JP2514359B2 - 磁器コンデンサ - Google Patents

磁器コンデンサ

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JP2514359B2
JP2514359B2 JP8844087A JP8844087A JP2514359B2 JP 2514359 B2 JP2514359 B2 JP 2514359B2 JP 8844087 A JP8844087 A JP 8844087A JP 8844087 A JP8844087 A JP 8844087A JP 2514359 B2 JP2514359 B2 JP 2514359B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、誘電体磁器と少なくとも2つの電極とから
成る単層又は積層構造の磁器コンデンサに関し、更に詳
細には、高い抵抗率及び高い曲げ強度を有する磁器コン
デンサに関する。
〔従来の技術〕
従来、積層磁器コンデンサを製造する際には、誘電体
磁器原料粉末から成るグリーンシート(未焼結磁器シー
ト)に白金又はパラジウム等の貴金属の導電性ペースト
を所望パターンに印刷し、これを複数枚積み重ねて圧着
し、1300℃〜1600℃の酸化性雰囲気中で焼結させた。こ
れにより、誘電体磁器と内部電極とが同時に得られる。
上述の如く、貴金属を使用すれば、酸化性雰囲気中で高
温で焼結させても目的とする内部電極を得ることが出来
る。しかし、白金、パラジウム等の貴金属は高価である
ため、必然的に積層磁器コンデンサがコスト高になつ
た。
この種の問題を解決するために、CaZrO3とMnO2とから
成る磁器組成物をコンデンサの誘電体として使用するこ
とが、例えば、特開昭53−98099号公報に開示されてい
る。ここに開示されている誘電体磁器組成物は還元性雰
囲気中で焼成可能であるので、ニツケル等の卑金属の酸
化が生じない。
ところで、上記のCaZrO3とMnO2とから成る誘電体磁器
組成物は、高温(1350℃〜1380℃)で焼成しなければな
らない。このため、グリーンシートにニツケルを主成分
とする導電性ペーストを印刷して焼成すると、たとえ非
酸化性雰囲気中での焼成であつても、導電性ペースト中
のニツケル粒子が成長しつつ凝集し、ニツケルが玉状に
分布する。また、高温焼成のためにニツケルが誘電体磁
器中に拡散し、誘電体磁器の絶縁劣化が生じる。この結
果、所望の静電容量、及び絶縁抵抗を有する磁器コンデ
ンサを得ることが困難であつた。
そこで、本件出願人は、特願昭60−270543号におい
て、上記の問題を解決するために低温(1200℃以下)で
焼成することができる誘電体磁器組成物を提案した。こ
の組成物は、(CaO)k・Zr1-xTix)O2(但し、k、xは各元
素の原子数の割合を示す数値)から成る基本成分と、B2
O3、SiO2、MO(但し、MOはBaO、MgO、ZnO、SrO及びCaO
の内の少なくとも1種の金属酸化物)とから成る添加成
分とを含む。この誘電体磁器組成物を使用して温度補償
用積層磁器コンデンサを得る時には、この誘電体磁器組
成物のグリーンシート(未焼結磁器シート)にニツケル
を主成分とする導電性ペーストを印刷し、非酸化性雰囲
気、1200℃以下の低温で焼成する。この様に低温で焼成
すれば、ニツケル粒子の凝集が抑制される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述の特願昭60−270543号に開示されている誘電体磁
器組成物によれば、比誘電率εが30以上、温度係数TC
が−700〜+30ppm/℃、Qが2000以上、抵抗率ρが1×1
07MΩ・cm以上の実用可能な優れた温度補償用磁器コン
デンサを提供することができる。なお、後述の試料No.5
3から明らかな如く、上記出願に従う誘電体磁器の曲げ
強度(抗折強度)は約1300kg/cm2である。
しかし、更に高い抵抗率ρ、曲げ強度σ、比誘電率ε
等を有する誘電体磁器が要望されている。誘電体磁器
の抵抗率ρを高くすることができれば、コンデンサの高
耐圧化が可能になる。曲げ強度σを大きくすることがで
きれば、磁器コンデンサの製造時及び回路基板に自動装
着する時における磁器コンデンサの破損が少なくなる。
誘電体磁器の比誘電率εを大きくすることができれ
ば、静電容量の大きい磁器コンデンサを提供することが
可能になる。また、従来と同じ静電容量を得る場合に
は、比誘電率εが大きいと、磁器コンデンサの電極間
距離を大きくし、単位厚み当りの電圧を下げることが可
能になる。
そこで、本発明の目的は、非酸化性雰囲気、1200℃以
下の温度での焼成で得るものであるにも拘らず、1.0×1
08MΩ・cm以上の抵抗率と1500kg/cm2以上の曲げ強度σ
を有している磁器コンデンサを提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本発明に係わる磁器コンデ
ンサは、誘電体磁器と、この磁器に接触している少なく
とも2つの電極とから成る。上記誘電体磁器は、100重
量部の基本成分と、0.2〜10.0重量部の添加成分とから
成る。基本成分は、 (Ca1-xMexO)k(Zr1-y-zTiySiz)O2 (但し、MeはSr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の
内の少なくとも1種の元素であり、x、y、z、kは、
0.005≦x≦0.995、0≦y≦0.5、0.005≦z≦0.1、0.8
≦k≦1.25の範囲の数値)から成る。添加成分はB2O
3(酸化硼素)とSiO2(酸化けい素)とMO〔但し、MOはB
aO(酸化バリウム)、ZnO(酸化亜鉛)、SrO(酸化スト
ロンチウム)及びCaO(酸化カルシウム)の内の少なく
とも1種の金属酸化物〕から成る。添加成分のB2O3、Si
O2、MOの割合はこれ等の三角図において、B2O3が1モル
%、SiO2が80モル%、MOが19モル%の点(A)と、B2O3
が1モル%、SiO2が39モル%、MOが60モル%の点(B)
と、B2O3が29モル%、SiO2が1モル%、MOが70モル%の
点(C)と、B2O3が90モル%、SiO2が1モル%、MOが9
モル%の点(D)と、B2O3が90モル%、SiO2が9モル
%、MOが1モル%の点(E)と、B2O3が19モル%、SiO2
が80モル%、MOが1モル%の点(F)とを結ぶ6本の直
線で囲まれた領域内とされている。
〔発明の作用効果〕
上記発明の磁器コンデンサにおける誘電体磁器を非酸
化性雰囲気、1200℃以下の焼成で得ることができる。従
つて、ニツケル等の卑金属の導電性ペーストをグリーン
シートに塗布し、グリーンシートと導電性ペーストとを
同時に焼成する方法によつて磁器コンデンサを製造する
ことが可能になる。誘電体磁器の組成を本発明で特定さ
れた範囲にすることによつて、抵抗率ρが1×108MΩ
・cm以上、曲げ強度が1500kg/cm2以上、比誘電率ε
34〜139、静電容量の温度係数が−1000〜+45ppm/℃、1
MHzにおけるQが5000以上の磁器コンデンサを提供する
ことができる。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例(比較例も含む)について説明
する。
第1表の試料No.1のk=1.0、x=0.2(但しSr=0.
1、Ba=0.1)、y=0.2、z=0.01に従つて決定される
組成式 (Ca0.8Me0.2O)1.0(Zr0.79Ti0.2Si0.01)O2 より具体的にはMe0.2=Sr0.1Ba0.1であるので、 (Ca0.8Sr0.1Ba0.1O)1.0(Zr0.79Ti0.2Si0.01)O2から成る
基本成分を得るために、純度99.0%以上のCaCO3(炭酸
カルシウム)、SrCO3(炭酸ストロンチウム)、BaCO
3(炭酸バリウム)、ZrO2(酸化ジルコニウム)、TiO2
(酸化チタン)、SiO2(酸化けい素)を出発原料として
用意し、 CaCO3 350.23g (0.8モル部相当) SrCO3 64.63g (0.1 〃 ) BaCO3 86.39g (0.1 〃 ) ZrO2 426.16g (0.79 〃 ) TiO2 69.96g (0.2モル部相当) SiO2 2.63g (0.01 〃 ) をそれぞれ秤量した。なお、この秤量において不純物は
目方に入れなかつた。次に、秤量されたこれ等の原料を
ポツトミルに入れ、更にアルミナボールと水2.5lとを入
れ、15時間湿式攪拌した後、攪拌物をステンレスポツト
に入れて熱風式乾燥器で150℃、4時間乾燥した。次
に、この乾燥物を粗粉砕し、この粗粉砕物をトンネル炉
にて大気中で1200℃、2時間仮焼し、上記組成式の基本
成分を得た。
一方、試料No.1の添加成分を得るために B2O3 0.99g ( 1モル%) SiO2 68.38g (80 〃 ) BaCO3 10.67g (3.8 〃 ) MgO 2.18g (3.8 〃 ) ZnO 4.40g (3.8 〃 ) SrCO3 7.98g (3.8 〃 ) CaCO3 5.41g (3.8 〃 ) を秤量し、これ等にアルコールを300cc加え、ポリエチ
レンポツトにてアルミナボールを用いて10時間攪拌した
後、大気中1000℃で2時間仮焼成し、これを300ccの水
と共にアルミナポツトに入れ、アルミナボールで15時間
粉砕し、しかる後、150℃で4時間乾燥させてB2O3が1
モル%、SiO2が80モル%、MOが19モル%(BaO 3.8モル
% MgO 3.8モル% ZnO 3.8モル% SrO 3.8モル% C
aO 3.8モル%)の組成の添加成分の粉末を得た。
次に、基本成分の粉末1000g(100重量部)に対して上
記添加成分の粉末10g(1重量部)を加え、更に、アク
リル酸エステルポリマー、グリセリン、縮合リン酸塩の
水溶液から成る有機バインダを基本成分と添加成分との
合計重量に対して15重量%添加し、更に、50重量%の水
を加え、これ等をボールミルに入れて粉砕及び混合して
磁器原料のスラリーを作製した。
次に、上記スラリーを真空脱泡機に入れて脱泡し、こ
のスラリーをリバースロールコーターに入れ、これを使
用してポリエステルフイルム上にスラリーに基づく薄膜
を形成し、この薄膜をフイルム上で100℃に加熱して乾
燥させ、厚さ約25μmのグリーンシート(未焼結磁器シ
ート)を得た。このシートは、長尺なものであるが、こ
れを10cm角の正方形に打ち抜いて使用する。
一方、内部電極用の導電ペーストは、粒径平均1.5μ
mのニツケル粉末10gと、エチルセルローズ0.9gをブチ
ルカルビトール9.1gに溶解させたものとを攪拌機に入
れ、10時間攪拌することにより得た。この導電ペースト
を長さ14mm、幅7mmのパターンを50個有するスクリーン
を介して上記グリーンシートの片面に印刷した後、これ
を乾燥させた。
次に、上記印刷面を上にしてグリーンシートを2枚積
層した。この際、隣接する上下のシートにおいて、その
印刷面がパターンの長手方向に約半分程ずれるように配
置した。更に、この積層物の上下両面にそれぞれ4枚ず
つ厚さ60μmのグリーンシートを積層した。次いで、こ
の積層物を約50℃の温度で厚さ方向に約40トンの荷重を
加えて圧着させた。しかる後、この積層物を格子状に裁
断し、50個の積層体チツプを得た。
次に、この積層体チツプを雰囲気焼成が可能な炉に入
れ、大気雰囲気中で100℃/hの速度で600℃まで昇温し
て、有機バインダを燃焼させた。しかる後、炉の雰囲気
を大気からH2 2体積%+N2 98体積%の雰囲気に変え
た。そして、炉を上述の如き還元性雰囲気とした状態を
保つて、積層体チツプの加熱温度を600℃から焼結温度
の1170℃まで100℃/hの速度で昇温して1170℃(最高温
度)3時間保持した後、100℃/hの速度で600℃まで降温
し、雰囲気を大気雰囲気(酸化性雰囲気)におきかえ
て、600℃を30分間保持して酸化処理を行い、その後、
室温まで冷却して焼結体チツプを得た。
次に、電極が露出する焼結体チツプの側面に亜鉛とガ
ラスフリツトとビヒクルとから成る導電性ペーストを塗
布して乾燥し、これを大気中で550℃の温度で15分間焼
付け、亜鉛電極層を形成し、更にこの上に銅を無電解メ
ツキで被着させて、更にこの上に電気メツキ法でPb−Sn
半田層を設けて、一対の外部電極を形成した。
これにより、第1図に示す如く、誘電体磁器層(1)
(2)(3)と、一対の内部電極(4)(5)と、一対
の外部電極(6)(7)から成る積層磁器コンデンサ
(8)が得られた。なお、このコンデンサ(8)の誘電
体磁器層(2)の厚さは0.02mm、内部電極(4)、
(5)の対向面積は5mm×5mm=25mm2である。また、焼
結後の磁器層(1)(2)(3)の組成は、焼結前の基
本成分と添加成分との混合組成と実質的に同じであり、
複合ペロブスカイト(perovskite)型構造の基本成分 {(Ca0.8Sr0.1Ba0.1)O}1.0(Zr0.79Ti0.2Si0.01)O2の結晶
