JP3269277B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP3269277B2
JP3269277B2 JP23174994A JP23174994A JP3269277B2 JP 3269277 B2 JP3269277 B2 JP 3269277B2 JP 23174994 A JP23174994 A JP 23174994A JP 23174994 A JP23174994 A JP 23174994A JP 3269277 B2 JP3269277 B2 JP 3269277B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂と該熱可
塑性樹脂マトリックスに極めて均一に分散した層状珪酸
塩あるいは層間化合物からなる熱可塑性樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂材料の強度や剛
性を高めたり寸法精度を高める目的で、様々な充填材、
例えばガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウイス
カー等の無機繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タ
ルク、マイカ、カオリン、ウオラストナイト等の無機粉
体の配合が行われてきている。しかし、これらの方法は
強度や剛性を高めるものの、靱性を損なう欠点、比重が
増す欠点、表面外観が低下するといった欠点があった。
こうした充填材の混合における欠点は、一般に充填材の
分散不良あるいは分散物のサイズが大き過ぎること、及
びマトリックス樹脂との界面の接着不良に起因するもの
と考えられており、こうした観点から充填材の表面処理
や微粉化、形状の工夫等様々な試みがなされてきた。
【0003】例えば、特開昭61−266461号公報
には、界面の接着向上の試みとして、ポリフェニレンス
ルフィド樹脂にシランカップリング剤で処理した珪酸及
び/又は珪酸塩を配合することにより、未処理品に比べ
機械的物性や耐湿性が向上することが記載されている
が、その分散サイズは比較的大きく成形表面性に問題が
あった。
【0004】また、分散サイズの低減の試みとして、熱
可塑性樹脂マトリックスに対し、陽イオン交換能を有す
る層状珪酸塩に有機オニウムイオンをインターカレーシ
ョンした層間化合物を分散する方法が提案されており、
例えば、ポリアミド樹脂については特開昭48−103
653号公報、特開昭51−109998号公報、特開
昭58−35542号公報、特開昭62−74957号
公報、特願平5−245199号において、芳香族ポリ
エステル樹脂については特開平3−62846号公報、
特願平5−245200号において、それぞれ開示され
ている。これらの技術により層状珪酸塩は極めて微細に
分散され、少量の添加量での強度・剛性の顕著な向上や
良好な成形表面性が達成されるが、靱性の保持は必ずし
も満足できるものではなかった。
【0005】更に、特開平4−80259号公報、特開
平4−178459号公報には、ポリアミド樹脂とこれ
に均一に分散した層状珪酸塩の系に、ヒンダードフェノ
ール系化合物やシランカップリング剤及び/又はチタネ
ートカップリング剤等を添加してなる延伸ポリアミドフ
ィルム用樹脂組成物が開示されている。しかし、これら
の添加剤の混合方法は、ポリアミドに層状珪酸塩を均一
に分散させた組成物への混合、ポリアミドへの層状珪酸
塩分散時の同時混合等、いずれもポリアミドマトリック
スに対する混合であり、フィルム延伸時の透明性低下を
の抑制においては必ずしも十分でなかった。
【0006】特開平5−194851号公報には、ポリ
アリーレンスルフィド分子に含まれる官能基との反応性
を有する有機オニウムイオンやシラン化合物を、それぞ
れイオン結合や共有結合させた有機変性層状珪酸塩を、
ポリアリーレンスルフィドと接触及び反応させることに
より得られる樹脂組成物が開示されている。こうした接
触及び反応をポリアリーレンスルフィド溶液において行
った場合には珪酸塩層が均一に分散し、機械的強度や弾
性率及び熱変形温度が上昇するものの、このような溶液
中での反応によると溶融粘度の上昇を来す場合があるだ
けでなく、有機変性層状珪酸塩の分散を溶融混練等の無
溶媒の条件にて行った場合には分散性は不十分であっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、熱可塑
性樹脂の強度や剛性等を改良する目的で様々な無機充填
材の使用が提案されてきたが、材料の靱性の保持は必ず
しも満足できるものではなく、また、溶融流動性改良の
要請は依然としてあり、寸法精度の改良の点においても
特に繊維状充填材の配合での異方性の問題が残されてお
り、更に透明なマトリックス樹脂において強度や剛性の
改良と透明性保持の両立は達成は困難であった。本発明
の目的は、強度や剛性に優れると同時に靱性、特に延性
に優れ、かつ比重の増加が少なく成形表面外観や溶融流
動性に優れ、しかも寸法精度が等方的に改良された熱可
塑性樹脂組成物、更に機械的強度、剛性、靱性、成形
性、透明性の優れた層状珪酸塩を含有する熱可塑性芳香
族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、反応
性官能基を有する陽イオン交換性層状珪酸塩をホストと
し有機オニウムイオンをゲストとする層間化合物と、該
反応性官能基と反応しうる熱可塑性樹脂とを含有し、該
層間化合物を無機灰分量として0.1〜20重量%含む
ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、及び、芳香族ポ
リカーボネート樹脂及び層状珪酸塩を含有する熱可塑性
樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成物中の無機灰
分量が0.25〜10重量%であり、該熱可塑性樹脂組
成物からなる厚さ3mmの成形品に対する平行可視光線
の平行透過率P(%)と無機灰分量A(重量%)との積
が下記式a
【0009】
【数2】P×A≧20・・・・(a) を満たすことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に存す
る。以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明にお
ける層状珪酸塩の反応性官能基と反応しうる熱可塑性樹
脂(以下、反応性熱可塑性樹脂とも称する。)は、反応
性官能基を有する層状珪酸塩との任意の混合過程におい
て該官能基と反応しうるものであればその種類、組成、
及び相分離の有無等特に制限は無い。本発明における反
応性官能基とこれと反応しうる反応性熱可塑性樹脂成分
との組み合わせの例を表ー1に例示する。
【0010】
【表1】 表ー1 ──────────────────────────────────── 有機官能基 :反応性熱可塑性樹脂 ──────────────────────────────────── アミノ基 ;酸変性されたPPO・PO・PSt系各樹脂、PAR樹脂 エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂 、アクリル樹脂、PC樹脂 エポキシ基 ;ポリアミド樹脂、酸変性されたPPO・PO・PSt系各 樹脂、PAR樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、フェノキシ 樹脂、エポキシ樹脂、PPE樹脂、PAS樹脂、PC樹脂 カルボキシル基 ;エポキシ変性されたPPE・PO・PSt系各樹脂、エポ キシ樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、フ ェノキシ樹脂、PAR樹脂、PPE樹脂、PAS樹脂、P C樹脂 メルカプト基 ;エポキシ変性されたPPE・PO・PSt系各樹脂、エポ キシ樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、P AR樹脂、PPE樹脂、アクリル樹脂、PC樹脂 炭素ー炭素 ;ポリブタジエン、ポリイソプレン、PPE樹脂、PO樹脂 不飽和結合 アクリル樹脂、PAS樹脂 ニトロ基 ;PAS樹脂 アルコキシリル基;ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、PAR樹脂、 PC樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、PPE樹脂、 PAS樹脂 ──────────────────────────────────── PPE樹脂 :ポリフェニレンエーテル樹脂 PO樹脂 :ポリオレフィン樹脂 PSt系樹脂:ポリスチレン系樹脂(例えばABS樹
脂、ポリスチレン樹脂、スチレン系エラストマー等) PAR樹脂 :ポリアリレート樹脂 PC樹脂 :芳香族ポリカーボネイト樹脂 PAS樹脂 :ポリアリーレンスルフィド樹脂
【0011】これらの組み合わせのうち、反応性官能基
としてアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、メルカ
プト基を用いるのがその効果及び幅広い熱可塑性樹脂マ
トリックスへの適用性の点で好ましく、更に反応の容易
性の点でアミノ基及び/又はエポキシ基を用いるのがよ
り好ましい。また反応性官能基と反応しうる熱可塑性樹
脂としては反応性及び機械的物性の改良の点から、ポリ
アミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、芳香族ポリ
エステル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、酸変性
ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリカーボネイト樹脂等が
挙げられる。
【0012】本発明におけるポリアミド樹脂としては、
主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を含み加熱溶融で
きる重合体である。好適なポリアミド樹脂として、ポリ
テトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプ
ロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン612)、ポリウンデカノラクタム(ナイロ
ン11)、ポリドデカノラクタム(ナイロン12)、テ
レフタル酸及び/又はイソフタル酸とヘキサメチレンジ
アミンとから得られるポリアミド、アジピン酸とメタキ
シリレンジアミンとから得られるポリアミド、テレフタ
ル酸とアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとから得ら
れるポリアミド、共重合成分として二量体化脂肪酸を含
む共重合ポリアミド、及びこれらのうち少なくとも2種
の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共重合
体並びにこれらの混合物などが挙げられる。この中でナ
イロン6、ナイロン66はそれ自身が靱性と剛性のバラ
ンスに優れているため特に好適である。かかるポリアミ
ドの原料は、ジアミンとジカルボン酸、ラクタム類、又
は重合可能なω−アミノ酸類、ジアミンとジカルボン酸
からなる塩、及びこれら原料のオリゴマーである。こう
したポリアミド原料の具体例は、特願平5−24519
9号等に詳述されているとおりであるが、ジアミンとし
てはテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン
等の脂肪族ジアミン、キシリレンジアミン類等が、ジカ
ルボン酸としてはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジ
カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジ
カルボン酸、二量体化脂肪酸類等が、ラクタム類として
はカプロラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカノラク
タム等が、重合可能なω−アミノ酸類としては6−アミ
ノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミ
ノドデカン酸等が代表的なものとして挙げられる。これ
ら各種のポリアミド樹脂又はポリアミド原料は数種組み
合わせて用いても良い。なお、これらのポリアミド樹脂
の分子量には特に制限はないが、通常1g/dl濃度の
濃硫酸溶液での25℃における相対粘度ηrel が0.9
〜6.0であり、靱性と成形性の点から好ましくは1.
0〜5.0である。
【0013】本発明におけるポリフェニレンエーテル樹
脂としては、ベンゼン環残基がエーテル結合を介して結
ばれた重合体であり加熱溶融できるものである。これら
はフェノール類又はその反応性誘導体を原料として、公
知の方法、例えば酸化カップリング触媒を用いた酸素又
は酸素含有ガスによる酸化カップリング重合等で製造さ
れる。該フェノール類及び重合触媒等の具体例は例えば
特開平4ー239029号公報等に詳述されているが、
代表的なフェノール類としてはフェノール、o−クレゾ
ール、2,6−キシレノール、2,5−キシレノール、
2,3,6−トリメチルフェノール等のメチルフェノー
ル類等が挙げられ、これらフェノール類は単独あるいは
2種以上の組み合わせとして用いても良い。最も一般的
なポリフェニレンエーテル樹脂としてはポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、又はこれを
主構造とする共重合体が挙げられるが、2種以上のポリ
フェニレンエーテル樹脂を含む混合物も使用できる。ま
た、本発明の目的を逸脱しない範囲で、溶融流動性改善
の目的でポリスチレン樹脂を配合した相溶性混合物とす
ることも可能である。本第一発明に用いられるポリフェ
ニレンエーテル樹脂の分子量には特に制限はないが、通
常0.6g/dl濃度のクロロホルム溶液の25℃での極限
粘度[η]が0.2〜0.6dl/gであり、靱性及び
成形性の点からより好ましくは0.35〜0.55dl
/gである。
【0014】本発明における芳香族ポリエステル樹脂と
しては、ジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導
体とジオールあるいはそのエステル形成性誘導体との縮
合反応により得られる芳香環を主鎖中に有するポリエス
テルである。芳香族ポリエステル原料及び芳香族ポリエ
ステルの具体例については、例えば特開平5−2452
00号公報に詳述されているが、代表的な原料としてジ
カルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸
が、ジオールとしてはエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘ
キサンジオール、分子量400〜6、000の長鎖グリ
コール等がそれぞれ挙げられる。代表的な芳香族ポリエ
ステルを列挙すると、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレー
ト、ポリ(エチレンテレフタレート/エチレンイソフタ
レート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート/ブ
チレンイソフタレート)共重合体等のポリアルキレンフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナ
フタレート等のポリアルキレンナフタレート等が挙げら
れる。このうち本発明において好適に用いられるのは、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等
のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレン
ナフタレートであり、最も好適に用いられるのは、ポリ
エチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート
である。本発明で用いられる芳香族ポリエステルの分子
量には特に制限はないが、通常フェノールとテトラクロ
ロエタンとの重量比1:1の混合溶媒を使用し濃度1g
/dlとし30℃で測定した極限粘度[η]が0.5〜
3.5の範囲であり、靱性及び成形性の点からより好ま
しくは0.7〜2.5の範囲である。
【0015】本発明におけるポリアリーレンスルフィド
樹脂としては、芳香族残基がチオエーテル結合を介して
結ばれた重合体であり加熱溶融できるものである。こう
した重合体構造の具体例と製造方法は例えば特開平5−
194851号公報に詳述されているが、本発明におい
て好適に用いられる主鎖構造は、ポリフェニレンスルフ
ィド(下記式b)、ポリフェニレンスルフィドスルホン
(下記式c)である。ここでPhはフェニレン基を、m
とnは各構造の繰り返しを意味する自然数であり式cに
おいてmとnで表される各繰り返し単位はランダム配列
あるいはブロックを構成する配列いずれであっても良
い。
【0016】
【化1】 −(−S−Ph−)n− (b) −(−S−Ph−)m−(−SO2 −Ph−)n− (c)
【0017】本発明に用いられるポリアリーレンスルフ
ィド樹脂の分子量に特に制限はないが、通常は重量平均
分子量にして10、000〜500、000の範囲であ
り、靱性及び成形性の点からより好ましくは30、00
0〜300、000の範囲である。該重量平均分子量は
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によ
り求めることができ、例えばポリフェニレンスルフィド
の場合には1−クロロナフタレンを展開溶媒として用い
ることができる。
【0018】本発明における酸変性ポリオレフィン樹脂
としては、ポリオレフィン骨格、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−ブテン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−イ
ソプレン共重合体等にカルボキシル基含有化合物ををグ
ラフト、又は不飽和カルボン酸類を共重合したしたもの
である。カルボキシル基含有化合物のグラフトは公知の
方法、例えば有機過酸化物の存在下不飽和カルボン酸及
び/又はその無水物を溶融混合して行われる。好適な不
飽和カルボン酸としては無水マレイン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸等が挙げられる。本第一発明において好適に用
いられるポリオレフィン骨格としては靱性と剛性のバラ
ンスからポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体が挙げら
れる。また製造の容易性から好ましいカルボキシル基の
導入方法は、有機過酸化物存在下での無水マレイン酸の
溶融混合によるグラフト反応である。例えば無水マレイ
ン酸のグラフトの場合、グラフト量は未反応無水マレイ
ン酸をアセトン等の適切な溶剤で抽出除去した後赤外吸
収スペクトル(IR)によりカルボキシル基由来の吸収
強度の定量により決定でき、通常0.01〜0.8重量
%、反応性の点から好適には0.03〜0.8重量%、
架橋や分子鎖切断等のポリオレフィン骨格の変質を抑制
する観点から更に好適には0.03〜0.6重量%、最
も好適には0.05〜0.5重量%である。
【0019】本発明における芳香族ポリカーボネート樹
脂としては、多価フェノール類を共重合成分として含有
しても良い1種以上のビスフェノール類と、ビスアルキ
ルカーボネート、ビスアリールカーボネート、ホスゲン
等の炭酸エステル類との反応により製造される。ビスフ
ェノール類としては、具体的にはビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンすなわちビスフェノー
ルA、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メ
チルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)
【0020】シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチル
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−sec-ブチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec-ブ
チルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、
【0021】4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、フェノールフ
タレイン等が挙げられる。この中で代表的なものは、ビ
スフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン等であり、最
も一般的にはビスフェノールAが用いられる。多価フェ
ノール類は、芳香族ポリカーボネート樹脂のレオロジー
的性質を変化させたり表面摩耗特性を改良する目的で共
重合成分として用いられ、例えば1,1,1−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)エタ 等のトリスフェノー
ル類等が挙げられる。本発明に使用される芳香族ポリカ
ーボネート樹脂の製造方法に制限はないが、ビスフェノ
ール類のアルカリ金属塩と求核攻撃に活性な炭酸エステ
ル誘導体とを原料とし生成ポリマーを溶解する有機溶剤
とアルカリ水との界面にて重縮合反応させる界面重合
法、ビスフェノール類と求核攻撃に活性な炭酸エステル
誘導体とを原料としピリジン等の有機塩基中で重縮合反
応させるピリジン法、ビスフェノール類とビスアルキル
カーボネートやビスアリールカーボネート等の炭酸エス
テルとを原料とし溶融重縮合させる溶融重合法が一般に
知られている。ここで界面重合法とピリジン法で用いら
れる求核攻撃に活性な炭酸エステル誘導体としては、ホ
スゲン、カルボジイミダゾール等が挙げられ、中でもホ
スゲンが入手容易性から最も一般的である。溶融重合法
に用いられる炭酸エステルの具体例については、例えば
特願平4−214282号等に詳しく記載されている通
りであるが、好適なものはジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート等のジアルキルカーボネート、ジフェ
ニルカーボネート等のジアリールカーボネートである。
本発明で用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子
量には特に制限はないが、通常は40℃のテトラヒドロ
フラン(THF)溶媒によるゲルパーミエーションクロ
マトグラフィ(GPC)において、単分子量分散ポリス
チレンを対照としての重量平均分子量Mw が15、00
0以上、靱性や成形容易性から好ましくは20、000
〜80、000程度が適当である。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、
反応性熱可塑性樹脂を2種以上含んでいても良く、また
反応性官能基と反応しない熱可塑性樹脂等を含んでいて
もよい。熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性樹脂マト
リックス中の反応性熱可塑性樹脂の総含量は通常30〜
100重量%、剛性の向上の点から好ましくは50〜1
00重量%、更に好ましくは60〜100重量%であ
る。
【0023】上記熱可塑性樹脂マトリックスにおける反
応性熱可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、本発明
の目的を損なわない限りにおいて必要に応じて任意の熱
可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを用いることがで
き、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル
樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹
脂、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリア
リーレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹
脂、無水マレイン酸を共重合したポリスチレン樹脂、エ
ポキシ基を有する化合物で変性されたポリスチレン樹
脂、芳香族ホ゜リカーホ゛ネート-ホ゜リシロキサン共重合体、エチレン−
αオレフィン共重合体、イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、ポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体
(SBS)、ポリスチレン−水素添加ポリブタジエンブ
ロック共重合体(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エ
チレン−プロピレン)ブロック共重合体(SEP)、ポ
リアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、酸
無水物基またはエポキシ基を有する化合物で変性された
SBS、SEBS、SEP等のスチレン系熱可塑性エラ
ストマー、アクリルゴム、コア−シェル型アクリルゴ
ム、MBSゴム等が挙げられる。
【0024】本発明における陽イオン交換性層状珪酸塩
としては、Al、Mg、Li等を含む八面体シート構造
を2枚のSO4 四面体シート構造がはさんだ形の2:1
型が好適でありその単位構造である1層の厚みは通常
9.5オングストローム程度である。具体的には、モン
モリロナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、サ
ポナイト、バイデライト、スチブンサイト等のスメクタ
イト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フ
ッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四
珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母、バーミキュライ
ト、フッ素バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げら
れ、天然のものでも合成されたものでも良い。
【0025】これらの陽イオン交換性層状珪酸塩の陽イ
オン交換容量(CEC)は通常30ミリ当量/100g
以上とするが、好適には50ミリ当量/100g以上、
さらに好適には70ミリ当量/100g以上であるのが
望ましい。陽イオン交換容量は、メチレンブルーの吸着
量測定により求めることで測定される。陽イオン交換容
量が30ミリ当量/100g未満では、層間への有機オ
ニウムイオンのインターカレーション量が不十分となり
熱可塑性樹脂への分散性が低下し、熱可塑性樹脂組成物
の強度や剛性の上昇が十分でなく成形表面外観も悪くな
る。陽イオン交換容量や入手容易性からこれらの層状珪
酸塩の中でも、モンモリロナイト、ヘクトライト等のス
メクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、N
a型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母等の
膨潤性合成雲母が好適に用いられ、特に入手容易性から
はベントナイトを精製して得られるモンモリロナイト
が、純度の点ではLi型フッ素テニオライト(下記式
d)、Na型フッ素テニオライト(下記式e)、Na型
四珪素フッ素雲母(下記式f)等の膨潤性フッ素雲母が
本発明には最適である。なお、式d,e,fは理想的な
組成を示したものであり、厳密に一致している必要はな
い。
【0026】
【化2】 LiMg2 Li(Si410)F2 (d) NaMg2 Li(Si410)F2 (e) NaMg2.5 (Si410)F2 (f)
【0027】本発明における反応性官能基を有する層状
珪酸塩及び反応性官能基を有する陽イオン交換性層状珪
酸塩は、層状珪酸塩に含まれるシラノール基(−Si−
OH)との反応性を有する構造とアミノ基、エポキシ
基、カルボキシル基、メルカプト基等の反応性官能基と
を兼備する化合物(以下、官能化試剤と称する)を層状
珪酸塩に接触させることにより製造される。
【0028】シラノール基との反応性を有する構造とし
て、下記一般式gで示される塩素−珪素結合、臭素−珪
素結合、沃素−珪素結合等のハロゲン−珪素結合、下記
一般式hで示されるアルコキシ−ホウ素結合、アルコキ
シ−アルミニウム結合、アルコキシ−珪素結合、アルコ
キシ−チタン結合、アルコキシ−ゲルマニウム結合、ア
ルコキシ−ジルコニウム結合、アルコキシ−スズ結合、
アルコキシ−鉛結合等の加水分解性を有する酸素−金属
結合、下記一般式iで示される珪素−窒素−珪素結合等
を有するものが挙げられる。
【0029】
【化3】 X−Si (g) R−O−M (h) Si−HN−Si (i)
【0030】ここで、式gのXはハロゲン原子を、式h
のRは、通常炭素数6以下のアルキル基、好ましくは炭
素数4以下のアルキル基、更に好ましくはメチル基又は
エチル基を、Mはホウ素、アルミニウム、珪素、チタ
ン、ゲルマニウム、ジルコニウム、スズ、鉛のいずれか
の元素を表す。これらの構造のうち、構造の安定性、取
扱いの容易性、経済性の点からは、塩素−珪素結合、ア
ルコキシ−珪素結合、珪素−窒素−珪素結合が好まし
く、アルコキシ−珪素結合が最も好ましい。
【0031】こうした構造を有する官能化試剤の具体例
としては、塩素−珪素結合を有するものとしては、3−
グリシジルオキシプロピルジメチルクロロシラン、β−
(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルク
ロロシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリクロロ
シラン等のエポキシ基を有するクロロシラン類、トリク
ロロシリル酢酸、3−トリクロロシリルプロピオン酸、
5−カルボキシヘキシルジメチルクロロシラン等のカル
ボキシル基を有するクロロシラン類、3−メルカプトプ
ロピルジメトリクロロシラン、3−メルカプトプロピル
トリクロロシラン、4−メルカプトフェニルジメチルク
ロロシラン等のメルカプト基を有するクロロシラン類、
3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、ジ
メチルビニルクロロシラン、アリルジメチルクロロシラ
ン、5−ヘキセニルジメチルクロロシラン、7−オクテ
ニルジメチルクロロシラン、4−ビニルフェニルジメチ
ルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、アリルトリ
クロロシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロ
シラン等の炭素−炭素不飽和結合を有するクロロシラン
類、3−ニトロプロピルジメチルクロロシラン、4−ニ
トロフェニルジメチルクロロシラン、3−ニトロプロピ
ルトリクロロシラン等のニトロ基を有するクロロシラン
類等が挙げられる。アルコキシ酸素−珪素結合を有する
ものとしては、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有
するアルコキシシラン類、3−グリシジルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル
メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基
を有するアルコキシシラン類、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジ
エトキシシラン等のメルカプト基を有するアルコキシシ
ラン類、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン等の炭素−炭素不飽
和結合を有するアルコキシシラン類、3−ニトロプロピ
ルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキ
シシラン等のニトロ基を有するアルコキシシラン類、テ
トラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類等が
挙げられる。珪素−窒素−珪素結合を有するものとして
は、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(3−
グリシジルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシラザン、1,3−ビス(3−メルカプトプロ
ピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、
1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシ
ラザン等のジシラザン類が挙げられる。
【0032】これらの官能化試剤の層状珪酸塩への接触
方法には特に制限はないが、通常無溶媒あるいは極性溶
媒中での混合により行われ、該試剤の導入効率を向上さ
せる目的で混合温度を上昇させると好ましい場合もあ
る。またいずれの場合も官能化試剤の加水分解の過度の
進行を防ぐためには無水条件とするのが望ましい。極性
溶媒を用いる場合には、官能化試剤に含まれる熱可塑性
樹脂との反応性官能基が影響を受けにくい不活性な極性
溶媒を選択することが好ましい。このような好ましい極
性溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジ
メチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン
(NMP)等のアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド
(DMSO)のようなスルホキシド類、テトラヒドロフ
ラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類等が一般
に用いられ、官能化試剤がカルボキシル基のような酸性
基を持たない場合には更にピリジン、2−メチルピリジ
ン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン等のメチ
ルピリジン類、2,3−ジメチルピリジン、2,4−ジ
メチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、3,4−
ジメチルピリジン等のジメチルピリジン類、N,N−ジ
メチルアミノピリジン、N,N−ジエチルアミノピリジ
ン等のジアルキルアミノピリジン類、キノリン、
【0033】イソキノリン等のキノリン類等の複素環式
含窒素化合物も使用できる。これらのうち官能化試剤の
導入効率の点で、DMF、DMAのようなアミド系溶
剤、及びDMSOが好適に用いられる。これらの極性溶
媒を用いると、層状珪酸塩の膨潤が起こり官能化試剤の
導入効率が向上する場合があるが、過度に激しい条件、
例えば150℃以上の高温での長時間の混合では反応性
官能基の分解等の悪影響が見られる場合がある。通常
は、混合温度を室温〜120℃程度、反応時間を30分
〜48時間程度、好ましくは1時間〜24時間程度とす
る。官能化試剤と層状珪酸塩の接触方法としては、極性
溶媒中での撹拌翼による懸濁撹拌、無溶媒での各種ミ
ル、各種ミキサー等による機械的撹拌混合、無溶媒含浸
後のロールによる圧縮接触等が例示できる。なお、これ
ら官能化試剤は単独でも2種以上を組み合わせても使用
できる。
【0034】本発明における有機オニウムイオンとして
は、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホ
ニウムイオン、複素芳香環由来のオニウムイオンに代表
されるものである。本発明における該オニウムイオン構
造の役割は、負に帯電した珪酸塩層の層間に有機化合物
を導入するためのものであって、その種類には特に制限
はない。これらのうち入手容易性、安定性の観点から
は、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、複素芳
香環由来のオニウムイオンが好適である。
【0035】アンモニウムイオンとしては、ドデシルア
ンモニウム、ヘキサデシルアンモニウム、オクタデシル
アンモニウム、[PEG]アンモニウム(以下[PE
G]はポリエチレングリコール鎖を表す)等の1級アン
モニウム、メチルドデシルアンモニウム、ブチルドデシ
ルアンモニウム、メチルオクタデシルアンモニウム、メ
チル[PEG]アンモニウム、ドデシル[PEG]アン
モニウム、ヘキサデシル[PEG]アンモニウム等の2
級アンモニウム、ジメチルドデシルアンモニウム、ジメ
チルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルオクタデシル
アンモニウム、ジフェニルドデシルアンモニウム、ジフ
ェニルオクタデシルアンモニウム、ジメチル[PEG]
アンモニウム、メチルドデシル[PEG]アンモニウ
ム、メチルオクタデシル[PEG]アンモニム、メチル
ビス[PEG]アンモニウム、ドデシルビス[PEG]
アンモニウム、ヘキサデシルビス[PEG]アンモニウ
ム等の3級アンモニウム、テトラエチルアンモニウム、
テトラブチルアンモニウムテトラオクチルアンモニウム
等の同一のアルキル基を有する4級アンモニウム、トリ
メチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモ
ニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチル
テトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルア
ンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、ト
リメチルエイコサニルアンモニウム、トリメチルオクタ
デセニルアンモニウム、トリメチルオクタデカジエニル
アンモニウム等のトリメチルアルキルアンモニウム、ト
リエチルドデシルアンモニウム、トリエチルテトラデシ
ルアンモニウム、トリエチルヘキサデシルアンモニウ
ム、トリエチルオクタデシルアンモニウム等のトリエチ
ルアルキルアンモニウム、トリブチルドデシルアンモニ
ウム、トリブチルテトラデシルアンモニウム、トリブチ
ルヘキサデシルアンモニウム、トリブチルオクタデシル
アンモニウム等のトリブチルアルキルアンモニウム、ジ
メチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアン
モニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメ
チルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデ
シルアンモニウム、ジメチルジオクタデセニルアンモニ
ウム、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム等の
ジメチルジアルキルアンモニウム、ジエチルジドデシル
アンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、
ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジオク
タデシルアンモニウム等のジエチルジアルキルアンモニ
ウム、ジブチルジドデシルアンモニウム、ジブチルジテ
トラデシルアンモニウム、ジブチルジヘキサデシルアン
モニウム、ジブチルジオクタデシルアンモニウム等のジ
ブチルジアルキルアンモニウム、メチルベンジルジヘキ
サデシルアンモニウム等のメチルベンジルジアルキルア
ンモニウム、ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム等
のジベンジルジアルキルアンモニウム、トリオクチルメ
チルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウム、
トリテトラデシルメチルアンモニウム等のトリアルキル
メチルアンモニウム、トリオクチルエチルアンモニウ
ム、トリドデシルエチルアンモニウム等のトリアルキル
エチルアンモニウム、トリオクチルブチルアンモニウ
ム、トリドデシルブチルアンモニウム等のトリアルキル
ブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム
等の芳香環を有する4級アンモニウム、トリメチルフェ
ニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニ
ウム、下記式jで示される[PEG]含有4級アンモニ
ウム(式j及び式k中、
【0036】R1 ,R2 は独立に炭素数18以下のアル
キル基を表し、m,n>1なる整数であり、2<m+n
<60、好ましくは10≦m+n<30である。)、具
体的にはジメチルビス[PEG]アンモニウム、ジエチ
ルビス[PEG]アンモニウム、ジブチルビス[PE
G]アンモニウム、メチルエチルビス[PEG]アンモ
ニウム、メチルドデシルビス[PEG]アンモニウム、
メチルオクタデシルビス[PEG]アンモニウム等のジ
