JP7376905B2 - 希釈装置 - Google Patents

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Description

本発明は、微生物検査を行うための前処理の一工程である検体の希釈処理を自動で行う希釈装置に関する。
特許文献1(特開2012-135293号公報)には、生菌数検査装置の一部として、検体の希釈作業を自動化した装置が記載されている。特許文献2(特開2014-155456号公報)には、食品用部生物検査システムの一部として、空の試験管に検体原液を複数段階に希釈した複数の希釈検体を作成する希釈装置が記載されている。
特開2012-135293号公報 特開2014-155456号公報
微生物検査には、例えば大腸菌群など、特定の菌群の有無または数を検査する試験、あるいは、一般細菌数を計測する試験など、種々の試験がある。これらの検査を行うための前処理において、検査に供される検体の原液を複数段階で段階的に希釈する希釈処理を行う必要がある。希釈処理を自動で行う希釈装置には、例えば、希釈精度の向上、あるいは、処理効率の向上の観点で性能向上の余地がある。
本発明の目的は、希釈処理を自動で行う希釈装置の性能を向上させる技術を提供することにある。
一実施の形態である希釈装置は、行列状に配列された複数の試験管を保持することが可能な試験管ラックを搬送する機構を備えた試験管ラック搬送機構部と、試験管を保持可能な保持部、および前記保持部を搬送する搬送部を備え、複数の被処理試験管を処理部に搬送する試験管搬送機構部と、前記複数の被処理試験管のそれぞれの一部分を収容する複数の収容部を備える前記処理部と、前記処理部において、前記複数の被処理試験管のうち、希釈対象の検体液が入った前記複数の被処理試験管のそれぞれから前記検体液を吸引し、かつ、検体を含まない希釈液が入った前記複数の被処理試験管のそれぞれに前記検体液を分注する機構を備えた検体液分注機構部と、前記処理部において、前記検体液が入った前記複数の被処理試験管のそれぞれを振とうさせ、前記検体液を撹拌する機構を備えた撹拌機構部と、を有する。
本発明の代表的な実施の形態によれば、希釈装置の性能を向上させることができる。
一実施の形態である希釈装置を含む微生物検査システムで行う処理フローの概要を模式的に示すフロー図である。 図1に示す希釈工程をさらに細分化した詳細な工程を示すフロー図である。 図1に示す希釈工程を自動で実施する希釈装置の外観を示す斜視図である。 図3に示す希釈装置の架台上のレイアウトの一例を示す平面図である。 図2に示すラック供給工程で図4に示す試験管ラック搬送機構部に供給される試験管ラックを示す斜視図である。 図4に示す試験管搬送機構部を示す斜視図である。 図4に示す処理部を示す上面図である。 図7に示す処理部に、試験管を収容する動作を模式的に示す側面図である。 図8に示す処理部に保持された試験管に取り付けられたキャップを取り外す動作を模式的に示す側面図である。 図4に示す希釈液分注機構部の希釈液用ノズル部を示す斜視図である。 図10に示す希釈液吐出ノズルが図4に示す収容部の試験管の上方に配置された状態を示す側面図である。 図2に示す検体液撹拌工程において、検体液の入った試験管を振とう動作させる撹拌機構部の構造を示す側面図である。 図12に示す収容部および振とう駆動部を下方から視た平面図である。 図4に示す検体液分注機構部を示す斜視図である。 図14に示す複数のチップが検体液の入った収容部の試験管の上方に配置された状態を示す側面図である。 複数のチップのそれぞれが、希釈液が入った収容部の試験管の上方に配置された状態を示す側面図である。 図2に示すラック搬出工程で搬出する希釈処理室の外部に搬出されるラックの例を示す斜視図である。 吐出量計測機構部の構成例を模式的に示す説明図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、検体を含む液を検体液と呼ぶ。検体液を希釈するための液を希釈液と呼ぶ。なお、例えば、BGLB培地(ブリリアント・グリーン乳糖ブイヨン培地)を用いた大腸菌群の検査など、液体培地を使用する微生物検査では、液体培地を検体原液に分注する場合がある。「希釈液」には、例えば生理食塩水など、検体液を希釈することを主な目的とする液体の他、BGLB培地のような液体培地も含む。また、検体液のうち、希釈装置を用いた希釈処理を行う前の検体液を検体原液と呼ぶ場合がある。また、検体液のうち、希釈処理を行った後の検体液を希釈検体液、あるいは、希釈倍率を頭につけてn倍希釈検体液(例えば10倍希釈検体液や102倍希釈検体液等)と呼ぶ場合がある。
<微生物検査システムの概要>
図1は、本実施の形態の希釈装置を含む微生物検査システムで行う処理フローの概要を模式的に示すフロー図である。図1では、微生物検査の一例として、一般細菌数(一般性菌数と呼ぶ場合もある)を検査する際の処理フローを示している。微生物検査には、一般細菌数を検査する他、例えば、大腸菌群あるいは大腸菌、黄色ブドウ球菌、または乳酸菌など、特定の菌群または細菌の有無の検査、あるいはこれらの数を測定する検査が含まれる。本実施の形態では、図1に示す希釈工程について特に詳しく説明するが、希釈工程は、多くの微生物検査に含まれる工程である。したがって、以下で説明する希釈工程に係る技術は、一般細菌数の検査以外の種々の検査に適用可能である。
図1に例示する一般細菌数の検査では、まず、検体原液調製工程として、検査対象の試料(例えば食品、あるいは食品製造装置や食器などの食品に接触する器具)から検体を採取した後、秤量する。秤量された検体は、ストマッカと呼ばれる装置を用いて粉砕、均質化される。検体原液調製工程により、検体の種類によらず、液体である検体原液が取得される。なお、検体の種類によっては、検体のみでは液化することが難しい場合もある。この場合、必要に応じて希釈液が添加され、液体である検体原液が得られる。希釈液は、例えば滅菌生理食塩水を用いることができる。希釈液の量は、予め規定されている。
また、検体原液調製工程の際、検体を採取した時間、場所、試料の種類などの情報が、識別番号とともに記録される。識別番号を含むこれらの情報は、例えばコンピュータCOM1に入力され、登録される。また、コンピュータCOM1は、識別番号に紐付された識別記号を生成し、この識別記号も登録される。このコンピュータCOM1に、図1に示す細菌数計測工程の結果を上記識別番号とともに入力すれば、検体を採取した時間、場所、試料の種類などの情報と検査結果のデータとがリンクされる。また、図1では図示を省略したが、試料の種類毎の合否判定基準のデータベースが予め用意され、このコンピュータCOM1が検査結果と合否判定基準とを比較すれば、コンピュータCOM1により合否判定を行うことができる。
次に、図1に示す希釈工程を行う。詳細は後述するが、希釈工程では、検体原液を複数段階に希釈した複数の希釈検体を調製する。例えば、検体原液、検体原液を10倍に希釈した10倍希釈検体液、および10倍希釈検体液をさらに10倍に希釈した102倍希釈検体液、102倍希釈検体液をさらに10倍に希釈した103倍希釈検体液の4種類の検体液をそれぞれ調製する。なお、各希釈検体液の希釈倍率や、検体液の希釈倍率の種類の数は、上記の例には限定されず、種々の変形例が適用できる。
次に、図1に示す検体液分注工程を行う。検体液分注工程では、希釈工程で準備した複数の検体液のそれぞれを、例えば、図示しないシャーレに分注する。また、シャーレに分注された検体液に関する情報を把握するため、シャーレには、上記したコンピュータCOM1により生成された識別記号が付与される。シャーレに付与される識別記号は、上記した検体の識別番号の他、希釈倍率の種類毎に異なる識別記号が生成される。また、シャーレに識別記号を付与する方法は、例えば、シャーレに直接的に印刷する方法、あるいは識別記号が印刷されたシールをシャーレに貼り付ける方法などが例示できる。
次に、図1に示す培地分注工程を行う。培地分注工程では、検体液が分注されたシャーレに予め加熱または減菌処理などで溶解した培地を分注した後、検体液と培地とを混釈する。培地としては、例えば寒天培地を例示できる。検体液と培地とを混釈した後、シャーレを静かに放置すると、寒天が固化することにより、検体液と培地との混合液が固まる。
次に、図1に示す培養工程を行う。培養工程では、固まった混合液が入ったシャーレを恒温器に保存し、数十時間放置することで、混合液に含まれる菌を培養する。恒温器の設定温度、培養時間、および恒温器内での配置方法には、種々の方法があるが、例えば、シャーレの蓋と器とを反転させる倒置培養により、35±1℃に設定された恒温器内で、48±3時間程度、培養する。
次に、図1に示す細菌数計測工程を行う。細菌数計測工程では、培養工程後のシャーレのそれぞれにおいて、集落(コロニー)の数を計測する。検体液に含まれる菌数が多い場合、集落の数を計測できないシャーレが含まれる場合がある。この場合、同じ検体液を希釈した希釈検体液を分注したシャーレにおいて、集落の数を計測する。10n倍の希釈検体液を複数段階で用意する場合、指数nの数を大きくすることにより、いずれかの希釈倍率の検体液を分注したシャーレにおいて、集落の数を計測することができる。また、同じ条件で調製されたシャーレを複数個ずつ調製した場合、複数個のシャーレのそれぞれにおける集落の数の計測結果を平均し、この平均値を菌数と見做す。この見做しの菌数に当該シャーレに分注された希釈検出液の希釈倍率を乗じることで、検体原液の所定量(例えば1mL)に含まれる菌数を算出することができる。図1に示す例では、細菌数計測工程における計測結果がコンピュータCOM1に入力される。この時、各計測結果は、上記した検体液分注工程で説明した識別記号と共に入力される。このため、検体を採取した時間、場所、試料の種類などの情報と検査結果のデータとがリンクされる。なお、コンピュータCOM1とは異なる他のコンピュータに計測結果を入力してもよい。この場合、データ管理サーバー上で、コンピュータCOM1と他のコンピュータとの間でデータは照合される。
