JP3271541B2 - 圧電共振子およびそれを用いた電子部品 - Google Patents
圧電共振子およびそれを用いた電子部品Info
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Description
それを用いた電子部品に関し、特にたとえば、圧電体の
機械的共振を利用した圧電共振子、およびそれを用いた
ラダー型フィルタ、発振子,ディスクリミネータ,フィ
ルタなどの電子部品に関する。
開の圧電共振子の一例を示す斜視図であり、図16はそ
の図解図である。圧電共振子1は、たとえば直方体状の
基体2を含む。基体2は、複数の圧電体層が電極3を介
在させつつ一体に積層されて形成される。圧電体層は圧
電セラミックからなる。電極3は、その面が基体2の長
手方向に直交し、かつ互いに所定の間隔を置きながら配
置される。電極3は、基体2の長手方向の両端付近を除
く部分に形成される。また、基体2の対向する側面に
は、それぞれ複数の絶縁膜5,6が形成される。基体2
の一方の側面においては、電極3の露出部が、1つおき
に絶縁膜5で被覆される。また、基体2の他方の側面に
おいては、一方の側面で絶縁膜5に被覆されていない電
極3の露出部が、1つおきに絶縁膜6で被覆される。さ
らに、これらの接続部、すなわち基体2の絶縁膜5,6
が形成された側面には、外部電極7,8が形成される。
したがって、外部電極7には絶縁膜5で被覆されていな
い電極3が接続され、外部電極8には絶縁膜6で被覆さ
れていない電極3が接続される。つまり、電極3の隣合
うものが、それぞれ外部電極7および外部電極8に接続
される。そして、外部電極7,8が入出力電極として使
用される。この圧電共振子1では、圧電体層が、図16
に矢印で示すように、1つの電極3の両側において、互
いに逆向きとなるように基体2の長手方向に分極される
ことにより、図15に斜線で示すように振動部4が形成
される。図15および図16に示す圧電共振子1は、圧
電縦効果を利用しているので、従来の圧電横効果を利用
したものに比べて電気機械結合係数を大きくすることが
でき、共振周波数Frと反共振周波数Faとの差である
ΔFも比較的大きくできる。ΔFの大きな共振子は、た
とえば、広帯域のフィルタに用いるのに適している。
のフィルタや発振子などでは、小さなΔFが要求される
場合があり、図15および図16に示す圧電共振子1で
は、ΔFの小さなものを得るためには電極面積や圧電体
層の大きさや厚みを変更しなければならず、煩雑な手間
を要するものとなっていた。
Fが小さく、狭帯域のフィルタや発振子などに用いるの
に適した圧電共振子を簡単な構成で提供することであ
る。
有する略四角柱状の基体と、基体の長手方向と直交する
ように基体内に配置される複数の平面状の電極と、電極
を接続するために基体の長手方向の側面に形成され、基
体の長手方向に伸びる1対の外部電極を備え、基体は振
動部と不活性部とからなり、振動部は、複数の圧電体層
と複数の電極とが交互に積層された構造を有し、複数の
圧電体層は電極の両側で基体の長手方向に沿って互いに
逆向きに分極され、隣合う電極がそれぞれ別の外部電極
に接続され、電極によって、個々の圧電体層に、1対の
外部電極を介して基体の長手方向に交流電界を印加し
て、個々の圧電体層に圧電縦効果による伸縮の駆動力を
発生させ、不活性部は、圧電性を有しない誘電体層を挟
んで1対の外部電極が配置されることにより圧電効果に
よる駆動力を発生しないとともに、1対の外部電極間に
静電容量を形成して振動部と電気的に並列に接続される
容量部をなし、不活性部を含む基体の長手方向の全長に
対して基体の中心部をノードとする長さ振動モードの基
本振動を励振させることを特徴とする、圧電共振子であ
る。このような圧電共振子において、容量部は、不活性
部内にさらに1対の外部電極のいずれか一方に接続され
る電極を備え、不活性部を構成する誘電体層を介する電
極間で静電容量を形成するものとすることができる。ま
た、容量部は、基体の一部を構成する不活性部外周に配
置された1つの外部電極と電極との間で静電容量を形成
するものとすることができる。また、このような圧電共
振子において、さらに、基体外周に形成され、誘電体内
に形成された電極と接続される少なくとも1対の外部電
極を備えていてもよく、この場合、容量部は異なる外部
電極間に接続されて、振動部と電気的に並列に接続され
る。また、この発明は、上述の圧電共振子を用いた電子
部品であって、基体を支持するための支持部材を、表面
にパターン電極が形成された絶縁基板で構成し、絶縁基
板上に圧電共振子の基体の長手方向のほぼ中央部を保持
するための取付部材を介して基体を取り付けるととも
に、絶縁基板上に前記基体を覆うようにキャップを配置
したことを特徴とする、電子部品である。さらに、この
発明は、上述の圧電共振子を用いた電子部品であって、
基体を支持するための支持部材を、表面にパターン電極
が形成された絶縁基板で構成し、絶縁基板上に、ラダー
型フィルタを構成するように複数の圧電共振子をそれぞ
れの基体の長手方向のほぼ中央部を保持するための取付
部材を介して取り付けるとともに、絶縁基板上に基体を
覆うようにキャップを配置したことを特徴とする、電子
部品である。
体に長さ振動モードの基本振動が励振される。この励振
は、振動部の分極方向と電界方向と振動方向とが一致す
る圧電縦効果を利用して行われる。そのため、幅モード
や厚みモードなどのような基本振動と異なるモードの振
動が発生しにくく、スプリアスが小さくなる。また、容
量部が振動部に並列に接続されているので、容量部を調
整することにより、長さ基本振動のΔFの調整をするこ
とができる。たとえば、複数の誘電体と複数の電極とが
交互に積層されて容量部が形成され、誘電体層の厚みが
一定の場合には、誘電体層の積層数を増やすほどΔFが
小さくなる。容量部に形成される静電容量としては、誘
電体内に形成された電極間に形成される静電容量、誘電
体外周に配置された1対の外部電極間に形成される静電
容量、および誘電体外周に形成された少なくとも1つの
外部電極と誘電体内部に形成された電極との間に形成さ
れる静電容量などがある。これらの静電容量のうち、少
なくとも1つが振動部と電気的に並列に接続されていれ
ばよい。
型フィルタ,発振子,ディスクリミネータ,フィルタな
どの電子部品を作製する場合、パターン電極を形成した
絶縁体基板上に圧電共振子を取り付け、さらにキャップ
で覆うことによって、チップ型の電子部品とすることが
できる。
とにより、共振周波数と反共振周波数との差ΔFを幅広
い範囲で調整でき、ΔFの小さな圧電共振子を得ること
が可能である。そのため、この発明によれば、狭帯域の
フィルタや発振子などとして用いるのに適した圧電共振
子を得ることができる。
を作製する場合、チップ型の電子部品とすることができ
るので、回路基板などに実装することも簡単である。
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
例を示す斜視図であり、図2はその図解図である。圧電
共振子10は、たとえば直方体状の基体12を含む。基
体12内には、複数の電極14が、それぞれの面を基体
12の長手方向に直交させ、かつ互いに所定の間隔を置
きながら形成される。基体12の中央部には、複数の圧
電体層が電極14を介在させつつ一体に積層されて振動
部24が形成される。圧電体層は、それぞれ、たとえば
PZTなどの圧電セラミックにて形成される。振動部2
4を構成する複数の圧電体層は、それぞれ図2に矢印で
示すように、1つの電極14の両側において、互いに逆
向きとなるように基体12の長手方向に分極されてい
る。
と電極14とを積層して、圧電的に不活性な不活性部d
が形成される。この不活性部dでは、誘電体層が電極1
4で挟まれているが、誘電体層は分極されていないた
め、電界が印加されても圧電的に不活性となる。不活性
部dは、振動部24を基体12の長手方向両側から挟む
ようにして、振動部24と一体に積層されて形成され
る。この実施例の誘電体層は、分極されていないたとえ
ばPZTなどの圧電セラミックにて形成される。なお、
本発明における誘電体とは、誘電率を有する全ての材質
を対象とするものであり、上述のように分極されていな
い圧電体を用いることに限らず、たとえばBaTiO3
などの、より大きな誘電率を有する材料を用いてもよ
く、その他、具体的には様々なものが考えられる。
ぞれ複数の絶縁膜16,18が形成される。基体12の
一方の側面においては、電極14の露出部が、1つおき
に絶縁膜16で被覆される。また、基体12の他方の側
面においては、一方の側面で絶縁膜16に被覆されてい
ない電極14の露出部が、1つおきに絶縁膜18で被覆
される。これらの絶縁膜16,18が形成された基体1
2の2つの側面が、後述の外部電極との接続部となる。
2の絶縁膜16,18が形成された側面の全面には、外
部電極20,22が形成される。したがって、外部電極
20には絶縁膜16で被覆されていない電極14が接続
され、外部電極22には絶縁膜18で被覆されていない
電極14が接続される。つまり、電極14の隣合うもの
が、それぞれ外部電極20および外部電極22に接続さ
れる。そして、外部電極20,22が入出力電極として
使用される。
電体層と電極14とが積層された構造であるため、この
不活性部dに容量が発生する。つまり、対向する電極1
4間に容量が発生し、これらの対向する電極14がそれ
ぞれ異なる外部電極20,22に接続されているため、
外部電極20,22間に容量が発生する。また、2つの
外部電極20,22が誘電体層を挟んで対向しているた
め、外部電極20,22自体の間にも容量が発生する。
さらに、外部電極20とそれに接続されていない電極1
4との間、および外部電極22とそれに接続されていな
い電極14との間にも、容量が発生する。したがって、
外部電極20,22間には、これらの複数の容量の合成
容量が得られる。つまり、不活性部dには、容量部26
が形成される。この圧電共振子10の等価回路図を図3
に示す。図3に示すように、この圧電共振子10では、
振動部24に容量部26が並列に接続される。
22に信号を与えると、互いに逆向きに分極した圧電体
層に互いに逆向きの電圧が印加される。すると、振動部
24は、全体として同じ向きに伸縮しようとする。その
ため、交流電界を印加することにより、圧電共振子10
全体としては、基体12の中心部をノードとした長さ振
動の基本モードが励振される。つまり、この圧電共振子
10では、振動部24の分極方向,信号による電界方向
および振動部24の振動方向が一致する。したがって、
この圧電共振子10は、圧電縦効果を利用したものとな
る。圧電縦効果を利用した圧電共振子10は、分極方向
および電界方向と振動方向とが異なる圧電横効果を利用
した圧電共振子に比べて、電気機械結合係数が大きくな
る。また、幅モードや厚みモードなどのような基本振動
と異なるモードの振動が発生しにくく、スプリアスが小
さくなる。
すように、容量部26が振動部24に並列に接続されて
いるので、容量部26を調整することにより、長さ基本
振動のΔFの調整をすることができる。たとえば、誘電
体層の容量を増やすほど、制動容量が大きくなり、ΔF
は小さくなる。したがって、この実施例の圧電共振子1
0では、幅広い範囲でΔFを調整することができ、設計
の自由度が高い。そのため、この圧電共振子10は、Δ
Fを小さくすることができ、帯域幅の狭いフィルタや発
振子などに用いるのに適する。
振動部24と容量部26との比率を変えたり、振動部2
4に対する容量部26の配置の位置を変えたりすること
によっても、ΔFの値を幅広い範囲で調整することがで
きる。たとえば、図1および図2に示す実施例では、容
量部26が振動部24の両端部に形成されたが、これに
限らず、容量部26を基体12の中心部に寄せて配置す
るほどΔFが小さくなる。
6の容量を調整することによって、圧電共振子10全体
の容量を上げることができる。容量部26の容量は、電
極14の対向面積、誘電体層の厚み等を変えることによ
り調整できる。たとえば、上述の圧電共振子10では、
図2に示すように、誘電体層の厚みが圧電体層よりも厚
く形成される。しかし、これに限らず、誘電体層の厚み
を圧電体層と同一に形成してもよく、誘電体層の厚みを
圧電体層よりも薄く形成してもよい。さらに、この発明
において、容量部26は複数の誘電体層を電極14を間
に挟みながら積層することにより形成してもよい。この
場合も容量部26は振動部24と並列に接続される。そ
して、この場合には、積層数を上げるほどΔFは小さく
なる。なお、この場合には、積層数を上げるほど容量も
上がる。また、この圧電共振子10では、振動部24を
構成する圧電体の層数を調整することによっても、圧電
共振子10全体の容量を調整することができる。
を調べるための実施例を示す図解図である。一方、図5
は比較例を示す図解図である。図4に示す圧電共振子1
0は、長さl=3.78mm、高さt=1.0mm、幅
w=1.0mmである。この圧電共振子10の基体12
の中央部には、4枚の圧電体層を電極14を間に挟みつ
つ積層してなる振動部24が形成される。振動部24の
両外側には、それぞれ1枚の誘電体層が電極14で挟持
された容量部26が振動部24と一体に形成される。そ
のため、基体12の両端部には、それぞれ電極14が形
成されている。また、この基体12を構成する圧電体層
および誘電体層は、すべて同じ厚みである。一方、比較
例としての図5に示す圧電共振子1は、図4に示す圧電
共振子10と同じ外形寸法を有する。この圧電共振子1
の基体2の中央部には、4枚の圧電体層が電極3を間に
挟みつつ積層されてなる振動部4が形成される。この振
動部4の両外側には、それぞれ不活性部dが形成され
る。そのため、基体2の両端部には、それぞれ電極が形
成されず、内部の電極3が形成されていない基体2の両
端付近には外部電極が形成されない。この基体2を構成
する圧電体層は、すべて同じ厚みである。なお、図4お
よび図5において、白抜き矢印は、圧電体層の分極方向
を示す。両者の特性の相違を調べるため、図4に示す圧
電共振子10および図5に示す圧電共振子1の共振周波
数Fr、反共振周波数Fa、およびその差ΔFをそれぞ
れ有限要素法により計算して表1に示した。
10では、図5に示す比較例の圧電共振子1よりもΔF
が小さいことがわかる。
ある。基本的な構成は、先に示した図2の実施例と同様
であり、図6の圧電共振子10では、基体12の1つの
側面に、2つの外部電極20,22が形成される点で図
2の実施例と相違している。この場合、基体12の1つ
の側面において、2列に絶縁膜16,18が形成される
ことにより、2列の接続部が形成される。これらの2列
の絶縁膜16,18は、それぞれ1つおきの電極14上
に形成される。このとき、2列の絶縁膜16,18は、
互いに異なる電極14上に形成される。そして、これら
の絶縁膜16上に、2列の外部電極20,22が形成さ
れる。これらの圧電共振子10についても、上述の圧電
共振子と同様の効果を得ることができる。こうして、基
体12の一つの側面に2つの外部電極20,22を形成
することにより、回路基板上に圧電共振子10をフェイ
スボンディングして、発振子やディスクリミネータ等と
して用いることができる。
1および図2に示した圧電共振子を用いた発振子やディ
スクリミネータなどの電子部品について説明する。図7
は、電子部品60の一例を示す斜視図である。電子部品
60は、絶縁体基板62を含む。絶縁体基板62の対向
する端部には、それぞれ2つずつ凹部64が形成され
る。絶縁体基板62の一方面上には、図8に示すよう
に、2つのパターン電極66,68が形成される。一方
のパターン電極66は、対向する凹部64間に形成さ
れ、その一端側から絶縁体基板62の中央部に向かっ
て、L字状に延びるように形成される。また、他方のパ
ターン電極68は、別の対向する凹部64間に形成さ
れ、その他端側から絶縁体基板62の中央部に向かっ
て、直線状に延びるように形成される。これらのパター
ン電極66,68は、絶縁体基板62の端部から他方面
に向かって、回り込むように形成される。
電極66の端部には、導電接着剤などによって取付部材
70が形成される。そして、図9に示すように、取付部
材70上に、上述の圧電共振子10が取り付けられる。
このとき、基体12の長手方向の中央部が取付部材70
上に配置され、たとえば圧電共振子10の外部電極22
が取付部材70に接合され、パターン電極66に接続さ
れる。そして、他方の外部電極20が、導電ワイヤ72
などによって、パターン電極68に接続される。このと
き、導電ワイヤ72は、圧電共振子10の外部電極20
の長手方向の中央部に接続される。なお、取付部材70
は、まず圧電共振子10の外部電極20の中央部に取り
付けられてもよい。この場合、圧電共振子10に取り付
けられた取付部材70が、導電接着剤などによって、パ
ターン電極66に取り付けられる。
プ74がかぶせられる。このとき、金属キャップ74と
パターン電極66,68とが導通しないように、絶縁基
板62およびパターン電極66,68上に絶縁性樹脂が
塗布される。そして、金属キャップ74がかぶせられる
ことによって、電子部品60が作製される。この電子部
品60では、絶縁体基板62の端部から裏面に回り込む
ように形成されたパターン電極66,68が、外部回路
と接続するための入出力端子として用いられる。
成され、この取付部材70に圧電共振子10の長手方向
の中央部が固定されているため、圧電共振子10の端部
が絶縁体基板62から離れた状態で配置され振動が阻害
されない。また、同様に、圧電共振子10のノード点で
ある中央部が取付部材70に固定されるとともに、導電
ワイヤ72もノード点である中央部に接続されるため、
励振される長さ振動が弱められない。
もに回路基板などに取り付けて用いられ、発振子やディ
スクリミネータとして用いられる。このような構造の電
子部品60では、金属キャップ74で密封・保護されて
いるため、リフロー半田などによる取り付けが可能なチ
ップ部品として使用することができる。
場合、上述の圧電共振子10が用いられているので、ス
プリアスが小さく抑えられ、スプリアスによる異常発振
を防止することができる。また、圧電共振子10の容量
値を自由に設定できるため、外部回路とのインピーダン
ス整合をとることが容易である。
ータとして用いる場合、共振子のΔFが小さいという特
徴は、ピークセパレーションが狭いという特徴につなが
る。さらに、共振子の容量設計範囲が広いため、外部回
路とのインピーダンス整合をとることが容易である。
ルタとして用いられる電子部品の例を示す要部平面図で
あり、図12はその要部分解斜視図である。図11およ
び図12に示す電子部品60では、図10に示すような
形状の4つの圧電共振子10a,10b,10cおよび
10dが用いられる。これらの圧電共振子10a〜10
dの内部構造は、図6に示した圧電共振子と同様であ
り、フェイスボンディングできるように形成されてい
る。また、図11および図12に示す電子部品60で
は、支持部材としての絶縁体基板62上に、4つのパタ
ーン電極90,92,94,96が形成される。これら
のパターン電極90〜96には、間隔を隔てて一列に配
置される5つのランドが形成される。この場合、絶縁体
基板62の一端から1番目のランドR1はパターン電極
90に形成され、2番目のランドR2および5番目のラ
ンドR5はパターン電極92に形成され、3番目のラン
ドR3はパターン電極94に形成され、4番目のランド
R4はパターン電極96に形成される。そして、圧電共
振子10a〜10dと、1番目〜5番目のランドR1〜
R5とを接続するために、矩形ブロック状で少なくとも
表面が導電体からなる取付部材98,100,102,
104,106,108,110および112が準備さ
れる。これらの取付部材98〜112は、図10に示す
ように、あらかじめ圧電共振子10のノード部の電極2
0および22に導電性接着剤などでそれぞれ取り付けら
れる。それから、圧電共振子10をひっくり返して、図
11に示すように、1番目のランドR1には取付部材9
8が取り付けられ、2番目のランドR2には取付部材1
00および102が取り付けられ、3番目のランドR3
には取付部材104および106が取り付けられ、4番
目のランドR4には取付部材108および110が取り
付けられ、5番目のランドR5には取付部材112が、
それぞれ、導電性接着剤などで取り付けられる。この場
合、これらの取付部材98〜112は、図11に示すよ
うに、間隔を隔てて一列に配置されることになる。こう
して、取付部材98〜112によって4つの圧電共振子
10a〜10dが絶縁体基板62上に支持されるととも
に、それらの圧電共振子10の電極20および22がそ
れぞれ絶縁体基板62上のパタ−ン電極90〜96に接
続される。この場合、図13に示す梯子型の回路が得ら
れるようにパターン電極90〜96は形成されている。
そして、絶縁体基板62上に、金属キャップ(図示せ
ず)がかぶせられる。
な、梯子型の回路を有するラダーフィルタとして用いら
れる。このとき、2つの圧電共振子10a,10cは直
列共振子として用いられ、別の2つの圧電共振子10
b,10dは並列共振子として用いられる。このような
ラダーフィルタでは、並列の圧電共振子10b,10d
の容量が、直列の圧電共振子10a,10cの容量より
も格段に大きくなるように設計される。ラダーフィルタ
の減衰量は、直列共振子と並列共振子の容量比に左右さ
れる。この電子部品60では、圧電共振子10a〜10
dの容量を調整することにより、少ない共振子数でより
大きい減衰量をもったラダーフィルタを実現することが
できる。また、圧電共振子10a〜10dのΔFが小さ
いので、通過帯域幅の狭いラダーフィルタを実現するこ
とができる。
では、隣接する圧電共振子の各一方の電極を同一のラン
ド上に取付部材を介して取り付けるため、隣接する圧電
共振子の2つの電極間で絶縁する必要がなく、隣接する
圧電共振子を接近させることができ、小型化が可能であ
る。さらに、図10および図6に示す構造の圧電共振子
10は、フェイスボンディングにより絶縁体基板62上
に固着でき、ワイヤを使わなくてすむので、ラダーフィ
ルタの製造が一層容易化される。
示すように、誘電体層と電極14とが積層されることに
より、複数の電極14間に容量C1が形成されている。
しかしながら、容量部26に形成される容量はC1だけ
でなく、振動部24の端部にある電極14と外部電極2
0との間にも容量C2が形成され、また誘電体層に挟ま
れた電極14と外部電極22との間にも容量C2が形成
される。さらに、2つの外部電極20,22間にも、容
量C3が形成される。容量C1は、誘電体層と電極14
との積層数や誘電体層の厚みなどによって調整すること
ができる。また、容量C2は、不活性部d部分にある電
極14の数や、外部電極20,22の面積によって調整
することができる。さらに、容量C3は、外部電極2
0,22の面積によって調整することができる。もちろ
ん、誘電体層の材料を変えることにより、全ての容量C
1,C2,C3を調整することができる。このように、
振動部24に並列に接続される容量は、これらの容量C
1,C2,C3の合成容量である。したがって、容量部
26内に電極14が形成されていなくても、外部電極2
0,22間の容量C3は存在し、この容量C3が振動部
24に並列に接続される。つまり、容量部26に形成さ
れる容量としては、これらの容量C1,C2,C3のう
ちの少なくとも1つがあればよい。したがって、容量部
26の誘電体内には、必ずしも電極14が形成される必
要はなく、不活性部d部分に形成される外部電極20,
22の面積によって、容量部26の容量値を調整するこ
とができる。したがって、不活性部dにおいて、外部電
極20,22間に容量が得られるような構造であれば、
上述のような効果を得ることができる。
る。
る。
の実施例を示す図解図である。
ある。
子部品の一例を示す斜視図である。
例を示す斜視図である。
圧電共振子を示す斜視図である。
品の例を示す要部平面図である。
である。
路図である。
である。
図である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 長手方向を有する略四角柱状の基体、 前記基体の長手方向と直交するように前記基体内に配置
される複数の平面状の電極、および 前記電極を接続する
ために前記基体の長手方向の側面に形成され、前記基体
の長手方向に伸びる1対の外部電極を備え、 前記基体は振動部と不活性部とからなり、 前記振動部は、複数の圧電体層と複数の前記電極とが交
互に積層された構造を有し、 前記複数の圧電体層は前記電極の両側で前記基体の長手
方向に沿って互いに逆向きに分極され、隣合う前記電極
がそれぞれ別の前記外部電極に接続され、 前記電極によって、個々の前記圧電体層に、前記1対の
外部電極を介して前記基体の長手方向に交流電界を印加
して、個々の前記圧電体層に圧電縦効果による伸縮の駆
動力を発生させ、 前記不活性部は、圧電性を有しない誘電体層を挟んで前
記1対の外部電極が配置されることにより圧電効果によ
る駆動力を発生しないとともに、前記1対の外部電極間
に静電容量を形成して前記振動部と電気的に並列に接続
される容量部をなし、 前記不活性部を含む前記基体の長手方向の全長に対して
前記基体の中心部をノードとする 長さ振動モードの基本
振動を励振させることを特徴とする、圧電共振子。 - 【請求項2】 前記容量部は、前記不活性部内にさらに
前記1対の外部電極のいずれか一方に接続される電極を
備え、前記不活性部を構成する誘電体層を介する電極間
で静電容量を形成する、請求項1に記載の圧電共振子。 - 【請求項3】 前記容量部は、前記基体の一部を構成す
る不活性部外周に配置された1つの外部電極と前記電極
との間で静電容量を形成する、請求項1または請求項2
に記載の圧電共振子。 - 【請求項4】 さらに、前記基体外周に形成され、前記
誘電体内に形成された電極と接続される少なくとも1対
の外部電極を備え、前記容量部は前記異なる外部電極間
に接続されて、前記振動部と電気的に並列に接続され
る、請求項3に記載の圧電共振子。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
載の圧電共振子を用いた電子部品であって、 前記基体を支持するための支持部材を、表面にパターン
電極が形成された絶縁基板で構成し、 前記絶縁基板上に前記圧電共振子の基体の長手方向のほ
ぼ中央部を保持するための取付部材を介して前記基体を
取り付けるとともに、 前記絶縁基板上に前記基体を覆うようにキャップを配置
したことを特徴とする、電子部品。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
載の圧電共振子を用いた電子部品であって、 前記基体を支持するための支持部材を、表面にパターン
電極が形成された絶縁基板で構成し、 前記絶縁基板上に、ラダー型フィルタを構成するように
複数の前記圧電共振子をそれぞれの基体の長手方向のほ
ぼ中央部を保持するための取付部材を介して取り付ける
とともに、 前記絶縁基板上に前記基体を覆うようにキャップを配置
したことを特徴とする、電子部品。
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