アルキルビス[PEG]アンモニウム等のイオンが、ホ
スホニウムイオンとしては、テトラブチルホスホニウ
ム、テトラオクチルホスホニウム、トリメチルデシルホ
スホニウム、トリメチルドデシルホスホニウム、トリメ
チルヘキサデシルホスホニウム、トリメチルオクタデシ
ルホスホニウム,トリブチルドデシルホスホニウム、ト
リブチルヘキサデシルホスホニウム、トリブチルオクタ
デシルホスホニウム等のアルキル4級ホスホニウム、前
出の式kで表される[PEG]含有4級ホスホニウム、
具体的にはジメチルビス[PEG]ホスホニウム、ジエ
チルビス[PEG]ホスホニウム、ジブチルビス[PE
G]ホスホニウム、メチルエチルビス[PEG]ホスホ
ニウム、メチルドデシルビス[PEG]ホスホニウム、
メチルオクタデシルビス[PEG]ホスホニウム等のジ
アルキルビス[PEG]ホスホニウム等のイオンが、複
素芳香環由来のオニウムイオンとしては、ピリジニウ
ム、メチルピリジニウム、ジメチルピリジニウム、キノ
リニウム、イソキノリニウム等のイオンが挙げられる。
【0037】
【化4】
【0038】これらの有機オニウムイオンのうち珪酸塩
層間の疎水化に寄与する炭化水素構造の有効性の点か
ら、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテト
ラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモ
ニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリエ
チルドデシルアンモニウム、トリエチルテトラデシルア
ンモニウム、トリエチルヘキサデシルアンモニウム、ト
リエチルオクタデシルアンモニウム等の炭素数12以上
のアルキル基を1分子中に1つ有する4級アンモニウ
ム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテト
ラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモ
ニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジエチ
ルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルア
ンモニウム、
【0039】ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジ
エチルジオクタデシルアンモニウム等の炭素数12以上
のアルキル基を1分子中に2つ有する4級アンモニウ
ム、トリメチルドデシルホスホニウム、トリメチルヘキ
サデシルホスホニウム、トリメチルオクタデシルホスホ
ニウム、トリブチルドデシルホスホニウム、トリブチル
ヘキサデシルホスホニウム、トリブチルオクタデシルホ
スホニウム等の炭素数12以上のアルキル基を有する4
級ホスホニウム等のイオンが好適に用いられる。中で
も、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチル
オクタデシルアンモニウム等の炭素数16以上のアルキ
ル基を1分子中に1つ有する4級アンモニウム、ジメチ
ルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシ
ルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム
等の炭素数14以上のアルキル基を1分子中に2つ有す
る4級アンモニウム、トリメチルヘキサデシルホスホニ
ウム、トリメチルオクタデシルホスホニウム、トリブチ
ルヘキサデシルホスホニウム、トリブチルオクタデシル
ホスホニウム等の炭素数14以上のアルキル基を有する
4級ホスホニウム等のイオンが本発明の樹脂組成物の靱
性保持と入手容易性の観点から更に好適に用いられ、最
も好適にはトリメチルオクタデシルアンモニウムイオ
ン、ジメチルジヘキサデシルアンモニウムイオン、ジメ
チルジオクタデシルアンモニウムイオン、トリブチルヘ
キサデシルホスホニウムイオン、トリブチルオクタデシ
ルホスホニウムイオンが用いられる。また、樹脂マトリ
ックスがポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳
香族ポリカーボネート樹脂等の縮合系ポリマーの場合、
樹脂マトリックスと有機オニウムイオンとの親和性の点
からジメチルビス[PEG]アンモニウム、メチルドデ
シルビス[PEG]アンモニウム等のジアルキルビス
[PEG]アンモニウムイオン、及びジメチルビス[P
EG]ホスホニウム、メチルドデシルビス[PEG]ホ
スホニウム等のジアルキルビス[PEG]ホスホニウム
イオン等の[PEG]含有有機オニウムイオンも好適に
用いられる。なおこれらの有機オニウムイオンは、単独
でも複数種類の混合物としても使用できる。
【0040】本発明における反応性官能基を有する陽イ
オン交換性層状珪酸塩をホストとし有機オニウムイオン
をゲストとする層間化合物としては、該反応性官能基の
層状珪酸塩への導入反応と、有機オニウムイオンと負の
層格子および交換可能なカチオンを含有する粘土とのイ
オン交換反応の2種の反応を含む工程により製造され
る、層間に該オニウムイオンが挿入(インターカレーシ
ョン)された化合物を意味する。該イオン交換反応は、
例えば特公昭61−5492号公報、特開昭60−42
451号公報等に記載された公知の方法に準じて行うこ
とができ、その好ましい反応条件等は例えば特願平5−
245199号、特願平5−245200号に記載され
た4級アンモニウムイオンの挿入の場合の反応及び精製
方法が適用できる。
【0041】層間化合物中の有機オニウムイオンの量
は、原料の層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対し0.8
〜2.0当量の範囲であれば特に制限はないが、通常の
反応条件では1.0〜1.3当量程度となる。この量が
0.8当量よりも少ないと、マトリックス樹脂への分散
性が低下し、2.0当量より多いと該オニウムイオン由
来の遊離化合物が顕著となり、成形時の熱安定性低下、
発煙、金型汚染、臭気等の原因となる場合がある。層間
化合物の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し
0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部、
より好ましくは0.1〜20重量部である。
【0042】層間化合物の水分量は、特にポリアミド樹
脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート
樹脂のような縮合系樹脂をマトリックス樹脂とする場合
の混合時の加水分解等の望ましくない副反応を低減する
ために、7重量%以下、好ましくは5重量%以下、最も
好ましくは3重量%以下に制御することが望ましい。該
水分量が7重量%を超えると縮合系樹脂の加水分解によ
る分子量低下が顕著となり組成物の靱性が大きく低下す
る場合がある。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、層間化合
物を無機灰分量として通常0.1〜20重量%、靱性保
持と補強効果発現の点から好ましくは0.3〜8重量
%、さらに好ましくは0.3〜5重量%、延性発現の点
で最も好ましくは0.3〜4重量%含む。ここで無機灰
分量とは、熱可塑性樹脂組成物の有機成分を650℃の
電気炉内で完全に焼失せしめた残渣の重量分率のことで
ある。該無機灰分量が0.1重量%未満の場合は機械的
強度や弾性率の向上が顕著でなく、一方20重量%を超
えると靱性低下が大きく、いずれの場合も好ましくな
い。またマスターバッチとしての使用においても、該無
機灰分量が20重量%を超えると希釈混合時の層状珪酸
塩の分散性が悪くなる場合があり好ましくない。なお、
層間化合物を添加する場合は各々単独で用いてもよく併
用してもよい。また、熱可塑性組成物をいわゆるマスタ
ーバッチとして配合して所定の無機灰分量に希釈混合す
ることも可能であり、この場合の該組成物の好適な無機
灰分量は8〜20重量%、マスターバッチ使用の経済性
の点から更に好ましくは10〜20重量%である。
【0044】本発明においては、陽イオン交換能を持つ
層状珪酸塩の層間陽イオンの有機オニウムイオンによる
交換(有機オニウムイオンのインターカレーション)と
いう現象において、有機オニウムイオンの構造制御によ
り層間の疎水性を変化させ、構造が制御された有機オニ
ウムイオンのインターカレーションによる層間引力の低
減と層間距離の増大の相乗効果により、溶融した熱可塑
性樹脂中での機械的剪断力のような簡便な手段でもかな
りの劈開分散が達成される。
【0045】しかも、表面シラノール基が存在する1:
1型層状珪酸塩や−O−Si−O−結合で覆われた構造
の2:1型層状珪酸塩等、一般に層状珪酸塩表面は比較
的親水的であるが、親油性マトリックス樹脂に対して
も、珪酸塩層へのマトリックス樹脂との反応点を導入す
ることにより微分散と界面の接着性の向上が達成され
る。
【0046】マトリックス樹脂との反応性官能基を有す
る試剤を結合した層状珪酸塩に有機オニウムイオンをイ
ンターカレーションした層間化合物は幅広い熱可塑性樹
脂マトリックスに対し極めて優れた劈開分散性を有し、
マトリックス樹脂の靱性を大きく損なうことなく極めて
効率的に強度や剛性を向上させ、射出成形品において等
方的に低い成形収縮率を発現し、しかも溶融粘度の上昇
のない好ましい成形性を与えるものであり、特に透明な
マトリックス樹脂においてはその透明性を良く保持する
ことができる。
【0047】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂及び
層状珪酸塩を含有してなる熱可塑性樹脂組成物であっ
て、該熱可塑性樹脂組成物中の層状珪酸塩の無機灰分量
が0.25〜10重量%である熱可塑性組成物における
透明性は、該熱可塑性樹脂組成物からなる厚さ3mmの
成形品に対する平行可視光線の平行透過率P(%)と無
機灰分量A(重量%)との積が下記式a
【0048】
【数3】P×A≧20・・・・(a) を満たすものである。該平行透過率Pは、3mmの厚み
に成形された組成物の厚み方向に入射した平行可視光線
の強度に対する平行透過光線の強度の百分率で定義され
る。ここで、可視光線とは例えば理化学辞典第3版(岩
波書店)に記載されている様に、波長の下限が3800
〜4000オングストローム、上限が7600〜800
0オングストローム程度の電磁波のことであり、平行透
過光線とは熱可塑性樹脂組成物中で散乱されず厚み方向
に平行なまま透過する光線のことである。
【0049】層状珪酸塩の分散粒径が可視光線の波長よ
りも小さい場合には、入射した可視光線の熱可塑性樹脂
組成物中での散乱は実質的に起こらないと考えられるの
で、該平行透過率Pは層状珪酸塩の分散の程度を規定す
る量である。更に詳しくは、層状珪酸塩の基本構造は、
2:1型層状珪酸塩の場合厚さが約10オングストロー
ム、一辺の長さが通常1000オングストローム程度の
層であり、いずれも可視光線の波長よりも小さいことか
ら、該平行透過率Pは実質的には層の厚さ方向の重なり
の程度、即ち積層した構造の劈開の程度を規定する量と
みなすことができる。
【0050】該平行透過率Pの測定に用いられる試料の
成形方法には特に制限はないが、表面での入射光の散乱
を最小限とするために表面は平滑である必要がある。従
って好ましい成形方法は射出成形、熱プレス成形であ
る。なお、該平行透過率Pの測定は精密に光度を測定で
きる装置によりなされる限り特に制限はないが、例えば
市販の濁度計(ヘーズメーター)が使用できる。
【0051】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂及び
層状珪酸塩を含有してなる熱可塑性樹脂組成物における
層状珪酸塩としては前述した陽イオン交換性層状珪酸塩
の他にタルク、カオリン、雲母等が使用できるが、樹脂
組成物の透明性の点からその基本構造である層の一辺の
長さが平均1200オングストローム以下、好ましくは
1000オングストローム以下、更に好ましくは900
オングストローム以下となる様に粉砕されていることが
樹脂組成物の透明性の点で好ましい。ここで層状珪酸塩
としては、芳香族ポリカーボネートと反応しうる反応性
官能基を有し、反応性官能基が珪素原子を含む共有結合
連鎖を介して層状珪酸塩に結合しているものが好まし
く、また、陽イオン交換性層状珪酸塩であって、陽イオ
ン交換性層状珪酸塩をホストとし、有機オニウムイオン
をゲストとする層間化合物を形成していることが好まし
い。層状珪酸塩を有機オニウムイオンとの層間化合物と
して使用する場合には陽イオン交換容量が70ミリ当量
/100g以上であることが十分な透明性を発現する分
散性の確保の点で望ましい。
【0052】芳香族ポリカーボネートと反応しうる反応
性官能基を有し、反応性官能基が珪素原子を含む共有結
合連鎖を介して層状珪酸塩に結合している層状珪酸塩
は、反応性官能基を有する陽イオン交換性層状珪酸塩の
製造方法と同様の方法で製造される。芳香族ポリカーボ
ネート樹脂及び層状珪酸塩を含有してなる熱可塑性樹脂
組成物は、層状珪酸塩を無機灰分量にして0.25〜1
0重量%、透明性の点から好適には0.25〜5重量
%、更に好適には0.25〜3重量%含むのが望まし
い。この無機灰分量が0.25重量%に満たないと機械
的強度、剛性の向上が十分でなくなる傾向があり、10
重量%を超えると透明性が悪くなる傾向がある。なお、
無機灰分量の定義は前述と同様である。
【0053】なお、層状珪酸塩の含有量、即ち無機灰分
量Aの増加により熱可塑性樹脂組成物中での入射光の散
乱の確率が増加するので、この時平行透過率Pは減少す
るものと考えられる。従って式aは無機灰分量にして
0.25〜10重量%の範囲において、無機灰分量が増
加しても透明性が大きく損なわれないという本発明の芳
香族ポリカーボネート樹脂及び層状珪酸塩を含有してな
る熱可塑性樹脂組成物の特徴を示していると言える。
【0054】本発明において、層間化合物又は層状珪酸
塩と各種熱可塑性樹脂との混合方法には特に制限はない
が、熱可塑性樹脂の溶融状態で機械的剪断下混合するこ
とが肝要であり、この範囲において任意の段階で添加で
きる。例えば、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹
脂、芳香族ポリカーボネート樹脂のような縮合系樹脂の
場合、重合前の樹脂原料に添加し溶融重合進行とともに
撹拌混合する方法、該溶融重合途中ないしは溶融重合後
チップ化前に添加し撹拌混合する方法が可能である。ま
た、一般的に重合終了後の粉体、フレーク、チップ等の
任意の形態の熱可塑性樹脂に添加し押出機等の混練機に
て溶融混合する方法も混合可能である。これらの方法の
中では生産性、簡便性、汎用性から、重合終了後の任意
の形態の熱可塑性樹脂と混練機により混合する方法が好
ましい。中でも、剪断効率の高い二軸押出機の使用が好
ましく、該層間化合物に含まれる水分を効率的に除去で
きるベント付き二軸押出機の使用が最適である。芳香族
ポリカーボネート樹脂及び層状珪酸塩を含有してなる熱
可塑性樹脂組成物における層状珪酸塩の分散方法におい
ては、例えば有機オニウムイオンをインターカレーショ
ンした陽イオン交換能を有する層間化合物として溶融状
態の芳香族ポリカーボネート樹脂と混合する方法が望ま
しく、層状珪酸塩にエポキシ基等の反応性官能基を導入
しておくことが好ましい。
【0055】なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
本発明の目的を損なわない限りにおいて必要に応じ常用
の各種添加成分、例えばガラス繊維、炭素繊維等の無機
繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、雲母等の無機粉
体、各種可塑剤、安定剤、着色剤、難燃剤等を添加でき
る。
【0056】
【実施例】次に、本発明を、実施例および比較例により
更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない
限り以下の実施例の記載に限定されるものではない。 評価項目と測定方法 ・引張試験:ASTM D−638によった。降伏強度
(YSと略記,単位kg/cm2)、弾性率(TMと略記,単
位kg/cm2)、破断伸び(UEと略記,単位%)を測定し
た。 ・表面外観観察:目視評価により射出成形品の表面の平
滑性を比較した。 ・光線透過特性:日本電色工業株製濁度NDH−300
Aにより、3mm厚の射出成形平板のヘーズ(濁度)、
全光線透過率、平行光線透過率を測定した。 ・成形収縮率:1mm厚のフィルムゲートの金型により
平板(2mm厚×80mm角)を射出成形し、流動方向
(MD)とMDと垂直方向(TD)の2方向の寸法を測
定して求めた。 ・溶融流動性:引張試験片射出成形時の最低充填射出圧
(kg/cm2)より評価した。 ・衝撃試験:ASTM D256により、1/8インチ
厚みのノッチ付きIZDO衝撃強度を測定した。 使用した層状珪酸塩 表ー2に使用した市販の層状珪酸塩の名称、鉱物名、種
類、メチレンブルー吸着法により測定した陽イオン交換
容量(CECと略記)、メーカーを記載した。
【0057】
【表2】 表ー2 1)単位:ミリ当量/100g ──────────────────────────────────── 名称 鉱物名 種類 CEC1) メーカー ──────────────────────────────────── クニピアF モンモリロナイト 天然 120 クニミネ工業(株) ME100 膨潤性フッ素雲母 合成 80 コープケミカル(株) ────────────────────────────────────
【0058】官能化試剤と層状珪酸塩の反応 市販の層状珪酸塩を窒素気流下180℃にて一昼夜乾燥
したもの100gを、乾燥窒素置換したボールミル中に
封入した。ここに2.0gの官能化試剤を乾燥アセトン
8mlに溶解した溶液を15分かけて5回に分割して加
え、密封して激しく撹拌混合した。該溶液を全量添加後
さらに20分間撹拌混合を継続し、官能化試剤を反応さ
せた層状珪酸塩を得た。官能化試剤には、反応性官能基
としてエポキシ基を有するものとして3−グリシジルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、アミノ基を有するも
のとして3−アミノプロピルトリエトキシシランを起用
した。得られた粉体に対し、乾燥アセトンを用いて洗液
に官能化試剤が混入しなくなるまで撹拌懸濁洗浄と濾過
操作を繰り返し、80℃にて一昼夜真空乾燥後、セイコ
ー電子(株)製TG−DTA(熱重量分析−示差熱分
析)装置SSC−5200Hにより、窒素気流下毎分4
0℃の速度にて25℃から500℃に昇温した場合の発
生気体に、炭化水素成分、及び特にアミノシラン処理品
の場合には窒素原子が検出されることから該官能化試剤
が層状珪酸塩に共有結合しているものと推定した。更
に、アミノシラン処理品の該洗浄乾燥物をエタノール中
に撹拌懸濁させ、0.01Nの希塩酸で滴定したところ
アミノ基と考えられる変曲点が認められた。
【0059】層間化合物の調製 層状珪酸塩又は官能化試剤を反応させた層状珪酸塩約1
00gを精秤後室温の水10リットルに撹拌分散して、
均質な懸濁液を得た。ここに層状珪酸塩のCECの1.
2倍当量のオニウムイオンの塩酸塩を添加して2時間撹
拌した。精製した沈降性の固体を濾別し、次いで25リ
ットルの脱塩水中で撹拌洗浄後再び濾別した。この洗浄
と濾別の操作を少なくとも3回行い、洗液の硝酸銀試験
で塩化物イオンが検出されなくなるのを確認した。得ら
れた固体は3〜7日の風乾後乳鉢で粉砕し、更に50℃
の温風乾燥を3〜10時間行い再度乳鉢で粉砕した。乾
燥条件はゲストのオニウムイオンの種類により変動する
が、最大粒径が100μm程度となることと、窒素気流
下120℃で1時間保持した場合の熱重量減少で評価し
た残留水分量が2〜3wt%となることを指標とした。
オニウムイオンとしては、ジメチルジオクタデシルアン
モニウム(Me2(C18)2N+ と略記)、トリメチルドデシル
アンモニウム(Me3C12N+と略記)、トリブチルヘキサデ
シルホスホニウム(Bu3C16P+と略記)、12−アミノド
デカン酸アンモニウム(12ADA+と略記)の3種を用い
た。
【0060】使用した熱可塑性樹脂 ナイロン6・・・ノバミッド1020J(三菱化成
(株)製、1g/dl濃度の濃硫酸溶液の25℃での相対粘
度ηrel =3.5) ナイロン66・・ザイテルFE3421(デュポン
(株)製、1g/dl濃度の濃硫酸溶液の25℃での相対粘
度ηrel =3.0) 芳香族非晶ナイロン(APAと略記)・・・ノバミッド
X21(三菱化成(株)製、1g/dl濃度の濃硫酸溶液の
25℃での相対粘度ηrel =2.0 なるイソフタル酸、テレ
フタル酸、ヘキサメチレンジアミンからなるポリアミド
樹脂) ポリブチレンテレフタレート(PBTと略記)・・・・
・ノバドウール5020(三菱化成(株)製、1g/dl濃
度のフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン
(重量比1:1)混合溶液の30℃での極限粘度[η]
=1.2(dl/g)、但しハギンズ定数は0.33とした。)
【0061】ポリフェニレンスルフィド(PPSと略
記)・・・・・ライトンE0780(東レ・フィリップ
ス(株)製、GPCによる重量平均分子量Mw =223,00
0 ) ポリフェニレンエーテル(PPEと略記)・・・・・G
EMポリマー(株)製PPE(0.6g/dl濃度のクロロホ
ルム溶液の25℃での極限粘度[η]=0.47(dl/g)、但し
ハギンズ定数は0.30とした。) エチレン−ブテン共重合体(EBRと略記)・・・AS
TM D1238規格による190℃、2.16kg/cm2
荷重におけるメルトインデックスが4.0、密度が0.
88のものを使用した。 無水マレイン酸をグラフトしたEBR(MEBRと略
記)・・・上記EBRに無水マレイン酸をグラフトした
ものを用いた。無水マレイン酸のグラフト量は0.45重量
%、上記メルトインデックスは1.9、密度は0.89であっ
た。 芳香族ポリカーボネート(PCと略記)・・・ノバレッ
クス7025PJ(三菱化成(株)製、GPCによる重
量平均分子量Mw =45,000)
【0062】〔実施例1〜3及び6〜7〕表ー4に示す
官能化試剤を反応させ有機オニウムイオンをインターカ
レーションした層間化合物(表ー4に層状珪酸塩の名
称、オニウムイオン種、及び官能化試剤の反応性官能基
を記した)とナイロン6とを、東芝機械株製の二軸押出
機TEM35Bによりバレル温度設定280℃、スクリ
ュ回転数150rpmの条件でベントを使用しながら溶
融混練しチップ化した。得られたチップは120℃での
真空乾燥(一昼夜)後、日本製鋼所株製の射出成形機J
28SAにより、バレル温度280℃、金型表面実測温
度85℃、射出/冷却=10/10秒、射出速度最大の
条件で成形し、引張試験片、曲げ試験片、3mm厚平板
をそれぞれ得た。無機灰分量は、成形片約1.5gを精
秤し、650℃の電気炉内で完全に有機物を焼失せしめ
た残渣の重量分率を採用し、表ー4に灰分量として記し
た。
【0063】〔実施例4〜5〕表ー4に示した官能化試
剤を反応させ12−アミノドデカン酸アンモニウムイオ
ンをインターカレーションした層間化合物を、ε−カプ
ロラクタム/6−アミノカプロン酸=9/1(重量比)
の混合物に対し混合した。次いで、反応器に仕込み窒素
置換後100℃に昇温融解し撹拌を30分行い層間化合
物を分散させた。その後250℃に昇温し大気圧で2時
間反応後、50Torrまで減圧して重合を完了した。
減圧時間は延べ2時間であった。生成した組成物は剪断
速度の低い状態では非常に溶融粘度が高く、反応器から
の通常の抜き出し作業が困難であった。こうして得た組
成物の粉砕物を熱水抽出し水溶性成分を除去後、真空乾
燥(120℃、16時間)して射出成形に供し実施例1
と同様の評価を行った。また、m−クレゾール/クロロ
ホルム=3/7(重量比)の混合溶媒を展開液とした4
0℃のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(カラ
ム:東ソー株製PL−gel10μm MIXED)に
よれば、ナイロン6成分の数平均重合度は200であっ
た。
【0064】〔実施例8〜16〕実施例1同様の実験を
表ー4に示した各種熱可塑性樹脂について行った。但
し、混練温度、成形条件は下記の表ー3の通りである
(射出速度は最大とした)。また、PPEとMEBRの
系は、ヘーズと全光線透過率も測定した。
【0065】
【表3】 表ー3 ──────────────────────────────────── 成形条件 樹脂 混練温度(℃) 金型表面 射出/冷却 バレル温度(℃)実測温度(℃) (秒) ──────────────────────────────────── ナイロン66 280 280 85 10/10 APA 270 260 95 20/20 PBT 260 250 88 10/10 PPS 310 300 137 20/30 PPE 310 315 102 15/15 MEBR 200 200 30 15/15 ────────────────────────────────────
【0066】〔比較例1〕ナイロン6のみを実施例1と
同様溶融押出し、同様の評価を行った。 〔比較例2〕実施例1において、官能化試剤によるクニ
ピアFの処理を行わない他は、実施例1と同様に行っ
た。
【0067】〔比較例3〕実施例4において、官能化試
剤による層状珪酸塩の処理を行わない他は、実施例4と
同様に行った。ナイロン6成分の数平均重合度は200
であった。 〔比較例4〕実施例1において、有機オニウムイオンの
インターカレーションを行わない他は、実施例1と同様
に行った。
【0068】〔比較例5〕実施例7において、官能化試
剤によるME100の処理を行わない他は、実施例7と
同様に行った。 〔比較例6,8,10,13,15,17〕実施例8,
9,10,12,14,16において、層間化合物を用
いず、熱可塑性樹脂のみをそれぞれ同様に溶融押出し、
同様の評価を行った。
【0069】〔比較例7,9,11,12,14,1
6、18〕実施例8,9,10,11,12,14,1
6において、官能化試剤による層状珪酸塩の処理を行わ
ない他はそれぞれ同様に行った。
【0070】〔比較例19〕実施例16において、ME
BRの代わりに無水マレイン酸をグラフトしていないE
BRを使用し同様の実験を行った。実施例1〜16の評
価結果は表ー4に、また比較例1〜19の評価結果は表
5に示した。
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】〔実施例17〜21〕反応性官能基として
エポキシ基を導入したクニピアFにMe2(C18)2N+ をイン
ターカレーションした層間化合物を、東芝機械株製の二
軸押出機TEM35Bによりバレル温度設定290℃、
スクリュ回転数150rpmの条件でベントを使用しな
がらPCと溶融混練しチップ化した。得られたチップは
120℃で真空乾燥(一昼夜)後、日本製鋼所株製の射
出成形機J28SAにより、バレル温度280℃、金型
表面実測温度98℃、射出/冷却=15/15秒、射出
速度最大の条件で成形し、引張試験片、曲げ試験片、3
mm厚平板をそれぞれ得た。無機灰分量は、実施例1と
同様に求めた。
【0074】〔比較例20〜22〕実施例17〜21に
おいて、エポキシシランによるクニピアFの処理を行わ
ない以外はそれぞれ実施例17〜21と同様に行った。 〔比較例23〕実施例18において、Me2(C18)2N+のイ
ンターカレーションを行わない以外は実施例18と同様
に行った。
【0075】〔比較例24〕実施例18において、層間
化合物の代わりに未処理のクニピアFを用いる以外は実
施例18と同様に行った。 〔比較例25〕PCのみを実施例17と同様溶融押出
し、同様の評価を行った。実施例17〜21及び比較例
20〜25の評価結果は表ー6に示した。また、実施例
18、比較例21、及び比較例25については、GPC
による重量平均分子量、引張試験片射出成形の際の最低
充填射出圧、及び成形収縮率を測定し、これらの結果を
表ー7に示した。
【0076】
【表6】
【0077】
【表7】
【0078】〔実施例22〕実施例1と同様の溶融混練
を、無機灰分量20wt%を目標に行った。こうして得
たチップを120℃で真空乾燥(一昼夜)後、成形品の
無機灰分量が2wt%となる様、乾燥したナイロン6の
チップと混合(ドライブレンド)し、実施例1と同様の
成形及び評価を行った。
【0079】〔比較例26〕実施例22において、エポ
キシシランによるクニピアFの処理を行わずに同様の実
験を行った。実施例22と比較例26の評価結果は表ー
8に示した。
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】表ー4及び表ー5より、マトリックス樹脂
と反応性のある官能基を結合した層状珪酸塩に有機オニ
ウムイオンをインターカレーションした層間化合物を用
いると、官能基を結合しない場合に比べ、樹脂組成物の
強度や剛性と靱性とのバランスが改良され、成形体に透
明性のある場合、その透明性が良く保持されることもわ
かる。また表ー7より、本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、溶融流動性、及び成形収縮率が改善され、優れた成
形性を有することもわかる。更に、表ー8の様に無機灰
分量の大きい本発明の熱可塑性樹脂組成物は、層状珪酸
塩のマスターバッチとしても優れることがわかる。
【0083】また表ー7より、芳香族ポリカーボネート
をマトリックス樹脂とする本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、例えば何の処理も施さない無機粉体を添加する汎用
的な手法(比較例24)やシランカップリング剤により
マトリックス樹脂との濡れ性を改良する従来技術(比較
例23)に比べ、同等の無機灰分量でもはるかに優れた
透明性を有することがわかる。更に、芳香族ポリカーボ
ネートをマトリックス樹脂とする本発明の熱可塑性樹脂
組成物は、優れた耐衝撃性を有することが表ー9よりわ
かる。
【0084】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、強度や
剛性に優れ、靱性を損なわず、かつ比重の増加が少な
く、良好な成形表面性や溶融流動性、低い成形収縮率の
ような優れた成形性を有する。また、特に芳香族ポリカ
ーボネート樹脂に代表される透明な熱可塑性樹脂をマト
リックスとした場合、優れた透明性を維持する。本発明
の熱可塑性樹脂組成物は、溶融混練機のような汎用的な
設備で幅広い熱可塑性樹脂マトリックスにおいて容易に
製造可能であり、低比重、良好な表面外観と溶融流動
性、高強度、高剛性、高靱性、低成形収縮率、ガスバリ
ヤー性、良好な透明性等の特徴を生かして、様々な機械
部品、自動車部品、電気電子部品、シート、フィルム、
包材等に応用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−228762(JP,A) 特開 平7−166036(JP,A) 特開 平7−70357(JP,A) 特開 平4−33955(JP,A) 特開 平3−62846(JP,A) 特開 平2−305828(JP,A) 特開 平3−7729(JP,A) 特開 平2−102261(JP,A) 特開 平5−194851(JP,A) 特開 昭62−74957(JP,A) 特開 昭63−230766(JP,A) 特開 昭64−11157(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素原子を含む共有結合連鎖を介して層
    状珪酸塩に結合している反応性官能基を有する陽イオン
    交換性層状珪酸塩をホストとし有機オニウムイオンをゲ
    ストとする層間化合物と、該反応性官能基と反応しう
    、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリフ
    ェニレンエーテル樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂、及
    び芳香族ポリカーボネート樹脂からなる群から選択され
    たいずれかの熱可塑性樹脂とを含有し、該層間化合物を
    無機灰分量として0.1〜20重量%含むことを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 珪素原子を含む共有結合連鎖を介して層
    状珪酸塩に結合している反応性官能基を有する陽イオン
    交換性層状珪酸塩をホストとし有機オニウムイオンをゲ
    ストとする層間化合物と、該反応性官能基と反応しう
    、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリフ
    ェニレンエーテル樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂、及
    び芳香族ポリカーボネート樹脂からなる群から選択され
    たいずれかの熱可塑性樹脂とを含有し、該層間化合物
    を、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜50重
    量部含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 反応性官能基が、反応性官能基を有する
    アルコキシ−珪素結合を有する化合物と、層状珪酸塩に
    含まれるシラノール基との反応に由来するものであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 反応性官能基がアミノ基又はエポキシ基
    であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 芳香族ポリカーボネート樹脂及び層状珪
    酸塩を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、該層状珪
    酸塩が、芳香族ポリカーボネートと反応しうるものであ
    り珪素原子を含む共有結合連鎖を介して層状珪酸塩に結
    合している反応性官能基を有する陽イオン交換性層状珪
    酸塩をホストとし有機オニウムイオンをゲストとする層
    間化合物であり、該熱可塑性樹脂組成物中の無機灰分量
    が0.25〜10重量%であり、該熱可塑性樹脂組成物
    からなる厚さ3mmの成形品に対する平行可視光線の平
    行透過率P(%)と無機灰分量A(重量%)との積が下
    記式aを満たすことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 【数1】P×A≧20・・・・(a)
  6. 【請求項6】 芳香族ポリカーボネートと反応しうる反
    応性官能基が、エポキシ基であることを特徴とする請求
    に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないしのいずれかに記載の熱
    可塑性樹脂組成物の各成分を配合し、溶融混合してなる
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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