JP3269620B2 - カルボアニリドから4−ニトロジフェニルアミン及び4−ニトロソジフェニルアミンを製造する方法 - Google Patents
カルボアニリドから4−ニトロジフェニルアミン及び4−ニトロソジフェニルアミンを製造する方法Info
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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Description
から4-ニトロジフェニルアミンと4-ニトロソジフェニル
アミンとを製造する方法に関する。より詳しくは、カル
ボアニリドとニトロベンゼンとを適切な塩基及び極性有
機溶媒の存在下で反応させ、同時にこれにアニリンを添
加し添加したアニリンの一部を出発物質であるカルボア
ニリドとして再生させる工程を適用することにより、高
い選択率と収率で4-ニトロジフェニルアミン(4-nitrod
iphenylamine、以下、4-NDPAと称する)と4-ニトロソジ
フェニルアミン(4-nitrosodiphenylamine、以下、4-NO
DPAと称する)とを製造する方法に関する。
素化反応を経て酸化防止剤の中間体である4-アミノジフ
ェニルアミン(4-aminodiphenylamine、以下4-ADPAと称
する)を製造する原料として用いられるものである。
ロセス(製造工程)は二つに大別することができ、その
うちの一つがモンサント(MONSANTO)工程であり、他の
一つはオウチ(OUCHI)工程である。
ン(chlorobenzene)をニトロ化(nitration)してp-ク
ロロニトロベンゼン(p-chloronitrobenzene)を製造し
た後、このp-クロロニトロベンゼンをホルムアニリド
(formanilide)と反応させて4-NDPAを製造し、この4-N
DPAに通常の水素化方法を適用して4-ADPAを製造するプ
ロセスである。しかしながら、この工程により4-ADPAを
製造する場合には、反応中に発生した塩素を含むような
腐食性廃水と多量の有機・無機廃液を処理しなければな
らないという問題点がある。
(diphenylamine)を硝酸ナトリウム(NaNO2)と反応さ
せてN-ニトロソジフェニルアミン(N-nitrosodiphenyla
mine)を製造した後、フィッシャー−ヘップ転移(Fisc
her-Hepp Rearrangement)反応をさせてから中和した
後、通常の水素化反応により4-ADPAを製造するプロセス
である。しかしながら、この工程ではニトロソ化反応を
させているため、多量の有害性廃液が発生してしまうと
いう問題点がある。
て直接的に4-ADPAを製造するプロセス(USP No.4,760,1
86)、p-ニトロソジフェニルヒドロキシルアミン(p-ni
trosodiphenylhydroxylamine)を水素化して4-ADPAを製
造するプロセス等が知られているが、これらは経済性及
び収率が低いために、商業化するにあたっては問題があ
る。
の発生を抑制する代替可能な工程として、芳香族水素求
核置換反応(Nucleophilic Aromatic Substitution for
Hydrogen、以下、NASHと称する)を用いたプロセスが
提案されている。
ンとをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(tetram
ethylammonium hydroxide、以下、TMA(OH)と称する)
のような塩基の存在下で直接反応させて4-NDPA及び4-NO
DPAを製造するような新しい工程がある(J.Am.Chem.So
c.,1992,114(23),9237-8; USP No.5,117,063, USPNo.
5,252,737, USP No.5,331,099, USP No.5,453,541, USP
No.5,552,531, USPNo.5,633,407)。このプロセスを採
用すれば廃棄物の量を著しく減少させ、環境に有害な物
質の発生を最小化することができる。
ロセスにおいては、使用するTMA(OH)が比較的高価な
ものであるためこれを再使用する必要があるという問題
と、アニリンがニトロベンゼンのオルト(ortho)位置
で反応し、副産物として2-ニトロジフェニルアミン(2-
nitrodiphenylamine、以下、2-NDPAと称する)及びフェ
ナジン(phenazine)が生成してしまい、製品の純度が
低下するという問題点がある。
ロセスとして、出発物質であるアニリンとアゾベンゼン
(azobenzene)とをTMA(OH)のような塩基の存在下で
反応させて4-ADPAを製造するもの(J.Org.Chem., 1994,
59(19), 5627-5632;USP No. 5,382,691, No. 5,618,9
79, EP No. 726,889, WO No. 95/12569, JP No. 950454
6)も知られているが、収率及び経済性の点でやはり問
題がある。
されたものであり、前記NASH反応を用いたプロセスが有
する問題点を解決するためのものであって、アニリンと
ニトロベンゼンとを反応させるものよりも著しく高い反
応性を維持しながら、副産物である2-NDPA及びフェナジ
ンの生成を著しく減少させることができる4-NDPA及び4-
NODPAの製造方法を提供することを目的とする。
NODPAを製造することができる方法を提供するととも
に、塩素のような腐食性廃水が発生しない安全な方法を
提供することを目的とする。
るために、本発明は、芳香族水素求核置換反応を用いて
4-NDPA及び4-NODPAを製造するにあたって、塩基及び溶
媒の存在下でカルボアニリド(carboanilide)とニトロ
ベンゼンとを反応させ、これにアニリンを添加して所定
量のカルボアニリドを再生させながら4-NDPA及び4-NODP
Aを製造することを特徴としている。
ンの代わりに反応性と選択性に優れたアニリド(anilid
e)化合物を出発物質として用い、このアニリド化合物
をニトロベンゼンと反応させながら同時にアニリンを添
加して反応性に優れたアニリド化合物を再生することに
より、高い収率で4-NDPAと4-NODPAを製造することを特
徴としている。
塩基及びアルカリ土類金属の塩基などを用いることによ
り、高い収率で、塩素を含むような腐食性廃水の発生を
防止して反応器の腐食要因を除去することができる4-ND
PAと4-NODPAの製造方法を提供することとしている。
のを提供する。
ニリドとニトロベンゼンとを反応させ、ここにアニリン
を添加して4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニトロソジ
フェニルアミンを製造する方法。
水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属及びアルカリ
金属アルコキシドからなる群から選択された無機塩基類
又は有機塩基類を使用することを特徴とする上記(1)
に記載の4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニトロソジフ
ェニルアミンの製造方法。
トリウム、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、t-ブト
キシカリウム、水酸化カルシウム及び水素化カルシウム
の中から選択された一種類の塩基又は二種類以上の混合
物からなる塩基を使用することを特徴とする上記(2)
に記載の4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニトロソジフ
ェニルアミンの製造方法。
としてのクラウンエーテルを使用することを特徴とする
上記(2)又は(3)に記載の4-ニトロジフェニルアミ
ン及び4-ニトロソジフェニルアミンの製造方法。
ルキルアンモニウムヒドロキシドを使用することを特徴
とする上記(2)に記載の4-ニトロジフェニルアミン及
び4-ニトロソジフェニルアミンの製造方法。
キシド、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリド
ン、ニトロベンゼン及びアニリンよりなる群から選択さ
れた一種類の溶媒又はこの群の中から選択された溶媒
(但し、ジメチルスルホキシドを除く)とジメチルスル
ホキシドとの混合物からなる溶媒を使用することを特徴
とする上記(1)に記載の4-ニトロジフェニルアミン及
び4-ニトロソジフェニルアミンの製造方法。
キシドを単独で使用するか、ジメチルスルホキシドと、
ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、t-ブ
チルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフランから
なる群から選択された極性有機溶媒と、を混合して使用
することを特徴とする上記(6)に記載の4-ニトロジフ
ェニルアミン及び4-ニトロソジフェニルアミンの製造方
法。
リウム、無水硫酸マグネシウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水素化ナトリウム及びモレキュラーシー
ブよりなる群から選択された一種類以上の乾燥剤を添加
することを特徴とする上記(1)に記載の4-ニトロジフ
ェニルアミン及び4-ニトロソジフェニルアミンの製造方
法。
モル数に対して1から20倍程度となるように使用するこ
とを特徴とする上記(1)に記載の4-ニトロジフェニル
アミ及び4-ニトロソジフェニルアミンの製造方法。
ことを特徴とする上記(1)に記載の4-ニトロジフェニ
ルアミン及び4-ニトロソジフェニルアミンの製造方法。
4-ニトロソジフェニルアミンを生成されると共にカルボ
アニリドが再生されることを特徴とする上記(1)に記
載の4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニトロソジフェニ
ルアミンの製造方法。
囲気下で行われることを特徴とする上記(1)に記載の
4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニトロソジフェニルア
ミンの製造方法。
NODPAを製造する方法の概略を表す反応式を図1に示
す。
物の直接製造に関連して発表された論文(J.Org.Chem.,
1993, 58(24), 6883-8;WO No. 93/24447)には、ベ
ンズアミド(benzamide)とニトロベンゼンとをTMA(O
H)存在下で反応させて、比較的安定な中間体であるN-
(4-ニトロフェニル)ベンズアミド(N-(4-nitropheny
l)benzamide)を分離した後、メタノール溶媒とアンモ
ニアとを添加して圧力反応器で反応させることにより、
生成物である4-ニトロアニリンと共に、出発物質である
ベンズアミドを再生する方法が示されている。
中に出てくる中間体と判断される化合物2(以下、中間
体2と称する)が不安定であり、分離することができな
いので、出発物質であるカルボアニリドを再生するため
に、反応初期にアニリンを所定量だけ添加する方法を適
用して生成物の収率を増加させるようにしている。
ように、アニリド化合物の中の1つであるカルボアニリ
ド1を出発物質として用い、アニリン及び塩基(例えば
水酸化ナトリウム等)の存在下でカルボアニリド1とニ
トロベンゼンとを反応させて、この反応中にアニリンが
カルボアニリド1に再生されるようにする方法を採用す
ることにより、容易に4-NDPA及び4-NODPAを製造できる
方法を提供するものである。
ド1が塩基の存在下でニトロベンゼンと反応して中間体2
の形態となり、添加したアニリンが中間体2と反応する
ことにより、生成物の4-NDPA及び4-NODPAが生成される
と共に、出発物質のカルボアニリド1が再生され、再び
これを反応に用いることによって収率を上げるというこ
とを基本原理とする。この方法を適用すると、アニリン
とニトロベンゼンだけを反応させた場合よりも反応性を
著しく高めることができ、副産物のフェナジン及び2-ND
PAの生成を著しく減少させることができる。
水素化反応を通じて酸化防止剤の中間体である4-ADPAを
製造するための原料として多用されるものであって、本
発明では、尿素(urea)とアニリンとから容易に製造で
きるカルボアニリドを出発物質として用い、水酸化ナト
リウムのような塩基を用いながら高い収率で4-NDPA及び
4-NODPAが選択的に得られるという長所が得られる。
ニリンの添加により反応中にアゾベンゼンが副産物とし
て生成されるが、このアゾベンゼンは4-ADPAの製造のた
めの水素化反応中に容易にアニリンに変換され、このア
ニリンは分別蒸留により回収して再使用が可能であるた
め、別段問題を引き起こすものではない。
を反応させる方法においては、オルト攻撃による2-NDPA
とフェナジンが副産物として生成されるため4-NDPA及び
4-NODPAとの分離しなければならないという問題点があ
ったが、出発物質としてカルボアニリドを用いれば、ア
ミド構造の立体的な障害のためにオルト攻撃による副産
物の生成を画期的に減らすことができる。
属類の塩基及びアルカリ土類金属の塩基などを用いて高
い収率で4-NDPA及び4-NODPAが得られる、(2)塩素を
含むような腐食性廃水が全く発生しないため、反応器の
腐食要因を除去することができる、(3)反応収率が水
分の影響をあまり受けないため、乾燥剤を別々に使用す
るか又は蒸留装置等を別途に設置する必要性がなく、製
造原価を低くおさえることができる、(4)反応初期に
アニリンを添加して反応中にカルボアニリドを再生させ
る方法を採用して4-NDPA及び4-NODPAの収率を増加させ
ることができる、という利点がある。
の製造方法において、溶媒としては、カルボアニリドの
溶解度と塩基の混和性とを考慮して極性有機溶媒を用い
ている。
ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide、以下、DMS
Oと称する)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyr
rolidinone、以下、NMPと称する)、テトラヒドロフラ
ン(tetrahydrofuran、以下THFと称する)、ジオキサン
(dioxane)、t-ブチルアルコール(t-buthylalcohol、
以下t-BuOHと称する)、ニトロベンゼン(nitrobenzen
e)及びアセトニトリル(acetonitrile)の中から選択
した単独のものを用いるか、又は、これらから選択した
ものとDMSOとの混合溶媒という形態のものを用いること
ができるが、例示した極性有機溶媒のみに限定されるも
のではない。例えば、DMSOとジメチルホルムアミド
(以下、DMFという。)との混合溶媒を用いることが
できる(表10)。
とができるので好ましく、特にDMSOを用いた場合が4-ND
PAの収率が一番高い。
NMP,ジオキサン,THF,t-BuOHを1:0〜1:5の体積比(常温
(25℃))で混合した溶媒を使用したときに、高い収
率で4-NDPA及び4-NODPAを製造することができる。
は、体積比(常温(25℃))で1:100〜1:1、好ましく
は、1:30〜1:2の体積比(常温(25℃))とする。
有機塩基を用いる。
属(alkali metals)、水素化アルカリ金属(alkali me
tal hydrides)、水酸化アルカリ金属(alkali metal h
ydroxides)及びアルカリ金属アルコキシド(alkali me
tal alkoxides)からなる群から選択された無機塩基類
又は有機塩基類を使用する。
化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸
化カルシウム(Ca(OH)2)、t-ブトキシカリウム(t-B
uOK)、水素化ナトリウム(NaH)、水素化カルシウム
(CaH2)等を用いることができ、これらの無機塩基は、
相転移触媒(phase transfer catalyst)であるクラウ
ンエーテル(crown ether)と共に使用することができ
る。
アンモニウムヒドロキシド類(tetraalkylammonium hyd
roxides)の塩基、即ち、TMA(OH)やTMA(OH)を生成
する物質の混合物を用いることができるが、必ずしもこ
の塩基のみに限定されるものではない。
ム、水酸化カリウム、水素化ナトリウムを用いるのが、
選択率及び反応収率の側面から好ましい。
してモル比率で1〜10倍程度、好ましくはカルボアニリ
ドに対して4〜8モル比程度である。
存在下で、反応性と選択性に優れたカルボアニリドとニ
トロベンゼンとを反応させるが、このとき、この反応中
に反応性と選択性に優れたカルボアニリドを再生させる
ための方法として、アニリンを添加する方法を採用す
る。
してモル比率で1〜20程度、好ましくはカルボアニリド
に対して2〜10モル比程度である。
己縮合反応やニトロベンゼンとの反応によってアゾベン
ゼンが副産物として生成するが、このアゾベンゼンは、
その後の工程における4-ADPAを製造するための水素化反
応のときに容易にアニリンに分解されて再使用可能とな
るため、問題にはならない。
ンの量は、モル比率で0.5〜20程度とするのが好まし
い。ニトロベンゼンの量が多ければ多いほど反応速度が
増大し、同一時間内に反応収率は高くなるが、ニトロベ
ンゼンの量が必要以上に多くなると、副産物のアゾキシ
ベンゼン(azoxybenzene)が生成してしまい4-NDPAの選
択率(4-NDPAの生成率)が低くなる。
従い、生成物の4-NDPAと4-NODPAの選択性が異なる。即
ち、アニリンがニトロベンゼンに比べ過量であれば4-NO
DPAの選択率が増加し、ニトロベンゼンがアニリンに比
べ過量であれば、4-NDPAの選択率が増加するという傾向
がある。
あり、好ましくは50℃〜80℃である。ここで、反応温度
が低い場合には反応速度が遅くなるという短所があり、
反応温度が150℃以上である場合には副産物の生成が増
加して生成物である4-NDPA及び4-NODPAの収率が低下し
てしまうという問題がある。
れる水分を除去するために、真空蒸留を行ったり乾燥剤
を使用したりすることができる。
ム、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、モ
レキュラーシーブ(molecular sieve)等を用いること
ができる。
量に大きな影響は受けないため、乾燥剤を用いたり連続
蒸留等の別の工程を行ったりしなくてもよいが、乾燥剤
を用いたり連続蒸留を行ったりすれば収率をやや増加さ
せることができる。
ことが好ましい。
ンゼン、アゾキシベンゼン等の副産物が生成されるが、
酸素及び空気雰囲気で反応を行った場合にはアゾキシベ
ンゼンの生成は抑制される傾向を示す。しかし、添加し
たアニリンにより生成されるアゾベンゼンは、次の工程
である4-ADPAを製造するときに水素化反応により容易に
アニリンに分解されて再利用できるので、反応雰囲気を
特に限定する必要はない。
鳴(NMR)スペクトルとガスクロマトグラフィ−質量分
析検出器(GC-MSD)を用いた分析により確認した。ガス
クロマトグラフィを用いて定量分析値を確認するため
に、下記の表1に示す条件にて分析を行った。
としてピレン(pylene)を用い、分析前の生成物に対す
るガスクロマトグラフィ変数(factor)を面積比に適用
して最初に投与したカルボアニリドを基準として生成物
のモル比率(mole%)を換算した。
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。
ラスコに、カルボアニリド1.0g(4.7mmole)、ニトロベ
ンゼン5.8g(47mmole)、アニリン4.4g(47mmole)、DM
SO 20mlを投入し、水酸化ナトリウム1.1g(28mmole)を
1時間おきに3回に分けて投入しながら、酸素雰囲気下
・80℃で7時間反応させた。
rene)100mgを添加した(なお、これは以下の全ての実
施例について同様にした)。
クロマトグラフィーで分析した結果、最初に投与したカ
ルボアニリドを基準として4-NDPAが204 mole%, 4-NODP
Aが63mole%の収率で得られた。
きの4-NODPA及び4-NDPAの生成量の変化を観察するため
に行ったものである。
却器と撹拌器とが装着された100mlの三口フラスコに、
カルボアニリド1.0g(4.7mole)、ニトロベンゼン5.8g
(47mmole)、水酸化ナトリウム760g(10mmole)、DMSO
5mlを投入した後、アニリンの量を変化させながら酸素
雰囲気下・80℃で5時間反応させた。
クロマトグラフィーで分析し、以下の表2に示すような
結果を得た。
てアゾベンゼンが副産物として生成したことが確認でき
たが、このアゾベンゼンは後の工程で4-ADPAの製造のた
めの水素化反応時にアニリンに容易に分解されて再利用
が可能となるので、問題にならない。
けを用いて4-NODPAと4-NDPAを生成する際に、これらの
生成量の変化を観察するために行ったものである。
用しないということ以外は同一とし、5時間反応させた
後、酢酸エチルで抽出し、ガスクロマトグラフィーで分
析し、以下の表3に示すような結果を得た。
質として用いず、アニリンだけをニトロベンゼンと反応
させた場合には、生成物の収率が格段に低下することが
わかる。
4-NODPA及び4-NDPAの生成量の変化について実験したも
のである。
却器と撹拌器とが装着された100mlの三口フラスコに、
カルボアニリド1.0g(4.7mmole)、ニトロベンゼン5.8g
(47mmole)、アニリン4.4g(47mmole)、DMSO 5mlを投
入した後、水酸化ナトリウムの量を変化させながら酸素
雰囲気下・80℃で5時間反応させた。
クロマトグラフィーで分析し、以下の表4に示すような
結果を得た。
に従って生成物の収率も徐々に向上することがわかる。
けを用いて生成した4-NODPA及び4-NDPAの生成量の変化
について測定したものである。
ないということ以外は同一とし、5時間反応させた後酢
酸エチルで抽出し、ガスクロマトグラフィーで分析し、
以下の表5に示すような結果を得た。
4-NODPA及び4-NDPAの生成量の変化について測定したも
のである。
却器と撹拌器とが装着された100mlの三口フラスコに、
カルボアニリド1.0g(4.7mmole)、ニトロベンゼン5.8g
(47mmole)、アニリン4.4g(47mmole)、水酸化ナトリ
ウム760mg(19mmole)、DMSO5mlを投入した後、酸素雰
囲気下で温度を変化させながら5時間反応させた。
クロマトグラフィーで分析し、以下の表6に示すような
結果を得た。
反応速度が遅くなり、結果として収率が少し低下するこ
とがわかる。
させたときの4-NODPA及び4-NDPAの生成量の変化につい
て測定したものである。
口フラスコに、カルボアニリドを1.0g(4.7mmole)、ニ
トロベンゼン5.8g(47mmole)、アニリン4.4g(47mmol
e)、水酸化ナトリウム1.1g(28mmole、1時間間隔で3
回に分けて投入)、DMSOを投入した後、酸素雰囲気下・
80℃で5時間反応させた。
クロマトグラフィーで分析し、以下の表7に示すような
結果を得た。
は、生成物の選択率及び収率に多大な影響を与えること
がわかる。
び4-NDPAの生成量の変化について測定したものである。
口フラスコに、カルボアニリドを1.0g (4.7mmole)、
ニトロベンゼン5.8g(47mmole)、アニリン4.4g(47mmo
le)、塩基(28mmole)、DMSO5mlを投入した後、酸素雰
囲気下・80℃で3時間反応させた。
クロマトグラフィーで分析し、以下の表8に示すような
結果を得た。
トリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウムを用いる
と収率及び選択率が高いことが分かる。
Aと4-NDPAの生成量の変化を測定したものであり、反応
における水分の影響を確認するために行ったものであ
る。
口フラスコに、カルボアニリド1.0g(4.7mmole)、ニト
ロベンゼン5.8g(47mmole)、アニリン4.4g(47mmol
e)、水酸化ナトリウム752mg(18.8mmole)、DMSO20ml
を投入し、外部から水を追加した後、酸素雰囲気下・80
℃で3時間反応させた。
クロマトグラフィーで分析し、以下の表9に示すような
結果を得た。
ど影響を与えないことがわかる。
び4-NDPAの生成量の変化について測定したものである。
口フラスコに、カルボアニリド1.0g(4.7mmole)、ニト
ロベンゼン5.8g(47mmole)、アニリン4.4g(47mmol
e)、水酸化カリウム1.6g(28mmole)、溶媒10mlを投入
した後、大気中・0℃で、3時間反応させた。
クロマトグラフィーで分析し、以下の表10に示すよう
な結果を得た。
一番好ましい溶媒はDMSOであり、その他、DMSOとDMF、N
MP、ジオキサン、THF、t-BuOHとをそれぞれ混合して使
用しても反応収率が高いことがわかる。
物質をアニリンの代わりに反応性と選択性に優れたアニ
リド(anilide)化合物を用いてこれをニトロベンゼン
と反応させながら、同時にアニリンを添加して反応性が
よいアニリド化合物を再生させて4-NDPAと4-NODPAを製
造した場合には、アニリンとニトロベンゼンだけを反応
させた場合よりも反応性が大きく、副産物のフェナジン
と2-NDPAの生成を著しく減少させ、塩素を含むような腐
食性廃水の発生を防止して反応器の腐食要因を除去する
ことができる利点がある。
剤の中間体である4-アミノジフェニルアミンを製造でき
るという効果を得ることができる。
法の概略を表す反応式を示す図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 適切な塩基及び溶媒の存在下でカルボア
ニリドとニトロベンゼンとを反応させ、ここにアニリン
を添加して4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニトロソジ
フェニルアミンを製造する方法。 - 【請求項2】 前記塩基として、アルカリ金属、水素化
アルカリ金属、水酸化アルカリ金属及びアルカリ金属ア
ルコキシドからなる群から選択された無機塩基類又は有
機塩基類を使用することを特徴とする請求項1に記載の
4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニトロソジフェニルア
ミンの製造方法。 - 【請求項3】 前記無機塩基類として、水酸化ナトリウ
ム、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、t-ブトキシカ
リウム、水酸化カルシウム及び水素化カルシウムの中か
ら選択された一種類の塩基又は二種類以上の混合物から
なる塩基を使用することを特徴とする請求項2に記載の
4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニトロソジフェニルア
ミンの製造方法。 - 【請求項4】 前記無機塩基類と共に相転移触媒として
のクラウンエーテルを使用することを特徴とする請求項
2又は3に記載の4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニト
ロソジフェニルアミンの製造方法。 - 【請求項5】 前記有機塩基類として、テトラアルキル
アンモニウムヒドロキシドを使用することを特徴とする
請求項2に記載の4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニト
ロソジフェニルアミンの製造方法。 - 【請求項6】 前記溶媒として、ジメチルスルホキシ
ド、N-メチル-2-ピロリドン、ニトロベンゼン及びアニ
リンよりなる群から選択された一種類の溶媒又はこの群
の中から選択された溶媒(但し、ジメチルスルホキシド
を除く)とジメチルスルホキシドとの混合物からなる溶
媒を使用することを特徴とする請求項1に記載の4-ニト
ロジフェニルアミン及び4-ニトロソジフェニルアミンの
製造方法。 - 【請求項7】 前記溶媒として、ジメチルスルホキシド
を単独で使用するか、ジメチルスルホキシドと、ジメチ
ルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、t-ブチルア
ルコール、ジオキサン、テトラヒドロフランからなる群
から選択された極性有機溶媒と、を混合して使用するこ
とを特徴とする請求項6に記載の4-ニトロジフェニルア
ミン及び4-ニトロソジフェニルアミンの製造方法。 - 【請求項8】 無水炭酸カリウム、無水硫酸ナトリウ
ム、無水硫酸マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水素化ナトリウム及びモレキュラーシーブよ
りなる群から選択された一種類以上の乾燥剤を添加する
ことを特徴とする請求項1に記載の4-ニトロジフェニル
アミン及び4-ニトロソジフェニルアミンの製造方法。 - 【請求項9】 アニリンをカルボアニリドの使用モル数
に対して1から20倍程度となるように使用することを特
徴とする請求項1に記載の4-ニトロジフェニルアミ及び
4-ニトロソジフェニルアミンの製造方法。 - 【請求項10】 反応温度が0℃から150℃であることを
特徴とする請求項1に記載の4-ニトロジフェニルアミン
及び4-ニトロソジフェニルアミンの製造方法。 - 【請求項11】 4-ニトロジフェニルアミン及び4-ニト
ロソジフェニルアミンを生成されると共にカルボアニリ
ドが再生されることを特徴とする請求項1に記載の4-ニ
トロジフェニルアミン及び4-ニトロソジフェニルアミン
の製造方法。 - 【請求項12】 反応が窒素、酸素又は空気の雰囲気下
で行われることを特徴とする請求項1に記載の4-ニトロ
ジフェニルアミン及び4-ニトロソジフェニルアミンの製
造方法。
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