JP3263990B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は誘電体磁器組成物に関
し、特に鉛を主成分とし、たとえば積層磁器コンデンサ
の誘電体材料に用いられる、誘電体磁器組成物に関す
る。
し、特に鉛を主成分とし、たとえば積層磁器コンデンサ
の誘電体材料に用いられる、誘電体磁器組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、高誘電率磁器コンデンサの誘
電体材料として、BaTiO3 を主体としこれにCaT
iO3 ,BaSnO3 ,CaZrO3 ,SrTiO3 な
どを添加した磁器組成物が使用されてきた。これらの磁
器組成物からなる磁器は、室温での誘電率が2000〜
15000と高い。しかしながら、これらの磁器組成物
は、その焼成温度がいずれも1300℃〜1400℃と
高い欠点を有していた。そのため、それらの磁器組成物
は、焼成コストが高くつく。さらに、それらの磁器組成
物を積層磁器コンデンサに用いる場合には、それらの磁
器組成物からなるセラミックグリーンシート上に電極材
料を予め形成したものが複数重ねてから焼成されるの
で、電極材料としては、1300℃以上の高温で溶融し
たり酸化したり誘電体と反応したりすることのない、た
とえば白金やパラジウムなどの高融点の貴金属類を用い
なければならなかった。
電体材料として、BaTiO3 を主体としこれにCaT
iO3 ,BaSnO3 ,CaZrO3 ,SrTiO3 な
どを添加した磁器組成物が使用されてきた。これらの磁
器組成物からなる磁器は、室温での誘電率が2000〜
15000と高い。しかしながら、これらの磁器組成物
は、その焼成温度がいずれも1300℃〜1400℃と
高い欠点を有していた。そのため、それらの磁器組成物
は、焼成コストが高くつく。さらに、それらの磁器組成
物を積層磁器コンデンサに用いる場合には、それらの磁
器組成物からなるセラミックグリーンシート上に電極材
料を予め形成したものが複数重ねてから焼成されるの
で、電極材料としては、1300℃以上の高温で溶融し
たり酸化したり誘電体と反応したりすることのない、た
とえば白金やパラジウムなどの高融点の貴金属類を用い
なければならなかった。
【0003】上述の欠点を解決するために、低温で焼成
が可能な鉛系複合ペロブスカイト誘電体磁器組成物の研
究がなされている。鉛系複合ペロブスカイト誘電体磁器
組成物においては、焼成温度が1050℃以下で比誘電
率が10000以上になる磁器組成物が、既に知られて
いる。また、鉛系複合ペロブスカイト誘電体磁器組成物
に過剰の鉛を加えると、高誘電率が得られ、直流バイア
ス特性が向上することが知られている。
が可能な鉛系複合ペロブスカイト誘電体磁器組成物の研
究がなされている。鉛系複合ペロブスカイト誘電体磁器
組成物においては、焼成温度が1050℃以下で比誘電
率が10000以上になる磁器組成物が、既に知られて
いる。また、鉛系複合ペロブスカイト誘電体磁器組成物
に過剰の鉛を加えると、高誘電率が得られ、直流バイア
ス特性が向上することが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の鉛を主成分とした磁器組成物は、それを積層磁器コン
デンサに用いた場合、機械的強度が小さく、割れたり欠
けたりクラックが発生したりしやすいという不都合を有
する。特に、鉛を過剰に加えた磁器組成物では、機械的
強度がさらに小さくなる。
の鉛を主成分とした磁器組成物は、それを積層磁器コン
デンサに用いた場合、機械的強度が小さく、割れたり欠
けたりクラックが発生したりしやすいという不都合を有
する。特に、鉛を過剰に加えた磁器組成物では、機械的
強度がさらに小さくなる。
【0005】それゆえに、この発明の主たる目的は、低
温で焼成することができ、誘電率が大きくしかも機械的
強度に優れた誘電体磁器組成物を提供することである。
温で焼成することができ、誘電率が大きくしかも機械的