<希釈工程>
次に、図1に示す希釈工程の詳細、および希釈工程を行う希釈装置について説明する。図2は、図1に示す希釈工程をさらに細分化した詳細な工程を示すフロー図である。図3は、図1に示す希釈工程を自動で実施する希釈装置の外観を示す斜視図である。図4は、図3に示す希釈装置の架台上のレイアウトの一例を示す平面図である。以下で説明する各図には、X方向、Y方向、およびZ方向が必要に応じて記載されている。X方向、Y方向、およびZ方向のそれぞれは、互いに直交する。したがって、Z方向はX-Y平面に対する法線方向、X方向はY-Z平面に対する法線方向、Y方向はX-Z平面に対する法線方向になっている。
図2に示すように、本実施の形態の希釈方法は、ラック供給工程、処理前試験管搬送工程、希釈液分注工程、検体液撹拌工程、検体液分注工程、処理後試験管搬送工程、およびラック搬出工程を備える。希釈検体液の希釈倍率の段階数の必要性に応じて、処理前試験管搬送工程から処理後試験管搬送工程までの各工程を繰り返して行う。図2に示す各工程は、図3および図4に示す希釈装置DA1により自動的に実行される。
図3に示すように、本実施の形態の希釈装置DA1は、図4に示す複数種類の装置(機構部)が配置される希釈処理室2と、希釈処理室2の下方にある収容室3とを備える。希釈処理室2は、複数の上部扉4Aおよび側壁4Bにより周囲を囲まれている。また、希釈処理室2の天井には、ファンフィルタユニット5が取り付けられている。ファンフィルタユニット5は、希釈処理室2の空間内に浮遊する微粒子の数を低減するように清浄化する空間清浄装置である。ファンフィルタユニット5は、内部にて空気を上部から下部に流れる層流を作り、検体間のクロスコンタミネーションを低減する、また、外部空気の流入を阻止するなどの機能を有する。ファンフィルタユニット5のフィルタは、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)と呼ばれるフィルタである。なお、クリーンルームに希釈装置DA1を設置する場合は、ファンフィルタユニット5を取り付けない場合もある。
収容室3の周囲は、複数の下部扉6Aおよび側壁6Bにより周囲を囲まれている。収容室3には、希釈工程を行う際に使用する希釈液などの備品、あるいは、希釈工程に含まれる各処理を行う装置の一部分等が収容される。収容室3に収容される装置の一部分の例として、例えば、装置を駆動する駆動モータや、電力供給ユニット、あるいは圧縮空気の供給設備などを例示することができる。
図4に示すように、希釈処理室2と収容室3との境界には、架台7が設けられる。架台7上には、図2に示す各工程を自動的に行うための装置(機構部)が設けられている。図4に示す希釈装置DA1は、試験管ラック搬送機構部20と、試験管搬送機構部30と、処理部40と、希釈液分注機構部50と、検体液分注機構部60と、撹拌機構部70と、を有する。なお、本実施の形態の場合、希釈液の分注処理、検体液の分注処理、および攪拌処理のそれぞれは、撹拌機構部70で行われる。言い換えれば、本実施の形態の場合、撹拌機構部70は、処理部40としての機能を兼ねている。
図2に示す各工程の詳細は後述するが、本実施の形態の希釈方法によれば、図2に示す希釈液分注工程、検体液撹拌工程、および検体液分注工程のそれぞれを、同じ場所(図4に示す処理部40)で実施する。この場合、希釈液分注工程、検体液撹拌工程、および検体液分注工程の間に、試験管を移動させる必要がない。このため、各工程をそれぞれ別の場所で実施する場合と比較して、各工程間の時間を短縮させることができる。また、本実施の形態の希釈方法によれば、各工程(例えば、検体液撹拌工程や検体液分注工程など)を複数本の試験管単位で一括して行う。このため、各工程を1本の試験管毎に順次実施する場合と比較して処理効率を向上させることができる。以下、図2に示す各工程の詳細について、図4に示す各機構部の動作の詳細と共に説明する。
<ラック供給工程>
まず、図2に示すラック供給工程では、図5に示すラック21を図4に示す希釈装置の試験管ラック搬送機構部20に供給する。図5は、図2に示すラック供給工程で図4に示す試験管ラック搬送機構部に供給される試験管ラックを示す斜視図である。ラック(試験管ラック、パレットと呼ばれる場合がある)21は、行列状に配列された複数の開口部を備える。複数の試験管10は、ラック21に形成された複数の開口部のそれぞれに挿入され、ラック21に保持される。本実施の形態の例では、複数の試験管10は、8行×4列で整列する。各列の先頭行には、検体原液12が入った試験管10Aが配置される。各列の第2行目から第8行目に配置される試験管10B、10C、10D、10E、10F、10G、および10Hのそれぞれは、本工程の段階では、まだ空の試験管10である。
図5に示す試験管10の配列方法の場合、第1行目に4種類の検体原液12を配列し、第2行目から第8行目に7段階の希釈倍率で希釈された希釈検体液を配列することができる。例えば、図2に示すラック搬出工程により、図4に示す希釈装置DA1から搬出されたラック21に保持される、試験管10Bには10倍希釈検体液が、試験管10Cには102倍希釈検体液が、試験管10Dには103倍希釈検体液が、試験管10Eには104倍希釈検体液が、試験管10Fには105倍希釈検体液が、試験管10Gには106倍希釈検体液が、試験管10Hには107倍希釈検体液が、それぞれ入っている。
ただし、ラック21への試験管10の配列方法には種々の変形例がある。例えば、上記した行数と列数に限定されず、1台のラック21の試験管10の保持本数が32本以外であってもよい。
また、図5に示すように、複数の試験管10のそれぞれは、開口部がキャップ11で覆われた状態でラック21に保持される。図3を用いて説明したように、希釈装置DA1は、希釈処理室2の空間内に浮遊する微粒子の数を低減するファンフィルタユニット5を備えている。ただし、開口部が露出した状態の試験管10(図5参照)が希釈処理室2内で搬送される場合、このファンフィルタユニット5を備えていても、検体液が環境由来の物質に汚染される(コンタミネーション)場合がある。本実施の形態の場合、試験管10の開口部がキャップ11に覆われた状態でラック21に保持されるので、希釈処理室2内での汚染の発生を抑制することができる。ただし、図2に示す希釈液分注工程や検体液分注工程は、キャップ11が取り外された状態で実施される。詳細は後述する。
図5に示すラック21は、図4に示すパスボックス8Aから希釈処理室2内に供給される。パスボックス8Aは、外部との出入り口になる扉8d、および扉8dの反対側に配置される間仕切り8pを備えた部屋になっている。間仕切り8pは、上下方向(図3に示すZ方向)に可動式になっている。パスボックス8Aの扉8dを開放している時、パスボックス8Aの内部は、間仕切り8pにより希釈処理室2の他の空間と分離される。パスボックス8Aの扉8dを閉鎖した時、パスボックス8Aの内部と希釈処理室2の他の空間とは、連通する。このように、希釈処理室2と外部環境とのインタフェースとなる位置にパスボックス8Aを設けることにより、希釈処理室2内の空気の汚染を抑制することができる。言い換えれば、パスボックス8Aは、希釈処理室2内に、外部から機器を搬入する際に、希釈処理室2内の汚染を抑制するための前室として機能する。なお、図4に示すように、希釈装置DA1は、パスボックス8Aの他、パスボックス8Bを有している。パスボックス8Bは、検体液分注機構部60で使用する複数のチップを保持するチップラック81をチップラック搬送機構部80に供給するために利用されるパスボックスである。パスボックス80Bとパスボックス80Aの構成および機能は同様なので、重複する説明は省略する。
希釈処理室2内において、複数の試験管10(図5参照)のそれぞれは、ラック21に保持された状態で搬送される。試験管ラック搬送機構部20は、試験管10が保持された状態で、複数のラック21をガイドレールに沿って搬送する機構を備えている。ラック21は、試験管ラック搬送機構部20により、パスボックス8Aと重なる位置から試験管搬送機構部30と重なる位置まで搬送される。
<処理前試験管搬送工程>
図2に示す処理前試験管搬送工程では、図5に示すラック21から、複数の被処理試験管を図4に示す処理部40に搬送する。被処理試験管とは、図2に示す希釈分注工程、検体液撹拌工程、および検体液分注工程が実施される対象となる試験管のことをいう。例えば、希釈工程を開始して、最初のサイクルでは、図5に示す複数の試験管10のうち、検体原液12が入った複数の試験管10Aと、空の複数の試験管10Bとが処理部40に搬送される。また例えば、第2回目のサイクルでは、10倍希釈検体が入った試験管10Bは、処理部40にそのまま維持され、新たに空の複数の試験管10Cが被処理試験管として処理部40に搬送される。第2回目のサイクルに入る前に、図2に示す処理後試験管搬送工程で、検体原液12の一部を吸引された後の複数の試験管10Aがラック21に戻される。このように、図2に示す希釈分注工程、検体液撹拌工程、および検体液分注工程の各工程が完了し、ラック21に戻された処理後の複数の試験管10は、被処理試験管に含まれない。また、第2回目のサイクルの時、複数の試験管10D~10Hのそれぞれは、処理前の試験管10ではある。ただし、これらの試験管10D~10Hのそれぞれは、第2回目のサイクルにおいて処理対象の試験管10には含まれないので、第2回目のサイクルにおいては被処理試験管には含まれない。
図6は、図4に示す試験管搬送機構部を示す斜視図である。図6に示すように、試験管搬送機構部30は、試験管10(図5参照)を保持可能な保持部31、および保持部31を搬送する搬送部32を備える。搬送部32は、保持部31を上下方向(図6に示すZ方向)に搬送する搬送部32Aと、保持部31および搬送部32とを含むユニットを、図4に示すY方向に沿って搬送する搬送部32Bと、を含む。
保持部31は、Z方向に延びる複数のピン(棒部材)33を備える。本実施の形態の場合、4本のピン33により、1本の試験管10(図5参照)を挟むことにより、試験管10を保持する構造を有する。また、保持部31は、4本のピンから成るセットを4個有する。したがって、保持部31は4本の試験管10を同時に保持することができる。4本のピンから成る4個のセットは、X方向に沿って1行で配列されている。したがって、図5に示すラック21において、例えば、第1行目に配置される複数の試験管10Aは、保持部31により一括して保持される。第2行目以降も同様である。なお、図示は省略するが、本実施の形態に対する変形例として、1本の試験管10を保持するピン33の数が4本以外の場合がある。例えば、ピン33の数が2本、3本、あるいは5本以上でも試験管10を保持することはできる。
複数のピン33のそれぞれは、下端に把持部33tを備える。1本の試験管10を保持するピン33のそれぞれは、複数のピン33を下方から視た平面視において、ピン33のそれぞれを頂点とする四角形が形成されるように、配置される。把持部33tは、4本のピン33が形成する四角形の対角線方向に突出するように形成される。保持部31は、4本のピン33のそれぞれが備える把持部33tの一部分を試験管10(図5参照)に接触させることで、試験管10を把持する。
また、保持部31は、ピン33の開閉動作を駆動する開閉駆動部34を備える。複数のピン33は、例えばY方向に沿って互いに隣り合うピン33の離間距離が、離れる方向、および近づく方向に動作する。Y方向に沿って互いに隣り合うピン33の離間距離が離れた場合(開状態)には、4個の把持部33tのそれぞれは、試験管10(図5参照)から離れ、試験管10はピン33に把持されない状態となる。一方、Y方向に沿って互いに隣り合うピン33の離間距離が近づいた場合(閉状態)には、4個の把持部33tのそれぞれは、試験管10(図5参照)に接触し、試験管10はピン33に把持された状態となる。開閉駆動部34の動力源は、例えば圧縮空気である。開閉駆動部34は、複数の電磁弁を備え、電磁弁のオンオフ動作を制御することにより、複数のピン33の開閉状態を制御する。なお、複数のピン33の開閉動作をモータの駆動力により行ってもよい。モータにより駆動する場合、上記した複数の電磁弁を介さずにピン33を駆動できる。
図4に示す搬送部32Aおよび32Bのそれぞれは、直線的に延びる軸方向に沿って往復動作するロボットである。搬送部32Aは図6に示すZ方向に沿って動作し、搬送部32Bは、図4に示すY方向に沿って動作する。搬送部32は、搬送部32Aおよび32Bを組み合わせることにより、保持部31を2軸に沿って搬送することができる搬送ロボットとして機能する。なお、図6では、図示を省略したが、4本のピン33のセットが試験管10およびキャップ11(図5参照)を保持しているかどうかを検出する試験管脱落検出センサが設けられていることが好ましい。例えば、試験管脱落検出センサを設けることにより、試験管10の脱落に起因して、希釈処理室2(図4参照)内が汚染されることを抑制できる。また、仮に検体液の一部が、こぼれたとしても、試験管脱落検出センサが出力する信号に基づいて直ちに希釈工程の作業を停止させることができるので、汚染の拡大を抑制できる。また、試験管脱落検出センサにより、キャップ11を取り外す(詳細は後述する)際にキャップ11を保持しているかどうかも確認できる。
図7は、図4に示す処理部に示す上面図である。図8は、図7に示す処理部に、試験管を収容する動作を模式的に示す側面図である。上記したように、本実施の形態の場合、処理部40は撹拌機構部70と兼用される。したがって、以下では、撹拌機構部70が備える部分のうちの一部を処理部40の部品として説明する。図7に示すように、処理部40は、上記した複数の被処理試験管のそれぞれの一部分(底部)を収容する複数の収容部41を備える。本実施の形態の場合、処理部40は8個の収容部41を備える。詳しくは、複数の収容部41は、X方向に沿って配列される複数の収容部41Aと、X方向に沿って配列され、かつ、X方向と交差(図7では直交)するY方向において、複数の収容部41Aのそれぞれと隣り合う複数の収容部41Bと、を含む。
処理前試験管搬送工程では、図6に示す試験管搬送機構部30は、保持部31により4本の試験管10を保持した状態で、ラック21(図4参照)から図7および図8に示す処理部40の複数の収容部41まで、試験管10を搬送する。図8に示すように、収容部41には、試験管10の一部分(底部)が収容される。
ところで、処理部40と兼用される撹拌機構部70は、複数の収容部41の上方に位置し、後述する検体液撹拌工程において、収容部41を振とう動作させている時に複数の収容部41のそれぞれに収容された試験管10の一部分を支持する支持部71を有している。支持部71は、X方向に延びる基材71Bと、基材71Bに設けられ、試験管10を挿入可能な開口径を有する複数(図7では4個)の開口部71Hと、を有する。また、支持部71は、基材71Bの上面に取り付けられ、開口部71Hの縁に沿って配列される複数(図7では4個)のローラ72を有する。支持部71は、複数の収容部41A上、および複数の収容部41B上のそれぞれに設けられている。また、支持部71は、上下方向、図8に示すZ方向に昇降動作が可能な状態で複数の収容部41の上方に取り付けられている。
後述する検体液撹拌工程において、良好な撹拌状態を得るためには、試験管10の上方を支点として振とう動作をさせることが好ましい。一方、処理前試験管搬送工程では、支持部71が試験管10の上方にあると、図8に示す複数のピン33と支持部71とが干渉する懸念がある。特に、試験管10の上部にある開口部にキャップ11が取り付けられている場合、ピン33の把持部33tは、試験管10のキャップ11から露出している部分を把持する必要がある。このため、ピン33と支持部71とが干渉する可能性が増大する。
そこで、本実施の形態では、図8に矢印71dとして模式的に示すように、撹拌機構部70の支持部71は、昇降動作可能な状態で取り付けられる。また、試験管搬送工程では、図8に示すように、試験管搬送機構部30(図6参照)のピン33は、支持部71が相対的に下方に下がった状態である第1位置(図8に示す位置)に下降した状態で複数の収容部41のそれぞれに試験管10を配置する。これにより、図8に示すように、試験管10を保持するピン33が支持部71と干渉することを防止できる。
複数の試験管10Bの底部が収容部41内に収容された後、図8に矢印33dとして模式的に示すように、複数のピン33のそれぞれは、Y方向に沿って試験管10から離れるように動作し、開状態になる。この結果、図7に示す4本の試験管10のそれぞれは、試験管搬送機構部30(図6参照)から離脱し、収容部41に保持される。この時、支持部71の基材71Bに取り付けられた複数のローラ72のうちの周縁部分の一部が試験管10に接する。例えば、図5に示すラック21に配列される複数の試験管10のうち、第2行目に配列される複数の空の試験管10Bが試験管搬送機構部30によって処理部40の複数の収容部41Bのそれぞれに搬送され、離脱される。
4本の試験管10を離脱させた後、試験管搬送機構部30は、図4に示すラック21の位置に戻り、別の4本の試験管10を処理部40の残りの4個の収容部41に搬送し、これらを離脱させる。例えば、図5に示すラック21に配列される複数の試験管10のうち、第1行目に配列される複数の、検体原液12が入った試験管10Aが試験管搬送機構部30によって処理部40の複数の収容部41Aのそれぞれに搬送され、離脱される。以上の処理により、図7に示すように、処理部40の8個の収容部41のそれぞれには、試験管10が収容される。また、複数の収容部41Aのそれぞれ、および複数の収容部41BのそれぞれはX方向に沿って1行で配列される。したがって、被処理試験管のそれぞれは、図5に示すラック21における配列順序を維持した状態で、収容部41に収容される。
すなわち、複数の収容部41Aおよび複数の収容部41Bのいずれか一方に、複数の空の試験管10(図5参照)が搬送される時、複数の収容部(第1収容部)41Aおよび複数の収容部(第2収容部)41Bの他方には、検体液を含む液が入った複数の被処理試験管が配置される。例えば、希釈工程を開始して、最初のサイクルでは、上記したように収容部41Bに空の試験管10B(図5参照)が配置され、収容部41Aには、検体原液12(図5参照)の入った試験管10A(図5参照)が配置される。また、第2回目のサイクルでは、収容部41Bには、検体液が分注された希釈検体液が入った試験管10Bがそのまま残り、収容部41Aには、新たな空の試験管10C(図5参照)が配置される。以降、このサイクルを順次繰り返すことにより、複数段階の希釈倍率で希釈された希釈検体液が入った複数の試験管10が得られる。
本実施の形態のように、試験管ラック搬送機構部20(図4参照)上に配置されたラック21(図5参照)に収容される複数種類の検体原液12(図5参照)の入った試験管10A(図5参照)の配列方向と、複数の収容部41Aおよび複数の収容部41Bのそれぞれの配列方向とが一致する場合、複数種類(本実施の形態の場合、4種類)の検体液に対して、一括して処理を行うことができるので、処理効率を向上させることができる。撹拌機構部70の上記以外の部分の説明は、後述する。
<希釈液分注工程>
次に、図2に示す希釈液分注工程では、処理部40において、複数の被処理試験管のうち、複数の空の試験管10のそれぞれに希釈液を分注する。ただし、本実施の形態の場合、複数の試験管10のそれぞれは、開口部にキャップ11が取り付けられている。したがって、図9に示すように、希釈液を分注する前に、複数の試験管のうち、希釈液を分注する空の試験管10(図9の例では試験管10B)のキャップ11を試験管10から取り外す。キャップ11の脱着動作は、図6に示す試験管搬送機構部30により行われる。図9は、図8に示す処理部に保持された試験管に取り付けられたキャップを取り外す動作を模式的に示す側面図である。
まず、キャップの脱着動作は、図9に示すように、キャップ11と支持部71とが干渉しない位置で行うことが好ましい。したがって、キャップ11を複数の試験管10のそれぞれから脱着する動作は、支持部71が後述する検体液撹拌工程が実施される位置より下方に下降した状態(例えば、図9に示す位置)で行われる。図9に示す例では、支持部71の位置は、図8に示す処理前試験管搬送工程の時と同じ、第1位置である。ただし、本工程では、キャップ11と支持部71とが干渉しなければよいので、キャップ11と支持部71とが干渉しない位置であれば、図9に示す位置よりも高い位置であってもよい。
また、キャップ11の取り外し動作では、図6に示す保持部31の4本のピン33の先端にある4個の把持部33tのそれぞれが、図9に示すように、試験管10Bの周囲に位置するように、保持部31(図6参照)の位置および高さを制御する。図9に示すように複数の把持部33tの距離を近づけると、把持部33tのそれぞれがキャップ11に接触し、キャップ11が把持部33tにより把持される。これにより、図9に矢印11dとして模式的に示す方向にキャップ11を持ち上げることが可能となる。
この時、キャップ11を持ち上げると、試験管10がキャップ11と一緒に持ち上げられる場合がある。図9に示すように、試験管10にはローラ72が接触しているので、キャップ11の試験管10への取り付け強度が緩い場合には、キャップ11のみを選択的に持ち上げることができる。しかし、キャップ11と試験管10とが密着の程度によっては、ローラ72による抵抗力では、キャップ11と試験管10とを引き離すことができない場合がある。
そこで、本実施の形態の処理部40は、キャップ11と試験管10とを確実に引き離すため、以下の構造を備える。すなわち、処理部40は、キャップ11を試験管10から取り外す際に、試験管10の一部分を抑えることで、試験管10を収容部内に保持する押さえ部42を備える。図9に示す例では、押さえ部42は、支持部71の基材71Bの上面より下方の位置に取り付けられる。図9に矢印42dを付して模式的に示すように、押さえ部42は、Y方向に沿って試験管10に近づく方向、または試験管10から遠ざかる方向に動作することができる。押さえ部42の先端には、樹脂などの素材から成る部材が取り付けられ、押さえ部42の先端が試験管10に接触すると、押さえ部42は、試験管10を押さえ部42の反対方向に押し付ける。押さえ部42に押された42は、例えばローラ72、あるいは、収容部41により押し付けられ、固定される。この状態でキャップ11を矢印11dの方向に引き上げれば、キャップ11と試験管10とを分離させることができる。
図9では、1本の試験管10からキャップ11を取り外す例を示しているが、キャップ11を取り外す動作は、例えば、図7に示す4個の収容部41Bのそれぞれに収容される4本の試験管10Bのそれぞれに対して一括して行われる。このため、図7に示すように、処理部40には、合計8個の押さえ部42が取り付けられている。なお、希釈液分注工程では、検体液の入った試験管10A(図9参照)には、処理を行わない。したがって、試験管10Bのキャップ11を取り外す際は、試験管10Aにはキャップ11が取り付けられた状態になっている。なお、本実施の形態の場合、取り外されたキャップ11は、希釈液の分注処理が終わるまでの間、図6に示す試験管搬送機構部30の保持部31により保持される。ただし、変形例として後述するように、キャップ11が汚染のない状態で保管可能なキャップ保管部を有する場合には、キャップ保管部にキャップ11を保管してもよい。
空の試験管10Bのキャップ11を取り外した後、処理部40において、キャップ11が取り外された複数の試験管10のそれぞれに希釈液を分注する。図10は、図4に示す希釈液分注機構部の希釈液用ノズル部を示す斜視図である。図11は、図10に示す希釈液吐出ノズルが図4に示す収容部の試験管の上方に配置された状態を示す側面図である。図4に示すように希釈装置DA1は、複数の空の試験管のそれぞれに希釈液を分注する機構を備えた希釈液分注機構部50を備える。希釈液分注機構部50は、希釈液を吐出する希釈液吐出ノズル53(図10参照)を含む希釈液用ノズル部51と、希釈液をタンク54(図3参照)から吸い上げ、希釈液吐出ノズル53(図10参照)まで供給するポンプ部52と、を備える。
希釈液用ノズル部51は、希釈液吐出ノズル53をX方向に沿って搬送する搬送部55Aと、希釈液吐出ノズル53および搬送部55AのユニットをY方向に沿って搬送する搬送部55Bとを備える。搬送部55Aおよび55Bを組み合わせることにより、希釈液吐出ノズル53を2軸に沿って搬送することができる搬送ロボットとして機能する。図4に示す状態では、希釈液用ノズル部51は、処理部40から離れた位置に配置されている。希釈液用ノズル部51は、図10に示す搬送部55Aおよび55BをX方向およびY方向に沿って動作させることにより、希釈液吐出ノズル53を、図11に示すように、処理部40の複数の収容部41に保持された試験管10の上方の位置まで移動させることができる。このため、処理部40の位置を移動させることなく、処理部40に保持された試験管10に希釈液を分注することができる。この結果、処理部40に保持された試験管10を搬送する頻度を低減できるので、図1に示す希釈工程の全体の処理時間を短縮し、希釈処理を効率化することができる。1本の試験管10に分注される希釈液の量には種々の変形例が適用可能であるが、例えば9ml(ミリリットル)の希釈液が分注される。
ところで、本実施の形態の場合、希釈液分注機構部50は、2個の希釈液吐出ノズル53を備えている。希釈液分注工程では、図11に矢印55dとして模式的に示すように、X方向に沿って希釈液吐出ノズルを断続的に移動させて、4本の試験管10のそれぞれに希釈液を順次分注する。2個の希釈液吐出ノズル53からそれぞれ希釈液を吐出してもよいが、2個の希釈液吐出ノズル53のうちいずれか一方から希釈液吐出してもよい。本実施の形態の場合、希釈液は空の試験管10に分注される。このため、同じ希釈液吐出ノズル53から複数の試験管10に希釈液を分注したとしても、希釈液吐出ノズル53が汚染される可能性は極めて低い。また、4本の試験管10に同時に希釈液を注入しないので、希釈液吐出ノズル53の数を低減できる。この場合、タンク54(図3参照)からポンプ部52(図4参照)を経由して希釈液用ノズル部51に至る希釈液の供給経路を単純化できる。
図4に示すように、本実施の形態の場合、ポンプ部52と希釈液用ノズル部51との間には、試験管ラック搬送機構部20が配置されているため、ポンプ部52と希釈液用ノズル部51との離間距離が大きい。ポンプ部52と、タンク54(図3参照)との距離を短くするためには、上部扉4A(図3参照)の近くにポンプ部52を配置することが好ましい。また、希釈液用ノズル部51と処理部40との距離を近づけるためには、希釈液用ノズル部51は、上部扉4Aから離れた位置に配置される。この結果、ポンプ部52と希釈液用ノズル部51との離間距離は大きくなる。このため、タンク54からポンプ部52を経由して希釈液用ノズル部51に至る希釈液の供給経路を単純化することが特に好ましい。
また、図4に示すように、本実施の形態のポンプ部52は、希釈液吐出ノズル53の数と同様に、2個のポンプ56を備えている。このように、希釈液吐出ノズル53と同数のポンプ56を備えている場合、ポンプ56と希釈液吐出ノズル53とを1対1で接続できる。これにより、希釈液吐出ノズル53に供給される希釈液の供給量を安定化させることができる。また、複数のポンプ56および複数の希釈液吐出ノズル53を備えている場合、複数の希釈液吐出ノズル53のそれぞれから、互いに異なる液を吐出させることができる。例えば、2個の希釈液吐出ノズル53の一方からは滅菌生理食塩水が吐出され、他方からは、培地液が吐出されるように構成することができる。この場合、分析の目的に応じて、希釈液の種類をすぐに切り替えて利用することができる。
ポンプ56は例えば、シリンジポンプである。シリンジポンプを用いる場合、例えばペリスタポンプなどと比較して分注量の精度を向上させることができる。ポンプ56から希釈液吐出ノズル53に至る希釈液の流路は、例えば滅菌水、あるいはエタノール等の洗浄液を流して洗浄することで滅菌状態を維持することができる。このため、希釈液分注機構部50が汚染される可能性を低減できる。
複数の試験管10に希釈液が分注されたら、図4に示す希釈液分注機構部50の希釈液用ノズル部51は、図11に示す処理部40の上方の位置から例えば図4に示す位置に向かって、処理部40から離れるように移動する。図4に示す試験管搬送機構部30の保持部31は、キャップ11(図9参照)を保持した状態で、希釈液用ノズル部51と入れ替わりで、処理部40の上方の位置に向かって移動する。
図7に示す複数の試験管10Bのそれぞれに、希釈液が分注された後、複数の試験管10Bのそれぞれにキャップ11を取り付ける。本実施の形態の場合、図9を用いてキャップ11を取り外す工程から希釈液を分注する工程まで、試験管10Bは、図9に示す押さえ部42に接触した状態で実施される。キャップ11を取り付ける工程においても、図9に示す押さえ部42を試験管10に押し付けて、試験管10を固定した状態で行う。これにより、キャップ11と試験管10との位置合わせを容易に行うことができる。ただし、押さえ部42に接触していない状態であっても、処理部40において、試験管10は、支持部71に支持されている。このため、キャップ11の取り外しが完了した後、図9に示す押さえ部42は、Y方向に沿って試験管10から離れる方向に動作させてもよい。この変形例の場合、キャップ11を取り付ける際に、再び押さえ部42を動作させることが好ましい。上記のように、押さえ部42の動作が異なっている点を除き、試験管10にキャップを取り付ける作業は、図9を用いて説明したキャップ11を取り外す作業の逆の動作を行う。したがって、図9を用いて説明したキャップ11を取り外す動作を参照して実施できるので、重複する説明は省略する。
<検体液撹拌工程>
次に、図2に示す検体液撹拌工程では、図4に示す処理部40において、希釈対象の検体液を含む液が入った複数の被処理試験管のそれぞれを振とうさせ、希釈対象の検体液を含む液を撹拌する。ただし、検体液を撹拌する工程は、図2に示す検体液分注工程において、検体液を吸引する直前に行うことが好ましい。検体液を撹拌した後、検体液を分注するまでの時間が短ければ、良好な撹拌状態の検体液を吸引することができる。この場合、吸引された検体液中に存在する細菌の分散状態を均質化できるので、サンプル毎の誤差を低減することができる。したがって、撹拌処理を行う前に、以下で説明するいくつかの前処理を行う。また、本実施の形態の場合、図2に示す各工程のうち、希釈工程を開始して、最初のサイクルと第2回目以降のサイクルとでは、前処理の内容が異なる。以下、検体液撹拌工程の前処理の内容について順に説明した後、撹拌処理の方法について説明する。図12は、図2に示す検体液撹拌工程において、検体液の入った試験管を振とう動作させる撹拌機構部の構造を示す側面図である。図12では、複数の収容部41の下方に配置された振とう駆動部76を示している。
まず、検体液撹拌工程で検体液が撹拌された後、撹拌された検体液を吸引するまでの時間を短縮するため、検体液が入った試験管10(例えば、図9に示す試験管10A)のキャップ11を、検体液を撹拌する前に取り外す。検体液が入った試験管10からキャップ11を取り外す方法は、図9を用いて説明した方法において、空の試験管10Bとして記載した部分を検体液が入った試験管10Aと読み替えることで適用できるので、重複する説明は省略する。
また、希釈工程を開始して、最初のサイクルの場合、検体液が入った試験管10は、図5に示す検体原液12が入った試験管10Aである。この場合、キャップ11を取り外した後、さらに別の処理を行う。すなわち、試験管10Aに入った検体原液12の高さを計測する、液面検知処理を行う。試験管10に液を分注する方法として、図4に示す希釈液分注機構部50や検体液分注機構部60のように、分注装置を用いて分注する場合、分注量をある程度の精度で揃えることができる。試験管10Aに検体原液12を分注する場合でも、同様に装置を用いて分注すれば、分注量のばらつきを抑制できる。しかし、本実施の形態の場合には、試験管10Aに検体原液12を分注する場合に用いる手段は特に限定されず、例えば、人手を介して分注される場合も含まれる。
人手により分注する場合、分注作業者の熟練度や技術によっては、分注量のばらつきが大きい場合がある。後述する図15に示すように、試験管10Aに入っている検体原液12の分注量のばらつきが大きい状態で検体原液12を吸引すると、分注量の程度によって、吸引される検体原液12の吸引量にばらつきが生じる場合がある。図1に示す希釈工程では、検査の種類によっては、10の指数倍にまで希釈して細菌数を評価するので、検体原液12の吸引量に誤差が生じれば、希釈検体液の誤差が大きく成り易い。そこで、本実施の形態の場合、検体原液12を吸引する前に、試験管10A内に分注された検体原液12の液面を計測する。また、詳細は後述するが、液面の計測結果に基づいて、検体液分注機構部60により検体原液12を吸引する際に、チップ82(後述する図15参照)の先端の高さを制御して、予め設定された吸引量との誤差を低減するように制御する。この場合、仮に、複数の試験管10Aに分注された検体原液12の量のばらつきが大きい場合でも、希釈検体液における細菌数の誤差を低減することができる。
上記した液面検出処理は、試験管10に入っている液体の量のばらつきが大きい場合に有効である。したがって、図4に示す希釈液分注機構部50および検体液分注機構部60を用いて分注された希釈検体液を吸引する、第2回目以降のサイクルでは、液面検出処理を省略することができる。第1回目のサイクルと比較すると、液面検出処理を行うことにより、誤差を低減する効果は小さくなるが、変形例として第2回目以降のサイクルでも液面検出処理を行う場合もある。希釈工程の全体の作業効率を向上させる観点からは、第2回目以降の液面検出処理を行わないことが好ましい。
液面検出処理は、例えば、センサ(後述する図14に示すセンサ61)により、試験管10Aに入った液体の液面高さを検出することで行う。上記したように、検体液を撹拌した後、検体液を吸引するまでの時間を短くする方が好ましいので、検体液を撹拌する際には、検体液分注機構部60が処理部40の上方に配置された状態であることが好ましい。したがって、検体液分注機構部60にセンサ61が取り付けられていれば、液面高さの計測と同時にチップの適切な高さを算出することができる。液面高さの計測結果に基づいてチップの適切な高さを算出する工程は、センサに接続される、図示しないコンピュータで行われる。また、希釈液分注機構部50にもセンサ57が取り付けられている。2つのセンサを用いることにより、液面高さの検出をより正確に行うことができる。
また、図12に示すように、処理部40の複数の収容部41のそれぞれは、支持部71が図8に示す位置(第1位置)より上方の位置(第2位置)まで上昇した状態で振とう動作を行う。このため、撹拌処理を行う前に、図12に矢印71dとして示すように、Z方向に沿って支持部71を上昇させる。支持部71にはZ方向に延びるシャフト73が固定され、シャフト73はエアシリンダ74に接続される。また、支持部71は、Z方向に延びるガイドレール75に係合される。エアシリンダ74の駆動力により、シャフト73を上方に押し上げると、支持部71は、ガイドレール75に沿って上昇する。詳細は後述するが、良好な撹拌状態を得るため、振とう動作を実施する時、支点となるローラ72の位置は、試験管10の底から2/3より上の位置が好ましく、底から3/4以上の位置が特に好ましい。
検体液撹拌工程では、振とう動作を開始する前の前処理として、以上の処理を行う。なお、上記した各処理の順序は、変更可能である。例えば、液面検知処理を試験管10の上方に配置したセンサにより行う場合には、キャップ11を取り外した後で行う必要があるが、試験管10の側面から液面高さを計測する方式の場合、キャップ11が取り付けられた状態でも液面高さを計測できる。また例えば、支持部71の位置を上昇させる処理は、液面検知処理の後で実施してもよい。ただし、支持部71を上昇させた状態で、図9に示すキャップ11を取り外そうとすると、図9に示すピン33と支持部71とが干渉する。したがって、支持部71を上昇させる前には、キャップ11を取り外す処理が完了している必要がある。
以上の処理が終わった後、検体液が入った試験管10を振り、内部の液体を撹拌する。図13は、図12に示す収容部および振とう駆動部を下方から視た平面図である。図13では、下方から視た試験管10の輪郭を点線で示し、偏心回転板77の回転方向を二点鎖線で示している。また、図13では、シャフト73の回転軸と、試験管10、収容部41、および偏心回転板77の中心を黒点で示している。図12に示すように、撹拌機構部70は、複数の収容部41のそれぞれが振とう動作を行うように駆動する振とう駆動部76を有する。振とう駆動部76は、図示は省略するが、例えば、駆動モータと、複数の収容部41のそれぞれに接続されるプーリと、複数のプーリのそれぞれを駆動モータと連結する駆動ベルトとを備える。複数のプーリのそれぞれは、シャフトを介して収容部41の直下に配置される偏心回転板77に接続されている。
プーリおよびシャフトには、駆動モータの駆動力が駆動ベルトを介して伝達される。プーリおよびシャフトは、図13に示す軸RA1を回転軸として円運動する。また、図13に示すように、平面視において、円形を成す試験管10の中心10c、収容部41の中心41c、および偏心回転板77の中心77cのそれぞれは互いに重なっている。一方、軸RA1は、中心10c、41c、お中心77cと重なっていない。このため、図13に二点鎖線で示すように、軸RA1を回転軸としてシャフト76Dが回転運動をすると、シャフト76Dに接続される偏心回転板77は偏心回転運動をする。また、収容部41は偏心回転板77に固定され、試験管10は収容部41内に収容されている。この結果、シャフト76Dの回転運動に伴って、試験管10の底部分は、偏心回転運動をする。この偏心回転運動により、試験管10が振とうされ、内部の液体が撹拌されるので、この偏心回転運動を振とう動作と呼ぶ。
試験管10の底部分が偏心回転運動をする時、図12に示すように、試験管10の上方の部分は、複数のローラ72により支持される。言い換えれば、試験管10のうち、複数のローラ72により支持されている部分が振とう動作の支点になっている。図12に示す撹拌機構部70において、隣り合う試験管10の中心間距離P1は、図4に示すチップラック81に収容される複数のチップの中心間距離と同じであり、また、図5に示すラック21に収容される複数の試験管10の中心間距離P2と同じである。
そこで、本実施の形態の場合、振とう動作の際の支点の位置を試験管10の上方に設けられるように、図12に示す支持部71は昇降動作可能になっている。振とう動作の際の支点の位置を試験管10の上方に設けることで、底部の動作範囲が小さい場合でも、内部の液体が試験管10の内壁に沿って渦巻状に這い上がり易くなる。この結果、内部の液体全体が撹拌され、良好な撹拌状態が得られる。上記したように、振とう動作を実施する時、支点となるローラ72の位置は、試験管10の底から2/3より上の位置が好ましく、底から3/4以上の位置が特に好ましい。このように、本実施の形態によれば、支持部71が昇降可能に構成されているので、図2に示す検体液撹拌工程以外の各工程を、支持部71が下がった状態で行うことができる。また、振とう動作を行う際には、支持部71と他の機構部との干渉を考慮する必要がないので、支持部71の位置を好ましい位置まで上昇させることができる。この結果、処理部40において、隣り合う試験管10の中心間距離を広げることなく、撹拌処理を行うことができる。なお、振とう動作の際の支点の位置を試験管10の下方に設けても、時間をかけてゆっくり振とう動作を行えば、試験管10の内部の液体が試験管10の内壁に這い上がることを抑制することはできる。しかし、この場合、撹拌時間が長くなり、全体の処理時間が長くなるため、振とう動作の際の支点の位置は試験管10の上方に設けることが好ましい。
処理部40において、隣り合う試験管10の中心間距離と、図5に示すラック21に収容される複数の試験管10の中心間距離とが同じである場合、複数の試験管10を一括して搬送する際に隣り合う試験管10の位置関係を調整する必要がない。これにより、試験管10の搬送作業に必要な時間を削減することができる。また、ラック21には汎用的なものを利用することができるので、特に、撹拌し易い間隔を確保するために中心間距離が広いラック21を特別に用意する必要はない。
図12に示すようにX方向に沿って1行で配列される複数の収容部41(複数の収容部41A)のそれぞれは、図示は省略するが、共通の駆動モータにより駆動される。同様に、X方向に沿って1行で配列される図7に示す他方の行の複数の収容部41(複数の収容部41B)のそれぞれも、共通の駆動モータにより駆動される。このため、複数の収容部41の動作のばらつきを低減することができる。
このため、図7に示す複数の収容部41Aから成る第1収容部群と、複数の収容部41Bから成る第2収容部群とは、それぞれ独立して振とう動作を行うことが可能である。また、図7に示す支持部71は、複数の収容部41Aから成る第1収容部群の上方と、複数の収容部41Bから成る第2収容部群の上方とにそれぞれ独立して取り付けられている。希釈工程が開始されて第1回目のサイクルでは、複数の収容部41Aから成る第1収容部群が振とう動作を行い、複数の収容部41Bから成る第2収容部群は、振とう動作を行わない。第2回目のサイクルでは、複数の収容部41Aに空の試験管10C(図5参照)が配置され、複数の収容部41Bには、希釈検体液が入った試験管10Bが配置される。このため、複数の収容部41Aから成る第1収容部群が振とう動作を行わず、複数の収容部41Bから成る第2収容部群は、振とう動作を行う。第3回目のサイクルでは、複数の収容部41Bに空の試験管10D(図5参照)が配置され、複数の収容部41Aには、希釈検体液が入った試験管10Cが配置される。このため、複数の収容部41Aから成る第1収容部群が振とう動作を行い、複数の収容部41Bから成る第2収容部群は、振とう動作を行わない。以下、サイクル毎に、第1収容部群と第2収容部群とが交互に振とう動作を繰り返す。
<検体液分注工程>
次に、図2に示す検体液撹拌工程では、図4に示す処理部40において、検体液が入った複数の被処理試験管のそれぞれから検体液を吸引し、かつ、希釈液が分注された後の複数の被処理試験管のそれぞれに検体液を分注する。図14は、図4に示す検体液分注機構部60の斜視図である。なお、図14では、装置の見易さのため、4個のチップ取付け部66のうち、1個だけにチップ82が取り付けられている。ただし、検体液分注工程は、4個のチップ取付け部66のそれぞれにチップ82が取り付けられた状態で実施する。なお、本実施の形態では、4個のチップ82が取り付けられた状態での実施態様を説明するが、1個、2個または3個のチップ82を取り付けた状態で実施する場合もある。
図14に示す検体液分注機構部60は、処理部40(図4参照)において、複数の被処理試験管のうち、希釈対象の検体液が入った複数の被処理試験管のそれぞれから検体液を吸引し、かつ、希釈液が分注された後の複数の被処理試験管のそれぞれに検体液を分注する機構を備える。検体液分注機構部60は、検体液の吸引および吐出を行うポンプ部62と、ポンプ部62をZ方向に沿って昇降動作させるポンプ搬送部63と、を有する。図4に示すように検体液分注機構部60は、Y方向に延び、かつ、複数のポンプ部62(図14参照)を挟むように配置された2本のガイドレール64に支持される。検体液分注機構部60は、モータ65(図14参照)の駆動力により、ガイドレール64の延在方向に沿って移動可能に構成される。
ポンプ部62は、検体液に接液し、吸引した検体液を保持するチップ82を取り付けるためのチップ取付け部66と、チップ82に検体液を吸引するための吸気動作、およびチップ82が保持する検体液を外部に吐出するための排気動作を行うポンプ67とを有する。チップ82は、チップ取付け部66の周囲を囲むように取り付けられ、チップ取付け部66に保持される。ポンプ部62およびチップ82は、少量の液体を吸引および分注するピペットとして機能する。
チップ82は、図4に示すチップラック81に収容されて、希釈処理室2内にパスボックス8Bから搬入される。チップラック81は、2本のガイドレール64の間の領域まで搬送される。2本のガイドレール64の間の領域において、図14に示す検体液分注機構部60は、複数のチップ取付け部66のそれぞれが、未使用のチップ82と対向する位置まで移動する。この状態で、ポンプ部62を下降させると、複数のチップ取付け部66のそれぞれは、チップ82に挿入され、チップ82が固定される。チップ82は、検体液に接液するので、汚染を回避するために、使い捨てで使用される。検体液を吐出したチップ82は、チップ取付け部66から取り外され、図示しない回収ボックスに投入される。チップ82をチップ取付け部66から取り外す方法は、例えば、チップ82の先端側の一部分を上記回収ボックスの内壁に押し付ける。これにより、チップ取付け部66とチップ82との接続部分に外力が付与され、チップ82を取り外すことができる。チップ82が取り外されたチップ取付け部66は、次のサイクルの検体液分注工程を行うために、チップラック81(図4参照)内のチップ82と重なる位置に移動する。
本工程では、まず、図15に示すように複数のチップ82のそれぞれが、検体液が入った試験管10と対向する位置に移動する。図15は、図14に示す複数のチップが検体液の入った収容部の試験管の上方に配置された状態を示す側面図である。図15では、検体液が入った試験管10の例として検体原液12が入った試験管10Aを例示している。ただし、チップ82により吸引する試験管10に入っている検体液の希釈倍率は、希釈工程を開始してからのサイクル数によって異なる。例えば第2回目のサイクルであれば、10倍希釈液が入った試験管10B(図5参照)から希釈検体液を吸引する。
図15において例示するように、複数の試験管10Aのそれぞれに入っている検体原液(検体液)12は、その液面高さがばらついている場合がある。検体原液12を吸引する場合、チップ82が検体原液12に接液するようにポンプ部62を下降させて、チップ82が検体原液12と接液した状態で、チップ82内を吸気して検体原液12を吸い上げる。この時、検体原液12の液面高さがばらついている場合、吸引される検体原液12の量がばらつく場合がある。
そこで、本実施の形態の場合、既に説明したように、検体原液12を撹拌する前に検体原液の液面高さを計測する。また、図14に示すように、ポンプ部62のそれぞれにポンプ搬送部63が接続されている。複数のポンプ搬送部63のそれぞれは、例えば互いに独立して動作させることが可能な電動アクチュエータである。したがって、本実施の形態の場合、4個のチップ82のZ方向における位置を、それぞれ独立して制御することができる。言い換えれば、ポンプ搬送部63は、複数のポンプ部62のそれぞれに、互いに独立して昇降動作可能な状態で接続される。例えば、図15に示す例において、検体原液12の液面高さが低い試験管10Aには、チップ82が低い位置まで下降するので、チップ82と検体原液12とを確実に接液させることができる。一方、検体原液12の液面高さが高い試験管10Aの場合、チップ82が他のチップ82と比較して相対的に高い位置で停止する。この場合、チップ82を検体原液ないに深く浸漬することで、検体原液12があふれる、あるいは、吸引する際に過剰に検体原液12が吸引されることを防止できる。
なお、上記したように、第2回目のサイクル以降は、検体液の液面高さは、同程度に揃えることができる。したがって、複数のチップ82のそれぞれが検体液に接液する高さも、ほぼ一定になる。検体原液12は、希釈検体液と比較して、液内に含まれる細菌の濃度が高い。したがって、検体原液12を分注する工程において、分注量のばらつきを抑制することにより、最終的な希釈検体液に含まれる細菌の数の正確性、言い換えれば、希釈工程の正確性を向上させることができる。1本のチップ82に吸引される検体原液12の吸引量には種々の変形例が適用可能であるが、例えば1ml(ミリリットル)の検体原液が吸引される。
複数のチップ12に吸入された検体原液12は、図16に示す希釈液13が入った試験管10Bに分注されるが、その前に、試験管10Bのキャップ11(図9参照)を再び試験管10Bから取り外す必要がある。本工程の段階では、図6に示す試験管搬送機構部30の保持部31は、図15に示す試験管10Aに取り付けられていたキャップ11を保持した状態なので、まず、試験管10Aにキャップ11を取り付けた後、試験管10Bからキャップ11を取り外す。キャップ11の脱着動作は既に説明した通りなので、重複する説明は省略する。
次に、図16に示すように複数のチップ82のそれぞれが、希釈液13が入った試験管10と対向する位置に移動する。図16は、複数のチップのそれぞれが、希釈液が入った収容部の試験管の上方に配置された状態を示す側面図である。図15では、希釈液13が入った試験管10の例として希釈液13が入った試験管10Bを例示している。図16に示すように、検体原液12を保持した複数のチップ82のそれぞれは、希釈液13が入った複数の試験管10の上方に配置される。この状態、あるいはチップ82の先端が試験管10Bの開口部内に挿入された状態で、ポンプ部62は、チップ82の内部を加圧して、検体原液12を吐出する。これにより、チップ82内に保持された検体原液12は、複数の試験管10Bのそれぞれに分注される。
希釈液13と検体原液12とが入った試験管10Bは、第2回目のサイクルにおいて検体液が入った試験管10として扱われる。ただし、第2回目のサイクルにおいて、検体液を撹拌する前に、第2回目の希釈液分注工程を行う必要があるので、本工程の後、複数の試験管10Bのそれぞれには、キャップ11(図9参照)が取り付けられる。また、上記したように、複数のチップ82のそれぞれは、使い捨てで利用される。このため、検体原液12を分注した後の複数のチップ82のそれぞれは、チップ取付け部66から取り外され、図示しない回収ボックスに投入される。回収ボックスに溜まったチップ82は、例えば図4に示す複数の上部扉4Aのうち、検体液分注機構部60に近い位置の上部扉4Aを開放して取り出され、廃棄される。なお、上部扉4Aを開放する場合、例えば、一つのラック21に収容される試験管10(図5参照)の全てが処理済の試験管10になったタイミングなど、希釈工程を一旦停止させ易いタイミングで停止させることが好ましい。
<処理後試験管搬送工程>
キャップ11が取り付けられた複数の試験管10Aは、処理済の試験管10として、試験管搬送機構部30を介して図5に示すラック21の第1行目に搬送される。また、図2に示すように、第1回目のサイクルにおける処理後試験管搬送工程が終わった後、図5に示すラック21から、新たに複数の空の被処理試験管(例えば図5に示す試験管10C)を図4に示す処理部40に搬送する。以降、図2に示す処理前試験管搬送工程から処理後試験管搬送工程までの各工程を複数回繰り返す。図17に示すように、複数段階で希釈された希釈検体液14を含む複数種類の検体液15が収容されたラック21を得る。図17に示すラック21は、図2に示す処理前試験管搬送工程から処理後試験管搬送工程までの各工程を回繰り返した場合に得られる。図17は、図2に示すラック搬出工程で搬出する希釈処理室の外部に搬出されるラックの例を示す斜視図である。
<ラック搬出工程>
図2に示すラック搬出工程では、例えば図17に示す処理済の試験管10が保持されたラック21を図4に示す希釈処理室2から外部に搬出する。外部に搬出されたラック21は、例えば、図1に示す検体液分注工程に供される。図4に示す例では、パスボックス8Aの反対側には、ラック21(図17参照)の搬出用のパスボックスが設けられていない。このため、例えば、複数の上部扉4Aのうちの一部を開放して手動で取り出す。上部扉4Aを開放する際には、上記したように、希釈工程を一次停止することが好ましい。
図4に示す希釈装置DA1の場合、専有面積を低減する観点から、ラック21を手動で取り出す構造になっている。ただし、変形例として、図17に示すラック21がパスボックス8Aを介して搬出される構造にすることもできる。例えば、図5に示す処理前の試験管10を保持するラック21を搬送するラック搬送機構部20と、図17に示す処理後の試験管10を保持するラック21を搬送するラック搬送機構部20とが、図4に示す希釈処理室2内に配置することができる。この場合、パスボックス8Aを介して図17に示すラック21を搬出することができる。また、別の変形例として、図4に示すX方向において、パスボックス8Aの反対側に別のパスボックス(図示は省略)を配置する場合がある。この場合、図示しないパスボックスを介して図17に示すラック21が搬出される。上記の変形例の場合、希釈装置DA1の専有面積は大きくなるが、ラック21の搬入および搬出を、パスボックスを介して行うことができる。また、別の変形例として、図3に示すファンフィルタユニット5により、希釈処理室2の気圧が外部の気圧よりも高い陽圧状態にする方法がある。この場合、上部扉4Aを一時的に開放した場合でも、外部からの気体の流入を抑制できる。
<変形例1>
上記した希釈装置および希釈方法に関し、種々の変形例を適用することができる。以下では、代表的な変形例について説明する。図6に示すように、本実施の形態の試験管搬送機構部30の保持部31は、4本の試験管10(図5参照)を同時に保持することが可能な構造になっている。一方、図7に示すように、処理部40に保持される被処理試験管の本数は8本である。このため、図9を用いて説明したように、試験管10からキャップ11を取り外す作業を、試験管搬送機構部30を用いて行う場合、取り外されたキャップ11を把持部33tで保持した状態では、試験管搬送機構部30を他の用途(例えば、他の試験管10に取り付けられたキャップ11の取り外し、あるいは、他の試験管10の搬送など)に利用することができない。そこで、図4に示す希釈処理室2内において、試験管搬送機構部30の搬送部32Bが移動可能な位置に、キャップ11を保持するキャップ保持部が設けられていることが好ましい。
キャップ保持部として、例えば、平坦な板材、あるいは器状の部材を用いることができる。あるいはキャップ11の下端を収容可能な4個の窪みが設けられた容器を用いることもできる。試験管10の開口部と直接接触するキャップ11の内部の清潔性を維持するために、キャップ保持部は、キャップ11内部への接触を極力避けた形状が望ましい。希釈装置DA1が上記のようなキャップ保持部を有する場合、試験管搬送機構部30は、試験管10のキャップを取り外した後、キャップ保持部に外したキャップを置くことで、他の作業を行うことができる。この方法によれば、キャップ11の取り外しおよび取り付けの作業回数を低減することができるので、希釈工程の作業効率を低減することができる。また、別の変形例として、試験管搬送機構部30の保持部31が8個の試験管10またはキャップ11を保持することができる構造になっている場合もある。この場合、キャップ保持部を設けることなく、キャップ11の取り外しおよび取り付けの作業回数を低減することができる。
<変形例2>
また、別の変形例として、上記した図2に示す検体液分注工程において、図14に示すポンプ部62による吸引および吐出の精度を計測し、計測結果に基づいて調整する始業前点検および校正処理を行ってもよい。この変形例の場合、例えば図4に示す処理部40と、チップラック搬送機構部80との間に、図18に示す計測機構部90が設けられる。図18は、吐出量計測機構部の構成例を模式的に示す説明図である。
図18に示す計測機構部90は、液体16を収容可能な容器91Aおよび91Bを有する。また、計測機構部90は、容器91Aの重量を測定する計量機(天秤)92A、および容器91Bの重量を計測する計量機(天秤)92Bを有する。計量機92Aおよび計量機92Bのそれぞれは、コンピュータCOM2に接続されている。また、コンピュータCOM2は、検体液分注機構部60(図14参照)のポンプ部62に接続され、ポンプ部62の吸引動作および吐出動作を制御可能である。なお、本実施例2では、計測機92Aおよび92BをコンピュータCOM2で管理したが、図2に示すコンピュータCOM1で管理することもできる。
例えば、校正処理を行う場合、校正対象のポンプ部62に接続されたチップ82を容器91A内の液体16に接液させて、予め設定された量の液体16を吸引する。計量機92Aは、この吸引動作の前後で容器91Aの重量を計測する。吸引動作の前後における重量の計測結果の変化により、吸引量を算出することができる。例えば、吸引動作の前後における重量の計測結果は、コンピュータCOM2に電気信号として伝送される。コンピュータCOM2は、予め設定された吸引量と、計測結果から算出された吸引量を比較することで、校正の要否を判定することができる。
また、図18に矢印82dとして模式的に示すように、チップ82の位置を空の容器91Bと対向する位置に移動させた後、容器91B内にチップ82に保持された液体16を吐出する。計量機92Bは、この吐出動作の前後で容器91Bの重量を計測する。吐出動作の前後における重量の計測結果の変化により、吐出量を算出することができる。例えば、吐出動作の前後における重量の計測結果は、コンピュータCOM2に電気信号として伝送される。コンピュータCOM2は、予め設定された吐出量と、計測結果から算出された吐出量を比較することで、校正の要否を判定することができる。
なお、ポンプ部62による吸気および廃棄により、液体16の吸引および吐出を行う機構の場合、吸引量の誤差と吐出量の誤差は、概ね一致する。したがって、図18に示す計量機92Aおよび92Bのうち、いずれか一方を準備すれば校正の要否を判定することができる。液体16としては、例えば生理食塩水、あるいは、滅菌水などを用いることができる。
本変形例2の場合、希釈装置DA1(図4参照)が計測機構部90を備えているので、ポンプ部62による吸引量および吐出量の校正を高い頻度で行うことができる。例えば、毎日の作業開始時に校正を行えば、検体液分注機構部60は高い精度での吸引および吐出を維持することができる。
本発明は前記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能である。例えば、図2に示す例では、希釈液分注工程、検体液撹拌工程、および検体液分注工程のそれぞれを、図4に示す希釈装置内で実施する実施例を取り上げて説明した。ただし、変形例として、既に希釈液が分注された状態の試験管(すなわち、検体を含まない希釈液が入った前記複数の試験管)を希釈装置に供給し、希釈装置内では検体液撹拌工程と検体液分注工程とを繰り返し行う場合がある。この場合、図4に示す各種の機構部のうち、希釈液分注機構部50は省略できる。また例えば、図5に示す例では、複数の試験管10のそれぞれは、キャップ11が取り付けられた状態で希釈装置に供給される。ただし、変形例として、キャップ11を取り付けない状態で図2に示す各工程を実施する場合がある。この場合、図9等を用いて説明したキャップ11の取り外しおよび取り付けなどの各工程を省略することができる。また、この場合、図4に示す希釈処理室2内には、高いレベルでのクリーンな環境が要求される。
また、上記実施の形態で説明した電子装置およびその製造方法について技術的思想を抽出すれば、下記のように表現することができる。
〔付記1〕
(a)複数の空の試験管および検体液が入った複数の試験管を含む、複数の試験管が行列状に配置された試験管ラックを試験管ラック搬送機構部に供給する工程と、
(b)前記試験管ラックから、希釈対象の検体液が入った第1の複数の被処理試験管および空の第2の複数の被処理試験管を処理部に搬送する工程と、
(c)前記処理部において、前記第2の複数の被処理試験管のそれぞれに希釈液を分注する工程と、
(d)前記(c)工程の後、前記処理部において、前記第1の複数の被処理試験管のそれぞれを振とうさせ、前記検体液を撹拌する工程と、
(e)前記(d)工程の後、前記処理部において、前記第1の複数の被処理試験管のそれぞれから前記検体液を吸引し、かつ、前記第2の複数の被処理試験管のそれぞれに前記検体液を分注する工程と、
(f)前記(e)工程の後、前記検体液が吸引された後の前記第1の複数の被処理試験管を前記試験管ラックに搬送する工程と、
(g)前記(f)工程の後、前記試験管ラックから、新たに空の第3の複数の被処理試験管を前記処理部に搬送する工程と、
を含む、希釈方法。
〔付記2〕
(a)希釈液が入った複数の試験管および検体液が入った複数の試験管を含む、複数の試験管が行列状に配置された試験管ラックを試験管ラック搬送機構部に供給する工程と、
(b)前記試験管ラックから、希釈対象の検体液が入った第4の複数の被処理試験管および希釈液が入った第5の複数の被処理試験管を処理部に搬送する工程と、
(c)前記処理部において、前記第4の複数の被処理試験管のそれぞれを振とうさせ、前記検体液を撹拌する工程と、
(d)前記(c)工程の後、前記処理部において、前記第4の複数の被処理試験管のそれぞれから前記検体液を吸引し、かつ、前記前記第5の複数の被処理試験管のそれぞれに前記検体液を分注する工程と、
(e)前記(d)工程の後、前記検体液が吸引された後の前記第4の複数の被処理試験管を前記試験管ラックに搬送する工程と、
(f)前記(e)工程の後、前記試験管ラックから、新たに希釈液が入った第6の複数の被処理試験管を前記処理部に搬送する工程と、
を含む、希釈方法。
本発明は、微生物検査を行うシステムにおいて、検体液を希釈する希釈装置に利用可能である。
2 希釈処理室
3 収容室
4A 上部扉
4B 側壁
5 ファンフィルタユニット
6A 下部扉
6B 側壁
7 架台
8A,8B パスボックス
8B パスボックス
8d 扉
8p 間仕切り
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H 試験管
10c,41c,77c 中心
11 キャップ
11d,33d,42d,55d,71d,82d 矢印
12 検体原液(検体液)
13 希釈液
14 希釈検体液
15 検体液
16 液体
20 試験管ラック搬送機構部
21 ラック(試験管ラック)
30 試験管搬送機構部
31 保持部
32,32A,32B 搬送部
33 ピン
33t 把持部
34 開閉駆動部
40 処理部
41,41A,41B 収容部
42 押さえ部
50 希釈液分注機構部
51 希釈液用ノズル部
52 ポンプ部
53 希釈液吐出ノズル
54 タンク
55A,55B 搬送部
56 ポンプ
57 センサ
60 検体液分注機構部
61 センサ
62 ポンプ部
63 ポンプ搬送部
64 ガイドレール
65 モータ
66 チップ取付け部
67 排気動作を行うポンプ
70 撹拌機構部
71 支持部
71B 基材
71H 開口部
72 ローラ
73 シャフト
74 エアシリンダ
75 ガイドレール
76 振とう駆動部
76D シャフト
77 偏心回転板
80 チップラック搬送機構部
80A,80B パスボックス
81 チップラック
82 チップ
90 計測機構部
91A,91B 容器
92A,92B 計量機(天秤)
COM1,COM2 コンピュータ
DA1 希釈装置
P1,P2 中心間距離
RA1 軸

Claims (8)

  1. 行列状に配列された複数の試験管を保持することが可能な試験管ラックを搬送する機構を備えた試験管ラック搬送機構部と、
    数の被処理試験管のそれぞれの一部分を収容する複数の収容部を備える処理部と、
    試験管を保持可能な保持部、および前記保持部を搬送する搬送部を備え、前記複数の被処理試験管を前記試験管ラックから前記処理部の複数の収納部に搬送する試験管搬送機構部と
    前記処理部において、前記複数の収納部に収容された前記複数の被処理試験管のうち、希釈対象の検体液が入った前記複数の被処理試験管のそれぞれから前記検体液を吸引し、かつ、前記複数の収容部に収容された前記複数の被処理試験管のうち、検体を含まない希釈液が入った前記複数の被処理試験管のそれぞれに前記検体液を分注する機構を備えた検体液分注機構部と、
    前記処理部において、前記検体液が入った前記複数の被処理試験管のそれぞれを前記複数の収容部に収容された状態で振とうさせ、前記検体液を撹拌する機構を備えた撹拌機構部と、
    を有し、
    前記撹拌機構部は、
    前記複数の収容部のそれぞれが振とう動作を行うように駆動する振とう駆動部と、
    前記複数の収容部の上方に位置し、前記振とう動作の実施中に前記複数の収容部のそれぞれに収容された試験管の一部分を支持する支持部と、
    を備え、
    前記支持部は、昇降動作が可能な状態で、前記複数の収容部の上方に取り付けられ、
    前記試験管搬送機構部は、前記支持部が第1位置に下降した状態で前記複数の収容部に前記被処理試験管をそれぞれ配置し、
    前記複数の収容部のそれぞれは、前記支持部が前記第1位置より上方の第2位置まで上昇した状態で前記振とう動作を行う、希釈装置。
  2. 請求項1に記載の希釈装置において、
    前記処理部において、前記複数の収納部に収容された前記複数の被処理試験管のうち、複数の空の試験管のそれぞれに希釈液を分注する機構を備えた希釈液分注機構部、
    をさらに有する、希釈装置。
  3. 請求項に記載の希釈装置において、
    前記複数の試験管のそれぞれは、開口部がキャップで覆われた状態で前記試験管ラックに保持され、
    前記キャップは、前記複数の試験管のそれぞれが、前記処理部の前記複数の収容部に配置されている時、前記試験管搬送機構部により脱着され、
    前記キャップを前記複数の試験管のそれぞれから脱着する動作は、前記支持部が前記第2位置より下方に下降した状態で実施される、希釈装置。
  4. 請求項に記載の希釈装置において、
    前記処理部は、
    前記キャップを前記複数の試験管のそれぞれから脱着する際に、前記複数の試験管のそれぞれの一部分を抑えることで、前記複数の試験管のそれぞれを前記収容部内に保持する押さえ部を備える、希釈装置。
  5. 請求項において、
    前記複数の収容部のそれぞれに収容された複数の被処理試験管のうち、互いに隣り合う被処理試験管の中心間距離は、前記試験管ラックに収容される前記複数の試験管の中心間距離と同じである、希釈装置。
  6. 請求項1に記載の希釈装置において、
    前記撹拌機構部の前記複数の収容部は、
    第1方向に沿って配列される複数の第1収容部と、
    前記第1方向に沿って配列され、かつ、前記第1方向と交差する第2方向において、前記複数の第1収容部のそれぞれと隣り合う複数の第2収容部と、
    を含み、
    前記複数の第1収容部および前記複数の第2収容部のいずれか一方に、前記検体を含まない希釈液が入った被処理試験管が配置される場合、前記複数の第1収容部および前記複数の第2収容部の他方には、前記検体液を含む液が入った前記複数の被処理試験管が配置される、希釈装置。
  7. 請求項1に記載の希釈装置において、
    前記検体液分注機構部は、前記処理部に保持された前記複数の被処理試験管に入った前記検体液のそれぞれの液面を検知する複数の液面検知センサと、
    前記検体液の吸引、および前記検体液の分注を行う複数のポンプ部と、
    前記複数のポンプ部を昇降動作させるポンプ搬送部と、
    を有し、
    前記ポンプ搬送部は、前記複数のポンプ部のそれぞれに、互いに独立して昇降動作可能な状態で接続される、希釈装置。
  8. 請求項に記載の希釈装置において、
    前記検体液分注機構部の前記ポンプ部による液体の吸引量および前記液体の吐出量の少なくとも一方を計測する計測機構部、を更に有する、希釈装置。
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