JP3251337B2 - 2サイクルエンジンのピストン打音低減構造 - Google Patents

2サイクルエンジンのピストン打音低減構造

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JP3251337B2
JP3251337B2 JP18525092A JP18525092A JP3251337B2 JP 3251337 B2 JP3251337 B2 JP 3251337B2 JP 18525092 A JP18525092 A JP 18525092A JP 18525092 A JP18525092 A JP 18525092A JP 3251337 B2 JP3251337 B2 JP 3251337B2
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piston
thrust side
noise reduction
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reduction structure
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亨 後藤
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2サイクルエンジンの
ピストン打音低減構造に関し、特にピストン打音の低減
に効果的なピストン形状の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンでは、特にアイドリ
ング運転時にピストン打音と称する異音が発生し易い問
題がある。これはピストンがシリンダボア内面に周期的
に衝突することにより発生するものである。このピスト
ン打音の低減方法として、従来から、ピストンのオフセ
ット量を変えたり、あるいはピストンスカートのプロフ
ィールを変える方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来方法で
は十分な打音低減効果は得らない。最近の騒音規制の強
化に対応するために、ピストン打音をより効果的に低減
できる打音低減方法又は構造が要請されている。
【0004】本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ
たもので、簡単な構造によってピストン打音を効果的に
低減できる2サイクルエンジンのピストン打音低減構造
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記ピス
トン打音の低減を図るため、ピストンの行程中の挙動を
計測してアニメーション化するとともに、ピストン形状
の変更によるピストン挙動の変化を調べた。その結果、
ピストン外表面の特定部分を所定厚さで削除することに
より、ピストン振動,及び音圧レベルが大きく低減され
ることを見出した。
【0006】そこで本発明は、ピストンの外表面の反ス
ラスト側におけるピンボス部高さ付近に、該外表面部分
の約10〜15mmの高さ,ピストン直径の約60%の幅
の領域を10〜20μm の厚さだけ除去してなる逃げ部
を形成し、該逃げ部がピストン軸線方向に見たときピス
トン外周面より大きい曲率半径を有する曲面をなしてい
ることを特徴としている。
【0007】
【作用】本発明に係る打音低減構造を備えたピストン
は、上昇行程ではピストン頂部がやや反スラスト側に傾
いた状態で上昇し、下降行程ではまず上記傾いた状態で
スラスト側にスラップしてピストン下部がシリンダボア
内面に衝突し、その後再び反スラスト側に傾き、この後
略真っ直ぐに下死点まで下降することが、上記挙動計測
で確認されている。
【0008】このように本発明では、上記スラップにお
いてピストンのスカートの下部がシリンダボアの内面に
衝突するが、このピストンスカートの下部はピストン頂
部に比較して剛性が低く、そのため上記スラップ時の衝
撃エネルギをよく吸収し、その結果ピストン打音が低減
される。ちなみに従来エンジンでは、ピストンは略傾斜
無しの状態で上昇し、その姿勢でスラスト側にスラップ
することから、ピストン頂部がシリンダボア内面に衝突
し易く、そのためピストン打音が大きかったものと考え
られる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1ないし図7は本発明の一実施例による2
サイクルエンジンのピストン打音低減構造を説明するた
め図であり、図1はピストンの模式断面平面図、図2は
図1のII-II 線断面図、図3は実施例ピストンのシリン
ダ内配置状態を示す断面側面図、図4〜図7は効果を説
明するための実験結果を示す図である。
【0010】図3において、1は空冷式2サイクル単気
筒エンジンのシリンダボディであり、該シリンダボディ
1のシリンダボア1aには排気ポート1b,掃気ポート
1c,1c′が開口している。なお、掃気ポート1cは
排気ポート1bの反対側に位置している。
【0011】また上記シリンダボア1a内には、本実施
例構造が適用されたピストン2が摺動自在に挿入配置さ
れている。このピストン2は、円筒状のスカート部2a
の上端部をピストン頂部2bで閉塞してなるものであ
り、上記ピストン頂部2bの周囲にはピストンリング3
が嵌合装着されている。またこのピストン2の高さ方向
略中央部にはピンボス部2cが形成されており、該ピン
ボス部2cには上記排気ポート1b,及び掃気ポート1
cと直交する方向にピン穴2dが貫通形成されている。
【0012】上記ピストン2は上記ピン穴2d内に挿入
されたピストンピン4を介して図示しないコンロッドに
連結されている。ここで本実施例エンジンの回転方向は
図3に矢印bで示すように反時計回りとなっており、ま
た上記ピン穴2dの軸線は、僅かに排気ポート1b側に
オフセットしている。そしてピストン2は爆発行程では
掃気ポート1c側に押し付けられながら下降する。従っ
て本実施例エンジンでは、掃気ポート1c側がスラスト
側であり、排気ポート1b側が反スラスト側となってい
る。
【0013】そして図1,図2に示すように、上記ピス
トン2の外表面の反スラスト側部分には、逃げ部5が形
成されている。この逃げ部5は、ピストン外表面の上記
ピンボス部2cの高さa部分に形成されており、約10
〜15mmの高さhとピストン直径の約60%程度の幅w
の領域を10〜20μm 程度の厚さdだけ削り落として
なるものである。なお、図2では横方向寸法は縦方向寸
法の60倍程度に拡大されている。これは上記ピストン
2の外径は上記逃げ部5よりピストン頂部2b側にいく
ほど小径になっている点を強調して表すためである。
【0014】次に本実施例構造の作用効果を確認するた
めに行った実験について説明する。本実験では、本実施
例構造のピストン及び比較例構造のピストンについてア
イドリング運転時の音圧レベル,ピストン振動,シリン
ダ圧力を測定し、これらの結果をピストンの挙動から分
析した。なお、比較例ピストンには、本実施例と同一の
逃げ部をスラスト側に形成したものを採用した。
【0015】ピストン振動については、加速度センサを
直接ピストンのスラスト側(排気ポートと反対側)部分
内に取り付けて計測し、音圧レベルはシリンダフィンか
ら50mm離れた点で計測した。
【0016】またピストンの挙動を測定するために、図
3に示すように、渦電流式(インダクタンス形)非接触
式変位計5を上記シリンダ1の反スラスト側に3個、ス
ラスト側に4個取り付けた。なお、ピストンに変位計を
取り付けるとピストンの挙動に影響を与える恐れがある
ので、変位計は上述のようにシリンダ側に取り付けた。
これらの変位計5の出力波形をリニアライズし、温度補
正を行ってアニメーション化した。なお、この際、ピス
トン2は剛体として取り扱い、スカートプロフィールは
測定より求めた。
【0017】図4(a),(b),(c)はそれぞれ本
実施例ピストンにおける音圧レベル,ピストン振動,シ
リンダ圧力の計測結果を示し、また図5は比較例におけ
る計測結果である。なお、図中、横軸は時間で、連続し
た3サイクル分を表している。
【0018】シリンダ圧力(燃焼状態)については、本
実施例,比較例とも第1サイクルでは正常燃焼し、第
2,第3サイクルでは失火しており、2サイクルエンジ
ンの低負荷時の典型的な不整燃焼をしていることが判
る。
【0019】一方、ピストン振動,音圧レベルについて
は、本実施例は比較例より大幅に低減している。この改
善原因を、図6,図7にそれぞれ示す本実施例,比較例
のピストン挙動に基づいて分析する。
【0020】本実施例の場合、図6に示すように、ピス
トンは上昇行程(同図(a) )ではピストン頂部がやや左
側(反スラスト側)に傾いて上昇している。またピスト
ンは下降行程(同図(b) )では上死点後約20〜30°
で右側(スラスト側)にスラップし、40〜70°でピ
ストンピン回りに回転しているのが見受けられる。これ
はスラップした後、衝突した点を始点として、スカート
プロフィールに沿った転軸運動を行ったためである考え
られる。その後、略真っ直ぐな姿勢で下降し、上死点後
130°付近で反スラスト側にスラップしている。
【0021】一方、比較例の場合、図7に示すように、
ピストンは上昇行程(同図(a) )では本実施例と反対に
ピストン頂部がやや右側(スラスト側)に傾いて上昇し
ている。下降行程(同図b)では早いタイミングでスラ
ップが始まり、上死点後10°で既に反スラスト側から
離れている。その後、20〜30°でスラスト側に衝突
しているが、本実施例と比べると衝突時の姿勢はピスト
ン頂部が右に傾いており、スカートの上部の方で衝突し
ている。130°で反スラスト側にスラップしている
が、ピストンの姿勢は頂部が右側に傾いたままである。
【0022】このように比較例では、ピストンがやや右
側に傾いた状態で反スラスト側からスラスト側にスラッ
プするため、スカート下部と比較して剛性が高く、従っ
て弾性変形による衝撃吸収能の低いピストン頂部がシリ
ンダボア内面に衝突し、この際の衝撃音がピストン打音
として大きく発生するものと考えられる。一方、本実施
例では、ピストンがやや左側に傾いた状態で反スラスト
側からスラスト側にスラップするため、頂部と比較して
剛性の低い、つまり弾性変形し易いスカート部がシリン
ダボア内面に衝突し、しかも衝突した点を始点としてス
カートプロフィールに沿った転軸運動を行うことから、
衝突時のエネルギを吸収し、結果的に音圧レベル,及び
ピストン振動が軽減されたものと考えられる。
【0023】そして本実施例と比較例におけるピストン
挙動の上記相違は、逃げ部をピストン外表面の反スラス
ト側,又はスラスト側のどちらに形成したかによって生
じているから、上記逃げ部をピストン外表面の反スラス
ト側に形成するのが、ピストン打音, ピストン振動の低
減上効果的であることが判る。
【0024】なお、上記実施例では、排気ポート側が反
スラスト側となるエンジンの場合について説明したが、
本発明は上記排気ポートと反対側が反スラスト側となる
場合にも勿論適用でき、この場合はピストン外表面の排
気ポートと反対側部分に逃げ部を形成することとなる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る2サイクル
エンジンのピストン打音低減構造によれば、ピストン外
表面の反スラスト側部分に逃げ部を形成したので、ピス
トンが反スラスト側に傾いた状態でスラスト側にスラッ
プし、ピストンのスカート部の下側部分がシリンダボア
内面に衝突することからピストン打音を低減できる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による2サイクルエンジンの
ピストン打音低減構造を説明するためのピストンの模式
断面平面図である。
【図2】図1のII-II 線断面図である。
【図3】上記実施例ピストンのシリンダ内配置状態を示
す断面側面図である。
【図4】上記実施例構造ピストンの実験結果を示す特性
図である。
【図5】比較例構造ピストンの実験結果を示す特性図で
ある。
【図6】上記実施例構造ピストンの挙動を示す特性図で
ある。
【図7】上記比較例構造ピストンの挙動を示す特性図で
ある。
【符号の説明】
2 ピストン 2c ボス部 4 ピストンピン 5 逃げ部 a ボス部高さ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンの外表面の反スラスト側におけ
    るピンボス部高さ付近に、該外表面部分の約10〜15
    mmの高さ,ピストン直径の約60%の幅の領域を10〜
    20μm の厚さだけ除去してなる逃げ部を形成し、該逃
    げ部がピストン軸線方向に見たときピストン外周面より
    大きい曲率半径を有する曲面をなしていることを特徴と
    する2サイクルエンジンのピストン打音低減構造。
JP18525092A 1992-07-13 1992-07-13 2サイクルエンジンのピストン打音低減構造 Expired - Lifetime JP3251337B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018149633A1 (de) * 2017-02-15 2018-08-23 Mahle International Gmbh Kolben einer brennkraftmaschine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018149633A1 (de) * 2017-02-15 2018-08-23 Mahle International Gmbh Kolben einer brennkraftmaschine

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