JP3249624B2 - 織機用コップ交換装置の制御方法 - Google Patents

織機用コップ交換装置の制御方法

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JP3249624B2
JP3249624B2 JP06905893A JP6905893A JP3249624B2 JP 3249624 B2 JP3249624 B2 JP 3249624B2 JP 06905893 A JP06905893 A JP 06905893A JP 6905893 A JP6905893 A JP 6905893A JP 3249624 B2 JP3249624 B2 JP 3249624B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たて糸間を飛走するシ
ャットルに装着される木管によこ糸を巻装してなるコッ
プを交換するための装置に関し、特に、よこ糸が所定以
上消費された古いコップと新たなコップとを交換する際
に、新たなコップを起立状態の木管挿抜用トングに装着
するようにされた織機用コップ交換装置の制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、抄紙機に於ては、湿紙を対向ロ
ール間で圧縮して湿紙の水分を除去しているが、そのロ
ールには、比較的幅の広い無端ベルト状のプレスフエル
ト等が用いられている。そのプレスフエルトは、基布の
上にウェッブを重ねたバットをニードリングによって植
毛してつくられる。基布の製織過程で、たて糸は、ワー
プビームにセットされて連続的に供給されるが、よこ糸
は、シャットルに装着されたコップにより供給される。
従って、上記した幅広のプレスフエルト用基布を製織す
るためには、シャットルの往復の回数が一定に達する度
毎にコップを交換する必要がある。またその都度、古い
コップのよこ糸と次に用いられるコップのよこ糸とを、
例えば溶着により結合する作業も必要である。
【0003】上記したコップの交換及びよこ糸の結合な
どを自動的に行う装置として、例えば同一出願人による
特開平2−154030号公報に開示されているものが
ある。この装置では、シャットルをたて糸間を往復飛走
させるためのシャットルボックスをたて糸の両側方に配
置すると共に、シャットルをコップ交換時にシャットル
ボックスのシャットル受容室から引き出す装置と、古い
コップのよこ糸と新たなコップのよこ糸とを順次結糸装
置まで引き出し、かつ古いコップと新しいコップとを交
換するべく木管を選択的に把持し得るコップ把持ハンド
を備えるロボットアームとを有している。
【0004】上記装置に於いて、木管は、シャットルに
対して起立倒伏し得るようにされた木管挿抜用トングを
介してシャットルに着脱自在に装着されている。コップ
を交換する際には、先ず、シャットルを所定の位置に固
定し、コップ把持ハンドにより、古いコップの木管を起
こしかつトングから抜き取る。そして、コップ把持ハン
ドにより、新たなコップをその木管貯留場から移送し、
起立状態のトングに相対的に挿入して装着し、新たなコ
ップを倒伏させることにより、新たなコップを用いて製
織を再開することができる。
【0005】しかしながら、よこ糸の種類によっては巻
かれた状態からほぐれ易いものがあり、新たなコップを
運ぶ際によこ糸がほぐれていると、新たなコップの木管
を起立状態のトングに装着する際に、その木管の基端面
とトングの相対する肩面との間によこ糸が挟まれたり、
周囲の部材に引掛かったりする虞がある。よこ糸が挟ま
れた場合には、コップ装着後にシャットルをシャットル
ボックスに入れる際によこ糸を切断したり、よこ糸が挟
まれたままシャットルがシャットルボックスから打ち出
されると、挟まったよこ糸がたて糸に絡まりたて糸を切
断してしまう等の問題が発生するばかりでなく、修復の
ために多大な時間を消費してしまうという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
問題点に鑑み、本発明の主な目的は、新たなコップの木
管を起立状態のトングに装着する際に、その木管とシャ
ットルとの間によこ糸が挟まれたり、周囲の部材に引掛
かったりすることを回避し得る織機用コップ交換装置の
