JP3261147B2 - 自動変速機の回転要素係止装置 - Google Patents
自動変速機の回転要素係止装置Info
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- JP3261147B2 JP3261147B2 JP30834191A JP30834191A JP3261147B2 JP 3261147 B2 JP3261147 B2 JP 3261147B2 JP 30834191 A JP30834191 A JP 30834191A JP 30834191 A JP30834191 A JP 30834191A JP 3261147 B2 JP3261147 B2 JP 3261147B2
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- locking device
- automatic transmission
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H57/00—General details of gearing
- F16H57/08—General details of gearing of gearings with members having orbital motion
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Structure Of Transmissions (AREA)
- Braking Arrangements (AREA)
- Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、自動変速機に関し、
特に、そのプラネタリギヤの回転要素を固定部材に係脱
させる係止装置に関する。
特に、そのプラネタリギヤの回転要素を固定部材に係脱
させる係止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】 自動変速機において、プラネタリギヤ
の回転要素(サンギヤ、キャリヤ、リングギヤ)をブレ
ーキの摩擦係合要素及びワンウェイクラッチを介して2
経路で固定部材(ケース等)に結合させる配置を採るも
のがある。このような配置では、摩擦係合要素を挟んで
その一方にブレーキの操作部材を配置し、他方にワンウ
ェイクラッチを配置するのが自然な形態である。しかし
ながら、プラネタリギヤの回転要素との配置関係や連結
関係から、こうした形態では変速機ケース内のデッドス
ペースを増大させることになる問題点がある。
の回転要素(サンギヤ、キャリヤ、リングギヤ)をブレ
ーキの摩擦係合要素及びワンウェイクラッチを介して2
経路で固定部材(ケース等)に結合させる配置を採るも
のがある。このような配置では、摩擦係合要素を挟んで
その一方にブレーキの操作部材を配置し、他方にワンウ
ェイクラッチを配置するのが自然な形態である。しかし
ながら、プラネタリギヤの回転要素との配置関係や連結
関係から、こうした形態では変速機ケース内のデッドス
ペースを増大させることになる問題点がある。
【0003】 そこで、操作部材を摩擦係合要素から離
して配置し、その間にワンウェイクラッチを配置するこ
とで、ケーシング内における操作部材の配置自由度を増
大させ、デッドスペースの形成をそれらの配置関係の工
夫で抑える技術が、特開昭63−289358号公報及
び実開平2−91243号公報に開示されている。
して配置し、その間にワンウェイクラッチを配置するこ
とで、ケーシング内における操作部材の配置自由度を増
大させ、デッドスペースの形成をそれらの配置関係の工
夫で抑える技術が、特開昭63−289358号公報及
び実開平2−91243号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 これらの技術は、デ
ッドスペースの形成を避ける点では有効であるが、摩擦
係合要素に対してワンウェイクラッチと操作部材を作動
させる油圧サーボを軸方向に並べた配置が採られている
ため、軸方向配置スペースの削減は困難である。そこ
