JP3264782B2 - 回転体の加減速制御装置 - Google Patents

回転体の加減速制御装置

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JP3264782B2
JP3264782B2 JP32631194A JP32631194A JP3264782B2 JP 3264782 B2 JP3264782 B2 JP 3264782B2 JP 32631194 A JP32631194 A JP 32631194A JP 32631194 A JP32631194 A JP 32631194A JP 3264782 B2 JP3264782 B2 JP 3264782B2
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隆則 米田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体の加減速制御装
置に関し、例えばカム等の回転体を回転させながらその
外周面を加工する場合において、回転体を加減速制御し
ながら回転させるための加減速制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図10に示すように、例えば研削盤にお
いては、回転体としてのカムWaを備えたカムシャフト
Wが、図示しない主軸に取り付けられる。そして、同じ
く図示しないモータにより主軸が回転されたとき、その
主軸とともにカムWaが一方向へ回転されるようになっ
ている。この主軸用モータは数値制御装置(以下、NC
装置という)から与えられる速度指令に基づきその回転
速度を制御され、カムWaを指令速度で回転させる。
【0003】砥石11は前記カムシャフトWの軸線と直
交する方向へ進退移動可能に設けられ、カムWaの外周
面の被研削面Wbに接触された状態で一方向へ回転され
る。このとき、カムWaが前記NC装置からの指令速度
で回転されるとともに、カムWaの被研削面Wbの形状
に沿うように砥石11が進退移動されることにより、カ
ムWaの被研削面Wbが全周に亘って研削される。
【0004】上記研削時、カムWaを単に一定速度で回
転させると、その被研削面Wbの研削状態が均一となら
ないことが従来より知られている。即ち、例えば図10
(a),(b)に示すように、カムWaの被研削面Wb
が砥石11に対して位置Paにおいて接触している状態
から、カムWaが所定角度θa回転されたとする。この
場合には、砥石11に対するカムWaの被研削面Wbの
接触位置が、カムWaの回転角度θaにほぼ対応して位
置Paから位置Pbまで変化する。
【0005】これに対して、図10(b),(c)に示
すように、カムWaの被研削面Wbが砥石11に対して
位置Pbにおいて接触している状態から、カムWaが前
記の回転角度θaより小さい所定角度θb回転されたと
する。この場合には、カムWaの回転角度θbが回転角
度θaに比べて小さいにもかかわらず、砥石11に対す
るカムWaの被研削面Wbの接触位置が、位置Paから
位置Pbまでに比べて位置Pbから位置Pcまで大きく
変化する。
【0006】つまり、カムWaの被研削面Wbのうち、
基礎円の半径rより突出した部分である位置Pbから位
置Pcまでの部分においては、それ以外の部分と比較し
て、カムWaの回転角度が小さいにもかかわらず、砥石
11に対する被研削面Wbの接触位置が大きく変化す
る。従って、カムWaを単に一定速度で回転させながら
研削を行うと、カムWaの被研削面Wbの位置Pbから
位置Pcまでの部分においては、それ以外の部分と比較
して、砥石11に対する通過速度が速くなり、充分な研
削を行い得ない。
【0007】加えて、図10(c)に示すように、前記
位置Pbから位置Pcまでの部分の研削を行う場合に
は、砥石11を同図に鎖線で示す位置から実線で示す位
置にまで大きく進退移動させる必要がある。しかし、カ
ムWaの回転速度が速いと、図示しない砥石台を含めた
重量物と同時に砥石11をカムWaの形状に沿って急速
に進退移動させることが困難になるため、位置Pbから
位置Pcまでの部分の研削については、カムWaの回転
速度をそれほど速くすることができない。
【0008】上記のような理由から、従来の研削盤で
は、NC装置が例えば図11に示すようなカムWaの速
度パターンのデータに基づき、カムWaを回転させる主
軸用モータに対して速度指令を与えて、カムWaの回転
角度に対応してその回転速度を制御するようにしてい
る。同図に示すように、このデータはカムWaの回転角
度と回転速度との関係を設定したものである。尚、図9
及び図11に示すように、カムWaの回転角度は、カム
Waの被研削面Wbが砥石11に対して位置P0におい
て接触している状態をθ0として設定してある。そし
て、砥石11に対するカムWaの被研削面Wbの接触位
置がP0〜P8〜(P0)となったときのカムWaの回
転角度がそれぞれθ0〜θ8〜(θ0)として設定され
ている。
【0009】そして、この速度パターンのデータによれ
ば、カムWaが角度θ0から角度θ1まで回転されて、
砥石11に対するカムWaの被研削面Wbの接触位置が
位置P0から位置P1まで変化する間は、カムWaがv
0という高速度で定速回転される。続いて、カムWaが
角度θ1から角度θ2まで回転されて、砥石11に対す
る接触位置が位置P1から位置P2まで変化する間は、
カムWaが回転角度の変化に比例して速度v0から速度
v3まで直線的に減速される。その後、カムWaが角度
θ2から角度θ3まで回転されて、砥石11に対する接
触位置が位置P2から位置P3まで変化する間は、カム
Waがv3という低速度で定速回転される。次に、カム
Waが角度θ3から角度θ4まで回転されて、砥石11
に対する接触位置が位置P3から位置P4まで変化する
間は、カムWaが回転角度の変化に比例して速度v3か
ら速度v0まで直線的に加速される。
【0010】以後同様にして、この速度パターンのデー
タに基づき、カムWaは回転角度に応じてその回転速度
が加減速制御される。その結果、カムWaの被研削面W
bの基礎円から突出した部分においても、砥石11が充
分に接触される。加えて、この基礎円から突出した部分
の研削を行う場合でも、砥石11をカムWaの形状に沿
って確実に進退移動させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の図11に示
すような速度パターンのデータにおいては、カムWaの
回転角度の変化に比例して、その回転速度が直線的に変
化するように設定されている。ところが、本願発明者等
の解析の結果、このような速度パターンのデータに基づ
いてカムWaの加減速制御を行った場合には、時間の経
過に対するカムWaの回転速度の変化が図12に示すよ
うになることが判明した。同図より明らかなように、カ
ムWaの回転速度は減速が開始された直後ほど急激に低
下し、その低下は時間の経過に従って緩やかになる。
又、カムWaの回転速度は、加速が開始された直後ほど
緩やかに上昇し、その上昇は時間の経過に従って急激に
なる。
【0012】その結果、図12に示すように、カムWa
が定速状態から減速状態に移行する時点S1、及び加速
状態から定速状態に移行する時点S2においては、カム
Waの回転速度が急激に変化して、その回転がスムーズ
に行われなくなる。このため、回転速度の急激な変化時
において、カムWaを回転させるための主軸やモータ等
の回転機構に大きな負担が加わるとともに、カムWaの
被研削面Wbと砥石11との接触部位に大きなショック
が加えられて、その接触部位における研削精度が低下す
るという問題があった。
【0013】又、その逆に、図12に示すように、カム
Waが減速状態から定速状態に移行する直前S3、及び
定速状態から加速状態に移行した直後S4においては、
カムWaの回転速度が非常に緩やかに変化する。このた
め、減速時においては、カムWaが目標とする低速度に
まで達する時間が長くなるとともに、加速時において
は、カムWaが加速されるまでの時間が長くなる。従っ
て、結果的にカムWaの加減速に要する時間が必要以上
に長くなって、加工時間が無駄に長くなるという問題も
あった。
【0014】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、回転体を回転角度に対
応してスムーズに加減速制御することができ、その回転
速度の変化時において回転体やそれを回転させるための
機構等に加えられるショックを軽減することができると
ともに、加減速に要する時間を短縮することができる回
転体の加減速制御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、回転体の回転角度に対応し
て回転速度を設定した速度パターンのデータに基づい
て、回転体をその回転角度に対応して加減速制御しなが
ら回転させる制御手段を備えた回転体の加減速制御装置
において、前記制御手段は、回転体の加減速制御時、そ
の回転体が時間の経過に比例して直線的に加減速される
ように、回転角度に対する回転速度を設定するととも
に、速度パターンのデータにおいて、回転体の回転速度
が高速に設定された領域ほど、回転角度の変化に対して
回転速度が緩やかに変化されるように、かつ回転体の回
転速度が低速に設定された領域ほど、回転角度の変化に
対して回転速度が急激に変化されるように、回転角度と
回転速度との関係を設定するものである。
【0016】
【0017】請求項の発明では、前記制御手段は、時
間の経過に比例して回転体の回転速度が直線的に加減速
される状態を示す数式に基づいて、回転角度に対応する
回転速度を算出するものである。
【0018】請求項の発明では、回転体の回転角度の
値と、その回転角度に対応する回転速度の値とを入力す
るための入力手段を備え、前記制御手段は、その入力値
に基づき、回転角度に対応した回転速度を算出して速度
パターンのデータを作成するものである。
【0019】請求項の発明では、前記入力手段により
入力される値は、回転体の加減速時における加速度の
値、回転体の減速終了時及び加速開始時における回転角
度の値、及び回転体の加減速開始時の回転速度の値であ
り、前記制御手段は、その入力値に基づいて、回転体の
加減速時における速度パターンを設定するものである。
【0020】
【作用】従って、請求項1及び請求項の発明によれ
ば、回転体が時間の経過に比例して直線的に加減速され
るように、速度パターンにおける回転角度に対応する回
転速度が設定される。また、回転体の回転速度が高速に
設定された領域ほど、単位時間当たりの回転角度の変化
が速くなるので、速度パターンのデータにおいては、そ
の分回転角度の変化に対して回転速度が緩やかに変化さ
れるように、回転角度と回転速度との関係が設定され
る。これに対して、回転体の回転速度が低速に設定され
た領域ほど、単位時間当たりの回転角度の変化が遅くな
るので、速度パターンのデータにおいては、その分回転
角度の変化に対して回転速度が急激に変化されるよう
に、回転角度と回転速度との関係が設定される。このた
め、回転体が定速状態から加減速状態或いは加減速状態
から定速状態にスムーズに移行され、その回転速度の変
化時におけるショックが軽減されるとともに、加減速に
要する時間が極力短縮される。
【0021】
【0022】請求項の発明によれば、入力手段によ
り、回転体の回転角度の値と、その回転角度に対応する
回転速度の値とが入力される。すると、その入力値に基
づき、制御手段により、回転角度に対応した回転速度が
算出されて、速度パターンのデータが作成される。この
ため、回転体を入力値に対応した速度パターンのデータ
に基づいて加減速制御できる。
【0023】請求項の発明によれば、入力手段によ
り、回転体の加減速時における加速度の値、回転体の減
速終了時及び加速開始時における回転角度の値、及び回
転体の加減速開始時の回転速度の値が入力される。する
と、その入力値に基づき、制御手段により、回転体の加
減速時における速度パターンが設定される。
【0024】
【実施例】以下、本発明を研削盤に具体化した一実施例
を図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すよう
に、ワーク支持台1は基台2の一側上面に図示しない移
動機構により水平方向(Z方向)へ移動可能に支持され
ている。主軸台3はワーク支持台1の上面に配設され、
ワーク(本実施例ではカムシャフト)Wの一端を着脱可
能に支持するための主軸4及びその主軸4を回転させる
ためのサーボモータよりなる主軸用モータ5を備えてい
る。又、カムシャフトW上には回転体としての複数のカ
ムWaが軸線方向へ所定の間隔をおいて設けられ、これ
らカムWaの外周面が被研削面Wbとなっている。
【0025】ホルダ6は主軸4と所定間隔をおいて対向
するようにワーク支持台1の上面に配設され、前記カム
シャフトWが主軸4とこのホルダ6との間においてZ方
向へ延びるように回転可能にかつ着脱可能に支持され
る。そして、カムシャフトWは、この支持状態で主軸用
モータ5の駆動に伴い一方向へ回転される。エンコーダ
7は主軸用モータ5に取り付けられ、同モータ5の回転
角度を検出して、検出信号を出力する。
【0026】砥石台8は前記基台2上にカムシャフトW
の軸線と直交する水平方向(X方向)へ移動可能に支持
されている。サーボモータよりなる移動用モータ9は基
台2の側部に取り付けられ、この移動用モータ9により
ボールスクリュー10が回転されて、砥石台8がカムシ
ャフトWと接近又は離間する方向へ移動される。砥石1
1は、カムシャフトWと対向するように砥石台8の一端
に支軸12により回転可能に支持されている。砥石用モ
ータ13は砥石台8上に配設され、この砥石用モータ1
3によりプーリ14,15及びベルト16を介して砥石
11が一方向へ回転される。
【0027】入力手段としての操作パネル部17は支持
アーム18を介して基台2に垂直軸線の周りで回動可能
に支持され、その前面はタッチパネル17aとなってい
る。そして、操作者は、このタッチパネル17a上の表
示を見ながら、同パネル17a上に、カムWaの回転制
御に必要なデータ(後述する)を直接入力できるように
なっている。
【0028】制御手段としてのNC装置19は装置全体
の動作を制御するためのものであって、前記タッチパネ
ル17a上に入力されたデータに基づいて、図3に示す
ようなカムWaの速度パターンのデータを作成する。そ
して、NC装置19は、この作成した速度パターンのデ
ータ及びエンコーダ7から入力される検出信号に基づい
て、前記主軸用モータ5をカムWaの回転角度に対応し
て加減速制御する。又、NC装置19は、前記移動用モ
ータ9及び砥石用モータ13を回転制御するとともに、
ワーク支持台1のZ方向への移動制御も行う。
【0029】次に、前記NC装置19で作成される図3
に示す速度パターンのデータについて説明する。同図に
示すように、このデータは、前記従来と同じく、カムW
aの回転角度と回転速度との関係を設定したものであ
り、図9にも示すように、本実施例においても、カムW
aの被研削面Wbが砥石11に対して位置P0において
接触している状態を、カムWaの回転角度θ0として設
定してある。そして、砥石11に対するカムWaの被研
削面Wbの接触位置がP0〜P8〜(P0)となったと
きのカムWaの回転角度がそれぞれθ0〜θ8〜(θ
0)となっている。
【0030】先ず、この速度パターンのデータが作成さ
れるのに先立って、タッチパネル17a上に必要なデー
タの入力が行われる。この入力されるデータとしては、
カムWaの加減速時における加速度の値K(単位時間当
たりの速度の変化量)、カムWaの減速終了時における
回転角度θ2,θ6の値、カムWaの加速開始時におけ
る回転角度θ3,θ7の値、カムWaの高速回転時にお
ける回転速度v0の値、カムWaの低速回転時における
回転速度v3の値がある。そして、操作者は、タッチパ
ネル17a上の表示を見ながら、同パネル17a上にこ
れらの値を入力する。尚、入力される加速度の値Kは、
主軸4を回転させる際の負荷に対して、主軸用モータ5
がトルクを加減速領域の全域に亘って最大限に発揮で
き、しかも主軸用モータ5が過負荷にならない値に設定
される。
【0031】そして、タッチパネル17a上への入力が
なされると、NC装置19は、入力値に基づき、カムW
aの加減速時において、そのカムWaが時間の経過に比
例して直線的に加減速されるように、即ち加速度が一定
となるように、速度パターンにおける回転角度と回転速
度との関係を設定して、図3に示すような速度パターン
のデータを作成する。
【0032】ここで、その図3に示す速度パターンのデ
ータの作成方法について詳述する。先ず、図5(a)に
示すグラフは、時間tの経過に比例してカムWaの回転
速度vが直線的に減速される状態を示すものであり、カ
ムWaがこのような減速状態となるように、速度パター
ンにおける回転角度と回転速度との関係を設定すればよ
い。そこで、図5(a)において、カムWaの減速時に
おける加速度をK、時間t=0のときのカムWaの回転
速度vをAとした場合、時間tの経過に対するカムWa
の回転速度vの変化は、次式(1)で表すことができ
る。
【0033】
【数1】
【0034】又、カムWaの回転角度θは速度vを時間
tで積分することにより求められるので、
【0035】
【数2】
【0036】ここで、t=0のときθ=0とし、これら
の値を上記式(2)に代入するとC=0となるので、そ
の式(2)より、
【0037】
【数3】
【0038】が得られる。即ち、この式(3)は、時間
tの経過に対するカムWaの回転角度θの変化を表すも
のであり、これをグラフ化すると図5(b)に示すよう
な曲線となる。
【0039】又、カムWaの回転角度θの変化に対する
カムWaの回転速度vの変化は、上記式(1),(3)
より
【0040】
【数4】
【0041】と表すことができる。そして、この得られ
た式(4)をグラフ化すると図5(c)に示すような曲
線となる。同図に示すように、カムWaの回転速度v
は、カムWaの回転角度θが0の近傍すなわち減速開始
直後ほど緩やかに低下し、その低下はカムWaの回転角
度θの進行に従って急激になる。
【0042】次に、図6(a)に示すグラフは、時間t
の経過に比例してカムWaの回転速度vが直線的に加速
される状態を示すものであり、カムWaがこのような加
速状態となるように、速度パターンにおける回転角度と
回転速度との関係を設定すればよい。そこで、図6
(a)において、カムWaの加速時における加速度を
K、時間t=0のときのカムWaの回転速度vを0とし
た場合、時間tの経過に対するカムWaの回転速度vの
変化は、次式(5)で表すことができる。
【0043】
【数5】
【0044】又、カムWaの回転角度θは速度vを時間
tで積分することにより求められるので、
【0045】
【数6】
【0046】ここで、時間t=0のとき角度θ=0と
し、これらの値を上記式(6)に代入するとC=0とな
るので、その式(6)より、
【0047】
【数7】
【0048】が得られる。即ち、この式(7)は、時間
tの経過に対するカムWaの回転角度θの変化を表すも
のであり、これをグラフ化すると図6(b)に示すよう
な曲線となる。
【0049】又、カムWaの回転角度θの変化に対する
カムWaの回転速度vの変化は、上記式(5),(7)
より
【0050】
【数8】
【0051】と表すことができる。そして、この得られ
た式(8)をグラフ化すると図6(c)に示すような曲
線となる。同図に示すように、カムWaの回転速度v
は、カムWaの回転角度θが0の近傍すなわち加速開始
直後ほど急激に上昇し、その上昇はカムWaの回転角度
θの進行に従って緩やかになる。
【0052】従って、本実施例において、NC装置19
は、図3に示すような速度パターンのデータを作成する
にあたり、カムWaが速度v0の状態からそれぞれ角度
θ2,θ6において速度v3まで減速回転されるときの
減速制御曲線を、減速時におけるカムWaの回転角度θ
とカムWaの回転速度vとの関係を示す前記式(4)の
v=√(A2 −2Kθ)に基づいて設定する。又、NC
装置19は、カムWaがそれぞれ角度θ3,θ7におい
て速度v3の状態から速度v0まで加速回転されるとき
の加速制御曲線を、加速時におけるカムWaの回転角度
θとカムWaの回転速度vとの関係を示す前記式(8)
のv=√(2Kθ)に基づいて設定する。
【0053】尚、これらの式(4),(8)において、
Aは減速開始前のカムWaの回転速度の値v0、Kは加
速度、θはカムWaの回転角度である。又、本実施例に
おいて、カムWaの減速開始時における回転角度θ1,
θ5の値、及びカムWaの加速終了時における回転角度
θ4,θ8の値は、NC装置19が前記のような加減速
制御曲線を設定するのに伴い自動的に設定される。
【0054】そして、このように設定された速度パター
ンのデータにおいては、図3より明らかなように、カム
Waの回転速度が高速に設定された領域であるカムWa
の減速開始時や加速終了時ほど、回転角度の変化に対し
て回転速度が緩やかに変化されるような設定となってい
る。又、カムWaの回転速度が低速に設定された領域で
あるカムWaの減速終了時や加速開始時ほど、回転角度
の変化に対して回転速度が急激に変化されるような設定
となっている。
【0055】次に、前記のように構成された研削盤の作
用を説明する。さて、この研削盤を使用して、カムWa
の被研削面Wbの研削を行う場合には、先ず操作パネル
部17のタッチパネル17a上に、カムWaの回転制御
に必要なデータの入力が行われる。すると、その入力デ
ータに基づいて、NC装置19により、図3に示すよう
なカムWaの速度パターンのデータが作成される。
【0056】次に、研削加工においては、カムシャフト
Wが主軸4とホルダ6との間に支持された状態でワーク
支持台1がZ方向へ移動され、カムシャフトW上の所定
のカムWaが砥石11と対向配置される。すると、移動
用モータ9により砥石台8がカムWaに接近する方向へ
移動されて、砥石11がカムWaの被研削面Wbに接触
され、この状態で砥石用モータ13が作動されて砥石1
1が一方向へ回転される。続いて、主軸用モータ5が作
動されてカムWaが一方向へ回転されるとともに、カム
Waの被研削面Wbの形状に沿うように、移動用モータ
9により砥石11が進退移動される。これにより、カム
Waの被研削面Wbが全周に亘って研削される。
【0057】このとき、NC装置19は、前記作成した
速度パターンのデータ及びエンコーダ7から入力される
検出信号に基づいて、前記主軸用モータ5をカムWaの
回転角度に対応して加減速制御する。そして、本実施例
において、この加減速制御時には、時間の経過に対する
カムWaの回転角度の変化が図4に示すような状態にな
る。同図に示すように、本実施例では、カムWaの加減
速時において、そのカムWaが時間の経過に比例して直
線的に加減速される。
【0058】このため、前記従来とは異なり、カムWa
が定速状態から減速状態に移行する時点、及び加速状態
から定速状態に移行する時点において、カムWaの回転
速度が急激に変化することがなく、その回転速度の変化
がスムーズに行われる。従って、本実施例では、その回
転速度の変化時において、カムWaを回転させるための
主軸4やモータ5等の回転機構に大きな負担が加わるこ
とがないとともに、カムWaの被研削面Wbと砥石11
との接触部位に大きなショックが加えられということも
なく、その接触部位における研削精度の低下のおそれが
ない。
【0059】しかも、従来とは異なり、減速時におい
て、カムWaが目標とする低速度にまで時間の経過に比
例して直線的に短時間で達するとともに、加速時におい
て、カムWaが最初から一定の加速度Kで加速される。
従って、結果的にカムWaの加減速に要する時間を極力
短縮することができて、加工時間の短縮化を図ることが
可能となる。
【0060】又、本実施例では、タッチパネル17a上
にカムWaの回転制御に必要なデータの入力を行うこと
により、その入力データに応じた速度パターンのデータ
を作成することができる。従って、形状等の異なる各種
のカムWaをそれぞれ任意の速度パターンのデータに基
づいて加減速制御することができる。
【0061】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、各部の構成を例えば以下のように変更して具
体化してもよい。 (1)加工対象となるカムWaの形状等の違いに応じ
て、複数の回転速度の値を入力することにより、例えば
図7に示すような速度パターンのデータを作成するよう
にすること。即ち、タッチパネル17a上に入力するデ
ータのうち、カムWaの高速回転時における回転速度の
値として、v0に加えてそれよりも低速のv1の値を入
力するとともに、カムWaの低速回転時における回転速
度の値として、v3に加えてそれよりも高速のv2の値
を入力する。このようにすれば、図7に示すように、前
記の実施例と比較して、カムWaが角度θ4から角度θ
5までは速度v1で定速回転されるとともに、角度θ6
から角度θ7までは速度v2で定速回転されるような速
度パターンが作成される。尚、この場合も、前記の実施
例と同様に、カムWaの加減速時において、そのカムW
aが時間の経過に比例して直線的に加減速されるよう
に、速度パターンにおける回転角度と回転速度との関係
が設定されるのは勿論である。その結果、この速度パタ
ーンのデータに基づいてカムWaの回転制御を行った場
合にも、図8に示すように、時間の経過に対するカムW
aの回転速度の変化が直線的になる。
【0062】(2)図4に鎖線で示すように、カムWa
が定速状態から加減速状態に移行するとき、及び加減速
状態から定速状態に移行するときに、時間経過に対する
カムWaの速度変化がより滑らかな曲線になるように、
速度パターンにおけるカムWaの回転角度と回転速度と
の関係を設定すること。このようにすれば、カムWaの
回転速度の変化がよりスムーズとなる。
【0063】(3)本発明を研削盤以外に、旋盤におけ
る工具割り出し装置の回転制御等、各種の回転体の回転
制御を行う場合において具体化すること。この場合、回
転体の形状等の違いに応じて、タッチパネル17a上に
入力するデータを変更すれば、その対象とする回転体に
応じた速度パターンのデータを作成することができる。
【0064】上記実施例から把握できる技術的思想につ
いて以下に述べる。 (1)請求項1において、回転体はカムであり、砥石を
カムの回転軸線と直交する方向へ進退移動可能に設け、
その砥石をカムの外周面に接触させた状態で、カムをモ
ータにより回転させるとともに、そのカムの外周面の形
状に沿うように砥石を進退移送させて、カムの外周面を
研削するようにした研削盤。
【0065】この研削盤においては、カムの回転速度の
変化時において、モータ等の回転機構に大きな負担が加
わることがないとともに、研削精度の低下のおそれがな
い。又、加工時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、次
のような優れた効果を奏する。請求項1及び請求項2
発明によれば、回転体を回転角度に対応してスムーズに
加減速制御することができ、その回転速度の変化時にお
いて回転体やそれを回転させるための機構等に加えられ
るショックを軽減することができるとともに、加減速に
要する時間を短縮することができる。
【0067】請求項3,4の発明によれば、回転体を任
意の速度パターンのデータに基づいて加減速制御でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を研削盤に具体化した一実施例を示す
一部破断側面図。
【図2】 研削盤の平面図。
【図3】 一実施例における速度パターンのデータを示
す説明図。
【図4】 時間の経過に対するカムの回転角度の変化を
示す説明図。
【図5】 (a)は減速時における時間−速度グラフ、
(b)は減速時における時間−角度グラフ、(c)は減
速時における角度−速度グラフ。
【図6】 (a)は加速時における時間−速度グラフ、
(b)は加速時における時間−角度グラフ、(c)は加
速時における角度−速度グラフ。
【図7】 別例における速度パターンのデータを示す説
明図。
【図8】 時間の経過に対するカムの回転角度の変化を
示す説明図。
【図9】 砥石に対するカムの接触位置を説明するため
の部分拡大図。
【図10】 砥石に対するカムの接触状態をそれぞれ示
す部分拡大図。
【図11】 従来における速度パターンのデータを示す
説明図。
【図12】 時間の経過に対するカムの回転角度の変化
を示す説明図。
【符号の説明】
4…主軸、5…主軸用モータ、7…エンコーダ、17…
入力手段としての操作パネル部、17a…タッチパネ
ル、19…制御手段としてのNC装置、W…カムシャフ
ト、Wa…回転体としてのカム。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 19/18 - 19/46 B23Q 15/00 - 15/28 G05D 3/00 - 3/12 G05D 13/62 B23B 1/00 - 25/06 G05B 19/00 - 19/02 G05B 19/06 - 19/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体の回転角度に対応して回転速度を
    設定した速度パターンのデータに基づいて、回転体をそ
    の回転角度に対応して加減速制御しながら回転させる制
    御手段を備えた回転体の加減速制御装置において、 前記制御手段は、回転体の加減速制御時、その回転体が
    時間の経過に比例して直線的に加減速されるように、回
    転角度に対する回転速度を設定するとともに、速度パタ
    ーンのデータにおいて、回転体の回転速度が高速に設定
    された領域ほど、回転角度の変化に対して回転速度が緩
    やかに変化されるように、かつ回転体の回転速度が低速
    に設定された領域ほど、回転角度の変化に対して回転速
    度が急激に変化されるように、回転角度と回転速度との
    関係を設定する回転体の加減速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、時間の経過に比例して
    回転体の回転速度が直線的に加減速される状態を示す数
    式に基づいて、回転角度に対応する回転速度を算出する
    請求項1に記載の回転体の加減速制御装置。
  3. 【請求項3】 回転体の回転角度の値と、その回転角度
    に対応する回転速度の値とを入力するための入力手段を
    備え、前記制御手段は、その入力値に基づき、回転角度
    に対応した回転速度を算出して速度パターンのデータを
    作成する請求項1又は2に記載の回転体の加減速制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記入力手段により入力される値は、回
    転体の加減速時における加速度の値、回転体の減速終了
    時及び加速開始時における回転角度の値、及び回転体の
    加減速開始時の回転速度の値であり、前記制御手段は、
    その入力値に基づいて、回転体の加減速時における速度
    パターンを設定する請求項3に記載の回転体の加減速制
    御装置。
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