JP3269426B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP3269426B2 JP17429197A JP17429197A JP3269426B2 JP 3269426 B2 JP3269426 B2 JP 3269426B2 JP 17429197 A JP17429197 A JP 17429197A JP 17429197 A JP17429197 A JP 17429197A JP 3269426 B2 JP3269426 B2 JP 3269426B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のアンチスキ
ッド制御装置に関し、特にリザーバからマスタシリンダ
へのブレーキ液還流用のポンプを持たないポンプレスタ
イプのアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、構造の簡略化などの要請から、ア
ンチスキッド制御におけるホイールシリンダの減圧制御
時のブレーキ液還流用ポンプを廃止し、ブレーキ配管系
統中に設けたリザーバに減圧時のブレーキ液を一時貯蔵
しておき、ブレーキペダルの戻しに伴うマスターシリン
ダの減圧時にリザーバからブレーキ液を還流するように
したポンプレスのブレーキシステムが知られている。
【0003】しかし、このリザーバが満杯になると、そ
の後はホイールシリンダ圧を減圧することができず、ア
ンチスキッド制御が不可能になる。そこで、本出願人
は、前2輪と後2輪をそれぞれ1系統とする前後配管で
ホイールシリンダとマスターシリンダとを連絡し、各系
統に1つずつリザーバを備えさせたブレーキシステムに
おいて、アンチスキッド制御として、後2輪に対しては
スリップ検出後にホイールシリンダ圧を減圧保持して車
輪ロックを防止しておき、前2輪に対してはスリップを
検出したらまず減圧保持を実行し、その後の車輪速度の
回復状況との関係で、増圧保持を1周期として繰り返す
ステップ増圧制御と減圧保持制御とを繰り返し実行する
ようにしたアンチスキッド制御装置を提案している(特
開平2−182561号公報)。そして、前輪側のリザ
ーバが満杯となった後、後2輪に対するステップ増圧制
御と減圧保持制御とを繰り返すようになっている。
【0004】この制御システムは、後輪先行ロックを防
止するため強制的に前輪を先行してロックさせている。
つまり前輪についてはロックさせても減速度を稼ぐよう
にし、後輪についてはロックすることを極力遅らせて走
行安定性などを確保しようとするものである。つまり、
前輪側のリザーバが満杯になって前2輪がロックしてし
まったとしても、この時点では後2輪がロックしていな
いので、走行安定性を確保できるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先の提
案の構成を、対角位置にある前輪と後輪を1組のブレー
キ配管系統とするX配管を採用したブレーキシステムに
適用しようとすると、両ブレーキ配管系統のリザーバが
同時に満杯となってしまう可能性がある。なぜなら、先
の提案の構成は、後輪先行ロックと防止するため前輪を
先行してロックさせる制御であるため、X配管の場合に
適用すると、同一ブレーキ配管系統の前輪と後輪につい
ては前輪先行ロックさせる制御ができても、両ブレーキ
配管系統間におけるリザーバの貯蔵余裕度等については
何等考慮はされていない。したがって、両ブレーキ配管
系統のリザーバが同時に満杯となる可能性はある。
【0006】また、前2輪、後2輪をそれぞれ一組のブ
レーキ配管系統とした前後配管を前提とした場合でも次
のような問題も考えられる。つまり、上述した先の提案
の構成では、必ず前輪側を先行ロックさせるようにして
いるが、後輪側のブレーキ配管系統のリザーバの余裕が
少ない場合には結果的にアンチスキッド制御の継続時間
が短くなる。つまり、4輪制御状態で前輪を先行ロック
させ前輪側のブレーキ配管系統のリザーバが満杯になる
とその時点で前輪側のブレーキ配管系統へのアンチスキ
ッド制御は終了し、2輪制御状態になる。そして、その
後すぐに後輪側のブレーキ配管系統のリザーバが満杯に
なると後輪側のブレーキ配管系統へのアンチスキッド制
御が終了してノーマルブレーキ状態となる。つまり、4
輪制御状態からノーマルブレーキ状態になるまでの時間
が短くなるのである。
【0007】なお、このような問題は、前後配管、X配
管という配管形式にかかわらず、共通して生じるもので
ある。そこで、本発明のアンチスキッド制御装置は、配
管形式は問わず、できるだけ長い期間に渡ってアンチス
キッド制御を可能とし、操縦安定性を持続させることが
できるようにしたアンチスキッド制御装置を提供するこ
とを特徴とする。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】上記目的を達成するためになされた請求項
1に記載のアンチスキッド制御装置は、乗員によるブレ
ーキペダルの制動操作に応じてブレーキ液圧を発生する
マスタシリンダからのブレーキ液圧を受けたホイールシ
リンダが車輪制動力を発生させる際、前記ホイールシリ
ンダにかかるブレーキ液圧を調整して車輪をロックさせ
ずに制動を行うアンチスキッド制御を実行するアンチス
キッド制御装置において、4輪以上を備えた各輪のホイ
ールシリンダと前記マスタシリンダとを、2輪を一組と
するブレーキ配管系統で接続すると共に、該各ブレーキ
配管系統に、前記アンチスキッド制御の内の減圧制御に
伴って前記ホイールシリンダから排出されるブレーキ液
を一時貯蔵し、前記ブレーキペダルの戻りによる前記マ
スタシリンダの減圧時に、該一時貯蔵したブレーキ駅を
マスタシリンダに還流するリザーバを備え、さらに、前
記各ブレーキ配管系統中のリザーバ内の貯蔵液量を推定
するリザーバ液量推定手段と、該リザーバ液量推定手段
の推定した貯蔵液量から、いずれかのブレーキ配管系統
においてリザーバの貯蔵能力が所定以下になったと判断
した場合、前記アンチスキッド制御の実行時に前記ホイ
ールシリンダから前記リザーバへ排出されるブレーキ液
量が、前記両ブレーキ配管系統間で相違するように、前
記アンチスキッド制御を実行する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、いずれかのブレーキ配管系統において
リザーバの貯蔵能力が所定以下になったと判断した場
合、当該貯蔵能力が所定以下になったブレーキ配管系統
におけるホイールシリンダからリザーバへの排出ブレー
キ液量よりも、他方のブレーキ配管系統におけるホイー
ルシリンダからリザーバへの排出ブレーキ液量の方が相
対的に少なくなるよう制御することを特徴とする。
【0017】この場合にはX配管には限定されない。つ
まりこのアンチスキッド制御装置の場合には、2輪を一
組とするブレーキ配管系統で接続すればよく、X配管で
もよいし、いわゆる前後配管でもよい。そして、リザー
バ液量推定手段によって推定した各ブレーキ配管系統中
のリザーバ内の貯蔵液量に基づき、いずれかのブレーキ
配管系統においてリザーバの貯蔵能力が所定以下になっ
たと判断した場合には、上述したホイールシリンダから
リザーバへ排出されるブレーキ液量が両ブレーキ配管系
統間で相違するように制御するのである。なお、リザー
バ内の貯蔵液量の推定は、例えば各ブレーキ液配管系統
に接続される2輪のホイールシリンダに対する減圧制御
の累積実行時間から行うことができる。これは、同一ブ
レーキ配管系統内の2輪のホイールシリンダに対する減
圧制御の累積実行状況を把握すれば,当該ブレーキ配管
系統中のリザーバへのブレーキ液のトータル貯蔵量を推
定できる点に着目したものである。なお、この請求手段
は、いずれかのブレーキ配管系統においてリザーバの貯
蔵能力が所定以下になったと判断した場合、当該貯蔵能
力が所定以下になったブレーキ配管系統におけるホイー
ルシリンダからリザーバへの排出ブレーキ駅量よりも、
他方のブレーキ配管系統におけるホイールシリンダから
リザーバへの排出ブレーキ液量の方が相対的に少なくな
るように制御するよう構成しておくと、より好ましい。
つまり、リザーバへの貯蔵能力が相対的に多い方に対し
て、ホイールシリンダからの排出ブレーキ液量が相対的
に少なくなるようにすることで、リザーバが満杯になる
タイミングをより遅くし、できるだけ長い期間に渡って
アンチスキッド制御を可能とするのである。
【0018】このようにリザーバへの排出ブレーキ液量
を両ブレーキ配管系統間で相違する制御を行なうこと
で、配管形式は問わず、ポンプレスのブレーキシステム
を前提とした場合に、できるだけ長い期間に渡ってアン
チスキッド制御を可能とし、操縦安定性を持続させるこ
とができる。その上、通常時は、両ブレーキ配管系統に
おいて同じアンチスキッド制御を実行することができ
る。例えばX配管の場合には、車両の左右で対称の構成
であるため、左右輪に対する制御内容が相違することは
あまり好ましくない。したがって、本案の目的を達成す
るのに必要な場合にだけ両ブレーキ配管系統間で制御内
容を相違させるようにすることができる。
【0019】また、請求項3に記載のように、請求項2
に記載のアンチスキッド制御装置において、制御手段
は、いずれかのブレーキ配管系統においてリザーバの貯
蔵能力が所定以下になったと判断した場合、当該貯蔵能
力が所定以下になったブレーキ配管系統におけるホイー
ルシリンダからリザーバへの排出ブレーキ液量よりも、
他方のブレーキ配管系統におけるホイールシリンダから
リザーバへの排出ブレーキ液量の方が相対的に少なくな
るよう制御するよう構成しておくと、より好ましい。つ
まり、リザーバの貯蔵能力が相対的に多い方に対して、
ホイールシリンダからの排出ブレーキ液量が相対的に少
なくなるようにすることで、リザーバが満杯になるタイ
ミングをより遅くし、できるだけ長い期間に渡ってアン
チスキッド制御を可能とするのである。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
と共に説明する。図1は一実施の形態としてのアンチス
キッド制御システムの構成を示し、フロントエンジン・
フロントドライブの4輪車に適用した例である。
【0021】右前輪(FR)1、左前輪(FL)2、右
後輪(RR)3及び左後輪(RL)4の各々に電磁ピッ
クアップ式又は磁気抵抗素子(MRE)式等の車輪速度
センサ5,6,7,8が配置され、各車輪1〜4の回転
に応じた周波数のパルス信号を出力する。さらに、各車
輪1〜4には各々液圧ブレーキ装置(ホイールシリン
ダ)11,12,13,14が配置され、各車輪1〜4
に制動力を発生させる。マスタシリンダ16からの液圧
は、アクチュエータ21,22,23,24及び各液圧
管路を介して、各ホイールシリンダ11〜14に送られ
る。なお、マスタシリンダ16はブレーキペダル27の
踏込みにより液圧を発生する周知のもので、ブレーキペ
ダル27の踏込み状態はストップスイッチ29によって
検出されている。ブレーキペダル27の踏み込み状態
は、ストップスイッチ29によって検出される。このス
トップスイッチ29から、制動時にはオン信号が出力さ
れ、非制動時にはオフ信号が出力される。
【0022】このブレーキシステムでは、FR輪1とR
L輪4を1組とする第1のブレーキ配管系統と、FL輪
2とRR輪3とを1組とする第2のブレーキ配管系統の
2系統からなる「X配管」を採用したものである。第1
のブレーキ配管系統に接続されるFR輪1,FL輪4に
対応する各ホイールシリンダ11,14はそれぞれアク
チュエータ31,34を介してリザーバ37に接続され
ており、一方、第2のブレーキ配管系統に接続されるF
L2,RR3に対応する各ホイールシリンダ12,13
はそれぞれアクチュエータ32,32を介してリザーバ
39に接続されている。これらのリザーバ37,39
は、アンチスキッド制御中、各ブレーキ配管系統のホイ
ールシリンダ11〜14から排出された液を一時的に蓄
えるものである。また、マスタシリンダ16からの液圧
をホイールシリンダ11〜14に送るためのアクチュエ
ータ21〜24の上下流には、バイパス管路41〜44
及びそのバイパス管路41〜44に介装された逆止弁4
1a〜44aが配設されており、ホイールシリンダ11
〜14からマスタシリンダ16へ向かう圧液のみをアク
チュエータ21〜24を迂回して流通させるように設定
されている。さらに、各リザーバ37,39とマスタシ
リンダ16とは、逆止弁47,49を介した液圧管路で
接続されており、リザーバ37,39からマスタシリン
ダ16へ向かう圧液の流通のみが許可されている。
【0023】なお、各アクチュエータ21〜24,31
〜34は、連通位置と遮断位置とを有する電磁式2位置
弁である。ところで、車輪速度センサ5〜8及びストッ
プスイッチ29の検出信号は、電子制御回路(ECU)
50に入力されている。電子制御回路50は、CPU,
ROM,RAM,I/O回路を有する周知のマイクロコ
ンピュータで、上記検出信号に基づいて各アクチュエー
タ21〜24,31〜34を制御する信号を発生する。
この制御信号は、各車輪1〜4毎に発生される増圧出
力、保持出力及び減圧出力によって構成される。
【0024】ここで、各出力に対応する動作をFR輪1
を例に説明する。FR輪1に増圧出力を発生させると
は、アクチュエータ21を連通位置に固定すると共にア
クチュエータ31を遮断位置に固定するように制御信号
を発生することである。すると、マスタシリンダ16が
発生する液圧がそのままホイールシリンダ11に供給さ
れる。
【0025】FR輪1に保持出力を発生させるとは、ア
クチュエータ21,31を共に遮断位置に固定するよう
に制御信号を発生することである。すると、ホイールシ
リンダ11の液圧が保持される。なお、この保持出力の
継続中にブレーキペダル27が緩められると、バイパス
管路41を介して圧液が流通し、ホイールシリンダ11
の液圧が減圧される。
【0026】FR輪1に減圧出力を発生させるとは、ア
クチュエータ21を遮断位置に固定すると共にアクチュ
エータ31を連通位置に固定するように制御信号を発生
することである。すると、ホイールシリンダ11の圧液
がリザーバ37へ流入し、液圧が減圧される。
【0027】次に、電子制御回路50が実行するアンチ
スキッド制御を図2以下のフローチャートに基づいて説
明する。図2に示す如く、電子制御回路50が起動され
ると、まず、メモリクリア、フラグリセット等の初期化
処理を行い(S100)、以降の演算処理を所定時間T
a(例えば5msec.)毎に実行するために、所定時間T
aが経過するのを待つ(S110)。
【0028】そして、所定時間Taが経過したと判断す
ると(S110:YES)、上記各回転速度センサ5〜
8からの回転速度信号に基づき、各車輪1〜4の回転速
度(以下、車輪速度という。)VW**(**は、各輪に対
応する添え字であって、FR,FL,RR,RLのいずれか。以
下の説明及び図面において同じ)を算出し(S12
0)、この車輪速度の微分値である各車輪1〜4の回転
加速度(以下、車輪加速度という)dVW**を演算する
(S130)。
【0029】次に、S120で求めた各車輪1〜4の車
輪速度VW**の内の例えば最大速度VWmax に基づき、
車体速度VBを演算する(S140)。この処理は、例
えば、各車輪1〜4の車輪速度VWFR〜VWRLの内の最
大速度VWmax が、前回求めた車体速度VB(n-1) に所
定値を加えた加速限界値Vαから、車体速度VB(n-1)
から所定値を減じた減速限界値Vβまでの範囲内にある
か否かを判断し、最大速度VWmax が加速限界値Vαか
ら減速限界値Vβまでの範囲内にあれば、最大速度VW
max をそのまま車体速度VBとして設定し、最大速度V
Wmax が加速限界値Vαを越えていれば、この加速限界
値Vαを車体速度VBとして設定し、最大速度VWmax
が減速限界値Vβを下回っていれば、その減速限界値V
βを車体速度VBとして設定するといった従来より周知
の手順で実行される。
【0030】続いて、S140で演算した車体速度VB
を時間で微分して車体減速度(マイナスの加速度)dV
Bを演算し(S150)、更に、車体速度VBと、各車
輪1〜4の車輪速度VW**とに基づき、各車輪1〜4の
スリップ率SW**を算出する(S160)。
【0031】以上のように、各車輪1〜4のスリップ率
SW**が算出されると、今度は、各車輪1〜4のスリッ
プ率SWFR〜SWFLと車輪加速度dVWFR〜dVWFLと
に基づき、各車輪1〜4毎に、アクチュエータ21,2
3,24の制御モードを、増圧モード、減圧モード、保
持モード、或はパルス増モードの何れに制御するかを設
定する制御モードの演算処理を実行する(S200)。
この制御モード演算処理S200は、図3に示すように
構成されている。
【0032】このルーチンは、FR輪、FL輪、RR
輪、RL輪に対して計4回実行されるようになってお
り、まず、ストップスイッチ29がONになったか否か
を判定する(S210)。そして、ストップスイッチ2
9がONになるまでは、当該車輪の制御中フラグをリセ
ットし(S220)、当該車輪の制御モードを増圧モー
ドにセットする(S230)。
【0033】一方、ストップスイッチ29がONになっ
たときは、制御中フラグがセットされているか否かを判
定する(S240)。ストップスイッチ29がONにな
った直後は制御中フラグはリセット状態にあるので、続
いて判定対象となっている車輪のスリップ率SW**を目
標スリップ率KS0、例えば20%と大小比較する(S
250)。この比較の結果、SW**>KS0となるまで
は、S220以下へ抜ける。そして、SW**>KS0と
なると、制御中フラグをセットする処理へ進み(S26
0)、次に、スリップ率SW**>KS1となっているか
否かを判定する(S270)。このKS1は、KS1<
KS0の関係にあり、例えばKS0=20%に対してK
S1=15%といった値が設定されている。
【0034】このS270の判定において、SW**>K
S1と判定されると、当該車輪の車輪加速度dVW**と
加速度零(0G)とを比較し、当該車輪が減速方向に制
御されている状態にあるか、それとも減速方向から加速
方向に反転した状態にあるかを判定する(S280)。
そして、dVW**<0Gと判定された場合は、当該車輪
のアクチュエータの制御モードとして、減圧モードをセ
ットし(S290)、dVW** ≧0Gと判定された場
合は保持モードをセットする(S300)。
【0035】一方、S270で、SW**≦KS1と判定
された場合は、アクチュエータを図1に示した増圧位置
と保持位置との間を所定周期で交互に変化させて、ブレ
ーキ装置のホイールシリンダ圧をその変化周期に応じた
増圧パターンで除々に増圧させるパルス増モードの制御
を、所定回数分だけ実行したか否かを判定する(S31
0)。
【0036】そして、パルス増モードの制御を所定回数
分実行したと判定すると、当該車輪のスリップは完全に
抑制され、液圧制御を終了してももはや車輪がスリップ
することはないものとして、S220以下に移行して制
御中フラグをリセットし、増圧モードをセットする。一
方、S310にて、パルス増モードの制御を所定回数分
実行していないと判定されたときは、そのままパルス増
モードをセットし続ける(S320)。
【0037】なお、図4は、増圧モード、減圧モード、
保持モード及びパルス増モードの際のアクチュエータの
駆動出力を表す。制御モードとして増圧モードが設定さ
れている場合には、ソレノイドへの通電を行わずアクチ
ュエータを増圧位置に固定してホイールシリンダ圧を連
続的に増圧する。減圧モードが設定されている場合に
は、減圧と保持を交互に繰り返すように所定のデューテ
ィ比でソレノイドへ通電を実行し、ホイールシリンダ圧
を所定速度で減圧していく。保持モードが設定されてい
る場合には、アクチュエータを保持位置に固定し、ホイ
ールシリンダ圧をそのまま現状にて保持する。
【0038】パルス増モードが設定されている場合に
は、所定時間だけ保持を出力し、その後所定時間だけ増
圧を出力するというように、アクチュエータを保持位置
と増圧位置とに交互に切り換えるようにソレノイドへ通
電する。これをN回繰り返して1回のパルス増モードの
制御が終了する。本実施の形態では、パルス増モードに
おける保持出力の時間について後輪の方が長い時間を設
定してある。この増圧出力の継続時間KU、保持出力の
継続時間KH及びパルス数Nの具体例を図5を参照して
説明する。通常パターンの場合、前輪に対しては、4m
sの増圧出力と200msの保持出力を10回繰り返
し、一方、後輪に対しては、3msの増圧出力と400
msの保持出力を10回繰り返す。
【0039】以上のようにして、図2のS200に示す
4輪各輪の制御モードが演算できたら、次に、パルス増
モード出力パターン判定にかかる処理を実行する(図2
のS400)。このパルス増モード出力パターン判定の
処理は、図6に示すように構成されている。
【0040】このパルス増モード出力パターン判定の処
理においては、まず、第2ブレーキ配管系統に対応する
FL−RR系統の車輪に対するパルス増パターンが既に
補正パターンとなっているかどうかを判断する(S41
0)。これは、FL−RR系統の車輪に対するパルス増
パターンの種別判定フラグFHBが1となっているかど
うかで判断する。つまり、種別判定フラグFHBが0の
場合には通常パターンを示し、FHBが1の場合には補
正パターンを示す。
【0041】そして、種別判定フラグFHBが1、つま
り補正パターンの場合には(S410:YES)、第1
のブレーキ配管系統に対応するFR−RL系統の車輪に
対するパルス増パターンの種別判定フラグFHAを0に
設定する(S450)。一方、種別判定フラグFHBが
0、つまり通常パターンの場合には(S410:N
O)、第2のブレーキ配管系統に対応するリザーバ39
へのブレーキ液流入量(以下、リザーバ流入量と呼
ぶ。)CLBを算出する(S420)。このリザーバ流
入量CLBの算出処理については後述する。
【0042】リザーバ流入量CLBを算出した後は、そ
のリザーバ流入量CLBが所定の第1閾値K1以上か否
かを判断する(S430)。リザーバ流入量CLBが所
定の第1閾値K1以上であれば(S430:YES)、
第1のブレーキ配管系統に対応するFR−RL系統の車
輪に対するパルス増パターンの種別判定フラグFHAを
1、つまり補正パターンに設定する(S440)。一
方、リザーバ流入量CLBが所定の第1閾値K1未満で
あれば(S430:NO)、S450へ移行し、種別判
定フラグFHAを0、つまり通常パターンに設定する
(S440)。
【0043】つまり、このS410〜S450の処理
は、第1のブレーキ配管系統に対応するFR−RL系統
の車輪に対するパルス増パターンの判定・設定にかかる
処理であり、最初に、他系統の種別判定フラグFHBを
チェックし、すでに補正パターン(FHB=1)となっ
ていたら、種別判定フラグFHAは補正パターンにはせ
ず、通常パターン(FHA=0)に設定する。そして、
種別判定フラグFHB=0で通常パターンであり、さら
に他の系統のリザーバ流入量が所定の第1閾値K1以上
である場合に限って、種別判定フラグFHAを補正パタ
ーン(FHA=1)に設定するのである。
【0044】S440あるいはS450の処理後はS4
60へ移行する。S460〜S500の処理は、第2の
ブレーキ配管系統に対応するFL−RR系統の車輪に対
するパルス増パターンの判定・設定にかかる処理であ
る。つまり、最初に、他系統の種別判定フラグFHAを
チェックし(S460)、すでに補正パターン(FHA
=1)となっていたら(S460:YES)、種別判定
フラグFHBは補正パターンにはせず、通常パターン
(FHA=0)に設定する(S500)。そして、種別
判定フラグFHA=0で通常パターンであり(S46
0:NO)、さらに他系統のリザーバ流入量CLAが所
定の第1閾値K1以上である場合(S480:YES)
に限って、種別判定フラグFHBを補正パターン(FH
B=1)に設定するのである(S490)。
【0045】ここで、リザーバ流入量(CL*)の演算
処理について図9を参照して説明する。なお、この処理
は第1のブレーキ配管系統に対応するリザーバ流入量C
LA及び第2のブレーキ配管系統に対応するリザーバ流
入量CLBの両方の演算に用いるもので、図中及び以下
の説明における*には、対象となっている系統に応じて
A,Bのいずれかが対応する。
【0046】このリザーバ流入量演算ルーチンでは、ま
ず、演算対象の系統の車輪について制御中フラグがセッ
トされているか否かを判定した後(S1410)、制御
中フラグセット状態のときはさらに、直前の駆動出力が
減圧出力であったか否かを判定し(S1420)、減圧
出力のときだけリザーバ流入量CL*に所定量KLを加
算し(S1430)、制御中フラグがリセットされてい
るときは、CL*を0にリセットする(S1440)。
【0047】なお、このS1430の処理でリザーバ流
入量CL*に加算している所定量KLは、固定量ではな
く、図10に示すように車体減速度dVBによって変化
する量である。これは、ホイールシリンダ圧(PW/C )
が大きいほど同じ減圧出力をしてもリザーバへ流出する
量が多くなることを鑑みて設定したものである。そし
て、ホイールシリンダ圧(PW/C )は直接計測するので
はなく、ホイールシリンダ圧(PW/C )が車体減速度d
VBにほぼ比例することを用いて、車体減速度dVBに
対する所定量KLの関係として設定してある。
【0048】このように各輪毎に独立して制御するため
の制御モードが決定されると、この決定された制御モー
ドに応じ、タイマ割り込みルーチン(図8)において、
それぞれのアクチュエータ駆動用のソレノイドに対し、
各輪にセットされている制御モードに従って図4で示し
たいずれかの駆動出力を実行する。
【0049】具体的には、図8に示すように、まず、F
R輪のアクチュエータ駆動用のソレノイドに対して、F
R輪についてセットされている制御モードに従って、図
4で示したいずれかの駆動出力を実行し(S131
0)、この場合には、FR−RL側の系統のリザーバ流
入量(CLA)を演算する(S1320)。次にFL輪
のアクチュエータ駆動用のソレノイドに対して、FL輪
についてセットされている制御モードに従って、図4で
示したいずれかの駆動出力を実行し(S1330)、こ
の場合には、FL−RR側の系統のリザーバ流入量(C
LB)を演算する(S1340)。
【0050】RR輪及びRL輪についても同様であり、
RR輪のアクチュエータ駆動用のソレノイドに対して、
RR輪についてセットされている制御モードに従って、
図4で示したいずれかの駆動出力を実行し(S135
0)、この場合には、FL−RR側の系統のリザーバ流
入量(CLB)を演算する(S1360)。続いて、R
L輪のアクチュエータ駆動用のソレノイドに対して、R
L輪についてセットされている制御モードに従って、図
4で示したいずれかの駆動出力を実行し(S137
0)、この場合には、FR−RL側の系統のリザーバ流
入量CLAを演算する(S1380)。
【0051】図2に戻り、S400に示すパルス増モー
ド出力パターン判定の処理が終了すると、次に、ウォー
ニングランプ制御にかかる処理を実行する(図2のS6
00)。このウォーニングランプ制御の処理は、図7に
示すように構成されている。まず、ストップスイッチ2
9がONになったか否かを判定する(S610)。そし
て、ストップスイッチ29がONされた場合には(S6
10:YES)、FR−RL側の系統のリザーバ流入量
CLAが所定の第2閾値K2(>K1)以上か否かを判
断する(S620)。そして、CLAがK2以上であれ
ば(S620:YES)、ウォーニングランプ55を点
灯してその状態を継続(常灯)させる(S680)。
【0052】また、CLAがK2未満であれば(S62
0:NO)、FL−RR側の系統のリザーバ流入量CL
Bが所定の閾値K2以上か否かを判断する(S63
0)。そして、CLBがK2以上であれば(S630:
YES)、やはりウォーニングランプ55を常灯させる
(S680)。
【0053】一方、CLA及びCLBの両方共がK2未
満であれば(S620:NO,S630:NO))、今
度はCLAが所定の第1閾値K1以上か否かを判断する
(S640)。そして、CLAがK1以上であれば(S
640:YES)、ウォーニングランプ55を点滅させ
る(S670)。また、CLAがK1未満であれば(S
640:NO)、CLBがK1以上か否かを判断し(S
650)、CLBがK1以上であれば(S650:YE
S)、やはりウォーニングランプ55を点滅させる(S
670)。
【0054】そして、CLA及びCLBの両方共がK1
未満であれば(S640:NO,S650:NO)、ウ
ォーニングランプ55を消灯させる(S660)。な
お、S610にて否定判断、つまり、ストップスイッチ
29がOFFになった場合にも消灯させる(S66
0)。
【0055】以上のように構成された結果、この実施の
形態では、図11のタイミングチャートに示すような作
用効果が発揮される。なお、図11中、FR輪とFL輪
について、縦軸Vで示したタイミングチャートが車輪速
度VWFR,VWFL及び車体速度VBの時間変化の様子を
示し、縦軸PW/C で示したタイミングチャートがホイー
ルシリンダ圧の時間変化の様子を示している。また、縦
軸CLAで示したタイミングチャートがFR−RL系統
の車輪に対する第1のブレーキ配管系統に対応するリザ
ーバ流入量CLAの時間的変化の様子を示し、縦軸CL
Bで示したタイミングチャートがFL−RR系統の車輪
に対す第2のブレーキ配管系統に対応するリザーバ流入
量CLBの時間的変化の様子を示している。
【0056】今、ストップスイッチ29がONとなり、
その少し後に各輪独立にアンチスキッド制御が始まった
とする。最初の内は、各輪共、減圧モードとパルス増モ
ードとが繰り返され、各輪のスリップ率が目標スリップ
率に一致するように、ホイールシリンダ圧が増減され
る。ホイールシリンダ圧を減圧する制御が行われるたび
に、各リザーバ37,39内には、徐々にブレーキ液が
貯蔵されていく。
【0057】そして、図11に示す例では、時刻t1 に
てFR−RL系統の車輪に対する第1のブレーキ配管系
統に対応するリザーバ流入量CLAが所定の第1閾値K
1以上となったので、FL−RR系統の車輪に対する第
2のブレーキ配管系統の種別判定フラグFHBを補正パ
ターン(FHB=1)に設定する(図6の480,S4
90参照)。したがって、時刻t1 までは通常パターン
で制御されていた第2のブレーキ配管系統に対するパル
ス増モードは、時刻t1 以降は補正パターンにて制御さ
れることとなる。図5に示した具体例で言えば、前輪に
対する通常パターンの場合、4msの増圧出力と200
msの保持出力を10回繰り返していたものが、補正パ
ターンになると、4msの増圧出力と400msの保持
出力を10回繰り返すこととなる。つまり、増圧パルス
時間は通常パターンと同じで保持時間が2倍になってい
る。
【0058】したがって、FR輪に対してはそれまでと
同じ通常パターンでのパルス増モードが継続され、FL
輪に対しては補正パターンでのパルス増モードに移行す
ることとなるが、時刻t1 以降は、FL輪に対するパル
ス増モードでの増圧勾配が、FR輪に対するパルス増モ
ードでの増圧勾配のほぼ2分の1となる。そのため、時
刻t2 においてFR−RL系統の車輪に対する第1のブ
レーキ配管系統のリザーバ流入量CLAが所定の第2閾
値K2以上となると、FR輪のホイールシリンダ11か
らリザーバ37へのブレーキ液の排出ができなくなり、
アンチスキッド制御が終了する。
【0059】しかし、時刻t1 〜時刻t2 までの期間に
おいて補正パターンでのパルス増モードを実行していた
FL−RR系統の車輪に対する第2のブレーキ配管系統
のリザーバ39はまだブレーキ液を貯蔵する余裕があ
り、時刻t2 以降においてもFL輪のホイールシリンダ
12からリザーバ39へブレーキ液を排出することがで
きる。つまり、アンチスキッド制御を継続して実行する
ことができる。
【0060】なお、ウォーニングランプ55について
は、時刻t1 から点滅状態となり、時刻t2 にて点灯し
てその状態を継続(常灯)させることとなる。つまり、
点滅することで、近い内に2輪制御(2輪ABS)状態
となることを運転手に警告し、点灯することで、その時
点では2輪制御状態となっていることを運転手に警告す
るのである。
【0061】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、X配管を採用したポンプレスブレーキシステムにお
いて、一方のブレーキ配管系統におけるリザーバが満杯
になってアンチスキッド制御ができなくなっても、もう
一方のブレーキ配管系統におけるリザーバは同時期には
満杯にならないため、少なくとも2輪に対するアンチス
キッド制御が実行できる。つまり、意図的に両ブレーキ
配管系統におけるリザーバ37,39への排出ブレーキ
液量を相違させる制御をすることとなるので、一方のブ
レーキ配管系統のリザーバが満杯になってアンチスキッ
ド制御ができなくなっても、他方については制御を続行
することができ、4輪制御状態から急にノーマルブレー
キ状態になるような車両の挙動変化の急変を防止でき
る。
【0062】また、第1のブレーキ配管系統のリザーバ
37へのリザーバ流入量CLAあるいは第2のブレーキ
配管系統のリザーバ39へのリザーバ流入量CLBのい
ずれかが第1閾値K1以上となった場合に、はじめて他
方の配管系統におけるパルス増モードを補正パターンで
実行するので、それまでは、両ブレーキ配管系統におい
て同じアンチスキッド制御を実行することができる。X
配管の場合には、車両の左右で対称の構成であるため、
左右輪に対する制御内容が常時相違することはあまり好
ましくない。したがって、本案の目的を達成するのに必
要な場合にだけ両ブレーキ配管系統間で制御内容を相違
させるようにすることができる。
【0063】さらに、いずれかの配管系統においてリザ
ーバの貯蔵能力が所定以下になったと判断した場合、当
該貯蔵能力が所定以下になったブレーキ配管系統におけ
るホイールシリンダからリザーバへの排出ブレーキ液量
よりも、他方のブレーキ配管系統におけるホイールシリ
ンダからリザーバへの排出ブレーキ液量の方が相対的に
少なくなるよう制御している。図11に示した例で言え
ば、第1のブレーキ配管系統においてリザーバ37の貯
蔵能力が所定以下になった場合に、第2のブレーキ配管
系統側となるFL輪に対するパルス増モードを補正パタ
ーンで実行する。つまり、リザーバの貯蔵能力が相対的
に多い方(図11の場合には第2のブレーキ配管系統の
リザーバ39)に対して、ホイールシリンダからの排出
ブレーキ液量が相対的に少なくなるようにすることで、
リザーバ39が満杯になるタイミングをより遅くし、で
きるだけ長い期間に渡ってアンチスキッド制御を可能と
するのである。
【0064】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこれらに限定されることはなく、種々の
態様をとることができる。例えば、上記実施形態では、
図5に示すように、通常パターンと補正パターンとで
は、増圧出力の継続時間KUは同じにし、保持出力の継
続時間KHを変更することで、結果的に増圧勾配を相違
させるようにしており、両配管系統での前輪同士及び後
輪同士では同じ制御パターンであった。これに対して、
通常パターンであっても、両配管系統間で増圧パターン
をずらすようにしてもよい。
【0065】その具体例として、図12には保持出力の
継続時間KHを相違させる場合を示す。この場合には、
通常パターンにおいても、FR輪では200msである
のに対しFL輪では220msに設定してある。同様
に、RL輪では400msであるのに対し、RR輪では
440msに設定してある。
【0066】一方、図13に示す具体例は、増圧出力の
継続時間KUを相違させる場合であり、通常パターンに
おいても、FR輪では4msであるのに対し、FL輪で
は3.5msに設定してある。同様に、RL輪では3m
sであるのに対し、RR輪では2.5msに設定してあ
る。このように、通常パターンで両配管系統間の増圧パ
ターンをずらしておけば、通常パターンでの制御中であ
っても一方の配管系統のリザーバの方が他方の配管系統
のリザーバよりも満杯になり易い傾向を持つこととな
る。そして、さらに他方の配管系統に対して補正パター
ンとすることで、4輪制御状態から2輪制御状態に移行
した後の2輪制御状態がより長く継続することとなる。
【0067】また、増圧パターンをずらすのではなく、
増圧開始タイミングを両ブレーキ配管系統間で相違させ
てもよい。図14(a)に示すように、継続時間KUで
の増圧出力と継続時間KHでの保持出力とを繰り返して
実行するパルス増圧のパターンの前に、継続時間KHO
の初回保持出力を追加するものである。具体例としては
図14(b)に示すように、両配管系統での前輪同士及
び後輪同士では、増圧出力の継続時間KU及び保持出力
の継続時間KHは同じであるが、初回保持出力の継続時
間KHOが、FR輪及びRL輪については0msである
のに対し、FL輪及びRR輪については100msに設
定してある。したがって、通常パターンでは、常にFL
輪及びRR輪に対する増圧の方が遅く開始することとな
る。
【0068】また、上述した実施形態はX配管を前提と
していたが、前後配管のポンプレスブレーキシステムに
おいても、同様に、いずれかの配管系統においてリザー
バの貯蔵能力が所定以下になったと判断した場合、貯蔵
能力が所定以下になったブレーキ配管系統におけるホイ
ールシリンダからリザーバへの排出ブレーキ液量より
も、他方のブレーキ配管系統におけるホイールシリンダ
からリザーバへの排出ブレーキ液量の方が相対的に少な
くなるよう制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のアンチスキッド制御装置全体の概
略構成図である。
【図2】 実施形態におけるアンチスキッド制御のメイ
ンルーチンを示すフローチャートである。
【図3】 図2のS200の処理の詳細を示すフローチ
ャートである。
【図4】 図3の処理で演算された制御モードと、ホイ
ールシリンダ圧制御のためのアクチュエータのソレノイ
ドに対する駆動出力との関係を示す説明図である。
【図5】 パルス増モードにおける増圧出力の継続時間
KU、保持出力の継続時間KH及びパルス数Nの具体例
を示す説明図である。
【図6】 図2のS400の処理の詳細を示すフローチ
ャートである。
【図7】 図2のS600の処理の詳細を示すフローチ
ャートである。
【図8】 タイマ割り込み処理を示すフローチャートで
ある。
【図9】 図8のS1320,S1340,S136
0,S1380の処理の詳細を示すフローチャートであ
る。
【図10】 リザーバ流入量CL*に加算する所定量K
Lと車体減速度dVBとの関係を示す説明図である。
【図11】 実施形態における作用効果を示すタイミン
グチャートである。
【図12】 別実施形態のパルス増モードにおける増圧
出力の継続時間KU、保持出力の継続時間KH及びパル
ス数Nの具体例を示す説明図である。
【図13】 別実施形態のパルス増モードにおける増圧
出力の継続時間KU、保持出力の継続時間KH及びパル
ス数Nの具体例を示す説明図である。
【図14】 (a)は初回保持出力と増圧・保持出力と
の関係を示す説明図であり、(b)はその初回保持出力
の継続時間KHOとパルス増モードにおける増圧出力の
継続時間KU、保持出力の継続時間KH及びパルス数N
の具体例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…右前輪(FR輪) 2…左前輪(FL
輪) 3…右後輪(RR輪) 4…左後輪(RL
輪) 5,6,7,8…車輪速度センサ 11,12,13,14…ホイールシリンダ 16…マスタシリンダ 21,22,23,24,31,32,33,34…ア
クチュエータ 27…ブレーキペダル 29…ストップスイッチ 37,39…リザーバ 50…電子制御回路 55…ウォーニングランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/46 B60T 8/58

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員によるブレーキペダルの制動操作に
    応じてブレーキ液圧を発生するマスタシリンダからのブ
    レーキ液圧を受けたホイールシリンダが車輪制動力を発
    生させる際、前記ホイールシリンダにかかるブレーキ液
    圧を調整して車輪をロックさせずに制動を行うアンチス
    キッド制御を実行するアンチスキッド制御装置におい
    て、 4輪以上を備えた各輪のホイールシリンダと前記マスタ
    シリンダとを、2輪を一組とするブレーキ配管系統で接
    続すると共に、該各ブレーキ配管系統に、前記アンチス
    キッド制御の内の減圧制御に伴って前記ホイールシリン
    ダから排出されるブレーキ液を一時貯蔵し、前記ブレー
    キペダルの戻りによる前記マスタシリンダの減圧時に、
    該一時貯蔵したブレーキ液をマスタシリンダに還流する
    リザーバを備え、 さらに、 前記各ブレーキ配管系統中のリザーバ内の貯蔵液量を推
    定するリザーバ液量推定手段と、 該リザーバ液量推定手段の推定した貯蔵液量から、いず
    れかのブレーキ配管系統においてリザーバの貯蔵能力が
    所定以下になったと判断した場合、前記アンチスキッド
    制御の実行時に前記ホイールシリンダから前記リザーバ
    へ排出されるブレーキ液量が、前記両ブレーキ配管系統
    間で相違するように、前記アンチスキッド制御を実行す
    る制御手段と、を備え、 前記制御手段は、いずれかのブレーキ配管系統において
    リザーバの貯蔵能力が所定以下になったと判断した場
    合、当該貯蔵能力が所定以下になったブレーキ配管系統
    におけるホイールシリンダからリザーバへの排出ブレー
    キ液量よりも、他方のブレーキ配管系統におけるホイー
    ルシリンダからリザーバへの排出ブレーキ液量の方が相
    対的に少なくなるよう制御することを 特徴とするアンチ
    スキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアンチスキッド制御装
    置において、 前記制御手段は、増圧制御時における増圧勾配を前記両
    ブレーキ配管系統間で相違させることによって、結果的
    に、同時期における前記リザーバへの排出ブレーキ液総
    量を両ブレーキ配管系統間で相違させるように構成され
    ていることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2のいずれかに記載のア
    ンチスキッド制御装置において、 前記制御手段は、増圧性御璽における増圧開始タイミン
    グを前記両ブレーキ配管系統間で相違させることによっ
    て、結果的に、同時期における前記リザーバへの排出ブ
    レーキ液総量を両ブレーキ配管系統間で相違させるよう
    に構成されていることを特徴とするアンチスキッド制御
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜のいずれかに記載のアンチ
    スキッド制御装置において、 前記制御手段が実行する増圧制御は、ブレーキ液圧の増
    圧と保持を所定時間間隔で繰り返すパルス増圧制御であ
    ることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のアンチ
    スキッド制御装置において、 前記リザーバ液量推定手段は、各ブレーキ液配管系統に
    接続される2輪のホイールシリンダに対する減圧制御の
    累積実行時間から各ブレーキ液配管系統中のリザーバ内
    の貯蔵駅量を推定することを特徴とするアンチスキッド
    制御装置。
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