JP2530792B2 - 掘削装置 - Google Patents

掘削装置

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JP2530792B2
JP2530792B2 JP4034679A JP3467992A JP2530792B2 JP 2530792 B2 JP2530792 B2 JP 2530792B2 JP 4034679 A JP4034679 A JP 4034679A JP 3467992 A JP3467992 A JP 3467992A JP 2530792 B2 JP2530792 B2 JP 2530792B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は先端にアウタービッ
トを有する管状のケーシングの内側にダウンザホールハ
ンマ(以下単にDTHと記す)に接続した別のビットを
有する掘削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地盤の掘削については、従来、比較的軟
弱な地盤或いは岩盤(以下、「地盤」と表現した場合に
は、本明細書においては「岩盤」をも包含する意味であ
る)の場合には、アウタビット及びインナビットを用い
る所謂「二重管方式」が用いられる場合がある。一方、
硬質な地盤の掘削作業には、DTHが用いられる場合が
多い。
【0003】二重管方式は図5にその概要が示されてい
る。図5において、管状のケーシング1の先端には円環
状の掘削ビット2(アウタビット)が設けられている。
そして、ケーシンク1の内側に挿入されたインナロッド
3の先端部にはインナビット4が設けられ、該インナビ
ット4はアウタビット2の内側に位置している。ここ
で、インナロッド3のビットとは反対側の端部すなわち
後端にはアダプタ5が設けられ、図示しないトップハン
マ或いは動力源に接続している。
【0004】一方、DTH(ダウンザホールハンマ)及
びそれを用いた工法については、図6〜9で示してあ
る。公知の様に、DTHはエアー駆動により連続的な打
撃を先端のビットに伝達することにより、地盤を掘削し
ながら進行する。DTHの構造は図6で示す通りであ
り、全体を符号10で示すDTHは、ハウジングとして
の機能を有する耐久性のある外筒11と、ビット12
と、ビット12を支持するチャック13と、連続的な打
撃を生じせしめるエアピストン14と、エアピストン1
4の打撃をビット12に伝達し且つ打撃伝達方向を適正
に案内せしめる機能を有するガイド15、とを含んでい
る。
【0005】図8で示す様に、DTH10はチューブ2
0に挿入して使用することが出来、その場合、DTH1
0はチューブ20と共に地盤中を掘削、進行する。
【0006】ここで、DTHに用いられるビットは図
6、7で示すものには限定されない。図8では、掘削孔
の径を拡大出来るビット(拡径ビット)22が用いられ
ている。拡径ビット22は図9で詳細に示される構造を
具備しており、パイロットビット23とビットリーマ部
24との相対位置を変位させることにより、チップ25
で掘削される孔の径を増減せしめている。この場合、チ
ューブ20は拡径ビット22の偏心した拡がり率に比例
して肉薄なストレート管(ガス管等)を使用している。
チューブ20の内側(内径)の限られた領域内にDTH
10及び拡径ビット22を挿入するためには肉厚が薄い
方が好ましいこと、及び拡径ビットはチューブの外径よ
りも拡がるのでチューブには軸方向荷重が負荷されない
こと、等が理由である。そして、掘削深度が増加するに
連れて、内部にエアピストン駆動用の圧縮エアの供給路
17を形成した延長部材18(図7)が、DTHの上部
に螺合される。穿孔の深度が深くなるに連れて、シュー
27の端部28の接合に伴い、DTH10に追従して、
チューブ20自体が地中に進行していく。ここで、チュ
ーブ20の継ぎ足しは、地上において新たなチューブを
溶接することにより行われる。なお、対応岩盤の硬度を
押圧して測定するために自立する強度を持っていること
が、従来のDTH仕様システムの使用を容易にしてい
る。
【0007】しかし、図5に示す従来の二重管方式で
は、以下に述べる理由により、掘削可能な岩体が限定さ
れてしまい、且つ、掘削に必要以上のコスト、時間、労
力を消費していた。
【0008】第1に、軟弱地盤において深穴穿孔が要求
された場合に、外管と地層との摩擦(ジャミング)によ
り当該外管が締め付けられる。そのため、地上の穿孔機
械側に過大な回転トルクが発生し、その結果、外管を地
中に埋め殺さなければならないという事故が発生してし
まう。
【0009】第2に、硬岩地層において深穴穿孔が要求
された場合に、穿孔機械が掘削に必要なエネルギ或いは
トルクを発生させるための回転及び打撃機構であるトッ
プハンママシンの使用に際しては、管の接合部1箇所に
つき数%のエネルギー損失がある。そのため、掘削深度
が深くなるに連れて先端の掘削ビットに伝達される打撃
力が減少し、掘削動作が微弱化し、掘削速度が著しく遅
くなる。
【0010】一方、DTHの場合は地上から圧縮エアを
送圧することによりビットが常に作動し、且つ、管接合
部における打撃力損失という問題が存在しない。そのた
め、トップハンマにより打撃力を伝達する掘削システム
に比較して、穿孔速度を速くすることが出来る。しか
し、DTHの場合にも次の様な問題点がある。
【0011】第1に、DTHの場合においても岩質(例
えば多孔質岩盤等)によっては作動不可能となる。
【0012】第2に、DTHは軟弱地盤においては使用
出来ない。DTHの特性として、そのビットは掘削され
る岩体に対して圧縮エアによって常に接触(着岩)され
且つ押し付けられ、圧縮エアはビットと硬岩質体との間
から逃げ、該逃げたエアの返りによりスライムは上揚さ
れる。そして、硬岩質体に対する圧縮エアの反撥力を利
用してビットの作動が行われる。しかし掘削すべき地盤
が軟弱地盤であれば、穿孔に際して岩体による圧縮エア
の反撥力が失われ、ビットが軟弱地盤によりかまれてし
まう。そして、圧縮エアによる抵抗が異常に大きくな
り、ビットの作動が不可能となり、それ以上の掘削が出
来ないのである。
【0013】拡径ビットを使用する工法では、アンカー
工事や集排水工事等において外管を地中から引き抜かな
くてはならないので、二重管方式における上記第1の問
題と同様な問題が存在する。また、前述した様に拡径ビ
ットを使用する工法では肉薄のチューブを外管として用
いているので、従来のトップハンマによる二重管ロータ
リーパーカッション方式では、外管に打撃トルクを付加
した際に肉薄のチューブが付加トルクに耐えられずに潰
れてしまうという問題がある。
【0014】ここで、我国の地層は複合地層が大部分を
占めており、軟らかい地盤と硬い地盤が交互に積層され
ている。そのため従来は、トップハンマによる通常の二
重管ロータリパーカッションによる掘削方式を採用する
か、或いはボーリングマシンにおけるDTHシステムを
採用するかの選択が非常に難しかった。特に、近来の深
穴穿孔を要求される傾向や、土木建設工事や都市土木建
築工事等における種々のアンカー工法、地すべり防災工
事の法面定着アンカー工事、集排水工事、等の多岐に亘
る工事の種類に対して、或いは新たに開発される工事工
法に対して、現状の限定された穿孔システムでは適用が
極めて困難になっている。
【0015】次に、従来の掘削工法(例えばトップハン
マによる二重管ロータリーパーカッションシステム、ロ
ータリーボーリングマシンによるDTH通常ボタンビッ
ト仕様システム、ロータリーボーリングマシンによるD
TH拡径ビット仕様システムの3種類)を複合地層に用
いた場合の問題点を列挙する。ここで、当該複合地層は
軟弱地盤であり、直径3〜5mの転石が地中に多く含有
されているものと仮定する。
【0016】トップハンマによる二重管ロータリーパー
カッションシステムによる掘削を行う場合、この様な状
況下においての転石は圧縮強度が比較的高い(硬い)岩
質であるので、インナービットによる打撃エネルギのみ
で崩すことは出来ず、アウタビットで切り進む必要があ
る。そのため、アウタビットのチップ磨耗及びビットシ
ャンク部(ボディ)の磨耗が著しくなってしまう。ま
た、穿孔速度を速めようとすればアウタービットに必要
以上の回転トルクが発生するので、定着岩体に行き着く
までに複数回のビット交換が必要になり、且つ、必要以
上の回転トルクの発生はハンマの故障の原因となる。
【0017】上記アウタービットの交換作業は外管を抜
き上げる作業から開始されるが、ビットが交換されて再
度掘削を開始するに際して、転石間の軟弱地盤(破砕帯
やローム層等)の圧縮作用により、外管を抜き上げた跡
の穿孔口が埋め戻されてしまう。この様な場合において
は、トップハンマによる二重管ロータリーパーカッショ
ンシステムの特性として、掘削孔の深度が深くなるに連
れて当該孔の曲りが発生し、途中から新しい孔を掘削し
ている可能性が非常に大きい。そして、この様な新しい
孔の掘削をアウタービットの交換作業の度毎に繰り返す
ため、非常に大きな労力が必要となり、且つ、技術的な
困難性が大きくなるのである。
【0018】ロータリーボーリングマシンによるDTH
通常ボタンビット仕様システムによる掘削を行う場合
は、上記において仮定した軟弱地盤の場合は、圧縮エア
の逃げが無くなりビットの反撥力が失われるので、ビッ
トの作動が鈍くなり、先端部が所謂ジャミングを起こし
て動かなくなってしまう。また、DTHがその自重が作
用する方向に掘削方向を維持できない状況、すなわち自
立出来ない状況においては、DTHの単管穿孔は不可能
である。
【0019】ロータリーボーリングマシンによるDTH
拡径ビット仕様システムによる掘削を行う場合、例えば
上記で仮定した様な地層にあっては1つの掘削孔につき
掘削深さ分の管が必要となり、実際の施工に際しては複
数の掘削孔が必要であるため、コストが嵩み過ぎてしま
い実用的ではない。管自体が肉薄であるため、現状では
管の接続は溶接で行っている。管の接合部をネジ加工す
ることも考えられるが、引き抜きトルクに耐え得る強度
を当該接合部に持たせることは不可能である。また、ア
ンカー工事においては管を地中に残留しておく訳にはい
かないが、長さ数10mもの外管を地上に引き上げるこ
とは不可能である。
【0020】さらにその他の従来技術として、特公昭5
0−10522号公報には、深穴ハンマを有し、脆い岩
石から成る地盤と固い岩石から成る地盤の双方に穿孔可
能なボーリング技術が示されている。しかし、この技術
では軟岩と硬岩の互層から形成された地層では内管のビ
ットを交換して対応せざるを得ない構成となっており、
上述した従来技術と同様に、工事現場の作業性を考慮し
た場合にタイムロスにつながる。また、軟弱な地盤や破
砕帯の多い地層で削孔した場合には、外管が地圧で締め
られて所謂「ジャミング」を生じることを回避出来ない
という問題が存在する。
【0021】そして、この技術では外管内側に設けられ
た肩部にダウンザホールハンマが当接しており、これに
よって外管に結合されたビットに打撃を伝える構造であ
って、この部分に掘削によるカッティングスライムが詰
まり易く、排出作用を害するという欠点を有している。
【0022】また、特開昭63−11789号公報に
は、ハンマーシリンダに接続された拡径ビットが外管外
径より大きく拡径する点、そしてその交換時に外管内径
より縮径する点が示されている。しかし、この公知例に
は外管にビットが設けられておらず、また前記の公知例
と同様に構成されており、前記の欠点を有している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の問題点に鑑みて提案されたもので、硬い地盤でも
軟らかい地盤でも好適に掘削し、鉛直方向以外の方向で
あっても硬い地盤を掘削して進行することが出来、管の
引抜きが容易でこれを埋め殺しにすることなく、深穴穿
孔の速度を速くすることが出来る様な掘削装置を提供す
ることを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の掘削装置によれ
ば、先端にアウタービットを有する管状のケーシングの
内側にダウンザホールハンマに接続した別のビットを有
する掘削装置において、管状のケーシング(52)の先
端に円環状のアウタビット(54)が螺着され、前記管
状のケーシング(52)の内側には先端の別のビット
(22、58)を着脱可能に接続したダウンザホールハ
ンマ(56)がインナーロッド(55)に接続されてお
り、前記管状のケーシング(52)およびインナーロッ
ド(55)の後端にはアダプタ(60)が取付けられ、
前記アダプタ(60)はトップハンマに接続されてい
る。
【0025】本発明の実施に際して、円環状のリングビ
ットに回転或いは衝撃力を伝達するトップハンマ機と、
DTH(ダウンザホールハンマ)の双方が、同一方向の
ネジ部を有しており、単一の地上設備により駆動される
のが好ましい。
【0026】また、DTHよりも地上側の箇所、例えば
DTHに接続されるエクステンションロッドに、回転力
は伝達するが軸方向推力(スラスト)は遮断する様なジ
ョイント部材を設ける事が出来る。リングビットには回
転力の他にスラストを作用する必要があるが、DTHに
はスラストを外部から与える必要が無いので、DTHへ
作用するスラストは遮断するのが好適な場合もあり得る
からである。
【0027】
【作用】上記した様な構成を具備する本発明によれば、
軟らかい地盤と硬い地盤とが交互に積層している場合で
あっても、地盤が変わる毎に掘削設備を交換する必要が
無くなり、同一の掘削設備により掘削作業を行うことが
できる。そのため、掘削作業の労力或いはコストが大幅
に低減する。また、鉛直方向以外の方向に掘削する際
は、リングビットを装着したパイプがDTHのガイドと
して作用するので、DTHは重力が作用する方向(鉛直
方向)以外にも正確に掘削進行することが出来る。その
ため、従来の技術においては、鉛直方向以外の方向の掘
削は軟らかい地盤を二重管方式で行えるのみであった
が、本発明では、DTHが使用できるので、硬い地盤で
も鉛直方向以外の方向へ掘削することが出来る。掘削が
完了して掘削機材を引き抜く際に、リングビットを回転
しつつ地上側へ引っ張ることにより、該リングビットも
容易に引き抜かれる。その結果、DTHが挿入されてい
た部材(ケーシングパイプ及びリングビット)を埋め殺
しにしておく必要も無くなるので、アンカー工法におい
ても本発明による掘削装置が採用出来る。
【0028】この様な本発明によれば、アンカー工事の
みならず、集排水工事、水平長孔穿孔、大口径工事、杭
打ち工事等の分野にも転用でき、これ等の工事の施工に
おいても大きなメリットを望める。
【0029】すなわち本発明を採用した場合には、定着
岩体付近までは例えばトップハンマによる二重管ダブル
パーカッションDTH仕様の掘削ビット(或いは拡径ビ
ット)で掘進できるため、通常の二重管ロータリーパー
カッションを用いて掘削する場合に比較して、掘削孔の
曲りが少ない。特に拡径ビットを用いた場合には、外管
と地層との間隔が大きくとれるので、地層による摩擦抵
抗が少なくなり、掘削すべき地層の圧縮力により外管の
回転或いは軸方向移動が不可能になってしまう事態(ジ
ャミング)が防止出来る。そのため、安全且つ確実に定
着地点付近までビット先端を掘削進行することが出来
る。
【0030】定着地点付近まで進んだ後、DTHはイン
ナーロッドの引き抜きに伴い地上に抜き上げられる。な
お拡径ビットを抜き上げる場合には、インナーロッドの
引き抜きに先立ってハンマーを逆回転して拡径されたビ
ットを外管内側に収納する必要がある。
【0031】インナーロッドを引き抜いた時点で外管は
地中に置いたままであるが、その先端には地層に対応し
て選択された掘削ビット(アウタビット)が装着されて
いる。そして、地上に引き上げられたDTH(或いは拡
径ビット)は、二重管ロータリーパーカッションシステ
ムにおいてその地層に最適と思われる掘削ビット(イン
ナービット)を装着されて、掘削孔の最先端まで再度挿
入されて、所定の定着深度までロータリーパーカッショ
ンシステムとして掘削を行う。勿論、外管単管のみでト
ップハンマによる掘削も可能である。
【0032】上記は、二重管ロータリーパーカッション
システムとDTHシステムとの併用として説明されてい
るが、本発明は二重管ダブルパーカッションシステムの
使用が必要な場合においても実施することが出来る。す
なわち本発明によれば、二重管ロータリーパーカッショ
ンシステム及び二重管ダブルパーカッションシステムの
双方を同一の掘削設備を用いて施工することが出来る。
これにより、穿孔作業における労力及びコストが大幅に
低減される。また、DTHシステム及びトップハンマを
使用する掘削システムを併用することで、掘削孔の穴曲
りも可能な限り減少し、その結果、外管に付加される摩
擦が軽減される。
【0033】さらに本発明では、拡径ビットを用いた結
果として、常に掘削径が外管外径よりも大きく拡径して
いるので、(例えば特公昭50−10522号公報の様
な)従来技術に比較して、地圧による(締め込み力の)
作用を小さくすることが出来る。
【0034】ここで、現状におけるアンカー工法の設計
基準では、地山の状況により削孔径、削孔長さが設定さ
れているが、アンカー積算資料書には、削孔径よりも削
孔に使用されるケーシング(この場合、外管)外径が掲
載されている。これは、設定された寸法内にアンカー構
造物を挿入しなければならないからである。換言すれ
ば、岩盤が硬くても内管のビットのみで単管削孔したな
らば、規定のアンカー強度を下回る可能性がある。その
ため、従来の工法においては、地山が軟弱地層から硬い
岩盤に変化したとしても、辛抱強く二重管システムで削
孔を継続する必要があった。
【0035】これに対して本発明では、外管内側に配置
されたロッドの先端に接続された拡径ビットを外管外径
を上回る径に保持できるため、単管削孔を試みたとして
もアンカー強度には支障をもたらさない。そして、安定
した硬岩の層における削孔は、単管ロッドによる削孔は
二重管ロッドの削孔に比較して、その削孔スピードを遥
かに高速にすることが出来る。
【0036】但し、上述したアンカー規定の基準寸法は
順守する必要がある。そして、この条件を守るために
は、硬岩地山を想定した設備を準備し、削孔当初から一
回り大きな外管を用意しなければならず、それを回転す
るための高トルクタイプの削孔機(ワンランク上の機械
設備)を準備する必要があった。
【0037】また、アンカー工法等に使用するに際し
て、従来技術においては地圧による締め込み力による負
荷を考慮しなければならず、それ故にワンランク上の機
械設備を準備する必要があった。これに対して本発明で
は、上述した通り、地圧による締め込み力が小さくなる
ので、ワンランク上の機械設備を準備する必要は無い。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、主として図1〜4を参照し
て、本発明の実施例を説明する。より具体的には、図
1、2により本発明の概要を説明し、図3、4により本
発明の実施例を説明する。
【0039】図1は、本発明の実施形態である掘削装置
の要部を示している。全体を符号50で示す掘削装置
は、外管すなわち管状のケーシング52と、その先端部
に螺合された円環状のアウタビット(リングビット)5
4とを備えている。そして、ケーシング52の内側には
DTH56が挿入され、DTH56の先端部にはDTH
ビット58が設けられている。ここで、掘削開始により
DTHビット58はアウタビット54より先行して突出
している。
【0040】ケーシング52及びDTH56のビットと
は反対側の端部にはアダプタ60が設けられている。こ
のアダプタ60は、各種カップリング、スイベル、ロッ
ド等を包括的に示したものであり、図示しないトップハ
ンマ及び動力源に接続されている。
【0041】包括的に図示されたアダプタ60の構成部
品を明確に表現したものが、図2である。DTH56は
インナーロッド55に接続され、インナーロッド55は
エクステンションロッド62に接続されている。ここ
で、該ロッド62は、その内部に圧縮エア通路64が構
成されている。
【0042】一方、ケーシング52はカップリング66
を介してクリーニングアダプタ72に螺合している。こ
こで、上述したエクステンションロッド62はクリーニ
ングアダプタ72内に挿入されている。そして、クリー
ニングスイベル68はクリーニングアダプタ72の外側
に装着される。
【0043】クリーニングスイベル68には圧縮エア供
給口70が形成されており、DTH駆動用の圧縮エアは
該供給口70、通路64を介してDTH56へ供給され
る。また、クリーニングスイベル68はクリーニングア
ダプタ72を介してシャンクロッド74に接続されてお
り、該ロッド74は図示しないトップハンマに接続され
ている。なお、図2において符号76はパッキン押えを
示している。
【0044】トップハンマから伝達されるスラスト及び
回転力は、シャンクロッド74、クリーニングアダプタ
72、カップリング66、ケーシング52を経て、アウ
タビット54に伝達される。
【0045】さらに、図示されていないが、DTH56
による掘削とアウタビット54による掘削とのタイミン
グを調節して好適な掘削を実現するために、図示しない
トップハンマ及び圧縮エア供給機構の作動を制御する制
御機構が例えば地上側に設けられている。
【0046】なお、DTH56とアウタビット54とを
駆動するために、両者がその他の部材と螺合する箇所に
形成されるネジ部は同一方向のネジである必要が存在す
る。すなわち、共に右ネジであるか或いは共に左ネジで
なければならない。一方が右ネジで他方が左ネジであれ
ば、いずれかがネジによる螺合が解除されて、脱落して
しまうからである。
【0047】地盤の掘削に際しては、図示しない圧縮エ
ア供給機構(エアコンプレッサ)とトップハンマとを略
々同時に作動して、DTHによる掘削工程とリングビッ
トによる掘削工程とを行う。
【0048】硬岩地盤に対して、ケーシング52の内管
であるインナーロッド55に接続されたDTH56は、
その先端にDTH用ビット58が装着されている。掘削
時、このDTH用ビット58は、常にリングビット54
よりも幾分先行(突出)して掘削して行く。
【0049】軟岩地盤が硬岩地盤よりも深度が深い箇所
に存在する場合には、事故による工具のトラブルを防止
するため、速やかにインナーロッド55を地上に引き抜
き、通常ロータリーパーカッション用インナービットと
交換し、軟岩対応用の穿孔を行う。そして、DTH用ビ
ットを使用していた時の掘削径と前記インナービットに
交換後の掘削径は同一径となる。すなわち、DTH用ビ
ット及びインナービットの双方のビット径はどちらもア
ウタービット(リングビット54)径よりも小さい。そ
して、この様なシステムが二重管ダブルパーカッション
と呼ばれる。
【0050】図3、4において、DTH56の先端部に
は、ガイドデバイス80を介して拡径ビット82が接続
されている。クリーニングスイベル68よりクリーニン
グアダプタ72を介して地上よりエアの供給を受け、D
TH56は圧縮エアにてガイドデバイス80にエネルギ
を伝達し、最終的にそのエネルギは拡径ビット82を作
動させて、地中を掘削する。拡径時には、偏心したビッ
トはケーシング52は勿論、リングビット54の径と同
等或いはそれを上回る径でなければならない。
【0051】拡径ビットによる掘削が一段落すると、ト
ップハンマの逆転機構により拡径ビット82は同一体の
ビット83と合わさって、ビット54の内径よりも小さ
い径となる様に閉じる。そして、インナーロッドが地上
に回収されるに連れてDTHハンマ及びビットは引き上
げられて行き、完全に引き抜かれた後は、通常のDTH
ハンマ或いは通常のインナーロッド及びインナービット
が接合され、ケーシング内に挿入されて地中に再度下ろ
される。そして、リングビットと併用してインナービッ
トを作用させて掘削を行い、アンカー耐荷体等の挿入ス
ペースを確保する。
【0052】
【発明の効果】本発明の効果を以下に列挙する。 (a) トップハンマが接続された軟岩掘削に適したア
ウタビットと、その内側に挿入された硬岩掘削に適した
DTHとにより、硬い地盤でも軟らかい地盤でも好適に
掘削することができ、軟らかい地盤と硬い地盤とが交互
に積層している場合であっても、地盤が変わる毎に掘削
装置を交換する必要がない。 (b) アウタビットを装着したケーシングをガイドと
しているのでDTHは重力の作用方向以外にも正確に掘
削可能で、それ故、地盤の硬軟を問わず、斜め方向に掘
削することが出来る。 (c) ケーシング(外管)にはトップハンマが接続さ
れ、回転と打撃が与えられるので土圧により外管の引き
抜きが困難になることが防がれる。これは、拡径ビット
を使用すればより効果的である。したがって、アンカー
工法にも適用でき、また、DTH及びその接続部を引き
抜いた後、外管部をトップハンマにより打撃、回転して
単管掘削することも可能である。 (d) アウタビットとDTHとが独立して構成されて
おり、その周辺をスライムの排出流路とすることがで
き、DTHが外管に当接して力を伝える方式のようにス
ライムの流れを阻害する様なことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を説明するため掘削機の要部を示
す側面図。
【図2】図1の掘削機を構成する部品の配置を示す斜視
図。
【図3】本発明の実施例に用いられる掘削機の要部を示
す側面図。
【図4】図3の掘削機に用いられる拡径ビットを示す正
面図。
【図5】従来の二重管方式で用いられる掘削機の要部を
示す側面図。
【図6】ダウンザホールハンマ(DTH)を示す正面断
面図。
【図7】チューブに挿入するべきダウンザホールハンマ
(DTH)を示す正面図。
【図8】図7で示す場合とは異なるビットを備え、チュ
ーブに挿入された状態のダウンザホールハンマ(DT
H)を示す正面図。
【図9】図2の掘削機に用いられる拡径ビットを示す正
面図。
【符号の説明】
1、52・・・ケーシング 2、54・・・アウタビット(リングビット) 3・・・インナロッド 4・・・インナビット 5、60・・・アダプタ 10、56・・・ダウンザホールハンマ(DTH) 22・・・拡径ビット(別のビット) 50・・・掘削装置 58・・・ダウンザホールハンマ用ビット(DTHビッ
ト)(別のビット) 62・・・エクステンションロッド

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端にアウタービットを有する管状のケ
    ーシングの内側にダウンザホールハンマに接続した別の
    ビットを有する掘削装置において、管状のケーシング
    (52)の先端に円環状のアウタビット(54)が螺着
    され、前記管状のケーシング(52)の内側には先端の
    別のビット(22、58)を着脱可能に接続したダウン
    ザホールハンマ(56)がインナーロッド(55)に接
    続されており、前記管状のケーシング(52)およびイ
    ンナーロッド(55)の後端にはアダプタ(60)が取
    付けられ、前記アダプタ(60)はトップハンマに接続
    されていることを特徴とする掘削装置。
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