JP2662668B2 - 電動車輛の速度制御装置 - Google Patents
電動車輛の速度制御装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
この発明は、モータを走行動力源とする一般路上走行
用の電気自動車や電動二輪車あるいはフオークリフト等
産業用の電動車輌の速度制御装置に係り、さらにいえば
三相式ブラシレス直流モータを走行動力源に使用した電
動車輌の通電方式の切換えに基く速度制御装置に関す
る。 従来の技術 従来、モータを走行動力源とする電動車輌は種々公知
に属する(例えば実開昭49−132546号、実開昭50−1473
54号公報など)。 通常、モータを走行動力源とする電気自動車や電動二
輪車その他の電動車輌の速度制御は、 モータに印加する電圧を大小に変化させる電圧制御方
式、 モータと車輪との間に変速機を設置した変速機制御方
式、 通電方式の切換えに基く速度制御方式(例えば特開昭
54−125418号公報記載の制御方式を参照)。 のいずれかで行なうのが一般的である。そして、荒い速
度制御にはギヤシフトによる変速機制御方式を採用し、
さらにこれを補完する細かい速度制御にペダル操作によ
る電圧制御方式が採用されている。 その理由は、モータは車輌の発進時の如く低速で高ト
ルクが必要な場合に効率が低く、他方、高速走行時の如
く高速で必要トルクが小さくなるにつれて効率が向上す
る特性があり、車輌の低速域においては変速機を利用す
ると効率の低下を防ぐことが可能だからである。 本発明が解決しょうとする問題点 電動車輌の速度制御に上記電圧制御方式と変速機制御
方式を併用するときは、第一に電動車輌の構造が複雑化
するし、かつ大型化、大重量化する。 その上、運転操作が複雑化するし、また、変速機で損
失を生ずるため効率の低下を否めないという問題点があ
る。 これに対して、モータの界磁を強くする等の方法で低
速域での効率を高めたモータの製作、実用化も可能であ
るが、このモータは最大速度も小さくなり、このため変
速機制御方式を併用して速度のダイナミックレンジを拡
大する必要があるので、結局上述したと同じ問題点があ
る。 次に、上述した特開昭54−125418号公報に記載された
速度制御方式は、星形結線の中性点に接続したトランジ
スターのスイッチング作用で三相式ブラシレス直流モー
タの電気子巻線に対して半波通電と全波通電とを選択的
に切換えて速度を2段階に制御する構成であるから、速
度制御の範囲が狭いという問題がある。 目的 そこでこの発明の目的は、変速機制御方式を採用する
必要がなく、モータを低速域において十分高い効率で駆
動させられ、しかも実用的な十分広い範囲での速度制御
が行なえること、特に半波通電で2段階、そして、全波
通電でも2段階、合計4段階の速度制御を行なえる電動
車輌の速度制御装置を提供することである。 問題点を解決するための手段 上記従来技術の問題点を解決する手段として、この発
明に係る電動車輌の速度制御装置は、図面に実施例を示
したとおり、 三相式ブラシレス直流モータを走行動力源とする電動
車輌の制御装置、特に前記直流モータ20の電機子巻線1,
2,3に対して電力を供給する半波通電回路と全波通電回
路とを併設し、モータ20に対する半波通電と全波通電と
を選択的に切換えて速度を制御する速度制御装置におい
て、 星形結線とした三相の電機子巻線1,2,3とこれに対し
て電力を供給するスイッチング用トランジスター4,5,6
とを接続し、前記星形結線の中性点に前記トランジスタ
ー4〜6に同期して半波通電又は全波通電の切換えスイ
ッチングを行なうトランジスター10を接続する。一方、
前記直流モータ20の電機子側にロータの回転角を検出す
る位置センサー21を設け、前記位置センサー21の検出信
号を受けた制御回路12の働きにより前記の各トランジス
ターを制御し半波60゜及び90゜通電又は全波60゜通電の
切換えを行なう構成とした(第3図)。 第2の発明は、大部分の構成を上記第1の発明と共通
にするが、更に電源電池11は+V,0,−Vのように分離し
てその0点と星型結線とした電機子巻線の中性点との間
に双方向の通電が可能なリレースイッチ14を接続し、ま
た、前記+Vは前記トランジスター4,5,6と、前記−V
は前記トランジスター7,8,9と各々接続し、前記制御回
路12の働きにより前記の各トランジスターを制御し全波
90゜通電の切換えを行なう構成を付加したことを特徴と
する(第5図)。 作用 まず、三相式ブラシレス直流モータとは、第1図にア
ウターロータ式の三相式ブラシレス直流モータ20の概念
図を示したとおり、これは三相の同期式モータにおける
電機子側にロータの位置センサー21を取付け、同位置セ
ンサー21からの位置信号により各相の電機子巻線に流す
電流のタイミングを変化させる構成の直流モータのこと
である。 第1図では、円周を4等分した大きさの4個の永久磁
石22が極性S、Nを互い違いに異ならせた配置として外
周部のロータが形成されている。電機子は内側の固定子
となし、120゜に等配した3個の電機子巻線1,2,3の端部
に例えばホール素子などの位置センサー21が取付けられ
ている。この位置センサー21は永久磁石22のN極とS極
を検出し、その検出信号を受けた制御回路12の働きによ
り各トランジスターを制御しロータが1周回転する間に
2対の切換え動作を行なわしめる。 第2図Aに各相の位置センサー21の出力を示した。同
位置センサー21は、1個の電機子巻線につき各1個の割
合で付くので、位置センサー21の出力は合計3個にな
る。 また、第2図B〜Eには、上記三相式ブラシレス直流
モータ20の各電機子巻線1,2,3に流す電流のタイミング
を示した。ちなみに各電機子巻線に正方向のみの電流を
流す場合を半波通電、正負両方向の電流を流す場合を全
波通電と称する。また、回転角60゜毎に流し方を変える
のを60゜通電、90゜毎に流し方を変えるのを90゜通電と
いう。 同一の印加電圧においてこのモータが回転する最大の
回転数は、半波60゜通電の場合を1とするとき、半波90
゜通電のときが1/1.5、全波60゜通電のときが1/2、全波
90゜通電のときが1/3とだんだん低速になる。 逆にモータ20の効率は、前記回転数の場合とは逆比の
関係で良くなる。したがって、低速時にはまず全波90゜
通電でモータを回転させ、高速になるにしたがって通電
方式を全波60゜通電→半波90゜通電→半波60゜通電へと
切り換えていけばよく、そうすると速度制御のダイナミ
ックレンジが4段階に広がり、かつ高効率でモータ20が
回転されることになる。 三相式ブラシレス直流モータ20の運転特性が上記のと
うりであるから、電動車輌の運転者は、低速走行時には
手動切換え操作により、又はモータの回転数とその時の
最大トルクとの関係を検出して自動的に、制御回路12を
通じて全波通電回路を選択し所謂全波通電を行なわしめ
て、モータ20を高い効率で低速大トルクで正転させるこ
ととなる。また、電源電圧と必要トルクとの関係に基き
最大速度で走行するときには、半波通電回路を選択して
所謂半波通電が行なわしめると、最大速度を2倍程度に
まで引き伸ばすことができるのである。 実 施 例 次に、第3図に示したこの発明の第1実施例、特に半
波60゜及び90゜通電並びに全波60゜通電が可能な構成の
速度制御装置について説明する。 図中1,2,3は電動車輌の走行動力源である三相式ブラ
シレス直流モータ20の三相の電機子巻線であり、これら
は星型結線とされている。 図中4,5,6は前記直流モータの三相の電機子巻線1,2,3
に電力を供給する半波通電回路のスイッチング用トラン
ジスタであり、各々のコレクタは電力供給用直流電源11
の陽極と接続され、エミッタが各電機子巻線1,2,3と接
続されている。また、ベースはペダル13の操作によりモ
ータ20への印加電圧を調節する制御回路12と接続されて
いる。 次に、図中10は同じく半波通電回路を構成し前記トラ
ンジスタ4,5,6に同期して開閉のスイッチング動作を行
なうトランジスタであり、そのコレクタは星型結線とし
た電機子巻線1,2,3の中性点に接続され、エミッタを直
流電源11の陰極と接続し、ベースが制御回路12と接続さ
れている。 半波通電時にはトランジスタ10は常に導通となり、制
御回路12を通じてトランジスタ4と10,5と10,6と10の組
はこの順に同期したスイッチング(開閉)動作が行なわ
れ、直流電源11により供給された電流は各相の電機子巻
線1,2,3に対し第2図B,Cに示したタイミングで導通状態
となり、即ち半波60゜又は90゜通電が行なわれてモータ
が高速域で効率良く正転されるのである。半波60゜通電
と半波び90゜通電との切換えは、位置センサー21の出力
の取り方による。 次に、図中7,8,9は全波通電回路を構成し上記トラン
ジスタ4,5,6に同期してスイッチング動作を行なうトラ
ンジスタであり、各々のコレクタが前記トランジスタ4,
5,6のエミッタと接続され、またエミッタ側は直流電源1
1の陰極と接続され、ベースが制御回路12と接続されて
いる。 したがって、上記半波通電から全波通電に切換える
と、トランジスタ10は常にオフとなり、対をなすトラン
ジスタ4と8,5と9,6と7の組はそれぞれ制御回路12を通
じてこの順序でスイッチング動作が行なわれる。各素子
が導通するタイミングは第2図B(半波60゜通電)と同
じであるが、直流電源11で供給される電流は電機子巻線
1から2へ、及び2から3へ、並びに3から1へと第2
図Dに示したタイミングで流れる全波60゜通電となり、
モータは低速域で高トルク,高効率に正転される。 ところで、制御回路12は、第2図B〜Dのタイミング
により 各トランジスタ4〜10をオン、オフのスイチング動作
をさせる働きと、 各トランジスタ4〜10の導通時に各電機子巻線1〜3
に流す電流を調節する働き、 とをする。 前者の働きは、位置センサー21の出力同士で適当に
タイミングをとることにより行なう。例えば、第2図B
のタイミングでオン、オフ動作させるには、位置センサ
ー21aの出力と位置センサー21bの逆転の出力とのアンド
をとればよい。 後者の働きは、各トランジスタ4〜10のベース電圧
を調節する方法では損失が大きいので、ベースを高速で
スイッチングを行ない、そのスイッチングのデューティ
比が電機子巻線1〜3に印加される平均の電圧に比例す
ることを利用して、即ち、チョッピングあるいはパルス
幅制御の方法で行なう。より具体的に、第2図Bのタイ
ミングにおける電機子巻線1についていえば、第4図に
示した如く、矩形波パルスにおけるa幅とb幅の大きさ
により制御する。a幅とb幅の比により平均の印加電圧
が決まる。 従って、制御回路12に付属するアクセル13の踏み込み
を大きくするということは、上記第4図の矩形波パルス
のb幅に対してa幅の値を大きくすることになる。この
ような制御のための矩形波パルスは、まず非安定マルチ
バイブレータで一定周波数の矩形波パルスを作り、この
矩形波をトリガーとして単安定マルチバイブレータを動
作させることにより作ることができ、単安定マルチバイ
ブレータの時定数をアクセルの踏み込み角に対して変化
させればよいのである。 次に、電圧、電流制御について述べる。上述した如く
制御回路12により矩形波のパルス幅aとbを変化させる
ということは、電機子巻線1〜3に印加される平均の電
圧を変えることをいう。従って、制御回路12は、電圧の
制御を行なっていることになる。モータ20の印加電圧V
と回転数nと電流Iの関係は、V=Kn+IRで表される。
Kはモータに個有の定数、Rは電機子巻線の抵抗であ
る。上記の式から、Vを変えればIが変化し、また電流
Iとトルクの関係は、T=KI/2πで電流に比例するので
ある。 上述の通りモータに対する半波通電回路と全波通電回
路との切換えは、制御回路12を通じて行なうのである
が、その切換えは電動車輌の運転者が車輌の走行速度の
実感ないし計器による実測に基く手動操作により行なう
ことができるし、又はモータのトルクと回転速度を検出
して自動的に行なうこともできる。 ちなみに、自動切換えの具体的なやり方としては、例
えば全波通電時のモータの回転数とその時の最大トルク
の関係を予めテストしておき、車輌走行時のモータの回
転数に対してトルクが最大値の近傍に達したことを検出
した時に半波通電に切換えることとする。ちなみに、モ
ータのトルクと電流は上式のとおり1:1の関係にあるこ
とから、トルクの測定は供給電流の測定をもって代える
ことができる。 第2の実施例 次に、第5図は半波通電と全波90゜通電が可能な構成
の速度制御装置を示している。 その基本的回路構成は、上記第3図の第1実施例と変
わりがない。ただ直流電源11を+V,0V,−Vのように二
つに分離し、0Vの点と、電機子巻線1〜3の星形結線の
中性点との間にリレーのように双方向の通電が行なえる
スイッチ14を接続した構成を特徴とする。 つまり、全波通電90゜に切り替えた時には、スイッチ
14が導通となり、トランジスタ4,5,6が第2図Cと同じ
タイミングで導通し、トランジスタ7,8,9がそれぞれ前
記トランジスタ4,5,6と逆位相で導通するので、直流電
源11により供給された電流は各相の電機子巻線1,2,3に
対し第2図Eに示したタイミングで導通状態となり、即
ち全波90゜通電が行なわれてモータは低速域でも効率良
く正転されるのである。 本発明が奏する効果 以上に実施例と併せて詳述したとおりであって、この
発明に係る電動車輌の速度制御装置は、低速高トルク走
行時には全波通電によって高い効率が得られ、また、全
波通電によっては得がたい高速低トルク走行の場合には
半波通電に切換えることにより、ダイナミックレンジが
最大4段階に拡大した速度制御が可能であり、よって変
速機制御方式を採用する必要は全くないのである。
用の電気自動車や電動二輪車あるいはフオークリフト等
産業用の電動車輌の速度制御装置に係り、さらにいえば
三相式ブラシレス直流モータを走行動力源に使用した電
動車輌の通電方式の切換えに基く速度制御装置に関す
る。 従来の技術 従来、モータを走行動力源とする電動車輌は種々公知
に属する(例えば実開昭49−132546号、実開昭50−1473
54号公報など)。 通常、モータを走行動力源とする電気自動車や電動二
輪車その他の電動車輌の速度制御は、 モータに印加する電圧を大小に変化させる電圧制御方
式、 モータと車輪との間に変速機を設置した変速機制御方
式、 通電方式の切換えに基く速度制御方式(例えば特開昭
54−125418号公報記載の制御方式を参照)。 のいずれかで行なうのが一般的である。そして、荒い速
度制御にはギヤシフトによる変速機制御方式を採用し、
さらにこれを補完する細かい速度制御にペダル操作によ
る電圧制御方式が採用されている。 その理由は、モータは車輌の発進時の如く低速で高ト
ルクが必要な場合に効率が低く、他方、高速走行時の如
く高速で必要トルクが小さくなるにつれて効率が向上す
る特性があり、車輌の低速域においては変速機を利用す
ると効率の低下を防ぐことが可能だからである。 本発明が解決しょうとする問題点 電動車輌の速度制御に上記電圧制御方式と変速機制御
方式を併用するときは、第一に電動車輌の構造が複雑化
するし、かつ大型化、大重量化する。 その上、運転操作が複雑化するし、また、変速機で損
失を生ずるため効率の低下を否めないという問題点があ
る。 これに対して、モータの界磁を強くする等の方法で低
速域での効率を高めたモータの製作、実用化も可能であ
るが、このモータは最大速度も小さくなり、このため変
速機制御方式を併用して速度のダイナミックレンジを拡
大する必要があるので、結局上述したと同じ問題点があ
る。 次に、上述した特開昭54−125418号公報に記載された
速度制御方式は、星形結線の中性点に接続したトランジ
スターのスイッチング作用で三相式ブラシレス直流モー
タの電気子巻線に対して半波通電と全波通電とを選択的
に切換えて速度を2段階に制御する構成であるから、速
度制御の範囲が狭いという問題がある。 目的 そこでこの発明の目的は、変速機制御方式を採用する
必要がなく、モータを低速域において十分高い効率で駆
動させられ、しかも実用的な十分広い範囲での速度制御
が行なえること、特に半波通電で2段階、そして、全波
通電でも2段階、合計4段階の速度制御を行なえる電動
車輌の速度制御装置を提供することである。 問題点を解決するための手段 上記従来技術の問題点を解決する手段として、この発
明に係る電動車輌の速度制御装置は、図面に実施例を示
したとおり、 三相式ブラシレス直流モータを走行動力源とする電動
車輌の制御装置、特に前記直流モータ20の電機子巻線1,
2,3に対して電力を供給する半波通電回路と全波通電回
路とを併設し、モータ20に対する半波通電と全波通電と
を選択的に切換えて速度を制御する速度制御装置におい
て、 星形結線とした三相の電機子巻線1,2,3とこれに対し
て電力を供給するスイッチング用トランジスター4,5,6
とを接続し、前記星形結線の中性点に前記トランジスタ
ー4〜6に同期して半波通電又は全波通電の切換えスイ
ッチングを行なうトランジスター10を接続する。一方、
前記直流モータ20の電機子側にロータの回転角を検出す
る位置センサー21を設け、前記位置センサー21の検出信
号を受けた制御回路12の働きにより前記の各トランジス
ターを制御し半波60゜及び90゜通電又は全波60゜通電の
切換えを行なう構成とした(第3図)。 第2の発明は、大部分の構成を上記第1の発明と共通
にするが、更に電源電池11は+V,0,−Vのように分離し
てその0点と星型結線とした電機子巻線の中性点との間
に双方向の通電が可能なリレースイッチ14を接続し、ま
た、前記+Vは前記トランジスター4,5,6と、前記−V
は前記トランジスター7,8,9と各々接続し、前記制御回
路12の働きにより前記の各トランジスターを制御し全波
90゜通電の切換えを行なう構成を付加したことを特徴と
する(第5図)。 作用 まず、三相式ブラシレス直流モータとは、第1図にア
ウターロータ式の三相式ブラシレス直流モータ20の概念
図を示したとおり、これは三相の同期式モータにおける
電機子側にロータの位置センサー21を取付け、同位置セ
ンサー21からの位置信号により各相の電機子巻線に流す
電流のタイミングを変化させる構成の直流モータのこと
である。 第1図では、円周を4等分した大きさの4個の永久磁
石22が極性S、Nを互い違いに異ならせた配置として外
周部のロータが形成されている。電機子は内側の固定子
となし、120゜に等配した3個の電機子巻線1,2,3の端部
に例えばホール素子などの位置センサー21が取付けられ
ている。この位置センサー21は永久磁石22のN極とS極
を検出し、その検出信号を受けた制御回路12の働きによ
り各トランジスターを制御しロータが1周回転する間に
2対の切換え動作を行なわしめる。 第2図Aに各相の位置センサー21の出力を示した。同
位置センサー21は、1個の電機子巻線につき各1個の割
合で付くので、位置センサー21の出力は合計3個にな
る。 また、第2図B〜Eには、上記三相式ブラシレス直流
モータ20の各電機子巻線1,2,3に流す電流のタイミング
を示した。ちなみに各電機子巻線に正方向のみの電流を
流す場合を半波通電、正負両方向の電流を流す場合を全
波通電と称する。また、回転角60゜毎に流し方を変える
のを60゜通電、90゜毎に流し方を変えるのを90゜通電と
いう。 同一の印加電圧においてこのモータが回転する最大の
回転数は、半波60゜通電の場合を1とするとき、半波90
゜通電のときが1/1.5、全波60゜通電のときが1/2、全波
90゜通電のときが1/3とだんだん低速になる。 逆にモータ20の効率は、前記回転数の場合とは逆比の
関係で良くなる。したがって、低速時にはまず全波90゜
通電でモータを回転させ、高速になるにしたがって通電
方式を全波60゜通電→半波90゜通電→半波60゜通電へと
切り換えていけばよく、そうすると速度制御のダイナミ
ックレンジが4段階に広がり、かつ高効率でモータ20が
回転されることになる。 三相式ブラシレス直流モータ20の運転特性が上記のと
うりであるから、電動車輌の運転者は、低速走行時には
手動切換え操作により、又はモータの回転数とその時の
最大トルクとの関係を検出して自動的に、制御回路12を
通じて全波通電回路を選択し所謂全波通電を行なわしめ
て、モータ20を高い効率で低速大トルクで正転させるこ
ととなる。また、電源電圧と必要トルクとの関係に基き
最大速度で走行するときには、半波通電回路を選択して
所謂半波通電が行なわしめると、最大速度を2倍程度に
まで引き伸ばすことができるのである。 実 施 例 次に、第3図に示したこの発明の第1実施例、特に半
波60゜及び90゜通電並びに全波60゜通電が可能な構成の
速度制御装置について説明する。 図中1,2,3は電動車輌の走行動力源である三相式ブラ
シレス直流モータ20の三相の電機子巻線であり、これら
は星型結線とされている。 図中4,5,6は前記直流モータの三相の電機子巻線1,2,3
に電力を供給する半波通電回路のスイッチング用トラン
ジスタであり、各々のコレクタは電力供給用直流電源11
の陽極と接続され、エミッタが各電機子巻線1,2,3と接
続されている。また、ベースはペダル13の操作によりモ
ータ20への印加電圧を調節する制御回路12と接続されて
いる。 次に、図中10は同じく半波通電回路を構成し前記トラ
ンジスタ4,5,6に同期して開閉のスイッチング動作を行
なうトランジスタであり、そのコレクタは星型結線とし
た電機子巻線1,2,3の中性点に接続され、エミッタを直
流電源11の陰極と接続し、ベースが制御回路12と接続さ
れている。 半波通電時にはトランジスタ10は常に導通となり、制
御回路12を通じてトランジスタ4と10,5と10,6と10の組
はこの順に同期したスイッチング(開閉)動作が行なわ
れ、直流電源11により供給された電流は各相の電機子巻
線1,2,3に対し第2図B,Cに示したタイミングで導通状態
となり、即ち半波60゜又は90゜通電が行なわれてモータ
が高速域で効率良く正転されるのである。半波60゜通電
と半波び90゜通電との切換えは、位置センサー21の出力
の取り方による。 次に、図中7,8,9は全波通電回路を構成し上記トラン
ジスタ4,5,6に同期してスイッチング動作を行なうトラ
ンジスタであり、各々のコレクタが前記トランジスタ4,
5,6のエミッタと接続され、またエミッタ側は直流電源1
1の陰極と接続され、ベースが制御回路12と接続されて
いる。 したがって、上記半波通電から全波通電に切換える
と、トランジスタ10は常にオフとなり、対をなすトラン
ジスタ4と8,5と9,6と7の組はそれぞれ制御回路12を通
じてこの順序でスイッチング動作が行なわれる。各素子
が導通するタイミングは第2図B(半波60゜通電)と同
じであるが、直流電源11で供給される電流は電機子巻線
1から2へ、及び2から3へ、並びに3から1へと第2
図Dに示したタイミングで流れる全波60゜通電となり、
モータは低速域で高トルク,高効率に正転される。 ところで、制御回路12は、第2図B〜Dのタイミング
により 各トランジスタ4〜10をオン、オフのスイチング動作
をさせる働きと、 各トランジスタ4〜10の導通時に各電機子巻線1〜3
に流す電流を調節する働き、 とをする。 前者の働きは、位置センサー21の出力同士で適当に
タイミングをとることにより行なう。例えば、第2図B
のタイミングでオン、オフ動作させるには、位置センサ
ー21aの出力と位置センサー21bの逆転の出力とのアンド
をとればよい。 後者の働きは、各トランジスタ4〜10のベース電圧
を調節する方法では損失が大きいので、ベースを高速で
スイッチングを行ない、そのスイッチングのデューティ
比が電機子巻線1〜3に印加される平均の電圧に比例す
ることを利用して、即ち、チョッピングあるいはパルス
幅制御の方法で行なう。より具体的に、第2図Bのタイ
ミングにおける電機子巻線1についていえば、第4図に
示した如く、矩形波パルスにおけるa幅とb幅の大きさ
により制御する。a幅とb幅の比により平均の印加電圧
が決まる。 従って、制御回路12に付属するアクセル13の踏み込み
を大きくするということは、上記第4図の矩形波パルス
のb幅に対してa幅の値を大きくすることになる。この
ような制御のための矩形波パルスは、まず非安定マルチ
バイブレータで一定周波数の矩形波パルスを作り、この
矩形波をトリガーとして単安定マルチバイブレータを動
作させることにより作ることができ、単安定マルチバイ
ブレータの時定数をアクセルの踏み込み角に対して変化
させればよいのである。 次に、電圧、電流制御について述べる。上述した如く
制御回路12により矩形波のパルス幅aとbを変化させる
ということは、電機子巻線1〜3に印加される平均の電
圧を変えることをいう。従って、制御回路12は、電圧の
制御を行なっていることになる。モータ20の印加電圧V
と回転数nと電流Iの関係は、V=Kn+IRで表される。
Kはモータに個有の定数、Rは電機子巻線の抵抗であ
る。上記の式から、Vを変えればIが変化し、また電流
Iとトルクの関係は、T=KI/2πで電流に比例するので
ある。 上述の通りモータに対する半波通電回路と全波通電回
路との切換えは、制御回路12を通じて行なうのである
が、その切換えは電動車輌の運転者が車輌の走行速度の
実感ないし計器による実測に基く手動操作により行なう
ことができるし、又はモータのトルクと回転速度を検出
して自動的に行なうこともできる。 ちなみに、自動切換えの具体的なやり方としては、例
えば全波通電時のモータの回転数とその時の最大トルク
の関係を予めテストしておき、車輌走行時のモータの回
転数に対してトルクが最大値の近傍に達したことを検出
した時に半波通電に切換えることとする。ちなみに、モ
ータのトルクと電流は上式のとおり1:1の関係にあるこ
とから、トルクの測定は供給電流の測定をもって代える
ことができる。 第2の実施例 次に、第5図は半波通電と全波90゜通電が可能な構成
の速度制御装置を示している。 その基本的回路構成は、上記第3図の第1実施例と変
わりがない。ただ直流電源11を+V,0V,−Vのように二
つに分離し、0Vの点と、電機子巻線1〜3の星形結線の
中性点との間にリレーのように双方向の通電が行なえる
スイッチ14を接続した構成を特徴とする。 つまり、全波通電90゜に切り替えた時には、スイッチ
14が導通となり、トランジスタ4,5,6が第2図Cと同じ
タイミングで導通し、トランジスタ7,8,9がそれぞれ前
記トランジスタ4,5,6と逆位相で導通するので、直流電
源11により供給された電流は各相の電機子巻線1,2,3に
対し第2図Eに示したタイミングで導通状態となり、即
ち全波90゜通電が行なわれてモータは低速域でも効率良
く正転されるのである。 本発明が奏する効果 以上に実施例と併せて詳述したとおりであって、この
発明に係る電動車輌の速度制御装置は、低速高トルク走
行時には全波通電によって高い効率が得られ、また、全
波通電によっては得がたい高速低トルク走行の場合には
半波通電に切換えることにより、ダイナミックレンジが
最大4段階に拡大した速度制御が可能であり、よって変
速機制御方式を採用する必要は全くないのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は三相式ブラシレス直流モータの概念図、第2図
Aは位置センサーの出力図、第2図B〜Eは半波通電及
び全波通電時の電流の流れのタイミングを示した波形線
図、第3図はこの発明に係る電動車輌の速度制御装置を
示した回路図、第4図は矩形波の制御について示した説
明図、第5図はこの発明の第2実施例を示した回路図で
ある。
Aは位置センサーの出力図、第2図B〜Eは半波通電及
び全波通電時の電流の流れのタイミングを示した波形線
図、第3図はこの発明に係る電動車輌の速度制御装置を
示した回路図、第4図は矩形波の制御について示した説
明図、第5図はこの発明の第2実施例を示した回路図で
ある。
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フロントページの続き
(72)発明者 小野 昌朗
横浜市港北区新吉田町4428番地 株式会
社東京アールアンドデー開発研究所内
(56)参考文献 特開 昭54−125418(JP,A)
特開 昭57−9286(JP,A)
特開 昭58−29387(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.三相式ブラシレス直流モータを走行動力源とする電
動車両の制御装置、特に前記直流モータ(20)の電機子
巻線(1)(2)(3)に対して電力を供給する半波通
電回路と全波通電回路とを併設し、モータ(20)に対す
る半波通電と全波通電とを選択的に切換えて速度を制御
する速度制御装置において、 星形結線とした三相の電機子巻線(1)(2)(3)と
これに対して電力を供給する半波通電回路のスイッチン
グ用トランジスター(4)(5)(6)とが接続され、
また、全波通電回路を構成するスイッチング用トランジ
スター(7)(8)(9)が前記トランジスター(4)
(5)(6)と接続され、前記星形結線の中性点には前
記トランジスター(4)〜(6)に同期して半波通電又
は全波通電の切換えスイッチングを行なうトランジスタ
ー(10)が接続され、一方、前記直流モータ(20)の三
相の電機子巻線のそれぞれにロータの回転角を検出する
位置センサー(21)が設けられ、前記の各位置センサー
(21)の検出信号を受けた制御回路(12)の働きにより
前記の各スイッチング用トランジスターを制御して半波
60゜及び90゜通電又は全波60゜通電の切換えを行う構成
としたことを特徴とする電動車両の速度制御装置。 2.三相式ブラシレス直流モータを走行動力源とする電
動車両の制御装置、特に前記直流モータ(20)の電機子
巻線(1)(2)(3)に対して電力を供給する半波通
電回路と全波通電回路とを併設し、モータ(20)に対す
る半波通電と全波通電とを選択的に切換えて速度を制御
する速度制御装置において、 星形結線とした三相の電機子巻線(1)(2)(3)と
これに対して電力を供給する半波通電回路のスイッチン
グ用トランジスター(4)(5)(6)とが接続され、
また、全波通電回路を構成するスイッチング用トランジ
スタ(7)(8)(9)が前記トランジスタ(4)
(5)(6)と接続され、前記星形結線の中性点には前
記トランジスター(4)〜(6)に同期して半波通電又
は全波通電の切換えスイッチングを行なうトランジスタ
ー(10)が接続され、一方、前記直流モータ(20)の三
相の電機子巻線のそれぞれにロータの回転角を検出する
位置センサー(21)が設けられ、前記の各位置センサー
(21)の検出信号を受けた制御回路(12)の働きにより
前記の各スイッチング用トランジスターを制御して半波
60゜及び90゜通電又は全波60゜通電の切換えを行うこ
と、更に電源電池(11)は+V,0,−Vのように分離して
その0点と星形結線とした電機子巻線の中性点との間に
双方向の通電が可能なリレースイッチ(14)を接続し、
また、前記+Vは前記トランジスター(4)(5)
(6)と、前記−Vは前記トランジスター(7)(8)
(9)と各々接続し、前記制御回路(12)の働きにより
前記リレースイッチ(14)を導通させ、更に前記の各ス
イッチング用トランジスターを制御して全波90゜通電に
切換えを行う構成としたことを特徴とする電動車両の速
度制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61124220A JP2662668B2 (ja) | 1986-05-29 | 1986-05-29 | 電動車輛の速度制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61124220A JP2662668B2 (ja) | 1986-05-29 | 1986-05-29 | 電動車輛の速度制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62281701A JPS62281701A (ja) | 1987-12-07 |
JP2662668B2 true JP2662668B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=14879966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61124220A Expired - Fee Related JP2662668B2 (ja) | 1986-05-29 | 1986-05-29 | 電動車輛の速度制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2662668B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101953124B1 (ko) * | 2012-07-13 | 2019-03-04 | 삼성전자주식회사 | 모터 구동장치 및 이를 이용한 냉장고 |
WO2018066423A1 (ja) * | 2016-10-05 | 2018-04-12 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | モータ駆動装置およびこれを用いた冷蔵庫 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54125418A (en) * | 1978-03-23 | 1979-09-28 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Dc motor |
-
1986
- 1986-05-29 JP JP61124220A patent/JP2662668B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62281701A (ja) | 1987-12-07 |
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