JP3257061B2 - 自動製パン機 - Google Patents

自動製パン機

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JP3257061B2
JP3257061B2 JP24291292A JP24291292A JP3257061B2 JP 3257061 B2 JP3257061 B2 JP 3257061B2 JP 24291292 A JP24291292 A JP 24291292A JP 24291292 A JP24291292 A JP 24291292A JP 3257061 B2 JP3257061 B2 JP 3257061B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製パンの調理性能を高
める焼成工程を行う自動製パン機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から製パンには、混捏・発酵・焼成
の工程を要し、これらの工程を自動制御によりパンを作
る自動製パン機は実用化されており、その焼成工程の加
熱方法としては、焼成室温度が予め設定された焼成温度
に達した後、その温度を保持し、焼成工程を行う方式が
一般的に知られている。
【0003】次に、製パンを行うための自動製パン機に
おける一般的な自動製パン機の構成と、焼成工程の加熱
調理について説明する。
【0004】図8は、従来の自動製パン機の構成を示す
ものである。11は焼成室、12は練り羽根、13はパ
ン焼き型、14は練り羽根を回転させる駆動源であり、
パン焼き型13に入れた製パン材料を練り羽根12が駆
動することにより混捏、ガス抜き工程を行う。15は加
熱を行うための熱源であり、混捏により生じたパン生地
の発酵・焼成の工程を行う。16は焼成室内の温度を検
知する温度検知装置である。そして、17は温度検知装
置16、駆動源14、熱源15等を制御する制御装置で
ある。また、18はこの制御装置の制御条件を設定する
入力装置である。このような構成で、パン焼き型13に
材料を投入し、入力装置18に焼き上がり時刻等を入力
すると、駆動源14が所定時刻に運転を開始し、焼成室
11が所定温度、あるいは所定時間になると、駆動源1
4が停止し、発酵工程に入る。途中に、駆動源14の回
転によるガス抜き動作が数回行われながら進行し、そし
て所定時間経過後に焼成工程が行われ、所望時刻にパン
が焼き上がるものである。
【0005】図9は上記構成の自動製パン機による焼成
工程における加熱調理を示している。パン生地内部温度
の変化を実線、焼成室11の温度の変化を点線で表し、
θはパン生地の焼成に適する焼成室温度であり、その時
の電力供給量を棒グラフで示している。
【0006】さて、この図に示すように、焼成工程のス
タートにより、焼成室温度は上昇しθに達した時、パン
生地内部温度が上昇中にかかわらず、電力供給がOFF
になる。がしかし、その後の電力供給によりパン生地内
部温度は上昇し、一定時間この温度を保持し加熱調理を
行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、良いパンは、
キメの細かい、膜の薄い、かつ、これらが均質な、すだ
ちのもの、また、形の整った、容積の大きいものとされ
ている。従って、できの良いパンを焼き上げるには、キ
メ・膜の均質化を図り、更に、外観の優れた、容積の大
きくすることが重要なのである。又、自動製パン機によ
る製パンにおいては、環境温度にかかわらず、常に一定
品質のパンを提供する必要がある。
【0008】しかしながら、上記従来の焼成調理では、
焼成室温度が予め設定された焼成室温度に達した時、電
力供給がOFFされ、その時、パン組織は生地温度上昇
による加熱変化中であり、つまり、パン生地中の蛋白質
が熱変性し、パンの形が形成中にかかわらず電力供給が
OFFされるため熱容量不足になる。そのため、パンは
保形性が悪く、腰折れを生じる。また、パン生地の内部
温度が十分に上がっていないため、パン生地内部のイー
スト菌は活性であるにかかわらず、パン生地外部温度は
ほぼ焼成室温度であるためイースト菌は失活しており、
そのため、パン生地内部と外皮部のイースト菌の活性力
の違いにより、パンのキメ、膜の薄さが不均質なすだち
のものが生じるという問題点を有していた。
【0009】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、焼成工程において、パン生地の蛋白質の熱変性を継
続的に十分に行い、また、パン生地内部温度上昇を早め
ることにより、保形性の良い、腰折れの無い、また、キ
メ、膜の薄さが均質なすだちの製パンを行う自動製パン
機を提供することを第1の目的とする。
【0010】また、第2の目的は、蛋白質の含量の少な
い全粒小麦粉パン生地の焼成工程において、上記同様
に、パン生地の蛋白質の熱変性を継続的に十分に行い、
また、パン生地内部温度上昇を全粒小麦粉のパン生地に
適した速度にすることにより、保形性の良い、腰折れの
無い、また、キメ、膜の薄さが均質なすだちの全粒小麦
粉製パンを行う自動製パン機を提供することである。
【0011】また、第3の目的は、大麦、小麦等の穀物
の荒挽き粉を混ぜたパン生地の焼成工程において、上記
同様に、パン生地の蛋白質の熱変性を継続的に十分に行
い、パン生地内部温度上昇を大麦、小麦等の穀物の荒挽
き粉を混ぜたパン生地に適した速度にすることにより、
保形性の良い、腰折れの無い、また、キメ、膜の薄さが
均質なすだちの穀物入り製パンを行う自動製パン機を提
供することである。
【0012】また、第4の目的は、ライ麦粉のように製
パン性能を悪くする酵素を含む粉を主とするパン生地の
焼成工程において、上記同様に、パン生地の蛋白質の熱
変性を十分に行い、パン生地内部温度上昇をライ麦粉の
パン生地に適した速度にすることにより、保形性の良
い、腰折れの無い、また、キメ、膜の薄さが均質なすだ
ちのライ麦粉製パンを行う自動製パン機を提供すること
である。
【0013】また、第5の目的は、生地の焼成工程にお
いて、環境温度にかかわらず、パン生地の蛋白質の熱変
性を一定化させ、パン生地内部温度上昇の速度を一定化
させることにより、保形性の良い、腰折れの無い、ま
た、キメ、膜の薄さが均質なすだちのパンを製パンする
自動製パン機を提供することである。
【0014】また、第6の目的は、生地の焼成工程にお
いて、製パン途中における電圧変動にかかわらず、パン
生地の蛋白質の熱変性を一定化させ、パン生地内部温度
上昇の速度を一定化させることにより、保形性の良い、
腰折れの無い、また、キメ、膜の薄さが均質なすだちの
パンを製パンする自動製パン機を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の第1の課題解決手段は製パン材料の混捏、発
酵後の焼成工程において、焼製室温度が約80度〜12
0度に達した時に、熱源への電力供給量を減少させ、焼
成開始から約15分以上(最適時間:20分)後に、パ
ンの焼成に適する温度に到達させた後、一定時間(約1
5分〜30分間)この温度を保持し、焼成を行うもので
ある。
【0016】また、第2の課題解決手段は、蛋白質含量
の少ない全粒小麦粉パンの焼成工程において、焼成室温
度が約80度〜100度に達した時に、熱源への電力供
給量を減少させ、焼成開始から約20分以上(最適時
間:25分)後に、パンの焼成に適する温度に到達さ
せ、焼成を行うものである。
【0017】また、第3の課題解決手段は、大麦、小麦
等の穀物の荒挽き粉を混ぜたパンの焼成工程において、
焼成室温度が約60度〜100度に達した時に、熱源へ
の電力供給量を減少させ、焼成開始から約20分以上
(最適時間:30分)後に、パンの焼成に適する温度に
到達させ、焼成を行うものである。
【0018】また、第4の課題解決手段は、ライ麦粉を
主とするパンの焼成工程において、焼成室温度が約40
度〜80度に達した時に、熱源への電力供給量を減少さ
せ、焼成開始から約40分以上(最適時間:60分)後
に、パンの焼成に適する温度に到達させ、焼成を行うも
のである。
【0019】また、第5の課題解決手段は、焼成工程に
おいて、焼成室温度とその変化量に応じて、その後の熱
源への電力供給量を変化させ、焼成を行うものである。
【0020】また、第6の課題解決手段は、焼成工程に
おいて、一定時間毎に、熱源への電力供給量を変化さ
せ、焼成を行うものである。
【0021】
【作用】本発明は上記した構成により、製パン材料の混
捏、発酵後の焼成工程において、焼成中に電力供給量を
減少させることにより、焼成室がパンの焼成に適する温
度に達するまでは継続的に電力供給が行われるようにし
たもので、パン生地の内部温度が一定温度に達するまで
継続的に熱量を与えることができ、また、パン生地の内
部温度上昇が早くなる等の作用が得られ、できの良い製
パンを可能にするものである。
【0022】また、第2の手段では、上記焼成中の電力
供給量を減少させる温度域を小さく、かつ、時期を早め
に行うことにより、焼成室がパンの焼成に適する温度に
達するまでの時間が上記の手段より長く、かつ、継続的
に電力供給が行われるようにしたもので、蛋白質含量の
少ない全粒小麦粉パン生地に適した生地温度の上昇がで
き、また、パン生地の内部温度が一定温度に達するまで
継続的に熱量を与えることができる等の作用が得られ、
できの良い全粒小麦粉製パンを可能にするものである。
【0023】また、第3の手段では、上記焼成中の電力
供給量を減少させる時期を第2の手段より更に早めるこ
とにより、焼成室がパンの焼成に適する温度に達するま
での時間が長くなり、大麦、小麦等の穀物の荒挽き粉を
混ぜたパン生地に適した生地温度の上昇ができ、また、
パン生地の内部温度が一定温度に達するまで継続的に熱
量を与えることができる等の作用が得られ、できの良い
大麦、小麦等の穀物の荒挽き粉製パンを可能にするもの
である。
【0024】また、第4の手段では、上記焼成中の電力
供給量を減少させる時期を第3の手段より更に早めるこ
とにより、焼成室がパンの焼成に適する温度に達するま
での時間が長くなり、製パン性能を悪くする酵素を含
み、かつ、キメの細かいライ麦粉パン生地に適した生地
温度の上昇ができ、また、パン生地の内部温度が一定温
度に達するまで継続的に熱量を与えることができる等の
作用が得られ、できの良いライ麦粉製パンを可能にする
ものである。
【0025】また、第5の手段では、上記焼成中の電力
供給量を焼成室温度とその変化量に応じて変化させるこ
とにより、環境温度の変動にかかわらず焼成室がパンの
焼成に適する温度に達する時間を一定にし、その間は継
続的に電力供給が行われるようにしたもので、パン生地
温度が一定温度に達するまでは、環境温度にかかわらず
所定の焼成時間は継続的に熱量を与えることができ、常
に一定品質のできの良い製パンを可能にするものであ
る。
【0026】また、第6の手段では、上記焼成中の電力
供給量を一定時間毎に変化させることにより、電圧変動
にかかわらず焼成室がパンの焼成に適する温度に達する
時間を一定にし、その間は継続的に電力供給が行われる
ようにしたもので、パン生地は生地温度が一定温度に達
するまでは、電圧変動にかかわらず所定の焼成時間は継
続的に熱量を与えることができ、常に一定品質のできの
良い製パンを可能にするものである。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0028】図1において本発明の自動製パン機の構成
図を示す。1は焼成室であり、この中にて製パン材料の
混捏・発酵・焼成の各工程を行う。2は駆動源であり、
練り羽根3を回転させパン焼き型4に入れた製パン材料
の混捏・ガス抜き工程を行う。
【0029】5は加熱を行うための熱源であり、混捏に
より生じたパン生地の発酵・焼成工程を行う。6は焼成
室の温度を検知する温度検知装置である。7は電力可変
装置であり、焼成工程において温度検知装置6の検知温
度に基づき電源8から熱源への電力供給量を変化させ
る。そして、8は制御装置であり、駆動源2、熱源5、
温度検知装置6等を制御するものである。また、9はこ
の制御装置の制御条件を設定する入力装置である。
【0030】このような構成で、パン焼き型に材料を投
入し、入力装置に焼き上がり時刻等を入力すると、駆動
源が所定時刻に運転を開始し、焼成室が所定温度、ある
いは所定時間になると、駆動源が停止し発酵工程に入
る。この発酵工程では、途中に、駆動源の回転によるガ
ス抜き動作が数回行われ、所定時間経過後に焼成工程が
行われ、所望時刻にパンが焼き上がるものである。
【0031】上記構成をもとに本発明の焼成加熱方法の
特徴について説明する。 (実施例1) 図2において、焼成における、パン生地内部温度の変化
を実線、パン生地外皮温度の変化を鎖線、焼成室温度の
変化を点線で表し、θはパン生地の焼成に適する焼成室
温度、θ1は電力供給量を変化させるために予め設定さ
れた焼成室温度であり、その時の電力供給量を棒グラフ
で表している。
【0032】さて、図2に示すように、焼成工程スター
ト(t0)により焼成室温度が上昇しθ1(約80度〜
120度:最適温度は100度)に達した時(t1)
に、電力供給量を減少させ焼成スタートから所定時間後
(t2:15分以上、最適時間は20分)にθに到達さ
せ、(t0)〜(t2)の間に電力供給がOFFするこ
とを防ぐのである。
【0033】これにより、パン生地内部温度がθ2(約
100度弱)に達するまでは、熱供給を継続的に行うこ
とが可能となり、かつ、パン生地内部温度上昇が5分〜
10分短くなり、従来では得られなかったパン生地の蛋
白質の継続的な熱変性の促進、また、パン生地内部と外
皮部のイースト菌の失活速度の均一化等の作用が得ら
れ、パンの外観は側面にヘコミの無い保形性に優れ、か
つ、容積の大きいものとなる。また、パンのすだちはキ
メの細かく、膜の薄い、かつ、これらが均一なものとな
ることにより、舌触りがソフトなできの良いパンを得る
ことができるものである。
【0034】なお、(t1)以降パン外皮部温度上昇が
遅くなることによりパン外皮部の過剰加熱の防止、パン
の内部温度上昇が早くなることにより焼成加熱時間の短
縮化等の作用により外皮部の薄いパンを得ることができ
るものである。
【0035】(実施例2) 図3において、蛋白質の含量の少ない全粒小麦粉パン生
地の焼成における、温度変化とその時の電力供給量を示
し、図の表示方法は実施例1と同様である。
【0036】さて、図3に示すように、焼成工程におけ
る電力供給量を減少させる温度域を小さく、かつ、低く
設定することにより、焼成室温度がθに到達する時間を
長くする。なお、変化後の電力供給量を実施例1より少
なくすることにより焼成室温度がθに到達する時間は更
に長くなる。つまり、焼成工程スタート(t0)によ
り、焼成室温度は上昇しθ1(約80度〜100度:最
適温度は90度)に達した時(t1)に電力供給量を減
少させ焼成スタートから所定時間後(t2:約20分以
上、最適時間は25分)にθに到達させ、(t0)〜
(t2)の間に電力供給がOFFすることを防ぐのであ
る。
【0037】これにより、パン生地内部温度がθ2(約
100度弱)に達するまでは、全粒小麦粉パン生地に適
した熱供給を継続的に行うことが可能となり、かつ、実
施例1と比べパン生地内部温度上昇を5分間長くするこ
とにより、従来では得られなかった全粒小麦粉パン生地
に適した蛋白質の継続的な熱変性の促進、また、パン生
地組織の破壊抑制(蛋白質含量が少ないパン生地の場
合、イースト菌によるガス保持力が劣りパン生地組織、
つまり、パンの細かいキメが破壊され粗いキメにな
る)、パン生地内部と外皮部のイースト菌の失活速度の
均一化等の作用が得られ、パンの外観は側面にヘコミの
無い保形性に優れ、かつ、容積の大きいものとなる。ま
た、パンのすだちはキメの細かく、膜の薄い、かつ、こ
れらが均一なものとなることにより、舌触りがソフトな
できの良い全粒小麦粉パンを得ることができるものであ
る。
【0038】(実施例3) 図4において、大麦、小麦等の穀物の荒挽き粉を混合し
たパン生地の焼成における、温度変化とその時の電力供
給量を示し、図の表示方法は実施例1と同様である。
【0039】さて、図4に示すように、焼成工程におけ
る電力供給量を減少させる温度を低くすることにより、
焼成室温度がθに到達する時間を長くする。なお、変化
後の電力供給量を実施例2より少なくすることにより焼
成室温度がθに到達する時間は更に長くなる。つまり、
焼成工程スタート(t0)により、焼成室温度は上昇し
θ1(約60度〜100度:最適温度は80度)に達し
た時(t1)に電力供給量を減少させ、焼成スタートか
ら所定時間後(t2:約20分以上、最適時間は30
分)にθに到達させ、(t0)〜(t2)の間に電力供
給がOFFすることを防ぐのである。
【0040】これにより、パン生地内部温度がθ2(約
100度弱)に達するまでは、大麦、小麦等の穀物の荒
挽き粉を混合したパン生地に適した熱供給を継続的に行
うことが可能となり、かつ、実施例1と比べパン生地内
部温度上昇を10分間長くすることにより、従来では得
られなかった大麦、小麦等の穀物の荒挽き粉を混合した
パン生地に適した蛋白質の継続的な熱変性の促進、ま
た、粒度バラツキのあるパン生地におけるイースト菌に
よるガス保持力の均一化、パン生地内部と外皮部のイー
スト菌の失活速度の均一化等の作用が得られ、パンの外
観は側面にヘコミの無い保形性に優れ、かつ、容積の大
きいものとなる。また、パンのすだちはキメの細かく、
膜の薄い、かつ、これらが均一なものとなることによ
り、舌触りがソフトな大麦、小麦等の穀物の荒挽き粉を
混合したパンを得ることができるものである。
【0041】(実施例4) 図5において、ライ麦粉を主とするパン生地の焼成にお
ける、温度変化とその時の電力供給量を示し、図の表示
方法は実施例1と同様である。
【0042】さて、図5に示すように、焼成工程におけ
る電力供給量を減少させる温度を更に低くすることによ
り、焼成室温度がθに到達する時間を長くする。なお、
変化後の電力供給量を実施例3より少なくすることによ
り焼成室温度がθに到達する時間は更に長くなる。つま
り、焼成工程スタート(t0)により、焼成室温度は上
昇しθ1(約40度〜80度:最適温度は60度)に達
した時(t1)に電力供給量を減少させ焼成スタートか
ら所定時間後(t2:約40分以上、最適時間は60
分)にθに到達させ、(t0)〜(t2)の間に電力供
給がOFFすることを防ぐのである。
【0043】これにより、パン生地内部温度がθ2(約
100度弱)に達するまでは、ライ麦粉のパン生地に適
した熱供給を継続的に行うことが可能となり、かつ、実
施例1と比べパン生地内部温度上昇を25分間長くする
ことにより、従来では得られなかったライ麦粉のパン生
地の蛋白質の継続的な熱変性、また、パン生地の組織破
壊を行う酵素の失活促進、パン生地内部と外皮部のイー
スト菌の失活速度の均一化等の作用が得られ、パンの外
観は側面にヘコミの無い保形性に優れ、かつ、容積の大
きいものとなる。また、パンのすだちはキメの細かく、
膜の薄い、かつ、これらが均一なものとなることによ
り、舌触りがソフトなライ麦粉パンを得ることができる
ものである。
【0044】(実施例5) 図6において、焼成における、温度変化とその時の電力
供給量を示し、図の表示方法は実施例1と同様である。
但し、(a)は環境温度の低い時、(b)は高い時を表
している。
【0045】さて、図6に示すように、焼成工程におけ
る電力供給量を変化させる量を焼成室温度の変化量に応
じて設定することにより、環境温度にかかわらず焼成室
温度がθに到達する時間を一定にする。まず、(a)に
おいて、焼成工程スタート(t0)により、焼成室温度
は上昇しθ1(約80度〜120度:最適温度は100
度)に達した時(t1)に、これに要した時間(Δt)
と、この間の温度差(Δθ)に応じて、その後の電力供
給量(P→P2)を設定し、焼成スタートから所定時間
後(t2:約15分以上、最適時間は20分)に焼成室
温度をθに到達させ、(t0)〜(t2)の間に電力供
給がOFFすることを防ぐのである。次に、(b)にお
いて、環境温度が高い時、焼成工程スタート(t0)に
より、焼成室温度は上昇しθ1(約80度〜120度:
最適温度は100度)に達する(t1)に要する時間
(Δt)が短くなるため、その後の電力供給量は(a)
の時より少ない量を(P→P2′=P2−ΔP)を設定
し、環境温度が低い時と同様に焼成スタートから同じ所
定時間後(t2:約15分以上、最適時間は20分)
に、焼成室温度をθに到達させ、(t0)〜(t2)の
間に電力供給がOFFすることを防ぐのである。
【0046】これにより、環境温度の高温時、低温時に
かかわらずパン生地内部温度がθ2(約100度弱)に
達するまでは熱供給を継続的に行うことが可能となり、
環境温度に影響されることなく、パン生地の蛋白質の熱
変性速度の一定化、また、パン生地内部と外皮部のイー
スト菌の失活速度の均一化等の作用が得られ、環境温度
にかかわらず出来映えの一定した良いパンを得ることが
できるものである。
【0047】(実施例6) 図7において、焼成における、温度変化とその時の電力
供給量を示し、図の表示方法は実施例1と同様である。
【0048】さて、図7に示すように、焼成工程におけ
る電力供給量を変化させる回数を一定時間毎に焼成室温
度の変化量に応じて設定することにより、電圧変動に対
しても焼成室温度がθに到達する時間を一定にすること
ができる。つまり、焼成工程スタート(t0)により、
電力供給量を変化させる回数を一定時間毎(変化させる
場所はt1、t2、t3……とする)に、その温度差
(Δθ1,Δθ2,Δθ3,……)に応じて、その後の
電力供給量を設定し(Δθ1→p1,Δθ2→p2,Δ
θ3→p3……とする)、焼成スタートから所定時間後
(t2:約15分以上、最適時間は20分)に焼成室温
度をθに到達させ、(t0)〜(t2)の間に電力供給
がOFFすることを防ぐのである。
【0049】これにより、焼成中の電圧変動にかかわら
ずパン生地内部温度がθ2(約100度弱)に達するま
では継続的に熱供給を行うことが可能となり、従来では
得られなかったパン生地の蛋白質の継続的な熱変性の一
定化、また、パン生地内部のイースト菌の失活速度の一
定化等の作用が得られ、電圧変動にかかわらず、出来映
えの一定した良いパンを得ることができるものである。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明の自動製パン機は、
製パン材料の混捏・発酵後の焼成工程において、焼成室
温度が各メニュー毎に予め設定された温度に到達した時
に電力供給量を減少させることにより、各メニューのパ
ン生地に適した温度上昇になるように熱量を与えること
ができ、また、各メニューのパン生地温度がピーク温度
に達するまでは電力供給が継続的に行うことができる。
【0051】この結果、パン生地の蛋白質の熱変性に必
要な熱量が継続的に与えられることにより、熱変性が十
分に行われ、側面のヘコミの無い保形性のすぐれた、容
積の大きいパンにすることができる。また、パン生地内
部温度上昇が早くなることによりイースト菌の失活が促
進され、キメの細かく、膜の薄い、すだちが均質な出来
映えの優れた製パンのできる自動製パン機を提供するこ
とができる。
【0052】また、電力供給量を焼成室温度の変化量に
応じて設定したり、変化させる回数を多くすることによ
り、環境温度の変動、電圧の変動にかかわらず、パン生
地温度がピーク温度に達するまでは電力供給が継続的に
行うことができる。
【0053】この結果、環境温度の変動、電圧の変動に
際しても、パン生地の蛋白質の熱変性の一定化、イース
ト菌の失活の一定化により、パン品質に差が生じること
がなく、一定品質の製パンのできる非常に優れた自動製
パン機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における構成図
【図2】第1の実施例における加熱調理の温度変化図と
電力供給図
【図3】第2の実施例における加熱調理の温度変化図と
電力供給図
【図4】第3の実施例における加熱調理の温度変化図と
電力供給図
【図5】第4の実施例における加熱調理の温度変化図と
電力供給図
【図6】第5の実施例における加熱調理の温度変化図と
電力供給図
【図7】第6の実施例における加熱調理の温度変化図と
電力供給図
【図8】従来の自動製パン機における構成図
【図9】従来の自動製パン機における加熱調理の温度変
化図と電力供給図
【符号の説明】
1 焼成室 2 駆動源 3 練り羽根 4 パン焼き型 5 熱源 6 温度検知装置 7 電力可変装置 8 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 37/00 A21B 1/40

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製パンを行うための焼成室内に、製パン材
    料を入れる練り羽根付きのパン焼き型、及び練り羽根を
    回転させ混捏・ガス抜き調理を行うための駆動源、発酵
    ・焼成調理を行うための熱源、焼成室の温度を検知する
    温度検知装置、これらを制御する制御装置を備え、製パ
    ン材料の混捏、発酵後の焼成工程において、前記焼成室
    の温度が約80度〜120度に達した時に、熱源への電
    力供給量を減少させ、焼成開始から約15分以上後に、
    パンの焼成に適する温度に到達させた後、一定時間この
    温度を保持し、焼成を行い、前記焼成工程において、焼
    成室の温度が所定温度に達するのに要する時間に応じ
    て、その後の熱源への電力供給量を変化させることを
    徴とする自動製パン機。
  2. 【請求項2】製パンを行うための焼成室内に、製パン材
    料を入れる練り羽根付きのパン焼き型、及び練り羽根を
    回転させ混捏・ガス抜き調理を行うための駆動源、発酵
    ・焼成調理を行うための熱源、焼成室の温度を検知する
    温度検知装置、これらを制御する制御装置を備え、蛋白
    質含量の少ない全粒小麦粉パンの焼成工程において、焼
    成室の温度が約80度〜100度に達した時に、熱源へ
    の電力供給量を減少させ、焼成開始から約20分以上後
    に、パンの焼成に適する温度に到達させ、焼成を行い、
    前記焼成工程において、焼成室の温度が所定温度に達す
    るのに要する時間に応じて、その後の熱源への電力供給
    量を変化させる自動製パン機。
  3. 【請求項3】製パンを行うための焼成室内に、製パン材
    料を入れる練り羽根付きのパン焼き型、及び練り羽根を
    回転させ混捏・ガス抜き調理を行うための駆動源、発酵
    ・焼成調理を行うための熱源、焼成室の温度を検知する
    温度検知装置、これらを制御する制御装置を備え、大麦
    ・小麦等の穀物の荒挽き粉を混ぜたパンの焼成工程にお
    いて、前記焼成室の温度が約60度〜100度に達した
    時に、熱源への電力供給量を減少させ、焼成開始から約
    20分以上後に、パンの焼成に適する温度に到達させ、
    焼成を行い、前記焼成工程において、焼成室の温度が所
    定温度に達するのに要する時間に応じて、その後の熱源
    への電力供給量を変化させ 自動製パン機。
  4. 【請求項4】製パンを行うための焼成室内に、製パン材
    料を入れる練り羽根付きのパン焼き型、及び練り羽根を
    回転させ混捏・ガス抜き調理を行うための駆動源、発酵
    ・焼成調理を行うための熱源、焼成室の温度を検知する
    温度検知装置、これらを制御する制御装置を備え、ライ
    麦粉を主とするパン材料の焼成工程において、前記焼成
    室の温度が約40度〜80度に達した時に、熱源への電
    力供給量を減少させ、焼成開始から約40分以上後に、
    パンの焼成に適する温度に到達させ、焼成を行い、前記
    焼成工程において、焼成室の温度が所定温度に達するの
    に要する時間に応じて、その後の熱源への電力供給量を
    変化させる自動製パン機。
  5. 【請求項5】製パンを行うための焼成室内に、製パン材
    料を入れる練り羽根付きのパン焼き型、及び練り羽根を
    回転させ混捏・ガス抜き調理を行うための駆動源、発酵
    ・焼成調理を行うための熱源、焼成室の温度を検知する
    温度検知装置、これらを制御する制御装置を備え、製パ
    ン材料の混捏、発酵後の焼成工程において、前記焼成室
    の温度が約80度〜120度に達した時に、熱源への電
    力供給量を減少させ、焼成開始から約15分以上後に、
    パンの焼成に適する温度に到達させた後、一定時間この
    温度を保持し、焼成を行い、前記焼成工程において、一
    定時間毎の温度変化量に応じて、熱源への電力供給量を
    変化させる自動製パン機。
  6. 【請求項6】製パンを行うための焼成室内に、製パン材
    料を入れる練り羽根付きのパン焼き型、及び練り羽根を
    回転させ混捏・ガス抜き調理を行うための駆動源、発酵
    ・焼成調理を行うための熱源、焼成室の温度を検知する
    温度検知装置、これらを制御する制御装置を備え、蛋白
    質含量の少ない全粒小麦粉パンの焼成工程において、焼
    成室の温度が約80度〜100度に達した時に、熱源へ
    の電力供給量を減少させ、焼成開始から約20分以上後
    に、パンの焼成に適する温度に到達させ、焼成を行い、
    前記焼成工程において、一定時間毎の温度変化量に応じ
    て、熱源への電力供給量を変化させる自動製パン機。
  7. 【請求項7】製パンを行うための焼成室内に、製パン材
    料を入れる練り羽根付きのパン焼き型、及び練り羽根を
    回転させ混捏・ガス抜き調理を行うための駆動源、発酵
    ・焼成調理を行うための熱源、焼成室の温度を検知する
    温度検知装置、これらを制御する制御装置を備え、大麦
    ・小麦等の穀物の荒挽き粉を混ぜたパン の焼成工程にお
    いて、前記焼成室の温度が約60度〜100度に達した
    時に、熱源への電力供給量を減少させ、焼成開始から約
    20分以上後に、パンの焼成に適する温度に到達させ、
    焼成を行い、前記焼成工程において、一定時間毎の温度
    変化量に応じて、熱源への電力供給量を変化させる自動
    製パン機。
  8. 【請求項8】製パンを行うための焼成室内に、製パン材
    料を入れる練り羽根付きのパン焼き型、及び練り羽根を
    回転させ混捏・ガス抜き調理を行うための駆動源、発酵
    ・焼成調理を行うための熱源、焼成室の温度を検知する
    温度検知装置、これらを制御する制御装置を備え、ライ
    麦粉を主とするパン材料の焼成工程において、前記焼成
    室の温度が約40度〜80度に達した時に、熱源への電
    力供給量を減少させ、焼成開始から約40分以上後に、
    パンの焼成に適する温度に到達させ、焼成を行い、前記
    焼成工程において、一定時間毎の温度変化量に応じて、
    熱源への電力供給量を変化させる自動製パン機。
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