で、軸方向配置スペースの削減を狙ってワンウェイクラ
ッチと油圧サーボを径方向に重ねた配置を想定した場
合、操作部材を構成する油圧サーボピストンの受圧面積
の確保が困難となる。また、前記従来技術の配置では、
摩擦係合要素とその操作部材との間にワンウェイクラッ
チが位置することになるので、操作部材としてのピスト
ンのアームがワンウェイクラッチのアウタレースを貫通
する構成が採られている。そのため、通常の摩擦係合要
素とその操作部材との隣接配置の場合には、摩擦係合要
素の全周に一様に操作部材の押圧力を作用させることが
可能であるのに対して、上記従来技術の配置構成を採る
場合、アウタレースを貫通するアームが摩擦係合要素を
部分的に押圧することになるため、ピストンの僅かな作
動の不良で係合力を均一化することが困難となる新たな
問題点が生じる。
ッドスペースの形成を避ける点では有効であるが、摩擦
係合要素に対してワンウェイクラッチと操作部材を作動
させる油圧サーボを軸方向に並べた配置が採られている
ため、軸方向配置スペースの削減は困難である。そこ
で、軸方向配置スペースの削減を狙ってワンウェイクラ
ッチと油圧サーボを径方向に重ねた配置を想定した場
合、操作部材を構成する油圧サーボピストンの受圧面積
の確保が困難となる。また、前記従来技術の配置では、
摩擦係合要素とその操作部材との間にワンウェイクラッ
チが位置することになるので、操作部材としてのピスト
ンのアームがワンウェイクラッチのアウタレースを貫通
する構成が採られている。そのため、通常の摩擦係合要
素とその操作部材との隣接配置の場合には、摩擦係合要
素の全周に一様に操作部材の押圧力を作用させることが
可能であるのに対して、上記従来技術の配置構成を採る
場合、アウタレースを貫通するアームが摩擦係合要素を
部分的に押圧することになるため、ピストンの僅かな作
動の不良で係合力を均一化することが困難となる新たな
問題点が生じる。
【0005】 このような事情に鑑み、本発明は、プラ
ネタリギヤの回転要素を摩擦係合要素とワンウェイクラ
ッチとを介して2経路で固定部材に結合させる回転部材
係止装置において、寸法増加を招くことなくブレーキ操
作用ピストンの受圧面積を十分大きく取り、摩擦係合要
素のトルク容量を確保することを第1の目的とする。
ネタリギヤの回転要素を摩擦係合要素とワンウェイクラ
ッチとを介して2経路で固定部材に結合させる回転部材
係止装置において、寸法増加を招くことなくブレーキ操
作用ピストンの受圧面積を十分大きく取り、摩擦係合要
素のトルク容量を確保することを第1の目的とする。
【0006】 更に、本発明は、上記回転要素係止装置
において、摩擦係合要素に伝達される係合力を均等化し
て操作部材の作動を円滑化するとともに、振動によるア
ウタレースのガタツキを防ぎ、騒音の発生を抑制するこ
とを第2の目的とする。
において、摩擦係合要素に伝達される係合力を均等化し
て操作部材の作動を円滑化するとともに、振動によるア
ウタレースのガタツキを防ぎ、騒音の発生を抑制するこ
とを第2の目的とする。
【0007】 次に、本発明は、上記回転要素係止装置
において、操作部材の作動を一層円滑化することを第3
の目的とする。
において、操作部材の作動を一層円滑化することを第3
の目的とする。
【0008】 更に、本発明は、上記回転要素係止装置
において、操作部材の外径に比して大きなピストン受圧
面積を確保することを第4の目的とする。
において、操作部材の外径に比して大きなピストン受圧
面積を確保することを第4の目的とする。
【0009】 そして、本発明は、上記回転要素係止装
置において、インナレースの径方向厚みを減少させ、そ
れによりワンウェイクラッチの小径化を図ることを第5
の目的とする。
置において、インナレースの径方向厚みを減少させ、そ
れによりワンウェイクラッチの小径化を図ることを第5
の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】 上記の課題を解決する
ため、本発明は、固定部材と、複数の回転要素を有する
プラネタリギヤと、前記固定部材と前記回転要素の1つ
との間に介装された摩擦係合要素及びワンウェイクラッ
チと、前記摩擦係合要素を係脱せしめるリング状の操作
部材とを備え、前記回転要素の1つを前記摩擦係合要素
及びワンウェイクラッチを介して2経路で固定部材に係
脱せしめる自動変速機の回転要素係止装置であって、前
記摩擦係合要素と前記操作部材との間に前記ワンウェイ
クラッチを配設し、該ワンウェイクラッチのインナレー
スを前記回転要素の1つに接続し、アウタレースを前記
固定部材に係止させ、前記操作部材に設けたアームを前
記アウタレースを通して前記摩擦係合要素に連携させた
ものにおいて、前記操作部材を、外周壁と端壁と内周壁
とで画定されるシ リンダに内包させたピストンとし、該
ピストンの外周側とシリンダの内周壁との間に、前記ワ
ンウェイクラッチを内包させたことを特徴とする。
ため、本発明は、固定部材と、複数の回転要素を有する
プラネタリギヤと、前記固定部材と前記回転要素の1つ
との間に介装された摩擦係合要素及びワンウェイクラッ
チと、前記摩擦係合要素を係脱せしめるリング状の操作
部材とを備え、前記回転要素の1つを前記摩擦係合要素
及びワンウェイクラッチを介して2経路で固定部材に係
脱せしめる自動変速機の回転要素係止装置であって、前
記摩擦係合要素と前記操作部材との間に前記ワンウェイ
クラッチを配設し、該ワンウェイクラッチのインナレー
スを前記回転要素の1つに接続し、アウタレースを前記
固定部材に係止させ、前記操作部材に設けたアームを前
記アウタレースを通して前記摩擦係合要素に連携させた
ものにおいて、前記操作部材を、外周壁と端壁と内周壁
とで画定されるシ リンダに内包させたピストンとし、該
ピストンの外周側とシリンダの内周壁との間に、前記ワ
ンウェイクラッチを内包させたことを特徴とする。
【0011】 次に、第2の目的を達成するため、前記
アウタレースの外周側の同一周方向位置に、前記ピスト
ンのリターンスプリング用のバネ座孔とピストンから延
びるアームの挿通孔とを交互に設けた構成とする。
アウタレースの外周側の同一周方向位置に、前記ピスト
ンのリターンスプリング用のバネ座孔とピストンから延
びるアームの挿通孔とを交互に設けた構成とする。
【0012】 更に、第3の目的を達成するため、前記
ピストンとシリンダとの間に、ピストンから延びるアー
ムと前記アウタレースに設けたアームの挿通孔との干渉
を防止する回り止めを設けた構成とする。
ピストンとシリンダとの間に、ピストンから延びるアー
ムと前記アウタレースに設けたアームの挿通孔との干渉
を防止する回り止めを設けた構成とする。
【0013】 また、第4の目的を達成するため、前記
シリンダを固定部材と一体形成した構成とする。
シリンダを固定部材と一体形成した構成とする。
【0014】 そして、第5の目的を達成するため、前
記インナレースを、前記プラネタリギヤの回転要素の1
つと、前記シリンダの内周壁端との間で支持した構成と
する。
記インナレースを、前記プラネタリギヤの回転要素の1
つと、前記シリンダの内周壁端との間で支持した構成と
する。
【0015】
【発明の作用及び効果】 このような構成を採った本発
明では、ワンウェイクラッチのアウターレースがケース
に固定され、ピストンの外周側とシリンダの内周壁との
間に内包されているため、軸方向、径方向寸法共に増加
させずに、しかも操作部材をダブルピストン構成にする
などの特殊な構成をとる必要もなく、単純な構成で、重
量増加を伴わずに外径、軸方向寸法を小さくでき、トル
ク容量を大きくとることができる。
明では、ワンウェイクラッチのアウターレースがケース
に固定され、ピストンの外周側とシリンダの内周壁との
間に内包されているため、軸方向、径方向寸法共に増加
させずに、しかも操作部材をダブルピストン構成にする
などの特殊な構成をとる必要もなく、単純な構成で、重
量増加を伴わずに外径、軸方向寸法を小さくでき、トル
ク容量を大きくとることができる。
【0016】 更に、請求項2に記載の構成によると、
操作部材による摩擦係合要素の係脱は、アウタレースを
通して行われる。その際、操作部材のアームが摩擦係合
要素を部分的に押圧することになるため、リング状の操
作部材の僅かな傾きで係合力が均一になるのを、アーム
とリターンスプリングの同一周方向位置での交互配置に
より防ぐことができる。
操作部材による摩擦係合要素の係脱は、アウタレースを
通して行われる。その際、操作部材のアームが摩擦係合
要素を部分的に押圧することになるため、リング状の操
作部材の僅かな傾きで係合力が均一になるのを、アーム
とリターンスプリングの同一周方向位置での交互配置に
より防ぐことができる。
【0017】 次に、請求項3に記載の構成によると、
アームが僅かな位置ずれでアウタレースの挿通孔と干渉
して係合力が均一になるのを、ピストンの回り止めによ
る円滑な作動で防ぐことができる。
アームが僅かな位置ずれでアウタレースの挿通孔と干渉
して係合力が均一になるのを、ピストンの回り止めによ
る円滑な作動で防ぐことができる。
【0018】 また、請求項4に記載の構成によると、
ピストンの外径に比して大きなピストン受圧面積を確保
することができる。
ピストンの外径に比して大きなピストン受圧面積を確保
することができる。
【0019】 そして、請求項5に記載の構成による
と、インナレースの径方向厚みを減少させ、それにより
ワンウェイクラッチを小径化することができる。
と、インナレースの径方向厚みを減少させ、それにより
ワンウェイクラッチを小径化することができる。
【0020】
【実施例】 以下、図面に沿い、本発明の実施例を説明
する。図1はその側断面図であり、図2は図1のII−
II断面図である。この回転要素係止装置は、図に示す
ように、単純連結3プラネタリギヤトレインを4速の主
変速機とし、それに図示しない前置式のオーバドライブ
変速機を組合わせた5速自動変速機の最後部のリバース
用ブレーキに適用された例であり、この例ではケース1
で構成される固定部材と、サンギヤ2、それに噛み合う
ピニオンギヤ3を支持するキャリヤ4及びピニオンギヤ
3に噛み合うリングギヤ5を回転要素とするプラネタリ
ギヤPと、ケース1と回転要素中のリングギヤ5との間
に介装された摩擦係合要素6及びワンウェイクラッチ7
と、摩擦係合要素6を係脱せしめる操作部材としてのピ
ストン8を備えている。そして、摩擦係合要素6とピス
トン8との間にワンウェイクラッチ7が配設され、ワン
ウェイクラッチ7のインナレース71はリングギヤ5に
接続され、アウタレース72はケース1に係止されてい
る。ピストン8はアウタレース72を通して摩擦係合要
素6に連携させている。
する。図1はその側断面図であり、図2は図1のII−
II断面図である。この回転要素係止装置は、図に示す
ように、単純連結3プラネタリギヤトレインを4速の主
変速機とし、それに図示しない前置式のオーバドライブ
変速機を組合わせた5速自動変速機の最後部のリバース
用ブレーキに適用された例であり、この例ではケース1
で構成される固定部材と、サンギヤ2、それに噛み合う
ピニオンギヤ3を支持するキャリヤ4及びピニオンギヤ
3に噛み合うリングギヤ5を回転要素とするプラネタリ
ギヤPと、ケース1と回転要素中のリングギヤ5との間
に介装された摩擦係合要素6及びワンウェイクラッチ7
と、摩擦係合要素6を係脱せしめる操作部材としてのピ
ストン8を備えている。そして、摩擦係合要素6とピス
トン8との間にワンウェイクラッチ7が配設され、ワン
ウェイクラッチ7のインナレース71はリングギヤ5に
接続され、アウタレース72はケース1に係止されてい
る。ピストン8はアウタレース72を通して摩擦係合要
素6に連携させている。
【0021】 ケース1は、その円筒状の外周壁11の
内周側を軸方向に延びるスプライン12を形成されてお
り、外周壁11に続く後端壁13の内周側は、前方に延
びて円筒状の内周壁14を構成し、内周壁14の内周側
は、ローラベアリングを介して出力軸Oを回転自在に支
持するサポートとされている。ケース1の外周壁11、
後端壁13及び内周壁14で画定される空間は、ピスト
ン8を軸方向摺動自在に内包するシリンダを構成してい
る。
内周側を軸方向に延びるスプライン12を形成されてお
り、外周壁11に続く後端壁13の内周側は、前方に延
びて円筒状の内周壁14を構成し、内周壁14の内周側
は、ローラベアリングを介して出力軸Oを回転自在に支
持するサポートとされている。ケース1の外周壁11、
後端壁13及び内周壁14で画定される空間は、ピスト
ン8を軸方向摺動自在に内包するシリンダを構成してい
る。
【0022】 プラネタリギヤPは、そのサンギヤ2を
動力伝達軸Tと一体とし、キャリヤ4を出力軸Oと一体
とし、キャリヤ4に固定されたピニオン軸41にスライ
ドベアリングを介してピニオンギヤ3が回転自在に支持
されている。リングギヤ5は、その外周側にスプライン
51を形成され、このスプライン51とケース1のスプ
ライン12とに交互に内外周側を係合して複数の摩擦材
から成る摩擦係合要素6が配設されている。
動力伝達軸Tと一体とし、キャリヤ4を出力軸Oと一体
とし、キャリヤ4に固定されたピニオン軸41にスライ
ドベアリングを介してピニオンギヤ3が回転自在に支持
されている。リングギヤ5は、その外周側にスプライン
51を形成され、このスプライン51とケース1のスプ
ライン12とに交互に内外周側を係合して複数の摩擦材
から成る摩擦係合要素6が配設されている。
【0023】 ワンウェイクラッチ7のインナレース7
1は、円筒状の本体部前端から径方向外側に延び、最外
周部がやや前方に傾斜した外向フランジ部71aを備
え、その外周に軸方向に形成されたスプライン71bを
リングギヤ5の内歯に噛み合いさせてリングギヤ5に接
続されている。本体部前端のやや後方から径方向内側に
延びて内向フランジ71cが設けられており、内向フラ
ンジ71cの前後端面はそれぞれローラベアリングを介
してキャリヤ4とケース1の内周壁前端に当接支持され
ている。一方、アウタレース72は円筒状の本体部前端
から径方向外側に延びる外向フランジ72aを備えてお
り、その外周にはスプライン72bが形成され、スプラ
イン72bがケース1のスプライン12に係合されて、
ケース1に対して回止め支持されている。
1は、円筒状の本体部前端から径方向外側に延び、最外
周部がやや前方に傾斜した外向フランジ部71aを備
え、その外周に軸方向に形成されたスプライン71bを
リングギヤ5の内歯に噛み合いさせてリングギヤ5に接
続されている。本体部前端のやや後方から径方向内側に
延びて内向フランジ71cが設けられており、内向フラ
ンジ71cの前後端面はそれぞれローラベアリングを介
してキャリヤ4とケース1の内周壁前端に当接支持され
ている。一方、アウタレース72は円筒状の本体部前端
から径方向外側に延びる外向フランジ72aを備えてお
り、その外周にはスプライン72bが形成され、スプラ
イン72bがケース1のスプライン12に係合されて、
ケース1に対して回止め支持されている。
【0024】 図2に示すように、アウタレース72の
外向フランジ72aには、同一周方向位置で周方向に均
等に配置された、この例において3個1組のバネ座孔7
2cと扇形のピストンアーム挿通孔72dが交互に形成
されている。アウタレース72の外向フランジ72aの
前端はスナップリング9で軸方向止めされ、後端はケー
ス外周壁11の段部に当接して軸方向支持されている。
なお、スナップリング9と段部との間隙は外向フランジ
72aの厚みより若干広く、アウタレース72の若干の
軸方向移動が許容される。
外向フランジ72aには、同一周方向位置で周方向に均
等に配置された、この例において3個1組のバネ座孔7
2cと扇形のピストンアーム挿通孔72dが交互に形成
されている。アウタレース72の外向フランジ72aの
前端はスナップリング9で軸方向止めされ、後端はケー
ス外周壁11の段部に当接して軸方向支持されている。
なお、スナップリング9と段部との間隙は外向フランジ
72aの厚みより若干広く、アウタレース72の若干の
軸方向移動が許容される。
【0025】 ピストン8は、断面L字状のリングとし
て構成され、その内周側はケース1の内周壁14にOリ
ングにより密封状態で摺動自在に支持され、外周側はケ
ース1の外周壁11の縮径部に同じくOリングにより密
封状態で摺動自在に支持されている。ピストン8の前端
には前方に延びるアーム81が前記アウタレース72の
ピストンアーム挿通孔72dの位置に対応して一体に形
成されており、該アーム81の前端は摩擦係合要素6の
最後部のプレート61に対峙している。また、ピストン
8が回動しアウタレース72と干渉することを防止する
ために、ピストン8には、ケース1の後端壁13と係合
する回り止め83が形成されている。
て構成され、その内周側はケース1の内周壁14にOリ
ングにより密封状態で摺動自在に支持され、外周側はケ
ース1の外周壁11の縮径部に同じくOリングにより密
封状態で摺動自在に支持されている。ピストン8の前端
には前方に延びるアーム81が前記アウタレース72の
ピストンアーム挿通孔72dの位置に対応して一体に形
成されており、該アーム81の前端は摩擦係合要素6の
最後部のプレート61に対峙している。また、ピストン
8が回動しアウタレース72と干渉することを防止する
ために、ピストン8には、ケース1の後端壁13と係合
する回り止め83が形成されている。
【0026】 図1の配置から分かるように、ワンウェ
イクラッチ7の大部分はシリンダ室10とピストン8の
内部空間に内包されるように配置されており、したがっ
て、ワンウェイクラッチ7の配設空間は殆ど必要とされ
ない。そして、ピストン8のリターンスプリング82
は、その前端側をバネ座孔72cに当接し、後端側を座
金72dを介してピストン8の前端面に当接するコイル
スプリングとされている。このリターンスプリング82
と前記スナップリング9の配設位置との関係で、リター
ンスプリング82はアウタレース72をケース1に弾性
的に押しつけ、振動によるアウタレース72のガタツキ
を防ぎ、騒音の発生を抑制する。
イクラッチ7の大部分はシリンダ室10とピストン8の
内部空間に内包されるように配置されており、したがっ
て、ワンウェイクラッチ7の配設空間は殆ど必要とされ
ない。そして、ピストン8のリターンスプリング82
は、その前端側をバネ座孔72cに当接し、後端側を座
金72dを介してピストン8の前端面に当接するコイル
スプリングとされている。このリターンスプリング82
と前記スナップリング9の配設位置との関係で、リター
ンスプリング82はアウタレース72をケース1に弾性
的に押しつけ、振動によるアウタレース72のガタツキ
を防ぎ、騒音の発生を抑制する。
【0027】 上記構成よりなる回転要素係止装置で
は、変速機のリバース時に、プラネタリギヤPより前方
のプラネタリギヤQのサンギヤ2’に入力され、ピスト
ン8の前方移動で摩擦係合要素6が締めつけられてプラ
ネタリギヤPのリングギヤ5がケース1に係止する結
果、リングギヤ5’とサンギヤ2及びキャリヤ4‘とキ
ャリヤ4を直結された両プラネタリギヤP,Qの協働で
キャリヤ4から出力軸Oにリバース回転が出力される動
力伝達が行われるわけであるが、この装置では、従来の
ものとは異なり、摩擦係合要素に伝達される係合力をリ
ターンスプリング82とアーム81のアウタレース72
の外周側の同一周方向位置での周方向交互配置により均
等化させることで防ぎながら、ピストン8の僅かな位置
ずれでアーム81がアウタレース72と干渉して係合力
が周方向に不均一になるのを、ピストン8の回り止めに
よる円滑な作動で防ぐことができる。
は、変速機のリバース時に、プラネタリギヤPより前方
のプラネタリギヤQのサンギヤ2’に入力され、ピスト
ン8の前方移動で摩擦係合要素6が締めつけられてプラ
ネタリギヤPのリングギヤ5がケース1に係止する結
果、リングギヤ5’とサンギヤ2及びキャリヤ4‘とキ
ャリヤ4を直結された両プラネタリギヤP,Qの協働で
キャリヤ4から出力軸Oにリバース回転が出力される動
力伝達が行われるわけであるが、この装置では、従来の
ものとは異なり、摩擦係合要素に伝達される係合力をリ
ターンスプリング82とアーム81のアウタレース72
の外周側の同一周方向位置での周方向交互配置により均
等化させることで防ぎながら、ピストン8の僅かな位置
ずれでアーム81がアウタレース72と干渉して係合力
が周方向に不均一になるのを、ピストン8の回り止めに
よる円滑な作動で防ぐことができる。
【0028】 以上、本発明を一実施例、すなわち回転
部材をリングギヤとする5速自動変速機に基づき詳説し
たが、本発明の構成は、自動変速機一般に広く採用する
ことができるものであり、回転部材はプラネタリギヤの
キャリヤあるいはサンギヤであってもよく、入出力関係
に応じて適宜変更することができるものであり、また各
部の具体的構成についても特許請求の範囲に記載の範囲
内で種々の変更可能なものである。
部材をリングギヤとする5速自動変速機に基づき詳説し
たが、本発明の構成は、自動変速機一般に広く採用する
ことができるものであり、回転部材はプラネタリギヤの
キャリヤあるいはサンギヤであってもよく、入出力関係
に応じて適宜変更することができるものであり、また各
部の具体的構成についても特許請求の範囲に記載の範囲
内で種々の変更可能なものである。
【図1】 本発明の一実施例を示す側断面図である。
【図2】 図1のII−II断面図である。
1 ケース(固定部材) 5 リングギヤ(回転要素) 6 摩擦係合要素 7 ワンウェイクラッチ 8 ピストン(操作部材) 10 シリンダ室(シリンダ) 11 外周壁 13 端壁 14 内周壁 71 インナレース 72 アウタレース 72c バネ座孔 72d ピストンアーム挿通孔 81 アーム 82 リターンスプリング 83 回り止め P プラネタリギヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 隆 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 塚本 一雅 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 北條 康夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 大庭 秀洋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 多賀 豊 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−289358(JP,A) 実開 平2−85068(JP,U) 実開 昭62−89555(JP,U) 実開 平2−87171(JP,U) 実開 平2−91243(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 55/40 F16D 41/00 F16H 3/66 F16H 63/30
Claims (5)
- 【請求項1】 固定部材と、複数の回転要素を有するプ
ラネタリギヤと、前記固定部材と前記回転要素の1つと
の間に介装された摩擦係合要素及びワンウェイクラッチ
と、前記摩擦係合要素を係脱せしめるリング状の操作部
材とを備え、 前記回転要素の1つを前記摩擦係合要素及びワンウェイ
クラッチを介して2経路で固定部材に係脱せしめる自動
変速機の回転要素係止装置であって、 前記摩擦係合要素と前記操作部材との間に前記ワンウェ
イクラッチを配設し、該ワンウェイクラッチのインナレ
ースを前記回転要素の1つに接続し、アウタレースを前
記固定部材に係止させ、前記操作部材に設けたアームを
前記アウタレースを通して前記摩擦係合要素に連携させ
たものにおいて、前記操作部材を、外周壁と端壁と内周壁とで画定される
シリンダに内包させたピストンとし、該ピストンの外周
側とシリンダの内周壁との間に、前記ワンウェイクラッ
チを内包させた ことを特徴とする自動変速機の回転要素
係止装置。 - 【請求項2】 前記アウタレースの外周側の同一周方向
位置に、前記ピストンのリターンスプリング用のバネ座
孔とピストンから延びるアームの挿通孔とを交互に設け
た、請求項1記載の自動変速機の回転要素係止装置。 - 【請求項3】 前記ピストンとシリンダとの間に、ピス
トンから延びるアームと前記アウタレースに設けたアー
ムの挿通孔との干渉を防止する回り止めを設けた、請求
項1又は2記載の自動変速機の回転要素係止装置。 - 【請求項4】 前記シリンダを固定部材と一体形成し
た、請求項1、2又は3記載の自動変速機の回転要素係
止装置。 - 【請求項5】 前記インナレースを、前記プラネタリギ
ヤの回転要素の1つと、前記シリンダの内周壁端との間
で支持した、請求項1〜4のいずれか1項記載の自動変
速機の回転要素係止装置。
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