粒子間にB2O3 1モル%とSiO2 80モル%とBaO 3.8モル%
とMgO 3.8モル%とZnO 3.8モル%とSrO 3.8モル%とCaO
3.8モル%とから成る添加成分が均一に分布したものが
得られる。
次に、完成した積層磁器コンデンサの比誘電率ε
温度係数TC、Q、抵抗率ρ、曲げ強度σを測定したとこ
ろ、第2表の試料No.1に示す如く、εは57、TCは−44
0ppm/℃、Qは8800、ρは2.9×108MΩ・cm、σは1750k
g/cm2であつた。なお、これは温度補償用コンデンサで
あるから、温度係数TCは、コンデンサの通常の使用範囲
でほぼ一定である。
上記諸特性は次の要領で測定した。
(A)比誘電率εは、温度20℃、周波数1MHz、交流電
圧〔実効値〕0.5Vの条件で静電容量を測定し、この測定
値と一対の内部電極(4)(5)の対向面積25mm2と磁
器層(2)の厚さ0.02mmから計算で求めた。
(B)温度係数(TC)は、85℃の静電容量(C85)と20
℃の静電容量(C20)とを測定し、 (ppm/℃)で算出した。
(C)Qは温度20℃において、周波数1MHz、電圧〔実効
値〕0.5Vの交流でQメータにより測定した。
(D)抵抗率ρ(MΩ・cm)は、温度20℃においてDC50
Vを1分間印加した後に一対の外部電極(6)(7)間
の抵抗値を測定し、この測定値と寸法とに基づいて計算
で求めた。
(E)曲げ強度σは、第3図に示す如く、支持台(10)
の一対の突起(11)(12)の上に試料即ち磁器コンデン
サ(8)を置き、ゲージ(13)を伴なつている断面形状
円形の加圧棒(14)で磁器コンデンサ(8)の中央を押
圧し、磁器コンデンサ(8)が破壊した時のゲージ(1
3)の値(最大荷重)Pを読み取り、次式によつて算出
した。
ここで、Pはゲージ(13)で読み取つた最大荷重〔k
g〕であり、Lはレール状に平行に伸びる一対の突起(1
1)(12)の相互間隔〔cm〕であり、bは試料即ち磁器
コンデンサの幅〔cm〕であり、dは試料即ち磁器コンデ
ンサの厚み〔cm〕である。なお、幅b、厚みdは各試料
で異なる値を有するが、bは約0.52cm、dは約0.04cmで
ある。
以上、試料No.1の作製方法及びその特性について述べ
たが、その他の試料No.2〜79についても、基本成分及び
添加成分の組成、これ等の割合、及び還元性雰囲気(非
酸化性雰囲気)での焼成温度を第1表及び第2表に示す
ように変えた他は、試料No.1と全く同一の方法で積層磁
器コンデンサを作製し、同一方法で特性を測定した。
第1表は、それぞれの試料の基本成分 (Ca1-xMexO)k(Zr1-y-zTiySiz)O2 (但し、MeはSr、Baのうちの少なくとも一方の元素)と
添加成分との組成、及び添加成分のMOの内容を示し、第
2表はそれぞれの試料の還元性雰囲気における焼結のた
めの焼成温度(最高温度)、及び諸特性を示す。なお、
第1表の基本成分の欄のk、x、y、zは組成式 (Ca1-xMexO)k(Zr1-y-zTiySiz)O2 の各元素の原子数の割合を示す数値である。添加成分の
添加量は基本成分100重量部に対する重量部で示されて
いる。また、MOの内容の欄には、BaO、MgO、ZnO、SrO、
CaOの割合がモル%で示されている。
第1表から明らかな如く、本発明に従う試料では、非
酸化性雰囲気、1200℃以下の焼成で、比誘電率εが34
〜139、Qが5000以上、抵抗率ρが1×108(MΩ・cm)
以上、誘電率の温度係数が−1000から+45ppmの範囲、
曲げ強度σが1500〔kg/cm2〕以上となり、所望の温度補
償用磁器コンデンサを得ることができる。一方、試料N
o.7、8、9、10、11、12、24、29、30、35、36、41、4
7、48、52、53、54、58、59、66、67、72、73、79では
本発明の目的を達成することができない。従つて、これ
等は本発明の範囲外のものである。
次に組成の限定理由について述べる。
添加成分の添加量が零の場合には、試料No.73から明
らかな如く焼成温度が1300℃であつても緻密な焼結体が
得られないが、試料No.74に示す如く、添加量が100重量
部の基本成分に対して0.2重量部の場合には、1180℃の
焼成で所望の特性を有する焼結体が得られる。従つて、
添加成分の添加量の下限は0.2重量部である。一方、試
料No.79に示す如く、添加量が12重量部の場合には、Q
が5000、抵抗率ρが1.0×108MΩ・cm、曲げ強度σが15
00〔kg/cm2〕をそれぞれ下回つてしまい、所望の特性が
得られないが、試料No.78に示す如く、添加量が10重量
部の場合には所望の特性を得ることができる。従つて添
加量の上限は10重量部である。
xの値が試料No.24、30、36に示す如く0の場合や、
試料No.29、35、41に示す如く1の場合には、抵抗率ρ
及び曲げ強度σがそれぞれ1×108MΩ・cm、1500kg/cm
2を下回つてしまい、所望の特性を得ることができない
が、試料No.31に示す如く0.005、及び試料No.34に示す
如く0.995の場合及びこれ等の間の範囲では所望の特性
を得ることができる。従つてxの好ましい範囲は0.005
≦x≦0.995である。
yの値が、試料No.47に示す如く0.55の場合には温度
係数TCが−1000ppm/℃よりも小さくなり所望の特性が得
られないが、yの値が0〜0.50の範囲では、+45ppm/℃
〜−1000ppm/℃の任意のTCを得ることができる。従つて
yの値の範囲は0≦y≦0.50である。なお、試料No.42
から明らかな如くyが零であつても目的とする特性を得
ることができるが、yの値を大きくするに従つて比誘電
率が大きくなる。
zの値が試料No.48、54に示す如く0の場合には、曲
げ強度σが1500kg/cm2を下回り、所望の曲げ強度を得る
ことができないが、試料No.55に示すようにyの値が0.0
05の場合には、所望の曲げ強度を得ることができる。ま
た試料No.52、58に示す如くzの値が0.12、及び0.11に
なると、Q、ρ、σの値が所望値よりも低くなるが、試
料No.57に示す如くzの値が0.1になると所望の特性が得
られる。従つてzの好ましい範囲は0.005≦z≦0.1であ
る。
kの値が試料No.59、67に示す如く0.80よりも小さい
場合、あるいは試料No.66、72に示す如く1.25よりも大
きい場合には、いずれも1300℃の高温で焼成しても緻密
な焼結体が得られないが、試料No.60〜65及び68〜71か
ら明らかな如くkの値が0.80から1.25の範囲であれば、
緻密な焼結体が得られ、かつ所望の諸特性を得ることが
できる。従つて、kの値の範囲は0.80≦k≦1.25であ
る。
また試料No.53には基本成分の組成式が (CaO)1.03(Zr0.95Ti0.05)O2 で表わされる従来例が示されている。これと試料No.54
及び55とを比較すると、Me及びSiの両成分を同時に導入
することによつて、特に抵抗率ρ及び曲げ強度σが大幅
に改善されることがわかる。
添加成分の好ましい組成は、第2図のB2O3−SiO2−MO
の組成比をモル(mol)%で示す三角図に基づいて決定
することができる。三角図の点(A)は、試料No.1のB2
O3 1モル%、SiO2 80モル%、MO 19モル%の組成を示
し、点(B)は試料No.2のB2O3 1モル%、SiO2 39モル
%、MO 60モル%の組成を示し、点(C)は試料No.3のB
2O3 29モル%、SiO2 1モル%、MO 70モル%の組成を示
し、点(D)は試料No.4のB2O3 90モル%、SiO2 1モル
%、MO 9モル%の組成を示し、点(E)は試料No.5のB2
O3 90モル%、SiO2 9モル%、MO 1モル%の組成を示
し、点(F)は試料No.6のB2O3 19モル%、SiO2 80モル
%、MO 1モル%の組成を示す。
本発明の範囲に属する試料の添加成分の組成は三角図
の第1〜第6の点(A)〜(F)を順に結ぶ6本の直線
で囲まれた領域内の組成になつている。この領域内の組
成とすれば、所望の電気的特性を得ることができる。
一方、試料No.7、8、9、10、11、12のように添加成
分の組成が本発明で特定した範囲外となれば緻密な焼結
体を得ることができない。なお、MO成分は例えば、試料
No.13、14、15、16、17に示す如くBaO、MgO、ZnO、Sr
O、CaOのいずれか一つであつてもよいし、又は他の試料
に示すように適当な比率としてもよい。
〔変形例〕
以上、本発明の実施例について述べたが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、例えば次の変形例が可能
なものである。
(a)基本成分の中に、本発明の目的を阻害しない範囲
で微量のMnO2(好ましくは0.05〜0.1重量%)等の鉱化
剤を添加し、焼結性を向上させてもよい。また、その他
の物質を必要に応じて添加してもよい。
(b)出発原料を、実施例で示したもの以外の酸化物又
は水酸化物又はその他の化合物としてもよい。
(c)焼成時の非酸化性雰囲気での処理の後の酸化性雰
囲気での処理の温度を600℃以外の焼結温度よりも低い
温度(好ましくは500℃〜1000℃の範囲)としてもよ
い。即ち、ニツケル等の電極と磁器の酸化とを考慮して
種々変更することが可能である。
(d)非酸化性雰囲気中の焼成温度を、電極材料を考慮
して種々変えることが出来る。ニツケルを内部電極とす
る場合には、1050℃〜1200℃の範囲でニツケル粒子の凝
集がほとんど生じない。
(e)焼結を中性雰囲気で行つてもよい。
(f)積層磁器コンデンサ以外の一般的な磁器コンデン
サにも勿論適用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係わる積層型磁器コンデンサ
を示す断面図、第2図は添加成分の組成範囲を示す三角
図、第3図は曲げ強度を測定する装置の概略図である。 1、2、3…磁器層、4、5…内部電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸 弘志 東京都台東区上野1丁目2番12号 太陽 誘電株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−255666(JP,A) 特開 昭63−86315(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体磁器と、前記磁器に接触している少
    なくとも2つの電極とから成る磁器コンデンサにおい
    て、 前記磁器が、100重量部の基本成分と、0.2〜10.0重量部
    の添加成分とから成り、 前記基本成分が、 (Ca1-xMexO)k(Zr1-y-zTiySiz)O2 (但し、MeはSr及びBaの内の少なくとも1種の元素であ
    り、x、y、z、kは、0.005≦x≦0.995、0≦y≦0.
    5、0.005≦z≦0.100、0.8≦k≦1.25の範囲の数値)で
    あり、 前記添加成分が、B2O3とSiO2とMO(但し、MOはBaO、Mg
    O、ZnO、SrO及びCaOの内の少なくとも1種の金属酸化
    物)との組成を示す三角図における、 前記B2O3が1モル%、前記SiO2が80モル%、前記MOが19
    モル%の点(A)と、 前記B2O3が1モル%、前記SiO2が39モル%、前記MOが60
    モル%の点(B)と、 前記B2O3が29モル%、前記SiO2が1モル%、前記MOが70
    モル%の点(C)と、 前記B2O3が90モル%、前記SiO2が1モル%、前記MOが9
    モル%の点(D)と、 前記B2O3が90モル%、前記SiO2が9モル%、前記MOが1
    モル%の点(E)と、 前記B2O3が19モル%、前記SiO2が80モル%、前記MOが1
    モル%の点(F)と を順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内のものであるこ
    とを特徴とする磁器コンデンサ。
  2. 【請求項2】前記電極は、前記磁器の中に埋められたも
    のである特許請求の範囲第1項記載の磁器コンデンサ。
  3. 【請求項3】前記電極は、卑金属で形成されたものであ
    る特許請求の範囲第1項記載の磁器コンデンサ。
  4. 【請求項4】前記卑金属はニツケルである特許請求の範
    囲第3項記載の磁器コンデンサ。
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WO2000018701A1 (fr) 1998-09-30 2000-04-06 Tdk Corporation Matiere ceramique dielectrique non reduite, procede de production de ladite matiere et condensateur ceramique a couches

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