JP3247830B2 - 連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御方法および装置 - Google Patents

連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御方法および装置

Info

Publication number
JP3247830B2
JP3247830B2 JP25479295A JP25479295A JP3247830B2 JP 3247830 B2 JP3247830 B2 JP 3247830B2 JP 25479295 A JP25479295 A JP 25479295A JP 25479295 A JP25479295 A JP 25479295A JP 3247830 B2 JP3247830 B2 JP 3247830B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
preceding material
following material
following
deceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25479295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0999309A (ja
Inventor
水 理 史 清
田 部 伸 一 谷
爪 健 次 橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP25479295A priority Critical patent/JP3247830B2/ja
Publication of JPH0999309A publication Critical patent/JPH0999309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3247830B2 publication Critical patent/JP3247830B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続熱間圧延設備のテ
−ブルロ−ル制御に関する。
【0002】
【従来の技術】連続熱間圧延とは、圧延設備(仕上圧延
機)よりも上流側において、スラブ毎に独立している複
数の圧延対象材の先行材の後端(下流側端)と後行材の
先端(上流側端)とを搬送しながら突き合わせ両者を接
合して、圧延材を途切れなく連続的に圧延設備に送り込
み、圧延動作の停止期間をなくするものであり、圧延設
備の稼働率を向上するうえで極めて高い効果が得られ
る。
【0003】この種の連続熱間圧延に関連する従来技術
としては、例えば次に示すものが公知である。
【0004】 特開昭57−109504号公報 特開昭60−244401号公報 特開昭61−88903号公報 特開昭61−176405号公報 特開昭63−101011号公報 特開平4−123804号公報 特開平4−300001号公報 特開平4−333305号公報 特開平4−367303号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】連続熱間圧延を実現す
るためには、圧延設備の上流側において、スラブ単位で
独立し互いに離れた位置に存在している圧延対象材、即
ち先行材と後行材とを、搬送を停止することなく、互い
の距離を徐々に近づけてそれらを接触させ接合しなけれ
ばならない。
【0006】一般に、仕上圧延機の上流側には多数のテ
−ブルロ−ルが設置されている。テ−ブルロ−ルは、例
えば互いに隣接する位置に存在する5個のグル−プ毎に
共通な駆動装置に連結され、グル−プ毎に駆動速度が設
定可能になっている。先行材は、仕上圧延機と一部のテ
−ブルロ−ルによって搬送され、後行材は一部のテ−ブ
ルロ−ルによって搬送される。
【0007】一時的に、先行材を搬送する速度よりも後
行材を搬送する速度を大きくすることにより、互いに離
れて搬送されている先行材と後行材との距離を近づける
ことができる。ところが、先行材と後行材との距離があ
る程度近づき、先行材と後行材とが同一グル−プに属す
る複数のテ−ブルロ−ル上に乗った場合、先行材と後行
材との速度に差があるため、先行材又は後行材を安定し
て搬送することができなくなる。
【0008】また、先行材の搬送速度と後行材の搬送速
度とが不適切である場合には、先行材の尾端と後行材の
先端とが衝突したり、あるいは先行材の尾端と後行材の
先端との間隙が大きくなりすぎて、それらの接合が不可
能になり、操業を中止せざるを得ない事態が生じる。
【0009】従って本発明は、先行材と後行材とが接近
した場合であっても、先行材および後行材をそれぞれ安
定した速度で搬送することを1つの課題とする。
【0010】また、互いに離れて搬送されている先行材
と後行材との距離を近づけてその状態を維持するために
は、後行材の搬送速度の加速と減速が必要になる。とこ
ろが、搬送装置に与える速度指令値を、加速状態から減
速状態に直接移行すると、搬送機構の駆動系の慣性によ
り指令値通りに搬送動作が行われなかったり、搬送機構
中に存在する遊びなどの影響によって搬送動作が不安定
になるうえ、機械的にも多大な負荷となり、故障等の原
因にもなり得る。また、加速度の変化が大きいために、
後行材にスリップなどが生じて、先行材と後行材との位
置合せに支障をきたす恐れがある。即ち、先行材の尾端
と後行材の先端とが衝突したり、あるいは先行材の尾端
と後行材の先端との間隙が大きくなりすぎて、それらの
接合が不可能になり、操業を中止せざるを得ない事態が
生じる。
【0011】従って本発明は、先行材と後行材との位置
合せ精度を高めることをもう1つの課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御
方法においては、熱間圧延設備よりも上流側で、互いに
独立した複数の圧延対象材である先行材(B1)と後行
材(B2)とを搬送中に連結するための設備であって、
圧延対象材を搬送する多数のテ−ブルロ−ル(TR1,
TR2,TR3,・・・・)に、ロ−ル毎に独立に速度
設定自在な駆動装置(M1,M2,M3,M4,・・
・)を連結し、先行材の目標速度(V1)と後行材の目
標速度(V2)とをそれぞれ決定し、一時的に後行材の
目標速度を先行材の目標速度よりも大きく定めるととも
に、先行材尾端の位置(X1)と後行材先端の位置(X
2)とをそれぞれトラッキングし、前記テ−ブルロ−ル
の各々のロ−ル上に先行材と後行材のいずれがあるかを
識別し、先行材が乗っているロ−ルの駆動装置には、そ
の駆動速度として前記先行材の目標速度を設定し、先行
材の通過が完了したロ−ルの駆動装置には、その駆動速
度として前記後行材の目標速度を設定する。
【0013】また請求項2では、前記先行材(B1)後
端と前記後行材(B2)先端との間隔を近づける場合
に、後行材の駆動速度を予め定めた上限速度(V2ma
x)までほぼ一定の加速度(ΔV2u)で加速し、後行
材の駆動速度を前記上限速度で一時的に固定した後、減
速中の後行材走行距離L1を、後行材と先行材との速度
差および予め定めた減速度(ΔV2d)から求め、先行
材尾端位置と後行材先端位置をそれぞれ検出し、後行材
減速完了時点の先行材尾端位置と現時点の後行材先端位
置に基づいてそれらの間隔L2を求め、前記後行材走行
距離L1と前記間隔L2とが予め定めた条件を満足する
場合に、後行材の駆動速度の減速を開始して、後行材と
先行材との速度が実質的に一致するまで該駆動速度を前
記減速度で更新する、ように制御する。
【0014】また、請求項3においては、後行材(B
2)の駆動速度の減速を開始する時に、実際の先行材の
速度(V1)を基準速度(V1r)として検出し、ここ
で検出した基準速度と各時点の先行材の速度(V1)と
の偏差に応じて、減速制御中の後行材の駆動速度(V
2)を補正するように制御する。
【0015】また請求項4では、熱間圧延設備よりも上
流側で、互いに独立した複数の圧延対象材である先行材
(B1)と後行材(B2)とを搬送中に連結するための
連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御装置において:
圧延対象材を搬送する複数のテ−ブルロ−ル(TR1,
TR2,TR3,・・・・);該テ−ブルロ−ルのロ−
ル毎に独立に速度設定自在に連結された駆動機構(M
1,M2,M3,M4,・・・);前記圧延対象材の搬
送路と対向する位置に設置され、板の有無を検知する板
検出器(LCMD);該板検出器よりも上流側に設置さ
れ、前記搬送路を通る圧延対象材の速度を検知する第1
の板速検出器(LDV1);前記板検出器よりも下流側
に設置され、前記搬送路を通る圧延対象材の速度を検知
する第2の板速検出器(LDV2);前記板検出器の検
知出力に基づいて、圧延対象材である先行材の尾端位置
を識別する尾端位置識別手段(11);前記板検出器の
検知出力に基づいて、圧延対象材である後行材の先端位
置を識別する先端位置識別手段(12);前記尾端位置
識別手段が識別した尾端位置と、第2の板速検出器が検
知した速度とに基づいて前記先行材の尾端位置をトラッ
キングする尾端位置トラッキング手段(13);前記先
端位置識別手段が識別した先端位置と、第1の板速検出
器が検知した速度とに基づいて前記後行材の先端位置を
トラッキングする先端位置トラッキング手段(14);
およびトラッキングされた前記先行材の尾端位置と前記
後行材の先端位置に応じて、前記テ−ブルロ−ルの各々
の駆動速度を制御する速度制御手段(15);を設け
る。
【0016】また請求項5においては、前記速度制御手
段は、前記先行材(B1)後端と前記後行材(B2)先
端との間隔を近づける制御モ−ドにおいて、後行材の駆
動速度を予め定めた上限速度(V2max)までほぼ一定
の加速度(ΔV2u)で加速し、後行材の駆動速度を前
記上限速度で一時的に固定した後、減速中の後行材走行
距離L1を、後行材と先行材との速度差および予め定め
た減速度(ΔV2d)から求め、先行材尾端位置と後行
材先端位置をそれぞれ検出し、後行材減速完了時点の
行材尾端位置と現時点の後行材先端位置に基づいてそれ
らの間隔L2を求め、前記後行材走行距離L1と前記間
隔L2とが予め定めた条件を満足する場合に、後行材の
駆動速度の減速を開始して、後行材と先行材との速度が
実質的に一致するまで該駆動速度を前記減速度で更新す
るように構成される。
【0017】また請求項6では、前記速度制御手段は、
後行材(B2)の駆動速度の減速を開始する時に、実際
の先行材の速度(V1)を基準速度(V1r)として検
出し、ここで検出した基準速度と各時点の先行材の速度
(V1)との偏差に応じて、減速制御中の後行材の駆動
速度を補正するように構成される。
【0018】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0019】
【作用】請求項1によれば、圧延対象材を搬送する多数
のテ−ブルロ−ル(TR1,TR2,TR3,・・・
・)に、ロ−ル毎に独立に速度設定自在な駆動装置(M
1,M2,M3,M4,・・・)を連結するので、各々
のテ−ブルロ−ルの駆動速度を個別に変えることができ
る。先行材尾端の位置(X1)と後行材先端の位置(X
2)は、それぞれ所定のトラッキング処理によって求め
られる。そして、先行材が乗っているロ−ルの駆動装置
には、その駆動速度として前記先行材の目標速度が設定
され、先行材の通過が完了したロ−ルの駆動装置には、
その駆動速度として前記後行材の目標速度が設定され
る。従って、先行材と後行材との速度が異なる場合であ
っても、その影響を受けないようにそれぞれの圧延対象
物を搬送することができる。一時的に後行材の目標速度
を先行材の目標速度よりも大きく定めることによって、
後行材を先行材に近づけることができる。
【0020】請求項2においては、前記先行材(B1)
後端と前記後行材(B2)先端との間隔を近づける場合
に、次のような制御が実施される。まず、後行材の駆動
速度を予め定めた上限速度(V2max)までほぼ一定の
加速度(ΔV2u)で加速する。そして、後行材の駆動
速度を前記上限速度で一時的に固定する。この後、減速
中の後行材走行距離L1を、後行材と先行材との速度差
および予め定めた減速度(ΔV2d)から求め、先行材
尾端位置と後行材先端位置をそれぞれ検出し、後行材減
速完了時点の先行材尾端位置と現時点の後行材先端位置
に基づいてそれらの間隔L2を求め、前記後行材走行距
離L1と前記間隔L2とが予め定めた条件を満足する場
合に、後行材の駆動速度の減速を開始して、後行材と先
行材との速度が実質的に一致するまで該駆動速度を前記
減速度で更新する。
【0021】この制御を実施する場合には、後行材の搬
送速度パタ−ンは、加速−定速(上限速度で固定)−減
速−定速(先行材と同一速度)と移行するので、加速か
ら減速に直接移行することはない。従って、加速度の変
化が小さく、安定した搬送制御が実現する。
【0022】また、請求項3の制御においては、後行材
(B2)の駆動速度の減速を開始する時に検出された実
際の先行材の速度(V1)が基準速度(V1r)に定め
られ、減速制御中には、基準速度(V1r)と各時点の
先行材の速度(V1)との偏差に応じて後行材の駆動速
度(V2)が補正される。
【0023】先行材の速度(V1)には実際に多少の変
動が生じる。請求項2の制御においては、所定の目標位
置で、先行材尾端位置と後行材先端位置の間隔L2が目
標値になるように、後行材の減速が開始される。後行材
の減速を開始するタイミングは、減速中の先行材の速度
が一定である場合を想定して、後行材と先行材との速度
差に基づいて決定されるので、減速中に先行材の速度が
変動すると、後行材の減速完了後の間隔L2が目標値か
らずれる。この制御誤差は、請求項3により抑制され
る。
【0024】また請求項4の連続熱間圧延設備のテ−ブ
ルロ−ル制御装置によれば、圧延対象材は複数のテ−ブ
ルロ−ル(TR1,TR2,TR3,・・・・)によっ
て搬送される。テ−ブルロ−ルは、駆動機構によりロ−
ル毎に独立した速度で駆動できる。各々のロ−ルの駆動
速度は、速度制御手段(15)によって制御される。圧
延対象材の搬送路と対向する位置には、板検出器(LC
MD),第1の板速検出器(LDV1)および第2の板
速検出器(LDV2)が設置されている。第1の板速検
出器は板検出器よりも上流側に設置され、第2の板速検
出器は板検出器よりも下流側に設置されている。尾端位
置識別手段(11)は、前記板検出器の検知出力に基づ
いて、圧延対象材である先行材の尾端位置を識別し、先
端位置識別手段(12)は、前記板検出器の検知出力に
基づいて、圧延対象材である後行材の先端位置を識別す
る。また、尾端位置トラッキング手段(13)は、前記
尾端位置識別手段が識別した尾端位置と、第2の板速検
出器が検知した速度とに基づいて前記先行材の尾端位置
をトラッキングし、先端位置トラッキング手段(14)
は、前記先端位置識別手段が識別した先端位置と、第1
の板速検出器が検知した速度とに基づいて前記後行材の
先端位置をトラッキングする。そして、前記速度制御手
段は、トラッキングされた前記先行材の尾端位置と前記
後行材の先端位置に応じて、テ−ブルロ−ルの各々の駆
動速度を制御する。
【0025】従って、先行材と後行材との速度が異なる
場合であっても、その影響を受けないようにそれぞれの
圧延対象物を搬送することができる。一時的に後行材の
目標速度を先行材の目標速度よりも大きく定めることに
よって、後行材を先行材に近づけることができる。
【0026】また請求項5の前記速度制御手段は、前記
先行材(B1)後端と前記後行材(B2)先端との間隔
を近づける制御モ−ドにおいて、まず後行材の駆動速度
を予め定めた上限速度(V2max)までほぼ一定の加速
度(ΔV2u)で加速し、後行材の駆動速度を前記上限
速度で一時的に固定した後、減速中の後行材走行距離L
1を、後行材と先行材との速度差および予め定めた減速
度(ΔV2d)から求め、先行材尾端位置と後行材先端
位置をそれぞれ検出し、後行材減速完了時点の先行材尾
端位置と現時点の後行材先端位置に基づいてそれらの間
隔L2を求め、前記後行材走行距離L1と前記間隔L2
とが予め定めた条件を満足する場合に、後行材の駆動速
度の減速を開始して、後行材と先行材との速度が実質的
に一致するまで該駆動速度を前記減速度で更新する。こ
の制御によって、後行材を先行材に近づけることができ
る。
【0027】請求項5によれば、後行材の搬送速度パタ
−ンは、加速−定速(上限速度で固定)−減速−定速
(先行材と同一速度)と移行するので、加速から減速に
直接移行することはない。従って、加速度の変化が小さ
く、安定した搬送制御が実現する。
【0028】また請求項6では、前記速度制御手段は、
後行材(B2)の駆動速度の減速を開始する時に、実際
の先行材の速度(V1)を基準速度(V1r)として検
出する。そして、後行材の減速制御中には、基準速度
(V1r)と各時点の先行材の速度(V1)との偏差に
応じて、後行材の駆動速度を補正する。
【0029】先行材の速度(V1)には実際に多少の変
動が生じる。請求項5の制御においては、所定の目標位
置で、先行材尾端位置と後行材先端位置の間隔L2が目
標値になるように、後行材の減速が開始される。後行材
の減速を開始するタイミングは、減速中の先行材の速度
が一定である場合を想定して、後行材と先行材との速度
差に基づいて決定されるので、減速中に先行材の速度が
変動すると、後行材の減速完了後の間隔L2が目標値か
らずれる。この制御誤差は、請求項6により抑制され
る。
【0030】
【実施例】一形式の連続熱間圧延設備の主要部分の構成
を概略で図6に示す。図6を参照して説明する。粗圧延
設備の最終スタンド51から出る圧延材B3は、コイル
状に巻き取られてコイルボックス52に入り、次の工程
に送られる。粗圧延が終了した圧延材は、次に仕上圧延
されるが、連続的に仕上圧延を実施するために、コイル
毎(スラブ毎)に互いに独立している圧延材は、搬送さ
れながら、仕上圧延設備の第1スタンド62に入る前に
互いに連結される。この制御については後で詳細に説明
する。
【0031】コイルボックス52中のコイルから引き出
された圧延材が搬送される通路又はその周囲には、ピン
チロ−ル55,クロップシャ−(切断装置)57,連結
装置59などが設置されている。図示しないが、連結装
置59には自走台車と該台車上に搭載された接合機、な
らびに、該台車上に搭載されたクランプ装置が含まれて
いる。また、この他に図示しない要素として、サイドガ
イド等がある。圧延材の先行材B1の尾端1aと後行材
B2の先端2aとの接合を実施する際には、接合機及び
クランプ機構は前記自走台車によって圧延材と同一方向
に走行し、クランプ機構が先行材B1の尾端1aと後行
材B2の先端2aとの相対位置を固定した状態で、接合
機が接合作業を自動的に実施する。
【0032】順番に搬送される圧延材は、通常はほぼ一
定の速度で搬送されるが、先行材B1と後行材B2を連
結する時には、一時的に後行材B2の搬送速度が増大
し、後行材B2の先端2aが先行材B1の尾端1aに追
い付くように制御される。図6の設備では、クロップシ