強度に優れた誘電体磁器組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、Pb(Mg
1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 を50モル%以上含
有した鉛系複合ペロブスカイト誘電体磁器組成物におい
て、一般式A(By B′1-y )O3 で表したときに、A
がPbであり、BおよびB′が同じまたは異なる2価、
4価〜6価の金属であり、(By B′1-y )が4価であ
り、A/Bの値が0.99〜1.00である組成物に、
一般式aLi 2 O−bRO−cB2 O3−(100−a
−b−c)Al2 O3 (ただし、RはMg,Ca,Sr
およびBaの中から選ばれる少なくとも一種類、a,b
およびcはモル%)で示され、a,bおよびcがそれぞ
れ、0<a<50、5≦b≦80、0<c<50、a+
b+c<100の範囲にある副成分を0.05〜0.5
重量%含有した、誘電体磁器組成物である。
1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 を50モル%以上含
有した鉛系複合ペロブスカイト誘電体磁器組成物におい
て、一般式A(By B′1-y )O3 で表したときに、A
がPbであり、BおよびB′が同じまたは異なる2価、
4価〜6価の金属であり、(By B′1-y )が4価であ
り、A/Bの値が0.99〜1.00である組成物に、
一般式aLi 2 O−bRO−cB2 O3−(100−a
−b−c)Al2 O3 (ただし、RはMg,Ca,Sr
およびBaの中から選ばれる少なくとも一種類、a,b
およびcはモル%)で示され、a,bおよびcがそれぞ
れ、0<a<50、5≦b≦80、0<c<50、a+
b+c<100の範囲にある副成分を0.05〜0.5
重量%含有した、誘電体磁器組成物である。
【0007】
【発明の効果】この発明によれば、900℃〜1100
℃以下の低温で焼成することができ、誘電率が1000
0以上と大きく、誘電損失が2.5%以下でしかも抗折
強度が高く、静電容量の温度変化率が−25℃〜+85
℃の温度範囲でJIS規格のE特性をみたす誘電体磁器
組成物が得られる。
℃以下の低温で焼成することができ、誘電率が1000
0以上と大きく、誘電損失が2.5%以下でしかも抗折
強度が高く、静電容量の温度変化率が−25℃〜+85
℃の温度範囲でJIS規格のE特性をみたす誘電体磁器
組成物が得られる。
【0008】したがって、この発明にかかる誘電体磁器
組成物を用いれば、積層磁器コンデンサの電極材料とし
て、比較的安価な銀合金を用いることができる。しか
も、この発明にかかる誘電体磁器組成物を用いれば、機
械的強度に優れた積層磁器コンデンサが得られる。
組成物を用いれば、積層磁器コンデンサの電極材料とし
て、比較的安価な銀合金を用いることができる。しか
も、この発明にかかる誘電体磁器組成物を用いれば、機
械的強度に優れた積層磁器コンデンサが得られる。
【0009】また、この発明にかかる誘電体磁器組成物
を用いれば、絶縁抵抗値が高く、耐湿試験後のCR積の
劣化が小さく、信頼性に優れた磁器コンデンサが得られ
る。
を用いれば、絶縁抵抗値が高く、耐湿試験後のCR積の
劣化が小さく、信頼性に優れた磁器コンデンサが得られ
る。
【0010】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0011】
実施例1 出発原料として工業用のPbO,MgO,Nb2 O5 ,
TiO2 およびZnOを用い、表1に示す組成比の磁器
組成物が最終的に得られるように各原料を秤量した。な
お、表1中、A/Bは、Pbと、Ti,(Mg1/3 Nb
2/3 )および(Zn1/3 Nb2/3 )との比の値である。
また、表1中、*を付したものは、この発明の比較例で
あり、この発明の範囲外である。
TiO2 およびZnOを用い、表1に示す組成比の磁器
組成物が最終的に得られるように各原料を秤量した。な
お、表1中、A/Bは、Pbと、Ti,(Mg1/3 Nb
2/3 )および(Zn1/3 Nb2/3 )との比の値である。
また、表1中、*を付したものは、この発明の比較例で
あり、この発明の範囲外である。
【0012】
【表1】
【0013】各秤量原料を100gとし、混合した後、
700℃で2時間仮焼し、ボールミルで粉砕し、誘電体
粉末を得た。また、副成分として、表1の組成となるよ
うに、Li2 CO3 ,MgCO3 ,CaCO3 ,SrC
O3 ,BaCO3 ,B2 O3およびAl2 O3 を調合し
た。これらの調合物をアルミナ製のるつぼに入れて、1
200℃の温度で1時間放置し、急冷しガラス化して、
固形物を得た。この固形物を200メッシュの篩を通過
するように粉砕して、副成分の粉末を得た。次に、表1
に示す割合となるように、誘電体粉末に副成分の粉末を
添加し、再度ボールミルで湿式混合した後、水分を蒸発
させて、磁器原料粉末を得た。
700℃で2時間仮焼し、ボールミルで粉砕し、誘電体
粉末を得た。また、副成分として、表1の組成となるよ
うに、Li2 CO3 ,MgCO3 ,CaCO3 ,SrC
O3 ,BaCO3 ,B2 O3およびAl2 O3 を調合し
た。これらの調合物をアルミナ製のるつぼに入れて、1
200℃の温度で1時間放置し、急冷しガラス化して、
固形物を得た。この固形物を200メッシュの篩を通過
するように粉砕して、副成分の粉末を得た。次に、表1
に示す割合となるように、誘電体粉末に副成分の粉末を
添加し、再度ボールミルで湿式混合した後、水分を蒸発
させて、磁器原料粉末を得た。
【0014】上記の磁器原料粉末にポリビニルブチラー
ル系バインダーおよびエタノールなどの有機溶媒を加え
てからボールミルで湿式混合して、セラミックスラリー
を調製した。その後、セラミックスラリーをドクターブ
レード法によってシート状に成形して、厚み20μmの
矩形のセラミックグリーンシートを得た。次に、得られ
たセラミックグリーンシート上に銀を主成分とする導電
ペーストを印刷して、内部電極を構成するための導電ペ
ースト層を形成した。
ル系バインダーおよびエタノールなどの有機溶媒を加え
てからボールミルで湿式混合して、セラミックスラリー
を調製した。その後、セラミックスラリーをドクターブ
レード法によってシート状に成形して、厚み20μmの
矩形のセラミックグリーンシートを得た。次に、得られ
たセラミックグリーンシート上に銀を主成分とする導電
ペーストを印刷して、内部電極を構成するための導電ペ
ースト層を形成した。
【0015】そして、導電ペースト層が形成されたセラ
ミックグリーンシートを複数枚積層して、積層体を得
た。
ミックグリーンシートを複数枚積層して、積層体を得
た。
【0016】それから、得られた積層体を、空気中で表
2に示す温度で2時間焼成して、磁器焼結体を得た。な
お、表2中、*を付したものは、この発明の比較例であ
り、この発明の範囲外である。
2に示す温度で2時間焼成して、磁器焼結体を得た。な
お、表2中、*を付したものは、この発明の比較例であ
り、この発明の範囲外である。
【0017】
【表2】
【0018】得られた磁器焼結体の両端面に、それぞ
れ、銀からなる電極材料を塗布して空気中で750℃の
温度で焼き付け、内部電極に電気的に接続された外部電
極を形成して、試料となる積層磁器コンデンサを得た。
れ、銀からなる電極材料を塗布して空気中で750℃の
温度で焼き付け、内部電極に電気的に接続された外部電
極を形成して、試料となる積層磁器コンデンサを得た。
【0019】試料となる積層磁器コンデンサ外径寸法
は、幅が1.6mmで、長さが3.2mmで、厚みが
1.2mmであり、内部電極間の誘電体磁器層の厚みが
13μmであった。また、有効な誘電体磁器層の総数は
10層であり、1層あたりの有効な対向電極面積は2.
1mm2 であった。
は、幅が1.6mmで、長さが3.2mmで、厚みが
1.2mmであり、内部電極間の誘電体磁器層の厚みが
13μmであった。また、有効な誘電体磁器層の総数は
10層であり、1層あたりの有効な対向電極面積は2.
1mm2 であった。
【0020】これらの試料について、外部電極間に自動
ブリッジ式測定器で1kHz、1Vrmsの電圧を印加
して、20℃における静電容量Cおよび誘電損失tan
δを測定した。そして、静電容量Cなどから誘電率εを
求めた。
ブリッジ式測定器で1kHz、1Vrmsの電圧を印加
して、20℃における静電容量Cおよび誘電損失tan
δを測定した。そして、静電容量Cなどから誘電率εを
求めた。
【0021】さらに、これらの試料について、−25℃
および+85℃における静電容量をそれぞれ測定し、2
0℃における静電容量Cを基準とした−25℃および+
85℃における静電容量の変化率TCC(%)をそれぞ
れ求めた。
および+85℃における静電容量をそれぞれ測定し、2
0℃における静電容量Cを基準とした−25℃および+
85℃における静電容量の変化率TCC(%)をそれぞ
れ求めた。
【0022】次に、これらの試料について、絶縁抵抗計
を用いて外部電極間に16Vの電圧を2分間印加して、
20℃における絶縁抵抗Rを測定した。そして、後述の
耐湿試験前における静電容量Cと絶縁抵抗Rとの積、す
なわちCR積を求めた。
を用いて外部電極間に16Vの電圧を2分間印加して、
20℃における絶縁抵抗Rを測定した。そして、後述の
耐湿試験前における静電容量Cと絶縁抵抗Rとの積、す
なわちCR積を求めた。
【0023】さらに、これらの試料について、温度80
℃、湿度95%の雰囲気中で1000時間の耐湿試験を
行ってから、耐湿試験後における静電容量Cおよび絶縁
抵抗Rを測定し、耐湿試験後におけるCR積を求めた。
℃、湿度95%の雰囲気中で1000時間の耐湿試験を
行ってから、耐湿試験後における静電容量Cおよび絶縁
抵抗Rを測定し、耐湿試験後におけるCR積を求めた。
【0024】また、これらの試料について、抗折強度を
図1に示す抗折強度測定装置10を用いて測定した。図
1において、12は試料である被試験積層磁器コンデン
サであり、14は試料保持台である。試料保持台14上
に置かれた積層磁器コンデンサ12は、加圧ピン16に
よって加圧される。そして、加圧された圧力が、置き針
付きテンションゲージ18によって表示される。この測
定に際して、試料保持台14の治具の間隔は2mmとし
た。
図1に示す抗折強度測定装置10を用いて測定した。図
1において、12は試料である被試験積層磁器コンデン
サであり、14は試料保持台である。試料保持台14上
に置かれた積層磁器コンデンサ12は、加圧ピン16に
よって加圧される。そして、加圧された圧力が、置き針
付きテンションゲージ18によって表示される。この測
定に際して、試料保持台14の治具の間隔は2mmとし
た。
【0025】以上の結果を表2に示す。
【0026】実施例2 純度99.9%以上のPbO,NiO,Nb2 O5 ,T
iO2 ,ZnO,WO3 およびMgOを出発原料とし、
表3に示す組成比の磁器組成物が最終的に得られるよう
に各原料を秤量した。なお、表3中、A/Bは、Pb
と、Ti,(Mg1/3 Nb2/3 ),(Ni1/3 N
b2/3 )および(Zn1/2 W1/2 )との比の値である。
また、表3中、*を付したものは、この発明の比較例で
あり、この発明の範囲外である。
iO2 ,ZnO,WO3 およびMgOを出発原料とし、
表3に示す組成比の磁器組成物が最終的に得られるよう
に各原料を秤量した。なお、表3中、A/Bは、Pb
と、Ti,(Mg1/3 Nb2/3 ),(Ni1/3 N
b2/3 )および(Zn1/2 W1/2 )との比の値である。
また、表3中、*を付したものは、この発明の比較例で
あり、この発明の範囲外である。
【0027】
【表3】
【0028】各秤量原料を100gとし、混合した後、
750℃で2時間仮焼し、ボールミルで粉砕し、誘電体
粉末を得た。次に、表3に示す割合となるように、誘電
体粉末に実施例1に示した副成分の粉末を添加し、再度
ボールミルで湿式混合した後、水分を蒸発させて、磁器
原料粉末を得た。
750℃で2時間仮焼し、ボールミルで粉砕し、誘電体
粉末を得た。次に、表3に示す割合となるように、誘電
体粉末に実施例1に示した副成分の粉末を添加し、再度
ボールミルで湿式混合した後、水分を蒸発させて、磁器
原料粉末を得た。
【0029】上記の磁器原料粉末にポリビニルブチラー
ル系バインダーおよびエタノールなどの有機溶媒を加え
てからボールミルで湿式混合して、セラミックスラリー
を調製した。その後、セラミックスラリーをドクターブ
レード法によってシート状に成形して、厚み20μmの
矩形のセラミックグリーンシートを得た。次に、得られ
たセラミックグリーンシート上に銀を主成分とする導電
ペーストを印刷して、内部電極を構成するための導電ペ
ースト層を形成した。
ル系バインダーおよびエタノールなどの有機溶媒を加え
てからボールミルで湿式混合して、セラミックスラリー
を調製した。その後、セラミックスラリーをドクターブ
レード法によってシート状に成形して、厚み20μmの
矩形のセラミックグリーンシートを得た。次に、得られ
たセラミックグリーンシート上に銀を主成分とする導電
ペーストを印刷して、内部電極を構成するための導電ペ
ースト層を形成した。
【0030】そして、導電ペースト層が形成されたセラ
ミックグリーンシートを複数枚積層して、積層体を得
た。
ミックグリーンシートを複数枚積層して、積層体を得
た。
【0031】それから、得られた積層体を、空気中で表
4に示す温度で2時間焼成して、磁器焼結体を得た。な
お、表4中、*を付したものは、この発明の比較例であ
り、この発明の範囲外である。
4に示す温度で2時間焼成して、磁器焼結体を得た。な
お、表4中、*を付したものは、この発明の比較例であ
り、この発明の範囲外である。
【0032】
【表4】
【0033】得られた磁器焼結体の両端面に、それぞ
れ、銀からなる電極材料を塗布して空気中で750℃の
温度で焼き付け、内部電極に電気的に接続された外部電
極を形成して、試料となる積層磁器コンデンサを得た。
れ、銀からなる電極材料を塗布して空気中で750℃の
温度で焼き付け、内部電極に電気的に接続された外部電
極を形成して、試料となる積層磁器コンデンサを得た。
【0034】試料となる積層磁器コンデンサ外径寸法
は、幅が1.6mmで、長さが3.2mmで、厚みが
1.2mmであり、内部電極間の誘電体磁器層の厚みが
13μmであった。また、有効な誘電体磁器層の総数は
10層であり、1層あたりの有効な対向電極面積は2.
1mm2 であった。
は、幅が1.6mmで、長さが3.2mmで、厚みが
1.2mmであり、内部電極間の誘電体磁器層の厚みが
13μmであった。また、有効な誘電体磁器層の総数は
10層であり、1層あたりの有効な対向電極面積は2.
1mm2 であった。
【0035】これらの試料について、実施例1と同様に
して、誘電率ε、誘電損失tanδ、20℃における静
電容量を基準とした−25℃および+85℃における静
電容量の変化率TCC、耐湿試験前後におけるCR積、
および抗折強度を求めた。
して、誘電率ε、誘電損失tanδ、20℃における静
電容量を基準とした−25℃および+85℃における静
電容量の変化率TCC、耐湿試験前後におけるCR積、
および抗折強度を求めた。
【0036】以上の結果を表4に示す。
【0037】実施例3 純度99.9%以上のPbO,Nb2 O5 ,TiO2 ,
ZnOおよびMgOを出発原料とし、表5に示す組成比
の磁器組成物が最終的に得られるように各原料を秤量し
た。なお、表5中、A/Bは、Pbと、Ti,(Mg
1/3 Nb2/3 ),(Zn 1/3 Nb2/3 )との比の値であ
る。また、表5中、*を付したものは、この発明の比較
例であり、この発明の範囲外である。
ZnOおよびMgOを出発原料とし、表5に示す組成比
の磁器組成物が最終的に得られるように各原料を秤量し
た。なお、表5中、A/Bは、Pbと、Ti,(Mg
1/3 Nb2/3 ),(Zn 1/3 Nb2/3 )との比の値であ
る。また、表5中、*を付したものは、この発明の比較
例であり、この発明の範囲外である。
【0038】
【表5】
【0039】各秤量原料を100gとし、混合した後、
750℃で2時間仮焼し、ボールミルで粉砕し、誘電体
粉末を得た。次に、表5に示す割合となるように、誘電
体粉末に実施例1に示した副成分の粉末を添加し、再度
ボールミルで湿式混合した後、水分を蒸発させて、磁器
原料粉末を得た。
750℃で2時間仮焼し、ボールミルで粉砕し、誘電体
粉末を得た。次に、表5に示す割合となるように、誘電
体粉末に実施例1に示した副成分の粉末を添加し、再度
ボールミルで湿式混合した後、水分を蒸発させて、磁器
原料粉末を得た。
【0040】上記の磁器原料粉末にポリビニルブチラー
ル系バインダーおよびエタノールなどの有機溶媒を加え
てからボールミルで湿式混合して、セラミックスラリー
を調製した。その後、セラミックスラリーをドクターブ
レード法によってシート状に成形して、厚み20μmの
矩形のセラミックグリーンシートを得た。次に、得られ
たセラミックグリーンシート上に銀を主成分とする導電
ペーストを印刷して、内部電極を構成するための導電ペ
ースト層を形成した。
ル系バインダーおよびエタノールなどの有機溶媒を加え
てからボールミルで湿式混合して、セラミックスラリー
を調製した。その後、セラミックスラリーをドクターブ
レード法によってシート状に成形して、厚み20μmの
矩形のセラミックグリーンシートを得た。次に、得られ
たセラミックグリーンシート上に銀を主成分とする導電
ペーストを印刷して、内部電極を構成するための導電ペ
ースト層を形成した。
【0041】そして、導電ペースト層が形成されたセラ
ミックグリーンシートを複数枚積層して、積層体を得
た。
ミックグリーンシートを複数枚積層して、積層体を得
た。
【0042】それから、得られた積層体を、空気中で表
6に示す温度で2時間焼成して、磁器焼結体を得た。な
お、表6中、*を付したものは、この発明の比較例であ
り、この発明の範囲外である。
6に示す温度で2時間焼成して、磁器焼結体を得た。な
お、表6中、*を付したものは、この発明の比較例であ
り、この発明の範囲外である。
【0043】
【表6】
【0044】得られた磁器焼結体の両端面に、それぞ
れ、銀からなる電極材料を塗布して空気中で750℃の
温度で焼き付け、内部電極に電気的に接続された外部電
極を形成して、試料となる積層磁器コンデンサを得た。
れ、銀からなる電極材料を塗布して空気中で750℃の
温度で焼き付け、内部電極に電気的に接続された外部電
極を形成して、試料となる積層磁器コンデンサを得た。
【0045】試料となる積層磁器コンデンサ外径寸法
は、幅が1.6mmで、長さが3.2mmで、厚みが
1.2mmであり、内部電極間の誘電体磁器層の厚みが
13μmであった。また、有効な誘電体磁器層の総数は
10層であり、1層あたりの有効な対向電極面積は2.
1mm2 であった。
は、幅が1.6mmで、長さが3.2mmで、厚みが
1.2mmであり、内部電極間の誘電体磁器層の厚みが
13μmであった。また、有効な誘電体磁器層の総数は
10層であり、1層あたりの有効な対向電極面積は2.
1mm2 であった。
【0046】これらの試料について、実施例1と同様に
して、誘電率ε、誘電損失tanδ、20℃における静
電容量を基準とした−25℃および+85℃における静
電容量の変化率TCC、耐湿試験前後におけるCR積、
および抗折強度を求めた。
して、誘電率ε、誘電損失tanδ、20℃における静
電容量を基準とした−25℃および+85℃における静
電容量の変化率TCC、耐湿試験前後におけるCR積、
および抗折強度を求めた。
【0047】以上の結果を表6に示す。
【0048】表2,表4および表6の結果から明らかな
ように、この発明の範囲内の誘電体磁器組成物は、焼成
温度が1100℃以下と低温で焼成することができる。
しかも、この発明の範囲内の誘電体磁器組成物からなる
磁器は、誘電率が10000以上と高く、優れた耐湿性
を示し、静電容量の温度変化率が−25℃〜+85℃の
温度範囲でJIS規格のE特性をみたし、20℃を基準
とした静電容量の温度変化率ΔC/C20が+20%〜−
55%の範囲にあり、しかも機械的強度に優れているこ
とがわかる。
ように、この発明の範囲内の誘電体磁器組成物は、焼成
温度が1100℃以下と低温で焼成することができる。
しかも、この発明の範囲内の誘電体磁器組成物からなる
磁器は、誘電率が10000以上と高く、優れた耐湿性
を示し、静電容量の温度変化率が−25℃〜+85℃の
温度範囲でJIS規格のE特性をみたし、20℃を基準
とした静電容量の温度変化率ΔC/C20が+20%〜−
55%の範囲にあり、しかも機械的強度に優れているこ
とがわかる。
【0049】しかしながら、この発明の範囲外では、次
のような特性を示すことが分かる。
のような特性を示すことが分かる。
【0050】試料番号7および17のようにA/Bの値
が0.99未満であると、誘電率εが10000未満に
なる。試料番号8および18のようにA/Bの値が1.
00を超えると、機械的強度が低下し、CR積も低下す
る。試料番号9,20および22のように副成分の添加
量が0.5重量%を超えると、誘電率εが10000未
満になる。試料番号10,19および21のように副成
分の添加量が0.05重量%未満であると、耐湿試験後
のCR積が劣化が大きくなる。試料番号25,26,2
7および28のようにbが80モル%を超えると、焼成
温度が1100℃を超える。試料番号33,34,35
および36のようにbが5モル%未満であると、誘電損
失tanδが2.5%を超える。試料番号41のように
aが50モル%以上であると、または、試料番号43の
ようにcが50モル%以上であると、誘電率εが低下
し、焼成が完了する前に軟化変形してしまう。
が0.99未満であると、誘電率εが10000未満に
なる。試料番号8および18のようにA/Bの値が1.
00を超えると、機械的強度が低下し、CR積も低下す
る。試料番号9,20および22のように副成分の添加
量が0.5重量%を超えると、誘電率εが10000未
満になる。試料番号10,19および21のように副成
分の添加量が0.05重量%未満であると、耐湿試験後
のCR積が劣化が大きくなる。試料番号25,26,2
7および28のようにbが80モル%を超えると、焼成
温度が1100℃を超える。試料番号33,34,35
および36のようにbが5モル%未満であると、誘電損
失tanδが2.5%を超える。試料番号41のように
aが50モル%以上であると、または、試料番号43の
ようにcが50モル%以上であると、誘電率εが低下
し、焼成が完了する前に軟化変形してしまう。
【0051】以上のように、この発明にかかる誘電体磁
器組成物を用いた積層磁器コンデンサは、誘電体層を形
成する磁器の誘電率が10000以上の値を示し、ま
た、焼成温度が低いため内部電極の材料として比較的安
価な銀合金を用いることができ、しかも、絶縁抵抗が高
く、機械的強度に優れ、信頼性に優れる。
器組成物を用いた積層磁器コンデンサは、誘電体層を形
成する磁器の誘電率が10000以上の値を示し、ま
た、焼成温度が低いため内部電極の材料として比較的安
価な銀合金を用いることができ、しかも、絶縁抵抗が高
く、機械的強度に優れ、信頼性に優れる。
【図1】試料の抗折強度を測定するための抗折強度測定
装置を示す図解図である。
装置を示す図解図である。
【符号の説明】 10 抗折強度測定装置 12 積層磁器コンデンサ 14 試料保持台 16 加圧ピン 18 置き針付テンションゲージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伴 野 国 三 郎 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社 村田製作所内 (56)参考文献 特開 平2−155115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −PbT
iO3 を50モル%以上含有した鉛系複合ペロブスカイ
ト誘電体磁器組成物において、 一般式A(By B′1-y )O3 で表したときに、AがP
bであり、BおよびB′が同じまたは異なる2価、4価
〜6価の金属であり、(By B′1-y )が4価であり、
A/Bの値が0.99〜1.00である組成物に、 一般式aLi 2 O−bRO−cB2 O3 −(100−a
−b−c)Al2 O3(ただし、RはMg,Ca,Sr
およびBaの中から選ばれる少なくとも一種類、a,b
およびcはモル%)で示され、 a,bおよびcがそれぞれ、 0<a<50、 5≦b≦80、 0<c<50、および a+b+c<100 の範囲にある副成分を0.05〜0.5重量%含有した
ことを特徴とする、誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23311992A JP3263990B2 (ja) | 1992-08-06 | 1992-08-06 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23311992A JP3263990B2 (ja) | 1992-08-06 | 1992-08-06 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0656520A JPH0656520A (ja) | 1994-03-01 |
JP3263990B2 true JP3263990B2 (ja) | 2002-03-11 |
Family
ID=16950064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23311992A Expired - Fee Related JP3263990B2 (ja) | 1992-08-06 | 1992-08-06 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3263990B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4285017B2 (ja) * | 2002-12-19 | 2009-06-24 | 株式会社ジェイテクト | ディファレンシャル装置 |
JP5598574B2 (ja) * | 2013-06-13 | 2014-10-01 | パナソニック株式会社 | モータと発電機 |
-
1992
- 1992-08-06 JP JP23311992A patent/JP3263990B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0656520A (ja) | 1994-03-01 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |