JPH05261602A

JPH05261602A - Ｎｃ旋盤用歯車転造装置

Info

Publication number: JPH05261602A
Application number: JP9366992A
Authority: JP
Inventors: Makoto Miura; 誠三浦
Original assignee: Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 1992-03-19
Filing date: 1992-03-19
Publication date: 1993-10-12

Abstract

(57)【要約】【目的】旋削加工から歯形の転造加工までを一台の加
工機で、歯車と軸部との同軸度を高めた軸付き歯車を転
造でき、また、無人稼働を可能とする。【構成】ＮＣ旋盤のワーク主軸Ａに対称で、かつ円周
等分割に２つ以上の歯車転造用工具１を設ける。ワーク
主軸Ａの回転に対し、歯車転造用工具１に相対的な回転
を与える回転駆動部２を設ける。歯車転造用工具１をワ
ーク３の半径方向に所定量を移動する押しつけ駆動部４
を設ける。そして、ワーク主軸Ａの回転角を検知し、回
転駆動部に所定の相対角転角を与える制御部５を設け
る。【効果】歯車転造用工具１は、ワーク３を両側から半
径方向へ押しつつ転造するので、ワーク３がたわまな
い。ワーク３の自由端の保持手段が不要になり、ワーク
の長さの変化に伴う段取りが替がなくなり、無人化が可
能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、歯車の創成を行なうＮ
Ｃ旋盤用歯車転造装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】高精度、長尺の軸付き小径平歯車（以
下、歯車という）をワークをつかみ変えることなく、旋
削、歯切り、バリ取り等の数工程に亘っていた加工を１
台の装置に集約して加工するのに、従来は、特開昭５６
−５６３３７号公報に記載されるように、スイス型（主
軸移動型）自動旋盤を用い、主軸と付加されたホブ軸の
同期回転制御（ギヤトレイン式、ＮＣ制御等）を行い、
ホブ切削機能をもたせて行なっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
において、ワークの軸部と歯車の同軸度を高精度にしよ
うとすると、加工中のたわみを抑えるためにワークの自
由端の保持装置が必要となっていた。そのため、加工す
るワーク長が変化すると段取り替えが発生し煩雑であ
り、さらには無人稼働に対応できない等の問題点があっ
た。本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされた
もので、旋削から歯車加工まで一台の加工機で、無人稼
働に対応できるＮＣ旋盤用歯車転造装置を提供すること
を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のＮＣ旋盤用歯車転造装置は、図１の概念図
で示すように、ＮＣ旋盤のワーク主軸Ａに対称で、かつ
円周等分割に配置した２つ以上の歯車転造用工具１と、
上記ワーク主軸Ａの回転に対し、上記歯車転造用工具１
に相対的な転がり運動を与える回転駆動部２と、上記歯
車転造用工具１をワーク３の半径方向に所定量押しつけ
る押しつけ駆動部４と、上記ワーク主軸Ａの回転角を検
知し、上記回転駆動部２に所定の相対回転角を与える制
御部５とから構成することとした。

【０００５】

【作用】上記の構成によれば、通常の旋削加工の他に、
ワーク主軸Ａに取り付けたワーク３に歯車転造用工具１
を図２に示す状態から図３に示すように押しつけるとと
もに、両者に転がり運動を行なわせて、歯車転造用工具
１の歯形１ａに応じた歯形をワーク３に付けて歯車を作
る。この時、ワーク主軸Ａと歯車転造用工具１は、数値
制御の演算により同期して相対的に回転運動を行なうと
ともに、押しつけ駆動部４により歯形１ａがワーク３へ
次第に押しこまれる。これにより、ワーク主軸Ａに関し
て対称に歯車転造用工具１が押圧され、ワーク３にたわ
みが生じないため、転造される歯車は旋削加工による軸
部に対し高精度の同転度が得られるとともに、ワーク３
の自由端を支えるセンタ等の保持装置が不必要となり、
ワーク３の長さの変化に伴う段取り変えがなく、無人化
に対応できる。

【０００６】

【実施例１】図４は、本発明の実施例１のＮＣ旋盤用歯
車転造装置（以下、転造装置という）を概略的に示す斜
視図、図５は、転造装置を一部断面にして示す一部の右
側面図、図６は、歯車転造用工具の回転駆動系を示す転
造装置の正面図、図７は、転造装置の一部を示す右側面
図、図８は、歯車転造用工具の移動駆動系を示す転造装
置の正面図である。

【０００７】まず、転造装置１０の旋盤に対する位置関
係について図４及び図５を用いて説明する。転造装置１
０は、２つの歯車転造工具（以下、転造工具という）１
１ａ，１１ｂ，２本のアーム１２ａ，１２ｂ，ベース１
３及びベース駆動部１４等から構成されている。転造工
具１１ａ，１１ｂは、それぞれアーム１２ａ，１２ｂの
先端でワーク１５の軸（主軸）１５ａに関して対称に上
下方向に配置されている。転造工具１１ａ，１１ｂの間
には、ワーク１５に対して接離自在な切削工具（バイト
等）１６が、転造工具１１ａ，１１ｂと干渉せず、かつ
転造工具１１ａ，１１ｂを結ぶ線と直交して設けられて
いる。また、ワーク１５の転造部分の近傍には、他の部
位に干渉しないようにエアーノズル１７が、そのノズル
先端をワーク１５に向けて設けられている。ワーク１２
ａ，１２ｂは、ベース１３により上下方向に移動自在に
保持されている。なお、ワーク１５は、図５に示すよう
に、ガイドブッシュ１８により摺動及び回転自在に保持
されている。さらに、主軸１５ａは図示を省略したサー
ボモータとＮＣ制御装置により回転角度、速度を数値制
御（ＮＣ制御）されつつ駆動されるようになっている。

【０００８】次に、転造工具１１ａ，１１ｂの回転駆動
系について図６及び図７を用いて説明する。転造工具１
１ａ，１１ｂはアーム１２ａ，１２ｂにそれぞれ回転自
在に保持されている。転造工具１１ａ，１１ｂには、そ
れぞれエンコーダ１９ａ，１９ｂを有するサーボモータ
２０ａ，２０ｂが同軸上で連結されている。サーボモー
タ２０ａ，２０ｂは、それぞれアーム１２ａ，１２ｂ上
に固定されている。エンコーダ１９ａ，１９ｂ及びサー
ボモータ２０ａ，２０ｂには、主軸１５ａと転造工具１
１ａ，１１ｂを回期回転するための制御部２１が接続さ
れている。

【０００９】次に、転造工具１１ａ，１１ｂの移動駆動
系について、図８を用いて説明する。上記ベース１３上
には、上記制御部２１により回転制御される押しつけ駆
動モータ２２に接続したボールネジ２３が、上記アーム
１２ａ，１２ｂと直交するように設けられている。ボー
ルネジ２３は、ピッチ及びねじれ角が同一で、長手方向
の中央部においてねじれ方向が逆になるネジ部２３ａ，
２３ｂを有する特殊ネジになっている。ネジ部２３ａ，
２３ｂには、それぞれナット２４ａ，２４ｂが螺着され
ている。ナット２４ａ，２４ｂは、それぞれアーム１２
ａ，１２ｂ上に固着され、ボールネジ２３の回転により
アーム１２ａ，１２ｂを介して転造工具１１ａ，１１ｂ
が互いに接近または離反するようになっている。ベース
１３は、アーム１２ａ，１２ｂと平行に旋盤上に軌設さ
れたレール２５上にスライド自在に取り付けられ、ベー
ス１３の側部に連結したエアーシリンダ２６により、図
９で示す待避位置２７ａと転造位置２７ｂとの間を転造
工具１１ａ，１１ｂが移動されるようになっている。プ
ログラミング上では、加工する歯車の歯数、モジュー
ル、転移量を設定すると、制御部２１の演算装置内で、
主軸１５ａと転造工具１１ａ，１１ｂとを同期回転させ
るための回転比率および転造工具１１ａ，１１ｂの押し
込み量を演算処理し、制御部２１からの転造指令により
動作を行なうように固定プログラムを組む。

【００１０】次に、本実施例の転造装置１０の作用を説
明する。まず、創成する歯車のモジュール、ねじれ角に
応じて転造工具１１ａ，１１ｂを選択してアーム１２
ａ，１２ｂに取り付ける。次に、加工プログラムを起動
し、切削工具１６によりワーク１５の軸部加工及び歯切
り部の前加工を行なう。この時、転造装置１０は、切削
油、切粉等がかからないように図９で示す待避位置２７
ａで待機している。旋削加工が終了した後、ワーク１５
を回転させながらエアーノズル１７から高圧エアーを噴
出させ、ワーク１５に付着している切削油、切粉を除去
する（図１０参照）。そして、その後、エアーシリンダ
２６を作動し、レール２５上で転造装置１０を図９の破
線で示す転造位置２７ｂまで移動する。

【００１１】次に、転造工具１１ａ，１１ｂの回転を行
なう。この時、制御部２１の転造工具回転指令により、
サーボモータ２０ａ，２０ｂは、所定の割り出し角度位
置に位置決めされ同一角速度で回転を行なう。そして、
転造工具１１ａ，１１ｂの回転の、主軸１５ａに対する
同期回転の制御は、エンコーダ１９ａ，１９ｂで検出さ
れたサーボモータ２０ａ，２０ｂの実際の回転数を制御
部２１にフィードバックして行なう。このようにして、
主軸１５ａと回期回転が得られた転造工具１１ａ，１１
ｂを回転させながら、押しつけ駆動モータ２２によりボ
ールネジ２３を回転させ、アーム１２，１２ｂを互いに
ワーク軸１５ａに向かって同量ずつボールネジ２３に案
内させて平行に近づける。そして、アーム１２ａ，１２
ｂに保持された転造工具１１ａ，１１ｂは、主軸１５と
同期回転しながらワーク１５に接触し、押し込み所定量
深さまで押し込まれて所望の歯形を創成する。その後、
押しつけ駆動モータ２２を逆回転させ、アーム１２，１
２ｂをワーク１５から遠ざける。アーム１２ａ，１２ｂ
の後退が完了した時点でサーボモータ２０ａ，２０ｂの
回転を停止するとともに、エアーシリンダ２６を作動し
て転造装置１０を待避位置２７ａ（図９参照）に戻す。

【００１２】転造加工が終了した後、図示を省略した突
切バイトによりワーク１２を切り放す。なお、必要によ
っては、突切りを行なう前に転造により膨らんだ端面の
加工等を行なう。あるいは、２段目以降の歯車転造を行
なう。

【００１３】図１１は、本実施例の変形例を示す要部の
正面図である。変形例では、転造工具１１ａ，１１ｂ，
１１ｃと３個を設けて構成してある。この場合、構成の
変更点は、各転造工具１１ａ，１１ｂ，１１ｃの押しつ
け駆動がワーク１５の半径方向に向い、押しつけ駆動モ
ータ２２、ボールネジ２３がそれぞれ独立して設けられ
る。さらに、押しつけ駆動モータ２２は、それぞれ回転
数が同じで、各転造工具１１ａ，１１ｂ，１１ｃが同じ
位置で位置決めされるように制御される。このように、
転造工具１１ａ，１１ｂ，１１ｃを増すことにより、芯
精度が高まり、また加工スピードが早くなる。なお、上
記実施例では、ベース１３の駆動にエアーシリンダ２６
を用いた場合について示したが、これに限定されず、例
えば、モータ駆動のチェーン等を用いて実施することが
できる。

【００１４】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ＮＣ旋
盤上で任意の歯車の転造加工が可能となり、旋削から歯
車加工まで一台の加工機で行なえる。そして、２つ以上
の転造工具により、ワーク軸へ対称に加工応力が働くた
め、歯車加工の芯精度が高くなるとともに、ワーク加工
中の自由端の保持装置が必要なく装置の構成が簡略化さ
れ、ワーク長変更に伴う段取り変えの発生がなく無人稼
働に対応でき、またボブ切りより生産性の高い加工が行
なえる。さらに、転造加工によるもう一つの重要な効果
として、歯車歯面が転造の際の加工硬化により耐磨耗性
がアップし長寿命の高性能の歯車が高周波焼き入れなど
の別工程を踏まず容易に得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の概念図である。

【図２】歯車転造前の状態を示す説明図である。

【図３】歯車転造時の状態を示す説明図である。

【図４】本発明の実施例１を概略的に示す斜視図であ
る。

【図５】一部を破断にして示す転造装置の一部右側面図
である。

【図６】本発明の実施例１の回転駆動系を示す正面図で
ある。

【図７】本発明の実施例１の回転駆動系の一部を示す右
側面図である。

【図８】本発明の実施例１の移動駆動系を示す正面図で
ある。

【図９】ワークの旋削時を示す正面図である。

【図１０】ワークの洗浄時を示す正面図である。

【図１１】本発明の実施例１の変形例を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

１歯車転造工具２回転駆動部３ワーク４押しつけ駆動部５制御部Ａワーク主軸

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ＮＣ旋盤のワーク主軸に対称で、かつ円
周等分割に配置した２つ以上の歯車転造用工具と、上記
ワーク主軸の回転に対し、上記歯車転造用工具に相対的
な転がり運動を与える回転駆動部と、上記歯車転造用工
具をワークの半径方向に所定量押しつける押しつけ駆動
部と、上記ワーク主軸の回転角を検知し、上記回転駆動
部に所定の相対回転角を与える制御部とからなることを
特徴とするＮＣ旋盤用歯車転造装置。