JP3273916B2 - 分析前処理システム - Google Patents

分析前処理システム

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JP3273916B2
JP3273916B2 JP08468998A JP8468998A JP3273916B2 JP 3273916 B2 JP3273916 B2 JP 3273916B2 JP 08468998 A JP08468998 A JP 08468998A JP 8468998 A JP8468998 A JP 8468998A JP 3273916 B2 JP3273916 B2 JP 3273916B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬や化学などの
分野において、試料の成分分析に先だち、その前処理を
実施するための分析前処理システムに関する。
【0002】
【関連する背景技術】一般的に試料の成分分析には、溶
媒の注入、振とう、遠心分離及び分注などの種々の処理
工程が要求される。従来、これらの処理工程を実施する
ために、注入装置、振とう機、遠心分離機及び分注装置
など、専用の処理装置が開発されているか、又は、その
開発が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した前
処理の自動化を図るには、各種の処理装置間を被処理物
のための搬送ラインにて接続することが考えられる。こ
の場合、被処理物は搬送ライン上を搬送されながら各処
理装置に順次供給され、そして、その処理装置にて所定
の処理工程を受けることになる。
【0004】しかしながら、専用の処理装置はその処理
工程を行うにあたり、被処理物のローディング及びアン
ローディングを手作業で専ら行うものが一般的であり、
一連の前処理を完全に自動化することは困難である。被
処理物の種類によっては、その一連の前処理に要求され
る処理工程の組み合わせやその順序などが異なるが、こ
の場合、上述の搬送ライン型システムでは容易に対処す
ることができない。
【0005】更に、搬送ライン型システムの場合、一連
の前処理に要求される処理工程の数か増加すればするほ
ど、そのシステムの設置スペースが大となってしまう。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目
的は一連の前処理を完全自動化できるばかりでなく、そ
の汎用性や省スペース化にも優れた分析前処理システム
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の前処理システム
は(請求項1)は、水平面内にて回転可能なハンドを有
する直交3軸ロボットと、このロボットのアクセス領域
内にそれぞれ配置された準備ステージ、複数の前処理ス
テージ及び回収ステージを含んでいる。準備ステージに
は、少なくとも1列の共栓付試験管を保持し且つロボッ
トのハンドにより把持可能な試験管スタンドが複数準備
され、これら試験管スタンドにはその内部の共栓付試験
管の全てに分析対象の試料が投入されている第1試験管
スタンドと、その内部の共栓試験管の全てが空である第
2試験管スタンドとを有している。そして、各前処理ス
テージは、準備ステージ又は前段のステージから少なく
とも1つの試験管スタンドを受取り、この受取った試験
管スタンドを対象として試料の成分分析に要する所定の
前処理をそれぞれ実施し、回収ステージは前処理後の試
験管スタンドを回収して蓄える。
【0007】そして、前処理システムは、ロボットを制
御し、ロボットのハンドにより試験管スタンドを把持
し、ステージ間にて試験管スタンドを移送するロボット
コントローラと、各処理ステージ毎にそれぞれ設けら
れ、試験管スタンドの受取り後、前記処理ステージに
所定の処理工程を自立して実施させるステージコント
ローラと、試験管スタンドの移送順序及び各処理ステー
ジの処理条件を含むデータを入力する入力手段と、入力
手段により入力されたデータに基づき、ロボットコント
ローラ及び各ステージコントローラに作動指令を出力す
る指令コントローラとを更に含んでいる。そして、前処
理ステージは、第1試験管スタンドを受取り、受取った
第1試験管スタンドの全ての共栓付き試験管に溶媒を注
入して試液を作成する注入ステージと、注入ステージか
ら第1試験管スタンドを受取り、第1試験管スタンドと
ともにその内部の全ての共栓付試験管を振とうする振と
うステージと、振とうステージから第1試験管スタンド
を受取り、第1試験管スタンド毎回転させ、その共栓付
試験管内の前記試液を遠心分離する遠心分離ステージ
と、振とうステージ及び遠心分離ステージの一方から第
1試験管スタンドを受取るとともに、準備ステージから
第2試験管スタンドを受取り、第1試験管スタンドの共
栓付試験管から第2試験管スタンドの空の共栓付試験管
に試液を注入する分注ステージとを含んでおり、各前処
理ステージは、試験管スタンドの垂直軸線回りの回転姿
勢でみて、試験管スタンドをそれぞれ規定された回転姿
勢で受取る受取り部をそれぞれ有している。
【0008】上述の分析前処理システムによれば、指令
コントローラは入力データに基づき、ロボットコントロ
ーラに制御指令を与えてロボットの作動及びハンドの回
を制御する。これにより、ロボットはそのハンドにて
試験管スタンドを把持し、準備ステージから所定の移送
順次に従って試験管スタンドを移送して、その試験管ス
タンドの受取り部に載置し、そして、最終的に回収ステ
ージに戻す。一方、各処理ステージ、即ち、注入ステ
ージ、振とうステージ、遠心分離ステージ及び分注ステ
ージでは指令コントローラからの制御指令に基づき、受
け取った試験管スタンド、又は、その共栓付試験管に対
所定の処理を自立的に実施する。
【0009】好ましくは、試験管スタンドはその底壁に
一対の位置決め孔を有し、各前処理ステージの受取り部
は試験管スタンドを受取ったとき、位置決め孔に差込ま
れる一対の位置決めピンをそれぞれ有している(請求項
2)。
【0010】
【発明の実施の形態】図1及び図2を参照すると、分析
前処理システムはフレーム1を備えており、フレーム1
は上面2を有している。上面2には準備/回収ステージ
3、注入ステージ4、振とうステージ5、分注ステージ
6及び遠心分離ステージ7が設けられている。更に、上
面2には直交3軸ロボット8が配置されており、ロボッ
ト8は上下、左右及び前後の3軸方向に移動可能である
とともに、水平面内にて回転可能なハンド9を有し、ハ
ンド9のアクセス領域は、前述した各ステージ3〜7の
全てをカバーしている。
【0011】準備/回収ステージ3は下段及び上段のス
タンドストック部3a,3bを有しており、これらスタ
ンドストック部3a,3bには容器ホルダとしての多数
の試験管スタンド(以下、単にスタンドと称する)Sが
列をなして載置されている。スタンドSは10本の共栓
付試験管Tを2列にして保持しており、これらスタンド
S及び共栓付試験管Tは図3及び図4に具体的に示され
ている。スタンドSはその底壁に一対の位置決め孔Hを
有し、これら位置決め孔HはスタンドSにおける底壁の
長手軸線上に配置されている。一方、共栓付試験管T
は、試験管tとプラグpとの組み合わせからなり、プラ
グpはネック部nを介して一体的に接続された頭部hを
有している。図4から明らかなようにプラグPは試験管
tの口部から脱着可能にして差し込まれている。
【0012】スタンドSはその両側面に把持部Gをそれ
ぞれ有し、これら把持部Gは前述したロボット8による
スタンドSの移送に利用される。即ち、ロボット8はそ
のハンド9にスタンドSの把持部Gを把持し、そのスタ
ンドSの移送を行うことができる。ここで、下段のスタ
ンドストック部3aに準備されている各スタンドS内の
共栓付試験管Tには成分分析すべき試料が予め投入され
ており、そして、上段のスタンドストック部3bに準備
されている共栓付試験管Tは空となっている。
【0013】次に、前述した注入ステージ4、振とうス
テージ5、分注ステージ6及び遠心分離ステージ7に関
して順次説明する。 注入ステージ 図5を参照すると、注入ステージ4は可動テーブル10
を備えており、可動テーブル10はフィードユニット1
1に取り付けられている。フィードユニット11は、可
動テーブル10の下側に配置されたフィードスクリュー
12と、フィードスクリュー12にカップリング13を
介して連結され、フィードスクリュー12を正逆方向に
回転させるサーボモータ14とにより構成され、可動テ
ーブル10を一定の方向に間欠的に移動させることがで
きる。
【0014】前述したロボット8が可動テーブル10上
にスタンドSを載置するとき、スタンドSは可動テーブ
ル10上にて位置決めされる。より詳しくは、図6に示
されているように可動テーブル10の上面には、その先
端が円錐状をなす一対の位置決めピン15が突設されて
おり、これら位置決めピン15はスタンドSの対応した
位置決め孔Hに差し込まれる。この結果、可動テーブル
10のスタンドSはその試験管列が可動テーブル10の
移動ラインに対して正確に平行となる。ここで、可動テ
ーブル10上に載置されるスタンドSは、下段のスタン
ドストック部3aから取り出され、その各共栓付試験管
T内には試料が投入されている。
【0015】更に図6に示されているように、可動テー
ブル10からは被検出片16が垂下されており、被検出
片16はフィードユニット11の側面に取り付けられた
光電センサ17により検出される。より詳しくは、光電
センサ17は可動テーブル10、即ち、スタンドSの原
点位置を検出し、サーボモータ14は原点位置からスタ
ンドS内の共栓付試験管Tのピッチ間隔に等しい距離毎
に可動テーブル10を移動させる。
【0016】可動テーブル10の側方には、アームポス
ト18が配置されており、アームポスト18の上端から
は昇降軸19が突出されている。アームポスト18は、
昇降軸19を昇降且つ回動させる機構を内蔵している。
この機構は例えば、昇降軸19をスプライン軸とし、昇
降軸19を上下動させる昇降シリンダと、昇降軸19を
回動させるロータリシリンダとの組み合わせから実現さ
れる。
【0017】昇降軸19の上端には2本のアーム20,
21が取り付けられており、これらアーム20,21は
90°の角度を存して水平に延びている。アーム20の
先端にはクランプユニット22が装着されており、アー
ム21の先端には注入管ホルダ23が取り付けられてい
る。図5中、クランプユニット22は簡略化して示され
ている。
【0018】図6及び図7に示されているように、クラ
ンプユニット22はクランプシリンダ24を備えてお
り、クランプシリンダ24はアーム20の一方の面に下
向きにして取り付けられている。従って、クランプシリ
ンダ24は下方に突出した一対のクランプ爪25を有
し、これらクランプ爪25はクランプシリンダ24の作
動に伴い、接離可能、即ち、開閉可能となっている。各
クランプ爪25の下端にはその内面から楔ピン26が同
一の水平面内にて突設されており、その先端は半球状を
なしている。
