JPH11175954A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH11175954A
JPH11175954A JP34612897A JP34612897A JPH11175954A JP H11175954 A JPH11175954 A JP H11175954A JP 34612897 A JP34612897 A JP 34612897A JP 34612897 A JP34612897 A JP 34612897A JP H11175954 A JPH11175954 A JP H11175954A
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JP
Japan
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magnetic recording
recording medium
magnetic
binder
recording layer
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Application number
JP34612897A
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English (en)
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Osamu Shimomura
理 下村
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた電磁変換特性を有し、高密度記録が可
能で、記録再生の信頼性が高く、かつ、耐久性に優れた
磁気記録媒体の提供 【解決手段】 非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合材
とを含有する磁気記録層を形成した磁気記録媒体におい
て、磁気記録層の結合材がイソシアネート基またはアジ
リジン基と結合する官能基を有し、かつ、分子中に複数
のイソシアネート基を有する架橋剤と、分子中に複数の
アジリジン基を有する架橋剤と、リン酸基を有する化合
物とが配合され、架橋されてなることを特徴とする磁気
記録媒体

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に関
し、更に詳しくは、高密度記録が可能で、記録再生の信
頼性が高く、かつ、耐久性に優れた磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年ノート型などの可搬製のパソコンの
普及が拡大しており、これに伴って小型の記録装置の供
給が望まれており、ドライブ装置、磁気カートリッジ共
に更に小型になることが求められている。また、磁気記
録媒体は高容量化が進み、さらに記録装置の小型化も進
んでいるため、記録密度も高くなってきている。この高
密度化の要求に対し、磁性層に金属薄膜を用いた磁気記
録媒体も検討されているが、生産性、腐食性等の点で塗
布型の磁気記録媒体の方が優れている。このため、塗布
型磁気記録媒体の電磁変換特性を向上するための検討が
行われている。この手段としては、磁性粉末の高充填化
を進める、磁性粉末の保磁力をあげる、磁気ヒステリシ
スの角形比を上げる、といったものがある。
【0003】磁性粉末の高充填化を進めるために、カー
ボン、研磨剤等の導電性、耐久性に寄与するフィラーを
極力少なくし、高分散性の樹脂を使用し樹脂の使用量を
減らす等の検討がなされてきている。また、導電性の効
果を下引き層に持たせ、磁性層から導電性フィラーを除
くことも検討されてきた。磁性層中の磁性粉末として
は、記録波長の短波長化に伴い記録媒体の抗磁力をある
程度高くしておく必要が有り、近年強磁性金属粉末が用
いられてきており、また大きさも小さくなってきてい
る。
【0004】また、高周波数での記録においては、記録
時の自己減磁損失、再生時の厚み損失の問題が大きくな
っており、この問題を回避するために塗布厚を薄くする
といった方法もとられている。しかしながら、この様な
方法により得られた磁気記録媒体は、耐久性が従来のも
のより劣り、ヘッド目詰まりを起こしやすく、出力が出
なくなったり、磁性層表面がヘッドで削られたりすると
いう問題が発生しやすい。
【0005】これら問題を解決するためには、磁性層に
使用される結合材の架橋度をあげ、硬くする必要があ
る。従来は、イソシアネート系硬化剤が広く使用されて
きているが、硬化反応を促進するために3級アミン化合
物、錫化合物、有機金属化合物、両性イオン化合物、及
び有機酸等を添加する(特開昭59−193530)方
法や、イソシアネートの触媒反応を起こす揮発性気相触
媒の蒸気にさらす(特開昭61−265727)方法等
が検討されている。また、更にイソシアネート系硬化剤
よりも反応性に富んだアジリジン系硬化剤をアジリジン
基と反応しやすいカルボン酸基を有するウレタン樹脂と
共存させる(特開平5−266460)方法も検討され
ている。しかしながら、これら方法では、触媒として入
れた物質が、電磁変換特性に悪影響を及ぼしたり作業性
の煩雑さを伴う等の問題があった。また、使用できる樹
脂がカルボン酸基を有しなければならない等結合材が制
限された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた電磁
変換特性を有し、高密度記録が可能で、記録再生の信頼
性が高く、かつ、耐久性に優れた磁気記録媒体を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合
材とを含有する磁気記録層を形成した磁気記録媒体にお
いて、磁気記録層の結合材がイソシアネート基またはア
ジリジン基と結合する官能基を有し、かつ、分子中に複
数のイソシアネート基を有する架橋剤と、分子中に複数
のアジリジン基を有する架橋剤と、リン酸基を有する化
合物とが配合され、架橋されてなることを特徴とする磁
気記録媒体、を提供するものである。また、近年の中間
層を有する磁気記録媒体においても、同様に電磁変換特
性と耐久性の両面で良好な磁気記録媒体を提供すること
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は、非磁性
支持体上に強磁性粉末と結合材とを含有する磁気記録層
が形成される。本発明において使用される非磁性支持体
を形成する材料としては特に制限はなく、フィルム状に
成形し得るものであれば使用可能であるが、可撓性を有
し、寸法安定性に優れたものが望ましく、例えばポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダ
イアセテート等のセルロース誘導体、アラミド、ポリカ
ーボネート等のプラスチックあるいは、アルミニウム箔
等の非磁性金属を用いることができる。
【0009】また、前記非磁性支持体の形態は特に制限
はないが、フィルム状、テープ状等である。なお、この
非磁性支持体と磁気記録層との接着性を改善するため
に、例えばコロナ放電処理や、アミン水溶液、トリクロ
ル酢酸、フェノール類等の表面改質剤による表面処理が
施されたものであってもよい。非磁性支持体は、磁気記
録層を形成する前に非磁性粉末と結合材を含有する下層
非磁性層を中間層として形成することができる。本発明
において下層非磁性層に用いられる非磁性粉末は、カー
ボンブラック、酸化チタン、α酸化鉄、αアルミナ、炭
酸ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、ゲータイト、コ
ランダム、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化スズ、酸化
マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが
挙げられる。形状は針状、球状、多面体状、板状のいず
れでも良い。
【0010】結合材としては、支持体との密着性に優れ
たものが用いられ、また、結合材は架橋剤を含有するこ
とができる。これ等結合材、架橋剤、その他添加剤の種
類と配合割合は、後述する磁気記録層の形成用塗布剤と
同様の仕様とすることができる。下層非磁性層にはその
ほかに導電性粉末、潤滑剤などを含ませることができ、
その量としてはこの発明を阻害することがなければ特に
制限はなく、種類、分散法などに関しても磁気記録層に
関する公知技術を適用することができる。
【0011】こうして得られた非磁性支持体の表面ある
いは形成された中間層の表面に強磁性粉末と結合材とを
含有する磁気記録層が形成される。磁気記録層に用いら
れる強磁性体は、保磁力(Hc)が1500〜3000
Oe、飽和磁化2500G以上、BET法による比表面
積35m2 /g以上、結晶子サイズ400オングストロ
ーム以下の強磁性金属が好ましく、また、強磁性体が六
方晶バリウムフェライト磁性粉であるときは、保磁力
(Hc)が1100〜3000Oe、飽和磁化1500
G以上、BET法による比表面積30m2 /g以上であ
ることが望ましい。
【0012】磁性粉末の使用量は磁気記録層中の含有量
として、50〜90重量%、特に65〜75重量%とす
るのが好ましい。磁性粉末の含有量が少ないと記録密度
が充分でなく高密度磁気記録媒体になりがたく、逆に9
0重量%より多いと磁気記録媒体の耐久性が低下するこ
とがある。
【0013】本発明において、結合材としては支持体と
の密着性や耐摩耗性に優れ、ガラス転移点が−100〜
150℃、数平均分子量1000〜150000程度の
樹脂を使用するのが好ましい。結合材用樹脂としては、
リン酸基、スルホン酸基、水酸基あるいはエポキシ基等
のイソシアネート基またはアジリジン基に反応あるいは
付加することによって結合する官能基を有するか、また
は、生じさせるものが用いられる。具体的には、リン酸
基を含有するポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩
化ビニル−アクリル系共重合体等の塩化ビニル系樹脂、
等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合し
て使用することができる。結合材用樹脂は、磁性層中の
含有量が2〜50重量%、特に5〜25重量%となるよ
うに使用するのが好ましい。
【0014】磁気記録層形成用塗布剤中には更にイソシ
アネート基を有する架橋剤とアジリジン基を有する架橋
剤が添加される。イソシアネート基を有する架橋剤とア
ジリジン基を有する架橋剤は、1分子中にイソシアネー
ト基あるいはアジリジン基を複数個好ましくは3個以上
有するポリイソシアネート化合物またはポリアジリジン
化合物が用いられる。これ等の分子量は100〜200
0の範囲が望ましく、100未満では架橋反応が速すぎ
て塗布剤の可使時間が短縮され、また、2000を越え
ると架橋反応が遅く生産性が低下する。
【0015】磁気記録層形成用塗布剤中にポリイソシア
ネート化合物とポリアジリジン化合物を含有させること
により、磁性層内に三次元網目構造を形成させ、その機
械的強度を向上させることができる。そのようなポリイ
ソシアネート化合物としては例えばトリレンジイソシア
ネートのトリメチロールプロパンアダクト体等が挙げら
れる。ポリアジリジン化合物としては、2,2ビスハイ
ドロキシメチルブタノールトリ(3(1−アジリジニ
ル)プロピオネート)等が挙げられる。またこのような
ポリイソシアネート化合物は、バインダー樹脂に対して
10〜50重量%の割合で使用するのが好ましい。ポリ
イソシアネート化合物とポリアジリジン化合物の重量比
は10:90−90:10が好ましい。
【0016】また、本発明の磁気記録層形成用塗布剤に
はリン酸基を有する化合物が添加される。リン酸基を有
する化合物は分散剤ないし結合剤として作用するもの
で、リン酸基を有する化合物としては、ポリエーテルリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルリ
ン酸エステルなどが挙げられ、具体的には、ホスファチ
ジルコリン(レシチン)、RE−610(東邦化学
製)、PW−36(楠元化成製)等がある。なお、リン
酸基を有するポリウレタン等のポリマーを結合材として
使用するときは、これをリン酸基を有する化合物に当て
ることができる。
【0017】分散剤として上記のリン酸基を有するもの
に加えて、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オ
レイン酸、リノール酸等の炭素数12〜18の脂肪酸、
この脂肪酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩か
らなる金属石鹸、等を併用してもよい。分散剤の使用量
は、通常磁性層中の含有量が0.1〜10重量%、好ま
しくは1〜5重量%の範囲とするのが好ましい。また、
上記磁気記録層を形成するための塗布剤には、更に必要
に応じて潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、分散剤等の各種
添加剤を使用することができる。
【0018】潤滑剤としては、脂肪族系、フッ素系、シ
リコーン系または炭化水素系等の各種の潤滑剤が使用で
きる。脂肪族系潤滑剤としては、例えば脂肪酸、脂肪酸
金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪族アルコ
ール等が挙げられる。脂肪酸としては、例えばオレイン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘン酸等が挙げられる。脂肪酸金属塩として
は、例えばこれらの脂肪酸のマグネシウム塩、アルミニ
ウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、例えば前記脂肪酸のブチルエ
ステル、オクチルエステルあるいはグリセリド等、脂肪
酸アミドとしては、例えば上記酸のアミドのほか、リノ
ール酸アミド、カプロン酸アミド等が挙げられる。脂肪
族アルコールとしては、例えばラウリルアルコール、ミ
リスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリ
ルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。フ
ッ素系潤滑剤としては、例えばパーフルオロアルキルポ
リエーテル、パーフルオロアルキルカルボン酸等が挙げ
られる。シリコーン系潤滑剤としては、例えばシリコー
ンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。ま
た、二硫化モリブデン、二硫化タングステン等の固形滑
剤や燐酸エステル等も使用できる。炭化水素系潤滑剤と
しては、例えばパラフィン、スクアラン、ワックス等が
挙げられる。潤滑剤の使用量は、磁気記録層中の含有量
が通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%の
範囲とする。なお、多層構造よりなる媒体の場合には、
各層において潤滑剤の含有量を変えてもよい。
【0019】研磨剤としては、例えばα−アルミナ、β
−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、窒化ケイ素、
窒化ホウ素、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化スズ、酸
化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二硫化モリブデン、酸化タングステン、炭化ケイ
素、酸化クロム等を単独で、あるいは複数組み合わせて
用いられる。具体例としては、住友化学製AKP−2
0、AKP−30、AKP−50、HIT−50、HI
T−100、戸田工業製TF−100、TF−120、
TF−140、石原産業製FT−1000、FT−20
00、チタン工業製STT−4D、STT−30、ST
T−65C、日本化学工業社製S−1、G5、G7など
が挙げられ、これらのうちでも比較的硬度の高いものが
好適に使用される。また、数平均粒子径は、好ましくは
0.5μm以下である。研磨剤の使用量は、磁性層中の
含有量が1〜10重量%の範囲とするのが好ましい。
【0020】帯電防止剤としては、カーボンブラック、
導電性金属およびその化合物や酸化物、サポニン等の天
然界面活性剤、アルキレンオキサイド系、グリセリン系
等のノニオン界面活性剤、高級アルキルアミン類、第4
級アンモニウム塩類、ピリジニウム塩類その他の複素環
塩類等のカチオン界面活性剤、カルボン酸基、スルホン
酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノス
ルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステ
ル類等の両性界面活性剤等が使用される。なお、これら
の界面活性剤は、単独もしくは混合して用い得る。
【0021】この中で、本発明に用いられるカーボンブ
ラックとしてはアセチレンブラック、カラー用ブラッ
ク、ファーネスブラック、サーマルブラック等を用いる
ことができる。具体例としては、キャボット社製BLA
CKPEARLS 2000、1000、900、80
0、VULCAN XC−72、コロンビアンカーボン
社製RAVEN 8800、8000、7000、三菱化学社製#375
0B、#3750、#3250B、#3250、#95
0、#850B、#650B、#45、#40、#5、
MA−77、MA−7等が挙げられる。これらのカーボ
ンブラックは、単独で、あるいは複数組み合わせて用い
ることができる。また、カーボンブラック表面を分散剤
等にて処理したり、一部をグラファイト化してもよい。
また、導電性金属およびその化合物や酸化物としては、
酸化スズ、インジウムスズ酸化物等を用いることができ
る。帯電防止剤の使用量は、通常、磁気記録層中の含有
量が0.1〜10重量%の範囲である。これらは帯電防
止剤として用いられるものであるが、時としてその目的
が、例えば潤滑性の改良として使われる場合もある。
【0022】本発明にて用いる溶剤としては、例えばメ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水
素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
【0023】本発明の磁気記録媒体の製造においては、
従来からの混練・分散方法及び塗布方法は適宜選択して
本発明の条件を満たすようにすればよく、その手段は任
意である。中間層形成用塗布剤あるいは磁気記録層形成
用塗布剤の塗布は、例えば、ロールコーター、バーコー
ター、スピンコーター、インジェクションコーター等に
よって行うことができる。塗布剤の塗布は、非磁性支持
体の一面もしくは両面に磁気記録層の厚みが0.35μ
m以下となるように行うことが好ましい。0.35μm
より厚い場合、自己減磁損失、厚み損失などの問題で、
高密度記録には適当でないことがある。
【0024】磁性層の表面粗さは0.01μm以下、特
に0.005μm以下が好ましい。残留溶剤量は、2×
10-12 mg/μm3 以下、特に5×10-13 mg/μ
3 以下が好ましい。また、磁気記録層表面から蛍光X
線分析を行った場合、Fe原子のFe−Kα線の強度を
100としたときのP原子のP−Kα線の強度が0.4
以上であることが好ましい。0.4未満では、架橋の進
行が遅く、望ましい耐久性が得られない。
【0025】本発明の磁気記録媒体は、磁気記録層に付
加してあるいはその一部として磁気記録層の下部に下層
磁性層を形成することができる。本発明において下層磁
性層に用いられる磁性粉末は、磁気記録層にて使用する
磁性分より低い保磁力のものが使用される。具体的に
は、γ−Fe2 3 、バリウムフェライト、α−Fe等
が挙げられる。
【0026】本発明において、結合材としては支持体と
の密着性や耐摩耗性に優れ、ガラス転移点が−100〜
150℃、数平均分子量1000〜150000程度の
ものが使用するのが好ましい。使用される樹脂としてリ
ン酸基を含有するポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、塩化ビニル−アクリル系共重合体等の塩化ビニル系
樹脂、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を
混合して使用することができる。バインダー樹脂は、磁
気記録層中の含有量が2〜50重量%、特に5〜35重
量%となるように使用するのが好ましい。
【0027】磁気記録層形成用塗布剤中に更に、イソシ
アネート基を複数個有する低分子ポリイソシアネート化
合物とアジリジン基を複数個有する低分子ポリアジリジ
ン化合物を含有させることにより、磁性層内に三次元網
目構造を形成させ、その機械的強度を向上させることが
できる。そのような低分子ポリイソシアネート化合物と
しては例えばトリレンジイソシアネートのトリメチロー
ルプロパンアダクト体等が挙げられる。低分子ポリアジ
リジン化合物としては、2,2ビスハイドロキシメチル
ブタノールトリ(3(1−アジリジニル)プロピオネー
ト)等が挙げられる。またこのような低分子ポリイソシ
アネート化合物は、バインダー樹脂に対して10〜50
重量%の割合で使用するのが好ましい。低分子ポリイソ
シアネート化合物と低分子ポリアジリジン化合物の重量
比は10:90〜90:10が好ましい。また、本発明
の分散剤としてはリン酸エステル基を含有する分散剤を
用いることが好ましい。リン酸エステル基としては、ポ
リエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルリン酸エステル等が挙げられ、リン酸エステ
ル基含有の分散剤としては、ホスファチジルコリン(レ
シチン)、RE−610(東邦化学製)、PW−36
(楠元化成製)等がある。
【0028】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明するが本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中「部」と
の表示は「重量部」を表す。電磁変換特性における出力
は、自製スピンスタンドにてMIGヘッドを使用し、書
き込み周波数500kHzにて回転数360rpm、測
定位置R30mmで測定した。耐久性は、NEC FD
1137Cを使用し、温度25℃、湿度50%の環境下
で測定した。蛍光X線(分光)分析法:理学電機製sy
stem3370Eを使用して、支持体上に記録層が有
る状態で測定した後に、支持体の測定値を差し引いて、
記録層のFe原子のFe−Kαのスペクトルの強度に対
するP原子のP−Kαのスペクトルの強度比を求めた。
【0029】実施例1〜5、比較例1〜4 中間層を作製するため、下記の材料組成物をそれぞれ混
練した後、サンドミルで分散し、塗布剤を作成した。得
られた非磁性層用分散液にポリイソシアネート(三菱化
学(株)製AD30)を7重量部及びポリアジリジン
(日本触媒(株)製ケミタイトPZ−33)を7重量部
加えた後、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート
フィルムに塗布した。
【0030】下引き層用塗料組成 カーボンブラック 100部 (ssa=138m2/g 、DBP=60ml/100g 、平均粒径24nm) ポリエステルポリウレタン樹脂 20部 分散剤(詳細別表) 1部 ブチルステアレート 4部 ミリスチン酸 1部 メチルエチルケトン 200部 シクロヘキサノン 100部
【0031】更に磁気記録層を作製するため、表−2の
組み合わせで下記の材料組成物をそれぞれ混練した後、
サンドミルで分散し、塗料を作成した。
【0032】 磁性層用塗料組成 金属磁性粉 100部 (Fe/Co=90/10、σs=142emu/g、Hc=162000 Oe、BET=49m2/g) 塩化ビニル系共重合体 重合度400(エポキシ基含有) 10部 ポリエステルポリウレタン樹脂 4部 分散剤(詳細は別表) 1部 α−アルミナ 8部 カーボンブラック 3部 ブチルステアレート 6部 ミリスチン酸 1部 メチルエチルケトン 180部 シクロヘキサノン 180部
【0033】この分散液にポリイソシアネート(三菱化
学(株)製AD30)を5重量部及びポリアジリジン
(日本触媒(株)製ケミタイトPZ−33)を5重量部
加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾
過した。下塗り層を施したフィルムに塗布し、80℃の
ドライヤーで数分乾燥させた。この後、カレンダー(1
00℃)処理を施し、加熱処理した後、3.5インチに
打ち抜き磁気ディスクを作成し評価した(実施例1)。
また、表−2の配合で同様の実験を行った。その結果を
表−2に示す。
【0034】実施例6〜11 表−3に基づいて実施例1と同様に磁気記録媒体を製作
し、評価した。その結果は表−3の通りであった。な
お、使用した磁性粉末、ポリエステルポリウレタン樹脂
およびリン化合物は次のものであった。
【0035】1)磁性粉末
【表1】 表−1 ────────────────────────────── A B C D Fe-Co-Al Fe-Co-Al 六方晶 六方晶 磁性粉末 合金磁性粉 合金磁性粉 ハ゛リウムフェライト ハ゛リウムフェライト ─────────────────────────────── 平均長軸長 0.11 0.17 − − アスペクト比 10 10 − − 板径 − − 0.05 0.05 板状比 − − 5 5 保磁力 1620 1450 1500 900 σs 140 145 60 60
【0036】2)ポリエステルポリウレタン A 燐酸基含有、 分子量45000 B 燐酸基不含有、分子量44000 3)リン化合物 RE610 一般名称 GAFAC−RE610(東邦
化学社製)
【0037】
【化1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合材と
    を含有する磁気記録層を形成した磁気記録媒体におい
    て、磁気記録層の結合材がイソシアネート基またはアジ
    リジン基と結合する官能基を有し、かつ、分子中に複数
    のイソシアネート基を有する架橋剤と、分子中に複数の
    アジリジン基を有する架橋剤と、リン酸基を有する化合
    物とが配合され、架橋されてなることを特徴とする磁気
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 磁気記録層が、蛍光X線分析において、
    Fe原子のFe−Kα線の強度100に対してP原子の
    P−Kα線の強度が0.4以上である請求項1記載の磁
    気記録媒体。
  3. 【請求項3】 強磁性粉末が、保磁力1500〜300
    0Oe、飽和磁化2500G以上、BET法による比表
    面積35m2 /g以上、結晶子サイズ400オングスト
    ローム以下の強磁性金属からなる請求項1または2記載
    の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 強磁性粉末が、保磁力1100〜300
    0Oe、飽和磁化1500G以上、BET法による比表
    面積30m2 /g以上の六方晶バリウムフェライト磁性
    粉である請求項1または2記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 磁気記録層の肉厚が0.35μm以下
    で、磁気記録層と非磁性支持体との間に非磁性粉末と結
    合材を含有する中間層を形成してなる請求項1〜4いず
    れかに記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 中間層の結合材が、複数のイソシアネー
    ト基を有する架橋剤と、複数のアジリジン基を有する架
    橋剤とが配合され、架橋されてなる請求項5記載の磁気
    記録媒体。
  7. 【請求項7】 中間層の結合材がリン酸基を有する化合
    物を含有する請求項5または6記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 中間層の肉厚が0.5μm未満である請
    求項5〜7いずれかに記載の磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003059027A (ja) * 2001-08-13 2003-02-28 Sony Corp 磁気記録媒体

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