JP3247901B2 - 新規なビスマレイミドおよびその製造方法 - Google Patents
新規なビスマレイミドおよびその製造方法Info
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- JP3247901B2 JP3247901B2 JP03171492A JP3171492A JP3247901B2 JP 3247901 B2 JP3247901 B2 JP 3247901B2 JP 03171492 A JP03171492 A JP 03171492A JP 3171492 A JP3171492 A JP 3171492A JP 3247901 B2 JP3247901 B2 JP 3247901B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱安定性に優れた、新規
なビスマレイミドおよびその製造方法に関する。
なビスマレイミドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、N,N′−ジフェニルメタンビス
マレイミドに代表されるビスマレイミドをモノマーとす
るポリマレイミド樹脂は、耐熱性に優れていることが知
られている。ビスマレイミド化合物の単独重合体である
ポリマレイミド系樹脂およびアミン類とともに共重合さ
せるポリマレイミド/ポリアミン系樹脂は、含浸ワニ
ス、積層板、成形品などに広く用いられている。しか
し、このようなビスマレイミドのほとんどが、イミド基
がベンゼン環に結合した構造を有しており、ポリイミド
樹脂とした場合、耐熱性は良好であるが硬くて脆いとい
う欠点を有している。
マレイミドに代表されるビスマレイミドをモノマーとす
るポリマレイミド樹脂は、耐熱性に優れていることが知
られている。ビスマレイミド化合物の単独重合体である
ポリマレイミド系樹脂およびアミン類とともに共重合さ
せるポリマレイミド/ポリアミン系樹脂は、含浸ワニ
ス、積層板、成形品などに広く用いられている。しか
し、このようなビスマレイミドのほとんどが、イミド基
がベンゼン環に結合した構造を有しており、ポリイミド
樹脂とした場合、耐熱性は良好であるが硬くて脆いとい
う欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
イミド樹脂の有する優れた耐熱性を損なうことなく、透
明性、柔軟性を与える新規なビスマレイミドを提供する
ことである。
イミド樹脂の有する優れた耐熱性を損なうことなく、透
明性、柔軟性を与える新規なビスマレイミドを提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を達成するため、鋭意検討した結果、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は一般式(I)
(化6)
うな課題を達成するため、鋭意検討した結果、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は一般式(I)
(化6)
【0005】
【化6】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、またはメチル基
を示し、XおよびYは水素原子、ハロゲン原子、および
炭素数1〜10のアルキル基を示し、それぞれ同一でも
異なっていてもよい。また、ノルボルナン環の置換位置
は、2,5−または2,6−である。)で表わされる新
規なビスマレイミドおよび一般式(II)(化7)
を示し、XおよびYは水素原子、ハロゲン原子、および
炭素数1〜10のアルキル基を示し、それぞれ同一でも
異なっていてもよい。また、ノルボルナン環の置換位置
は、2,5−または2,6−である。)で表わされる新
規なビスマレイミドおよび一般式(II)(化7)
【0006】
【化7】 (式中、RおよびX、Yは一般式(I)と同じ内容を示
す)で表わされるビスマレアミド酸を脱水閉環反応させ
ることを特徴とする新規なビスマレイミドの製造方法に
関する。
す)で表わされるビスマレアミド酸を脱水閉環反応させ
ることを特徴とする新規なビスマレイミドの製造方法に
関する。
【0007】本発明で用いられる一般式(II)で表わ
されるビスマレアミド酸は、新規な化合物であり、本発
明では、一般式(III)(化8)
されるビスマレアミド酸は、新規な化合物であり、本発
明では、一般式(III)(化8)
【0008】
【化8】 (式中、Rは一般式(I)と同じ内容を示す)で表わさ
れる脂環式アミン化合物と一般式(IV)(化9)
れる脂環式アミン化合物と一般式(IV)(化9)
【0009】
【化9】 (式中、XおよびYは一般式(I)と同じ内容を示す)
で表わされる無水マレイン酸またはその誘導体とを付加
反応させて製造される。本発明で使用される脂環式アミ
ン化合物は、一般式(III)で表わされ、例えば、ア
クリロニトリルとシクロペンタジエンとのDiels−
Alder反応により得られたシアノノルボルネンをH
CN付加反応で、ジシアノノルボルナンとし、さらにラ
ネーコバルト又はラネーニッケル等の触媒により水素化
する事により製造することができる。
で表わされる無水マレイン酸またはその誘導体とを付加
反応させて製造される。本発明で使用される脂環式アミ
ン化合物は、一般式(III)で表わされ、例えば、ア
クリロニトリルとシクロペンタジエンとのDiels−
Alder反応により得られたシアノノルボルネンをH
CN付加反応で、ジシアノノルボルナンとし、さらにラ
ネーコバルト又はラネーニッケル等の触媒により水素化
する事により製造することができる。
【0010】一方、脂環式アミン化合物との反応に使用
される無水マレイン酸又はその誘導体は、一般式(I
V)で表わされ、具体的には、無水マレイン酸、3−メ
チル無水マレイン酸、3−エチル無水マレイン酸、3,
4−ジメチル無水マレイン酸、3,4−ジエチル無水マ
レイン酸、3−クロル無水マレイン酸、3,4−ジクロ
ル無水マレイン酸などが挙げられる。
される無水マレイン酸又はその誘導体は、一般式(I
V)で表わされ、具体的には、無水マレイン酸、3−メ
チル無水マレイン酸、3−エチル無水マレイン酸、3,
4−ジメチル無水マレイン酸、3,4−ジエチル無水マ
レイン酸、3−クロル無水マレイン酸、3,4−ジクロ
ル無水マレイン酸などが挙げられる。
【0011】上記した脂環式アミンと無水マレイン酸又
はその誘導体を付加反応させて、一般式(II)で表わ
されるビスマレアミド酸が得られるが、本発明の方法で
は、脂環式アミン化合物1モルに対して、無水マレイン
酸又はその誘導体を1.5〜3.0倍モルの範囲で用い
て反応を行う。より好ましくは1.8〜2.2倍モルで
ある。
はその誘導体を付加反応させて、一般式(II)で表わ
されるビスマレアミド酸が得られるが、本発明の方法で
は、脂環式アミン化合物1モルに対して、無水マレイン
酸又はその誘導体を1.5〜3.0倍モルの範囲で用い
て反応を行う。より好ましくは1.8〜2.2倍モルで
ある。
【0012】反応に際しては、溶媒を使用することが好
ましく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン
などの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素、クロルベンゼン、O−ジクロル
ベンゼンなどのハロゲン系芳香族炭化水素やジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキ
シドなどの非プロトン性極性溶媒およびこれらの混合溶
媒を使用することができる。より好ましくはジメチルホ
ルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒である。また溶
媒の使用量は原料アミン化合物に対して1〜20倍量
(重量)が好ましく、より好ましくは2〜10倍量(重
量)である。
ましく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン
などの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素、クロルベンゼン、O−ジクロル
ベンゼンなどのハロゲン系芳香族炭化水素やジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキ
シドなどの非プロトン性極性溶媒およびこれらの混合溶
媒を使用することができる。より好ましくはジメチルホ
ルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒である。また溶
媒の使用量は原料アミン化合物に対して1〜20倍量
(重量)が好ましく、より好ましくは2〜10倍量(重
量)である。
【0013】反応においては、無水マレイン酸と原料ア
ミン化合物を最初から全量仕込んでも良いが、発熱をと
もなうためどちらか一方を少量ずつ添加するのが好まし
い。より好ましくは無水マレイン酸を溶媒に溶解させて
おき、反応釜内温が120℃以下、好ましくは30〜1
00℃の範囲に保たれるように攪拌しながら、原料アミ
ン化合物を滴下させるのが良い。この時、滴下する原料
アミンは反応溶媒と同じ溶媒で溶解しておいても良い。
ミン化合物を最初から全量仕込んでも良いが、発熱をと
もなうためどちらか一方を少量ずつ添加するのが好まし
い。より好ましくは無水マレイン酸を溶媒に溶解させて
おき、反応釜内温が120℃以下、好ましくは30〜1
00℃の範囲に保たれるように攪拌しながら、原料アミ
ン化合物を滴下させるのが良い。この時、滴下する原料
アミンは反応溶媒と同じ溶媒で溶解しておいても良い。
【0014】原料アミンの滴下時間は、5〜180分が
好ましいが、より好ましくは、30〜120分の範囲で
全量を滴下するのが良い。また滴下終了後、直ちに脱水
閉環反応を行うこともできるが、好ましくは、ビスマレ
アミド酸を30〜120℃で0.5〜3.0時間程度熟
成させるのが良く、より好ましくは50〜100℃で
1.0〜2.0時間程度熟成を行うのが良い。
好ましいが、より好ましくは、30〜120分の範囲で
全量を滴下するのが良い。また滴下終了後、直ちに脱水
閉環反応を行うこともできるが、好ましくは、ビスマレ
アミド酸を30〜120℃で0.5〜3.0時間程度熟
成させるのが良く、より好ましくは50〜100℃で
1.0〜2.0時間程度熟成を行うのが良い。
【0015】前記反応によって得られる一般式(II)
で表わされるビスマレアミド酸から一般式(I)で表わ
される新規なビスマレイミドを得る脱水閉環反応につい
ては、特に限定されるものではなく、ビスマレアミド酸
として単離精製した後、脱水閉環反応を行ってもよく、
それ自体公知の方法が採用できる。
で表わされるビスマレアミド酸から一般式(I)で表わ
される新規なビスマレイミドを得る脱水閉環反応につい
ては、特に限定されるものではなく、ビスマレアミド酸
として単離精製した後、脱水閉環反応を行ってもよく、
それ自体公知の方法が採用できる。
【0016】本発明の方法では、必要に応じて触媒を使
用することができる。使用する触媒としては、例えばp
−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンス
ルホン酸などの有機酸やオルソリン酸、ポリリン酸、メ
タリン酸、硫酸などの無機酸または亜鉛などの金属含有
化合物、好ましくはZnO2 、SnO2 、などの金属酸
化物を使用することができる。より好ましくはオルソリ
ン酸、ポリリン酸などの無機酸である。
用することができる。使用する触媒としては、例えばp
−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンス
ルホン酸などの有機酸やオルソリン酸、ポリリン酸、メ
タリン酸、硫酸などの無機酸または亜鉛などの金属含有
化合物、好ましくはZnO2 、SnO2 、などの金属酸
化物を使用することができる。より好ましくはオルソリ
ン酸、ポリリン酸などの無機酸である。
【0017】触媒の使用量はビスマレアミド酸100部
に対して0.1〜10倍量であることが好ましく、より
好ましくは2〜6倍量使用することが適当である。触媒
は全量を一度に仕込んでも良いが、発熱を伴うために触
媒の使用量によっては、数回に分けて装入する方法を採
用しても良い。
に対して0.1〜10倍量であることが好ましく、より
好ましくは2〜6倍量使用することが適当である。触媒
は全量を一度に仕込んでも良いが、発熱を伴うために触
媒の使用量によっては、数回に分けて装入する方法を採
用しても良い。
【0018】脱水閉環反応における反応温度は、50〜
180℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜16
0℃程度で反応を行うのが良い。反応時間については、
1〜100時間程度反応させるが、より好ましくは1〜
50時間程度反応を続けるのが適当である。
180℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜16
0℃程度で反応を行うのが良い。反応時間については、
1〜100時間程度反応させるが、より好ましくは1〜
50時間程度反応を続けるのが適当である。
【0019】脱水閉環反応終了後、反応液を室温まで冷
却し、濾過により副反応物または酸触媒を除去した後、
水洗またはアルカリ洗浄後、再結晶することにより一般
式(I)で表わされる新規なビスマレイミドを高純度で
得ることができる。再結晶溶媒としては、例えばヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、
クロルベンゼン、O−ジクロルベンゼンなどのハロゲン
系芳香族炭化水素やジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、などの非プロトン
性極性溶媒およびこれらの混合溶媒を使用することがで
きる。より好ましくは、トルエンなどの芳香族炭化水素
である。また、溶媒の使用量はビスマレイミドに対し
て、1〜20倍量(重量)が好ましく、より好ましくは
2〜10倍量である。
却し、濾過により副反応物または酸触媒を除去した後、
水洗またはアルカリ洗浄後、再結晶することにより一般
式(I)で表わされる新規なビスマレイミドを高純度で
得ることができる。再結晶溶媒としては、例えばヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、
クロルベンゼン、O−ジクロルベンゼンなどのハロゲン
系芳香族炭化水素やジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、などの非プロトン
性極性溶媒およびこれらの混合溶媒を使用することがで
きる。より好ましくは、トルエンなどの芳香族炭化水素
である。また、溶媒の使用量はビスマレイミドに対し
て、1〜20倍量(重量)が好ましく、より好ましくは
2〜10倍量である。
【0020】以上のようにして得られる本発明の一般式
(I)で表される新規なビスマレイミドは、従来の芳香
族ビスマレイミドに比べ、イミド基がメチレン鎖を介し
て結合しているため、柔軟性のある特徴を有しているこ
とが期待されるうえ、脂環式特有の透明性も付与され、
熱安定性に優れている。
(I)で表される新規なビスマレイミドは、従来の芳香
族ビスマレイミドに比べ、イミド基がメチレン鎖を介し
て結合しているため、柔軟性のある特徴を有しているこ
とが期待されるうえ、脂環式特有の透明性も付与され、
熱安定性に優れている。
【0021】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明する。 実施例1(ビスマレアミド酸の製造) 攪拌機、冷却コンデンサー、温度計、窒素ガス導入管、
滴下ロートを備えた100mlのガラス製四っ口フラス
コに無水マレイン酸25.6g(0.26モル)及びD
MF40gを装入し、60℃に昇温しながら完全に溶解
させ、この中に2,5−ジアミノメチルノルボルナンと
2,6−ジアミノメチルノルボルナンの混合物20g
(0.13モル)を反応温度に注意しながら1時間かけ
て滴下し、さらに60℃で2時間熟成を行った。室温ま
で冷却後、濾過により白色のビスマレアミド酸の結晶を
得た。乾燥後の重量は42gであった。この白色結晶の
融点、元素分析の結果を下記に示す。 融点(℃) 193〜195 元素分析値(%) (C17H22N2 O 6として計算) C H N 理論値 58.28 6.33 8.00 測定値 58.19 6.23 8.03
説明する。 実施例1(ビスマレアミド酸の製造) 攪拌機、冷却コンデンサー、温度計、窒素ガス導入管、
滴下ロートを備えた100mlのガラス製四っ口フラス
コに無水マレイン酸25.6g(0.26モル)及びD
MF40gを装入し、60℃に昇温しながら完全に溶解
させ、この中に2,5−ジアミノメチルノルボルナンと
2,6−ジアミノメチルノルボルナンの混合物20g
(0.13モル)を反応温度に注意しながら1時間かけ
て滴下し、さらに60℃で2時間熟成を行った。室温ま
で冷却後、濾過により白色のビスマレアミド酸の結晶を
得た。乾燥後の重量は42gであった。この白色結晶の
融点、元素分析の結果を下記に示す。 融点(℃) 193〜195 元素分析値(%) (C17H22N2 O 6として計算) C H N 理論値 58.28 6.33 8.00 測定値 58.19 6.23 8.03
【0022】実施例2(ノルボルナン−ビスメチルマレ
イミドの製造) 攪拌機、冷却コンデンサー、温度計、窒素ガス導入管を
備えた500mlのガラス製四ッ口フラスコに、実施例
1で取り出したビスマレアミド酸20g(0.06モ
ル)とDMF100gを装入した後、攪拌下、反応温度
に注意しながらポリリン酸120gを装入した。続いて
ゆっくり90℃に昇温し、90〜95℃で12時間脱水
閉環反応させた。反応終了後、室温まで冷却しメタノー
ル120gを装入し、1時間攪拌後、結晶を濾別した。
さらにこの結晶をトルエン200gに溶解しアルカリ洗
浄した後、トルエン層を分離濃縮し析出した結晶を濾別
した。乾燥後の重量は15gであった。純度99.9% この結晶は、元素分析、 1H−NMR、IRの分析結果
より、ノルボルナン−ビスメチルマレイミドと同定し
た。測定結果を下記に示す。 元素分析値(%) (C17H18N2 04 として計算) C H N 理論値 64.96 5.77 8.91 測定値 64.98 5.89 9.03 1 H−NMRスペクトル(90MHz,CDCl3 溶媒) プロトン積分強度比 ノルボルナン骨格に基づくシグナル 1.0〜2.5ppm 10 メチレン鎖に基づくシグナル 3.1〜3.3ppm 4 オレフィン性二重結合に基づくシグナル 6.9ppm 41 H−NMRスペクトルを第1図に示す。IRスペクト
ル(KBr法)を第2図に示す。熱物性試験結果を表−
1(表1)に示す。
イミドの製造) 攪拌機、冷却コンデンサー、温度計、窒素ガス導入管を
備えた500mlのガラス製四ッ口フラスコに、実施例
1で取り出したビスマレアミド酸20g(0.06モ
ル)とDMF100gを装入した後、攪拌下、反応温度
に注意しながらポリリン酸120gを装入した。続いて
ゆっくり90℃に昇温し、90〜95℃で12時間脱水
閉環反応させた。反応終了後、室温まで冷却しメタノー
ル120gを装入し、1時間攪拌後、結晶を濾別した。
さらにこの結晶をトルエン200gに溶解しアルカリ洗
浄した後、トルエン層を分離濃縮し析出した結晶を濾別
した。乾燥後の重量は15gであった。純度99.9% この結晶は、元素分析、 1H−NMR、IRの分析結果
より、ノルボルナン−ビスメチルマレイミドと同定し
た。測定結果を下記に示す。 元素分析値(%) (C17H18N2 04 として計算) C H N 理論値 64.96 5.77 8.91 測定値 64.98 5.89 9.03 1 H−NMRスペクトル(90MHz,CDCl3 溶媒) プロトン積分強度比 ノルボルナン骨格に基づくシグナル 1.0〜2.5ppm 10 メチレン鎖に基づくシグナル 3.1〜3.3ppm 4 オレフィン性二重結合に基づくシグナル 6.9ppm 41 H−NMRスペクトルを第1図に示す。IRスペクト
ル(KBr法)を第2図に示す。熱物性試験結果を表−
1(表1)に示す。
【0023】
【表1】 DSC:島津DC−40 昇温速度 16℃/min. DTG:島津DC−40 Air中 昇温速度 10℃
/min. *参考例 N-N'−ジフェニルメタンビスマレイミド
(自社製品) 熱物性試験結果が示す通り、本発明(実施例2)のノル
ボルナン−ビスメチルマレイミドは参考例のN-N'−ジフ
ェニルメタンビスマレイミドに比べ、発熱開始から発熱
ピークまでの温度幅が広いことから、耐熱性に優れた特
徴を有している。
/min. *参考例 N-N'−ジフェニルメタンビスマレイミド
(自社製品) 熱物性試験結果が示す通り、本発明(実施例2)のノル
ボルナン−ビスメチルマレイミドは参考例のN-N'−ジフ
ェニルメタンビスマレイミドに比べ、発熱開始から発熱
ピークまでの温度幅が広いことから、耐熱性に優れた特
徴を有している。
【0024】
【発明の効果】本発明によって得られる特定な脂環式ジ
アミン化合物を用いた一般式(I)で表わされるビスマ
レイミドは、新規な化合物であり、従来の芳香族ビスマ
レイミドに比べ、柔軟性が付与されることが期待される
とともに、透明性、耐熱性に優れた熱硬化性樹脂用原料
として有用である。
アミン化合物を用いた一般式(I)で表わされるビスマ
レイミドは、新規な化合物であり、従来の芳香族ビスマ
レイミドに比べ、柔軟性が付与されることが期待される
とともに、透明性、耐熱性に優れた熱硬化性樹脂用原料
として有用である。
【図1】実施例2で得たノルボルナン−ビスマレイミド
の 1H−NMRスペクトルである。
の 1H−NMRスペクトルである。
【図2】実施例2で得たノルボルナン−ビスマレイミド
のIRスペクトルである。
のIRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特表 平2−501834(JP,A) 特表 平6−502208(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 207/452 C07D 207/456 C07C 233/09 C07C 233/13 C08F 222/40 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】一般式(I)(化1) 【化1】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、またはメチル基
を示し、XおよびYは水素原子、ハロゲン原子、炭素数
1〜10のアルキル基を示し、それぞれ同一でも異なっ
ていてもよい。また、ノルボルナン環の置換位置は、
2,5−または2,6−である。)で表わされる新規な
ビスマレイミド。 - 【請求項2】 一般式(II)(化2) 【化2】 (式中、RおよびX、Yは一般式(I)と同じ内容を示
す)で表わされるビスマレアミド酸を脱水閉環反応させ
る請求項1記載の新規なビスマレイミドの製造方法。 - 【請求項3】 一般式(III)(化3) 【化3】 (式中、Rは一般式(I)と同じ内容を示す)で表わさ
れる脂環式ジアミン化合物と一般式(IV)(化4) 【化4】 (式中、X、Yは一般式(I)と同じ内容を示す)で表
わされる無水マレイン酸又はその誘導体とを付加反応さ
せる請求項2記載のビスマレアミド酸の製造方法。 - 【請求項4】 一般式(II)(化5) 【化5】 (式中、RおよびX、Yは一般式(I)と同じ内容を示
す)で表わされるビスマレアミド酸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03171492A JP3247901B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 新規なビスマレイミドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03171492A JP3247901B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 新規なビスマレイミドおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05230018A JPH05230018A (ja) | 1993-09-07 |
JP3247901B2 true JP3247901B2 (ja) | 2002-01-21 |
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ID=12338736
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JP03171492A Expired - Fee Related JP3247901B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 新規なビスマレイミドおよびその製造方法 |
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---|---|
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---|---|---|---|---|
KR19990061716A (ko) * | 1997-12-31 | 1999-07-26 | 윤종용 | 비스(디알킬말레이미드) 유도체 및 이로부터 형성된 광통신용 폴리에테르이미드 |
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