【0019】より詳しくは、図8に示されているように
一対の楔ピン26は水平方向に所定の間隔、即ち、前述
した共栓付試験管Tにおけるプラグpのネック部nの直
径に相当する間隔を存して配置されている。更に、楔ピ
ン26は、ネック部nを形成する周溝の曲率半径よりも
若干大きな直径を有している。更に、各クランプ爪25
には、板ばね製の挟持片27が更に取り付けられてお
り、これら挟持片27は対応する楔ピン26の上方にて
同一の水平面内に位置付けられている。より詳しくは、
図8に示されているように挟持片27の突出長さは楔ピ
ン26よりも若干短く、そして、水平方向でみて一対の
楔ピン26の間に配置されている。
【0020】クランプユニット22には、押し込みシリ
ンダ28が更に備えられており、この押し込みシリンダ
28もまたアーム21の他方の面に下向きにして取り付
けられている。押し込みシリンダ28のピストンロッド
にはパッドプレート29が取り付けられ、このパッドプ
レート29は水平に延び、そして、その先端は図6から
明らかなように前述した挟持片27間の中央で且つその
上方に位置付けられている。
【0021】図9に示されているようにパッドプレート
29の先端には、パッド軸30が上下に貫通して取り付
けられており、パッド軸30はその上端のねじ部に螺合
したディスクナット31及びストッパリング32を介し
てパッドプレート29に支持されている。パッド軸30
の下端にはゴム製のパッド33が取り付けられており、
このパッド33とパッドプレート29との間にはコイル
スプリング34が配置されている。コイルスプリング3
4はパッド33を下方に向けて押圧付勢している。
【0022】一方、前述したアーム21の注入管ホルダ
23には、注入管45(図6参照)が保持されており、
注入管45は下端が注入管ホルダ23から下方に突出
し、その開口端が下向きとなっている。注入管45は可
撓性を有したチューブからなり、その他端側は図10に
示す溶媒注入ユニット35に接続されている。溶媒注入
ユニット35は電磁三方弁36を備え、電磁三方弁36
は1個ずつの出口及び入口と、1つの入出口とを有して
いる。電磁三方弁36の出口には注入管45の他端が接
続され、その入口には供給管路37を介して溶媒タンク
38が接続されている。溶媒タンク38には所定の溶媒
が蓄えられている。そして、電磁三方弁36の入出口に
は接続管路39が接続されており、接続管路39はコネ
クタ40を介してシリンジ41に接続されている。シリ
ンジ41のプランジャ42はその突出端がステップリニ
アモータ43に連結されており、ステップリニアモータ
43は電磁三方弁36の切換作動に連動してシリンジ4
1のプランジャ42を往復動させ、シリンジ41に吸引
及び吐出動作を行わせる。より詳しくは、シリンジ41
が吸引動作を行うとき、電磁三方弁36はその入口と入
出口との間のみを連通させており、これにより、シリン
ジ41内に溶媒タンク38の溶媒が吸引される。この
後、シリンジ41が吐出動作を行うとき、電磁三方弁3
6は出口と入出力口のみを連通させ、これにより、シリ
ンジ41から吐出された溶媒は注入管45を通じて、そ
の開口端から吐出される。
【0023】次に、スタンドS内の共栓付試験管Tに対
する溶媒の注入工程を説明する。先ず、原点位置にて待
機状態にある可動テーブル10上にスタンドSがロボッ
ト8により位置決めして載置される。この際、クランプ
ユニット22及び注入管ホルダ23は可動テーブル10
の上方から退避している。この状態で、アームポスト1
9の昇降軸19が回動され、図5に示されているように
クランプユニット22がスタンドSの上方に移動され
る。より詳しくは、クランプユニット22は、スタンド
S内における一方の試験管列のうち、その端に位置した
ターゲットの共栓付試験管Tの上方に移動される。この
後、昇降軸19とともにクランプユニット22は下降
し、図6に示されるようにクランプシリンダ24の一対
のクランプ爪25がターゲット共栓付試験管Tのプラグ
pの両側に位置付けられる。より詳しくは、一対の楔ピ
ン26がそのプラグpのネック部nの両側に位置付けら
れる。
【0024】この状態で、クランプシリンダ24のクラ
ンプ爪25が閉じられると、一対の楔ピン26はプラグ
pのネック部nに向けて前進し、図11に示されている
ようにネック部nを両側から挟み付ける。より詳しく
は、楔ピン26は、共栓付試験管における試験管tの開
口縁とプラグpの頭部との間に楔のようにして進入す
る。前述したように楔ピン26の直径はネック部nの曲
率半径よりも若干大きく設定されているので、楔ピン2
6は試験管tの口部に対するプラグpの密着を解除し、
プラグpを試験管tの口部から跳ね上げるようにして持
ち上げる。
【0025】この際、各クランク爪25の挟持片27は
プラグpの頭部上に前進し、プラグpを上方から押さえ
付けている。それ故、一対の楔ピン26によりプラグp
が強く跳ね上げられても、プラグpの飛び出しは挟持片
27により確実に防止される。楔ピン26はその先端が
半球状をなし、そして、挟持片27は板ばねからなって
いるので、共栓付試験管Tの製作公差や試験管tへのプ
ラグpの差し込み量に多少のばらつきがあっても、一対
ずつの楔ピン26及び挟持片27はプラグpを試験管t
の口部からプラグpを確実に浮き上がらせ、そして、保
持することができる。従って、図12に示されているよ
うにクランプユニット22がアーム20とともに上昇さ
れると、プラグpは試験管tの口部から円滑にして引き
抜かれる。
【0026】この後、昇降軸19が90°更に回動され
ると、クランプユニット22はプラグpとともにターゲ
ットの共栓付試験管Tの上方から逃げ、そして、その共
栓付試験管Tの上方には図13に示されているように注
入管ホルダ23、即ち、注入管45の下端が移動され
る。この後、注入管45はアーム21とともに下降し、
図14に示されているように、その下端が試験管tの口
部内に進入する。この状態で、前述した溶媒注入ユニッ
ト35が作動され、試験管tに所定量の溶媒が注入され
る。
【0027】溶媒の注入が完了すると、注入管45は注
入管ホルダ23とともに上昇し、そして旋回して試験管
tの上方から退避し、その試験管tの上方にクランプユ
ニット22がプラグpを伴い再び移動される。この後、
クランプユニット22が下降し,プラグpは試験管tの
口部直上に位置付けられる。この状態で、クランプシリ
ンダ24は一対のクランプ爪25を開いて楔ピン26及
び挟持片27からプラグpを解放し、このプラグpを図
15に示されているように試験管tの口部内に落とし込
む。
【0028】この後、押し込みシリンダ28の伸張作動
によりパッド33が下降し、図16に示されているよう
にパッド33はプラグpを試験管tの口部内に所定の差
し込み量だけ押し込む。このようにしてプラグpの打栓
が完了した後、パッド33は元の位置まで上昇する。上
述したように1本の共栓付試験管Tに対し、プラグpの
開栓、溶媒注入、そしてプラグpの閉栓までの一連の溶
媒注入工程が完了すると、可動テーブル10は共栓付試
験管Tのピッチ間隔に等しい距離だけ前進し、クランプ
ユニット22の下方に次の共栓付試験管Tが位置付けら
れる。この後、その共栓付試験管Tに対し、上述の溶媒
注入工程が繰り返される。
【0029】試験管列の全ての共栓付試験管Tに対する
溶媒注入工程が完了すると、ロボット8は可動テーブル
10上からスタンドSを持ち上げ、一方、可動テーブル
10は原点位置に復帰する。この後、ロボット8はその
ハンド9の回転を介し、スタンドSを水平面内にて18
0°回転させた後、可動テーブル10上に位置決めして
載置する。これにより、スタンドS内における他方の列
の共栓付試験管Tに対しても、上述した溶媒注入工程が
順次、同様にして実施される。スタンドS内の全ての共
栓付試験管Tに溶媒が注入されると、スタンドSはロボ
ット8により可動テーブル10上から次の工程に移送さ
れる。
【0030】例えば前述した昇降軸19は2本のアーム
を更に備え、これらアームの先端に注入管ホルダを介し
て別の注入管を保持することができる。この場合、これ
ら注入管を、他の溶媒を供給する別の溶媒注入ユニット
に接続することで、試験管t内に異なる種類の溶媒を注
入することができる。 振とうステージ 図17を参照すると、振とうステージ5は、一対の平行
なガイドロッド50を備えている。これらガイドロッド
50は水平方向に互いに離間し、それらの両端は脚51
により支持されている。一対のガイドロッド50間に跨
るようにして往復台52が配置されており、往復台52
はガイドロッド50に沿い往復動自在にして、ガイドロ
ッド50に支持されている。
【0031】往復台52上には一対の軸受ブラケット5
3が突設されており、これら軸受ブラケット53はガイ
ドロッド50の上方に位置し、互いに対向している。一
対の軸受ブラケット53の上端部間に跨り、水平な回動
軸54が延びており、回動軸54の両端は対応する軸受
ブラケット53に回転自在に支持されている。一方の軸
受ブラケット53の外側面にはロータリシリンダ55が
取り付けられており、ロータリシリンダ55の出力軸
(図示しない)はその軸受ブラケット53を回転自在に
して貫通し、回動軸54の下方に位置付けられている。
ロータリシリンダ55の出力軸及び回動軸54には互い
に噛み合う一対のギヤ56がそれぞれ取り付けられてい
る。図17中には回動軸54のギヤ56のみが示されて
いる。従って、ロータリシリンダ55の駆動は、その出
力軸から一対のギヤ56を介して回動軸54の正逆回転
に変換される。なお、ロータリシリンダ55の出力軸を
回転軸54に直接に連結するようにしてよい。
【0032】回動軸54の中央部にはブロック形状の回
動サポート57が取り付けられており、回動サポート5
7は回動軸54と一体に回動可能である。回動サポート
57には振とうテーブル58が取り付けられており、振
とうテーブル58は一対のガイドロッド50間に亘って
延びる矩形形状をなしている。より詳しくは、振とうテ
ーブル58はガイドロッド50の軸線方向に沿った横断
面でみてL字形をなし、図17でみて、スタンドSを受
取り可能な水平なテーブル面59と、回動サポート57
の一端面に連結された垂直な連結壁60とを有してい
る。
【0033】ロボット8が振とうテーブル58のテーブ
ル面59にスタンドSを載置したとき、スタンドSはテ
ーブル面59にて位置決めされる。即ち、図18に示さ
れているようにテーブル面59にも、その先端が円錐
をなす一対の位置決めピン61が突設されており、こ
れら位置決めピン61はスタンドSの対応した位置決め
孔Hに差し込まれ、これにより、スタンドSはテーブル
面59上に位置決めして載置される。ここで、テーブル
面59上に載置されるスタンドSは例えば前述した注入
ステージ4にて、注入工程を受けたスタンドSである。
【0034】一方、図18でみて前述した回動サポート
57の下面には取り付けプレート62取り付けられてお
り、取り付けプレート62は振とうテーブル58とは反
対側に突出している。取り付けプレート62にはアーム
ポスト63が配置されており、アームポスト63の上端
からは昇降軸64が突出されている。アームポスト63
は、昇降軸64を昇降且つ回動させる機構(図示しな
い)を内蔵している。この機構は例えば、昇降軸64を
スプライン軸とし、昇降軸19を上下動させるステップ
リニアモータと、昇降軸64を回転させるステップモー
タとの組み合わせから実現される。
【0035】昇降軸64の先端にはアーム65が取り付
けられており、アーム65は振とうテーブル58のテー
ブル面59と平行な面内にて延びている。アーム65の
先端には合成ゴム製からなるプレート状のパッド66が
取り付けられており、図18に示されているようにパッ
ド66は昇降軸64の回転、即ち、アーム65の旋回に
より、テーブル面59の上方に位置付けることができ
る。なお、パッド66には軽量化を図るために、円形の
開口が複数箇所に形成されている。
【0036】更に、往復台52上には図17でみてアー
ムポスト63の両側にレスト台67がそれぞれ突設され
ており、これらレスト台67はテーブル面59上に載置
されるスタンドSの長さに相当する間隔だけ離間してい
る。各レスト台67の上部にはL字形をなしたブラケッ
トがピンを介して回転可能に取り付けられており、ブラ
ケットの垂直端及び回動軸54に向けて突出した水平端
のそれぞれには、スタンドレストとしてのローラ68
a,68bがそれぞれ回転自在にして軸支されている。
【0037】一方、図18に示されているように、往復
台52の下側にはクランク機構が配置されている。クラ
ンク機構は、往復台52の下面にその一端が回転自在に
連結されたクランクレバー69を備え、クランクレバー
69は往復台52の下面に沿って延び、そして、その他
端はクランクアーム70の先端に回転自在に連結されて
いる。クランクアーム70の基端は回転軸71の上端に
取り付けられており、回転軸71の下端部は軸受72を
介してフレーム1の上壁を貫通している。
【0038】回転軸71の他端にはカップリング74を
介して可変速モータ75の出力軸に連結されており、可
変速モータ75はブラケット76を介してフレーム1に
支持されている。次に、上述した振とうステージ5への
スタンドSのローディングからアンローディングまでの
振とう工程の手順を説明する。
【0039】先ず、図17に示されているように往復台
52は休止位置にあり、このとき、振とうテーブル58
はそのテーブル面59が水平に維持され、そして、パッ
ド66は一方のガイドロッド50に沿って配置されてい
る。なお、テーブル面59が水平状態にあるとき、振と
うテーブル58は往復台52上にテーブル受け78(図
18参照)を介して支持されている。
【0040】このような状態にて、前述したロボット8
は注入ステージ4からスタンドSをテーブル面59の上
方まで移送し、そして、そのスタンドSをテーブル面5
9上に位置決めして載置する。この際、ロボット8によ
るテーブル面59上へのスタンドSの載置はパッド66
を避けて行われる。また、テーブル面59上に載置され
たスタンドSはその側面が振とうテーブル58の連結壁
60に密着した状態にある。
【0041】この後、アームポスト63の昇降軸64が
90°回転され、図18中2点鎖線で示すようにパッド
66は、テーブル面59上のスタンドSの上方までアー
ム65を介して旋回して移動してから実線で示すように
下降し、スタンドS内の全共栓付試験管Tのプラグpを
上方から押さえ付ける。この結果、全ての共栓付試験管
Tはパッド66とテーブル面59との間にスタンドSを
介し、しっかりと挟持される。
【0042】この後、前述したロータリシリンダ55が
作動されると、回動軸54とともに回動サポート57が
回転され、振とうテーブル58及びパッド66はスタン
ドSを伴い、回動軸54を中心して図18中時計方向に
90°だけ回動する。この結果、図19に示されている
ようにスタンドSは垂直姿勢から水平姿勢に変化する。
【0043】ここで、振とうテーブル58が90°回転
されると、スタンドSの側面は振とうテーブル58の連
結壁60を介して左右のローラ68bに支持される一
方、スタンドSの上面は左右のローラ68aに接触し、
スタンドSはテーブル面59とローラ68a,68bと
の間にしっかりと保持されるので、この後、振とうテー
ブル58が往復動されても、スタンドSが振とうテーブ
ル58から脱落することはない。
【0044】この状態で、前述した可変速モータ75が
所定の駆動モードで駆動され、可変速モータ75の回転
は前述したクランク機構により、往復台52の往復動の
往復動、即ち、スタンドSの振動に変換される。ここ
で、スタンドS内の共栓付試験管Tはその軸線方向に振
動し、その振動数、振幅及び振動時間は共栓付試験管T
内の試料及び溶媒に応じて適切に設定されている。より
詳しくは、共栓付試験管Tの振動数及び振動時間は可変
速モータ75の回転速度及び駆動時間により決定され、
その振幅はクランク機構のクランクアーム70により決
定される。共栓付試験管Tの振幅はクランクアーム70
の交換により変更可能である。
【0045】上述した共栓付試験管Tの振動、つまり、
振とう中、全ての共栓付試験管Tはそのプラグpがパッ
ド66により押さえ付けられているので、共栓付試験管
TがスタンSから飛び出してしまうことはない。ま
た、スタンドS自体もまたテーブル面59と左右のロー
ラ68aとの間にて保持された状態にあり、しかも、左
右のローラ68bにより振とうテーブル58の連結壁5
9を介して下側から支持されているので、振とう中、ス
タンドSは振とうテーブル58に確実に保持される。
【0046】上述した共栓付試験管Tの振動、つまり、
振とうが完了すると、可変速モータ75の駆動モードは
低速モードに変更され、往復台52は緩やかに往復動
し、往復台52が休止位置に位置した時点で、可変速モ
ータ75の駆動は停止され、これにより、往復台52は
休止位置にて停止する。往復台52の休止位置への復帰
を確実に行うため、図17に示されているようにフレー
ム1の上面2には光電センサ77が配置されている。光
電センサ77は往復台52が休止位置にあるとき、往復
台52側の被検出体78を検出し、検出信号を出力す
る。この検出信号は可変速モータ75の駆動制御に使用
される。
【0047】往復台52が休止位置にて停止すると、ロ
ータリシリンダ55は逆向きに作動し、振とうテーブル
58はスタンドSを伴い、図19の水平姿勢から図18
の水平姿勢に復帰する。この後、パッド66は上昇した
後、昇降軸64を中心して旋回し、図17中実線で示す
位置まで復帰する。この後、ロボット8は振とうテーブ
ル58のテーブル面59からスタンドSを取り出し、次
工程に移送した後、新たなスタンドSを共栓付試験管T
とともに振とうテーブル58に載置し、そのスタンドS
の共栓付試験管Tに対し、振とう工程が同様にして実施
される。
【0048】上述した振とうステージによれば、振とう
テーブル58のテーブル面59が水平姿勢にあるとき、
ロボット8を使用することにより、テーブル面59上に
スタンドSを容易に載置することができる。この後、回
動軸54を中心として振とうテーブル58を回動させる
ことにより、スタンドS内の共栓付試験管Tはそれらの
軸線が往復台52の往復動方向と平行な振とう姿勢をと
る。つまり、振とうステージへの共栓付試験管Tのロー
ディングから共栓付試験管Tの振とう姿勢への変更、そ
して、そのアンローディングまでの一連の工程、即ち、
振とう工程の自動化が可能となり、振とう工程に従事す
るオペレータの大幅な労力の軽減を図ることができる。
【0049】また、共栓付試験管Tに対する振とう工程
はスタンドS毎に実施されるので、振とうステージは共
栓付試験管Tの振とう処理能力を大幅に向上する。 分注ステージ 図20を参照すると、分注ステージ6は可動台80を備
えており、可動台80上には互いに平行にしてガイドレ
ール81及びフィードスクリュー82が配置されてお
り、フィードスクリュー82の一端はACモータ83の
出力軸に連結されている。ガイドレール81及びフィー
ドスクリュー82には可動テーブル84が取り付けられ
ており、可動テーブル84はACモータ83の駆動によ
りフィードスクリュー82を介し、その軸線方向にガイ
ドレール81に案内されながら移動することができる。
【0050】可動テーブル84上には、2点鎖線で示さ
れているように2つのスタンドS1,S2を並べて載置す
ることができる。これらスタンドS1,S2はガイドレー
ル81及びフィードスクリュー82の上方にそれぞれ位
置し、それらの長手軸線はガイドレール81及びフィー
ドスクリュー82と平行である。ここで、スタンドS1
は、前述した準備/回収ステージ3における上段のスタ
ンドストック部3bから取り出されたスタンドであっ
て、その内部の各共栓試験管T内は空である。これに対
し、スタンドS2は、例えば振とうステージ5にて振と
う処理を受けた後のスタンドSであるか、または、遠心
分離ステージ7にて遠心分離処理を受けた後のスタンド
Sである。
【0051】可動テーブル84上へのスタンドS1,S2
の移送にも前述したロボット8が使用され、また、可動
テーブル84上にもスタンドS1,S2のための位置決め
ピン(図示しない)が一対ずつ突出されている。更に、
図20のみに示されているように可動テーブル84には
スタンドS1,S2内の各列の共栓付試験管Tに対応して
5つの被検出片85が取り付けられており、これら被検
出片85は例えば近接センサ86により検出可能となっ
ている。近接センサ86は可動台80上に配置されてい
る。可動テーブル84が図20に示す位置にあるとき、
スタンドSの各試験管列中、最も先頭にある共栓付試験
管Tのグループは基準ラインL上にそれぞれ位置付けら
れている。このとき、近接センサ86は基準ラインL上
の共栓付試験管Tに対応した被検出片85を検出してい
る状態にある。この状態からACモータ83の駆動に伴
い、可動テーブル84が前進し、各試験管列中における
次の共栓付試験管Tのグループに対応した被検出片85
が近接センサ86に検出されると、この時点で、ACモ
ータ83は可動テーブル84の前進を停止し、これによ
り、次の共栓付試験管グループが基準ラインL上に位置
付けられる。即ち、可動テーブル84は共栓付試験管
T、つまり、そのグループのピッチ間隔に等しい距離毎
に間欠的に前進し、各グループの共栓付試験管Tを基準
ラインL上に順次位置付けることができる。
【0052】図21に示されているように可動台80
は、サイドシフトベース87を介してフレーム88に支
持されており、サイドシフトベース87はガイドレール
81及びフィードスクリュー82の軸線方向と直交する
横方向に可動台80を移動させることができる。具体的
には、サイドシフトベース87は、小ストロークのエア
シリンダ89と大ストロークのエアシリンダ90との組
み合わせから構成されている。エアシリンダ89は、ス
タンドSの試験管列間の間隔D1に等しい距離だけ可動
テーブル84を図20に示す位置から右に移動させるこ
とができ、これに対し、エアシリンダ90はスタンドS
1,S2の長手軸線間の間隔D2に等しい距離だけ可動台
80を図20に示す位置から右に移動させることができ
る。
【0053】図20でみて可動台80の左側方には、ア
ームポスト91が配置されており、このアームポスト9
1はブラケット92を介してフレーム1の上壁に取り付
けられている。アームポスト91の上端からは昇降軸9
3が突出されており、そして、アームポスト91は昇降
軸93を昇降且つ回動させる機構を内蔵している。この
機構は例えば、昇降軸93をスプライン軸とし、昇降軸
93を上下動させる昇降シリンダと、昇降軸93を回転
させるロータリシリンダとの組み合わせから実現され
る。
【0054】昇降軸93の上端には2つのアーム94,
95が水平にして取り付けられており、これらアーム9
4,95は互い逆向きに延びている。アーム94,95
は昇降軸93の昇降に伴い上下動可能であり、また、そ
の回動に伴い旋回することができる。アーム94には前
述した注入ステージ4が備えているクランプユニット2
2と同様なクランプユニット22が2つ取り付けられて
おり、アーム95にはクランプユニット22に対するカ
ウンタウエイト97が取り付けられている。図21から
明らかなように2つのクランプユニット22は、可動テ
ーブル84上にスタンドS1,S2が載置されたとき、こ
れらスタンドS1,S2の長手軸線間の間隔D2に等しい
距離だけ離間している。より詳しくは、可動テーブル8
4が図に示す位置にあるとき、アーム94,95の旋回
に伴い、各クランプユニット22は前述した基準ライン
Lを含む垂直面内まで移動し、そして、基準ライン上に
あり且つ対応するスタンドSにおける右側の共栓付試験
管Tの上方にそれぞれ配置可能となっている。
【0055】図21に示す状態からクランプユニット2
2のクランプ爪25が閉じられると、一対の楔ピン26
は共栓付試験管Tにおけるプラグpのネック部nを両側
から挟み付けるようにして、プラグpの頭部と試験管t
の上端縁との間に進入し、プラグpを試験管tの口部か
ら浮き上がらせ、口部に対するプラグpの密着を解除す
る。この際、クランプ爪25の挟持片27は楔ピン26
との間にてプラグpの頭部を挟持し、プラグpの飛び出
しを防止する。
【0056】この後、アーム94とともにクランプユニ
ット22が上昇されると、クランプユニット22は、一
対ずつの楔ピン26及び挟持片27により保持したプラ
グpを試験管tの口部から引き抜き、そして、アーム9
4の旋回により図20に示されているようにスタンドS
1,S2の上方から退避する。逆に、退避状態にあるクラ
ンプユニット22は、開栓状態にある試験管tの上方に
再び戻されてから下降し、保持しているプラグpを試験
管tの口部直上に位置付け、そして、一対のクランプ爪
25を開くことにより、プラグpを試験管tの口部内に
落とし込む。この後、クランプユニット22の押し込み
シリンダ28はパッド33を下降させ、パッド33によ
りプラグpを試験管tの口部内にしっかりと押し込む。
【0057】上述したように2つのクランプユニット2
2は基準ラインL上にある2つの共栓付試験管T、即
ち、スタンドS1,S2内の1個ずつ共栓付試験管Tに関
し、これらのプラグpを同時に開閉することができる。
基準ラインL上における他の2つの共栓付試験管Tに関
して、これらのプラグpの開閉は、サイドシフトサポー
ト87のエアシリンダ89により可動テーブル84を前
述した間隔D1に等しい距離だけ右方に移動させれば同
様にして可能となる。
【0058】図20に示されているように可動台80の
近傍、より詳しくは可動台80の移動領域を避けた位置
に分注アームユニット98が配置されている。分注アー
ムユニット98はハウジング99を備えており、ハウジ
ング99の上面に軸受筒100が取り付けられている。
軸受筒100からはスプライン軸からなる昇降軸101
が上方に突出しており、昇降軸101の上端には分注ア
ーム102が水平にして連結されている。
【0059】図22に示されているように軸受筒100
内にて、昇降軸101にはインナスリーブ103がスプ
ライン係合しており、インナスリーブ103と軸受筒1
00の内周面との間には段付きのアウタスリーブ104
が配置されている。インナスリーブ103とアウタスリ
ーブ104との間はキーを介して連結されている。アウ
タスリーブ104は軸受筒101に回転自在に支持さ
れ、軸受筒101からハウジング99内に突出してい
る。アウタスリーブ104の突出端には歯付きプーり1
05が取り付けられており、一方、ハウジング99内に
て歯付きプーリ105の近傍にはダンパ付きのステップ
モータ106が配置されている。ステップモータ106
の出力軸にも歯付きプーリ107が取り付けられてお
り、歯付きプーリ105,107間にタイミングベルト
108が掛け回されている。従って、ステップモータ1
06はタイミングベルト108を介してアウタスリーブ
104、つまり、昇降軸101を回転させることがで
き、この回転は分注アーム102を旋回させることにな
る。
【0060】昇降軸101はアウタスリーブ104の下
端からハウジング99内を下方に延びており、その下端
はボールジョイント109を介してステップリニアモー
タ110の可動ロッド111に連結されている。可動ロ
ッド111の下端には被検出片112が取り付けられて
おり、被検出片112は上下に離間した近接センサ11
3,114によりそれぞれ検出される。図22に示す状
態にあるとき、ステップリニアモータ110の可動ロッ
ド111は下限位置にあり、このとき、その被検出片1
12は下側の近接センサ114により検出されている。
このような状態にて、ステップリニアモータ110が駆
動されると、可動ロッド111は昇降軸101を押し上
げ、これにより、図22中2点鎖線で示すように分注ア
ーム102は上昇する。可動ロッド111の被検出片1
12が上側の近接センサ113により検出されると、ス
テップリニアモータ110の駆動は停止され、この時点
で、分注アーム102の上昇もまた停止される。即ち、
近接センサ113,114は、分注アーム102の昇降
範囲を決定している。
【0061】分注アーム102の先端にはチップ装着ヘ
ッド115が取り付けられており、チップ装着ヘッド1
15は図20に示すように分注アーム102の旋回に伴
い、チップ装着位置とチップ廃棄位置との間にて往復的
に移動することができる。ここで、チップ装着ヘッド1
15の移動軌跡は図20中1点鎖線Cで示されており、
移動軌跡Cは、基準ラインL上の共栓付試験管Tのう
ち、スタンドS2における右側の共栓付試験管Tの直上
を通過しており、その共栓付試験管Tの位置は以降の説
明において、チップ装着ヘッド115の吸注位置Xとし
て参照される。
【0062】図22に具体的に示されているようにチッ
プ装着ヘッド115はヘッド本体116を備えており、
ヘッド本体116の下面からは中空のねじ部材117が
突出し、このねじ部材117に中空の吸注プラグ118
が取り付けられている。吸注プラグ118は円筒状をな
し、その上下の部分は外周面が逆向きのテーパ面として
形成されている。吸注プラグ118の下側部分は、2点
鎖線で示すマイクロピペットチップ(以下、単にチップ
と称する)PTの基端に密着して差し込まれ、これによ
り、チップPTの装着が可能となっている。
【0063】ヘッド本体116の両側には一対のエアシ
リンダ119が垂直且つ下向きに取り付けられており、
それらのピストンロッドの下端にはプッシャリング12
0が連結されている。プッシャリング120は吸注プラ
グ118の外側に同心的に配置され、その内径は吸注プ
ラグ118の最大外径とチップPTの基端外径との間の
寸法に設定されている。プッシャリング120は通常、
吸注プラグ118の上側部分に対応して位置付けられて
おり、図23から明らかなようにプッシャリング120
から吸注プラグ118の下側部分が下方に突出した状態
にある。
【0064】前述した吸注プラグ118はヘッド本体1
16内の通路を通じて、ヘッド本体116の外面から突
出したシールコネクタ121に接続されており、シール
コネクタ121からは図22に示されているように可撓
性チューブ122が延びている。可撓性チューブ122
は分注ユニット98に向けて延び、そのハウジング99
の外側に一部が突出した電磁三方弁123に接続されて
いる。より詳しくは、電磁三方弁123は、2つの入出
口と、1つの供給口とを有し、可撓性チューブ122は
電磁三方弁123の一方の入出口に接続されている。電
磁三方弁123の供給口には接続チューブ124を介し
てウォータタンク125に接続されている。更に、電磁
三方弁123の他方の入出口には接続管126を介して
シリンジ127が接続されており、シリンジ127はプ
ランジャ128を有している。
【0065】シリンジ127の近傍にはステップリニア
モータ129が配置されており、ステップリニアモータ
129はシリンジ127と平行な可動ロッド130を有
している。可動ロッド130の一端とシリンジ127の
プランジャ128の突出端とは連結アーム131により
相互に接続されており、ステップリニアモータ129
は、可動ロッド130を介してシリンジ127のプラン
ジャ128を往復動させ、これにより、シリンジ127
に吸引動作及び吐出動作を行わせることができる。
【0066】前述した電磁三方弁123は通常、その入
出口同士のみを連通させた切換え位置にあるが、シリン
ジ127からチップ装着ヘッド115の吸注プラグ11
8までの経路内を水で満たすための準備段階にあって
は、シリンジ127の吸引動作及び吐出動作に連動して
切換えられる。つまり、準備段階において、シリンジ1
27が吸引動作を行うとき、電磁三方弁123はその供
給口とシリンジ127側の入出口との間のみを連通させ
ており、これにより、シリンジ127はその内部にウォ
ータタンク125内の水を吸引することができる。この
後、シリンジ127が吐出動作を行うとき、電磁三方弁
123はその入出口同士のみを連通させており、これに
より、シリンジ127はその内部に吸引した水をチップ
装着ヘッド115に向けて吐出することができる。この
ようなシリンジ127による水の吸引及び吐出の繰り返
しにより、チップ装着ヘッド115までの経路内が全て
水で満たされると、準備段階を完了し、電磁三方弁12
3はその入出口同士のみを連通する切換え位置に保持さ
れる。
【0067】図24に示されているように、前述したチ
ップ装着位置にはチップフィーダ132が隣接して配置
されている。チップフィーダ132は水平なトレイディ
スク133を備えており、トレイディスク133には多
数の送り込みスリット134が設けられている。これら
送り込みスリット134は放射状に形成され、トレイデ
ィスク133の外周縁にて開口している。各送り込みス
リット134はチップPTの基端部に係合することで、
チップPTを吊持可能としたスリット幅を有し、これに
より、チップPTを一列にして保持することができる。
図24には一部の送り込みスリット134にしかチップ
PTが保持されていないが、これに作図上の都合による
ものであり、実際には全ての送り込みスリット134内
にチップPTが満たされている。
【0068】図25に示されているようにトレイディス
ク133は回転軸135の上端に交換可能にして連結さ
れており、回転軸135は軸受136を介してモータハ
ウジング137に支持されている。トレイディスク13
3の交換を容易にするため、トレイディスク133の上
面中央には取っ手138が設けられている。モータハウ
ジング137内にて、回転軸135は軸受136から下
方に突出し、カップリング139を介してスピードコン
トロールモータ140の出力軸に連結されている。スピ
ードコントロールモータ140はモータハウジング13
7に支持されている。
【0069】トレイディスク133の下側にはチッププ
ッシャ141が配置されている。チッププッシャ141
は垂直に延びるロッド部材にパッドを上下に2ヶ所取り
付けて構成されている。なお、パッドはチップPTの円
筒形状に合致するような円弧形状となっている。チップ
プッシャ141の下端は、リニアモータ142における
可動ロッド143の一端にて支持されている。リニアモ
ータ142もまたモータハウジング137内にて支持さ
れており、可動ロッド143はその一端側の部分がモー
タハウジング137から突出されている。ここで、可動
ロッド143はトレイディスク133の径方向に延びて
いる。
【0070】可動ロッド143の他端には被検出片14
5が取り付けられており、被検出片145は近接センサ
146,147により検出可能である。これら近接セン
サ146,147は可動ロッド143の軸線方向に離間
し、可動ロッド143、即ち、チッププッシャ141の
ストローク範囲を決定する。トレイディスク133の外
周縁近傍、即ち、前述したチップ装着位置にはチップ取
出部148が設けられている。チップ取出部148は支
柱149を介して支持され、トレイディスク133と同
一の高さ位置に配置されている。より詳しくは、チップ
取出部148はチッププッシャ141の移動軸線を含む
垂直面内にあって、送り込みスリット134の開口端と
接続可能となっており、この接続時、送り込みスリット
134から1個のチップPTを吊持した状態で受取るこ
とができる。
【0071】図24に示されているようにチップ取出部
148は透過型の光電センサからなるチップ感知センサ
150を備えており、チップ感知センサ150はトレイ
ディスク133の接線方向に離間対向し、チップ取出部
148に受け取られたチップPTを検出する。更に、図
25に示されているように支柱149の上部にはトレイ
ディスク133に向けてブラケット151が突出してお
り、ブラケット151の先端部分はトレイディスク13
3の外周縁を上下に挟むような二股形状をなしている。
ブラケット151の各先端にもまた、透過型の光電セン
サからなる回転角センサ152が取り付けられており、
これら回転角センサ152は垂直方向に離間対向し、ト
レイディスク133の回転角位置を検出する。より詳し
くは、図24から明らかなようにトレイディスク133
の外周縁には、各送り込みスリット134の開口端に連
なる凸部153が形成されており、これら凸部153は
トレイディスク133の回転に伴い、回転角センサ15
2間を通過する。回転角センサ152は凸部153の通
過を検出することで、そのオンオフ信号を出力し、この
オンオフ信号に基づき、トレイディスク133の回転角
位置が把握される。
【0072】今、図24に示されているようにトレイデ
ィスク133の1つの送り込みスリット134がチップ
取出部148に合致した回転角位置にあるとき、チップ
プッシャ141はリニアモータ142の駆動により、ト
レイディスク133の径方向外側に向けて前進し、その
送り込みスリット134内のチップ列をチップ取出部1
48に向けて押し出し、チップ列中の先頭のチップPT
をチップ取出部148に供給する。この際、チップ感知
センサ150はチップ取出部148に受け取られたチッ
プPTを検出して、オン信号を出力し、このオン信号を
受けてチッププッシャ141の前進、つまり、リニアモ
ータ142の駆動が停止される。
【0073】このような状況にて、前述した分注アーム
102の旋回に伴い図26に示されているように、チッ
プ装着ヘッド115はチップ取出部148の上方に位置
付けられる。この際、チップ装着ヘッド115はその一
対のエアシリンダ119がトレイディスク113の周方
向に離間した姿勢となっている。この後、チップ装着ヘ
ッド115が分注アーム102とともに下降すると、図
27に示されているように吸注プラグ118はチップ取
出部148内にあるチップPTの基端部に密着して差し
込まれ、吸注プラグ118にチップPTが装着される。
この際、チップ取出部148はチップPTの下方への移
動を規制しており、吸注プラグ118はチップPTに確
実に挿入することことかできる。
【0074】このようにしてチップPTが装着される
と、分注アーム102の上昇に伴い、チップ装着ヘッド
115がそのチップPTとともに上昇し、チップPTは
チップ取出部148から引き抜かれる。チップ取出部1
48からチップPTが完全に引き抜かれると、チップ感
知センサ150からの出力はオン信号からオフ信号に切
り替わり、このオフ信号を受けて、チッププッシャ14
1は前進を再開し、次のチップPTをチップ取出部14
8に供給する。
【0075】一方、チップ装着ヘッド115は分注アー
ム102の旋回により、前述した吸注位置Xの上方に戻
る。このとき、基準ラインL上におけるスタンドS2側
の開栓された試験管tが吸注位置Xに位置付けられてお
り、クランプユニット22は可動テーブル84の上方か
ら退避している。このような状態にて、分注アーム10
2とともにチップ装着ヘッド115が下降されると、チ
ップPTは試験管t内に進入し、その先端部分が試験管
t内の試液中に所定の長さだけ没入する。ここで、チッ
プPTの没入長さは試験管t内の試液から吸引すべき吸
引量に基づいて算出される。チップPTの没入が完了す
ると、前述したシリンジ127(図22参照)は吸引動
作を行い、これにより、チップPT内に試験管t内の試
液が所定量だけ吸引される。この後、チップ装着ヘッド
115は分注アーム102とともに上昇し、チップPT
は試験管tから抜け出し、試液の吸引を完了する。
【0076】この後、可動テーブル84はサイドシフト
サポート87のエアシリンダ90の伸張作動により横移
動し、基準ラインL上にあるスタンドS1側の開栓状態
にある空の試験管tが吸注位置Xに位置付けられる。こ
の後、チップ装着ヘッド115は再び下降され、そのチ
ップPTが空の試験管t内に進入する。この状態で、シ
リンジ127は吐出動作を行い、チップPTから試液が
空の試験管t内に注入される。
【0077】試液の注入が完了すると、チップ装着ヘッ
ド115はその上昇により、チップPTを試験管tから
抜き出した後、分注アーム102の旋回により廃棄位置
まで移動する。この廃棄位置にて、チップ装着ヘッド1
15の一対のエアシリンダ119が伸張され、プッシャ
リング120が下方に押し出される。この際、プッシャ
リング120はチップPTの基端縁に係合し、チップP
Tを押し下げる。この結果、図28に示されているよう
に吸注プラグ118へのチップPTの装着が解除され、
チップPTは廃棄位置にて、図示しない回収ボックス内
に廃棄される。チップPTの装着解除後、一対のエアシ
リンダ119は収縮し、プッシャリング120は元の位
置に復帰する。
【0078】一方、チップ廃棄処理中、エアシリンダ9
0が収縮した後、2つのクランプユニット22は可動テ
ーブル84の上方に戻り、開栓状態にある2つの試験管
tにプラグpをそれぞれ差し込み、これら試験管tを閉
栓する。上述した一連の分注工程が完了すると、クラン
プユニット22が所定位置まで上昇した後、サイドシフ
トサポート87のエアシリンダ89の伸張作動により可
動テーブル84が横移動し、基準ラインL上の残り2つ
の共栓付試験管Tが対応するクランプユニット22の下
方に位置付けられる。この後、2つのクランプユニット
22はその下方にある共栓付試験管Tのプラグpを抜き
取って保持し、可動テーブル84の上方から退避する。
【0079】この状態にて、チップ装着ヘッド115は
チップ装着位置に移動し、新たなチップPTを前述した
ようにして装着し、スタンドS2側の試験管tからスタ
ンドS1側の空の試験管tに同様にして試液の分注が行
われる。この後、可動テーブル84はACモータ83
(図20参照)の駆動によりフィードスクリュー82を
介して前進され、スタンドS1,S2における次の共栓付
試験管Tのグループが基準ラインL上に位置付けられ、
これら共栓付試験管Tに対し、試液の分注が同様にして
繰り返される。
【0080】スタンドS1,S2の全ての共栓付試験管T
に関し、分注が同様に繰り返され、そして、スタンドS
1,S2に対する分注工程が完了すると、前述したロボッ
ト8は可動テーブル84からスタンドS1,S2を順次取
り外し、次工程に向けて移送する。より詳しくは、スタ
ンドS2は前述した準備/回収ステージ3における下段
のスタンドストック部3aにおいて、空の位置又は元の
位置に戻され、また、スタンドS1に関しても、次の処
理が無い場合、その上段のスタンドストック3bにお
いて、空の位置又は元の位置に戻される。
【0081】この後、可動テーブル84は後退して初期
位置に戻り、そして、可動テーブル84上にロボット8
が新たなスタンドS1,S2を載置した後、これらスタン
ドS1,S2に対して分注工程が繰り返される。上述の説
明から既に明らかなように、チップ装着ヘッド115は
スタンドS2側の1本の共栓付試験管TからスタンドS1
側の共栓付試験管Tへの試液の分注作業毎に、チップフ
ィーダ132から新たなチップPTを装着して取り出す
ので、チップフィーダ132において、トレイディスク
133の送り込みスリット134内のチップPTは順次
減少する。
【0082】このような状況にて、チッププッシャ14
1がその許容前進位置まで前進していても、チップ感知
センサ150からの出力がオン信号に切り替わらない場
合、後述する分注ステージコントローラは、チップフィ
ーダ132において、そのチップ取出部148に連なる
送り込みスリット134が空であると判断する。この場
合、分注ステージコントローラは、チッププッシャ14
1を休止位置まで後退させた後、トレイディスク133
のためのスピードコントロールモータ140を駆動し、
トレイディスク133を所定の回転角だけ回転させ、ト
レイディスク133の次の送り込みスリット134をチ
ップ取出部148に合致させる。この後、チッププッシ
ャ141はその折り込みスリット134内のチップ列を
押出し、そのチップ列の先頭のチップPTをチップ取出
部148に供給する。従って、上述したチップフィーダ
132によれば、トレイディスク133の各送り込みス
リット134内のチップPTをチップ取出部148に順
次自動的に供給することができる。
【0083】トレイディスク133の全ての送り込みス
リット134内が空になり、チッププッシャ141によ
るチップPTの押出しによってもチップ感知センサ15
0からの出力がオン信号に切り替わらない場合、分注ス
