JPH05230018A - 新規なビスマレイミドおよびその製造方法 - Google Patents
新規なビスマレイミドおよびその製造方法Info
- Publication number
- JPH05230018A JPH05230018A JP3171492A JP3171492A JPH05230018A JP H05230018 A JPH05230018 A JP H05230018A JP 3171492 A JP3171492 A JP 3171492A JP 3171492 A JP3171492 A JP 3171492A JP H05230018 A JPH05230018 A JP H05230018A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- formula
- general formula
- bismaleimide
- reaction
- represented
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Pyrrole Compounds (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 従来の芳香族ビスマレイミドに比べ、柔軟
性、透明性、耐熱性に優れた、熱硬化性樹脂用原料とし
て有用である、新規なビスマレイミドおよびその製造方
法を提供する。 【構成】 一般式(I)で表わされる新規なビスマレイ
ミド及び該ビスマレイミドの製造方法、ならびに該製造
方法に於て出発原料として使用される、一般式(II)で
表わされるビスマレアミド酸。 (式(I)及び式(II)に於て、Rは水素原子、ハロゲ
ン原子、またはメチル基を示し、XおよびYは水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基を示
し、それぞれ同一でも異なっていてもよい)
性、透明性、耐熱性に優れた、熱硬化性樹脂用原料とし
て有用である、新規なビスマレイミドおよびその製造方
法を提供する。 【構成】 一般式(I)で表わされる新規なビスマレイ
ミド及び該ビスマレイミドの製造方法、ならびに該製造
方法に於て出発原料として使用される、一般式(II)で
表わされるビスマレアミド酸。 (式(I)及び式(II)に於て、Rは水素原子、ハロゲ
ン原子、またはメチル基を示し、XおよびYは水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基を示
し、それぞれ同一でも異なっていてもよい)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱安定性に優れた、新規
なビスマレイミドおよびその製造方法に関する。
なビスマレイミドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、N,N′−ジフェニルメタンビス
マレイミドに代表されるビスマレイミドをモノマーとす
るポリマレイミド樹脂は、耐熱性に優れていることが知
られている。ビスマレイミド化合物の単独重合体である
ポリマレイミド系樹脂およびアミン類とともに共重合さ
せるポリマレイミド/ポリアミン系樹脂は、含浸ワニ
ス、積層板、成形品などに広く用いられている。しか
し、このようなビスマレイミドのほとんどが、イミド基
がベンゼン環に結合した構造を有しており、ポリイミド
樹脂とした場合、耐熱性は良好であるが硬くて脆いとい
う欠点を有している。
マレイミドに代表されるビスマレイミドをモノマーとす
るポリマレイミド樹脂は、耐熱性に優れていることが知
られている。ビスマレイミド化合物の単独重合体である
ポリマレイミド系樹脂およびアミン類とともに共重合さ
せるポリマレイミド/ポリアミン系樹脂は、含浸ワニ
ス、積層板、成形品などに広く用いられている。しか
し、このようなビスマレイミドのほとんどが、イミド基
がベンゼン環に結合した構造を有しており、ポリイミド
樹脂とした場合、耐熱性は良好であるが硬くて脆いとい
う欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
イミド樹脂の有する優れた耐熱性を損なうことなく、透
明性、柔軟性を与える新規なビスマレイミドを提供する
ことである。
イミド樹脂の有する優れた耐熱性を損なうことなく、透
明性、柔軟性を与える新規なビスマレイミドを提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を達成するため、鋭意検討した結果、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は一般式(I)
(化6)
うな課題を達成するため、鋭意検討した結果、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は一般式(I)
(化6)
【0005】
【化6】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、またはメチル基
を示し、XおよびYは水素原子、ハロゲン原子、および
炭素数1〜10のアルキル基を示し、それぞれ同一でも
異なっていてもよい)で表わされる新規なビスマレイミ
ドおよび一般式(II)(化7)
を示し、XおよびYは水素原子、ハロゲン原子、および
炭素数1〜10のアルキル基を示し、それぞれ同一でも
異なっていてもよい)で表わされる新規なビスマレイミ
ドおよび一般式(II)(化7)
【0006】
【化7】 (式中、RおよびX、Yは一般式(I)と同じ内容を示
す)で表わされるビスマレアミド酸を脱水閉環反応させ
ることを特徴とする新規なビスマレイミドの製造方法に
関する。
す)で表わされるビスマレアミド酸を脱水閉環反応させ
ることを特徴とする新規なビスマレイミドの製造方法に
関する。
【0007】本発明で用いられる一般式(II)で表わ
されるビスマレアミド酸は、新規な化合物であり、本発
明では、一般式(III)(化8)
されるビスマレアミド酸は、新規な化合物であり、本発
明では、一般式(III)(化8)
【0008】
【化8】 (式中、Rは一般式(I)と同じ内容を示す)で表わさ
れる脂環式アミン化合物と一般式(IV)(化9)
れる脂環式アミン化合物と一般式(IV)(化9)
【0009】
【化9】 (式中、XおよびYは一般式(I)と同じ内容を示す)
で表わされる無水マレイン酸またはその誘導体とを付加
反応させて製造される。本発明で使用される脂環式アミ
ン化合物は、一般式(III)で表わされ、例えば、ア
クリロニトリルとシクロペンタジエンとのDiels−
Alder反応により得られたシアノノルボルネンをH
CN付加反応で、ジシアノノルボルナンとし、さらにラ
ネーコバルト又はラネーニッケル等の触媒により水素化
する事により製造することができる。
で表わされる無水マレイン酸またはその誘導体とを付加
反応させて製造される。本発明で使用される脂環式アミ
ン化合物は、一般式(III)で表わされ、例えば、ア
クリロニトリルとシクロペンタジエンとのDiels−
Alder反応により得られたシアノノルボルネンをH
CN付加反応で、ジシアノノルボルナンとし、さらにラ
ネーコバルト又はラネーニッケル等の触媒により水素化
する事により製造することができる。
【0010】一方、脂環式アミン化合物との反応に使用
される無水マレイン酸又はその誘導体は、一般式(I
V)で表わされ、具体的には、無水マレイン酸、3−メ
チル無水マレイン酸、3−エチル無水マレイン酸、3,
4−ジメチル無水マレイン酸、3,4−ジエチル無水マ
レイン酸、3−クロル無水マレイン酸、3,4−ジクロ
ル無水マレイン酸などが挙げられる。
される無水マレイン酸又はその誘導体は、一般式(I
V)で表わされ、具体的には、無水マレイン酸、3−メ
チル無水マレイン酸、3−エチル無水マレイン酸、3,
4−ジメチル無水マレイン酸、3,4−ジエチル無水マ
レイン酸、3−クロル無水マレイン酸、3,4−ジクロ
ル無水マレイン酸などが挙げられる。
【0011】上記した脂環式アミンと無水マレイン酸又
はその誘導体を付加反応させて、一般式(II)で表わ
されるビスマレアミド酸が得られるが、本発明の方法で
は、脂環式アミン化合物1モルに対して、無水マレイン
酸又はその誘導体を1.5〜3.0倍モルの範囲で用い
て反応を行う。より好ましくは1.8〜2.2倍モルで
ある。
はその誘導体を付加反応させて、一般式(II)で表わ
されるビスマレアミド酸が得られるが、本発明の方法で
は、脂環式アミン化合物1モルに対して、無水マレイン
酸又はその誘導体を1.5〜3.0倍モルの範囲で用い
て反応を行う。より好ましくは1.8〜2.2倍モルで
ある。
【0012】反応に際しては、溶媒を使用することが好
ましく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン
などの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素、クロルベンゼン、O−ジクロル
ベンゼンなどのハロゲン系芳香族炭化水素やジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキ
シドなどの非プロトン性極性溶媒およびこれらの混合溶
媒を使用することができる。より好ましくはジメチルホ
ルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒である。また溶
媒の使用量は原料アミン化合物に対して1〜20倍量
(重量)が好ましく、より好ましくは2〜10倍量(重
量)である。
ましく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン
などの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素、クロルベンゼン、O−ジクロル
ベンゼンなどのハロゲン系芳香族炭化水素やジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキ
シドなどの非プロトン性極性溶媒およびこれらの混合溶
媒を使用することができる。より好ましくはジメチルホ
ルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒である。また溶
媒の使用量は原料アミン化合物に対して1〜20倍量
(重量)が好ましく、より好ましくは2〜10倍量(重
量)である。
【0013】反応においては、無水マレイン酸と原料ア
ミン化合物を最初から全量仕込んでも良いが、発熱をと
もなうためどちらか一方を少量ずつ添加するのが好まし
い。より好ましくは無水マレイン酸を溶媒に溶解させて
おき、反応釜内温が120℃以下、好ましくは30〜1
00℃の範囲に保たれるように攪拌しながら、原料アミ
ン化合物を滴下させるのが良い。この時、滴下する原料
アミンは反応溶媒と同じ溶媒で溶解しておいても良い。
ミン化合物を最初から全量仕込んでも良いが、発熱をと
