JP3248091B2 - 二重管穿孔装置 - Google Patents
二重管穿孔装置Info
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Description
アンカー孔や集排水孔、杭孔などの地盤や岩盤への穿孔
を、ケーシングパイプを用いて周辺を支えながら内部の
ビットにより行っていく二重管穿孔装置に関する。
被圧に対して孔形を維持したり、外側の地層・岩層に影
響を与えないようにしたりするため、穿孔部分の外側で
ケーシングパイプを進めながら穿孔を行う、二重管穿孔
装置では、従来、ケーシングパイプの先端にケーシング
パイプ肉厚分の掘削のためにリングビットあるいはメタ
ルクラウンを取付けて、ケーシングパイプに後方から打
撃を加えたり、強い回転トルクを与えたりしながら穿孔
していたため、ケーシングパイプには薄肉ながら高強度
を確保させた特殊な鋼管材を使用しなくてはならず、こ
うした高価なケーシングパイプの使用により、穿孔作業
を安価に済ますことができなかった。特に、ケーシング
パイプを地盤に残す場合は安価で腐食等に対して強い合
成樹脂製パイプが望ましいが、強度が不足するために使
用できなかった。また、従来の装置は、穿孔に必要な打
撃を最後方の地上側で行い、ケーシングパイプにも回転
トルクと打撃が加わるタイプ(図8参照)と、削孔を行
うインナービットの後方にダウンザホールハンマーを位
置させ、穿孔に必要な打撃をここで行い、外周のケーシ
ングパイプには打撃を加えないタイプ(図9参照)、そ
して、インナービットの一部にケーシングパイプ部の削
孔を行う径方向に進退可能な拡径部を設けた形の拡径ビ
ットとダウンザホールハンマーを用い、ケーシングパイ
プには拡径ビットを介して打撃が加わるタイプ(図10
参照)と三種類に大まかに分けることができる。これら
従来のものでは、一番目のタイプは最後方の地上側から
打撃を行うことで孔が深くなるにつれ打撃力が低下する
という理由で、二番目のタイプはケーシングパイプを打
撃しないことでケーシングパイプ先端での肉厚分の掘削
が進みにくいという理由で、また、三番目のタイプは拡
径ビットの拡径部がケーシングパイプ円周に対し1/4
〜1/2の区間幅しかなく打撃の伝達が悪いわりに掘削
面積が多くて効率が悪く、拡径部のチップの摩耗が早く
て計画通りの孔外径が確保できない上、拡径部を縮径し
て拡径ビットおよびダウンザホールハンマーをケーシン
グパイプ内から回収しようとする際に縮径できないトラ
ブルが多いという理由で、いずれの場合も全体の穿孔ス
ピードが遅かった。このため、各ビットの損耗等も合わ
せて、全体のランニングコストが高くなってしまってい
た。一方、こうした従来の装置で穿孔スピードを早くす
るには、地上で打撃や回転トルクを発生させながら押込
みを行う機械を、強力な大型のものにする必要があり、
この機械が高価になるばかりでなく、大型の機械を安定
に設置するための堅固な足場やより広い設置面の確保な
どで、全体の工事費用がかなり高額になってしまい、問
題が多かった。
する課題は、上記した問題点を解消し、ケーシングパイ
プに打撃や強い回転トルクを加えずに穿孔して、安価な
ケーシングパイプを使用でき穿孔コストを低く抑えら
れ、また、リングビットをケーシングパイプと独立さ
せ、インナービットと同じに打撃と回転トルクを加え
て、穿孔スピードを大幅に速め、小型の押込装置を使用
でき工事費用を安くした、二重管穿孔装置を提供するこ
とにある。
発明の構成は、 1) 多段に連結されたインナーロッドの先に地盤を掘
削するインナービットを設け、これらの外周を覆うケー
シングパイプを多段に連結して設け、前記インナーロッ
ドとケーシングパイプを地上の押込装置によって地盤に
押込み、ケーシングパイプで地盤を支えながらインナー
ビットで地盤を穿孔する二重管穿孔装置において、ダウ
ンザホールハンマーをケーシングパイプ内側のインナー
ロッド先端に取付け、このダウンザホールハンマー先端
にインナービットをダウンザホールハンマーと一体に回
転しかつ所定範囲で進退自在となるように取付け、ダウ
ンザホールハンマー内部のピストンでインナービットを
打撃する構造とし、インナービットの外周部分にビット
先端から一定長に渡ってインナービット回転軸方向に平
行な溝を複数設け、この溝とかみ合う突起を複数内周に
形成したリングビットを進退可能にかみ合せ、ケーシン
グパイプ内部でリングビット端面に当たる打撃伝達部を
インナービットに形成し、リングビットの抜け落ちを止
めるケーシングトップを設け、インナービットの先端面
にダウンザホールハンマーに通じるブロー穴を設け、前
記インナービットとリングビット間に、ケーシングパイ
プ内に通じる排出路を設けた、二重管穿孔装置 2) 前記インナービット外周部分の溝を所定ピッチに
設けて溝幅が歯幅より大きいスプライン軸部を形成する
と共に、リングビット内周の突起を所定の間隔に配置し
て前記スプライン軸部同様に溝幅が歯幅より大きいスプ
ライン穴部を形成して、インナービットとリングビット
をスプライン軸部および穴部で組合せ、互いの溝幅が歯
幅より大きい分生じるインナービットとリングビット間
の複数の空間を前記排出路とした、前記1)に記載の二
重管穿孔装置 3) 多段に連結されたインナーロッドの先に地盤を掘
削するインナービットを設け、これらの外周を覆うケー
シングパイプを多段に連結して設け、前記インナーロッ
ドとケーシングパイプを地上の押込装置によって地盤に
押込み、ケーシングパイプで地盤を支えながらインナー
ビットで地盤を穿孔する二重管穿孔装置において、ダウ
ンザホールハンマーをケーシングパイプ内側のインナー
ロッド先端に取付け、このダウンザホールハンマー先端
にインナービットをダウンザホールハンマーと一体に回
転しかつ所定範囲で進退自在となるように取付け、ダウ
ンザホールハンマー内部のピストンでインナービットを
打撃する構造とし、インナービットの外周部分にビット
先端から一定長に渡ってインナービット回転軸方向に平
行な溝を複数設け、この溝とかみ合う突起を複数内周に
形成したリングビットを進退可能にかみ合せ、ケーシン
グパイプ内部でリングビット端面に当たる打撃伝達部を
インナービットに形成し、リングビットの抜け落ちを止
めるケーシングトップを設け、インナービットの先端面
にダウンザホールハンマーに通じるブロー穴を設け、前
記インナーロッド先端のダウンザホールハンマー取付部
分に、ケーシングパイプ内周が回動自在かつ進退自在に
接触する円筒形状でケーシングパイプ内部空間を連絡さ
せるブロー溝を外周に複数設けたドリルカラーを設け、
このドリルカラーを介してインナーロッドとダウンザホ
ールハンマーを連結した、二重管穿孔装置 4) 前記インナーロッド先端のダウンザホールハンマ
ー取付部分に、ケーシングパイプ内周が回動自在かつ進
退自在に接触する円筒形状でケーシングパイプ内部空間
を連絡させるブロー溝を外周に複数設けたドリルカラー
を設け、このドリルカラーを介してインナーロッドとダ
ウンザホールハンマーを連結した、前記1)又は2)記
載の二重管穿孔装置 5) 前記ケーシングパイプを、合成樹脂製パイプとし
た、前記1)〜4)何れかに記載の二重管穿孔装置にあ
る。
ンナービットを備えるダウンザホールハンマーを取付け
たインナーロッドおよび、ケーシングパイプを押込装置
にセットしておく。インナービットにはリングビットを
組合せ、抜け落ち防止用のケーシングトップをケーシン
グパイプに取付ければ穿孔が可能となる。押込装置およ
びインナーロッドを通じて外部から高圧空気を送り込ん
でダウンザホールハンマーを打撃可能な状態にした後、
押込装置でインナーロッドを十分な回転トルクで回転さ
せて、ダウンザホールハンマーおよびインナービットを
回転させながら、地盤に向けて押込む。リングビット
も、内周の突起とインナービットの溝とのかみ合いによ
りインナービットと共に回転しながら、インナービット
の打撃伝達部から押込み力を受ける形で押込まれる。こ
の時、ケーシングパイプも同時に押込装置で、そのまま
回転させずに、あるいは、ゆっくり回転させた状態で押
込まれる。高圧空気でダウンザホールハンマーから少し
飛び出した形のインナービットが地面に押付けられて、
ダウンザホールハンマー内に少し引っこむと、ダウンザ
ホールハンマーの打撃動作が有効となって、インナービ
ットに打撃が加わり、回転しながら地盤を穿孔してい
く。ダウンザホールハンマーの打撃は、インナービット
の打撃伝達部からインナービット同様地面に押付けられ
たリングビットに伝わって、リングビットも打撃と回転
でケーシングパイプ部分の掘削を行う。ケーシングパイ
プは、リングビットの掘削した直後を押込まれて進み、
周囲の地盤を支えていく。本発明では、リングビットに
インナービット側から打撃力・回転トルク、押込み力を
伝達する仕組みにより、ケーシングパイプを回転させな
くても、リングビットに掘削力を与えることができる。
そのため、ケーシングパイプには掘削のための強い回転
トルクや打撃を加えずに済み、高い強度が不要となるの
で、低強度の鋼管・合成樹脂管でも使用できる。そし
て、地上の押込装置も、ケーシングパイプに対し掘削の
ための強い回転トルクを発生させる必要がない分、小型
のものを使用できる。さらに、リングビット,インナー
ビット共にダウンザホールハンマーからの打撃力が確実
に伝わることと、リングビットが全周で打撃を一様に正
面の地盤に加えられる形状であることにより従来に比べ
効率良く穿孔が行え、地上の押込装置を強力にしなくて
も穿孔スピードが早い。インナービットとリングビット
で地盤を削り取って生じたスライムは、インナービット
の先端面のブロー穴から噴出するダウンザホールハンマ
ーの排気に吹き飛ばされ、地盤の被穿孔面がスライムの
ない状態となり、確実に打撃を加えて穿孔できる。イン
ナーロッドおよびケーシングパイプを多段に継ぎ足しな
がら押込んで所定の深さまで穿孔できたら、ダウンザホ
ールハンマーの打撃を止め、押込装置でインナーロッド
を引抜いてダウンザホールハンマーを回収する。先端の
インナービットは、リングビットに対し穿孔方向後方に
抜けることができ、そのままダウンザホールハンマーと
共に回収可能である。ケーシングパイプおよびリングビ
ット、ケーシングトップは地盤の強度に応じて、残すか
引抜くか決定し、引抜く場合はインナーロッド同様押込
装置で引抜いて、リングビットとケーシングトップごと
回収する。
ングパイプ内に通じる排出路を設けた構成では、ブロー
穴から噴出するダウンザホールハンマーの排気に吹き飛
ばされスライムが、この排気の流れに乗って、排気と共
にインナービットとリングビット間の排出路を通り、ケ
ーシングパイプ内に移動して、最終的に地上へ排出され
る。
スプライン軸部・穴部を形成して組合せた構成では、イ
ンナービットを回転させるとそのスプライン軸部からリ
ングビットのスプライン穴部へ互いのスプライン歯のか
み合いにより回転トルクが伝わって、リングビットも共
に回転する。それぞれのスプライン溝がスプライン歯に
対して幅広な分、回転中は歯と歯の間に空間ができる箇
所が複数生じこの空間がちょうど排出路として排気およ
びスライムを通過させる。
を連結するドリルカラーを設けた構成では、ケーシング
パイプがインナーロッドに対して相対的に回転および進
退する場合でも、確実にインナーロッドをケーシングパ
イプ中心に保って、インナーロッドおよびダウンザホー
ルハンマーの振れを防ぎ、インナーロッドからの回転ト
ルクがダウンザホールハンマーおよびインナービットに
無理なく伝わるようにする。
た構成は、ケーシングパイプを地盤に残す場合に有効で
あり、インナーロッドを引抜いてダウンザホールハンマ
ーおよびインナービットを回収した後、ケーシングパイ
プを地盤に埋め残しても腐食等が起こりにくく、長期間
孔周辺の地盤を支えられる。
プは、穿孔した周囲の地盤からの圧力に耐える強度を備
えていればよく、鋼管や鋳鉄管の他、合成樹脂製パイプ
が一般的に用いられる。ケーシングパイプを地盤中に残
す場合は腐食に強くかつ安価な塩化ビニル樹脂パイプな
どの合成樹脂製パイプが望ましい。また、ケーシングパ
イプへの、リングビットの抜け落ちを防止するケーシン
グトップの取付けは、ケーシングパイプが鋼管や鋳鉄管
の場合は溶接により、合成樹脂製パイプの場合はねじ止
めや接着により行われる。なお、ケーシングトップは二
つ割りのものをリングビット外周で合わせた形でケーシ
ングパイプに取付けるのが一般的である。
地上の押込装置でゆっくり回転させながら地盤に押込む
場合と、そのまま回転させずに押込む場合とがある。回
転させずに押込む場合は、地上の押込装置でケーシング
パイプへの回転トルク伝達部分を省いて小型にでき、穿
孔工事費用の面で望ましい。一方、ケーシングパイプを
回転させながら押込む場合、回転させる方法としては、
ケーシングパイプを地上側でインナーロッドと一体に回
転させる方法と、ケーシングパイプ専用の独立した回転
機構によりインナーロッドと別に回転させる方法とがあ
る。いずれの方法によっても、ケーシングパイプの回転
に必要なトルクは、リングビットの掘削のためのトルク
が不要で、ケーシングパイプ自体の分で済み、従来のケ
ーシングパイプの回転トルクの半分以下となるので、回
転機構を小型化できる。
打撃を与えるダウンザホールハンマーは、先端部にイン
ナービットを一定の範囲で進退可能かつ回転トルクを伝
達可能となるよう一部スプライン軸・穴の組合せとして
取付け、高圧空気の給圧で内部のピストンを往復運動さ
せて、インナービットの端部に連続的に打撃を与える仕
組みの一般的な方式のものを主に使用し、穿孔径に合わ
せてインナービットと一体で最も適した仕様のものを選
択して用いる。なお、インナービットのビット形状は、
クロスビット、ボタンビット、スパイクビットのいずれ
でもかまわない。
グビット間にケーシングパイプ内に通じる排出路がある
場合とない場合があり、排出路がない場合、発生したス
ライムをケーシングパイプ外周に排除しているが、排出
路を設ければより確実にスライムをケーシングパイプ内
から地上へ排出でき、トラブルの発生も少なく穿孔上望
ましい。
ー溝は、ドリルカラー中心軸に平行な溝形状とするのが
一般的だが、ケーシングパイプ先端側からの排気やスラ
イムをスムーズに通せる大きさの溝であれば、らせん形
状など別の溝形状でもかまわない。
本実施例は、インナービットにスプライン軸部を、リン
グビットにスプライン穴部をそれぞれ設けて組合せ、ケ
ーシングパイプ内にドリルカラーを設けた例である。図
1は実施例の使用状態を示す説明図、図2は実施例の要
部を示す一部切欠した側面図、図3は実施例のダウンザ
ホールハンマーの打撃状態を示す説明図、図4は実施例
の要部を示す正面図、図5は図2のA−A断面図、図6
は図2のB−B断面図、図7は実施例の要部を示す断面
図である。
連結されて穿孔と共に地中を進んで周囲の地盤13を支
える、必要最小限の強度をもつ鋼製のケーシングパイプ
3の内側に、地上から送られた高圧空気により穿孔用ビ
ットの打撃力を発生させるダウンザホールハンマー7を
配置している。ダウンザホールハンマー7の先には穿孔
用ビットとして、ケーシングパイプ3内径より小さく穿
孔において主となるインナービット8と、その外周でケ
ーシングパイプ3部分の掘削を行うリングビット10を
設けている。ダウンザホールハンマー7先端で直接打撃
を受け進退するインナービット8には、その外周部分に
ビット先端から一定長に渡って、溝幅が歯幅より大きい
スプライン軸部9を形成し、この部分とかみ合うよう
な、前記同様に溝幅が歯幅より大きいスプライン穴部1
1を内周に形成したリングビット10を進退可能に組合
せている。インナービット8のスプライン軸部9のケー
シングパイプ3内部側の端には、リングビット10端面
にダウンザホールハンマー7からの打撃力を伝える打撃
伝達部8dを設けている。ケーシングパイプ3先端で、
リングビット10がケーシングパイプ3から抜けてしま
わないよう留める鋼製の二つ割りのケーシングトップ4
は、リングビット10外周で組合せてケーシングパイプ
3先端にリングビット10と同時に挿入後、ケーシング
パイプ3に溶接により取付けている。インナービット8
先端面には、ダウンザホールハンマー7内部に通じ排気
を逃がすブロー穴8cを設けており、インナービット8
とリングビット10間にスプライン軸部9・穴部11の
溝幅が歯幅より大きい分だけ生じた空間を排出路12と
して、地盤13の穿孔により生じたスライム14をブロ
ー穴8cからの排気と共にここを通してケーシングパイ
プ3とダウンザホールハンマー7間の隙間におくり、さ
らにケーシングパイプ3内から地上へ排出する仕組みと
している。
ンザホールハンマー7に接続され、打撃に必要な高圧空
気を地上から送り込むと共に、地上のドリルヘッド2a
からの回転トルクおよび押込力(引抜く際は引抜き力)
を伝えるインナーロッド5が、多段に連結された状態で
通っている。インナーロッド5のダウンザホールハンマ
ー7との接続は、ケーシングパイプ3内周が回動・進退
可能に接触する円筒形状の、排気やスライム14を通す
ブロー溝6aを備えたドリルカラー6を介して行い、ケ
ーシングパイプ3中心位置にインナーロッド5が保持さ
れるようにしている。
パイプ3は、一般的な油圧式のドリルヘッド2aを備え
た小型の押込装置2に接続し、インナーロッド5には回
転トルクと押込み力(または引抜き力)がドリルヘッド
2aから与えられるようにすると共に、ケーシングパイ
プ3にも押込み力が加わるようセットしておく。押込装
置2は、ケーシングパイプ3に回転トルクを与える機構
を省いて、その分小型・シンプルで安価なものとなって
いる。
には、まず、地上で先端のインナービット8に対し最後
端となるケーシングパイプ3およびインナーロッド5を
押込装置2のドリルヘッド2aにそれぞれセットした状
態で、インナーロッド5を通じて外部から高圧空気をダ
ウンザホールハンマー7内に送り込む。それから、ドリ
ルヘッド2aによりインナーロッド5を回転させ、ダウ
ンザホールハンマー7を介してインナービット8が穿孔
に適した回転数で回転するようにする。インナービット
8に組合せたリングビット10も、排出路12となる空
間が空いた状態でかみ合って同様に回転する。インナー
ビット8とリングビット10が十分な回転トルクのもと
に回転した状態で、ドリルヘッド2aを送ってケーシン
グパイプ3および各ビット以下を押進め、正しい穿孔方
向に適切な推力で地面にインナービット8先端を押付け
る。インナービット8が地面に接してダウンザホールハ
ンマー7内に少し戻ると、ダウンザホールハンマー7の
打撃が始まり、インナービット8は打撃と回転で地盤1
3を穿孔していく。ダウンザホールハンマー7の打撃は
インナービット8の打撃伝達部8dからリングビット1
0にも伝わり、リングビット10でちょうどケーシング
パイプ3部分の掘削を行っていく。ケーシングパイプ3
は、このリングビット10が掘削した直後に押込まれ
て、周囲の地盤13を支えて孔形状を保持する。ケーシ
ングパイプ3はリングビット10駆動には全く関与せ
ず、リングビット10の掘削部分を進行していくため、
強い回転トルクや打撃力の必要なしに押込むことができ
る。インナービット8とリングビット10で地盤13を
削り取って生じたスライム14はインナービット8先端
面のブロー穴8cから噴出するダウンザホールハンマー
7の排気の流れに乗ってインナービット8とリングビッ
ト10間の排出路12を通り、ケーシングパイプ3内に
排除されるので、地盤13の被穿孔面がスライム14で
覆われることがなく、確実に打撃を加えることができ
る。
よびインナーロッド5を継ぎ足しながら押込んで所定の
深さまで穿孔できたら、穿孔を終了し、インナーロッド
5を引抜いてダウンザホールハンマー7およびインナー
ビット8を回収する。その後、ケーシングパイプ3を引
抜き、リングビット10やケーシングトップ4ごと回収
するが、地盤13の強度が問題になる場合には、ケーシ
ングパイプ3は引抜かずにそのまま残しておく。
その後の穿孔でケーシングパイプ3の押込みは不要とな
るので、一度ダウンザホールハンマー7およびインナー
ビット8を回収し、ケーシングパイプ3およびリングビ
ット10をそのまま通過できる径のビットを装着したダ
ウンザホールハンマーを代わりに挿入して、単管穿孔を
行えばよい。
の他に、合成樹脂製、特に塩化ビニル樹脂製の安価なケ
ーシングパイプ3を使用してもよい。ケーシングパイプ
3に回転トルクを与える機構が省略されて押込装置2が
より小型で安価なものとなっているのと合わせて、全体
の工事費用を大幅に減らすことができる。地盤13にケ
ーシングパイプ3を残す場合には、腐食等も起こらず安
定した孔保持が安価に実現可能である。この塩化ビニル
樹脂製ケーシングパイプ3にケーシングトップ4を取付
ける際は、強力な接着剤で外れないよう接着すればよ
い。
より、ケーシングパイプを強い回転トルクや打撃を加え
ずに地盤に押込むことができ、地盤を支える最低限の強
度をもつ安価なケーシングパイプを使用して、穿孔にか
かるコストを大幅に低減出来る。特に、ケーシングパイ
プを地中に残す場合に、腐食に強く安価な合成樹脂製パ
イプを使用でき、コスト低減と安定な孔の構築が同時に
実現可能となる。また、リングビットにインナービット
と同様の打撃と回転トルクを加えて効率良く穿孔でき、
小型の押込装置でも穿孔スピードが速い。そして、ケー
シングパイプのための回転トルクを減らした分押込装置
をさらに小型化できるので、工事費用を大幅に低減可能
である。
ングパイプ内に通じる排出路を設けた構成を採用する
と、発生したスライムをケーシングパイプ内に排除で
き、スライムがケーシングパイプの外側に達して、特に
軟弱地盤の場合にケーシングパイプ周囲の土層を荒した
りすることがなく、スムーズに穿孔を進められる。
を連結するドリルカラーを設けた構成を採用すると、強
い回転トルクの加わるインナーロッドとダウンザホール
ハンマーを一体に支えて、常にケーシングパイプの中心
に保って振れを防ぎ、これらの接続部分にかかる負担が
減って耐久性が向上する。
る。
示す説明図である。
る。
ある。
明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 多段に連結されたインナーロッドの先に
地盤を掘削するインナービットを設け、これらの外周を
覆うケーシングパイプを多段に連結して設け、前記イン
ナーロッドとケーシングパイプを地上の押込装置によっ
て地盤に押込み、ケーシングパイプで地盤を支えながら
インナービットで地盤を穿孔する二重管穿孔装置におい
て、ダウンザホールハンマーをケーシングパイプ内側の
インナーロッド先端に取付け、このダウンザホールハン
マー先端にインナービットをダウンザホールハンマーと
一体に回転しかつ所定範囲で進退自在となるように取付
け、ダウンザホールハンマー内部のピストンでインナー
ビットを打撃する構造とし、インナービットの外周部分
にビット先端から一定長に渡ってインナービット回転軸
方向に平行な溝を複数設け、この溝とかみ合う突起を複
数内周に形成したリングビットを進退可能にかみ合せ、
ケーシングパイプ内部でリングビット端面に当たる打撃
伝達部をインナービットに形成し、リングビットの抜け
落ちを止めるケーシングトップを設け、インナービット
の先端面にダウンザホールハンマーに通じるブロー穴を
設け、前記インナービットとリングビット間に、ケーシ
ングパイプ内に通じる排出路を設けた、二重管穿孔装
置。 - 【請求項2】 前記インナービット外周部分の溝を所定
ピッチに設けて溝幅が歯幅より大きいスプライン軸部を
形成すると共に、リングビット内周の突起を所定の間隔
に配置して前記スプライン軸部同様に溝幅が歯幅より大
きいスプライン穴部を形成して、インナービットとリン
グビットをスプライン軸部および穴部で組合せ、互いの
溝幅が歯幅より大きい分生じるインナービットとリング
ビット間の複数の空間を前記排出路とした、請求項1に
記載の二重管穿孔装置。 - 【請求項3】 多段に連結されたインナーロッドの先に
地盤を掘削するインナービットを設け、これらの外周を
覆うケーシングパイプを多段に連結して設け、前記イン
ナーロッドとケーシングパイプを地上の押込装置によっ
て地盤に押込み、ケーシングパイプで地盤を支えながら
インナービットで地盤を穿孔する二重管穿孔装置におい
て、ダウンザホールハンマーをケーシングパイプ内側の
インナーロッド先端に取付け、このダウンザホールハン
マー先端にインナービットをダウンザホールハンマーと
一体に回転しかつ所定範囲で進退自在となるように取付
け、ダウンザホールハンマー内部のピストンでインナー
ビットを打撃する構造とし、インナービットの外周部分
にビット先端から一定長に渡ってインナービット回転軸
方向に平行な溝を複数設け、この溝とかみ合う突起を複
数内周に形成したリングビットを進退可能にかみ合せ、
ケーシングパイプ内部でリングビット端面に当たる打撃
伝達部をインナービットに形成し、リングビットの抜け
落ちを止めるケーシングトップを設け、インナービット
の先端面にダウンザホールハンマーに通じるブロー穴を
設け、前記インナーロッド先端のダウンザホールハンマ
ー取付部分に、ケーシングパイプ内周が回動自在かつ進
退自在に接触する円筒形状でケーシングパイプ内部空間
を連絡させるブロー溝を外周に複数設けたドリルカラー
を設け、このドリルカラーを介してインナーロッドとダ
ウンザホールハンマーを連結した、二重管穿孔装置。 - 【請求項4】 前記インナーロッド先端のダウンザホー
ルハンマー取付部分に、ケーシングパイプ内周が回動自
在かつ進退自在に接触する円筒形状でケーシングパイプ
内部空間を連絡させるブロー溝を外周に複数設けたドリ
ルカラーを設け、このドリルカラーを介してインナーロ
ッドとダウンザホールハンマーを連結した、請求項1又
は2記載の二重管穿孔装置。 - 【請求項5】 前記ケーシングパイプを、合成樹脂製パ
イプとした、請求項1〜4何れかに記載の二重管穿孔装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28798295A JP3248091B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | 二重管穿孔装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28798295A JP3248091B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | 二重管穿孔装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09100688A JPH09100688A (ja) | 1997-04-15 |
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JP28798295A Expired - Lifetime JP3248091B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | 二重管穿孔装置 |
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