JPH0649025A - ナフタレン環含有不飽和イミド化合物 - Google Patents

ナフタレン環含有不飽和イミド化合物

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JPH0649025A
JPH0649025A JP4203576A JP20357692A JPH0649025A JP H0649025 A JPH0649025 A JP H0649025A JP 4203576 A JP4203576 A JP 4203576A JP 20357692 A JP20357692 A JP 20357692A JP H0649025 A JPH0649025 A JP H0649025A
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JP
Japan
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bis
formula
naphthalene
aminophenoxy
naphthalene ring
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Pending
Application number
JP4203576A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Hirano
泰弘 平野
Kazuo Takebe
和男 武部
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
Shuichi Kanekawa
修一 金川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】耐熱性が高く、低吸水性、可撓性及び成形性に
優れた不飽和イミド系化合物を提供する。 【構成】一般式(1)で表される2,7−置換ナフタレ
ン環含有不飽和イミド化合物。 (式中、R,R,R,Rはそれぞれ独立に、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基を表し、aとb
はそれぞれ0〜4の整数であってa+b4を満たし、
cとdはそれぞれ0〜3の整数であり、Dは炭素数2〜
24であって炭素−炭素二重結合を有する二価の有機基
である。) 【効果】式(1)の不飽和イミド化合物は複合材料用の
原料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気、電子分野での積
層板、封止材料、絶縁材料、また繊維強化複合材料、摺
動材料、成形材料等のポリマーの中間体や原料となる新
規なナフタレン環含有不飽和イミド化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、汎用のビスマレイミド系熱硬化性
樹脂として4, 4’−ジフェニルメタンビスマレイミド
が知られている。この化合物は耐熱性に優れる反面、そ
の硬化物は脆く、吸湿性が高いという欠点を有する。ま
た汎用の有機溶媒への溶解度も低く、積層板等を作成す
る際のワニスの調製が困難である。また化合物自体の融
点が高く、かつ融点と硬化開始温度が接近しているため
作業性に劣り、成形物としてその性能を十分発揮させる
のは困難であった。
【0003】また、分子内にナフタレン環を有する熱硬
化性樹脂としてヒドロキシナフタレングリシジルエーテ
ルが知られている。例えば、特公昭63−17852号
や特開昭61−73719号公報においてはヒドロキシ
ナフタレンノボラックエポキシ樹脂やジヒドロキシナフ
タレンジグリシジルエーテルが提案されている。これら
のエポキシ樹脂は従来のビスフェノール型等の汎用エポ
キシ樹脂に比べて吸湿性が低く、耐熱性と機械物性との
バランスが優れる。しかしノボラックタイプのものは溶
融粘度が高いため成形が困難であり用途展開が難しい。
モノマータイプのものは低溶融粘度であるがイミド系樹
脂に比べて耐熱性に劣るという欠点がある。また特開平
2−157264号公報のようにナフタレン環に直接マ
レイミド基を導入したイミド樹脂も提案されているが、
イミド基に由来する吸湿性の高さはさほど改善されず溶
融粘度も大きいため用途が限定されている。このような
ナフタレン系イミドの原料となるナフチルアミンの誘導
体は一般に酸化され易く不安定であり、容易に着色する
など取扱いが難しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら従来知られた化
合物は硬化物性的に優れた点がある反面、上記のとおり
イミド系化合物の場合はその成形物の脆さや吸湿性の高
さが問題となり、ナフタレン環含有エポキシ樹脂の場合
はその成形物の耐熱性の低さや溶融粘度の高さが問題と
なり、それぞれ応用展開に制限があった。
【0005】本発明の目的は従来知られたイミド系化合
物およびナフタレン環含有エポキシ樹脂の長所を高度に
融和させることを主眼とし、耐熱性が高く、低吸水性、
可撓性、及び成形性に優れた硬化系の原料となる新規な
不飽和イミド系化合物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、次の不飽和イミド
系化合物がモノマータイプであることから溶融成形に適
した低粘度等の性質を備え、かつその硬化物は従来のビ
スマレイミドの耐熱性を保持しながら低吸湿性、可撓
性、及び成形性を改良するのに優れた化合物であること
を見いだし本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち本発明は下記一般式(1)および
(2)で表される新規な不飽和イミド化合物を提供する
ものである。
【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基を表し、aとb
はそれぞれ0〜4の整数であってa+b4を満たし、
cとdはそれぞれ0〜3の整数であり、Dは炭素数が2
〜24であって炭素−炭素二重結合を有する二価の有機
基である)で表される2,7−置換ナフタレン環含有不
飽和イミド化合物。
【0008】
【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、a、b、c、d、及
びDは一般式(1)と同じものである)で表される1,
6−置換ナフタレン環含有不飽和イミド化合物。
【0009】本発明の上記一般式(1)及び(2)で表
されるナフタレン環含有不飽和イミド化合物は下記一般
式(3)及び(4)で表されるジアミン化合物と一般式
(5)で表されるエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物
とを反応させることにより製造することができる。
【0010】一般式(3)
【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、a、b、c、及びd
は一般式(1)と同じものである)
【0011】一般式(4)
【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、a、b、c、及びd
は一般式(1)と同じものである)
【0012】上記一般式(3)で表されるジアミン化合
物としては例えば2,7−ビス(アミノフェノキシ)ナ
フタレン、2,7−ビス(メチルアミノフェノキシ)ナ
フタレン、2,7−ビス(ジメチルアミノフェノキシ)
ナフタレン、2,7−ビス(エチルアミノフェノキシ)
ナフタレン、2,7−ビス(ジエチルアミノフェノキ
シ)ナフタレン、2,7−ビス(プロピルアミノフェノ
キシ)ナフタレン、2,7−ビス(ジプロピルアミノフ
ェノキシ)ナフタレン、2,7−ビス(ブチルアミノフ
ェノキシ)ナフタレン、2,7−ビス(ジブチルアミノ
フェノキシ)ナフタレン、2,7−ビス(シクロヘキシ
ルアミノフェノキシ)ナフタレン、2,7−ビス(ジシ
クロヘキシルアミノフェノキシ)ナフタレン、2,7−
ビス(フェニルアミノフェノキシ)ナフタレン、2,7
−ビス(クロロアミノフェノキシ)ナフタレン、2,7
−ビス(ジクロロアミノフェノキシ)ナフタレン、2,
7−ビス(ブロモアミノフェノキシ)ナフタレン、2,
7−ビス(ジブロモアミノフェノキシ)ナフタレン、
2,7−ビス(アミノフェノキシ)メチルナフタレン、
2,7−ビス(アミノフェノキシ)ジメチルナフタレ
ン、2,7−ビス(アミノフェノキシ)エチルナフタレ
ン、2,7−ビス(アミノフェノキシ)ジエチルナフタ
レン、2,7−ビス(アミノフェノキシ)プロピルナフ
タレン、2,7−ビス(アミノフェノキシ)ジプロピル
ナフタレン、2,7−ビス(アミノフェノキシ)ブチル
ナフタレン、2,7−ビス(アミノフェノキシ)ジブチ
ルナフタレン、2,7−ビス(アミノフェノキシ)シク
ロヘキシルナフタレン、2,7−ビス(アミノフェノキ
シ)ジシクロヘキシルナフタレン、2,7−ビス(アミ
ノフェノキシ)ブロモナフタレン、2,7−ビス(アミ
ノフェノキシ)ジブロモナフタレン、2,7−ビス(ア
ミノフェノキシ)トリブロモナフタレン、2,7−ビス
(アミノフェノキシ)テトラブロモナフタレン、2,7
−ビス(アミノフェノキシ)ペンタブロモナフタレン、
2,7−ビス(アミノフェノキシ)ヘキサブロモナフタ
レン、2,7−ビス(ブロモアミノフェノキシ)ブロモ
ナフタレン、2,7−ビス(ブロモアミノフェノキシ)
ジブロモナフタレン、2,7−ビス(ジブロモアミノフ
ェノキシ)ジブロモナフタレン、2,7−ビス(ジブロ
モアミノフェノキシ)トリブロモナフタレン、2,7−
ビス(ジブロモアミノフェノキシ)テトラブロモナフタ
レン等が挙げられる。これら上記の化合物は置換基の結
合位置の異なる異性体を含む。例えば2,7−ビス(ア
ミノフェノキシ)ナフタレンの場合なら2,7−ビス
(4,4’−アミノフェノキシ)ナフタレン、2,7−
ビス(3,3’−アミノフェノキシ)ナフタレン、2,
7−ビス(3,4’−アミノフェノキシ)ナフタレン等
といった具合である。
【0013】また、上記一般式(4)で表される代表的
なジアミン化合物としては一般式(3)の場合で例示し
たものと同様であり、ナフタレンに対するエーテルの結
合位置の指定を2,7−位から1, 6−位に置き換えた
もので表される。
