときには速度調節部材の変位量(スロットル開
度)の如何に係わりなく電動機の制御進み角γを正規の
制御進み角γo に固定して該制御進み角の進角量を零と
し、電動機の回転数が設定値N6 を超える範囲では、速
度調節部材の増速側への変位量αが回転数N7 ,N8 及
びN9 (N7 <N8 <N9 )に対してそれぞれ設定され
た進角開始変位量α7 ,α8 ,α9 を超える範囲で制御
進み角γを速度調節部材の増速側への変位量に対して、
γo →γ1 →γ2→γ3 のように正規の制御進み角γo
よりも進角させ、速度調節部材の進角開始変位量α7 ,
α8 及びα9 を回転数の上昇に応じて小さくし、かつ速
度調節部材の増速側への変位量に対する制御進み角の進
角量の増加割合を回転数の上昇に応じて小さくするよう
に、速度調節部材の変位量と回転数と制御進み角との間
の関係を与える制御進み角特性を予め定めておく。
【0083】そして、上記制御進み角特性から、速度調
節部材の変位量の検出値と回転数の検出値とに対する制
御進み角γを求め、電動機の制御進み角を求められた制
御進み角に等しくするように制御する。
節部材の変位量の検出値と回転数の検出値とに対する制
御進み角γを求め、電動機の制御進み角を求められた制
御進み角に等しくするように制御する。
【0084】コントローラ38をマイクロコンピュータ
により実現する場合には、スロットル開度αと回転数N
と切換位相角γとの間の関係を与える3次元マップを作
成して記憶させておくことにより、デューティ比と同様
に演算することができる。図6の切換位相角特性を与え
る3次元マップの構造をグラフ化して示すと図13のよ
うになる。
により実現する場合には、スロットル開度αと回転数N
と切換位相角γとの間の関係を与える3次元マップを作
成して記憶させておくことにより、デューティ比と同様
に演算することができる。図6の切換位相角特性を与え
る3次元マップの構造をグラフ化して示すと図13のよ
うになる。
【0085】図13の3次元マップは、図11の3次元
マップで各スロットル開度においてデューティ比が10
0%となる回転数を超える範囲で、スロットル開度の増
加に応じて制御進み角γを正規の制御進み角γo から進
角させるように作成されている。即ち、図11のマップ
の斜線を施した領域の輪郭と、図13のマップの斜線を
施した領域の輪郭とがほぼ同じになるように、図11及
び図13に示したマップが作成されている。
マップで各スロットル開度においてデューティ比が10
0%となる回転数を超える範囲で、スロットル開度の増
加に応じて制御進み角γを正規の制御進み角γo から進
角させるように作成されている。即ち、図11のマップ
の斜線を施した領域の輪郭と、図13のマップの斜線を
施した領域の輪郭とがほぼ同じになるように、図11及
び図13に示したマップが作成されている。
【0086】上記のように、電動機の回転数が設定値以
下であるときに速度調節部材の変位量の如何に係わりな
く制御進み角を予め設定した正規の制御進み角に固定
し、電動機の回転数が設定値を超える範囲では、速度調
節部材の増速側への変位量が回転数に応じて設定された
進角開始変位量を超える範囲で制御進み角を速度調節部
材の増速側への変位量に対して正規の制御進み角よりも
進角させ、速度調節部材の増速側への変位量が設定され
た進角終了変位量以上になったときには制御進み角の進
角量を設定された最大値に固定するように(例えば図1
2のように)制御進み角特性を定めておいて、電動機の
制御進み角γを該特性から求めた制御進み角に等しくす
るように制御すると、制御進み角を一定としてデューテ
ィ比を100%とした場合に得られる電動機の最高回転
数よりも高い回転数まで電動機を回転させることが可能
になるため、電動機の最大出力及び車両の最高速度を高
くすることができ、車両の高速性能を高めることができ
る。また所定の巡航速度で定常走行する際には、制御進
み角の進角量を零にするか、または必要最小限の大きさ
とすることができるため、無効電流を低減させて電動機
の効率を高めることができる。
下であるときに速度調節部材の変位量の如何に係わりな
く制御進み角を予め設定した正規の制御進み角に固定
し、電動機の回転数が設定値を超える範囲では、速度調
節部材の増速側への変位量が回転数に応じて設定された
進角開始変位量を超える範囲で制御進み角を速度調節部
材の増速側への変位量に対して正規の制御進み角よりも
進角させ、速度調節部材の増速側への変位量が設定され
た進角終了変位量以上になったときには制御進み角の進
角量を設定された最大値に固定するように(例えば図1
2のように)制御進み角特性を定めておいて、電動機の
制御進み角γを該特性から求めた制御進み角に等しくす
るように制御すると、制御進み角を一定としてデューテ
ィ比を100%とした場合に得られる電動機の最高回転
数よりも高い回転数まで電動機を回転させることが可能
になるため、電動機の最大出力及び車両の最高速度を高
くすることができ、車両の高速性能を高めることができ
る。また所定の巡航速度で定常走行する際には、制御進
み角の進角量を零にするか、または必要最小限の大きさ
とすることができるため、無効電流を低減させて電動機
の効率を高めることができる。
【0087】更に図10に示した制御と、図12に示し
た制御とを併用するようにすると、高速性能及び加速性
能を高めて、しかも電動機の効率を高めることができ
る。
た制御とを併用するようにすると、高速性能及び加速性
能を高めて、しかも電動機の効率を高めることができ
る。
【0088】次に図10のように駆動電流のデューティ
比を制御し、図12のように制御進み角を制御する駆動
方法を採用した場合の電動機の動作を図14及び図15
を参照して説明する。なお図14に示した曲線は図9に
示したものと同様であり、図15に示した曲線は図8に
示したものと同様である。
比を制御し、図12のように制御進み角を制御する駆動
方法を採用した場合の電動機の動作を図14及び図15
を参照して説明する。なお図14に示した曲線は図9に
示したものと同様であり、図15に示した曲線は図8に
示したものと同様である。
【0089】今平地(傾斜角=θo )を走行する際に、
車速が零の状態から、アクセルグリップを一気にフルス
ロットルの状態(スロットル開度が100%の状態)に
したとすると、最初は回転数が低く、傾斜が大きい坂道
を登るのと同じ状態であるので、電動機の出力Pは図1
4の原点OからA点へと移行する。回転数の上昇の過程
で回転数が設定値N6 (図12参照)を超えると、制御
進み角がスロットル開度αの増大に伴ってγ3 まで進角
していき、出力PはB点まで移行する。更にフルスロッ
トルの状態が維持されていると、出力Pは平地走行時の
負荷曲線R(θo)と交差するC点に移行し、回転数が最
大になる。その後アクセルグリップを戻していくと、ス
ロットル開度の減少に伴って制御進み角が遅角してい
き、制御進み角が正規の制御進み角γo に等しくなる
(進角量が零になる)と出力Pは負荷曲線R(θo)と交
差するD点に達して出力と負荷とが釣り合う。このとき
電動機は回転数Ns で回転する。この状態では、従来の
駆動方法による場合と異なり、制御進み角の正規の制御
進み角からの進角量が零(γ=γo)であるので、駆動電
流は図7に示すI1 ´となり、平地走行時の電力消費量
が最小になる。即ち電動機が回転数Ns で回転している
状態が平地走行時の経済速度となり、バッテリの消耗が
最小になる。この回転数Ns に対応する車両の走行速度
を法定速度に等しくしておけば、交通安全上も好ましい
ことになる。
車速が零の状態から、アクセルグリップを一気にフルス
ロットルの状態(スロットル開度が100%の状態)に
したとすると、最初は回転数が低く、傾斜が大きい坂道
を登るのと同じ状態であるので、電動機の出力Pは図1
4の原点OからA点へと移行する。回転数の上昇の過程
で回転数が設定値N6 (図12参照)を超えると、制御
進み角がスロットル開度αの増大に伴ってγ3 まで進角
していき、出力PはB点まで移行する。更にフルスロッ
トルの状態が維持されていると、出力Pは平地走行時の
負荷曲線R(θo)と交差するC点に移行し、回転数が最
大になる。その後アクセルグリップを戻していくと、ス
ロットル開度の減少に伴って制御進み角が遅角してい
き、制御進み角が正規の制御進み角γo に等しくなる
(進角量が零になる)と出力Pは負荷曲線R(θo)と交
差するD点に達して出力と負荷とが釣り合う。このとき
電動機は回転数Ns で回転する。この状態では、従来の
駆動方法による場合と異なり、制御進み角の正規の制御
進み角からの進角量が零(γ=γo)であるので、駆動電
流は図7に示すI1 ´となり、平地走行時の電力消費量
が最小になる。即ち電動機が回転数Ns で回転している
状態が平地走行時の経済速度となり、バッテリの消耗が
最小になる。この回転数Ns に対応する車両の走行速度
を法定速度に等しくしておけば、交通安全上も好ましい
ことになる。
【0090】図14のD点で運転している状態で、スロ
ットル開度を徐々に小さくしていくと、今度はデューテ
ィ比DFが100%から徐々に減少していき、動作点は
D→E→F→G→Oのように移動して、車両が停止す
る。
ットル開度を徐々に小さくしていくと、今度はデューテ
ィ比DFが100%から徐々に減少していき、動作点は
D→E→F→G→Oのように移動して、車両が停止す
る。
【0091】また例えば平地走行時に、スロットル開度
を零から徐々に増大させていったとすると、制御進み角
が進角しないままの状態でスロットル開度の増大に伴っ
てデューティ比が増加して動作点がO→G→F→E→D
のように移動してD点に達する。このような操作を行っ
た場合には、加速感は得られないが、消費電流が少ない
ので経済的な運転を行わせることができる。
を零から徐々に増大させていったとすると、制御進み角
が進角しないままの状態でスロットル開度の増大に伴っ
てデューティ比が増加して動作点がO→G→F→E→D
のように移動してD点に達する。このような操作を行っ
た場合には、加速感は得られないが、消費電流が少ない
ので経済的な運転を行わせることができる。
【0092】更に、例えば平地走行時に、車速が零の状
態からスロットル開度を一定値(例えば50%)に保持
したとすると、回転数が設定値N6 を超えた後、デュー
ティ比が回転数の上昇に伴って増加していくため、電動
機の出力を低下させることなく、回転数を上昇させるこ
とができ、加速感を良好にすることができる。またデュ
ーティ比が100%を超えた後は制御進み角が正規の制
御進み角よりも進角して、回転数を上昇させるため、最
大回転数を高くすることができる。
態からスロットル開度を一定値(例えば50%)に保持
したとすると、回転数が設定値N6 を超えた後、デュー
ティ比が回転数の上昇に伴って増加していくため、電動
機の出力を低下させることなく、回転数を上昇させるこ
とができ、加速感を良好にすることができる。またデュ
ーティ比が100%を超えた後は制御進み角が正規の制
御進み角よりも進角して、回転数を上昇させるため、最
大回転数を高くすることができる。
【0093】また車速が零の状態から一気にフルスロッ
トルにし、図15に示したように動作点がB点に達して
回転数がNs に近くなった時にスロットル開度を絞った
場合には、スロットル開度の減少に伴って制御進み角の
進角量が減少していき、動作点がD点に移行する。この
場合は、出力Pが最大出力点を通って動作点Dに達する
ため、大きな加速力が得られる。
トルにし、図15に示したように動作点がB点に達して
回転数がNs に近くなった時にスロットル開度を絞った
場合には、スロットル開度の減少に伴って制御進み角の
進角量が減少していき、動作点がD点に移行する。この
場合は、出力Pが最大出力点を通って動作点Dに達する
ため、大きな加速力が得られる。
【0094】更に登坂時も同様であり、例えば傾斜角が
θ3 のときには、発進時にフルスロットルにすると、図
14において動作点がO→A→Bと移行する。ここでス
ロットル開度を絞ると、制御進み角が遅角し、動作点は
BからHへと移行する。更にスロットル開度を絞ると、
動作点はH→I→J→Kのように移動して車両が停止す
る。
θ3 のときには、発進時にフルスロットルにすると、図
14において動作点がO→A→Bと移行する。ここでス
ロットル開度を絞ると、制御進み角が遅角し、動作点は
BからHへと移行する。更にスロットル開度を絞ると、
動作点はH→I→J→Kのように移動して車両が停止す
る。
【0095】上記のように、図10及び図12に示した
制御を行って、ブラシレス直流電動機を駆動すると、加
速性能を向上させてスムースな加速を行わせることがで
きる。また、図12の制御進み角の制御を行わせること
により最大回転数を従来よりも高くすることができ、最
大回転数を高くすることができる分だけ最大出力を高く
することができる。
制御を行って、ブラシレス直流電動機を駆動すると、加
速性能を向上させてスムースな加速を行わせることがで
きる。また、図12の制御進み角の制御を行わせること
により最大回転数を従来よりも高くすることができ、最
大回転数を高くすることができる分だけ最大出力を高く
することができる。
【0096】上記の説明では、図10のデューティ比特
性による制御と図12の制御進み角特性による制御とを
併用しているが、図10の制御だけを行わせたり、従来
と同様なスロットル開度に応じたデューティ比の制御と
図12の制御進み角の制御とを併用したりすることもで
きる。
性による制御と図12の制御進み角特性による制御とを
併用しているが、図10の制御だけを行わせたり、従来
と同様なスロットル開度に応じたデューティ比の制御と
図12の制御進み角の制御とを併用したりすることもで
きる。
【0097】図10のデューティ比特性に基く制御のみ
を行わせた場合には、スロットル開度を所定の大きさに
設定して運転を開始したと場合に、そのスロットル開度
における最大出力を維持しつつ回転数を所望の回転数ま
で上昇させることができるので、加速感を良好にするこ
とができ、加速をスムースに行わせることができる。例
えば、図14において、回転数の設定値N6 (図10参
照)を曲線P(γo)2/4 のピーク位置付近に設定して、
スロットル開度と回転数とに応じてデューティ比を変化
させる図10の制御のみを行わせるものとする。平地を
走行するに当って、車速が零の状態でスロットル開度を
50%とすると、動作点は原点Oから曲線P(γo)2/4
に沿って移動し、動作点が曲線P(γo)2/4 の最大出力
点aに達した後はその出力を維持したままで曲線P(γ
o)4/4 と交わる位置bまで回転数が上昇し、その後曲線
P(γo)4/4 に沿って回転数がNs まで低下して回転数
Ns に落ち着く。このように、図10の制御のみを行わ
せた場合には、回転数の設定値N6 を適当に定めておく
ことにより、電動機の出力を維持しつつ回転数を上昇さ
せることができるため、加速感を良好にすることができ
る。
を行わせた場合には、スロットル開度を所定の大きさに
設定して運転を開始したと場合に、そのスロットル開度
における最大出力を維持しつつ回転数を所望の回転数ま
で上昇させることができるので、加速感を良好にするこ
とができ、加速をスムースに行わせることができる。例
えば、図14において、回転数の設定値N6 (図10参
照)を曲線P(γo)2/4 のピーク位置付近に設定して、
スロットル開度と回転数とに応じてデューティ比を変化
させる図10の制御のみを行わせるものとする。平地を
走行するに当って、車速が零の状態でスロットル開度を
50%とすると、動作点は原点Oから曲線P(γo)2/4
に沿って移動し、動作点が曲線P(γo)2/4 の最大出力
点aに達した後はその出力を維持したままで曲線P(γ
o)4/4 と交わる位置bまで回転数が上昇し、その後曲線
P(γo)4/4 に沿って回転数がNs まで低下して回転数
Ns に落ち着く。このように、図10の制御のみを行わ
せた場合には、回転数の設定値N6 を適当に定めておく
ことにより、電動機の出力を維持しつつ回転数を上昇さ
せることができるため、加速感を良好にすることができ
る。
【0098】上記の実施例では、各スロットル開度に対
してデューティ比が100%になる回転数を超える領域
で励磁相の制御進み角を進角させる制御を行わせるよう
に、図11及び図13の3次元マップを作成している
が、各スロットル開度に対してデューティ比が100%
になる回転数よりも僅かに低い回転数から制御進み角を
進角させる制御を行わせるようにしてもよい。
してデューティ比が100%になる回転数を超える領域
で励磁相の制御進み角を進角させる制御を行わせるよう
に、図11及び図13の3次元マップを作成している
が、各スロットル開度に対してデューティ比が100%
になる回転数よりも僅かに低い回転数から制御進み角を
進角させる制御を行わせるようにしてもよい。
【0099】上記の実施例では、図10に示したよう
に、回転数が大きい場合ほど、速度調節部材の変位量に
対するデューティ比の変化率を大きくするようにデュー
ティ比特性を定めているが、必ずしもこのように設定し
なくても良い。例えば、車両の速度が過大になるのを防
ぐために、回転数が設定値を超える領域で、回転数の上
昇に伴ってデューティ比を小さくするようにしてもよ
い。
に、回転数が大きい場合ほど、速度調節部材の変位量に
対するデューティ比の変化率を大きくするようにデュー
ティ比特性を定めているが、必ずしもこのように設定し
なくても良い。例えば、車両の速度が過大になるのを防
ぐために、回転数が設定値を超える領域で、回転数の上
昇に伴ってデューティ比を小さくするようにしてもよ
い。
【0100】また上記の実施例では、図12に示したよ
うに、速度調節部材の進角開始変位量を回転数の上昇に
伴って小さくしていき、速度調節部材の増速側への変位
量に対する制御進み角γの進角量の増加割合を回転数の
上昇に伴って小さくするように制御進み角特性を定めて
いるが、これらはあくまでも一例を示したものであっ
て、速度調節部材の進角開始変位量と回転数との関係、
及び制御進み角の進角量の増加割合と回転数との関係
は、必要とされる運転フィーリング等に応じて、ケース
バイケースで適宜に設定することができる。
うに、速度調節部材の進角開始変位量を回転数の上昇に
伴って小さくしていき、速度調節部材の増速側への変位
量に対する制御進み角γの進角量の増加割合を回転数の
上昇に伴って小さくするように制御進み角特性を定めて
いるが、これらはあくまでも一例を示したものであっ
て、速度調節部材の進角開始変位量と回転数との関係、
及び制御進み角の進角量の増加割合と回転数との関係
は、必要とされる運転フィーリング等に応じて、ケース
バイケースで適宜に設定することができる。
【0101】上記の例では、電機子コイル12、スイッ
チ回路41及びバッテリ43の温度を監視しているが、
電動機の駆動電流に起因して生じる発熱により温度が上
昇するおそれがある場所が更に外にもある場合には、そ
の場所の温度を監視する温度センサを更に設けて、該温
度センサによる異常温度上昇の検出を、温度上昇抑制制
御の開始条件としてもよい。
チ回路41及びバッテリ43の温度を監視しているが、
電動機の駆動電流に起因して生じる発熱により温度が上
昇するおそれがある場所が更に外にもある場合には、そ
の場所の温度を監視する温度センサを更に設けて、該温
度センサによる異常温度上昇の検出を、温度上昇抑制制
御の開始条件としてもよい。
【0102】また上記の実施例においてバッテリ43の
温度上昇が問題にならない場合には、温度センサ48を
省略することができる。
温度上昇が問題にならない場合には、温度センサ48を
省略することができる。
【0103】上記の実施例では、電動機の回転数が設定
された進角終了回転数以上になる範囲で制御進み角の進
角量を設定された最大値に固定するようにしたが、必ず
しも最大値に固定する必要はなく、最大値よりも多少遅
角側の値に固定するようにしてもよい。
された進角終了回転数以上になる範囲で制御進み角の進
角量を設定された最大値に固定するようにしたが、必ず
しも最大値に固定する必要はなく、最大値よりも多少遅
角側の値に固定するようにしてもよい。
【0104】上記の実施例では、電動スクータに用いる
ブラシレス直流電動機に本発明を適用したが、他の電気
自動車に用いるブラシレス直流電動機にも本発明を適用
することができるのはもちろんである。
ブラシレス直流電動機に本発明を適用したが、他の電気
自動車に用いるブラシレス直流電動機にも本発明を適用
することができるのはもちろんである。
【0105】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本明細書に開示した発明の主な態様を挙げると下記
の通りである。
が、本明細書に開示した発明の主な態様を挙げると下記
の通りである。
【0106】(1) 多相の電機子コイルを有するステ
ータと磁石界磁を有するロータとを有して前記ロータの
回転軸が車両の駆動輪に直接または減速比が一定の減速
機を介して結合されたブラシレス直流電動機と、前記ロ
ータの回転角度位置を検出する位置検出器と、バッテリ
を電源として、前記位置検出器により検出されたロータ
の回転角度位置に応じて決定される相の電機子コイル
に、速度調節部材の増速側及び減速側への変位に伴って
それぞれデューティ比が増加及び減少するようにパルス
幅変調された駆動電流を流す駆動装置とを備えた電動車
両の前記ブラシレス直流電動機を駆動する方法であっ
て、前記駆動電流を流す相を切り換える位相角を制御進
み角として、前記電動機の回転数が設定値以下であると
きには前記制御進み角を予め設定した正規の制御進み角
に固定し、前記電動機の回転数が設定された進角開始回
転数を超える範囲では前記制御進み角を回転数の上昇に
伴って正規の制御進み角よりも進角させ、前記電動機の
回転数が設定された進角終了回転数以上になる範囲では
前記制御進み角の進角量を設定された値に固定するよう
に、前記制御進み角を回転数に応じて制御し、前記バッ
テリと駆動装置と電機子コイルとを含む系の各部の内、
温度の監視を要する部分の温度を検出して、温度の異常
上昇が検出されたときに前記制御進み角を遅角させるこ
とにより駆動電流を減少させて温度上昇を抑制する温度
上昇抑制制御を行うことを特徴とする電動車両用ブラシ
レス直流電動機の駆動方法。
ータと磁石界磁を有するロータとを有して前記ロータの
回転軸が車両の駆動輪に直接または減速比が一定の減速
機を介して結合されたブラシレス直流電動機と、前記ロ
ータの回転角度位置を検出する位置検出器と、バッテリ
を電源として、前記位置検出器により検出されたロータ
の回転角度位置に応じて決定される相の電機子コイル
に、速度調節部材の増速側及び減速側への変位に伴って
それぞれデューティ比が増加及び減少するようにパルス
幅変調された駆動電流を流す駆動装置とを備えた電動車
両の前記ブラシレス直流電動機を駆動する方法であっ
て、前記駆動電流を流す相を切り換える位相角を制御進
み角として、前記電動機の回転数が設定値以下であると
きには前記制御進み角を予め設定した正規の制御進み角
に固定し、前記電動機の回転数が設定された進角開始回
転数を超える範囲では前記制御進み角を回転数の上昇に
伴って正規の制御進み角よりも進角させ、前記電動機の
回転数が設定された進角終了回転数以上になる範囲では
前記制御進み角の進角量を設定された値に固定するよう
に、前記制御進み角を回転数に応じて制御し、前記バッ
テリと駆動装置と電機子コイルとを含む系の各部の内、
温度の監視を要する部分の温度を検出して、温度の異常
上昇が検出されたときに前記制御進み角を遅角させるこ
とにより駆動電流を減少させて温度上昇を抑制する温度
上昇抑制制御を行うことを特徴とする電動車両用ブラシ
レス直流電動機の駆動方法。
【0107】(2) 多相の電機子コイルを有するステ
ータと磁石界磁を有するロータとを有して前記ロータの
回転軸が車両の駆動輪に直接または減速比が一定の減速
機を介して結合されたブラシレス直流電動機と、前記ロ
ータの回転角度位置を検出する位置検出器と、バッテリ
を電源として、前記位置検出器により検出されたロータ
の回転角度位置に応じて決定される相の電機子コイル
に、速度調節部材の増速側及び減速側への変位に伴って
それぞれデューティ比が増加及び減少するようにパルス
幅変調された駆動電流を流す駆動装置とを備えた電動車
両の前記ブラシレス直流電動機を駆動する方法であっ
て、前記駆動電流を流す相を切り換える位相角を制御進
み角として、前記電動機の回転数が設定値以下であると
きには速度調節部材の変位量の如何に係わりなく前記制
御進み角を予め設定した正規の制御進み角に固定し、前
記電動機の回転数が設定値を超える範囲では、速度調節
部材の増速側への変位量が回転数に応じて設定された進
角開始変位量を超える範囲で前記制御進み角を速度調節
部材の増速側への変位量に対して正規の制御進み角より
も進角させ、前記速度調節部材の増速側への変位量が設
定された進角終了変位量以上になったときには前記制御
進み角の進角量を設定された値に固定するように前記制
御進み角を速度調節部材の変位量と回転数とに応じて制
御し、前記バッテリと駆動装置と電機子コイルとを含む
系の各部の内、温度の監視を要する部分の温度を検出し
て、温度の異常上昇が検出されたときに前記制御進み角
を遅角させることにより駆動電流を減少させて温度上昇
を抑制する温度上昇抑制制御を行うことを特徴とする電
動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法。
ータと磁石界磁を有するロータとを有して前記ロータの
回転軸が車両の駆動輪に直接または減速比が一定の減速
機を介して結合されたブラシレス直流電動機と、前記ロ
ータの回転角度位置を検出する位置検出器と、バッテリ
を電源として、前記位置検出器により検出されたロータ
の回転角度位置に応じて決定される相の電機子コイル
に、速度調節部材の増速側及び減速側への変位に伴って
それぞれデューティ比が増加及び減少するようにパルス
幅変調された駆動電流を流す駆動装置とを備えた電動車
両の前記ブラシレス直流電動機を駆動する方法であっ
て、前記駆動電流を流す相を切り換える位相角を制御進
み角として、前記電動機の回転数が設定値以下であると
きには速度調節部材の変位量の如何に係わりなく前記制
御進み角を予め設定した正規の制御進み角に固定し、前
記電動機の回転数が設定値を超える範囲では、速度調節
部材の増速側への変位量が回転数に応じて設定された進
角開始変位量を超える範囲で前記制御進み角を速度調節
部材の増速側への変位量に対して正規の制御進み角より
も進角させ、前記速度調節部材の増速側への変位量が設
定された進角終了変位量以上になったときには前記制御
進み角の進角量を設定された値に固定するように前記制
御進み角を速度調節部材の変位量と回転数とに応じて制
御し、前記バッテリと駆動装置と電機子コイルとを含む
系の各部の内、温度の監視を要する部分の温度を検出し
て、温度の異常上昇が検出されたときに前記制御進み角
を遅角させることにより駆動電流を減少させて温度上昇
を抑制する温度上昇抑制制御を行うことを特徴とする電
動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法。
【0108】(3) 前記速度調節部材の変位量に対す
る前記デューティ比の変化率を電動機の回転数に応じて
変化させるように前記デューティ比を速度調節部材の変
位量と回転数とに対して制御することを特徴とする上記
(2)項に記載の電動車両用ブラシレス直流電動機の駆
動方法。
る前記デューティ比の変化率を電動機の回転数に応じて
変化させるように前記デューティ比を速度調節部材の変
位量と回転数とに対して制御することを特徴とする上記
(2)項に記載の電動車両用ブラシレス直流電動機の駆
動方法。
【0109】(4) 前記温度上昇抑制制御では、制御
進み角を遅角させたときに同時に駆動電流のデューティ
比を減少させる制御をも行わせることを特徴とする上記
(1)ないし(3)項のいずれか1つに記載の電動車両
用ブラシレス直流電動機の駆動方法。
進み角を遅角させたときに同時に駆動電流のデューティ
比を減少させる制御をも行わせることを特徴とする上記
(1)ないし(3)項のいずれか1つに記載の電動車両
用ブラシレス直流電動機の駆動方法。
【0110】(5) 前記温度上昇抑制制御では、検出
された温度が設定値を超えた状態を温度の異常上昇とし
て制御進み角を遅角させる制御を行わせ、検出された温
度が設定値未満になった状態を温度の異常上昇が解消さ
れた状態として制御進み角を定常時の角度に戻すことを
特徴とする上記(1)ないし(4)項のいずれか1つに
記載の電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法。
された温度が設定値を超えた状態を温度の異常上昇とし
て制御進み角を遅角させる制御を行わせ、検出された温
度が設定値未満になった状態を温度の異常上昇が解消さ
れた状態として制御進み角を定常時の角度に戻すことを
特徴とする上記(1)ないし(4)項のいずれか1つに
記載の電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法。
【0111】(6) 前記温度上昇抑制制御では、検出
された温度が第1の設定値を超えた状態を温度の異常上
昇として制御進み角を遅角させる制御を行わせ、検出さ
れた温度が第1の設定値よりも低い第2の設定値以下に
なった状態を温度の異常上昇が解消された状態として制
御進み角を定常時の角度に戻すことを特徴とする上記
(1)ないし(4)項のいずれか1つに記載の電動車両
用ブラシレス直流電動機の駆動方法。
された温度が第1の設定値を超えた状態を温度の異常上
昇として制御進み角を遅角させる制御を行わせ、検出さ
れた温度が第1の設定値よりも低い第2の設定値以下に
なった状態を温度の異常上昇が解消された状態として制
御進み角を定常時の角度に戻すことを特徴とする上記
(1)ないし(4)項のいずれか1つに記載の電動車両
用ブラシレス直流電動機の駆動方法。
【0112】(7) 前記温度上昇抑制制御において、
該温度上昇抑制制御が行われていることを示す警告信号
を発生させ、該警告信号により警告装置の表示手段を動
作させることを特徴とする上記(1)ないし(6)項の
いずれか1つに記載の電動車両用ブラシレス直流電動機
の駆動方法。
該温度上昇抑制制御が行われていることを示す警告信号
を発生させ、該警告信号により警告装置の表示手段を動
作させることを特徴とする上記(1)ないし(6)項の
いずれか1つに記載の電動車両用ブラシレス直流電動機
の駆動方法。
【0113】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、温度の
監視を要する部分の温度を検出して、温度の異常上昇が
検出されたときに制御進み角を遅角させることにより駆
動電流を制限するようにしたため、バッテリや駆動装置
内の駆動電流制御用半導体スイッチ、あるいは電機子コ
イル等の、駆動電流が流れる部分からの発熱を抑制する
ことができる。
監視を要する部分の温度を検出して、温度の異常上昇が
検出されたときに制御進み角を遅角させることにより駆
動電流を制限するようにしたため、バッテリや駆動装置
内の駆動電流制御用半導体スイッチ、あるいは電機子コ
イル等の、駆動電流が流れる部分からの発熱を抑制する
ことができる。
【0114】また本発明によれば、制御進み角を遅角さ
せることにより駆動電流を減少させる方法をとるので、
制御進み角を遅角させずに駆動電流のデューティ比をの
みを減少させる方法をとった場合に比べて、回転数の落
ち込みを少なくすることができる利点がある。
せることにより駆動電流を減少させる方法をとるので、
制御進み角を遅角させずに駆動電流のデューティ比をの
みを減少させる方法をとった場合に比べて、回転数の落
ち込みを少なくすることができる利点がある。
【図1】本発明の実施例の要部を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の駆動制御系の電気的な構成を
示す回路図である。
示す回路図である。
【図3】図2の各部の信号波形を示す波形図である。
【図4】本発明の駆動方法で用いる制御進み角対回転数
特性の一例を示した線図である。
特性の一例を示した線図である。
【図5】本発明の駆動方法で用いるデューティ比対スロ
ットル開度特性の一例を示した線図である。
ットル開度特性の一例を示した線図である。
【図6】本発明の実施例の駆動方法による場合の電動機
の動作を説明する出力特性曲線図である。
の動作を説明する出力特性曲線図である。
【図7】図6の出力特性を有する電動機の駆動電流対回
転数特性を示した線図である。
転数特性を示した線図である。
【図8】本発明の実施例の駆動方法による場合の電動機
の動作を説明するための線図である。
の動作を説明するための線図である。
【図9】本発明の実施例の駆動方法による場合の電動機
の動作を説明するための線図である。
の動作を説明するための線図である。
【図10】本発明の駆動方法で用いるデューティ比特性
を説明するための線図である。
を説明するための線図である。
【図11】図10のデューティ比特性を用いて制御を行
う場合に用いる3次元マップの構造を示すグラフであ
る。
う場合に用いる3次元マップの構造を示すグラフであ
る。
【図12】本発明の駆動方法で用いる制御進み角特性を
説明するための線図である。
説明するための線図である。
【図13】図12の特性を用いて制御進み角を制御する
場合に用いる3次元マップの構造を示したグラフであ
る。
場合に用いる3次元マップの構造を示したグラフであ
る。
【図14】本発明の実施例の動作を説明する線図であ
る。
る。
【図15】本発明の実施例の動作を説明する線図であ
る。
る。
1 ブラシレス直流電動機 12 電機子コイル 36 アクセルグリップ 37 ポテンショメータ 38 コントローラ 40 ゲートドライブ回路 41 スイッチ回路 42u 〜42w FET 42x 〜42z FET 45 電流検出回路 46〜48 温度センサ
Claims (7)
- 【請求項1】 バッテリを電源として、ブラシレス直流
電動機のロータの回転角度位置に応じて決定される相の
電機子コイルに、速度調節部材の増速側及び減速側への
変位に伴ってそれぞれデューティ比が増加及び減少する
ようにパルス幅変調された駆動電流を流して前記電動機
を駆動する車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法であ
って、 前記駆動電流を流す相を切り換える位相角を制御進み角
として、前記電動機の回転数が設定値以下であるときに
は前記制御進み角を予め設定した正規の制御進み角に固
定し、前記電動機の回転数が設定された進角開始回転数
を超える範囲では前記制御進み角を回転数の上昇に伴っ
て正規の制御進み角よりも進角させ、 前記電動機の回転数が設定された進角終了回転数以上に
なる範囲では前記制御進み角の進角量を設定された値に
固定するように、前記制御進み角を回転数に応じて制御
し、 前記バッテリと電機子コイルと該電機子コイルに流す駆
動電流を制御する駆動回路とを含む系の各部の内、温度
の監視を要する部分の温度を検出して、温度の異常上昇
が検出されたときに前記制御進み角を遅角させることに
より駆動電流を減少させて温度上昇を抑制する温度上昇
抑制制御を行うことを特徴とする電動車両用ブラシレス
直流電動機の駆動方法。 - 【請求項2】 バッテリを電源として、ブラシレス直流
電動機のロータの回転角度位置に応じて決定される相の
電機子コイルに、速度調節部材の増速側及び減速側への
変位に伴ってそれぞれデューティ比が増加及び減少する
ようにパルス幅変調された駆動電流を流して前記電動機
を駆動する車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法であ
って、 前記駆動電流を流す相を切り換える位相角を制御進み角
として、前記電動機の回転数が設定値以下であるときに
は速度調節部材の変位量の如何に係わりなく前記制御進
み角を予め設定した正規の制御進み角に固定し、前記電
動機の回転数が設定値を超える範囲では、速度調節部材
の増速側への変位量が回転数に応じて設定された進角開
始変位量を超える範囲で前記制御進み角を速度調節部材
の増速側への変位量に対して正規の制御進み角よりも進
角させ、前記速度調節部材の増速側への変位量が設定さ
れた進角終了変位量以上になったときには前記制御進み
角の進角量を設定された値に固定するように前記制御進
み角を速度調節部材の変位量と回転数とに応じて制御
し、 前記バッテリと電機子コイルと該電機子コイルに流す駆
動電流を制御する駆動回路とを含む系の各部の内、温度
の監視を要する部分の温度を検出して、温度の異常上昇
が検出されたときに前記制御進み角を遅角させることに
より駆動電流を減少させて温度上昇を抑制する温度上昇
抑制制御を行うことを特徴とする電動車両用ブラシレス
直流電動機の駆動方法。 - 【請求項3】 前記速度調節部材の変位量に対する前記
デューティ比の変化率を電動機の回転数に応じて変化さ
せるように前記デューティ比を速度調節部材の変位量と
回転数とに対して制御することを特徴とする請求項2に
記載の電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法。 - 【請求項4】 前記温度上昇抑制制御では、制御進み角
を遅角させたときに同時に駆動電流のデューティ比を減
少させる制御をも行わせることを特徴とする請求項1な
いし3のいずれか1つに記載の電動車両用ブラシレス直
流電動機の駆動方法。 - 【請求項5】 前記温度上昇抑制制御では、検出された
温度が設定値を超えた状態を温度の異常上昇が生じた状
態として制御進み角を遅角させる制御を行わせ、検出さ
れた温度が設定値未満になった状態を温度の異常上昇が
解消された状態として制御進み角を定常時の角度に戻す
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記
載の電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法。 - 【請求項6】 前記温度上昇抑制制御では、検出された
温度が第1の設定値を超えた状態を温度の異常上昇が生
じた状態として制御進み角を遅角させる制御を行わせ、
検出された温度が第1の設定値よりも低い第2の設定値
以下になった状態を温度の異常上昇が解消された状態と
して制御進み角を定常時の角度に戻すことを特徴とする
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電動車両用ブ
ラシレス直流電動機の駆動方法。 - 【請求項7】 前記温度上昇抑制制御を行っているとき
に、温度上昇抑制制御中であることを示す警告信号を発
生させ、該警告信号により警告装置の表示手段を動作さ
せることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つ
に記載の電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7061241A JPH08265919A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7061241A JPH08265919A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08265919A true JPH08265919A (ja) | 1996-10-11 |
Family
ID=13165545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7061241A Pending JPH08265919A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08265919A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000048296A1 (fr) * | 1999-02-10 | 2000-08-17 | Sony Corporation | Actionneur |
US6647325B2 (en) | 2001-02-19 | 2003-11-11 | Kokusan Denki Co., Ltd. | Control system for electric motor for driving electric vehicle |
JP2008533954A (ja) * | 2004-12-23 | 2008-08-21 | ミネベア株式会社 | マイクロコントローラによる、dcブラシレスモータおよび冷却ファンにおける信頼性を向上する方法 |
JP2008236906A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Mitsuba Corp | モータの制御装置及びモータの制御方法並びに電動車両 |
JP2011147273A (ja) * | 2010-01-14 | 2011-07-28 | Ricoh Co Ltd | モータ制御装置、画像形成装置、半導体集積装置及びモータ制御プログラム |
JP2012070626A (ja) * | 2011-11-21 | 2012-04-05 | Nidec Techno Motor Holdings Corp | モータ用駆動回路及びそれを備えたモータ |
JP2013005475A (ja) * | 2011-06-13 | 2013-01-07 | Toyota Motor Corp | モータの制御装置 |
JP2015002672A (ja) * | 2013-06-13 | 2015-01-05 | ダイソン テクノロジー リミテッド | ブラシレス・モータを制御する方法 |
JP2016158499A (ja) * | 2012-09-10 | 2016-09-01 | 三菱電機株式会社 | モータ駆動回路、およびそれを内蔵した駆動回路内蔵モータならびに駆動回路内蔵ポンプモータ、およびそれらを搭載した空気調和機、換気扇、ヒートポンプ給湯機、ならびに内蔵冷温水循環式空調機 |
JP2018114954A (ja) * | 2017-01-20 | 2018-07-26 | 株式会社デンソー | ワイパ装置 |
WO2018135218A1 (ja) * | 2017-01-20 | 2018-07-26 | 株式会社デンソー | ワイパ装置 |
JP2018118661A (ja) * | 2017-01-26 | 2018-08-02 | 株式会社デンソー | ワイパ装置 |
US20210396595A1 (en) * | 2018-02-07 | 2021-12-23 | Renault S.A.S. | Method and device for detecting when a predefined temperature threshold is exceeded |
-
1995
- 1995-03-20 JP JP7061241A patent/JPH08265919A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6548981B1 (en) | 1999-02-10 | 2003-04-15 | Sony Corporation | Actuator |
WO2000048296A1 (fr) * | 1999-02-10 | 2000-08-17 | Sony Corporation | Actionneur |
US6647325B2 (en) | 2001-02-19 | 2003-11-11 | Kokusan Denki Co., Ltd. | Control system for electric motor for driving electric vehicle |
JP2008533954A (ja) * | 2004-12-23 | 2008-08-21 | ミネベア株式会社 | マイクロコントローラによる、dcブラシレスモータおよび冷却ファンにおける信頼性を向上する方法 |
JP2008236906A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Mitsuba Corp | モータの制御装置及びモータの制御方法並びに電動車両 |
JP2011147273A (ja) * | 2010-01-14 | 2011-07-28 | Ricoh Co Ltd | モータ制御装置、画像形成装置、半導体集積装置及びモータ制御プログラム |
JP2013005475A (ja) * | 2011-06-13 | 2013-01-07 | Toyota Motor Corp | モータの制御装置 |
JP2012070626A (ja) * | 2011-11-21 | 2012-04-05 | Nidec Techno Motor Holdings Corp | モータ用駆動回路及びそれを備えたモータ |
JP2016158499A (ja) * | 2012-09-10 | 2016-09-01 | 三菱電機株式会社 | モータ駆動回路、およびそれを内蔵した駆動回路内蔵モータならびに駆動回路内蔵ポンプモータ、およびそれらを搭載した空気調和機、換気扇、ヒートポンプ給湯機、ならびに内蔵冷温水循環式空調機 |
JP2015002672A (ja) * | 2013-06-13 | 2015-01-05 | ダイソン テクノロジー リミテッド | ブラシレス・モータを制御する方法 |
JP2018114954A (ja) * | 2017-01-20 | 2018-07-26 | 株式会社デンソー | ワイパ装置 |
WO2018135218A1 (ja) * | 2017-01-20 | 2018-07-26 | 株式会社デンソー | ワイパ装置 |
US10864894B2 (en) | 2017-01-20 | 2020-12-15 | Denso Corporation | Wiper device |
JP2018118661A (ja) * | 2017-01-26 | 2018-08-02 | 株式会社デンソー | ワイパ装置 |
US20210396595A1 (en) * | 2018-02-07 | 2021-12-23 | Renault S.A.S. | Method and device for detecting when a predefined temperature threshold is exceeded |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6679350B2 (en) | Electric power steering apparatus | |
JPH08265919A (ja) | 電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法 | |
WO1998036930A1 (fr) | Generatrice/moteur pour moteur a combustion interne | |
JPH0624953B2 (ja) | 電動式パワ−ステアリング装置 | |
JPH038990B2 (ja) | ||
JP5477458B2 (ja) | スタビライザシステム | |
JP3778342B2 (ja) | 同期発電機の出力制御装置 | |
JP3243977B2 (ja) | 電動車両用ブラシレス直流電動機の制御方法 | |
US6424107B1 (en) | Apparatus and method for controlling an electric motor | |
JP3397489B2 (ja) | 電動車両の速度制御方法 | |
JP4048785B2 (ja) | 電動機用制御装置 | |
EP2574523B1 (en) | Vehicle steering system | |
JPH1081290A (ja) | トルク補助式電動自転車 | |
JP2005041363A (ja) | 伝達比可変操舵装置 | |
JP3770094B2 (ja) | 電動車両駆動用電動機の制御装置 | |
JPH06141401A (ja) | 電動車両用駆動装置 | |
JP3243909B2 (ja) | 電動車両用ブラシレス直流電動機の駆動方法 | |
JP3275648B2 (ja) | 電動車両の電動機出力制御方法 | |
JPH10299533A (ja) | 内燃機関用の発電電動装置 | |
JP2003164005A (ja) | 電動車両用モータの制御装置 | |
JP4110784B2 (ja) | 電動車両駆動用ブラシレス直流電動機の駆動装置 | |
JP3915894B2 (ja) | 電動車両駆動用ブラシレス直流電動機の駆動装置 | |
JP2015037375A (ja) | 電動車両の制御装置 | |
JP5120532B2 (ja) | 伝達比可変操舵装置 | |
JP2002271904A (ja) | 電動車両駆動用ブラシレス直流電動機の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020129 |