JP3251021B2 - 反応性セルロース及びその製造方法 - Google Patents

反応性セルロース及びその製造方法

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JP3251021B2 JP54653398A JP54653398A JP3251021B2 JP 3251021 B2 JP3251021 B2 JP 3251021B2 JP 54653398 A JP54653398 A JP 54653398A JP 54653398 A JP54653398 A JP 54653398A JP 3251021 B2 JP3251021 B2 JP 3251021B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B3/00Preparation of cellulose esters of organic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B11/00Preparation of cellulose ethers

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、低い置換度を有する改善されたセルロー
ス、及びこのセルロースの製造方法に関する。
より特定的には、本発明は、相対的に見て殆ど置換基
を含有しない、改善された反応性及び低い結晶度を有す
るセルロースに関する。
セルロースは、植物(木、綿、亜麻等)又は動物(軟
体動物等)のような非常に様々な形で自然界に豊富に存
在する天然ポリマーである。この天然ポリマーは、非常
に長い間、特に紙、紡織繊維、プラスチック等の製造に
用いられてきた。
また、セルロースエステルやセルロースエーテルのよ
うな変形体も合成されている。最もよく用いられている
セルロースエステルはセルロースアセテートであり、こ
れは金型成形又は押出成形物品の製造のためのプラスチ
ック材料として、例えば織物分野用の繊維又はヤーンや
紙巻きタバコのフィルターの形で、用いられている。
セルロースエーテルは、水や有機溶剤のような溶剤中
に一般的に可溶のセルロース誘導体である。セルロース
エーテルは、特に増粘剤、媒体の流動性や粘度の調整
剤、及び分散剤として用いられる。また、コロイド又は
液晶の生成用に用いることもでき、フィルムの製造用の
マトリックスとして用いることもできる。
非常に有利な特性を有するセルロース誘導体の商業上
の開発は、セルロースアセテートやカルボキシメチルセ
ルロースのような数種の誘導体を除けば、相対的に見て
殆ど達成されていない。
その理由は、次のようなことである。
セルロースエーテルはセルロース構造上のヒドロキシ
ル官能基に対して置換用化合物を反応させることによっ
て得られる。均質で特に溶剤中に可溶の生成物を得るた
めにはセルロースのすべての又は殆どのヒドロキシル基
を置換することが必要であり、これらの基のいくつかだ
けが置換されていることが必要とされる場合には置換基
の分布はセルロース全体で均一であるべきである。
しかし、セルロースは結晶質部分と非晶質部分とを含
む構造を有する。従って、前もって処理することなく結
晶質部分に存在するヒドロキシル基を置換することは困
難である。
これを行なうために、セルロースを活性化する方法が
提唱されてきた。これらの方法は、セルロースの結晶質
部分を破壊してそれらを非晶質で置換用化合物にアクセ
スしやすいものにし、ヒドロキシル基の置換を全体的に
又は部分的ではあっても均一に分布されるように実施す
ることを可能にすることを目的とする。
一般的には置換用化合物と同時に活性剤が用いられ、
この活性剤は、金属水酸化物のような水酸化物(例えば
水酸化ナトリウム)の溶液、アンモニア水、アミン、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸及び
水酸化第四級アンモニウムである。最もよく用いられる
活性剤は水酸化ナトリウムであり、これはエーテル化反
応において触媒としての働きをすることもできる。
高い活性化を得てできる限り完全な結晶部分の転位を
得るためには、大量の活性剤が用いられる。その結果、
これらの方法はセルロース誘導体を精製するための工程
を必要とし、このことが製造方法にとって経済上の負担
となっている。このことによって、いくつかの例外はあ
るものの、セルロース誘導体の開発が産業上及び経済上
制限されていることを部分的に説明することができる。
従って、これらの誘導体をより経済的に且つより高純
度で製造するための新規の方法を見出すことができれ
ば、これらの製品の費用効率のよい開発が可能になる。
本発明の1つの目的は、反応性セルロース、即ち高い
純度と共に得ることができる非常に低い結晶度を特に示
すセルロースを提供することによって、この問題点を解
消することである。この新規の反応性セルロースは、特
にセルロースエーテルの製造における出発物質として有
用である。
このために、本発明は、0.2より小さい置換度DS、有
利には0.04〜0.2の範囲の置換度DSで有機基によって置
換された反応性セルロースを提案する。
セルロース産業における置換度DSは、グルコース無水
物1単位当たりの置換されたヒドロキシル基の平均数と
定義される。それぞれのグルコース無水物単位は3つの
利用できるヒドロキシル基を含むので、最大の置換度DS
は3に等しい。
本発明の好ましい特徴に従えば、本発明のセルロース
は、10%より低い結晶度を有する。
かくして、結晶質部分をもはや含まないか又は非常に
小さい割合で含むだけの本発明のセルロースは、付随す
る汚染をもたらす活性化工程の必要なくセルロース誘導
体を得ることを可能にする。さらに、本発明の反応性セ
ルロースを用いて得られるセルロース誘導体はセルロー
ス中の置換基のより良好な分布を有し、この分布がより
均一であるということは、置換度がより低い場合にもセ
ルロース誘導体が改善された溶解性を有するということ
によって反映される。
本発明の別の好ましい特徴に従えば、ヒドロキシル基
を置換する有機基は特に、炭化水素を基とし且つヘテロ
原子を含んでいてもよい基である。従って、以下の有機
基を挙げることができる: ・1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アル
キル基、 ・アリール、アルキルアリール及びアリールアルキル
基、 ・カルボキシル、ニトリル又はヒドロキシル官能基のよ
うな極性化用官能基を含むアルキル基。
本発明にとって好適であることができる有機基の例に
は、次のものがある: ・メチル、エチル、プロピル、ベンジル、 ・ヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチルのようなヒド
ロキシアルキル、 ・カルボキシメチル、シアノエチル、スルホエチル。
言うまでもなく、本発明のセルロースは、異なる性状
の複数の置換用有機基を含むことができる。
本発明の主題はまた、前記の反応性セルロースの製造
方法にもある。
これらの方法は、木、綿、亜麻、苧麻(ラミー)、黄
麻、ある種の藻類のような植物源、農業食物産業からの
廃棄物、又は動物、細菌、真菌若しくはアメーバ源の天
然セルロースから得られた得られたセルロースを処理す
ることから成る。
これらのセルロースの天然源は、ヘミセルロースを除
去するため及び好適な純度のセルロースを回収するため
に、濃塩基性溶液で処理される。
本発明に従えば、こうして単離されたセルロースを活
性剤で処理することによる活性化工程に付して置換され
るべきヒドロキシル基をアクセスしやすいものにし、次
いでこの活性化されたセルロースを少なくとも1種の置
換剤(置換用化合物)、例えばエーテル化又はエステル
化剤と反応させ、最後に変性された反応性セルロースを
回収する。
本発明の方法の第一の実施態様に従えば、活性化され
たセルロースは、置換剤と混合する前に、活性剤を部分
的に除去する工程に付される。この除去工程後の活性剤
の残留含有率が10%未満であるのが有利である。
この除去は、活性剤を洗浄若しくは蒸発させることに
よって又は飛沫同伴によって、例えばセルロースが不溶
である活性剤用の溶剤で洗浄することによって、実施す
ることができる。
この活性剤を除去するための工程は、特に活性剤がア
ルカリ性溶液である場合に、この活性剤の大部分を除去
して、該活性剤で汚染されていない非晶質セルロースを
与えることを可能にする。
活性化は、高い圧力及び温度において活性化させるべ
きセルロースとの接触下に置かれた純粋な液体アンモニ
アを用い、次いでアンモニア/セルロース混合物を含有
させた密閉室内での急な圧力低下によって又はアンモニ
ア含浸セルロースの抽出若しくは吸引及び該セルロース
の急な圧抜きによってセルロースを活性化することによ
って、実施することができる。これら2つの活性化プロ
セスは、それぞれドイツ国特許第19511061号明細書及び
国際公開第WO96/30411号パンフレットに記載されてい
る。
活性化されたセルロース中のアンモニアの除去は、2
%未満の残留NH3含有率を与えるように蒸発させること
によって実施するのが有利である。
この活性化はまた、セルロースを“シルケット加工”
と称される方法に従って水酸化ナトリウムのようなアル
カリ溶液で処理することによって実施することもでき
る。
活性化の後に、セルロースをメタノール又はエタノー
ルのような水酸化ナトリウム用溶剤で洗浄して、10%未
満、有利には2%〜10%の範囲の水酸化ナトリウムの重
量濃度にする。
これらの活性剤含有率が減損した活性化セルロース
を、置換剤を操作条件(これは置換剤の種類に応じて変
化する)に従って添加することによって置換反応に付
す。
置換剤の添加量は、所望の置換度(DS)を得るのに必
要な化学量論的量に相当する量であるのが一般的であ
り、この化学量論的量に対して150モル%まで過剰の量
に相当する量であるのが有利である。
この反応は、触媒の存在下で実施することも不在下で
実施することもできる。かくして、慣用のエステル化触
媒をエステル化反応において用いることができる。
置換剤は、ヒドロキシル基と反応する官能基及び前記
の有機置換基を含む化合物である。有用な反応性官能基
の例としては、例えばカルボキシル基、酸無水物基、酸
ハロゲン化物、エポキシ、イソシアネート及びハロゲン
官能基、並びにアクリロニトリル又はビニルスルホネー
ト官能基のような活性化エチレン結合を挙げることがで
きる。硫化炭素CS2もまた置換剤として有用であり、こ
れはキサントゲン酸セルロースをもたらす。本発明にと
って好適な置換剤としては、次のものを挙げることがで
きる: ・無水酢酸(セルロースアセテート)、 ・ギ酸(セルロースホルメート)、 ・クロル酢酸ナトリウム(カルボキシメチルセルロー
ス)、 ・エチレンオキシド(ヒドロキシエチルセルロース)、 ・プロピレンオキシド(ヒドロキシプロピルセルロー
ス)、 ・ハロゲン化アルキル(アルキルセルロース)、 ・ハロゲン化ベンジル(ベンジルセルロース)、 ・アクリロニトリル(シアノエチルセルロース)、 ・尿素(セルロースカルバメート)、 ・クロルエタンスルホン酸ナトリウム(スルホエチルセ
ルロース)。
セルロースをアンモニアで活性化する別法において
は、置換剤がヒドロキシル基と反応すべき官能基中にハ
ライド基を含む場合には、置換剤との反応の前に活性化
セルロースを所望の置換度DSに対応する化学量論的量の
水酸化ナトリウムで処理する。
有利には、置換剤との反応の後に得られた置換された
セルロースを、例えば水による洗浄工程のような精製工
程に付すことができる。この工程は必須ではなく、所望
の純度を得るために必要な場合にのみ実施される。
従って、この精製工程は、アンモニアで活性化された
セルロースを直接置換剤と反応させる場合には必要では
ないことがしばしばあるだろう。
本発明の反応性セルロースの製造方法の第二の実施態
様においては、置換剤を活性化工程の前にアンモニアに
添加する。
この実施態様は、純粋な液体アンモニア中に可溶な又
は純粋な液体アンモニア中に分散可能な置換剤にとって
好適である。
この置換剤は、アンモニアに対して化学的に不活性で
なければならない。
この本発明の方法の第二の実施態様のために好適な置
換剤としては、前記の置換剤に加えて、例えばオキサゾ
リンを挙げることができる。
かくして、置換剤はセルロース構造中に均一に分布さ
れ、この置換剤とヒドロキシル基との間の反応は主とし
て圧力を低下させてアンモニアを蒸発させる工程の後に
起こる。このためには、置換剤が含浸されたセルロース
を置換反応を実施するのに適した温度及び圧力条件下に
置く。
この第二の実施態様は、中間での洗浄工程なしで且つ
水酸化ナトリウムを用いることもなく直接反応性セルロ
ースを得ることを可能にする。
本発明に従う低い結晶度を有する反応性セルロースは
安定な工業製品であり、セルロースエーテル又はエステ
ルのようなセルロース誘導体を製造するための方法にお
いて容易に利用することができる出発物質である。
これらの低い結晶度を有するセルロースの用途は前記
の用途に限定されず、射出や押出のような慣用の成形技
術によって造形することが予定される組成物の製造のた
めのポリマーマトリックスとしての用途も含むことがで
きる。
本発明のその他の目的、利点及び詳細は、以下の実施
例を見ればもっとはっきりしてくるだろう。これらの実
施例は純粋に例示の目的で与えられたものであり、何ら
限定的な性質を持つものではない。添付した図面におい
て、 図1a、1b及び1cはそれぞれ未処理のセルロース、アン
モニアと共にでの爆発によって活性化されたセルロース
及び本発明に従うベンジルセルロースのX線回折図形を
表わし、 図2は例5のベンジルセルロースによって得られたX
線回折画像を表わす。
以下の実施例に、本発明の様々な製造方法に従った低
い結晶度及び様々な有機置換基を有する様々な反応性セ
ルロースの製造を記載する。
本発明に従うセルロースの反応性は、このセルロース
を所定の置換剤、例えばHMDZのようなシリル化剤と反応
させる試験によって実証される。
これらの試験は、次の手順に従って実施される。
・シリル化試験:セルロース誘導体の反応性は、次のよ
うにして監視される。まず、処理されるべき誘導体0.5g
をヘキサメチレンジシラザン10ミリリットル及びN−メ
チルピロリドン(NMP)1ミリリットルと混合する。活
性量(100mg)の塩化アンモニウムを添加する。この混
合物を撹拌しながら80℃に加熱する。反応塊はゆっくり
膨潤して粘性塊になり、これが撹拌を妨げる。この状態
がシリル化反応の終了を示す。しかし、もしも撹拌がま
だ可能ならば、4.5時間の期間の後に反応を中止させ
る。反応停止の前の溶液の外観及びより一層反応性にな
る変化を観察することによって反応性を決定する(+/
−は反応性が低いことを、+++はより一層反応性であ
ることを示す)。
+/−:繊維の10〜50%が膨潤状態にある; + :繊維の10%未満が膨潤状態にある; ++ :溶液が混濁を示す; +++:透明な溶液; ( ):4.5時間前に停止した場合の反応時間。
本発明に従うセルロースの反応性は一般的に、慣用の
シリル化プロセスにおいて用いられる未変性セルロース
のものと比較される。
例1:アンモニアで活性化されたセルロースの製造 α−セルロース約96重量%及び水約8重量%を含有す
る薄片の形の市販の化学セルロース800gを1.3×1.3cmの
寸法の切片に細断する。
これらの切片をジャケット付きオートクレーブ中に入
れる。このオートクレーブにバルブから加圧下の液体ア
ンモニアを導入する。
この系を70℃に加熱する。オートクレーブ中の圧力は
約20バールである。
この系をこれらの条件下に60秒間保つ。
次いでセルロースをバルブから爆発反応器中に移す。
バルブを開くとすぐにセルロース中のアンモニア圧が急
速に下がり、セルロースに側から見た時の一種の爆発及
びセルロースの脱フィブリルをもたらす。
減圧にすることによってセルロース中のアンモニア濃
度をセルロースに対して0.2重量%未満の値に低下させ
る。
例2〜6:ベンジルセルロースの製造 塩化ベンジルをセルロースと反応させることによって
ベンジルセルロースを得る。
本発明の方法の1つの実施態様に従えば、例1で得ら
れたアンモニアで活性化されたセルロース(その残留ア
ンモニア重量濃度を[NH3]で表わす)を水酸化ナトリ
ウム溶液(その重量濃度を[Na]aqで表わす)中に分散
させる(セルロース10g当たりに水酸化ナトリウム400ミ
リリットル)。
反応媒体を20〜25℃に1時間保つ。
変性されたセルロースを脱水(遠心濾過)後にエタノ
ールで洗浄して水酸化ナトリウムを除去する。セルロー
ス100g中の残留水酸化ナトリウム(NaOH)の重量濃度
(%)を下記の表Iに[OH-]によって表わす。
活性化されて脱水されたセルロースを、[R4N]で表
わされる重量濃度の塩化ベンジルトリメチルアンモニウ
ムを含有させた有機溶剤(N−メチルピロリドン)中に
懸濁液として添加する。この溶液を40℃において20ミリ
バールの減圧下に置いて、アルコールを除去する。
大気圧に戻した後に、激しい撹拌下に保った反応媒体
にN−メチルピロリドン中の塩化ベンジルの溶液を添加
する。
40℃において1時間の反応の後に、得られたセルロー
スを濾別し、水で洗浄する(洗浄水について約7のpHが
得られるまで)。
次いでこの反応性セルロースを1mmHgの減圧下で80℃
において乾燥させる。
シリル化試験を実施して、変性セルロースの反応性を
検査する。
それぞれの試薬の割合及び濃度並びに試験の結果を下
記の表にまとめる。
置換度(DS)を赤外線分析によって測定する。
添付した図1に、未処理のセルロース(図1a)、例1
に記載したようなアンモニアを用いた爆発によって活性
化されたセルロース(図1b)及び例5のベンジルセルロ
ースのX線回折図形を示す。これらの図は、置換度が非
常に低いベンジルセルロースが全体的に見て非晶質性状
であることをはっきりと示している。図2は、例5の化
合物について得られたX線回折スペクトルを図示したも
のである。
例7〜20C:シアノエチルセルロースの製造 アクリロニトリルをセルロースと反応させることによ
ってシアノエチルセルロースを得る。
この化合物は、次の手順に従って得られる。
例1の活性化されたセルロースを塩基性水酸化ナトリ
ウム又はアンモニア水溶液中に分散させる。この混合物
を5℃に1時間保ち、次いで15〜30分間撹拌する。
次いでこの混合物に所定のアクリロニトリル/グルコ
ース酸無水物単位モル比(Ac/Rcell)を得るための所定
量のアクリロニトリルを添加する。
撹拌後、この反応混合物を45℃に1.5〜3時間保ち、
次いで低温(約0℃)において約2時間貯蔵する。
媒体を酢酸で中和する。
変性されたセルロースを濾過によって回収し、水及び
アルコールで洗浄する。
このセルロースを次いで真空下で80℃において乾燥さ
せる。その反応性を前記のシリル化試験によって検査す
る。
様々なモル比及び反応性試験の結果を、下記の表IIに
まとめる。
例21及び22:セルロースベンゾエートの製造 同様の態様で、例1に従って製造したアンモニアで活
性化されたセルロースを20〜25℃において水酸化ナトリ
ウム水溶液と1時間混合する。
脱水によって過剰分の水酸化ナトリウムを除去した後
に、活性化されたセルロースを溶剤(NMP)と混合して
溶剤と水との間の交換を果たす。この混合物を12時間貯
蔵する。セルロースを再びプレスして汚染されたNMP溶
剤を除去する。このセルロースを純粋なNMP溶剤中に熔
解させる。
15℃に冷却した後に、塩化ベンジルトリメチルアンモ
ニウム塩を添加する。
この反応媒体に、N−メチルピロリドン中に溶解させ
た塩化ベンゾイルを添加する。
この反応媒体を50℃に3時間保つ。次いでこれを室温
まで冷まし、12時間貯蔵する。
得られたポリマーを濾過し、水で洗浄し、次いでエタ
ノールで洗浄し、その後に80℃において真空乾燥する。
置換セルロースの反応性を、前記のシリル化試験によ
って検査する。
様々な試薬の濃度及びシリル化試験の結果を、下記の
表IIIに与える。
例23:セルロースホルメートの製造 10gの量の例1に従う活性化されたセルロース(これ
はセルロースに対して0.2重量%未満の残留NH3含有率を
有する)をメタノールで洗浄し(200ミリリットルずつ
2回)、脱水する。メタノール含有率は次の工程のギ酸
による処理にとって臨界的ではない。
この処理のために、500ミリリットルのフラスコに前
記の活性化されたセルロースと共にギ酸(工業等級、98
%)200ミリリットルを添加する。この混合物を撹拌し
ながら室温において4時間放置する。次いでギ酸をセル
ロースホルメートから濾過によって分離する。メタノー
ル及び水で洗浄し且つ脱水した後に、生成物を真空下で
乾燥させる。アルカリ加水分解及び過剰分の水酸化ナト
リウムの滴定によってDS(ホルメート)測定を実施す
る。置換度DSは0.2だった。
記載された方法に従って得られたセルロースホルメー
トは、沸騰水中で安定である。これは約9以上のpHにお
いて分解する。ジメチルアセトアミド溶剤中の10%の濃
度のセルロースホルメートの溶液を調製することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シュタインマイアー,ハンス ドイツ連邦共和国 デー79331 テニン ゲン,ローゼンヴェーク 2 (56)参考文献 特開 平7−102001(JP,A) 米国特許4399275(US,A) Journal of Applie d Polymer Science, (1979),24,p1139−1141 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 1/00 C08B 1/02 C08B 1/06 C08B 11/04 C08B 11/16 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.2より小さいヒドロキシル基の有機基に
    よる置換度及び10%より低い結晶度を有するセルロース
    において、置換用有機基が1〜6個の炭素原子を有する
    直鎖状又は分枝鎖状アルキル基、アリール、アルキルア
    リール及びアリールアルキル基、並びに極性化用官能基
    を含むアルキル基より成る群から選択されることを特徴
    とするセルロース。
  2. 【請求項2】置換用有機基がメチル、エチル、プロピ
    ル、ベンジル、カルボキシメチル、シアノエチル及びス
    ルホエチル並びにヒドロキシアルキル基より成る群から
    選択されることを特徴とする、請求項1記載のセルロー
    ス。
  3. 【請求項3】請求項1又は2のいずれかに記載のセルロ
    ースの製造方法であって、 ・セルロースパルプを活性剤で処理することによって活
    性化し、 ・活性剤を部分的に除去して10重量%より低い残留活性
    剤含有率にし、 ・活性化されたセルロースを置換用有機化合物と反応さ
    せ、 ・随意に活性剤の残り及び置換反応の副生成物を除去す
    る ことから成ることを特徴とし、 ここで、前記活性剤が水酸化アルカリ及びアンモニアよ
    り成る群から選択されることを特徴とする、前記方法。
  4. 【請求項4】置換用有機化合物を、置換されるべきセル
    ロースのヒドロキシル基に対して化学量論的比で添加す
    ることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】置換用有機化合物を、前記の化学量論的量
    に対して150モル%まで過剰に添加することを特徴とす
    る、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】置換用有機化合物が、炭化水素を基とし且
    つヘテロ原子を含んでいてもよい基及びセルロースのヒ
    ドロキシル基と反応する官能基を含有する有機化合物、
    又は硫化炭素より成る群から選択される、請求項3〜5
    のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】ヒドロキシル基と反応する官能基が、カル
    ボキシル、酸無水物、酸ハロゲン化物、エポキシ、イソ
    シアネート及びハロゲン官能基並びに活性化されたエチ
    レン結合より成る群から選択されることを特徴とする、
    請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】置換用有機化合物が、無水酢酸、クロル酢
    酸ナトリウム、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
    ド、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化ベンジル、アクリ
    ロニトリル、尿素又は又はクロルエタンスルホン酸ナト
    リウムより成る群から選択されることを特徴とする、請
    求項6又は7記載の方法。
  9. 【請求項9】活性剤が純粋な液体アンモニアであり、セ
    ルロースを密閉室内で加圧下のアンモニアで処理し、次
    いで前記室内で急なアンモニア圧力降下に付すことを特
    徴とする、請求項3記載の方法。
  10. 【請求項10】活性剤が純粋な液体アンモニアであり、
    セルロースを密閉室内で加圧下においてアンモニアで処
    理し、次いで前記室内から取り出して急な圧力降下に付
    すことを特徴とする、請求項3記載の方法。
  11. 【請求項11】アンモニアで活性化されたセルロースを
    イソシアネート化合物、尿素、ニトリル官能基含有化合
    物及び活性化されたエチレン結合を含む化合物より成る
    群から選択される置換用化合物と反応させることを特徴
    とする、請求項9又は10記載の方法。
  12. 【請求項12】活性化工程の前に置換用化合物をセルロ
    ースと接触させることを特徴とする、請求項11記載の方
    法。
  13. 【請求項13】活性化用化合物を液体アンモニア中に溶
    解又は分散させることを特徴とする、請求項11記載の方
    法。
  14. 【請求項14】アンモニアで活性化されたセルロース
    を、所望の置換度(DS)を得るためのセルロースの置換
    されるべきヒドロキシル基の化学量論的量に等しい量の
    水酸化物で処理し、水酸化物で処理されたセルロースを
    次いでハロゲン化アルキル、硫化炭素及び極性化された
    二重結合を含む有機化合物より成る群から選択される置
    換用化合物と反応させ、得られた生成物を随意に洗浄し
    て残留水酸化物を除去することを特徴とする、請求項9
    又は10記載の方法。
  15. 【請求項15】水酸化物が水酸化ナトリウムであること
    を特徴とする、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】セルロースを水酸化物によるシルケット
    加工工程に付し、次いで水酸化ナトリウム用の溶剤で洗
    浄して10重量%より低い水酸化物濃度を得て、この処理
    されたセルロースを次いでハロゲン化アルキル、硫化炭
    素及び少なくとも1個の極性化された不飽和結合を含む
    有機化合物より成る群から選択される置換用化合物と反
    応させ、置換されたセルロースを洗浄して残留水酸化物
    及び過剰反応生成物を除去することを特徴とする、請求
    項3〜8のいずれかに記載の方法。
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