ャ−57と連結装置59の走行可能区間との間の「追い
付き区間」において、後行材B2の先端2aが先行材B
1の尾端1aに追い付くように制御される。そして、
「追い付き区間」の下流側から仕上圧延設備の第1スタ
ンド手前までの「台車走行区間」において、連結装置5
9が走行しながら、後行材B2の先端2aと先行材B1
の尾端1aとを接合する。従って、仕上圧延設備62に
は連続的に圧延材が送り込まれるので、連続的に仕上圧
延が実施される。
【0033】図6に示す設備における先行材B1と後行
材B2との連結工程の状態推移は、標準状態では次のよ
うになる。
【0034】1.先行材B1の尾端(1a)のクロップ
をクロップシャ−57で切断した後、例えば10秒間を
経過した時点(時刻0秒とする)で、後行材B2の先端
(2a)のクロップをクロップシャ−57で切断する。
【0035】2.後行材B2の先端が先行材B1の尾端
に追い付いた時(時刻17秒)、後行材B2と先行材B
1の搬送速度を同一にし、連結装置59のクランプ機構
を閉じる。
【0036】3.接合完了(時刻25秒)で、連結装置
59のクランプ機構を開放する。
【0037】4.後行材B2の尾端がクロップシャ−5
7を通過する時(時刻:80秒)に、クロップをクロッ
プシャ−57で切断する。
【0038】図6には示されていないが、圧延材の搬送
路には、圧延材を搬送するために多数のテ−ブルロ−ル
が設置されている。特にこの実施例では、図2に示すよ
うに「追い付き区間」に設置された多数のテ−ブルロ−
ルTR1,TR2,TR3,・・・の各々には、それぞ
れ個別に速度制御可能な駆動装置(電気モ−タ)M1,
M2,M3,・・・が連結されている。また、「追い付
き区間」以外の部分については、一般的な設備と同様
に、互いに隣接する複数のテ−ブルロ−ルを共通の駆動
装置に連結し、駆動装置の数を低減してある。
【0039】図2を参照すると、「追い付き区間」の最
上流のテ−ブルロ−ルTR1とクロップシャ−57との
間には、板検出器(Laser Cold Metal Detector)LC
MDおよび板速検出器(Laser Doppler Velocity Detec
tor)LDV1が設置されており、「追い付き区間」の
最下流のテ−ブルロ−ルTR6の下流側には、板速検出
器(Laser Doppler Velocity Detector)LDV2が設
置されている。板検出器LCMDの設置位置は、板速検
出器LDV1よりも下流であり、板速検出器LDV2よ
りも上流である。板検出器LCMDは、それが対向して
いる搬送路上の特定の位置に圧延材が存在するか否かを
識別する。
【0040】テ−ブルロ−ルTR1〜TR6の駆動制御
系の構成を図1に示す。図1を参照して説明する。駆動
速度切換制御部100は、それに入力される信号V1,
V2,X1およびX2に基づいて、目標速度信号Va,
Vb,Vc,Vd,VeおよびVfを生成する。目標速
度信号Va,Vb,Vc,Vd,VeおよびVfは、そ
れぞれドライバ31,32,33,34,35および3
6に入力される。ドライバ31は駆動装置M1の駆動速
度が目標速度信号Vaと一致するように制御し、ドライ
バ32は駆動装置M2の駆動速度が目標速度信号Vbと
一致するように制御し、ドライバ33は駆動装置M3の
駆動速度が目標速度信号Vcと一致するように制御し、
ドライバ34は駆動装置M4の駆動速度が目標速度信号
Vdと一致するように制御し、ドライバ35は駆動装置
M5の駆動速度が目標速度信号Veと一致するように制
御し、ドライバ36は駆動装置M6の駆動速度が目標速
度信号Vfと一致するように制御する。
【0041】板検出器LCMDが出力する信号は、先端
検出12および尾端検出11に入力される。尾端検出1
1では、板検出器LCMDが出力する信号に基づいて、
板(圧延材)検出状態から非検出状態への切換りを、圧
延材の尾端が板検出器LCMDの位置を通過したものと
みなし、その時に信号を出力する。また先端検出12で
は、板検出器LCMDが出力する信号に基づいて、非検
出状態から板検出状態への切換りを、圧延材の先端が板
検出器LCMDの位置を通過したものとみなし、その時
に信号を出力する。
【0042】尾端検出11の出力信号は、積分器13に
リセット信号として印加され、先端検出12の出力信号
は、積分器14にリセット信号として印加される。積分
器13は、板速検出器LDV2が出力する信号V1を積
分した結果を信号X1として出力し、積分器14は、板
速検出器LDV1が出力する信号V2を積分した結果を
信号X2として出力する。積分器13は、板検出器LC
MDの位置で圧延材の尾端が検出された時に積分動作が
リセットされるので、積分器13が出力する積分値X1
は、圧延材(先行材B1)の尾端が板検出器LCMDの
位置を通過してからの当該圧延材の移動距離であり、図
2に示すように、先行材B1の尾端位置に相当する。ま
た、積分器14は、板検出器LCMDの位置で圧延材の
先端が検出された時に積分動作がリセットされるので、
積分器14が出力する積分値X2は、圧延材(後行材B
2)の先端が板検出器LCMDの位置を通過してからの
当該圧延材の移動距離であり、図2に示すように、後行
材B2の先端位置に相当する。
【0043】また、「追い付き区間」を先行材B1と後
行材B2とが通過する際には、板速検出器LDV2が出
力する信号V1は、先行材B1の実際の搬送速度に相当
し、板速検出器LDV1が出力する信号V2は、後行材
B2の実際の搬送速度に相当する。
【0044】速度決定15では、入力される信号V1,
V2,X1およびX2に基づいて、目標速度信号Vsを
生成する。この目標速度信号Vsは速度制御装置ASR
に目標値として入力される。速度制御装置ASRは、ピ
ンチロ−ル55に接続された駆動装置(電気モ−タ)M
0の駆動速度(圧延材B2の搬送速度)がVsと一致す
るように制御する。
【0045】なお、図1に示す各要素のうち、尾端検出
11,先端検出12,積分器13,14,速度決定1
5,及び駆動速度切換制御部100は、実際にはプロセ
スコンピュ−タのソフトウェア処理によって実現され
る。ドライバ31〜36ならびに速度制御装置ASRは
ハ−ドウェアとして存在している。
【0046】図1の駆動速度切換制御部100に相当す
る「駆動速度切換」処理の内容を図3に示す。図3を参
照して説明する。ステップ101では、信号V1,V
2,X1およびX2をそれぞれ入力する。続くステップ
102では、信号X1の値、即ち先行材B1の尾端位置
を定数Laと比較する。定数Laは、図2に示すよう
に、板検出器LCMDの位置とテ−ブルロ−ルTR1と
の距離に相当する。そして、「X1≦La」であると、
即ち先行材B1の尾端位置がテ−ブルロ−ルTR1をま
だ抜けていない場合には、次にステップ111に進み、
そうでなければステップ103に進む。
【0047】ステップ103では、信号X1の値、即ち
先行材B1の尾端位置を定数Lbと比較する。定数Lb
は、図2に示すように、板検出器LCMDの位置とテ−
ブルロ−ルTR2との距離に相当する。そして、「X1
≦Lb」であると、即ち先行材B1の尾端位置がテ−ブ
ルロ−ルTR1とTR2の間に存在する場合には、次に
ステップ112に進み、そうでなければステップ104
に進む。
【0048】ステップ104では、信号X1の値、即ち
先行材B1の尾端位置を定数Lcと比較する。定数Lc
は、図2に示すように、板検出器LCMDの位置とテ−
ブルロ−ルTR3との距離に相当する。そして、「X1
≦Lc」であると、即ち先行材B1の尾端位置がテ−ブ
ルロ−ルTR2とTR3の間に存在する場合には、次に
ステップ113に進み、そうでなければステップ105
に進む。
【0049】ステップ105では、信号X1の値、即ち
先行材B1の尾端位置を定数Ldと比較する。定数Ld
は、図2に示すように、板検出器LCMDの位置とテ−
ブルロ−ルTR4との距離に相当する。そして、「X1
≦Ld」であると、即ち先行材B1の尾端位置がテ−ブ
ルロ−ルTR3とTR4の間に存在する場合には、次に
ステップ114に進み、そうでなければステップ106
に進む。
【0050】ステップ106では、信号X1の値、即ち
先行材B1の尾端位置を定数Leと比較する。定数Le
は、図2に示すように、板検出器LCMDの位置とテ−
ブルロ−ルTR5との距離に相当する。そして、「X1
≦Le」であると、即ち先行材B1の尾端位置がテ−ブ
ルロ−ルTR4とTR5の間に存在する場合には、次に
ステップ115に進み、そうでなければステップ107
に進む。
【0051】ステップ107では、信号X1の値、即ち
先行材B1の尾端位置を定数Lfと比較する。定数Lf
は、図2に示すように、板検出器LCMDの位置とテ−
ブルロ−ルTR6との距離に相当する。そして、「X1
≦Lf」であると、即ち先行材B1の尾端位置がテ−ブ
ルロ−ルTR5とTR6の間に存在する場合には、次に
ステップ116に進み、そうでなければステップ117
に進む。
【0052】ステップ111では、目標速度信号Va,
Vb,Vc,Vd,VeおよびVfとして、それぞれV
1,V1,V1,V1,V1およびV1を出力する。従
ってこの場合、テ−ブルロ−ルTR1〜TR6は全て、
先行材B1の実際の搬送速度V1と一致する速度で駆動
される。
【0053】ステップ112では、目標速度信号Va,
Vb,Vc,Vd,VeおよびVfとして、それぞれV
2,V1,V1,V1,V1およびV1を出力する。従
ってこの場合、テ−ブルロ−ルTR2〜TR6は全て、
先行材B1の実際の搬送速度V1と一致する速度で駆動
され、テ−ブルロ−ルTR1は後行材B2の実際の搬送
速度V2と一致する速度で駆動される。
【0054】ステップ113では、目標速度信号Va,
Vb,Vc,Vd,VeおよびVfとして、それぞれV
2,V2,V1,V1,V1およびV1を出力する。従
ってこの場合、テ−ブルロ−ルTR3〜TR6は全て、
先行材B1の実際の搬送速度V1と一致する速度で駆動
され、テ−ブルロ−ルTR1及びTR2は後行材B2の
実際の搬送速度V2と一致する速度で駆動される。
【0055】ステップ114では、目標速度信号Va,
Vb,Vc,Vd,VeおよびVfとして、それぞれV
2,V2,V2,V1,V1およびV1を出力する。従
ってこの場合、テ−ブルロ−ルTR4〜TR6は、先行
材B1の実際の搬送速度V1と一致する速度で駆動さ
れ、テ−ブルロ−ルTR1〜TR3は後行材B2の実際
の搬送速度V2と一致する速度で駆動される。
【0056】ステップ115では、目標速度信号Va,
Vb,Vc,Vd,VeおよびVfとして、それぞれV
2,V2,V2,V2,V1およびV1を出力する。従
ってこの場合、テ−ブルロ−ルTR5及びTR6は、先
行材B1の実際の搬送速度V1と一致する速度で駆動さ
れ、テ−ブルロ−ルTR1〜TR4は後行材B2の実際
の搬送速度V2と一致する速度で駆動される。
【0057】ステップ116では、目標速度信号Va,
Vb,Vc,Vd,VeおよびVfとして、それぞれV
2,V2,V2,V2,V2およびV1を出力する。従
ってこの場合、テ−ブルロ−ルTR6は、先行材B1の
実際の搬送速度V1と一致する速度で駆動され、テ−ブ
ルロ−ルTR1〜TR5は後行材B2の実際の搬送速度
V2と一致する速度で駆動される。
【0058】ステップ117では、目標速度信号Va,
Vb,Vc,Vd,VeおよびVfとして、それぞれV
2,V2,V2,V2,V2およびV2を出力する。従
ってこの場合、テ−ブルロ−ルTR1〜TR6は全て、
後行材B2の実際の搬送速度V2と一致する速度で駆動
される。
【0059】つまりこの実施例では、テ−ブルロ−ルT
R1〜TR6のそれぞれについて、それを先行材B1の
尾端が通過するまでの間は、板速検出器LDV2が検出
した先行材B1の実際の搬送速度V1が、当該テ−ブル
ロ−ルの駆動速度としてセットされ、通過が完了した時
に、当該テ−ブルロ−ルの駆動速度は、板速検出器LD
V1が検出した後行材B2の実際の搬送速度V2に切換
えられる。従って、先行材B1の尾端と後行材B2の先
端との間隔が非常に小さい場合であっても、先行材B1
が乗っている全ての(追い付き区間の)テ−ブルロ−ル
の駆動速度は、先行材B1の搬送速度と一致し、後行材
B2が乗っている全てのテ−ブルロ−ルの駆動速度は、
後行材B2の搬送速度と一致するので、先行材B1の搬
送系と後行材B2の搬送系とが互いに干渉することがな
く、圧延材とテ−ブルロ−ルとの間でスリップが生じな
いので、先行材B1と後行材B2のいずれについても、
安定した搬送が実現する。
【0060】なおこの実施例では、目標速度信号Va,
Vb,Vc,Vd,Ve及びVfを、板速検出器LDV
2が検出した搬送速度V1又は板速検出器LDV1が検
出した搬送速度V2と同一に定めているが、速度V1に
所定のラグ率を掛けた結果、又は速度V2に所定のリ−
ド率を掛けた結果を、目標速度信号Va,Vb,Vc,
Vd,Ve及びVfに定めてもよい。
【0061】図1に示す「速度決定」15で実行される
処理の主要部分を図4に示す。この処理においては、先
行材B1の尾端に後行材B2の先端が追い付くように、
速度制御装置ASRに印加する速度信号Vsの制御を実
施する。速度制御装置ASRは、搬送する圧延材の速度
が速度信号Vsと一致するように、ピンチロ−ル55を
駆動する電気モ−タM0の速度を制御する。
【0062】通常は、電気モ−タM0の速度は、仕上圧
延機62入側の圧延材の搬送速度と一致するように制御
されるが、先行材B1の尾端と後行材B2の先端とが図
6に示す「追い付き区間」を通過する際には、図4に示
す処理により、電気モ−タM0の速度が制御され、後行
材B2の先端が先行材B1の尾端に追い付くように制御
される。
【0063】また、図4の処理を実施する時の、先行材
と後行材の搬送速度の変化、ならびに先行材尾端1aの
位置と後行材先端2aの位置の変化を図5に示す。
【0064】図4および図5を参照して説明する。図4
の処理が起動されるのは、後行材先端2aの位置が板検
出器LCMDと対向する基準位置に達した時(X2=0
の状態)である。またその時、標準状態では、先行材尾
端1aの位置X1は15m(基準位置に対して)にな
る。例えば、クロップシャ−の位置を基準位置と仮定す
る場合に先行材の搬送速度を1.5m/秒とすれば、ク
ロップシャ−で切断されてから10秒を経過するまで
に、先行材は15m進行する。従って、最初の先行材尾
端1aと後行材先端2aとの間隔は15mになる。
【0065】最初のステップ151では、X2を予め定
めた位置P0と比較し、後行材先端2aが位置P0に到
達するまで待つ。その間は、後行材B2の速度が先行材
B1の速度と同一になるように速度信号Vsがセットさ
れる。この例では、P0=1.0mである。X2≧P0
(図5の時刻:t1)になると、次のステップ152に
進む。
【0066】ステップ152では、後行材B2の速度
が、予め定めた一定の加速度ΔV2uで増大するよう
に、Vs=V2maxになるまで速度信号Vsの更新、即
ち加速制御を繰り返す。この例では、ΔV2u=0.5
m/sec2、V2max=150m/分である。後行材の加
速によって、V1<V2になるので、図5に示すよう
に、先行材尾端1aと後行材先端2aとの間隔は徐々に
小さくなる。加速が終了すると、即ちV2=V2max
(図5の時刻:t2)になると次のステップに進む。ま
たこの時にはVs=V2maxに保持される。
【0067】ステップ153および154では、減速を
開始するタイミング(図5の時刻:t3)を検出するた
めの処理を実行する。ステップ153では、まず信号X
1,X2,V1およびV2を入力し、これらの信号に基
づき、後述する計算を実行して距離L1およびL2を求
める。距離L1は、後行材先端2a減速を開始してか
らV2=V1になるまでの期間(t3〜t4)中に進む
距離であり、距離L2は後行材減速完了時点(時刻:t
4)の先行材尾端1aと現時点(時刻:t3)の後行材
先端2aとの間隔(X1(t4)−X2(t3))であ
る。
【0068】減速中の減速度を一定(ΔV2d)と仮定
すると、図5に示す点a,b,d,eを頂点とする台形
の面積が、距離L1になる。従って、距離L1は次式で
求められる。
【0069】 L1=((V2V1)/2)tx =((V2V1)/2)((V2−V1)/ΔV2d) =((V2 −V1 )/(2ΔV2d) ・・・(1) ステップ154では、減速終了時の先行材尾端1aと後
行材先端2aとの間隔の目標値ΔLを距離L1に加算し
た結果と距離L2とを比較する。そして、L1+ΔL>
L2になるまで、ステップ153,154の処理を繰り
返し、L1+ΔL>L2になると(時刻:t4)、次の
ステップ155に進む。つまり、減速を終了する時点
(時刻:t4)における先行材尾端1aと後行材先端2
aとの間隔が目標値ΔLと一致するようなタイミング
(時刻:t3)で、ステップ154から155に進む。
【0070】ステップ155では、最新の信号V1を入
力し、それを基準値V1rとして保持する。
【0071】ステップ156では、基本的には、後行材
の搬送速度が予め定めた一定の減速度ΔV2dで低下す
るように、V1=V2になるまで速度信号Vsを更新す
る。また、最新の信号V1を入力し、速度V1とステッ
プ155で定めた基準値V1rとの差分を、補償量Vc
として速度信号Vsに加算する。
【0072】ステップ153,154においては、減速
中に先行材の搬送速度V1が一定であると仮定して減速
開始タイミングを決定しているが、実際には先行材の搬
送速度V1が変動するので、その変動分を補償しない
と、減速終了時の先行材尾端1aと後行材先端2aとの
間隔が目標値ΔLから大きくずれる可能性がある。しか
しステップ156では、減速開始タイミングでサンプリ
ングされた実際の先行材の搬送速度V1rと各時点の搬
送速度V1との差分Vcが、速度信号Vsに常時加算さ
れるので、搬送速度V1が変動する場合であっても、減
速終了時(時刻:t4)の先行材尾端1aと後行材先端
2aとの間隔が、目標値ΔLに正確に維持される。V1
=V2になり、減速動作が終了すると、ステップ156
から次のステップ157に進む。
【0073】ステップ157では、先行材の速度V1を
入力してそれを速度信号Vsにセットし、後行材が先行
材と同一の速度で搬送されるように制御する。また、先
行材と後行材の間隔の微調整(APC制御)を実施す
る。即ち、信号V1,V2,X1およびX2を入力し、
V1とV2との偏差が目標範囲(例えば2m/分)内に
入り、同時に先行材尾端と後行材先端との間隔(X1−
X2)が目標範囲内に入るように速度信号Vsを微調整
する。
【0074】APC制御が完了すると、即ちV1とV2
との偏差が目標範囲に入り、先行材尾端と後行材先端と
の間隔が目標範囲内に入ると、その状態が維持されるよ
うに速度信号Vsが制御される。そして、先行材尾端と
後行材先端は、次の台車走行区間に進み、走行しながら
接合によって連結される。
【0075】以上説明した実施例によれば、圧延対象材
を搬送する多数のテ−ブルロ−ル(TR1,TR2,T
R3,・・・・)に、ロ−ル毎に独立に速度設定自在な
駆動装置(M1,M2,M3,M4,・・・)を連結す
るので、各々のテ−ブルロ−ルの駆動速度を個別に変え
ることができる。先行材尾端の位置(X1)と後行材先
端の位置(X2)は、それぞれ所定のトラッキング処理
によって求められる。そして、先行材が乗っているロ−
ルの駆動装置には、その駆動速度として前記先行材の目
標速度が設定され、先行材の通過が完了したロ−ルの駆
動装置には、その駆動速度として前記後行材の目標速度
が設定される。従って、先行材と後行材との速度が異な
る場合であっても、その影響を受けないようにそれぞれ
の圧延対象物を搬送することができる。一時的に後行材
の目標速度を先行材の目標速度よりも大きく定めること
によって、後行材を先行材に近づけることができる。
【0076】また、図4に示す制御を実施する場合に
は、後行材の搬送速度パタ−ンは、加速−定速(上限速
度で固定)−減速−定速(先行材と同一速度)と移行す
るので、加速から減速に直接移行することはない。従っ
て、加速度の変化が小さく、安定した搬送制御が実現す
る。
【0077】また、図4の制御においては、後行材B2
の駆動速度の減速を開始する時t3に検出された実際の
先行材の速度V1が基準速度V1rに定められ、減速制
御中には、基準速度V1rと各時点の先行材の速度V1
との偏差に応じて後行材の駆動速度V2が補正されるの
で、先行材の速度V1に変動が生じる場合であっても、
減速制御が終了する時点で、先行材尾端と後行材先端と
の間隔が目標値ΔLから大きくずれるのを防止しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2の設備の搬送制御系を示すブロック図で
ある。
【図2】 図6の設備の一部分を拡大して示す正面図で
ある。
【図3】 図1の駆動速度切換制御部100の処理を示
すフロ−チャ−トである。
【図4】 図1の速度決定15の処理を示すフロ−チャ
−トである。
【図5】 搬送速度と圧延材端位置の変化を示すタイム
チャ−トである。
【図6】 連続熱間圧延設備の主要部分の概要を示す正
面図である。
【符号の説明】
1a:尾端 2a:先端 11:尾端検出 12:先端検出 13,14:積分器 15:速度決定 31〜36:ドライバ 51:粗圧延設備の
最終スタンド 52:コイルボックス 55:ピンチロ−ル 57:クロップシャ− 59:連結装置 62:仕上圧延設備の第1スタンド 100:駆動速度切換制御部 B1:先行材 B2:後行材 B1,B2,B3:圧延材 TR1,TR2,TR3,・・・:テ−ブルロ−ル M1,M2,M3,・・・:駆動装置 LCMD:板検出器 LDV1,LDV2:板速検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−57320(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 39/12 B21B 1/26 B21B 15/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延設備よりも上流側で、互いに独
    立した複数の圧延対象材である先行材と後行材とを搬送
    中に連結するための設備であって、圧延対象材を搬送す
    る多数のテ−ブルロ−ルに、ロ−ル毎に独立に速度設定
    自在な駆動装置を連結し、先行材の目標速度と後行材の
    目標速度とをそれぞれ決定し、一時的に後行材の目標速
    度を先行材の目標速度よりも大きく定めるとともに、先
    行材尾端の位置と後行材先端の位置とをそれぞれトラッ
    キングし、前記テ−ブルロ−ルの各々のロ−ル上に先行
    材と後行材のいずれがあるかを識別し、先行材が乗って
    いるロ−ルの駆動装置には、その駆動速度として前記先
    行材の目標速度を設定し、先行材の通過が完了したロ−
    ルの駆動装置には、その駆動速度として前記後行材の目
    標速度を設定する、連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル
    制御方法。
  2. 【請求項2】 前記先行材後端と前記後行材先端との間
    隔を近づける場合に、後行材の駆動速度を予め定めた上
    限速度までほぼ一定の加速度で加速し、後行材の駆動速
    度を前記上限速度で一時的に固定した後、減速中の後行
    材走行距離L1を、後行材と先行材との速度差および予
    め定めた減速度から求め、先行材尾端位置と後行材先端
    位置をそれぞれ検出し、後行材減速完了時点の先行材尾
    端位置と現時点の後行材先端位置に基づいてそれらの間
    隔L2を求め、前記後行材走行距離L1と前記間隔L2
    とが予め定めた条件を満足する場合に、後行材の駆動速
    度の減速を開始して、後行材と先行材との速度が実質的
    に一致するまで該駆動速度を前記減速度で更新する、前
    記請求項1記載の連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制
    御方法。
  3. 【請求項3】 後行材の駆動速度の減速を開始する時
    に、実際の先行材の速度を基準速度として検出し、この
    基準速度と各時点の先行材の速度との偏差に応じて、減
    速制御中の後行材の駆動速度を補正する、前記請求項2
    記載の連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御方法。
  4. 【請求項4】 熱間圧延設備よりも上流側で、互いに独
    立した複数の圧延対象材である先行材と後行材とを搬送
    中に連結するための連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル
    制御装置において: 圧延対象材を搬送する複数のテ−ブルロ−ル; 該テ−ブルロ−ルのロ−ル毎に独立に速度設定自在に連
    結された駆動機構; 前記圧延対象材の搬送路と対向する位置に設置され、板
    の有無を検知する板検出器; 該板検出器よりも上流側に設置され、前記搬送路を通る
    圧延対象材の速度を検知する第1の板速検出器; 前記板検出器よりも下流側に設置され、前記搬送路を通
    る圧延対象材の速度を検知する第2の板速検出器; 前記板検出器の検知出力に基づいて、圧延対象材である
    先行材の尾端位置を識別する尾端位置識別手段; 前記板検出器の検知出力に基づいて、圧延対象材である
    後行材の先端位置を識別する先端位置識別手段; 前記尾端位置識別手段が識別した尾端位置と、第2の板
    速検出器が検知した速度とに基づいて前記先行材の尾端
    位置をトラッキングする尾端位置トラッキング手段; 前記先端位置識別手段が識別した先端位置と、第1の板
    速検出器が検知した速度とに基づいて前記後行材の先端
    位置をトラッキングする先端位置トラッキング手段;お
    よびトラッキングされた前記先行材の尾端位置と前記後
    行材の先端位置に応じて、前記テ−ブルロ−ルの各々の
    駆動速度を制御する速度制御手段; を設けたことを特徴とする、連続熱間圧延設備のテ−ブ
    ルロ−ル制御装置。
  5. 【請求項5】 前記速度制御手段は、前記先行材後端と
    前記後行材先端との間隔を近づける制御モ−ドにおい
    て、後行材の駆動速度を予め定めた上限速度までほぼ一
    定の加速度で加速し、後行材の駆動速度を前記上限速度
    で一時的に固定した後、減速中の後行材走行距離L1
    を、後行材と先行材との速度差および予め定めた減速度
    から求め、先行材尾端位置と後行材先端位置をそれぞれ
    検出し、後行材減速完了時点の先行材尾端位置と現時点
    後行材先端位置に基づいてそれらの間隔L2を求め、
    前記後行材走行距離L1と前記間隔L2とが予め定めた
    条件を満足する場合に、後行材の駆動速度の減速を開始
    して、後行材と先行材との速度が実質的に一致するまで
    該駆動速度を前記減速度で更新する、前記請求項4記載
    の連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御装置。
  6. 【請求項6】 前記速度制御手段は、後行材の駆動速度
    の減速を開始する時に、実際の先行材の速度を基準速度
    として検出し、この基準速度と各時点の先行材の速度と
    の偏差に応じて、減速制御中の後行材の駆動速度を補正
    する、前記請求項5記載の連続熱間圧延設備のテ−ブル
    ロ−ル制御装置。
JP25479295A 1995-10-02 1995-10-02 連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御方法および装置 Expired - Fee Related JP3247830B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25479295A JP3247830B2 (ja) 1995-10-02 1995-10-02 連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25479295A JP3247830B2 (ja) 1995-10-02 1995-10-02 連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0999309A JPH0999309A (ja) 1997-04-15
JP3247830B2 true JP3247830B2 (ja) 2002-01-21

Family

ID=17269959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25479295A Expired - Fee Related JP3247830B2 (ja) 1995-10-02 1995-10-02 連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3247830B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5810774B2 (ja) * 2011-09-14 2015-11-11 Jfeスチール株式会社 連続熱延鋼板製造ラインにおける搬送制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0999309A (ja) 1997-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3247830B2 (ja) 連続熱間圧延設備のテ−ブルロ−ル制御方法および装置
JP3234454B2 (ja) 連続熱間圧延設備の制御装置
JP3634013B2 (ja) 連続熱間圧延設備の制御装置
JP3650434B2 (ja) 搬送鋼材の接合装置
WO2000056476A1 (fr) Procede de laminage
JPH10192936A (ja) タンデム圧延機の制御装置
JP3238594B2 (ja) 帯状体の位置制御方法
JPS5848457B2 (ja) 巻取機の位置制御方法
JPH0957320A (ja) 熱間圧延設備の速度制御装置
JPS583719A (ja) 条材の停止位置制御方法および装置
JP3533080B2 (ja) 溶接台車の走行制御装置
JPH10166002A (ja) 熱間圧延方法及び設備
JP3354865B2 (ja) 帯状材のルーパ速度制御方法および装置、ならびに帯状材の連続処理ライン
JP3366923B2 (ja) 搬送装置の切離しゾーンにおける台車走行速度制御方法
JPS6247711A (ja) 無人搬送車の走行制御装置
JPH08155513A (ja) ミルペーシング方法
JP2003220494A (ja) 鋼板の接続方法
JPH07171607A (ja) ミルペーシング方法
JP3041124B2 (ja) ホットストリップミル仕上圧延機の制御方法
JP3529573B2 (ja) タンデム圧延機の制御装置
JP2898521B2 (ja) ループカーの張力制御方法
JPS5916612A (ja) H形鋼のウエブ偏り制御方法
JP2002331306A (ja) 鋼板の搬送転回制御装置
JPS60244416A (ja) 冷間圧延金属ストリツプの板厚制御装置
JPH06299231A (ja) 熱間圧延におけるミルペーシング調整方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011016

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071102

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees