JPH05178604A - カーボンブラック及びこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

カーボンブラック及びこれを用いた磁気記録媒体

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JPH05178604A
JPH05178604A JP3346246A JP34624691A JPH05178604A JP H05178604 A JPH05178604 A JP H05178604A JP 3346246 A JP3346246 A JP 3346246A JP 34624691 A JP34624691 A JP 34624691A JP H05178604 A JPH05178604 A JP H05178604A
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carbon black
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伸 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面平滑性、耐久性等に優れた磁気記録媒体
を提供する。 【構成】 珪素化合物をカーボンブラック表面上で加水
分解することにより、シリカコーティングしたカーボン
ブラックであって、その添着量がSiO2 換算で1〜3
0重量%であるカーボンブラック。このカーボンブラッ
クを磁性層及び又はバックコート層に配合した磁気記録
媒体。 【効果】 シランで表面処理することによりカーボンブ
ラックが改質され、バインダー樹脂や磁性粉への分散
性、潤滑性が向上する。このため、各成分の特性が有効
に発揮され、諸特性に優れた信頼性の高い磁気記録媒体
が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカーボンブラック及びそ
れを用いた磁気記録媒体に係り、より詳しくは分散性、
潤滑性、耐摩耗性の改善効果に優れたカーボンブラック
及びこのカーボンブラックを用いた磁気記録媒体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オーディオ、ビデオ、その他各種
情報記録媒体等の磁気記録媒体の磁気記録層(磁性層)
は、Fe34 ,γ−Fe23 ,CrO2 ,Co−F
23 ,Fe,バリウムフェライト,ストロンチウム
フェライト等の強磁性粉末及びカーボンブラックを結合
剤(バインダー)であるエポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、ニトロセルロース、ポリビニル化合物などと共に有
機溶剤で希釈して混合することにより磁性塗料を調製
し、これを支持体上に塗布した後熱風で乾燥又は硬化さ
せて形成している。
【0003】また、最近ではオーディオ用やビデオ用等
のテープにおいては、帯電制御、走行安定性や耐摩耗性
を改良するために、磁性層形成面と反対側の支持体面に
バックコート層が設けられており、このバックコート層
にもカーボンブラックが用いられている。
【0004】このような磁気記録媒体の分野において
は、近年、高密度記録への要求の高まりとともに、高信
頼性、繰り返し使用のための耐摩耗性、帯電性、耐久性
などが要求されるようになってきた。
【0005】従来、高密度記録化のためには、磁性粉自
体の改良がなされ、先にのべたFe,バリウムフェライ
ト,ストロンチウムフェライト等の強磁性粉末が開発さ
れてきた。また、結合剤であるバインダーについては、
このような磁性粉のアルカリ指向に対応した改良品が開
発されてきた。かかるバインダー樹脂の改良品として
は、カルボキシル基含有ポリウレタン、スルフォン酸含
有ポリウレタンやカルボキシル基含有ポリ塩化ビニル樹
脂、スルフォン酸含有ポリ塩化ビニル樹脂、リン酸基含
有ポリ塩化ビニル樹脂やカルボキシル基含有ポリエステ
ル樹脂、スルフォン酸含有ポリエステル樹脂やカルボキ
シル基含有ニトロセルロース樹脂等が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、強磁性粉
の開発に併い、バインダー樹脂についても改良がなされ
たことから、磁性粉とバインダーとの適当性についての
問題は解消された。
【0007】しかしながら、磁性層やバックコート層中
には、帯電制御、耐摩耗性の付与の目的で、カーボンブ
ラックを添加することが必要とされるにもかかわらず、
従来、磁性粉やバインダーに対するカーボンブラックの
適応性は検討されていない。
【0008】このため、従来においては、磁性粉及びバ
インダーと共にカーボンブラックを添加混合した場合、
これら3成分の性能、特性をバランス良く発現させるこ
とができず、バインダー中でのカーボンブラックの分散
が十分に行なわれないことから、得られる磁気記録媒体
の表面平滑性、耐久性等が損なわれてしまうといった問
題があった。即ち、既存のカーボンブラックを用いて、
これを単に磁性粉やバインダーと組み合わせるだけで
は、各種特性、特に表面平滑性、耐摩耗性、耐久性等に
おける厳しい要求特性、更にはその信頼性を十分に満足
し得る磁気記録媒体を得ることは難しい。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、各種
要求特性、信頼性を十分に満足し得る磁気記録媒体を得
ることができるカーボンブラック及びこれを用いた磁気
記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1のカーボンブラ
ックは、珪素化合物をカーボンブラック表面上で加水分
解することによりシリカコーティングしたカーボンブラ
ックであって、その添着量がSiO2 換算で1〜30重
量%であることを特徴とする。
【0011】請求項2のカーボンブラックは、請求項1
のカーボンブラックにおいて、カーボンブラックの揮発
分組成中の酸素化合物から計算した酸素含有量が、カー
ボンブラック1g中に10mg以上であるカーボンブラ
ックに、シリカコーティングしてなることを特徴とす
る。
【0012】請求項3の磁気記録媒体は、支持体上に磁
性層を有する磁気記録媒体において、該磁性層中に請求
項1に記載のカーボンブラックを含有することを特徴と
する。
【0013】請求項4の磁気記録媒体は、支持体の一方
の面に磁性層を有し、他方の面にバックコート層を有す
る磁気記録媒体において、該バックコート層中に請求項
1に記載のカーボンブラックを含有することを特徴とす
る。
【0014】即ち、本発明者等は前記従来の問題点を解
決すべく鋭意検討した結果、カーボンブラックに特定の
表面処理をすることにより、前述の問題点が解消され、
要求特性を十分に満足し得る磁気記録媒体を得ることが
できることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】以下に本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明において、シリカコーティング処理
に用いるカーボンブラックは、通常、磁気記録体に使用
されているものであれば良く特に限定されるものではな
いが、好ましくは粒子径10〜100mμ、特に15〜
80mμ、DBP吸油量20〜350ml/100g、
特に100〜200ml/100gの範囲にあるカーボ
ンブラックが好ましい。
【0017】特に、使用するカーボンブラックは、95
0℃までの加熱で発生する揮発分中の成分のうち、酸素
化合物から計算した酸素含有量(以下、この酸素含有量
の計算値を、単に「酸素量」と称す。)が多い程、シリ
カがカーボンブラック表面に均一に添着されることか
ら、カーボンブラック1g中の酸素量が10mg以上で
あることが好ましい。この酸素量が10mg/g未満で
あると本発明による効果が顕著でない。特に好ましい酸
素量は10〜200mg/gである。このような酸素量
のカーボンブラックを得るには、既存のカーボンブラッ
クをオゾン等の酸化性ガスで処理するなどの方法を採用
することができ、酸素量はこの処理時間等を調節するこ
とにより容易に調整することができる。なお、酸素量が
200mg/gを超えるとより好ましいと予想される
が、酸化の進行が少なく、現状ではこのようなカーボン
ブラックを得ることは困難である。
【0018】本発明においては、このようなカーボンブ
ラックと珪素化合物とを共存させ、カーボンブラック表
面上で該珪素化合物を加水分解することによりカーボン
ブラック表面をシリカでコーティングする。
【0019】ここで使用される珪素化合物としてはメト
キシシラン、エトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ビニルメトリメトキシ
シラン、ビニルメトリエトキシシラン等のシラン化合物
が挙げられ、これらのシラン化合物とカーボンブラック
との共存下、アンモニア水等を添加して加水分解を生起
させる。
【0020】以下に、本発明に好適なシリカコーティン
グ処理法について具体的に説明する。まず、上記シラン
化合物をメタノール、エタノール又はアセトン等のシラ
ン化合物及び水と相溶する溶剤で希釈し、シラン化合物
濃度1〜20重量%の液を調製する。これをA液とす
る。別に、エタノールに28%アンモニア水を5〜20
重量%添加し、必要に応じて、更に水を2〜10重量%
加えて、アンモニア液を調製する。これをB液とする。
【0021】B液にカーボンブラックを添加し、スタラ
ーで撹拌するか、好ましくは20kc程度の超音波を数
分照射し、更に、この中に所定量のA液を撹拌しながら
滴下し、引き続き撹拌を数分から数時間行なう。撹拌終
了後、濾過し、乾燥を行なってシリカコーティングカー
ボンブラックを得る。
【0022】このようなシリカコーティング処理による
シリカの添着量は、カーボンブラックに対して灰分(S
iO2 )で換算した生成量(以下「SiO2 添着量」と
称す。)が1〜30重量%、好ましくは3〜25重量%
とする。SiO2 添着量が1重量%未満であると本発明
による効果が得られず、また、30重量%を超えても添
着量の増加割合に比べてさほど効果が得られず、経済的
に不利である。なお、このSiO2 添着量は、シリカコ
ーティング処理に用いるシラン化合物濃度等を変更する
ことにより容易に調整することができる。
【0023】次に、このようなシリカコーティングカー
ボンブラックを用いて製造される本発明の磁気記録媒体
について説明する。
【0024】請求項3の磁気記録媒体は、このようなシ
リカコーティングカーボンブラックを、磁性粉及びバイ
ンダー樹脂等と共に用いて磁性塗料を調製し、これを非
磁性支持体上に塗布、乾燥して磁性層を形成することに
より製造される。
【0025】この場合、磁性粉としては、Fe、Ni、
Co、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−
Ni合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−Co−Ni−
Cr合金、Co−Ni合金等、Fe、Ni、Co等の強
磁性金属或いはこれを主成分とする合金粉末、γ−Fe
23 、Fe34 、Co含有γ−Fe23 、Co含
有Fe34 等の酸化鉄磁性粉、CrO2 、バリウムフ
ェライト、ストロンチウムフェライト等の金属酸化物系
等の各種の強磁性粉末が挙げられる。
【0026】バインダー樹脂としては、非磁性支持体と
の密着性や耐摩耗性に優れるものが適宜使用され、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースアセテー
トブチレート、セルロースジアセテート、ニトロセルロ
ース等のセルロース誘導体、塩化ビニル−酢酸ビニル系
共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン系共重合体、塩
化ビニル−アクリル系共重合体等の塩化ビニル系樹脂、
スチレン−ブタジエン等の各種合成ゴム、エポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ、これらを単独又は2
種以上を混合して使用することができる。
【0027】上記磁性粉は、磁性層中の含有量が50〜
90重量%、特に55〜85重量%となるように使用す
るのが好ましい。また、本発明の磁気記録媒体において
は、磁性塗料中に更に、イソシアネート基を複数有する
低分子ポリイソシアネート化合物を含有させることによ
り、磁性層内に三次元網目構造を形成させ、その機械的
強度を向上させることができる。低分子ポリイソシアネ
ート化合物としてはトリレンジイソシアネートのトリメ
チロールプロパンアダクト体等が挙げられる。このよう
な低分子ポリイソシアネート化合物は、バインダー樹脂
に対して5〜100重量%の割合で使用するのが好まし
い。
【0028】また、上記磁性層を形成する磁性塗料に
は、更に必要に応じて潤滑剤、研摩剤、シリカコーティ
ングカーボンブラック以外の帯電防止剤等の各種添加剤
を使用することがてきる。
【0029】ここで、潤滑剤としては、脂肪族系、フッ
素系、シリコーン系又は炭化水素系潤滑剤等が使用でき
る。脂肪族系潤滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸の金属
塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール
等が挙げられる。脂肪酸としては、オレイン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸等が好ましく挙げられ、脂肪酸の金属塩として
は、これらの脂肪酸のMg塩、Al塩、Na塩、Ca塩
等が好ましく挙げられる。脂肪酸エステルとしては前記
脂肪酸のブチル、オクチルエステル或いはグリセリド
等、脂肪酸アミド又は脂肪族アルコールとしては上記酸
のアミド、アルコール、リノール酸アミド、カプロン酸
アミド等が好ましく挙げられる。フッ素系潤滑剤として
は、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル
ポリエーテル、パーフルオロアルキルカルボン酸等が、
また、シリコーン系潤滑剤としてはシリコーンオイル、
変性シリコーンオイル等が、更に、炭化水素系潤滑剤と
してはパラフィン、スクアラン、ワックス等が好適なも
のとして挙げられる。
【0030】研摩剤としては、アルミナ、炭化珪素、酸
化クロム、窒化珪素等公知のものが挙げられる。
【0031】帯電防止剤としては、シリカコーティング
を施していないカーボンブラック、グラファイト等の無
機粒子の他、有機帯電防止剤が使用できる。
【0032】これらの各配合成分の好適配合割合は、磁
性粉100重量部に対して、潤滑剤0.5〜50重量
部、好ましくは0.1〜20重量部、研磨剤0.5〜5
0重量部、好ましくは0.1〜30重量部、バインダー
樹脂2〜140重量部、好ましくは5〜70重量部であ
る。また、シリカコーティングカーボンブラックについ
ては、帯電防止効果が得られる量で定まり、一般には磁
性粉100重量部に対して0〜100重量部の範囲で適
宜調節される。なお、帯電防止剤として、更にシリカコ
ーティングカーボンブラック以外のものを併用する場
合、その使用量は、シリカコーティングカーボンブラッ
クとの合計量で、磁性層中に1〜20重量%となるよう
な割合とするのが好ましい。
【0033】上記各成分を含む磁性塗料の混練、分散、
塗布の際に使用する溶剤としては、トルエン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン系、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール系、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系、ヘキサン等の
炭化水素系のもの等が使用できる。
【0034】混練、分散の方法、各成分の添加順序等は
磁性塗料の混練、分散に適用される通常の方法で行なわ
れる。
【0035】このようにして調製された磁性塗料は非磁
性支持体上に塗布、乾燥されて本発明の磁気記録媒体が
得られる。
【0036】非磁性支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ル類、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィ
ン類、セルロースアセテート等のセルロース誘導体、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリイミド等のプラスチ
ック、その他アルミニウム、ガラス等も使用できる。
【0037】このような非磁性支持体への磁性塗料の塗
布の方法としては、エアードクターコート、ブレードコ
ート、リバースロールコート、グラビアコート等、通常
適用される各種の方法が採用される。磁性層を複数層塗
布形成する場合には、下層塗布液と上層塗布液を湿潤状
態で同時に塗布しても良いし、各層を逐次塗布しても良
い。
【0038】なお、非磁性支持体上に形成する磁性層の
厚みは、乾燥後の厚さで通常0.1〜10μm、好まし
くは0.3〜2μmである。
【0039】磁性層の形成後は、更に必要に応じて配向
処理、ランダム処理或いは平滑化処理等を行なっても良
い。
【0040】請求項4の磁気記録媒体は、支持体の一方
の面に磁性層を形成し、他方の面にバックコート層を形
成する場合において、このバックコート層に配合するカ
ーボンブラックとして、本発明のシリカコーティングカ
ーボンブラックを用いたものである。
【0041】この場合、バックコート層は、前記と同様
のバインダー樹脂に対して、シリカコーティングカーボ
ンブラックを0.5〜100重量%配合し、磁性粉を用
いないこと以外は、前記磁性層の形成と同様にして形成
することができる。
【0042】なお、バックコート層には、カーボンブラ
ックの他に無機化合物、例えばCaCO3 、MoS2
アルミナ等を更に添加することもできる。
【0043】
【作用】カーボンブラックにシリカコーティングを施し
て表面処理することにより、カーボンブラックの表面が
改質され、バインダー樹脂及び磁性粉中での分散性が改
善される。
【0044】このため、このシリカコーティングカーボ
ンブラックを用いることにより、表面平滑性、摩耗特
性、耐久性等に優れた磁性層及びバックコート層を形成
することが可能とされる。
【0045】特に、磁性層においては、バインダー樹
脂、磁性粉及びシリカコーティングカーボンブラックの
三成分が均一分散状態となることから、各成分の性能、
特性が十分に発揮され、電磁変換特性等の磁気記録特性
も改善される。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】実施例1,2 カーボンブラック#3250B(三菱化成(株)製)3
0gをガラス製回転キルンに入れ、オゾンガスを1.0
g/h発生する空気含有ガス3リットル/hで0.5時
間(実施例1)又は10時間(実施例2)各々処理し
た。得られたカーボンブラックの酸素量を表1に示す。
なお、酸素量はカーボンブラック0.2gを精秤して、
ガラス容器中に入れ、10-2mmHgまで減圧し、ガラ
ス容器を950℃に電気炉で30分加熱して揮発するガ
スを定量した後、ガスクロマトグラフィーで組成分析す
る装置を用いて分析した。
【0048】次に、一級エタノールにエトキシシランを
0.25重量%となるように添加し、これをA液とし
た。別に、一級エタノールに28%アンモニア水を10
重量%添加し、これをB液とした。
【0049】B液1840gに各カーボンブラックをそ
れぞれ50g添加し、スタラーで5分間撹拌した後、5
分間超音波分散した。この中にA液690gを撹拌しな
がら滴下し、引き続き30分撹拌した。その後、エタノ
ールを脱離後、110℃で乾燥して、シリカコーティン
グカーボンブラック(実施例1)及びシリカコーティ
ングカーボンブラック(実施例2)を得た。各シリカ
コーティングカーボンブラックのSiO2 添着量を表1
に示す。
【0050】得られたカーボンブラック,を用い
て、各々下記組成の磁性塗料を調製し、厚さ75μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚み
が1.0μmになるように塗布した。更に、表面平滑化
処理を行なった後、3.5インチディスクに打ち抜きフ
ロッピーディスクを製造した。
【0051】磁性塗料組成(重量部) 強磁性合金粉末(Fe−Ni合金、Ni;約5重量%、 Hc; 1500 Oe、比表面積[S−BET];45m2 /g):100 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体 (UCC:VAGH): 18 ポリウレタン(日本ポリウレタン製;N2304、 MDI系ポリエステルポリウレタン): 18 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製;コロネートL、 トリメチロールプロパンTDIアダクト物): 10 α−アルミナ研磨剤(粒子径:0.5μm): 3 シリカコーティングカーボンブラック又は: 8 レシチン: 5 ブチルステアレート: 5 メチルエチルケトン: 195 シクロヘキサノン: 195 得られたフロッピーディスクについて、下記方法により
評価を行ない、結果を表1に示した。
【0052】比表面積:カルロ・エルバ社製「ソープト
マチック」にて測定し、B.E.T式にて計算した。 光沢 :塗布表面平滑処理後の表面光沢を、入射角6
0°、反射角60°の全反射率を標準光計により測定し
た。 表面粗度:テーラーホブソン社製「タリステップ触針型
表面粗さ計」で測定した。
【0053】スターティングトルク:ディスクユニット
に装着したトルクメーターにて、ディスクの回転初期の
最大トルクを測定した。
【0054】動摩擦 :電流プローブにて、フロッピー
ディスクドライブのディスク回転時のスピンドルモータ
ーに流れる電流を測定した。
【0055】実施例3〜5 実施例1において、A液中のエトキシシラン濃度を2.
5重量%(実施例3)、0.2重量%(実施例4)、
2.5重量%(実施例5)としたこと以外は同様にして
フロッピーディスクを製造し、その評価を行なった。
【0056】シリカコーティングカーボンブラックのS
iO2 添着量及び評価結果を表1に示す。
【0057】実施例6 実施例1において、強磁性合金粉末(Fe−Ni合金)
の代わりに、Co含有γ−Fe23 (Hc;700
Oe、比表面積[S−BET];20m2 /g)を用い
たこと以外は同様にしてフロッピーディスクを製造し、
その評価を行ない、結果を表1に示した。
【0058】比較例1 実施例1において、シリカコーティングカーボンブラッ
クの代わりに、未処理カーボンブラックを用いたこと
以外は同様にしてフロッピーディスクを製造し、その評
価を行なった。用いたカーボンブラックの酸素量、評価
結果を表1に示す。
【0059】比較例2 実施例6において、シリカコーティングカーボンブラッ
クの代わりに未処理カーボンブラックを用いたこと以
外は同様にしてフロッピーディスクを製造し、その評価
を行なった。用いたカーボンブラックの酸素量、評価結
果を表1に示す。
【0060】実施例1において、A液中のエトキシシラ
ン濃度を変更することにより、SiO2 添着量0.5重
量%のシリカコーティングカーボンブラックを得、この
カーボンブラックを用いたこと以外は同様にしてフロッ
ピーディスクを製造し、その評価を行なった。評価結果
を表1に示す。
【0061】比較例4 実施例1において、A液中のエトキシシラン濃度を変更
することにより、SiO2 添着量40重量%のシリカコ
ーティングカーボンブラックを得、このカーボンブラッ
クを用いたこと以外は同様にしてフロッピーディスクを
製造し、その評価を行なった。評価結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1より明らかなように、SiO2 添着量
1〜30重量%シリカコーティングカーボンブラックを
用いることにより、表面平滑性、摩擦特性に優れたカー
ボンブラック及びこれを用いた磁気記録媒体が提供され
る。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1のカーボン
ブラックは、バインダー樹脂及び磁性粉への分散性、潤
滑性に著しく優れることから、これを磁性層又はバック
アップ層に配合することにより、その良好な分散性、潤
滑性により、各成分の性能、特性を有効に発揮させるこ
とが可能とされる。
【0065】請求項2のカーボンブラックによれば、よ
り一層分散性、潤滑性に優れたカーボンブラックが提供
される。
【0066】しかして、このようなカーボンブラックを
用いる請求項3、4の磁気記録媒体によれば、表面平滑
性、摩擦特性、耐久性等に優れた磁性層又はバックコー
ト層を有する信頼性の高い磁気記録媒体が提供される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】ここで使用される珪素化合物としてはメト
キシシラン、エトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン等のシラン化合物が挙
げられ、これらのシラン化合物とカーボンブラックとの
共存下、アンモニア水等を添加して加水分解を生起させ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】実施例3〜5 実施例1において、A液中のエトキシシラン濃度を2.
重量%(実施例3)、0.5重量%(実施例4)、
0.2重量%(実施例5)としたこと以外は同様にして
フロッピーディスクを製造し、その評価を行なった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】比較例3 実施例1において、A液中のエトキシシラン濃度を変更
することにより、SiO2 添着量0.5重量%のシリカ
コーティングカーボンブラックを得、このカーボンブラ
ックを用いたこと以外は同様にしてフロッピーディスク
を製造し、その評価を行なった。評価結果を表1に示
す。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】
【表1】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】表1より明らかなように、SiO2 添着量
1〜30重量%シリカコーティングカーボンブラック
を用いることにより、表面平滑性、摩擦特性に優れたカ
ーボンブラック及びこれを用いた磁気記録媒体が提供さ
れる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1のカーボン
ブラックは、バインダー樹脂及び磁性粉への分散性、潤
滑性に著しく優れることから、これを磁性層又はバック
コート層に配合することにより、その良好な分散性、潤
滑性により、各成分の性能、特性を有効に発揮させるこ
とが可能とされる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素化合物をカーボンブラック表面上で
    加水分解することによりシリカコーティングしたカーボ
    ンブラックであって、その添着量がSiO2換算で1〜
    30重量%であることを特徴とするカーボンブラック。
  2. 【請求項2】 カーボンブラックの揮発分組成中の酸素
    化合物から計算した酸素含有量が、カーボンブラック1
    g中に10mg以上であるカーボンブラックに、シリカ
    コーティングしてなることを特徴とする請求項1に記載
    のカーボンブラック。
  3. 【請求項3】 支持体上に磁性層を有する磁気記録媒体
    において、該磁性層中に請求項1に記載のカーボンブラ
    ックを含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 支持体の一方の面に磁性層を有し、他方
    の面にバックコート層を有する磁気記録媒体において、
    該バックコート層中に請求項1に記載のカーボンブラッ
    クを含有することを特徴とする磁性記録媒体。
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