もなうためどちらか一方を少量ずつ添加するのが好まし
い。より好ましくは無水マレイン酸を溶媒に溶解させて
おき、反応釜内温が120℃以下、好ましくは30〜1
00℃の範囲に保たれるように攪拌しながら、原料アミ
ン化合物を滴下させるのが良い。この時、滴下する原料
アミンは反応溶媒と同じ溶媒で溶解しておいても良い。
【0014】原料アミンの滴下時間は、5〜180分が
好ましいが、より好ましくは、30〜120分の範囲で
全量を滴下するのが良い。また滴下終了後、直ちに脱水
閉環反応を行うこともできるが、好ましくは、ビスマレ
アミド酸を30〜120℃で0.5〜3.0時間程度熟
成させるのが良く、より好ましくは50〜100℃で
1.0〜2.0時間程度熟成を行うのが良い。
好ましいが、より好ましくは、30〜120分の範囲で
全量を滴下するのが良い。また滴下終了後、直ちに脱水
閉環反応を行うこともできるが、好ましくは、ビスマレ
アミド酸を30〜120℃で0.5〜3.0時間程度熟
成させるのが良く、より好ましくは50〜100℃で
1.0〜2.0時間程度熟成を行うのが良い。
【0015】前記反応によって得られる一般式(II)
で表わされるビスマレアミド酸から一般式(I)で表わ
される新規なビスマレイミドを得る脱水閉環反応につい
ては、特に限定されるものではなく、ビスマレアミド酸
として単離精製した後、脱水閉環反応を行ってもよく、
それ自体公知の方法が採用できる。
で表わされるビスマレアミド酸から一般式(I)で表わ
される新規なビスマレイミドを得る脱水閉環反応につい
ては、特に限定されるものではなく、ビスマレアミド酸
として単離精製した後、脱水閉環反応を行ってもよく、
それ自体公知の方法が採用できる。
【0016】本発明の方法では、必要に応じて触媒を使
用することができる。使用する触媒としては、例えばp
−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンス
ルホン酸などの有機酸やオルソリン酸、ポリリン酸、メ
タリン酸、硫酸などの無機酸または亜鉛などの金属含有
化合物、好ましくはZnO2 、SnO2 、などの金属酸
化物を使用することができる。より好ましくはオルソリ
ン酸、ポリリン酸などの無機酸である。
用することができる。使用する触媒としては、例えばp
−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンス
ルホン酸などの有機酸やオルソリン酸、ポリリン酸、メ
タリン酸、硫酸などの無機酸または亜鉛などの金属含有
化合物、好ましくはZnO2 、SnO2 、などの金属酸
化物を使用することができる。より好ましくはオルソリ
ン酸、ポリリン酸などの無機酸である。
【0017】触媒の使用量はビスマレアミド酸100部
に対して0.1〜10倍量であることが好ましく、より
好ましくは2〜6倍量使用することが適当である。触媒
は全量を一度に仕込んでも良いが、発熱を伴うために触
媒の使用量によっては、数回に分けて装入する方法を採
用しても良い。
に対して0.1〜10倍量であることが好ましく、より
好ましくは2〜6倍量使用することが適当である。触媒
は全量を一度に仕込んでも良いが、発熱を伴うために触
媒の使用量によっては、数回に分けて装入する方法を採
用しても良い。
【0018】脱水閉環反応における反応温度は、50〜
180℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜16
0℃程度で反応を行うのが良い。反応時間については、
1〜100時間程度反応させるが、より好ましくは1〜
50時間程度反応を続けるのが適当である。
180℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜16
0℃程度で反応を行うのが良い。反応時間については、
1〜100時間程度反応させるが、より好ましくは1〜
50時間程度反応を続けるのが適当である。
【0019】脱水閉環反応終了後、反応液を室温まで冷
却し、濾過により副反応物または酸触媒を除去した後、
水洗またはアルカリ洗浄後、再結晶することにより一般
式(I)で表わされる新規なビスマレイミドを高純度で
得ることができる。再結晶溶媒としては、例えばヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、
クロルベンゼン、O−ジクロルベンゼンなどのハロゲン
系芳香族炭化水素やジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、などの非プロトン
性極性溶媒およびこれらの混合溶媒を使用することがで
きる。より好ましくは、トルエンなどの芳香族炭化水素
である。また、溶媒の使用量はビスマレイミドに対し
て、1〜20倍量(重量)が好ましく、より好ましくは
2〜10倍量である。
却し、濾過により副反応物または酸触媒を除去した後、
水洗またはアルカリ洗浄後、再結晶することにより一般
式(I)で表わされる新規なビスマレイミドを高純度で
得ることができる。再結晶溶媒としては、例えばヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、
クロルベンゼン、O−ジクロルベンゼンなどのハロゲン
系芳香族炭化水素やジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、などの非プロトン
性極性溶媒およびこれらの混合溶媒を使用することがで
きる。より好ましくは、トルエンなどの芳香族炭化水素
である。また、溶媒の使用量はビスマレイミドに対し
て、1〜20倍量(重量)が好ましく、より好ましくは
2〜10倍量である。
【0020】以上のようにして得られる本発明の一般式
(I)で表される新規なビスマレイミドは、従来の芳香
族ビスマレイミドに比べ、イミド基がメチレン鎖を介し
て結合しているため、柔軟性のある特徴を有しているこ
とが期待されるうえ、脂環式特有の透明性も付与され、
熱安定性に優れている。
(I)で表される新規なビスマレイミドは、従来の芳香
族ビスマレイミドに比べ、イミド基がメチレン鎖を介し
て結合しているため、柔軟性のある特徴を有しているこ
とが期待されるうえ、脂環式特有の透明性も付与され、
熱安定性に優れている。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 実施例1(ビスマレアミド酸の製造) 攪拌機、冷却コンデンサー、温度計、窒素ガス導入管、
滴下ロートを備えた100mlのガラス製四っ口フラス
コに無水マレイン酸25.6g(0.26モル)及びD
MF40gを装入し、60℃に昇温しながら完全に溶解
させ、この中にジアミノメチルノルボルナン20g
(0.13モル)を反応温度に注意しながら1時間かけ
て滴下し、さらに60℃で2時間熟成を行った。室温ま
で冷却後、濾過により白色のビスマレアミド酸の結晶を
得た。乾燥後の重量は42gであった。この白色結晶の
融点、元素分析の結果を下記に示す。 融点(℃) 193〜195 元素分析値(%) (C17H22N2 O 6として計算) C H N 理論値 58.28 6.33 8.00 測定値 58.19 6.23 8.03
明する。 実施例1(ビスマレアミド酸の製造) 攪拌機、冷却コンデンサー、温度計、窒素ガス導入管、
滴下ロートを備えた100mlのガラス製四っ口フラス
コに無水マレイン酸25.6g(0.26モル)及びD
MF40gを装入し、60℃に昇温しながら完全に溶解
させ、この中にジアミノメチルノルボルナン20g
(0.13モル)を反応温度に注意しながら1時間かけ
て滴下し、さらに60℃で2時間熟成を行った。室温ま
で冷却後、濾過により白色のビスマレアミド酸の結晶を
得た。乾燥後の重量は42gであった。この白色結晶の
融点、元素分析の結果を下記に示す。 融点(℃) 193〜195 元素分析値(%) (C17H22N2 O 6として計算) C H N 理論値 58.28 6.33 8.00 測定値 58.19 6.23 8.03
【0022】実施例2(ノルボルナン−ビスメチルマレ
イミドの製造) 攪拌機、冷却コンデンサー、温度計、窒素ガス導入管を
備えた500mlのガラス製四ッ口フラスコに、実施例
1で取り出したビスマレアミド酸20g(0.06モ
ル)とDMF100gを装入した後、攪拌下、反応温度
に注意しながらポリリン酸120gを装入した。続いて
ゆっくり90℃に昇温し、90〜95℃で12時間脱水
閉環反応させた。反応終了後、室温まで冷却しメタノー
ル120gを装入し、1時間攪拌後、結晶を濾別した。
さらにこの結晶をトルエン200gに溶解しアルカリ洗
浄した後、トルエン層を分離濃縮し析出した結晶を濾別
した。乾燥後の重量は15gであった。純度99.9% この結晶は、元素分析、 1H−NMR、IRの分析結果
より、ノルボルナン−ビスメチルマレイミドと同定し
た。測定結果を下記に示す。 元素分析値(%) (C17H18N2 04 として計算) C H N 理論値 64.96 5.77 8.91 測定値 64.98 5.89 9.03 1 H−NMRスペクトル(90MHz,CDCl3 溶媒) プロトン積分強度比 ノルボルナン骨格に基づくシグナル 1.0〜2.5ppm 10 メチレン鎖に基づくシグナル 3.1〜3.3ppm 4 オレフィン性二重結合に基づくシグナル 6.9ppm 41 H−NMRスペクトルを第1図に示す。IRスペクト
ル(KBr法)を第2図に示す。熱物性試験結果を表−
1(表1)に示す。
イミドの製造) 攪拌機、冷却コンデンサー、温度計、窒素ガス導入管を
備えた500mlのガラス製四ッ口フラスコに、実施例
1で取り出したビスマレアミド酸20g(0.06モ
ル)とDMF100gを装入した後、攪拌下、反応温度
に注意しながらポリリン酸120gを装入した。続いて
ゆっくり90℃に昇温し、90〜95℃で12時間脱水
閉環反応させた。反応終了後、室温まで冷却しメタノー
ル120gを装入し、1時間攪拌後、結晶を濾別した。
さらにこの結晶をトルエン200gに溶解しアルカリ洗
浄した後、トルエン層を分離濃縮し析出した結晶を濾別
した。乾燥後の重量は15gであった。純度99.9% この結晶は、元素分析、 1H−NMR、IRの分析結果
より、ノルボルナン−ビスメチルマレイミドと同定し
た。測定結果を下記に示す。 元素分析値(%) (C17H18N2 04 として計算) C H N 理論値 64.96 5.77 8.91 測定値 64.98 5.89 9.03 1 H−NMRスペクトル(90MHz,CDCl3 溶媒) プロトン積分強度比 ノルボルナン骨格に基づくシグナル 1.0〜2.5ppm 10 メチレン鎖に基づくシグナル 3.1〜3.3ppm 4 オレフィン性二重結合に基づくシグナル 6.9ppm 41 H−NMRスペクトルを第1図に示す。IRスペクト
ル(KBr法)を第2図に示す。熱物性試験結果を表−
1(表1)に示す。
【0023】
【表1】 DSC:島津DC−40 昇温速度 16℃/min. DTG:島津DC−40 Air中 昇温速度 10℃
/min. *参考例 N-N'−ジフェニルメタンビスマレイミド
(自社製品) 熱物性試験結果が示す通り、本発明(実施例2)のノル
ボルナン−ビスメチルマレイミドは参考例のN-N'−ジフ
ェニルメタンビスマレイミドに比べ、発熱開始から発熱
ピークまでの温度幅が広いことから、耐熱性に優れた特
徴を有している。
/min. *参考例 N-N'−ジフェニルメタンビスマレイミド
(自社製品) 熱物性試験結果が示す通り、本発明(実施例2)のノル
ボルナン−ビスメチルマレイミドは参考例のN-N'−ジフ
ェニルメタンビスマレイミドに比べ、発熱開始から発熱
ピークまでの温度幅が広いことから、耐熱性に優れた特
徴を有している。
【0024】
【発明の効果】本発明によって得られる特定な脂環式ジ
アミン化合物を用いた一般式(I)で表わされるビスマ
レイミドは、新規な化合物であり、従来の芳香族ビスマ
レイミドに比べ、柔軟性が付与されることが期待される
とともに、透明性、耐熱性に優れた熱硬化性樹脂用原料
として有用である。
アミン化合物を用いた一般式(I)で表わされるビスマ
レイミドは、新規な化合物であり、従来の芳香族ビスマ
レイミドに比べ、柔軟性が付与されることが期待される
とともに、透明性、耐熱性に優れた熱硬化性樹脂用原料
として有用である。
【図1】実施例2で得たノルボルナン−ビスマレイミド
の 1H−NMRスペクトルである。
の 1H−NMRスペクトルである。
【図2】実施例2で得たノルボルナン−ビスマレイミド
のIRスペクトルである。
のIRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷山 龍二 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地三井東 圧化学株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(I)(化1) 【化1】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、またはメチル基
を示し、XおよびYは水素原子、ハロゲン原子、炭素数
1〜10のアルキル基を示し、それぞれ同一でも異なっ
ていてもよい)で表わされる新規なビスマレイミド。 - 【請求項2】 一般式(II)(化2) 【化2】 (式中、RおよびX、Yは一般式(I)と同じ内容を示
す)で表わされるビスマレアミド酸を脱水閉環反応させ
る請求項1記載の新規なビスマレイミドの製造方法。 - 【請求項3】 一般式(III)(化3) 【化3】 (式中、Rは一般式(I)と同じ内容を示す)で表わさ
れる脂環式ジアミン化合物と一般式(IV)(化4) 【化4】 (式中、X、Yは一般式(I)と同じ内容を示す)で表
わされる無水マレイン酸又はその誘導体とを付加反応さ
せる請求項2記載のビスマレアミド酸の製造方法。 - 【請求項4】 一般式(II)(化5) 【化5】 (式中、RおよびX、Yは一般式(I)と同じ内容を示
す)で表わされるビスマレアミド酸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03171492A JP3247901B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 新規なビスマレイミドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03171492A JP3247901B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 新規なビスマレイミドおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05230018A true JPH05230018A (ja) | 1993-09-07 |
JP3247901B2 JP3247901B2 (ja) | 2002-01-21 |
Family
ID=12338736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03171492A Expired - Fee Related JP3247901B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 新規なビスマレイミドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3247901B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6077928A (en) * | 1997-12-31 | 2000-06-20 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Bis(dialkylmaleimide) derivative and polyetherimide for optical communications formed therefrom |
US6946523B2 (en) * | 2001-02-07 | 2005-09-20 | Henkel Corporation | Heterobifunctional monomers and uses therefor |
JP2011219539A (ja) * | 2010-04-05 | 2011-11-04 | Mitsui Chemicals Inc | ビスイミド化合物、ビスアミド酸化合物およびそれらの製造方法 |
WO2023248675A1 (ja) * | 2022-06-21 | 2023-12-28 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 化合物、組成物、硬化物、および、化合物の製造方法 |
-
1992
- 1992-02-19 JP JP03171492A patent/JP3247901B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6077928A (en) * | 1997-12-31 | 2000-06-20 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Bis(dialkylmaleimide) derivative and polyetherimide for optical communications formed therefrom |
US6946523B2 (en) * | 2001-02-07 | 2005-09-20 | Henkel Corporation | Heterobifunctional monomers and uses therefor |
JP2011219539A (ja) * | 2010-04-05 | 2011-11-04 | Mitsui Chemicals Inc | ビスイミド化合物、ビスアミド酸化合物およびそれらの製造方法 |
WO2023248675A1 (ja) * | 2022-06-21 | 2023-12-28 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 化合物、組成物、硬化物、および、化合物の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3247901B2 (ja) | 2002-01-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Li et al. | Synthesis and properties of novel soluble polyimides having an unsymmetric spiro tricyclic dianhydride unit | |
JPS60178862A (ja) | 置換不飽和二環式イミド、およびその製法 | |
JP3247901B2 (ja) | 新規なビスマレイミドおよびその製造方法 | |
JP2011219539A (ja) | ビスイミド化合物、ビスアミド酸化合物およびそれらの製造方法 | |
Wang et al. | Synthesis and properties of novel naphthalene‐containing bismaleimides | |
JPH01294662A (ja) | ポリマレイミド化合物およびその製造方法 | |
US5185451A (en) | Bis-imides of dioxydiphthalic acid | |
JP3009245B2 (ja) | N−置換マレイミドおよびその製造方法 | |
US5112989A (en) | Process for producing unsaturated mono and dicarboxylic acid imide compound | |
JP2628374B2 (ja) | ビスマレイミド化合物およびその製造方法 | |
Gaina et al. | New functional maleimides and citraconimides for amide, urea or parabanic aromatic bismaleimides | |
JP3025319B2 (ja) | N−置換マレイミドおよびその製造方法 | |
JP2566949B2 (ja) | ビスマレイミドおよびその製造方法 | |
US3932457A (en) | Pyrolysis of N-substituted-1-cyclohexene-1,2-dicarboximides | |
JPH0258267B2 (ja) | ||
JPH0755929B2 (ja) | イミド環を有する新規ジフエノ−ル類およびその製造方法 | |
JPH07118230A (ja) | ビスマレイミドの製造方法 | |
SU550836A1 (ru) | Полимеризационноспособные олигоимиды и способ их получени | |
JPH06116235A (ja) | ビスマレイミドの製造方法 | |
JPH04235147A (ja) | 新規フェノキシビスマレイミド | |
JPH0710836A (ja) | マレイミドの製造方法 | |
JPS62149650A (ja) | 芳香族ビスアニリン類の製造方法 | |
JPH0717600B2 (ja) | ビスマレイミド化合物およびその製造方法 | |
US4233218A (en) | Pyrolysis of N-substituted-1-cyclohexene-1,2-dicarboximides | |
JPS62252763A (ja) | アルキル基置換ビスマレイミドの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |