JP3246793B2 - 高酸素透過性コンタクトレンズ - Google Patents
高酸素透過性コンタクトレンズInfo
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Description
強度や加工性の点においても優れた高酸素透過性コンタ
クトレンズに関する。
ズ(CL)には、(1)メチルメタクリレート、シリコ
ン含有メタクリレートなどのモノマーを主成分としたポ
リマーからなるハードコンタクトレンズ(HCL)、
(2)ブチルメタクリレートなどを主成分としたセミハ
ードコンタクトレンズ(SHCL)、(3)2−ヒビロ
キシエチルメタクリレートモノマーなどの親水性モノマ
ーを主成分としたソフトコンタクトレンズ(SCL)が
ある。これらの中で(1)は、非含水であるためCLの
衛生面で優位性を有しているが、目の代謝を良好に行な
い連続装着を可能にするために必要とされる酸素透過性
が不十分である。また(2)では、ある程度の柔らかさ
を有するため装着感に優れているが、酸素透過性の低さ
や形状安定性に欠けるという問題がある。更に(3)で
は、含水性を有するために、装着性の点でSHCL、H
CLより優れているが、衛生面では問題があり面倒な保
守が必要とされるうえ、レンズ中の水分により酸素が運
ばれるため酸素透過性には限度があるという欠点があ
る。これらの問題を解決するため高酸素透過性を付与す
る目的でポリシロキサンやシリコン含有メタクリレート
ポリマーなどのシリコーン系ポリマーがよく使用されて
おり、比較的生体への安全性にも優れている。しかし、
シリコーン系ポリマーは単独では強度が低く、加工性に
も問題があるため、膜厚の増加や補強材の使用が必要で
ある。
るための素材としては、特公昭62−8762号公報、
特公昭63−36646号公報において、シリコン含有
メタクリレートとフッ素含有メタクリレートとを主成分
とする共重合体が提案されており、米国特許第3419
634号明細書、米国特許第3419635号明細書に
おいて、シリコーン−ポリカーボネート共重合体が提案
されている。これらの高酸素透過性を有するポリマーは
比較的高強度であるが、酸素透過性がいまだ十分でな
く、さらに密着性の低さの点でも問題がある。
素透過性であり、透明性が良好で、強度や加工性のも優
れた高酸素透過性コンタクトレンズを提供することにあ
る。
般式化2(式中、R1及びR3は同一若しくは異なる基で
あって、二価の芳香族系有機基を示し、R2は炭素数1
〜6のアルキレン基を示し、Y1及びY2は同一若しくは
異なる基であって、炭素数1〜6のアルキル基フッ素置
換アルキル基又はフェニル基を示す。またmは10〜2
00の整数、nは1〜50の整数、Xは1〜20の整数
を示す)で表わされる構造単位(以下ブロック構造単位
Aと称す)を有するポリシロキサン−芳香族ポリアミド
系ブロック共重合体(以下ブロック共重合体Bと称す)
を含む高酸素透過性コンタクトレンズが提供される。
は、前記一般式化2で表わされるブロック構造単位Aを
有するブロック共重合体Bを必須成分として含む。ブロ
ック構造単位Aにおいて、R2、Y1及びY2の炭素数が
6を超える場合、mが200を超える場合、nが50を
超える場合、Xが20を超える場合には製造が困難であ
り、mが10未満の場合には、所望の酸素透過性が得ら
れない。またR1及びR3の二価の芳香族系有機基として
は、例えばp−フェニレン基、m−フェニレン基、o−
フェニレン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、
4,3’−ジフェニレンエーテル基、4,4’−ビフェ
ニレン基、4,3’−ビフェニレン基、4,4’−フェ
ニレンジメチレン基、1,5−ナフチレン基、1,7−
ナフチレン基、4,4’−チオビフェニレン基、4,
3’−チオビフェニレン基、4,4’−プロピレンジフ
ェニレン基、4,4’−メチレンジフェニレン基、4,
3’−メチレンジフェニレン基等を好ましく挙げること
ができる。R2における炭素数1〜6のアルキレン基と
しては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基等を好ましく挙げることができる。更に
前記ブロック共重合体Bの粘度は、30℃のジメチルア
セトアミド100ml中0.5gにおいて固有粘度(η
inh)0.1〜2の範囲であるのが好ましい。
ク構造単位Aとしては、例えば下記構造式化3〜14等
を好ましく挙げることができる(ただし、式中nは1〜
50の整数を示す)。
共重合体Bを調製するには、例えば下記一般式化15
(式中、R2は炭素数1〜6のアルキレン基、Y1及びY
2は同一又は異なる基であって、炭素数1〜6のアルキ
ル基もしくはフェニル基を示す。またmは10〜200
の整数を示す)で表わされる特定のポリシロキサン誘導
体と、
数を示す)で表わされる特定の芳香族ポリアミドとをブ
ロック共重合する方法等により得ることができる。
00〜1500の両末端にアミノ基を有する前記一般式
化15で示されるポリシロキサン誘導体であって、具体
的には例えば、下記構造式化17〜23で表わされる化
合物等を好ましく挙げることができる。