制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、木管によこ糸を巻装してなるコップを木管
挿抜用トングを介して起立倒伏し得るように着脱自在に
保持するシャットルを、たて糸間にて選択的に往復飛走
させる織機に於いて、よこ糸が所定以上消費された場合
に、消費された古いコップと貯留されている新たなコッ
プとの間で、それぞれのよこ糸同士をよこ糸把持ハンド
により引き出して結糸し、コップ把持ハンドにより、前
記古いコップを前記シャットルから取り外し、かつ前記
新たなコップを起立状態の前記トングに装着するように
した織機用コップ交換装置の制御方法であって、前記新
たなコップを前記コップ把持ハンドにより把持する過程
と、前記新たなコップから引き出されているよこ糸を前
記よこ糸把持ハンドにより把持する過程と、前記引き出
されているよこ糸の前記新たなコップから所定長離隔し
た位置を前記よこ糸把持ハンドにより把持しつつ、前記
新たなコップを前記起立状態のトングに装着する過程と
を有することを特徴とする織機用コップ交換装置の制御
方法を提供することにより達成される。
【0008】
【作用】このようにすれば、新たなコップと古いコップ
とを交換するべく、新たなコップをその貯留場から運び
出してシャットルの起立状態のトングに装着する際に、
新よこ糸の新たなコップから所定長離隔した位置をよこ
糸把持ハンドにより把持しつつ行うことから、そのコッ
プからよこ糸が垂れ下がることが無くなり、コップの木
管とトングとの間によこ糸が挟まれたり、周囲の部材に
引掛かったりすることを回避し得る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好適実施例を添付の図面につ
いて詳しく説明する。
【0010】図1〜図4は、抄紙機用プレスフエルトの
基布を製織するために用い得る本発明に基づくコップ交
換装置の一実施例を示す。図1及び図2の左方にて図示
されない基布が織り込まれるが、図の右側にはシャット
ルボックス1が配設され、基布の左方にはシャットルボ
ックス1と対向するように図示されない同様のシャット
ルボックスが設けられている。本装置では、2つのシャ
ットル2を用いて、基布を例えば2層に織り込むように
しており、各シャットル2が、シャットルボックス1の
上下2段のシャットル打ち出し室10a・10bから図
示されないハンマ装置により交互に打ち出され、かつ対
向するシャットルボックスから打ち返されるようになっ
ている。
【0011】そして、図の矢印Aの向きにたて糸間を各
シャットル2がそれぞれ繰り返し往復飛走して、たて糸
3によこ糸4が織り込まれ、図示されない綾と筬を用い
て基布が織り上げられる。なお、両シャットルボックス
1には、シャットル2のブレーキ装置が設けられてい
る。また、本実施例にあっては、図1に於ける下方を手
前側として図示された右側のシャットルボックス1側に
てコップ交換を行うようにされている。
【0012】シャットル2の移動方向に沿ってチャンネ
ル材などからなる固定フレーム5が配設されており、図
2に示されるように固定フレーム5に延設されたスライ
ドレール6により、シャットル可動装置7の可動架台8
が往復動自在に支持されている。この可動架台8は、ス
ライドレール6に同様に支持された可動ブラケット9に
固設された小エアシリンダ11と、その可動ブラケット
9に連結されかつ固定フレーム5に固設された大エアシ
リンダ12とにより、図2の矢印Bにより示される向き
に2段階のストローク長をもって往復動し得るようにさ
れている。
【0013】シャットル可動装置7には、シャットル2
の先端部を負圧力をもって支持するためのサクションパ
ッド13を有するアーム部14が設けられている。その
アーム部14は、一対のロッドガイド15により、図2
の矢印Cにより示される向きに往復動自在にガイドさ
れ、かつ図2に於ける上下方向にエアシリンダ16によ
り駆動される。なお、サクションパッド13には図示さ
れない負圧発生手段が連結されている。
【0014】シャットルの中間部の溝部17には、溝部
17の長手方向に傾動自在にトング18が枢着されてい
る。コップ19を形成するべくよこ糸4を巻装するため
の木管21には、その基端部の端面に開口する図示され
ない軸線方向孔が設けられており、その軸線方向孔をト
ング18に挿抜自在に差し込み得るようになっており、
木管21は、トング18に差し込まれた状態で保持され
る。コップ19が、シャットル2の飛走時には図1の想
像線に示されるように溝部17内に倒伏した状態に保持
され、飛走時にシャットル2の側面のシャットルアイか
らよこ糸4が繰り出される。
【0015】所定の往復回数をシャットル2が飛走し
て、コップ19aからよこ糸4が所定以上消費された後
には、その古いコップ19aを交換する。その交換時に
は、交換対象のシャットル2を、図示されないブレーキ
装置によりシャットルボックス1内に停止させるように
なっている。
【0016】次に、前記したようにサクションパッド1
3によりシャットル2の先端部を吸着して、シャットル
可動装置により図2の実線により示される状態まで、例
えば筬と一体化されたシャットルレースとしての支持台
23の上面23a上に引き出してコップ19aの交換を
行うが、その所定の交換位置に於けるシャットル2の持
ち上りを防止するため、図示されない固定フレームに固
設された固定エアシリンダ22が配設されている。
【0017】図1に示されるように、交換位置に位置決
めされたシャットル2の側方に配設された共通架台25
上には多関節型ロボット24が固設されている。そのロ
ボットアーム26の先端部には、図3及び図4に示され
るように、木管21の先端部を選択的に把持可能なコッ
プ把持ハンドとしての木管把持ハンド27と、よこ糸4
を選択的に把持可能なよこ糸把持ハンド28と、図4に
示されるように、木管21の先端の開口部に係合可能な
木管係合ハンド29とが設けられている。
【0018】共通架台25の図1に於ける右下部には、
古いよこ糸4と新よこ糸34とを結合するためのよこ糸
結糸装置36が配設されている。そのよこ糸結糸装置3
6の近傍には、シャットル2に装着されている古いコッ
プ19から繰り出されたよこ糸4をよこ糸結糸装置36
に向けてガイドするための掛け具37と、貯留場として
のコップ貯留装置33にある新コップ32から引き出さ
れた新よこ糸34を同様にガイドするための掛け具38
とが、それぞれ適所に配設されている。
【0019】また、新よこ糸34をガイドするための掛
け具38の近傍であってよこ糸結糸装置36側には、新
コップ32から引き出された新よこ糸34の中間部を選
択的に把持するためのよこ糸チャック30が設けられて
いる。このよこ糸チャック30は、図示されないシリン
ンダなどにより駆動される一対の開閉体からなり、新よ
こ糸34を上方から開閉体間に落とし込み得るようにな
っている。従って、上記新よこ糸34をよこ糸結糸装置
36にセットするときには、掛け具38に掛けた後よこ
糸チャック30を介してよこ糸結糸装置36に向けて引
き出す。
【0020】共通架台25上には、シャットル2側から
繰り出されたよこ糸4を、掛け具37とは相反する側か
らよこ糸結糸装置36に向けてガイドするための固定ガ
イド棒39が配設されている。また共通架台25には、
よこ糸4と新よこ糸34との結合部分を相対的にずらす
べく、固定ガイド棒39との間隔を可変にし得るよう
に、図1の矢印Fの向きに往復動可能な可動ガイド棒4
0を有する結合点可変装置41と、新よこ糸34の先端
部を支持するためのクランプ装置42と、よこ糸4に結
合された新よこ糸34の残余分を回収するための残糸回
収装置43とが、それぞれ所定の位置に配設されてい
る。
【0021】前記したよこ糸結糸装置36は、図3及び
図4に良く示されるように、共通架台25上に立設され
た枢軸44により上下動が可能な溶着機45と、よこ糸
4と新よこ糸34とを3箇所で互いに交差させるための
一対の位置決めピン46と、結合後のよこ糸の不必要な
部分を切除するためのよこ糸切断機47と、結合後のよ
こ糸4と新よこ糸34を位置決めピン46から掛け外す
ための掛け外し機48とからなる。枢軸44により片持
ち状態にて支持された溶着機45の本体には、遊端部の
下端面から下方に向けて往復動自在な溶着ホーン49が
設けられていると共に、共通架台25上の溶着ホーン4
9に対応する位置には、溶着機用アンビル50が固設さ
れており、両位置決めピン46に掛け渡されたよこ糸4
及び新よこ糸34の3箇所の交点を、溶着ホーン49及
びアンビル50により挾持して溶着結合する。
【0022】本装置のロボットアーム26には、前記し
たように木管把持ハンド27と、よこ糸把持ハンド28
と、木管係合ハンド29とが設けられている。以下に、
図5及び図6を参照して各ハンドについて示す。
【0023】木管把持ハンド27は、互いに平行に対向
しかつ同軸的に設けられた一対のエアシリンダ51と、
各エアシリンンダ51のピストン52の対向端面に固着
されて図6に於ける下方に向けて互いに平行に延出する
一対のハンド部53とを有する。各ハンド部53の先端
部の各対向面にはそれぞれパッド54が固着されてい
る。なお、両ピストン52間には戻しコイルばね55が
介装されており、図6の矢印Dの向きにピストン52が
作動した時には想像線に示されるように木管21の先端
部が両パッド54間に挟持し得るが、非作動時には実線
に示されるように互いに遠ざかるように両ハンド部53
が弾発的に戻される。
【0024】よこ糸把持ハンド28は、ロボットアーム
26の先端部から軸線方向に延出する角棒体の先端部に
形成された二股フォーク状の固定ハンド56と、固定ハ
ンド56と共働してよこ糸4を挾むための可動ハンド5
7とからなる。その可動ハンド57は、二股フォーク状
固定ハンド56のスロットを横切るように設けられた枢
軸58により回動自在に支持されている共に、固定ハン
ド56に対して開閉動し得るようにエアシリンンダ51
により駆動される。
【0025】また、木管係合ハンド29は、よこ糸把持
ハンド28の可動ハンド58の枢軸58の一方の端部に
一体的に形成された球状頭部からなり、木管21の先端
に形成された凹部または孔(図示せず)に係合し得るよ
うにされている。
【0026】よこ糸4をシャットル2から繰り出した際
に、シャットル2と基布との間のよこ糸4が弛まないよ
うにするべく、本装置には、図示されない固定フレーム
に支持された弛み防止装置61が設けられている。この
弛み防止装置61は、図2及び図4に示されるように、
固定リング62と、その固定リング62内にてよこ糸4
を把持し得る可動ハンド63とを有している。可動ハン
ド63は、ハンド開閉用アクチュエータ64を介してエ
アシリンダ65のロッドの先端に設けられており、エア
シリンダ65により上下方向に往復動するようにされて
いる。
【0027】本装置にあっては、位置決めされたシャッ
トル2と、コップ貯留装置33にある新コップ32と、
共通架台25に設けられた前記各機器とが、それぞれロ
ボット24のアーム26の可動範囲内に配設されてい
る。また、シーケンサなどからなる図示されない制御装
置によりあらかじめプログラムされた作業フローに基づ
いて上記各機器が自動運転するようにされており、その
自動運転に必要なセンサとして、よこ糸4の残糸量検出
には光学センサを、よこ糸4の切れにはリミットスイッ
チなどが適所に配設されている。
【0028】このようにして構成された織機用自動コッ
プ交換装置に於けるコップ交換の作業要領を図7乃至図
9を参照して以下に示す。なお、コップ貯留装置33に
ある新コップ32を立設状態に支持する図示されない木
管スタンドには糸端支持スタンド66がそれぞれ一体的
に設けられており、予め新よこ糸34の引き出し端部
を、図7に示されるように、糸端支持スタンド66の上
端に設けられたU字状クリップ片の一対のスリット間に
挟み込ませて掛け渡している。
【0029】まず、よこ糸把持ハンド28を糸端支持ス
タンド66のU字状クリップ片の間に臨ませて、掛け渡
されている新よこ糸34の端部を把持し、その新よこ糸
34を把持した状態のよこ糸把持ハンド28を掛け具3
8に向けて移動する。このとき、新木管35は自転し得
るため、新木管35から新よこ糸34が引き出される。
その引き出された新よこ糸34を掛け具38に掛けた
後、開状態のよこ糸把持チャック30を経て、両位置決
めピン46間に斜めに掛け渡す。その新よこ糸34の先
端を、クランプ装置42を介して残糸回収装置43内に
入れて、図1に示される状態に新よこ糸34をセットす
る。そして、新よこ糸34の引き出された中間部をよこ
糸把持チャック30を閉じて把持する。このようにし
て、新よこ糸34の掛け具38及びよこ糸把持チャック
30間の部分が位置決めされる。
【0030】一方、シャットル2を飛走させて製織を行
っているときには、大エアシリンダ12とエアシリンダ
16とを縮めた状態にして、シャットル可動装置7を、
図2の矢印イにより示される想像線のように待機状態に
位置させておく。シャットル2が所定回数打ち込まれた
後には、そのシャットル2をシャットルボックス1内に
て停止させる。
【0031】次に、エアシリンダ16を伸ばしかつ小エ
アシリンダ11を縮めた状態にすることにより、図2の
矢印ロにて示される想像線のように、シャットル2を受
容したシャットル打ち出し室10a内にアーム部14を
挿入し、サクションパッド13をシャットル2の先端部
に合わす。サクションパッド13内を真空引きすること
によりシャットル2の先端部を吸着し、大エアシリンダ
12を伸ばした状態にして、支持台23の支持面23a
上の図の実線により示される位置までシャットル2aを
引き出す。さらに、固定エアシリンダ22のロッドを、
図の想像線により示す待機状態からシャットル2の上面
に向けて下降させて、シャットル可動装置7と共働して
シャットル2を位置決め固定する。
【0032】そして、ロボットアーム26を駆動して、
前記したように木管係合ハンド29を、シャットル2内
にて倒伏状態にある木管21の先端の開口部に係合させ
つつ木管21を起立させ、その起立したコップ19から
繰り出されているよこ糸4を、よこ糸把持ハンド28に
より把持しつつ引き出す。コップ19から引き出された
よこ糸4は、固定ガイド棒39及び結合点可変装置41
の可動ガイド棒40に掛けられた後、両位置決めピン4
6間にて前記した新よこ糸34に対して互い違いになる
ように掛け渡され、更に掛け具37に掛けられて、図1
に示される状態にセットされる。
【0033】よこ糸結糸装置36にセットされたよこ糸
4a及び新よこ糸34の3箇所の交点を、溶着機45に
て溶着ホーン49を下降させて、前記したように溶着ホ
ーン49及びアンビル50により挾持して溶着結合す
る。その後、よこ糸4及び新よこ糸34の不必要な部分
をよこ糸切断機47によりそれぞれ切除して、よこ糸4
と新よこ糸34とを一本に結合する。そして、溶着ホー
ン49を上昇させた後、掛け外し機48により1本化さ
れた新旧のよこ糸34、4aの結合部分を位置決めピン
46から掛け外す。
【0034】なお、本装置にあっては、新旧のよこ糸3
4、4の結合部分が常に同じ位置であると、基布の同じ
列にその結合部分が並ぶようになるため、結合部分によ
る膨らみ箇所を散在させるべく、固定ガイド棒39に対
する可動ガイド棒40の位置を適宜可変させている。よ
こ糸結合作業終了後には、ロボット24の木管把持ハン
ド28により、古いコップの木管21を把持して持ち上
げてシャットル2のトング18から引き抜き、コップ回
収用投入口31に捨てる。
【0035】次に、ロボットアーム26を移動して、新
よこ糸34の掛け具38及びよこ糸把持チャック30間
の部分をよこ糸把持ハンド28により把持する。このと
き、前記したように新よこ糸34が位置決めされている
ことから、予めロボットに把持位置を覚え込ませておく
だけで良く、特にセンサなどを設ける必要がない。次
に、図8に示されるように、よこ糸把持チャック30を
開いて新よこ糸34を解放し、よこ糸把持ハンド28に
よる把持状態を保持して、新よこ糸34の新木管35と
よこ糸把持ハンド28との間の部分、及びよこ糸把持ハ
ンド28から先の部分が垂れ下がらないようにして、コ
ップ貯留装置33にある次に用いられる新コップ32の
新木管35の先端部を木管把持ハンド27により把持す
る。そして、新コップ32をシャットル2に向けて運
ぶ。
【0036】ところで、木管把持ハンド27に対してよ
こ糸把持ハンド28がそのハンドリーチ分だけ延出して
おり、両ハンドの各把持位置が互いに所定長離隔してお
り、途中で支えられているため、図9に示されるよう
に、両ハンド27・28の各把持位置を結ぶ線が水平状
態になるようにして、新コップ32を起立状態にあるト
ング18に差し込む。このようにすることにより、新木
管35から新よこ糸34が垂れ下がることなく、トング
18に新木管35を差し込む際に、新木管35の基端面
35aと、基端面35aに対応するトング18の肩面1
8aとの間に、新よこ糸34が挟まれることを回避でき
る。
【0037】新コップ32をトング18に差し込んだ
ら、木管把持ハンド27にて新木管35の先端部を把持
したままロボットアーム26を動かして、新木管35を
シャットル2内に倒伏させる。このとき、図9の想像線
に示されるように、新コップ32が約45度傾いたら、
よこ糸把持ハンド28を開放して、よこ糸把持ハンド2
8による新よこ糸34の把持状態を解除する。このよう
にして、コップ交換作業を自動的に行うことができる。
【0038】
【発明の効果】このように本発明によれば、引き出され
ているよこ糸の新たなコップから所定長離隔した位置を
よこ糸把持ハンドにより把持しつつ、新たなコップを起
立状態のトングに装着することから、よこ糸把持ハンド
に把持されているよこ糸が垂れ下がることなく、木管の
基端面とトングの対応する肩面との間によこ糸が挟まれ
たり、周囲の部材に引掛かったりすることがない。従っ
て、ロボットアームによる自動コップ交換作業を何等不
都合を生じることなく好適的に行い得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく織機用コップ自動交換装置の全
体を示す平面図。
【図2】図1の矢印II−II線から見た装置の正面図。
【図3】図1の矢印III−III線から見た装置の要部側面
図。
【図4】装置の要部を示す斜視図。
【図5】ロボットアームの要部拡大図。
【図6】図5の矢印VI線から見た矢視図。
【図7】コップ交換の作動要領を示す説明図。
【図8】コップ交換の作動要領を示す図7に続く説明
図。
【図9】コップ交換の作動要領を示す図8に続く説明
図。
【符号の説明】
1 シャットルボックス 2 シャットル 3 たて糸 4 よこ糸 5 固定フレーム 6 スライドレール 7 シャットル可動装置 8 可動架台 9 可動ブラケット 10a・10b シャットル打ち出し室 11 小エアシリンダ 12 大エアシリンダ 13 サクションパッド 14 アーム部 15 ロッドガイド 16 エアシリンダ 17 シャットル溝部 18 トング 18a 肩面 19 コップ 21 木管 22 固定エアシリンダ 23 支持台 23a 上面 24 ロボット 25 共通架台 26 アーム 27 木管把持ハンド 28 よこ糸把持ハンド 29 木管係合ハンド 30 よこ糸把持チャック 31 コップ回収用投入口 32 新コップ 33 コップ貯留装置 34 新よこ糸 35 新木管 35a 基端面 36 よこ糸結糸装置 37・38 掛け具 39 固定ガイド棒 40 可動ガイド棒 41 結合点可変装置 42 クランプ装置 43 残糸回収装置 44 枢軸 45 溶着機 46 位置決めピン 47 よこ糸切断機 48 掛け外し機 49 溶着ホーン 50 アンビル 51 エアシリンダ 52 ピストン 53 ハンド部 54 パッド 55 戻しコイルばね 56 固定ハンド 57 可動ハンド 58 枢軸 61 弛み防止装置 62 固定リング 63 可動ハンド 64 エアシリンダ 65 アクチュエータ 66 糸端支持スタンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 45/20 D03J 1/04 D03J 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木管によこ糸を巻装してなるコップを木
    管挿抜用トングを介して起立倒伏し得るように着脱自在
    に保持するシャットルを、たて糸間にて選択的に往復飛
    走させる織機に於いて、よこ糸が所定以上消費された場
    合に、消費された古いコップと貯留されている新たなコ
    ップとの間で、それぞれのよこ糸同士をよこ糸把持ハン
    ドにより引き出して結糸し、コップ把持ハンドにより、
    前記古いコップを前記シャットルから取り外し、かつ前
    記新たなコップを起立状態の前記トングに装着するよう
    にした織機用コップ交換装置の制御方法であって、 前記新たなコップを前記コップ把持ハンドにより把持す
    る過程と、前記新たなコップから引き出されているよこ
    糸を前記よこ糸把持ハンドにより把持する過程と、前記
    引き出されているよこ糸の前記新たなコップから所定長
    離隔した位置を前記よこ糸把持ハンドにより把持しつ
    つ、前記新たなコップを前記起立状態のトングに装着す
    る過程とを有することを特徴とする織機用コップ交換装
    置の制御方法。
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