テージコントローラはトレイディスク133の交換要求
指令を出力し、空のトレイディスク133は各送り込み
スリット134内にチップPTを装着した新たなトレイ
ディスク133に交換される。
【0084】遠心分離ステージ 図29を参照すると、遠心分離ステージ7は、箱状のハ
ウジング160を備えている。ハウジング160はフレ
ーム1の上面2上に配置されている。ハウジング160
は上壁161を有しており、上壁161には矩形の入出
口162が形成されている。入出口162はスタンドS
の通過を十分に許容する大きさを有し、そして、スライ
ド扉163により開閉可能となっている。より詳しく
は、上壁161上にはU字壁164が形成されており、
U字壁164における閉塞端側の部分は入出口162の
一辺を除き、入出口162を囲んでいる。U字壁164
の一対の内側面にはガイド溝165が形成されており、
これらガイド溝165にスライド扉163の両側縁が摺
動自在にして嵌合されている。U字壁164の閉塞側内
端面には嵌合溝166が形成されており、嵌合溝166
の両端はガイド溝165に連なっている。スライド扉1
63がガイド溝165に案内されながら入出口162に
向けて摺動し、入出口162の上方に到達すると、スラ
イド扉163の前縁はU字壁164の嵌合溝166に嵌
合する。更に、上壁161上には入出口162の前記一
辺に沿ってシール壁167が設けられており、シール壁
167はU字壁164の両側面を接続し、その上面はス
ライド扉163の下面に摺接可能となっている。従っ
て、スライド扉163が入出口162の上方に移動され
たとき、スライド扉163はその下面がシール壁167
に接触した状態にて、シール壁167、U字壁164及
び嵌合溝166と協働して入出口162を閉じる。
【0085】スライド扉163を往復動させるため、ス
ライド扉163の直上にはエアシリンダ168が配置さ
れており、エアシリンダ168はその外筒の両端が脚部
材169,170を介してハウジング160の上壁16
1に支持されている。図29から明らかなように脚部材
170はU字壁164を跨ぐ門形をなしている。エアシ
リンダ168のピストンロッド171はその先端が連結
部材172を介してスライド扉163の前縁に連結され
ている。従って、エアシリンダ168におけるピストン
ロッド171の伸縮作動により、スライダ扉163は入
出口162を開閉する。
【0086】図30に示されているようにハウジング1
60内には中間フレーム枠173が設けられており、中
間フレーム枠173はハウジング160内を上側のロー
タ室174と、下側のモータ室175とに区画してい
る。ロータ室174にはロータ軸176が上下に延びて
おり、ロータ軸176の上端は上壁161を貫通し、上
壁161に対し軸受177を介して回転自在に支持され
ている。一方、ロータ軸176の下端部は、ロータ室1
74から軸受ユニット178を回転自在に貫通してモー
タ室175に延出している。軸受ユニット178は二重
軸受179を内蔵し、上側サポートプレート180に固
定されている。上側サポートプレート180は前述した
中間フレーム枠173に取り付けられている。
【0087】上側サポートプレート180からは複数の
ロッド181が垂下されており、これらロッド181の
下端に下側サポートプレート182が連結されている。
下側サポートプレート182は上側サポートプレート1
80と平行に配置され、その下面には高速モータ183
が取り付けられている。高速モータ183は下側サポー
トプレート182を貫通する出力軸を有し、この出力軸
はカップリング184を介してロータ軸176の下端に
連結されている。従って、高速モータ183の駆動によ
りロータ軸176は一方向に回転される。
【0088】ロータ室174内にて、ロータ軸176の
中間部にはキーを介して矩形のロータヘッド185が取
り付けられており、ロータヘッド185にはロータとし
ての一対のロータアーム186が水平に取り付けられて
いる。これらロータアーム186はロータ軸176の両
側に延びている。図31に示されているように一対のロ
ータアーム186は2枚の平行なプレート部材187か
らなり、これらプレート部材187はその中央部がロー
タヘッド185の対応する端面に連結されている。
【0089】各ロータアーム186の先端部にはバケッ
ト188がそれぞれ取り付けられている。図31から明
らかなようにバケット188はプレート部材187間に
挟まれ、これらプレート部材187にピボット軸189
を介して支持されている。従って、各バケット188は
そのピボット軸189を中心として回動することができ
るが、通常は水平姿勢をとるべくバランスしている。
【0090】バケット188は上面が開口した矩形の箱
であり、スタンドSを受け入れることができる。バケッ
ト188の内底面にはスタンドSの位置決め孔Hに対応
して先細状をなした一対の位置決めピン190が突出し
ている。従って、バケット188内にスタンドSが受け
取られたとき、各位置決めピン190はスタンドSの対
応する位置決め孔Hに嵌合し、バケット188内にてス
タンドSを位置決めした状態で保持することができる。
ここで、バケット188に受け取られるスタンドSは例
えば前述した分注ステージ6でのスタンドS2である。
【0091】図30からより明らかなようにバケット1
88は、その上縁に前述したピボット軸189により支
持される一対の耳部191を有している。一方、ロータ
アーム186内、即ち、両方のプレート部材187の内
面には、耳部191よりもロータヘッド185側に位置
して揺動規制片192がそれぞれ取り付けられおり、こ
れら揺動規制片192は水平な下端面を有している。前
述したようにバケット188が水平姿勢にあるとき、バ
ケット188の上縁は揺動規制片192の下端面に面接
触した状態にある。
【0092】更に、バケット188の外底面中央からは
取り付け板を介し、突出部材としての位置決めプレート
193が垂下されている。より詳しくは、図32に示さ
れるように位置決めプレート193は、バケット188
のピボット軸189の軸線を含む鉛直面内にあって、バ
ケット188の外底面と直交し、且つ、その幅方向がバ
ケット188の幅方向に一致すべく配置されている。位
置決めプレート193の下端部には凹みとしての位置決
め孔194が形成されており、位置決め孔194の軸線
はロータ軸176の軸線を直交する関係にある。
【0093】図30に示されているように上側サポート
プレート180の下方には、前述した入出口162と対
向する位置関係を存してエアシリンダ195が垂直にし
て配置されており、エアシリンダ195はブラケット1
96を介して上側サポートプレート180に取り付けら
れている。エアシリンダ195のピストンロッド197
は上方に向けて突出し、その先端には前述した位置決め
プレート193と協働する位置決めロッカー198が取
り付けられている。位置決めロッカー198は断面が略
U字形をなした溝部材199を備えており、溝部材19
9の一対の溝壁200,201はロータ軸176の径方
向に離間し、そして、その径方向内側に位置する一方の
溝壁200は他方の溝壁201よりも僅かに高く設定さ
れている。他方の溝壁201の外面にはエアシリンダ2
02が水平に取り付けられており、エアシリンダ202
のピストンロッドは溝壁201を貫通して溝部材119
内に臨み、その先端には嵌合ピンとしての位置決めピン
203が取り付けられている。位置決めピン203の先
端は円錐形状をなし、その最大径は位置決めプレート1
93における位置決め孔194の直径よりも大である。
そして、位置決めピン203の軸線はロータ軸176の
軸線と直交する位置関係にある。
【0094】一方、下側サポートプレート182上には
前述したカップリング184の側方に、軸受を内蔵した
軸受ユニット204が固定されており、軸受ユニット2
04内にはシャフト205が回転自在に上下に貫通して
取り付けられている。シャフト205の下端部は下側サ
ポートプレート182の下方に突出し、その下端には雌
クラッチディスク206が取り付けられている。雌クラ
ッチディスク206の下方には同軸上に雄クラッチディ
スク207が離間して配置されており、雄クラッチディ
スク207は低速モータ208の出力軸209に連結さ
れている。低速モータ208は連結部材210を介して
垂直なエアシリンダ211のピストンロッド先端に連結
されている。エアシリンダ211はブラケット212を
介して下側サポートプレート182に支持されている。
【0095】図33に示されているように雌クラッチデ
ィスク206の外周面にはその周方向に隣接する円弧状
の歯溝213を有しており、一方、図34に示されてい
るように雄クラチディスク207の上面からは一対の
クラッチピン214が突出されており、これらクラッチ
ピン214はその先端部が円錐状をなし、その基部は歯
溝213における曲率半径の2倍となる直径を有してい
る。クラッチピン214は、雄クラッチディスク207
の直径方向に離間し、そして、雌クラッチディスク20
6のピッチ円と同一の直径の円周上に配置されている。
従って、前述したエアシリンダ211のピストンロッド
が伸張され、低速モータ208の回転を伴い雄クラッチ
ディスク207が上昇されると、図35に示されるよう
に雄クラッチディスク207の一対のクラッチピン21
4は雌クラッチディスク206の歯溝213に合致す
る。この時点で、低速モータ208の駆動力は雄雌のク
ラッチディスク207,206を介してシャフト205
に伝達され、シャフト205は一方向に回転する。
【0096】再度、図30を参照すると、シャフト20
5の上端部にはタイミングプーリ215が取り付けられ
ており、一方、ロータ軸176の下端部にもタイミング
プーリ216が取り付けられている。これらタイミング
プーリ215,216にはタイミングベルト217が掛
け回されており、このタイミングベルト217はシャフ
ト205の回転力をロータ軸176に伝達することがで
きる。即ち、ロータ軸176は前述した高速モータ18
3に加えて、低速モータ208の駆動によっても回転可
能である。
【0097】逆に、雄雌のクラッチディスク207,2
06間の係合が解除されているとき、ロータ軸176の
回転はタイミングプーリ215,216及びタイミング
ベルト217を介してシャフト205に伝達され、シャ
フト205はロータ軸176と連動して回転する。な
お、タイミングプーリ及びタイミングベルトの代わり
に、スプロケット及びチェーンの組み合わせを使用して
もよい。
【0098】更に、シャフト205の上端には被検出デ
ィスク218が水平に取り付けられており、被検出ディ
スク218の外周部には等間隔を存して複数の開孔21
9が形成されている。被検出ディスク218にはその外
周部を挟むようにして、透過型の光電センサ220,2
21がそれぞれ配置されている。これら光電センサ22
0,221は被検出ディスク218の直径方向に離間
し、ブラケットを介して上側サポートプレート180に
取り付けられている。光電センサ220,221は被検
出ディスク218の回転に伴い開孔219の通過を検出
することができ、これら光電センサ220,221から
の検出信号に基づき、被検出ディスク218の回転角、
即ち、ロータアーム186におけるバケット188の旋
回角が検出されるようになっている。
【0099】なお、図30にあっては、タイミングプー
リ215,216の径が異なっているが、これらタイミ
ングプーリ215,216の径が同一の場合、被検出デ
ィスク218に代えて、ロータアーム186に対応した
被検出アームを使用することができる。この場合、光電
センサ220,221は、被検出アーム、即ち、ロータ
アーム186の回転角を検出する。また、被検出ディス
ク218又は被検出アームは、ロータ軸176に直接に
取り付けるようにしてもよい。
【0100】次に、遠心分離ステージ7へのスタンドS
のローディングからアンローディングまでについて説明
する。先ず、前述したように低速モータ208の回転及
びエアシリンダ211の作動により雌雄のクラッチディ
スク206,297が係合されると、低速モータ208
からシャフト205を介してロータ軸176に回転力が
伝達され、一対のロータアーム186が緩やかに回転さ
れる。ロータアーム186の低速回転中、バケット18
8の旋回角が光電センサ220,221からの検出信号
に基づいて検出され、そして、一方のバケット188が
入出口162の下方位置、即ち、基準旋回角位置に到達
したとき、低速モータ211の駆動が停止される。
【0101】この状態で、エアシリンダ195は、位置
決めロッカー198を所定位置まで上昇させ、バケット
188の直下に位置付ける。このとき、バケット188
が基準旋回角位置に正確に位置付けられ、且つ、バケッ
ト188が水平姿勢にあれば、位置決めロッカー198
の位置決めピン203とバケット118における位置決
めプレート193の位置決め孔194とは同軸上に位置
付けられる。
【0102】しかしながら、バケット188はロータア
ーム186にピボット軸189を介して取り付けられて
いるため、図36に誇張して示すように水平姿勢から傾
いていることがある。しかしながら、このようにバケッ
ト188が僅かに傾いている状態にあっても、位置決め
ロッカー198の位置決めピン203がエアシリンダ2
02により前進されると、図37に示されているように
位置決めピン203は位置決めプレート193の位置決
め孔194に強制的に押し入れられる。この際、バケッ
ト188は水平姿勢に矯正され、バケット188の上縁
は揺動規制片192の下端面に面接触する。また、位置
決めピン203はバケット188の傾きを矯正するばか
りでなく、そのバケット188が基準旋回角位置から旋
回方向に僅かにずれていても、そのずれもまた矯正され
る。更に、位置決めプレート193はバケット188の
ピボット軸189の軸線を含む鉛直面内に配置されてい
るので、位置決め孔194内に位置決めピン203が強
制的に進入する際、バケット188は円滑に揺動して水
平姿勢をとる。
【0103】なお、バケット188の傾きが大きい場合
にあっては、位置決めロッカー198の上昇時、その溝
部材199の一方の溝壁200がバケット188の底
面、即ち、その位置決めプレート193の取り付け板に
当接し、バケット188の傾きを或る程度矯正し、これ
により、位置決め孔194への位置決めピン203の押
し込みは確実に確保される。
【0104】一方、上述したバケット188の位置決め
中、スライド扉163はエアシリンダ168の作動を受
けて、ハウジング160の入出口162を開く。この状
態にて、前述したロボット8はそのハンド9により、例
えば振とうステージ5からスタンドS(即ち、スタンド
S1)を入出口162の上方に移送した後、入出口16
2を通じて下降させ、バケット188内に位置決めして
装着する。この際、前述したようにバケット188は基
準旋回角位置に正確に位置決めされているので、ロボッ
ト8は、バケット188へのスタンドSのローディング
を確実に実施することができる。
【0105】スタンドSの装着後、位置決めロッカー1
98の位置決めピン203はバケット188側の位置決
めプレート193の位置決め孔194から抜き出され、
位置決めロッカー198はバケット188の旋回と干渉
しない位置まで下降する。この後、低速モータ211が
駆動され、他方のバケット188が基準旋回角位置に同
様にして正確に位置決めされ、そのバケット188にも
ロボットによりスタンドSが装着される。
【0106】このようにして2つのバケット188にス
タンドSがそれぞれ装着されると、位置決めロッカー1
98は元の下降位置に戻り、そして、雌雄のクラッチデ
ィスク206,207間の係合が解除されるとともに、
スライド扉163はハウジング160の入出口162を
閉じる。この状態にて、高速モータ183が駆動される
と、一対のバケット188はロータアーム186を介し
て高速で旋回し、スタンドSの各共栓付試験管T内の試
液は遠心分離作用を受ける。バケット188の旋回中、
バケット188はそのピボット軸189を中心として、
旋回方向外側に向けて傾いた状態にある。
【0107】なお、遠心分離中、ハウジング160内の
空気を加熱又は冷却した不活性ガスにより置換するよう
にしてもよい。遠心分離処理が完了すると、高速モータ
183の駆動が停止され、バケット188は或る旋回位
置にて停止する。この後、スライド扉163はハウジン
グ160の入出口162を開き、そして、基準旋回角位
置にバケット188が同様にして位置決めされ、そのバ
ケット188内のスタンドSはロボット8のハンド9を
介して取り出され、次工程、即ち、前述した分注ステー
ジ6に向けて移送される。
【0108】ステージ統合管理制御 図38を参照すると、前述した分析前処理システムのロ
ボットや処理ステージの統合的な管理を行う制御系が示
されている。この制御系は、ロボット8、注入ステージ
4、振とうステージ5、分注ステージ6及び遠心分離ス
テージ7の作動をそれぞれ制御するためのロボットコン
トローラ300、注入ステージコントローラ301,振
とうステージコントローラ302、分注ステージコント
ローラ303及び遠心分離ステージコントローラ304
を備えている。
【0109】ロボットコントローラ300には、準備/
回収ステージ3内でのスタンドSの配列情報や、注入ス
テージ4、振とうステージ5、分注ステージ6及び遠心
分離ステージ7のレイアウト情報、即ち、各処理ステー
ジにおけるスタンド受取り位置のレイアウト情報等が記
憶されている。また、シーケンサ310には、ロボット
8のハンド9の開閉、つまり、スタンドSの把持の有無
を検出するハンドスイッチ305が電気的に接続されて
おり、シーケンサ310はハンドスイッチ305からの
検出信号を受けて、ロボットコントローラ300に対し
スタンドSの移送開始信号を出力する。また、ロボット
コントローラ300はシーケンサ310に対し移送完了
信号を出力する。
【0110】一方、注入ステージコントローラ301,
振とうステージコントローラ302、分注ステージコン
トローラ303及び遠心分離ステージコントローラ30
4には、 前述したセンサやスイッチに加え、その処理
ステージの自立的な作動を可能とするためのセンサ・ス
イッチ類306〜309がそれぞれ電気的に接続されて
おり、各ステージコントローラはそのセンサ・スイッチ
類からの信号を受け、対応する処理ステージの作動を制
御し、スタンドSに対する前述した一連の処理を実行さ
せる。また、各ステージコントローラはその処理ステー
ジにスタンドSが受け取られたときには、その受取り完
了信号を出力するとともに、その一連の処理が完了した
ときには処理完了信号を出力する。
【0111】上述の各コントローラ300〜304はシ
ーケンサ310に電気的に接続されている。シーケンサ
310は各コントローラ300〜304から出力信号を
受けて、各コントローラに指令信号を出力し、ロボット
8によるスタンドS及び各処理ステージの作動開始タイ
ミングや、その作動条件等を与える。分析前処理システ
ムが前述した注入ステージ4、振とうステージ5、分注
ステージ6及び遠心分離ステージ7以外の他の自立作動
型処理ステージを備えている場合、これら処理ステージ
のステージコントローラもまたシーケンサ310に電気
的に接続されることになる。図38中、他の処理ステー
ジは破線のブロックのみで示されている。なお、他の処
理ステージとしては、共栓付試験管T内の試液を結晶化
させるステージ、この後、その共栓付試験管T内に溶媒
の注入量を精密に制御して注入する精密注入ステージ、
この後、共栓付試験管T内の結晶と溶媒とを混合するミ
キシングステージ又は超音波攪拌ステージ等が考えられ
る。
【0112】上述したコントローラ300〜304及び
シーケンサ310は、その内部にCPU,ROM,RA
M及びI/Oインタフェース等の回路を含むコンピュー
タで実現することができる。また、シーケンサ310自
体に、コントローラ300〜304の機能を含ませるこ
とも可能である。シーケンサ310は、例えばパーソナ
ルコンピュータやワークステーション等の入力端末を有
したコンソール311に電気的に接続されている。コン
ソール311はシーケンサ310の制御プログラムを記
憶する一方、処理すべきスタンド数、スタンドSの移送
順次及び各処理ステージでの処理条件等のデータを入力
し、その入力データを記憶する機能を有している。ま
た、コンソール311はシーケンサ310からの出力に
基づき、ロボット8や各処理ステージの作動状態を環視
且つ記録する機能をも併せて有している。
【0113】ここで、スタンドSの移送順序とは処理工
程の順序を示している。例えば、前述した一連の前処理
にあっては、スタンドS2の移送順序は準備/回収ステ
ージ3→注入ステージ4→振とうステージ5→遠心分離
ステージ7→分注ステージ6→準備/回収ステージ3と
なり、スタンドS1の移送順序は、準備/回収ステージ
3→分注ステージ5→準備/回収ステージ3となる。し
かながら、スタンドSの移送順序は、そのスタンドSに
要求される処理工程の数や順序に応じて任意に変更され
るものである。
【0114】各処理ステージの処理条件を示せば、例え
ば以下の通りである。 (a) 注入ステージ4の場合、溶媒の種類、注入量等。 (b) 振とうステージ5の場合、振とうの時間、振幅、速
度等。 (c) 分注ステージ6の場合、分注量、吸入位置等。 (d) 遠心分離ステージ7の場合、バケットの旋回速度、
時間、温度等。
【0115】スタンドの移送制御 図39を参照すれば、シーケンサ310によるスタンド
Sの移送制御手順が示されている。先ず、シーケンサ3
10は先ず、コンソール311から制御プログラム及び
データを読み込み(ステップS1)、データに基づきス
タンドSの移送順序及び各処理ステージでの処理条件を
解析する(ステップS2)。この後、シーケンサ310
は移送順序に従い、移送元のスタンドS及び移送先の処
理ステージを決定する(ステップS3)。ここでの決定
には、スタンドS1,S2の識別や、移送元のスタンドS
における現在の処理状況が考慮されることは言うまでも
ない。
【0116】次に、シーケンサ310は移送先ステージ
からの出力に基づき、その移送先ステージが処理中であ
るか否かを判別し(ステップS4)、この判定結果が真
(Yes)の場合、判別結果が偽(No)となるまで待機す
る。ステップS4の判別結果が偽になると、シーケンサ
310はロボットコントローラ300に指令信号を供給
し、ロボットコントローラ300及びロボット8を介し
て、ステップS3にて決定された対象スタンドSを移送
先ステージに移送し(ステップS5)、その移送が完了
すると、移送完了信号をコンソール311に出力する
(ステップS6)。
【0117】この後、シーケンサ310は、次に移送処
理すべきスタンドSの有無を判別し(ステップS7)、
ここでの判別結果が偽の場合、ステップS3以降のステ
ップを繰り返して実行し、これに対し、その判別結果が
真の場合、移送制御を終了する。 処理ステージの処理制御 図40を参照すれば、各処理ステージにおけるステージ
コントローラの制御手順が代表して示されている。
【0118】先ず、ステージコントローラは、シーケン
サ310から指令信号、即ち、対象スタンドSの処理条
件を読み込み(ステップS8)、対象スタンドSの処理
開始条件が満たされたか否かを判別する(ステップS
9)。ここでの処理開始条件とは、スタンドSの受取り
確認や処理ステージにおける可動部の原点復帰等を含
む。
【0119】ステップS9の判別結果が偽の場合、ステ
ージコントローラはその判別結果が真となるまで待機す
る。ステップS9の判別結果が真になると、ステージコ
ントローラはその処理ステージを作動制御して、対象ス
タンドSに対する処理を開始させ(ステップS10)、
その処理が完了した否かを判別する(ステップS1
1)。ここでの判別結果が偽の場合、ステップS10が
繰り返して実施される。
【0120】ステップS11の判別結果が真になると、
ステージコントローラはコンソール311にシーケンサ
310を介して処理完了信号を出力し(ステップS1
2)、次に処理すべき対象スタンドSの有無をシーケン
サ310からの指令信号に基づき判別する(ステップS
13)。ここでの判別結果が真の場合、ステージコント
ローラはステップS8以降のステップを繰り返して実施
し、その判別結果が偽の場合、処理ステージの作動を停
止させる。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように本発明の分析前処理
システムによれば(請求項1)、準備/回収ステージと
処理ステージとの間、また、処理ステージ間での
試験管スタンドの移送に直交3軸ロボットを使用し、そ
のハンドが水平面内にて回転可能であるので、注入ステ
ージ、振とうステージ、遠心分離ステージ及び分注ステ
ージのレイアウトを任意に設定できるとともに、これら
前処理ステージに対する試験管スタンドのローディング
やアンローディングを容易に自動化することができ、汎
用性及び省スペース化に優れたものとなる。また、各前
処理ステージは受け取った試験管スタンド又は共栓付試
験管に対する前処理を自立して処理できることから、
験管スタンド又は共栓付試験管に対する一連の前処理を
完全に自動化することができる。
【0122】各前処理ステージの受取り部にて、試験管
スタンドは一対ずつの位置決めピン及び位置決め孔から
なる同一の位置決め機構(請求項2)より位置決めされ
るので、各前処理ステージに対する試験管スタンドのロ
ーディング及びアンローディングがより容易となる
【図面の簡単な説明】
【図1】分析前処理システム全体の平面図である。
【図2】図1のシステムの側面図である。
【図3】試験管スタンド及び共栓付試験管を示した図で
ある。
【図4】共栓付試験管の分解図である。
【図5】注入ステージの平面図である。
【図6】注入ステージの正面図である。
【図7】クランプシリンダの側面図である。
【図8】一対ずつの楔ピン及び挟持片の配置を示した図
である。
【図9】パッド周辺の詳細図である。
【図10】溶媒注入ユニットの構成図である。
【図11】クランプ爪が閉じ、一対の楔ピンによりプラ
グが挟持された状態を示す図である。
【図12】プラグが抜き取られた状態を示す図である。
【図13】試験管の上端開口に注入管が移動した状態を
示す図である。
【図14】試験管内に注入管の下端が進入した状態を示
す図である。
【図15】試験管の口部にプラグが落とし込まれた状態
を示す図である。
【図16】パッドが試験管の口部にプラグを押し込んだ
状態を示す図である。
【図17】振とうステージの平面図である。
【図18】図1の振とうステージを一部切り欠いて示し
た正面図である。
【図19】振とう中にある振とうステージの正面図であ
る。
【図20】分注ステージの一部を示した平面図である。
【図21】図1の分注ステージの側面図である。
【図22】分注アームユニットの内部構成を示した図で
ある。
【図23】チップ装着ヘッドの側面図である。
【図24】チップフィーダの平面図である。
【図25】図24のチップフィーダの側面図である。
【図26】チップフィーダ側のチップ取出部の上方にチ
ップ装着ヘッドが移動した状態を示す図である。
【図27】図26の状態からチップ装着ヘッドが下降
し、吸注プラグがチップに差し込まれた状態を示す図で
ある。
【図28】廃棄位置にて、チップ装着ヘッドの吸注プラ
グからチップが解放された状態を示す図である。
【図29】遠心分離ステージの平面図である。
【図30】遠心分離ステージの内部構造を示した図であ
る。
【図31】ロータアームを示した平面図である。
【図32】バスケットの横断面図である。
【図33】雌クラッチディスクの平面図である。
【図34】雌雄のクラッチディスクが非係合の状態にあ
る拡大断面図である。
【図35】図34の状態からクラッチディスクが係合し
た状態を示す図である。
【図36】バケットが位置決めロッカーにより位置決め
される直前の状態を示した図である。
【図37】バケットが位置決めロッカーにより位置決め
された状態を示す図である。
【図38】処理ステージの統合制御を説明するためのブ
ロック図である。
【図39】スタンドの移送手順を示したフローチャート
である。
【図40】処理ステージの作動手順を示したフローチャ
ートである。
【符号の説明】
3 準備/回収ステージ 4 注入ステージ 5 振とうステージ 6 分注ステージ 7 遠心分離ステージ 8 ロボット 9 ハンド 300 ロボットコントローラ 301 注入ステージコントローラ 302 振とうステージコントローラ 303 分注ステージコントローラ 304 遠心分離ステージコントローラ 310 シーケンサ(指令コントローラ) 311 コンソール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市田 郁 愛知県豊橋市北島町字北島202 JTト ーシ株式会社内 (72)発明者 廣瀬 高夫 愛知県豊橋市北島町字北島202 JTト ーシ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−125972(JP,A) 特開 平6−201559(JP,A) 特開 平9−98797(JP,A) 特開 平3−154869(JP,A) 特開 平1−174969(JP,A) 特開 平10−332707(JP,A) 特開 平4−359153(JP,A) 特開 平8−29432(JP,A) 特開 昭64−51287(JP,A) 特開 平4−164257(JP,A) 特許2611609(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/00 - 35/10 G01N 1/00 - 1/44 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平面内にて回転可能なハンドを有する直
    交3軸ロボットと、 前記ロボットのアクセス領域内に配置され、少なくとも
    1列の共栓付試験管を保持し且つ前記ロボットの前記ハ
    ンドにより把持可能な試験管スタンドを複数準備した準
    備ステージであって、この準備ステージ上にその内部の
    共栓付試験管の全てに分析対象の試料が投入されている
    第1試験管スタンド及びその内部の共栓付試験管の全て
    が空である第2試験管スタンドを有する、準備ステージ
    と、 前記アクセス領域内にそれぞれ配置され、前記準備ステ
    ージ又は前段のステージから少なくとも1つの試験管ス
    タンドを受取り、この受取った試験管スタンドを対象と
    して前記試料の成分分析に要する所定の前処理をそれぞ
    れ実施する複数の前処理ステージ群と、 前記アクセス領域に配置され、前処理後の前記試験管ス
    タンドを回収して蓄える回収ステージと、 前記ロボットを制御し、 前記ロボットの前記ハンドによ
    試験管スタンドを把持し、前記ステージ間にて前記試
    験管スタンドを移送するロボットコントローラと、 前記各処理ステージ毎にそれぞれ設けられ、試験管ス
    タンドの受取り後、前記処理ステージに所定の処理
    工程を自立して実施させるステージコントローラと、試験管スタンド の移送順序及び前記各処理ステージの
    処理条件を含むデータを入力する入力手段と、 前記入力手段により入力されたデータに基づき、前記ロ
    ボットコントローラ及び前記各ステージコントローラに
    作動指令を出力する指令コントローラとを備え、 前記前処理ステージは、 前記第1試験管スタンドを受取り、受取った第1試験管
    スタンドの全ての共栓付き試験管に溶媒を注入して試液
    を作成する注入ステージと前記注入ステージから前記第1試験管スタンドを受取
    り、前記第1試験管スタ ンドとともにその内部の全ての
    共栓付試験管を振とうする振とうステージと前記振とうステージから前記第1試験管スタンドを受取
    り、前記第1試験管スタンド毎回転させ、その共栓付試
    験管内の前記試液を遠心分離する遠心分離ステージと、 前記振とうステージ及び前記遠心分離ステージの一方か
    ら前記第1試験管スタンドを受取るとともに、前記準備
    ステージから前記第2試験管スタンドを受取り、前記第
    1試験管スタンドの前記共栓付試験管から前記第2試験
    管スタンドの空の共栓付試験管に前記試液を注入する分
    注ステージとを含み、 前記各前処理ステージは、前記試験管スタンドの垂直軸
    線回りの回転姿勢でみて、前記試験管スタンドをそれぞ
    れ規定された回転姿勢で受取る受取り部をそれぞれ有す
    ことを特徴とする分析前処理システム。
  2. 【請求項2】前記試験管スタンドはその底壁に一対の位
    置決め孔を有し、 前記各前処理ステージの前記受取り部は前記試験管スタ
    ンドを受取ったとき、前記位置決め孔に差込まれる一対
    の位置決めピンをそれぞれ有する ことを特徴とする請求
    項1に記載の分析前処理システム。
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