法で調製することができ、信越化学工業社、東芝シリコ
ーン社、チッソ社等が市販している市販品を用いること
ができる。
量500〜18000の両末端に酸クロライド基を有す
る前記一般式化16で示される芳香族ポリアミドであっ
て、具体的に例えば、下記構造式化24〜27で表わさ
れる化合物(ただし、式中nは1〜50の整数を示す)
等を好ましく挙げることができる。
は、例えばクロロホルム等の溶媒及びトリエチルアミン
等の脱塩化水素剤等の存在下にて、好ましくは−50〜
30℃にてジアミンとジカルボン酸クロライドとを反応
させ、発熱反応が終了した後室温程度にて、好ましくは
1〜10時間反応させる方法等により得ることができ
る。
リアミドとをブロック共重合させるには、例えばクロロ
ホルム等の溶媒及びトリエチルアミン等の脱塩化水素剤
等の存在下にて、好ましくは−50〜30℃にて反応さ
せ、発熱反応が終了した後室温程度にて、好ましくは1
〜10時間重合反応させる方法等により得ることができ
る。この際前記ポリシロキサン誘導体と芳香族ポリアミ
ドとの仕込み量は、モル比で好ましくは5:95〜9
0:10、特に好ましくは20:80〜80:20の範
囲とするのが好ましい。前記ポリシロキサン誘導体の仕
込み量が95%を超える場合には、強度が低下し、また
5%未満の場合には、酸素透過性が低下するので好まし
くない。また前記ポリシロキサン誘導体及び芳香族ポリ
アミドの分子量を前記分子量の範囲内でかえることによ
り、得られる前記ブロック共重合体Bにおける前記ポリ
シロキサン誘導体単位の含有率を3〜97%の範囲内で
適宜変えることができる。
調製するには、前記ブロック共重合体Bを適当な溶媒に
溶解して所望のレンズ状、平板状、円盤状等に流延、乾
燥し、そのまま又はコンタクトレンズに切削加工して成
形する方法等により製造することができる。この場合前
記適当な溶媒としては、例えばジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等
が挙げられる。また他の方法としては溶融成形法等、具
体的には例えば前記ブロック共重合体Bを150〜30
0℃の温度範囲で射出成形、押出し後、圧縮機などの加
工機を使用して所望の形状に成形し、そのまま又は切削
加工してコンタクトレンズとする方法等により得ること
もできる。
は、特定の構造単位を有するポリシロキサン−芳香族ポ
リアミド系ブロック共重合体で構成されるので、特に酸
素透過性が150×10~11ml(STP)cm/cm2・
sec・mmHg以上を示し、透明性にも優れており、
かつ強度及び加工性も良好であるので円盤状、棒状等の
種々の形状に容易に成形できる。また組成を変えること
によって、ハードコンタクトレンズ及びソフトコンタク
トレンズのどちらにも使用することができる他、成形法
によっては眼内レンズなどの医療用レンズとして使用す
ることもできる。
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
イソフタル酸クロライド10.15g(50mmo
l)、トリエチルアミン塩酸塩11.01g(80mm
ol)及びクロロホルム80ml(1mol)を0℃で
混合撹拌し、さらにこの混合物に、クロロホルム80m
l(1mol)に溶解した3,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル8.0g(40mmol)及びトリエチルア
ミン塩酸塩11.01g(80mmol)と、クロロホ
ルム80ml(1mol)に溶解させたトリエチルアミ
ン11.16ml(80mmol)とを200ml容量
の滴下ロートを用いて滴下し、0℃にて2時間撹拌しな
がら重合反応を行い、両末端が酸クロライドの重合反応
物を得た。次いで得られた重合反応物に、クロロホルム
80ml(1mol)に溶解させた平均分子量1680
のビス−(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサ
ン16.8g(10mmol)、トリエチルアミン塩酸
塩11.01g(80mmol)及びトリエチルアミン
2.8ml(20mmol)を200ml容量の滴下ロ
ートを用いて滴下し、0℃にて4時間撹拌しながら共重
合反応を行い、共重合体を含む溶液を得た。得られた共
重合体を含む溶液を4リットルのメタノールに添加して
共重合体を析出、濾過した後メタノール、四塩化炭素を
用いて洗浄し、減圧下にて乾燥して、下記構造式化28
(式中mは20、nは4を示す)で表わされる繰り返し
単位を有するポリシロキサン−芳香族ポリアミドブロッ
ク共重合体を得た。得られた共重合体の粘度をジメチル
アセトアミド中、30℃で測定した。その結果を表1に
示す。
となるようにジメチルアセトアミドに溶解した後、キャ
スト法によりコンタクトレンズを作製した。得られたコ
ンタクトレンズの酸素透過性を測定するために、前記共
重合体を溶解したジメチルアセトアミド溶液を用いてキ
ャスト法により厚さ200μmのフィルムを作製し、フ
ィルムの酸素透過性を、製科研式フィルム酸素透過測定
器により、35℃の条件下、0.9重量%生理食塩水を
用いて測定した。結果を表1に示す。
(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンの種類
及び仕込み量を表1に示す値に代えた以外は、実施例1
と同様に重合反応を行なって、前記化28においてm及
びnが表1に示す値であるポリシロキサン−芳香族ポリ
アミドブロック共重合体を得た。得られた共重合体の粘
度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。次
いで実施例1と同様にコンタクトレンズを作製し、また
得られたコンタクトレンズの酸素透過性を、フィルムを
調製して実施例1と同様に評価した。結果を表1に示
す。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルに代えた以外
は、実施例1と同様に行なって下記構造式化29で表わ
されるポリシロキサン−芳香族ポリアミドブロック共重
合体を得た。
と同様に測定した。結果を表1に示す。次いで実施例1
と同様にコンタクトレンズを作製し、また得られたコン
タクトレンズの酸素透過性を、フィルムを調製して実施
例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
1,3−ジアミノベンゼンに代えた以外は、実施例1と
同様に行なって下記構造式化30で表わされるポリシロ
キサン−芳香族ポリアミドブロック共重合体を得た。
と同様に測定した。結果を表1に示す。次いで実施例1
と同様にコンタクトレンズを作製し、また得られたコン
タクトレンズの酸素透過性を、フィルムを調製して実施
例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
タル酸クロライドのみを用いて、仕込み量を表1に示す
値に代えた以外は、実施例1と同様に重合体を得た。得
られた重合体の粘度を実施例1と同様に測定した。結果
を表1に示す。次いで実施例1と同様にフィルムを調製
して酸素透過性を実施例1と同様に評価した。結果を表
1に示す。
用いず、またイソフタル酸クロライドの仕込み量を表1
に示す値に代えた以外は、実施例1と同様に共重合体を
含む溶液を得たが、メタノールを添加しても析出物は得
られなかった。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式化1(式中、R1及びR3は同
一若しくは異なる基であって、二価の芳香族系有機基を
示し、R2は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Y1及
びY2は同一若しくは異なる基であって、炭素数1〜6
のアルキル基、フッ素置換アルキル基又はフェニル基を
示す。またmは10〜200の整数、nは1〜50の整
数、Xは1〜20の整数を示す)で表わされる構造単位
を有するポリシロキサン−芳香族ポリアミド系ブロック
共重合体を含む高酸素透過性コンタクトレンズ。 【化1】
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10320093A JP3246793B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 高酸素透過性コンタクトレンズ |
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JP10320093A JP3246793B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 高酸素透過性コンタクトレンズ |
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JPH06313864A JPH06313864A (ja) | 1994-11-08 |
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Family Applications (1)
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JP10320093A Expired - Fee Related JP3246793B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 高酸素透過性コンタクトレンズ |
Country Status (1)
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JP4547806B2 (ja) * | 1998-08-14 | 2010-09-22 | 日油株式会社 | ポリシロキサン−ポリアミド共重合体、その製造方法及び各種材料 |
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-
1993
- 1993-04-28 JP JP10320093A patent/JP3246793B2/ja not_active Expired - Fee Related
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