JP3275255B2 - 熱間加工用潤滑剤及び潤滑方法 - Google Patents

熱間加工用潤滑剤及び潤滑方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間継目無製管に
使用される傾斜ロール圧延機、特に回転軸が地表に対し
て垂直である横置き式ディスクロール型ガイドシューを
備えた傾斜ロール圧延機での、ガイドシューと材料の間
の潤滑に適した熱間加工用潤滑剤、及びその潤滑剤を用
いた横置き式ディスクロール型ガイドシューでの潤滑方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】マンネスマン方式で熱間継目無製管を行
う場合、傾斜ロール圧延機のガイドシューとの接触によ
り、材料(シェル)にシューマークと呼ばれる焼付き疵
の生じる問題のあることは良く知られている。この焼付
きを防止するために様々な新技術が開発されており、ガ
イドシューについては固定式であるプレート型から回転
式であるディスクロール型への転換が図られている。ま
た、潤滑剤についてはそれぞれのガイドシューに適した
ものが種々開発されており、ディスクロール型ガイドシ
ューを対象としたものとしては、例えば特開昭60−2
1111号公報(特公平3−25241号公報)及び特
開平2−30311号公報に記載された潤滑剤がある。
【0003】特開昭60−21111号公報(特公平3
−25241号公報)に記載された潤滑剤は、酸化鉄等
の金属酸化物粉粒体にバインダーとして珪酸ナトリウム
(水ガラス)を加えたものである。一方、特開平2−3
0311号公報に記載された潤滑剤は、ホウ酸塩化合物
と樹脂を主体としたものである。また、ディスクロール
型ガイドシューを特に考慮したものではないが、金属酸
化物を主剤とするガイドシュー用潤滑剤は、特開昭63
−234092号公報(特公平4−16518号公報)
にも記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、傾斜ロール
圧延機に使用されるディスクロール型ガイドシューに
は、回転軸が地表に平行な縦置き式と、回転軸が地表に
対して垂直な横置き式の二種類がある。横置き式のディ
スクロール型ガイドシューを備えた傾斜ロール圧延機を
図1に示す。図中、1は材料、2はプラグバー、3,3
は上下一対の傾斜圧延ロール、4,4は左右一対のガイ
ドシューである。
【0005】縦置き式のディスクロール型ガイドシュー
は、左右一対の傾斜ロールと組み合わされて材料を上下
から保持するタイプであるのに対し、図1に示される横
置き式は、上下一対の傾斜ロールと組み合わされて材料
を両側から保持するタイプである。この横置き式ディス
クロール型ガイドシューを備えた傾斜ロール圧延機は、
メインロールのモータを地上高く設置する必要がなく、
地下に設置する必要もないという特徴がある。また、そ
のガイドシューの交換が比較的容易である。
【0006】しかしながら、従来のディスクロール型ガ
イドシュー用潤滑剤は、いずれも回転軸が地表に平行な
縦置き式を対象としたものであり、この形式のディスク
ロール型ガイドシューで使用する場合は、上側のガイド
シューにスプレー塗布された潤滑剤が下側のガイドシュ
ーに流れ落ちて使用されるので、潤滑剤の流下が問題に
なることはないが、回転軸が地表に対して垂直な横置き
式のディスクロール型ガイドシューで使用した場合は、
その表面にスプレー塗布された潤滑剤が瞬時に下方へ流
れ落ち、焼付き防止に必要な付着量が得られないとか、
流れ落ちた潤滑剤が傾斜圧延ロールに付着し、被圧延材
の穿孔圧延時にスリップが発生し、中間溜まりや噛み込
み不良等の圧延トラブルが発生するといった致命的な問
題がある。
【0007】特に、ガイドシューの使用回数が増え、そ
の表面温度が上がると、潤滑剤の流下は更に激しくな
り、100℃以上に温度が上がると、潤滑剤が水系(水
溶液)のため、突沸現象が起こり、塗布された潤滑剤は
飛散又は玉状に凝集し、逸散する。そのため、焼付きや
穿孔トラブルを防止できないばかかりか、周囲の環境を
汚染することとにもなる。
【0008】そして、このような潤滑剤の流れ落ちや飛
散は、特開昭60−21111号公報(特公平3−25
241号公報)及び特開平2−30311号公報に記載
されたディスクロール型ガイドシュー用潤滑剤だけでな
く、特開昭63−234092号公報(特公平4−16
518号公報)に記載された金属酸化物系のガイドシュ
ー用潤滑剤でも問題となる。
【0009】この問題を解決するために、グリースのよ
うな鉱物油や高粘度の油脂の使用が考えられるが、これ
らの油系潤滑剤は、摩擦係数が上記の潤滑剤よりも更に
低いため、傾斜圧延ロールに付着したときに顕著なロー
ルスリップを誘発する上に、熱間圧延では火災発生の原
因となるため、好ましくない。
【0010】本発明の目的は、回転軸が地表に対して垂
直な横置き式のディスクロール型ガイドシューに使用し
た場合にも、流れ落ちや飛散なしに効率よくシュー表面
に付着し、更にはロールスリップや火災発生の心配もな
い熱間加工用潤滑剤を提供することにある。
【0011】また、本発明の別の目的は、横置き式のデ
ィスクロール型ガイドシューでその潤滑剤を使用するこ
とにより、高品質な熱間継目無管の製造を可能とする潤
滑方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者はロールスリップや火災発生の危険がない
金属酸化物使用の水系潤滑剤の使用を前提として、その
潤滑剤をシュー表面に安定に付着させるべく鋭意研究を
行った結果、澱粉類とキサンタンガムの複合配合の有効
なことを知見した。
【0013】即ち、シュー表面に塗布された潤滑剤の流
下を阻止する一つの方法としてメチルセルロース等の増
粘剤の使用が考えられるが、シュー表面に塗布された潤
滑剤の流下を防止できる程度に配合を行うと、スプレー
塗布が困難になり、所定の付着量が得られないなど、問
題が多い。これに対し、多糖類の一種であるキサンタン
ガムは、溶液が静止状態では分子が絡み合って高粘度に
なるが、溶液に剪断力が加わって動いた状態では分子の
絡み合いが緩和されて低粘度になるという、チキソトロ
ピックな性質をもっている。これにより、潤滑剤は静止
時には高粘度で固形物の沈殿を防止抑制し、スプレー塗
布時には低粘度の状態でスムーズに配管内を通ってノズ
ルからシュー表面に供給される。そして、スプレーされ
た後は、シュー表面が低温のときは直ちに粘度を回復し
てその表面に付着する。しかし、シュー表面が高温のと
きの付着性は十分とはいえない。一方、澱粉類は80℃
以上で熱ゲル化する性質をもっており、高温となったシ
ュー表面に塗布された潤滑剤の流れ落ちを防止するが、
低温での流れ落ち防止効果は小さい。よって、澱粉類と
キサンタンガムを複合配合することにより、スプレー塗
布性を悪化させることなく、低温から高温までのシュー
表面に潤滑剤を安定に付着させることが可能となる。
【0014】本発明の熱間加工用潤滑剤は、上記知見に
基づいて開発されたものであり、酸化鉄:10.0〜4
0.0重量部、珪酸ナトリウム:無水物換算で5.0〜
30.0重量部、澱粉及び/又は澱粉変成品:0.1〜
5.0重量部、キサンタンガム:0.01〜1.0重量
部を含有する水溶液からなることを構成上の特徴点とす
る。なお、以下の説明では、澱粉と澱粉変成品を総称し
て澱粉類と記す。
【0015】また、本発明の潤滑方法は、熱間継目無製
管に使用される傾斜ロール圧延機に設けられ、且つ回転
軸が地表に対して垂直である横置き式のディスクロール
型ガイドシューの表面に、本発明の熱間加工用潤滑剤を
塗布するに当たり、ガイドシューの表面温度が0〜15
0℃である状態で、エアレススプレーを用いてその塗布
を行い、且つ、潤滑剤の吐出圧力を0.2〜1.5MP
aとし、塗布量を50〜300g/m2 とすることを構
成上の特徴点とする。
【0016】なお、本発明の熱間加工潤滑剤は、熱間継
目無製管に使用される傾斜ロール圧延機のガイドシュ
ー、なかでも回転軸が地表に対して垂直である横置き式
のディスクロール型ガイドシューに適するが、これ以外
の熱間加工全般に使用することが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態について
説明する。
【0018】本発明の熱間加工潤滑剤は、主要成分とし
て酸化鉄、珪酸ナトリウム、澱粉類、及びキサンタンガ
ムを配合した水系潤滑剤(水溶液)である。これら物質
の配合理由は以下の通りである。
【0019】酸化鉄は、耐焼付き性を担う潤滑主剤であ
る。貯蔵安定性及びスプレー性のために、その粒径は1
0〜0.1μmが好ましく、10μmを超えると貯蔵安
定性やスプレー性に問題が生じ、0.1μm未満では焼
付き防止性が劣るようになる。酸化鉄の配合量は10.
0〜40.0重量部であり、10.0重量部未満では焼
付き防止性が劣り、40.0重量部を超えると密度及び
粘度が高くなりすぎ、スプレー性に問題が生じる。酸化
鉄の種類については、ヘマタイト(Fe2 3)、マグ
ネタイト(Fe3 4 )、ヴスタイト(FeO)のいず
れでもよく、これらを単独または2種以上混合で使用す
ることができる。
【0020】珪酸ナトリウムは水と結合し、通常、水分
を30〜40%含んだ水ガラスとして市販されている。
この珪酸ナトリウムは、本発明では酸化鉄の粒子同士を
結合するバインダーとして機能し、増粘剤ではない。酸
化鉄の粒子と結合して、酸化鉄が摺動界面に巻き込まれ
やすくすると共に、自身の適度な潤滑性をもって、潤滑
剤に優れた焼付き防止性を付与する結合剤である。
【0021】珪酸ナトリウムの配合量は、無水物換算で
5.0〜30.0重量部である。5.0重量部未満では
酸化鉄との結合・接着が不十分であり、焼付き防止効果
を十分に発揮できない。一方、30.0重量部を超える
と珪酸ナトリウムによる潤滑が支配的となり、摩擦係数
が低下することによるロールスリップが問題になる。珪
酸ナトリウムの種類は特に限定しない。一般に水ガラス
1号(Na2 O・2SiO2 )、同3号(Na2 O・3
SiO2 )、同4号(Na2 O・4SiO2 )が使用さ
れる。いずれの珪酸ナトリウムを用いてもその配合量を
5.0〜30.0重量部とすることにより、所定の性能
を発揮できる。
【0022】澱粉類は、本発明の潤滑剤での重要な配合
物質であり、高温(通常80℃以上)で熱ゲル化するこ
とにより、高温となったガイドシュー表面に塗布された
潤滑剤の流れ落ちを防止する。これの配合量は0.1〜
5.0重量部である。0.1重量部未満では流れ落ち防
止効果が十分でなく、5.0重量部を超えると潤滑剤そ
のものの摩擦係数が低下してロールスリップを誘発す
る。特に好ましい配合量は1.0〜5.0重量部であ
る。澱粉類の種類としてはデキストリン、酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉、エステル化澱粉等があり、これらを単独
または2種以上混合で使用することができる。
【0023】キサンタンガム(Xantham Gum)は、グルコ
ース2個、マンノース2個、グルクロン酸2個を構成単
位とする分子量約200万の多糖類で、ザンサンガムと
も呼ばれ、グルクロン酸は通常K,Na又はCaの塩に
なっている。本発明の潤滑剤では澱粉類と共に重要な配
合物質であるこのキサンタンガムは、前述したように、
溶液が静止状態では分子が絡み合って高粘度になるが、
溶液に剪断力が加わって動いた状態では分子の絡み合い
が緩和されて低粘度になるという、チキソトロピックな
性質をもっており、その配合により潤滑剤の粘性を動的
に操作することが可能となる。即ち、貯蔵時や配管内で
は高粘度のため安定性がよく、一方、ガイドシュー表面
にスプレー塗布するときは低粘度となって配管内での粘
性抵抗が小さくなり、スムーズなスプレーを可能にす
る。そして更に、ガイドシュー表面が低温のときは、そ
の表面で直ちに粘性を回復して潤滑剤の流れ落ちを防止
する。また、高温のガイドシュー表面にスプレーされた
ときは、澱粉類による卓越した保持性により潤滑剤の流
れ落ちが防止されるが、キサンタンガムの配合による相
乗的効果により、高温時の付着性がより完全なものにな
る。
【0024】キサンタンガムの配合量は0.01〜1.
0重量部であり、0.01重量部未満では上述した動的
な粘性操作効果が得られず、1.0重量部を超えると粘
度が高くなりすぎてスプレーに不具合を生じる。特に好
ましい配合量は下限については0.1重量部以上、上限
については0.5重量部以下である。このキサンタンガ
ムとしては一般の市販品でよい。
【0025】これらの配合物質の他には、本発明の潤滑
剤のような固体粒子を含んだ水溶液に使用される一般の
分散剤や防錆剤の添加が可能である。
【0026】水については、極端に少ないとスムーズな
スプレーができなくなり、極端に多い場合はガイドシュ
ー表面での潤滑剤の流下が顕著となる。この観点から、
水の量は24.0〜84.5重量部が好ましい。従っ
て、水ガラスに含まれる水分(30〜40重量部)だけ
でもよいが、より低粘度とし、また他の溶質物質との混
合を容易にするため40〜70重量部として、粘度最適
化と溶媒性を確保する方が望ましい。
【0027】本発明の潤滑方法では、傾斜ロール圧延機
に設けられる横置き式のディスクロール型ガイドシュー
の表面に、本発明の潤滑剤が以下の条件でスプレー塗布
される。
【0028】スプレー方式としてはエアレススプレーを
用いる。これは、エアスプレーではシュー表面以外のと
ころに潤滑剤が飛散し、周辺を汚染するからである。ス
プレーでの吐出圧力は0.2〜1.5MPaとする。こ
れは0.2MPa未満ではスプレー自体が困難であり、
1.5MPaを超えると一度付着した潤滑剤が吹き飛ば
されるからである。
【0029】ガイドシューの表面温度は0〜150℃と
する。これは0℃未満ではスプレーされたものが直ちに
凍結するおそれがあり、150℃を超えると水分の沸騰
による突沸現象が激しくなり、所定の付着量が得られな
くなるからである。スプレー塗布量は50〜300g/
2 とする。これは50g/m2 未満では本発明の潤滑
剤といえども満足な潤滑性が得られず、300g/m2
を超えると余分な潤滑剤がロールに付着することよって
ロールスリップが生じ、傾斜ロール圧延機での製管作業
に不具合が生じる上に、不経済でもあるからである。
【0030】
【実施例】次に本発明の実施例を示し、比較例と対比す
ることにより、本発明の効果を明らかにする。
【0031】回転軸が地表に対して垂直な横置き式のデ
ィスクロール型ガイドシューを備えた2ロール式傾斜ロ
ール圧延機として、マンネスマン式穿孔機のモデルピア
サを使用し、下記の条件で穿孔及びガイドシューの潤滑
を行った。潤滑剤では、組成を表1に示す11種類の潤
滑剤を使用し、各潤滑剤をエアレススプレーにてガイド
シュー表面に塗布した。各潤滑剤の使用結果を表2に示
す。
【0032】 傾斜ロール:径350mm,長さ250mm ディスクロール:径800mm,幅50mm 被穿孔ビレット:材質13%Cr油井管材(API規
格),外径70mm,長さ300mm 穿孔後ホローシェル:外径73mm,肉厚6mm,長さ
910mm 潤滑剤スプレー:吐出圧力1.0MPa(エアレスポン
プ),ノズル寸法1.0mm×3.0mm ディスク温度:−10℃,25℃,50℃,80℃,1
00℃,120℃,150℃(穿孔毎に上昇し、いずれ
も±10℃)
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】本発明の潤滑剤1〜7は、いずれも澱粉類
(デキストリン,酸化澱粉)とキサンタンガムを複合配
合したものである。これらを使用した場合は、塗布量に
特に問題がなければ、ガイドシューの表面温度が0〜1
50℃という広い範囲にわたり、その表面に塗布された
潤滑剤の流れ落ち及び飛散が防止され、優れた焼付き防
止効果が得られる。
【0036】これに対し、潤滑剤8は、キサンタンガム
を含むものの、澱粉類を含まない比較剤である。ガイド
シュー表面温度が100℃より低い場合は、流れ落ちも
飛散もなく、良好な焼付き防止効果が得られるが、10
0℃より高い場合は、流れ落ちや突沸による飛散が生
じ、焼付きが発生した。
【0037】潤滑剤9は、逆に澱粉類を含むもののキサ
ンタンガムを含まず、代わりに増粘剤であるNaカルボ
キシメチルセルロースを配合して、粘度を高めた比較剤
である。吐出圧力に比して塗布量が少ない上に、0〜1
50℃のいずれの温度においても流れ落ちが発生し、焼
付きが生じた。吐出圧力に比して塗布量が少ないのは、
潤滑剤の溶液粘度が高く、スプレーノズルに至るまでの
配管内での粘性抵抗が大きいために、所定の塗布量が確
保されなかったからである。
【0038】潤滑剤10は、Naカルボキシメチルセル
ロースの代わりにメチルセルロースを配合した比較剤で
ある。ノズルが閉塞し、スプレーが不可能であった。
【0039】潤滑剤11は、増粘剤を使わず、代わりに
澱粉類の配合量を増やした比較剤である。キサンタンガ
ムを含まないため、配管内で低粘度とならず、ノズルに
スムーズに供給されなかったために、ガイドシュー表面
にはまばらにしか塗布されなかった。しかも、80℃よ
り低い温度では流れ落ちが顕著で焼付きが発生し、80
℃より高い温度でも流れ落ちや突沸による飛散のため焼
付きが発生した。
【0040】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の熱間加工
用潤滑剤は、潤滑剤の付着性が本質的に悪い横置き式デ
ィスクロール型ガイドシューに対しても、スプレー塗布
性を犠牲にすることなく優れた潤滑性を付与し、これに
より優れた品質の熱間加工製品の製造を可能にする。
【0041】また、本発明の潤滑方法は、その横置き式
ディスクロール型ガイドシューを備えた傾斜ロール圧延
機での焼付きを効果的に防ぎ、熱間継目無管の品質向上
に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】横置き式ディスクロール型ガイドシューを備え
た傾斜ロール圧延機(ピアサ)の概略構成図である。
【符号の説明】
1 材料 2 プラグバー 3 傾斜圧延ロール 4 横置き式ディスクロール型ガイドシュー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 145:40) C10M 145:40) C10N 10:02 C10N 10:02 10:16 10:16 30:06 30:06 40:24 40:24 Z (56)参考文献 特開 昭60−21111(JP,A) 特開 昭63−234092(JP,A) 特開 平7−256328(JP,A) 特開 平8−199184(JP,A) 特開 平7−26280(JP,A) 特開 昭50−140350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 173/00 - 173/02 C10M 103/06 C10M 125/10 C10M 125/26 C10M 107/36 C10M 145/40 B21B 27/10 C10N 10:02 C10N 10:16 C10N 30:06 C10N 40:24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化鉄:10.0〜40.0重量部、珪
    酸ナトリウム:無水物換算で5.0〜30.0重量部、
    澱粉及び/又は澱粉変成品:0.1〜5.0重量部、及
    びキサンタンガム:0.01〜1.0重量部を含有する
    水溶液からなる熱間加工用潤滑剤。
  2. 【請求項2】 熱間継目無製管に使用される傾斜ロール
    圧延機に設けられ、且つ回転軸が地表に対して垂直であ
    る横置き式のディスクロール型ガイドシューの表面に、
    請求項1に記載の熱間加工用潤滑剤を塗布するに当た
    り、ガイドシューの表面温度が0〜150℃である状態
    で、エアレススプレーを用いてその塗布を行い、且つ、
    潤滑剤の吐出圧力を0.2〜1.5MPaとし、塗布量
    を50〜300g/m2 とすることを特徴とする潤滑方
    法。
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