【0014】一般式(5)
【化7】 (式中、Dは炭素数が2〜24であって炭素−炭素二重
結合を有する二価の有機基である。)
【0015】一般式(5)で表されるエチレン性不飽和
ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ジクロロ
マレイン酸、無水ピロシンコン酸、無水テトラヒドロフ
タル酸等、あるいはこれら不飽和カルボン酸無水物とジ
エン類とのDiels−Alder反応物、例えばシク
ロペンタジエン、フラン、テルピネンと無水マレイン酸
との環化付加反応物等の少なくとも一種が使用される。
【0016】一般式(3)及び(4)で表される化合物
と一般式(5)で表される化合物とを出発原料とし、本
発明の一般式(1)および(2)で表される不飽和イミ
ド化合物を製造する方法は、特に限定されないが、例え
ば第一段階で一般式(3)及び(4)で表される化合物
と、一般式(5)で表される化合物からアミド酸を調製
し、続いて第二段階で閉環反応を行い対応する不飽和イ
ミド化合物とする方法が挙げられる。
【0017】第一段階の反応(アミド酸化)
【化8】
【0018】第二段階の反応(イミド化反応)
【化9】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、a、b、c、d、及
びDは一般式(1)と同じものである)なお、上記反応
式は2,7−置換ナフタレン環含有化合物についてのも
のであるが、1,6−置換ナフタレン環含有化合物につ
いても同様の反応を行うことができる。
【0019】第一段階のアミド酸の調製方法は一般式
(5)で表されるエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物
の有機性溶液と、一般式(3)および(4)で表される
ジアミン化合物類の有機性溶液とを接触させる方法があ
る。通常一般的に用いられる溶剤は、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、
アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、
酢酸ブチル、ブチルラクトン等の鎖状または環状エステ
ル類、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリ
ドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、
スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
等の非プロトン性溶媒が用いられる。これらは単独で用
いてもよいが、二種以上を併用しても問題はない。
【0020】使用される溶剤の量は一般式(5)で表さ
れるエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物と一般式
(3)および(4)で表されるジアミン化合物類との合
計重量に対し、好ましくは1〜30倍重量である。反応
温度は好ましくは−20〜100℃、より好ましくは室
温〜60℃の範囲である。温度が低すぎると反応の進行
が遅く、高過ぎるとポリマー等の副生成物により目的物
の純度が下がる。
【0021】反応方法は必ずしも限定されるものではな
いが、一般式(5)で表されるエチレン性不飽和ジカル
ボン酸無水物の有機性溶液に、一般式(3)または
(4)で表されるジアミン化合物類の有機性溶液を窒素
気流下撹拌しながら0.5〜6時間かけて添加し、反応
が完結するまで保温、撹拌を続ける。通常反応は添加終
了後、2時間程度で終了する。反応終了後、溶媒留去、
濾過等の手法で生成した対応するアミド酸を単離する。
このアミド酸を単離せずに次の工程に使用することも可
能である。
【0022】第二段階のアミド酸の閉環方法は第一段階
で生成した対応するアミド酸を有機溶媒中で触媒の存在
下、脱水反応を進めることで行う。通常一般的に用いら
れる溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、ベンゾ
ニトリル等のニトリル類、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルラ
クトン等の鎖状または環状エステル類、ジメチルホルム
アミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルアセトアミド、スルホラン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性溶媒
が用いられる。これらは単独で用いてもよいが、二種以
上を併用して用いてもよい。
【0023】反応条件は、例えば米国特許第30182
92号、米国特許第3127414号等に記載の公知の
方法を応用することができる。使用する脱水剤は通常酸
無水物であるが、この中でも無水酢酸が取扱い、後処理
の容易さ、工業的に容易に入手できること等から好まし
い。使用する量はアミド酸1モルに対し、1.05〜
1.5モルを用いる。触媒としてはトリエチルアミン等
の三級アミンをアミド酸1モルに対し、0.05〜0.
8モルを用い、併せて酢酸ニッケル等の酢酸金属塩をア
ミド酸1モルに対し、0.005〜0.05モルを用い
る。反応時間は通常3〜12時間程度である。
【0024】反応方法は必ずしも限定されるものではな
いが、第一段階で合成された対応するアミド酸類のアセ
トン溶液にトリエチルアミンを加え室温で撹拌した後、
酢酸ニッケル加える。次に窒素気流下、無水酢酸を室温
〜60℃の温度範囲で滴下する。滴下に要する時間は通
常0.5〜3時間程度である。室温〜60℃の温度範囲
で保温と撹拌を続ける。反応終了後、析出した結晶を濾
取する。効率よく結晶を得るために反応溶媒を常圧下も
しくは減圧下に留去するか、流動性を損なわない程度に
濃縮したり、反応溶液を冷却したりする手法を必要に応
じて併用してもよい。脱水剤由来の副反応を抑える目的
で溶媒の留去は反応温度を上回らない温度にて行うこと
が好ましい。溶媒の留去は反応を進めながら行ってもよ
い。
【0025】反応終了後、溶媒の種類や量の違いにより
結晶が溶媒に溶けるため析出しない場合も有り得る。こ
の場合には反応溶媒を常圧下もしくは減圧下に留去する
か、もしくは流動性を損なわない程度に濃縮された反応
混合物を水、メタノール等の貧溶媒中に排出するか、あ
るいは、貧溶媒を反応混合物へ滴下することにより結晶
が得られる。使用する貧溶媒の量は反応に用いた溶媒の
0.5〜20倍重量が用いられる。
【0026】上記の操作で得られた結晶を少量のアセト
ン等の揮発性有機溶媒で洗浄し、ついで水洗を行う。水
洗後、メタノール等の貧溶媒で水を置換してもよい。続
いて結晶を常圧もしくは減圧下に乾燥させることで目的
物の不飽和イミド化合物を得ることができる。これらの
イミド化合物は上記製法で工業原料として十分の純度を
持つが、必要に応じて再結晶してもよい。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。 実施例1 〔N,N' −2,7−ビス(4,4’−アミノフェノキ
シ)ナフタレンビスマレイミドの合成〕5l四ツ口フラ
スコに無水マレイン酸129.5gとアセトン302.
0gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解させた。温度を
室温〜35℃に保ちながら2,7−ビス(4,4' −ア
ミノフェノキシ)ナフタレン205.5gをアセトン2
600gに溶かした溶液を2時間で滴下した。さらに3
時間撹拌を続けた後、生成した結晶を濾取した。続いて
この結晶をフラスコに戻し、アセトン900gに懸濁さ
せた。トリエチルアミン36.4gを加え室温で半時間
撹拌した後、酢酸ニッケル1.27gを加え40℃まで
昇温した。無水酢酸159.4gを1時間で滴下した
後、同温度で反応を続けた。反応終了後、反応混合物を
水3.6kgに排出し、結晶を濾取した。この結晶を水
洗、ついでメタノールで洗浄し、減圧下に加温して乾燥
した。黄色結晶。収量290.9g(収率96.5%)
このものはメチルセロソルブ/イソプロピルアルコール
混合溶媒から再結晶できる。 ・融点:98〜101℃ ・質量スペクトル:M+=502 ・1H−NMR δ:6.9ppm(s、マレイミド
基) 7.1〜7.3、7.8、7.9ppm(m、芳香族) ・赤外吸収スペクトル:1220〜1240cm-1(エ
ーテル結合) 1708cm-1(イミド結合) ・ 元素分析結果(C301826として計算)
【0028】
【表1】元素分析結果
【0029】実施例2 〔N,N' −1,6−ビス(4,4’−アミノフェノキ
シ)ナフタレンビスマレイミドの合成〕5l四ツ口フラ
スコに無水マレイン酸157.6gとアセトン367.
5gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解させた。温度を
室温〜35℃に保ちながら1,6−ビス(4,4' −ア
ミノフェノキシ)ナフタレン250.0gをアセトン2
600gに溶かした溶液を2時間で滴下した。さらに3
時間撹拌を続けた後、生成した結晶を濾取した。続いて
この結晶をフラスコに戻し、アセトン900gに懸濁さ
せた。トリエチルアミン44.3gを加え室温で半時間
撹拌した後、酢酸ニッケル1.55gを加え40℃まで
昇温した。無水酢酸193.9gを1時間で滴下した
後、同温度で反応を続けた。反応を進めながら徐々に系
内を減圧とし溶媒を回収した。反応終了後、析出した結
晶を濾取した。この結晶を水洗、ついでメタノールで洗
浄し、減圧下に加温して乾燥した。淡黄色結晶。収量3
59.4g(収率98.0%)このものはメチルセロソ
ルブ/イソプロピルアルコール混合溶媒から再結晶でき
る。 ・融点:148〜150℃ ・質量スペクトル:M+=502 ・1H−NMR δ:6.85、6.86ppm(s×
2、マレイミド基) 6.9〜7.5、8.1、8.2ppm(m、芳香族) ・赤外吸収スペクトル:1225〜1250cm-1(エ
ーテル結合) 1708cm-1(イミド結合) ・元素分析結果(C301826として計算)
【0030】
【表2】元素分析結果
【0031】応用例1〜2 実施例1及び2で得られたN, N,−2,7−ビス
(4,4’−アミノフェノキシ)ナフタレンビスマレイ
ミドおよびN, N’−1,6−ビス(4,4’−アミノ
フェノキシ)ナフタレンビスマレイミドとをそれぞれ
4, 4’−ジアミノジフェニルメタン(住友化学工業
(株)製、商品名:スミキュアーM)と配合した後、2
00℃、70kg/cm2 で1時間プレス成形後、20
0℃で4時間硬化させて2mm厚の硬化物を得た。各応
用例の硬化物の物性を表3に示す。
【0032】比較応用例1 N,N' −4,4' −ジフェニルメタンビスマレイミド
(住友化学工業(株)製、商品名:BH−180)と
4,4’−ジアミノジフェニルメタン(住友化学工業
(株)製、商品名:スミキュアーM)とを配合した後、
200℃、70kg/cm2 で1時間プレス成形後、2
00℃で4時間硬化させて2mm厚の硬化物を得た。こ
の硬化物の物性を表3に示す。
【0033】比較応用例2 1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル
(エポキシ当量154g/eq. )とフェノールノボラ
ック(水酸基当量110g/eq.)と硬化促進剤とを
配合後、50〜110℃×5分の条件で加熱ロールによ
り溶融混練し、冷却粉砕して175℃、70kg/cm
2 で5分間プレス成形後、180℃で5時間硬化させて
2mm厚の硬化物を得た。この硬化物の物性を表3に示
す。
【0034】
【表3】
【0035】*1)N,N’−2,7−ビス(4,4’
−アミノフェノキシ)ナフタレンビスマレイミド *2)N,N’−1,6−ビス(4,4’−アミノフェ
ノキシ)ナフタレンビスマレイミド *3)N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレ
イミド(住友化学工業(株)製、商品名:BH−180
) *4)1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエ
ーテル(エポキシ当量154g/eq.) *5)4,4’−ジアミノジフェニルメタン(住友化学
工業(株)製、商品名:スミキュアーM) *6)フェノールノボラック(軟化点80℃、水酸基当
量110g/eq.) *7)1,8−ジアザ−ビシクロ〔5,4,0〕ウンデ
セン−7 *8)(株)島津製作所製DT−4熱分析装置使用 *9)、*10)単位kg/mm2 *11)煮沸吸水率(3時間)
【0036】
【発明の効果】本発明の2,7−置換または1,6−置
換ナフタレン環含有不飽和イミド化合物は従来の汎用イ
ミド樹脂に比べてその耐熱性を維持しながら靭性と低吸
水性に優れる。また、従来のナフタレン環含有エポキシ
樹脂に比べて十分に優れた耐熱性を有する。このような
優れた特性を有する本発明のナフタレン環含有不飽和イ
ミド化合物は航空宇宙分野、電子電気分野等の先端複合
材料用の新規原料として有用である。
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。 実施例1 〔N,N’−2,7−ビス(4,4’−アミノフェノキ
シ)ナフタレンビスマレイミドの合成〕51四ツ口フラ
スコに無水マレイン酸129.5gとアセトン302.
0gを仕込み、窒素気流下攪拌して溶解させた。温度を
室温〜35℃に保ちながら2,7−ビス(4,4’−ア
ミノフェノキシ)ナフタレン205.5gをアセトン2
600gに溶かした溶液を2時間で滴下した。さらに3
時間攪拌を続けた後、生成した結晶を濾取した。続いて
この結晶をフラスコに戻し、アセトン900gに懸濁さ
せた。トリエチルアミン36.4gを加え室温で半時間
攪拌した後、酢酸ニッケル1.27gを加え40℃まで
昇温した。無水酢酸159.4gを1時間で滴下した
後、同温度で反応を続けた。反応終了後、反応混合物を
水3.6kgに排出し、結晶を濾取した。この結晶を水
洗、ついでメタノールで洗浄し、減圧下に加温して乾燥
した。黄色結晶。収量290.9g(収率96.5%)
このものはメチルセロソルブ/イソプロピルアルコール
混合溶媒から再結晶できる。・融点:184〜186℃ ・質量スペクトル:M+=502 ・1H−NMR δ:6.9ppm(s、マレイミド
基) 7.1〜7.3、7.8、7.9ppm(m、芳香族) ・赤外吸収スペクトル:1220〜1240cm-1(エ
ーテル結合) 1708cm-1(イミド結合) ・元素分析結果(C30182 6 として計算)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金川 修一 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、ハ
    ロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基を表し、aとb
    はそれぞれ0〜4の整数であってa+b4を満たし、
    cとdはそれぞれ0〜3の整数であり、Dは炭素数が2
    〜24であって炭素−炭素二重結合を有する二価の有機
    基である。)で表される2,7−置換ナフタレン環含有
    不飽和イミド化合物。
  2. 【請求項2】一般式(2) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、ハ
    ロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基を表し、aとb
    はそれぞれ0〜4の整数であってa+b4を満たし、
    cとdはそれぞれ0〜3の整数であり、Dは炭素数が2
    〜24であって炭素−炭素二重結合を有する二価の有機
    基である。)で表される1,6−置換ナフタレン環含有
    不飽和イミド化合物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109280169A (zh) * 2018-10-31 2019-01-29 陕西硕博电子材料有限公司 双马来酰亚胺低共融混合物及其制备方法、双马来酰亚胺树脂预聚物
CN109438705A (zh) * 2018-10-31 2019-03-08 陕西硕博电子材料有限公司 双马来酰亚胺低共融混合物、制备方法及双马来酰亚胺树脂预聚物

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CN109280169A (zh) * 2018-10-31 2019-01-29 陕西硕博电子材料有限公司 双马来酰亚胺低共融混合物及其制备方法、双马来酰亚胺树脂预聚物
CN109438705A (zh) * 2018-10-31 2019-03-08 陕西硕博电子材料有限公司 双马来酰亚胺低共融混合物、制备方法及双马来酰亚胺树脂预聚物

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