JP3254708B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP3254708B2
JP3254708B2 JP34624691A JP34624691A JP3254708B2 JP 3254708 B2 JP3254708 B2 JP 3254708B2 JP 34624691 A JP34624691 A JP 34624691A JP 34624691 A JP34624691 A JP 34624691A JP 3254708 B2 JP3254708 B2 JP 3254708B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon black
magnetic
silica
weight
magnetic recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34624691A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05178604A (ja
Inventor
伸 小林
隆一 渋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP34624691A priority Critical patent/JP3254708B2/ja
Publication of JPH05178604A publication Critical patent/JPH05178604A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3254708B2 publication Critical patent/JP3254708B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に係り、よ
り詳しくは分散性、潤滑性、耐摩耗性の改善効果に優れ
たカーボンブラックを用いた磁気記録媒体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、オーディオ、ビデオ、その他各種
情報記録媒体等の磁気記録媒体の磁気記録層(磁性層)
は、Fe,γ−Fe,CrO,Co−F
,Fe,バリウムフェライト,ストロンチウム
フェライト等の強磁性粉末及びカーボンブラックを結合
剤(バインダー)であるエポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、ニトロセルロース、ポリビニル化合物などと共に有
機溶剤で希釈して混合することにより磁性塗料を調製
し、これを支持体上に塗布した後熱風で乾燥又は硬化さ
せて形成している。
【0003】また、最近ではオーディオ用やビデオ用等
のテープにおいては、帯電制御、走行安定性や耐摩耗性
を改良するために、磁性層形成面と反対側の支持体面に
バックコート層が設けられており、このバックコート層
にもカーボンブラックが用いられている。
【0004】このような磁気記録媒体の分野において
は、近年、高密度記録への要求の高まりとともに、高信
頼性、繰り返し使用のための耐摩耗性、帯電性、耐久性
などが要求されるようになってきた。
【0005】従来、高密度記録化のためには、磁性粉自
体の改良がなされ、先にのべたFe,バリウムフェライ
ト,ストロンチウムフェライト等の強磁性粉末が開発さ
れてきた。また、結合剤であるバインダーについては、
このような磁性粉のアルカリ指向に対応した改良品が開
発されてきた。かかるバインダー樹脂の改良品として
は、カルボキシル基含有ポリウレタン、スルフォン酸含
有ポリウレタンやカルボキシル基含有ポリ塩化ビニル樹
脂、スルフォン酸含有ポリ塩化ビニル樹脂、リン酸基含
有ポリ塩化ビニル樹脂やカルボキシル基含有ポリエステ
ル樹脂、スルフォン酸含有ポリエステル樹脂やカルボキ
シル基含有ニトロセルロース樹脂等が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、強磁性粉
の開発に併い、バインダー樹脂についても改良がなされ
たことから、磁性粉とバインダーとの適当性についての
問題は解消された。
【0007】しかしながら、磁性層やバックコート層中
には、帯電制御、耐摩耗性の付与の目的で、カーボンブ
ラックを添加することが必要とされるにもかかわらず、
従来、磁性粉やバインダーに対するカーボンブラックの
適応性は検討されていない。
【0008】このため、従来においては、磁性粉及びバ
インダーと共にカーボンブラックを添加混合した場合、
これら3成分の性能、特性をバランス良く発現させるこ
とができず、バインダー中でのカーボンブラックの分散
が十分に行なわれないことから、得られる磁気記録媒体
の表面平滑性、耐久性等が損なわれてしまうといった問
題があった。即ち、既存のカーボンブラックを用いて、
これを単に磁性粉やバインダーと組み合わせるだけで
は、各種特性、特に表面平滑性、耐摩耗性、耐久性等に
おける厳しい要求特性、更にはその信頼性を十分に満足
し得る磁気記録媒体を得ることは難しい。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、各種
要求特性、信頼性を十分に満足し得る磁気記録媒体を得
ることができるカーボンブラックを用いた磁気記録媒体
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、支持体上に磁性層を有し、場合により該支持体の一
方の面にバックコート層を有する磁気記録媒体におい
て、該磁性層中又はバックコート層中に、カーボンブラ
ックの揮発分組成中の酸素化合物から計算した酸素含有
量が、カーボンブラック1g中に10mg以上であるカ
ーボンブラックを、メトキシシラン、エトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、及びビニルトリエトキ
シシランから選ばれた1以上のシラン化合物を、該カー
ボンブラック表面上で加水分解することによりシリカコ
ーティングしたカーボンブラックであって、その添着量
がSiO 換算で1〜30重量%であるカーボンブラッ
クを含有することを特徴とする。
【0011】即ち、本発明者等は前記従来の問題点を解
決すべく鋭意検討した結果、カーボンブラックに特定の
表面処理をすることにより、前述の問題点が解消され、
要求特性を十分に満足し得る磁気記録媒体を得ることが
できることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明において、シリカコーティング処理
に用いるカーボンブラックは、粒子径10〜100m
μ、特に15〜80mμ、DBP吸油量20〜350m
l/100g、特に100〜200ml/100gの範
囲にあるカーボンブラックが好ましい。
【0014】ーボンブラックは、950℃までの加熱
で発生する揮発分中の成分のうち、酸素化合物から計算
した酸素含有量(以下、この酸素含有量の計算値を、単
に「酸素量」と称す。)が多い程、シリカがカーボンブ
ラック表面に均一に添着されることから、本発明では、
カーボンブラック1g中の酸素量が10mg以上である
ものを用いる。この酸素量が10mg/g未満であると
本発明による効果が顕著でない。特に好ましい酸素量は
10〜200mg/gである。このような酸素量のカー
ボンブラックを得るには、既存のカーボンブラックをオ
ゾン等の酸化性ガスで処理するなどの方法を採用するこ
とができ、酸素量はこの処理時間等を調節することによ
り容易に調整することができる。なお、酸素量が200
mg/gを超えるとより好ましいと予想されるが、酸化
の進行が少なく、現状ではこのようなカーボンブラック
を得ることは困難である。
【0015】本発明においては、このようなカーボンブ
ラックとシラン化合物とを共存させ、カーボンブラック
表面上で該シラン化合物を加水分解することによりカー
ボンブラック表面をシリカでコーティングする。
【0016】ここで使用されるシラン化合物はメトキシ
シラン、エトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシランであり、これらのシラン
化合物とカーボンブラックとの共存下、アンモニア水等
を添加して加水分解を生起させる。
【0017】以下に、本発明に好適なシリカコーティン
グ処理法について具体的に説明する。まず、上記シラン
化合物をメタノール、エタノール又はアセトン等のシラ
ン化合物及び水と相溶する溶剤で希釈し、シラン化合物
濃度1〜20重量%の液を調製する。これをA液とす
る。別に、エタノールに28%アンモニア水を5〜20
重量%添加し、必要に応じて、更に水を2〜10重量%
加えて、アンモニア液を調製する。これをB液とする。
【0018】B液にカーボンブラックを添加し、スタラ
ーで撹拌するか、好ましくは20kc程度の超音波を数
分照射し、更に、この中に所定量のA液を撹拌しながら
滴下し、引き続き撹拌を数分から数時間行なう。撹拌終
了後、濾過し、乾燥を行なってシリカコーティングカー
ボンブラックを得る。
【0019】このようなシリカコーティング処理による
シリカの添着量は、カーボンブラックに対して灰分(S
iO)で換算した生成量(以下「SiO添着量」と
称す。)が1〜30重量%、好ましくは3〜25重量%
とする。SiO添着量が1重量%未満であると本発明
による効果が得られず、また、30重量%を超えても添
着量の増加割合に比べてさほど効果が得られず、経済的
に不利である。なお、このSiO添着量は、シリカコ
ーティング処理に用いるシラン化合物濃度等を変更する
ことにより容易に調整することができる。
【0020】次に、このようなシリカコーティングカー
ボンブラックを用いて製造される本発明の磁気記録媒体
について説明する。
【0021】本発明の磁気記録媒体は、このようなシリ
カコーティングカーボンブラックを、磁性粉及びバイン
ダー樹脂等と共に用いて磁性塗料を調製し、これを非磁
性支持体上に塗布、乾燥して磁性層を形成することによ
り製造される。
【0022】この場合、磁性粉としては、Fe、Ni、
Co、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−
Ni合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−Co−Ni−
Cr合金、Co−Ni合金等、Fe、Ni、Co等の強
磁性金属或いはこれを主成分とする合金粉末、γ−Fe
、Fe、Co含有γ−Fe、Co含
有Fe等の酸化鉄磁性粉、CrO、バリウムフ
ェライト、ストロンチウムフェライト等の金属酸化物系
等の各種の強磁性粉末が挙げられる。
【0023】バインダー樹脂としては、非磁性支持体と
の密着性や耐摩耗性に優れるものが適宜使用され、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースアセテー
トブチレート、セルロースジアセテート、ニトロセルロ
ース等のセルロース誘導体、塩化ビニル−酢酸ビニル系
共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン系共重合体、塩
化ビニル−アクリル系共重合体等の塩化ビニル系樹脂、
スチレン−ブタジエン等の各種合成ゴム、エポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ、これらを単独又は2
種以上を混合して使用することができる。
【0024】上記磁性粉は、磁性層中の含有量が50〜
90重量%、特に55〜85重量%となるように使用す
るのが好ましい。また、本発明の磁気記録媒体において
は、磁性塗料中に更に、イソシアネート基を複数有する
低分子ポリイソシアネート化合物を含有させることによ
り、磁性層内に三次元網目構造を形成させ、その機械的
強度を向上させることができる。低分子ポリイソシアネ
ート化合物としてはトリレンジイソシアネートのトリメ
チロールプロパンアダクト体等が挙げられる。このよう
な低分子ポリイソシアネート化合物は、バインダー樹脂
に対して5〜100重量%の割合で使用するのが好まし
い。
【0025】また、上記磁性層を形成する磁性塗料に
は、更に必要に応じて潤滑剤、研摩剤、シリカコーティ
ングカーボンブラック以外の帯電防止剤等の各種添加剤
を使用することがきる。
【0026】ここで、潤滑剤としては、脂肪族系、フッ
素系、シリコーン系又は炭化水素系潤滑剤等が使用でき
る。脂肪族系潤滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸の金属
塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール
等が挙げられる。脂肪酸としては、オレイン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸等が好ましく挙げられ、脂肪酸の金属塩として
は、これらの脂肪酸のMg塩、Al塩、Na塩、Ca塩
等が好ましく挙げられる。脂肪酸エステルとしては前記
脂肪酸のブチル、オクチルエステル或いはグリセリド
等、脂肪酸アミド又は脂肪族アルコールとしては上記酸
のアミド、アルコール、リノール酸アミド、カプロン酸
アミド等が好ましく挙げられる。フッ素系潤滑剤として
は、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル
ポリエーテル、パーフルオロアルキルカルボン酸等が、
また、シリコーン系潤滑剤としてはシリコーンオイル、
変性シリコーンオイル等が、更に、炭化水素系潤滑剤と
してはパラフィン、スクアラン、ワックス等が好適なも
のとして挙げられる。
【0027】研摩剤としては、アルミナ、炭化珪素、酸
化クロム、窒化珪素等公知のものが挙げられる。
【0028】帯電防止剤としては、シリカコーティング
を施していないカーボンブラック、グラファイト等の無
機粒子の他、有機帯電防止剤が使用できる。
【0029】これらの各配合成分の好適配合割合は、磁
性粉100重量部に対して、潤滑剤0.5〜50重量
部、好ましくは0.1〜20重量部、研磨剤0.5〜5
0重量部、好ましくは0.1〜30重量部、バインダー
樹脂2〜140重量部、好ましくは5〜70重量部であ
る。また、シリカコーティングカーボンブラックについ
ては、帯電防止効果が得られる量で定まり、一般には磁
性粉100重量部に対して0〜100重量部の範囲で適
宜調節される。なお、帯電防止剤として、更にシリカコ
ーティングカーボンブラック以外のものを併用する場
合、その使用量は、シリカコーティングカーボンブラッ
クとの合計量で、磁性層中に1〜20重量%となるよう
な割合とするのが好ましい。
【0030】上記各成分を含む磁性塗料の混練、分散、
塗布の際に使用する溶剤としては、トルエン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン系、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール系、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系、ヘキサン等の
炭化水素系のもの等が使用できる。
【0031】混練、分散の方法、各成分の添加順序等は
磁性塗料の混練、分散に適用される通常の方法で行なわ
れる。
【0032】このようにして調製された磁性塗料は非磁
性支持体上に塗布、乾燥されて本発明の磁気記録媒体が
得られる。
【0033】非磁性支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ル類、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィ
ン類、セルロースアセテート等のセルロース誘導体、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリイミド等のプラスチ
ック、その他アルミニウム、ガラス等も使用できる。
【0034】このような非磁性支持体への磁性塗料の塗
布の方法としては、エアードクターコート、ブレードコ
ート、リバースロールコート、グラビアコート等、通常
適用される各種の方法が採用される。磁性層を複数層塗
布形成する場合には、下層塗布液と上層塗布液を湿潤状
態で同時に塗布しても良いし、各層を逐次塗布しても良
い。
【0035】なお、非磁性支持体上に形成する磁性層の
厚みは、乾燥後の厚さで通常0.1〜10μm、好まし
くは0.3〜2μmである。
【0036】磁性層の形成後は、更に必要に応じて配向
処理、ランダム処理或いは平滑化処理等を行なっても良
い。
【0037】本発明の磁気記録媒体は、支持体の一方の
面に磁性層を形成し、他方の面にバックコート層を形成
する場合において、このバックコート層に配合するカー
ボンブラックとして、前述のシリカコーティングカーボ
ンブラックを用いたものであってもよい
【0038】この場合、バックコート層は、前記と同様
のバインダー樹脂に対して、シリカコーティングカーボ
ンブラックを0.5〜100重量%配合し、磁性粉を用
いないこと以外は、前記磁性層の形成と同様にして形成
することができる。
【0039】なお、バックコート層には、カーボンブラ
ックの他に無機化合物、例えばCaCO、MoS
アルミナ等を更に添加することもできる。
【0040】
【作用】カーボンブラックにシリカコーティングを施し
て表面処理することにより、カーボンブラックの表面が
改質され、バインダー樹脂及び磁性粉中での分散性が改
善される。
【0041】このため、このシリカコーティングカーボ
ンブラックを用いることにより、表面平滑性、摩耗特
性、耐久性等に優れた磁性層及びバックコート層を形成
することが可能とされる。
【0042】特に、磁性層においては、バインダー樹
脂、磁性粉及びシリカコーティングカーボンブラックの
三成分が均一分散状態となることから、各成分の性能、
特性が十分に発揮され、電磁変換特性等の磁気記録特性
も改善される。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0044】実施例1,2 カーボンブラック#3250B(三菱化成(株)製)3
0gをガラス製回転キルンに入れ、オゾンガスを1.0
g/h発生する空気含有ガス3リットル/hで0.5時
間(実施例1)又は10時間(実施例2)各々処理し
た。得られたカーボンブラックの酸素量を表1に示す。
なお、酸素量はカーボンブラック0.2gを精秤して、
ガラス容器中に入れ、10−2mmHgまで減圧し、ガ
ラス容器を950℃に電気炉で30分加熱して揮発する
ガスを定量した後、ガスクロマトグラフィーで組成分析
する装置を用いて分析した。
【0045】次に、一級エタノールにエトキシシランを
0.25重量%となるように添加し、これをA液とし
た。別に、一級エタノールに28%アンモニア水を10
重量%添加し、これをB液とした。
【0046】B液1840gに各カーボンブラックをそ
れぞれ50g添加し、スタラーで5分間撹拌した後、5
分間超音波分散した。この中にA液690gを撹拌しな
がら滴下し、引き続き30分撹拌した。その後、エタノ
ールを脱離後、110℃で乾燥して、シリカコーティン
グカーボンブラック(実施例1)及びシリカコーティ
ングカーボンブラック(実施例2)を得た。各シリカ
コーティングカーボンブラックのSiO添着量を表1
に示す。
【0047】得られたカーボンブラック,を用い
て、各々下記組成の磁性塗料を調製し、厚さ75μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚み
が1.0μmになるように塗布した。更に、表面平滑化
処理を行なった後、3.5インチディスクに打ち抜きフ
ロッピーディスクを製造した。
【0048】 磁性塗料組成(重量部) 強磁性合金粉末(Fe−Ni合金、Ni;約5重量%、 Hc; 1500 Oe、比表面積[S−BET];45m/g):100 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体 (UCC:VAGH): 18 ポリウレタン(日本ポリウレタン製;N2304、 MDI系ポリエステルポリウレタン): 18 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製;コロネートL、 トリメチロールプロパンTDIアダクト物): 10 α−アルミナ研磨剤(粒子径:0.5μm): 3 シリカコーティングカーボンブラック又は: 8 レシチン: 5 ブチルステアレート: 5 メチルエチルケトン: 195 シクロヘキサノン: 195
【0049】得られたフロッピーディスクについて、下
記方法により評価を行ない、結果を表1に示した。
【0050】 比表面積:カルロ・エルバ社製「ソープトマチック」にて測定し、B.E.T式 にて計算した。 光沢 :塗布表面平滑処理後の表面光沢を、入射角60°、反射角60°の全 反射率を標準光計により測定した。 表面粗度:テーラーホブソン社製「タリステップ触針型表面粗さ計」で測定した 。 スターティングトルク:ディスクユニットに装着したトルクメーターにて、ディ スクの回転初期の最大トルクを測定した。 動摩擦 :電流プローブにて、フロッピーディスクドライブのディスク回転時の スピンドルモーターに流れる電流を測定した。
【0051】実施例3〜5 実施例1において、A液中のエトキシシラン濃度を2.
5重量%(実施例3)、0.5重量%(実施例4)、
0.2重量%(実施例5)としたこと以外は同様にして
フロッピーディスクを製造し、その評価を行なった。
【0052】シリカコーティングカーボンブラックのS
iO添着量及び評価結果を表1に示す。
【0053】実施例6 実施例1において、強磁性合金粉末(Fe−Ni合金)
の代わりに、Co含有γ−Fe(Hc;700
Oe、比表面積[S−BET];20m/g)を用い
たこと以外は同様にしてフロッピーディスクを製造し、
その評価を行ない、結果を表1に示した。
【0054】比較例1 実施例1において、シリカコーティングカーボンブラッ
クの代わりに、未処理カーボンブラックを用いたこと
以外は同様にしてフロッピーディスクを製造し、その評
価を行なった。用いたカーボンブラックの酸素量、評価
結果を表1に示す。
【0055】比較例2 実施例6において、シリカコーティングカーボンブラッ
クの代わりに未処理カーボンブラックを用いたこと以
外は同様にしてフロッピーディスクを製造し、その評価
を行なった。用いたカーボンブラックの酸素量、評価結
果を表1に示す。
【0056】比較例3 実施例1において、A液中のエトキシシラン濃度を変更
することにより、SiO添着量0.5重量%のシリカ
コーティングカーボンブラックを得、このカーボンブラ
ックを用いたこと以外は同様にしてフロッピーディスク
を製造し、その評価を行なった。評価結果を表1に示
す。
【0057】比較例4 実施例1において、A液中のエトキシシラン濃度を変更
することにより、SiO添着量40重量%のシリカコ
ーティングカーボンブラックを得、このカーボンブラッ
クを用いたこと以外は同様にしてフロッピーディスクを
製造し、その評価を行なった。評価結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】表1より明らかなように、SiO添着量
1〜30重量%のシリカコーティングカーボンブラック
を用いることにより、表面平滑性、摩擦特性に優れたカ
ーボンブラック及びこれを用いた磁気記録媒体が提供さ
れる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明に係るカーボ
ンブラックは、バインダー樹脂及び磁性粉への分散性、
潤滑性に著しく優れることから、これを磁性層又はバッ
クコート層に配合することにより、その良好な分散性、
潤滑性により、各成分の性能、特性を有効に発揮させる
ことが可能とされる
【0061】従って、このようなカーボンブラックを用
いる本発明の磁気記録媒体によれば、表面平滑性、摩擦
特性、耐久性等に優れた磁性層又はバックコート層を有
する信頼性の高い磁気記録媒体が提供される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−63755(JP,A) 特開 平3−12460(JP,A) 特開 平1−126375(JP,A) 特開 平1−207359(JP,A) 特開 平1−284564(JP,A) 特開 平4−79014(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 1/56 C09C 3/12 G11B 5/708 C08K 3/04 C09D 7/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に磁性層を有し、場合により該
    支持体の一方の面にバックコート層を有する磁気記録媒
    体において、 該磁性層中又はバックコート層中に、 カーボンブラックの揮発分組成中の酸素化合物から計算
    した酸素含有量が、カーボンブラック1g中に10mg
    以上であるカーボンブラックを、 メトキシシラン、エトキシシラン、メチルトリメトキシ
    シラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキ
    シシラン、及びビニルトリエトキシシランから選ばれた
    1以上のシラン化合物を、該 カーボンブラック表面上で
    加水分解することによりシリカコーティングしたカーボ
    ンブラックであって、 その添着量がSiO換算で1〜30重量%であるカー
    ボンブラックを含有することを特徴とする磁気記録媒
JP34624691A 1991-12-27 1991-12-27 磁気記録媒体 Expired - Fee Related JP3254708B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34624691A JP3254708B2 (ja) 1991-12-27 1991-12-27 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34624691A JP3254708B2 (ja) 1991-12-27 1991-12-27 磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05178604A JPH05178604A (ja) 1993-07-20
JP3254708B2 true JP3254708B2 (ja) 2002-02-12

Family

ID=18382107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34624691A Expired - Fee Related JP3254708B2 (ja) 1991-12-27 1991-12-27 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3254708B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6008272A (en) * 1995-05-22 1999-12-28 Cabot Corporation Elastomeric compounds incorporating silicon-treated carbon blacks
US5877238A (en) * 1995-05-22 1999-03-02 Cabot Corporation Elastomeric compounds incorporating silicon-treated carbon blacks and coupling agents
US5622557A (en) * 1995-05-22 1997-04-22 Cabot Corporation Mineral binders colored with silicon-containing carbon black
US5830930A (en) * 1995-05-22 1998-11-03 Cabot Corporation Elastomeric compounds incorporating silicon-treated carbon blacks
US6020402A (en) 1995-09-15 2000-02-01 Cabot Corporation Silicone rubber compositions incorporating silicon-treated carbon blacks
US5948835A (en) * 1995-09-15 1999-09-07 Cabot Corporation Silicon-treated carbon black/elastomer formulations and applications
DE19613796A1 (de) * 1996-04-04 1997-10-09 Degussa Ruß und Verfahren zu seiner Herstellung
US6197274B1 (en) * 1996-09-25 2001-03-06 Cabot Corporation Silica coated carbon blacks
EP0929604A1 (en) * 1996-09-25 1999-07-21 Cabot Corporation Pre-coupled silicon-treated carbon blacks
US5904762A (en) * 1997-04-18 1999-05-18 Cabot Corporation Method of making a multi-phase aggregate using a multi-stage process

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05178604A (ja) 1993-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0481252B2 (ja)
JP3254708B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0715747B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH05274645A (ja) 磁気記録媒体
JP2744225B2 (ja) 磁気ディスク
JP2754655B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0481264B2 (ja)
JP2674121B2 (ja) 磁性粉含有水系塗料を用いた磁気記録媒体及びその製造法
JP2559259B2 (ja) 磁気ディスク
JP2839745B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2744226B2 (ja) 磁気ディスク
JPS62219327A (ja) 磁気記録媒体用固形添加剤およびそれを用いた磁気記録媒体
JPH10162344A (ja) 磁気記録媒体及びその製造法
JPH0677315B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH10340445A (ja) 磁気記録媒体及びその製造法
JP2820550B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3288778B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3017261B2 (ja) 磁気ディスク
JPH11175954A (ja) 磁気記録媒体
JPH06111283A (ja) 磁気記録媒体
JPH05274646A (ja) 磁気記録媒体
JPH06162475A (ja) 磁気記録媒体
JPH04229414A (ja) 磁気記録媒体
JPH0248978B2 (ja)
JPH11283237A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees