JP3245722B2 - 車両用空調装置の等価温度演算装置 - Google Patents

車両用空調装置の等価温度演算装置

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JP3245722B2
JP3245722B2 JP35933592A JP35933592A JP3245722B2 JP 3245722 B2 JP3245722 B2 JP 3245722B2 JP 35933592 A JP35933592 A JP 35933592A JP 35933592 A JP35933592 A JP 35933592A JP 3245722 B2 JP3245722 B2 JP 3245722B2
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明彦 高野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両用空調装置の各
制御機器を制御するために用いられる等価温度を演算す
る車両用空調装置の等価温度演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】国際規格ISO7730によれば、人間
が温熱環境において快適と感じる指標は、気温、輻射
熱、気流速、着衣量などにより数値化ができるとされ、
その指標を空調装置の制御装置に利用したものが、特開
平3−140738号公報に開示されている。
【0003】この引例は、室温、室内の気流速度、室内
の平均輻射温度、室内の湿度、在室者の着衣量、及び在
室者の活動量を検知する各々の検知手段と、検知した各
データから快適指数(本願における等価温度)を算出す
る快適指数算出手段と、この快適指数に基づき空気調和
温度の設定を自動的に変更する設定温度変更手段とを具
備し、これによって室内の温熱環境が変化した場合で
も、快適指数に基づいて空気調和温度の設定が自動的に
変化されるために快適状態を維持可能とするものであ
る。
【0004】また、特開平3−51650号公報におい
ても、快適度(本願における等価温度)を室内温度、湿
度、輻射温度、気流速、着衣量から演算し、この快適度
によって空調関係機器を制御するものが開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述に
引例に開示される空調装置は室内用のものであるため
に、在室者を一体として快適度(以下、等価温度)を演
算しても何ら差し障りはないが、空調装置が乗員の近傍
に配され、直接吹出空気が乗員に当たる車両用空調装置
においては、乗員の空調条件を一体として演算すると、
頭部、胸部、脚部において異なる体感を必要とするにも
関わらず、乗員の体感を一体として制御するためにアン
マッチな温調になるという問題点が発生する。
【0006】そこで、この発明は、最適な乗員の温調環
境を構築するために、制御用等価温度を乗員の各部位の
等価温度から求める車両用空調装置の等価温度演算装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、この発明を図
1において説明すると、環境信号として、少なくとも車
室内温度、外気温度及び日射量を検出する環境信号検出
手段100と、吹出口から吹き出す吹出空気の気流速を
検出する気流速検出手段110と、吹出口から吹き出す
吹出空気の吹出温度を検出する吹出温度検出手段120
と、現状の吹出モードを検出する吹出モード検出手段1
30と、前記環境信号から乗員の着衣量を演算する着衣
量演算手段140と、前記環境信号から車両の車体温度
を演算する車体温度演算手段150と、この車体温度演
算手段150によって演算された車体温度と前記環境信
号に乗員各部位の位置に基づいて重み付けを付加する乗
員各部位重み付け付加手段160と、この乗員各部位重
み付け手段160によって付加された重み付けによって
前記車体温度と前記環境信号から乗員各部位の平均輻射
温度を演算する乗員各部位輻射温度演算手段170と、
前記気流速検出手段110によって検出された気流速
に、前記吹出モード検出手段130によって検出された
吹出モードと乗員各部位の位置に従った重み付けによっ
て乗員各部位の気流速を演算する乗員各部位気流速演算
手段180と、前記乗員各部位輻射温度演算手段170
によって演算された乗員各部位の輻射温度と、前記乗員
各部位気流速演算手段180によっ演算された気流速
と、前記着衣量演算手段140によって演算された着衣
量と、前記吹出温度検出手段120によって検出された
吹出温度とによって乗員各部位の等価温度を演算する乗
員各部位等価温度演算手段190と、この乗員各部位等
価温度演算手段190によって演算された各部位の等価
温度を、乗員各部位の位置による重み付けによって演算
し、制御用の等価温度を演算する制御用等価温度演算手
段195とを具備することにある。
【0008】
【作用】したがってこの発明においては、環境信号検出
手段100によって検出された環境信号から車体温度演
算手段150において車体温度を演算し、この車体温度
と前記環境信号に乗員各部位重み付け手段160によっ
て乗員の各部位の位置における重み付けを付加し、この
重み付けが付加された前記車体温度と前記環境信号から
乗員各部位輻射温度演算手段170において乗員各部位
の平均輻射温度を演算する。また、気流速検出手段11
0において検出された気流速と、吹出モード検出手段1
30によって検出された吹出モード及び乗員各部位の位
置による重み付けから、乗員各部位気流速演算手段18
0において乗員各部位の気流速が演算され、前記乗員各
部位の平均輻射温度、前記乗員各部位の気流速、着衣量
演算手段140によって演算された着衣量、吹出温度検
出手段120によって演算された吹出温度から、乗員各
部位等価温度演算手段190によって乗員各部位の等価
温度が演算される。さらに、この乗員各部位の等価温度
から制御用等価温度演算手段195によって制御用等価
温度が演算され、制御用等価温度に乗員各部位の等価温
度が加味される事となるために、乗員の各部位の体感に
あった空調制御が可能となるために上記課題が達成でき
るものである。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面により
説明する。
【0010】図2において示す車両用空調装置は、空調
ダクト1の最上流に内気導入口2と外気導入口3が設け
られ、この内気導入口2と外気導入口3を適宜選択して
開口するインテークドア4が設けられている。このイン
テークドア4の下流には、送風機5が設けられ、この送
風機5の下流には膨張弁6、図示しないコンプレッサ、
コンデンサ等と直列に配管結合されて冷房サイクルを構
成するエバポレータ7が配されている。このエバポレー
タ7に下流には、熱源として、例えば図示しない走行用
エンジンの冷却水が流量制御弁8を介して流入するヒー
タコア9が配され、このヒータコア9の上流側には、こ
のヒータコア9を通過する空気量を調節するエアミック
スドア10が設けられている。
【0011】空調ダクト2の最下流にはデフ吹出口1
1、ベント吹出口12、フット吹出口13が開口してお
り、この各吹出口11,12,13にはこの各吹出口1
1,12,13を適宜開口するモードドア14が設けら
れている。
【0012】以上の構成の車両用空調装置において、送
風機5の稼動により内気導入口2若しくは外気導入口3
から吸入された空気は、エバポレータ7を通過すること
によって所定の温度に冷却され、エアミックスドア10
の開度によってヒータコア9を通過する空気と迂回する
空気に分割される。これによって、ヒータコア9を迂回
した冷却されたままの空気とヒータコア9を通過して加
熱された空気は、ヒータコア9の下流側で混合されて所
望の温度に温調された空気となり、モードドア14によ
って選択された吹出口より車室内に吹き出し、車室内を
温調するものである。
【0013】この車両用空調装置を制御するために、少
なくとも中央演算処理装置(CPU)、ランダムアクセ
スメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、入出
力ポート(I/O)等からなるそれ自体公知のマイクロ
コンピュータ15が設けられており、このマイクロコン
ピュータ15には、環境信号検出手段100としての車
室内温度を検出する車室内温度センサ21、外気温度を
検出する外気温度センサ22及び日射量を検出する日射
センサ23、吹出空気温度検出手段120としての吹出
口11,12,13から吹き出す吹出空気の温度を検出
する吹出温度センサ24、吹出モード検出手段130と
してのモードドア14を駆動するアクチュエータ30に
取付られ、吹出モードを検出するためにモードドアの位
置を検出するポテンショメータ25からの信号が、マル
チプレクサ(MPX)16、A/D変換器17を介して
入力され、さらに図示しない各種設定スイッチ(ON/
OFFスイッチ、AUTOスイッチ、温度設定スイッ
チ、送風機設定スイッチ、モード設定スイッチ等)及び
表示部からなる操作パネル26からの設定信号が入力さ
れるものである。
【0014】このマイクロコンピュータ15においては
所定のプログラムに従って前記入力信号及び設定信号が
処理され制御信号として駆動回路27a,27b,27
c,27dを介して各空調制御機器を制御するものであ
る。尚、この空調制御機器は、例えばインテークドア4
を駆動するアクチュエータ28、エアミックスドア10
を駆動するアクチュエータ29、モードドア14を駆動
するアクチュエータ30、送風機のモータ31及び図示
しないコンプレッサ等を指すものである。
【0015】以下、このマイクロコンピュータ15にお
いて実行される処理を示すフローチャートにしたがって
説明する。
【0016】図3に示すフローチャートは、車両用空調
制御装置のメイン制御ルーチンを示すもので、処理の開
始によりステップ200から開始されるものである。
【0017】ステップ300においては、前記車室内温
度センサ21からの車室内温度信号Tinc 、前記外気温
度センサ22からの外気温度信号Tamb 、日射センサ2
3からの日射量信号Qsn、ベント吹出温度センサ24a
からの吹出温度信号Tair 、フット吹出温度センサ24
bからの吹出温度信号Tair f 、ポテンショメータ25
からの吹出モード信号Tmode、及び送風機5に供給され
るファン電圧Vfan ref が少なくとも入力されるもので
ある。
【0018】ステップ400においては、図5に示す特
性線図に基づき外気温度Tamb から着衣量Iclが演算さ
れる(着衣量演算手段150)。この着衣量Iclは、外
気温度Tamb が温度γ1 (例えば−30℃)以下の時に
最大値β1 となり、温度γ2(例えば、30℃)以上の
場合には最低値β2 となり、その間(γ1 〜γ2 )の間
は、β1 〜β2 に向かってリニアに漸減するように設定
されているものである。
【0019】尚、この実施例においては、着衣量Iclを
外気温度Tamb のみから演算したが、日射量Qsn、車室
内温度Tinc を加味して求めることもできるものであ
る。例えば、日射が強い場合には着衣量Iclを日射量Q
snに比して小さく設定するようにしても良いし、車室内
温度Tinc が高い場合には、乗員が室内で上着を脱ぐ可
能性があるとして所定値下げることも可能である。
【0020】前記ステップ400において着衣量Iclが
演算された後、ステップ500においては、図4で示す
等価温度演算ルーチンが開始され、ステップ510にお
いて下記する数式1に示される基本式(微分方程式)に
より車体温度(車体内壁温度)Tb が演算される(車体
温度演算手段140)。
【0021】
【数1】M*dTb /dT=a1 *{dQsn−b1 *
(Tb −Tamb )−N1 *(Tb−Tinc )}
【0022】尚、M,a1 ,b1 ,N1 は演算定数であ
る。
【0023】ステップ520においては、変数nに初期
値“1”を設定し、ステップ530において、演算定数
1 ,K2 ,K3 で示される重み付けの設定を行う。図
6に示す表において、先ず変数nが“1”である場合に
は、乗員の各部位の内、頭部(Head)の位置の重み
付けが例えば、K1 は0.1、K2 は0.5、K3 は前
記吹出モード信号Tmodeがベントモード(VENT)の
場合は0.8、バイレベル(BI/L)の場合は0.
3、ヒートモード(HEAT)の場合は0.1と設定さ
れ、同様に下記するステップ570において加算され、
変数nが“2”になった場合には胸部(Chest)の
位置の重み付けが、変数nが“3”の場合には脚部(F
oot)の位置の重み付けが設定されるものである。
【0024】これによって重み付けが設定されると、ス
テップ540においては、下記する数式2により平均輻
射温度Trad(n)が演算される(乗員各部位輻射温度演算
手段160)。
【0025】
【数2】Trad(n)=K1 *Tb +K2 *Qsn
【0026】尚、Trad(1)は頭部平均輻射温度、Trad
(2)は胸部平均輻射温度、Trad(3)は脚部平均輻射温度
を示すものである。これによって、変数nが“1”の場
合には、頭部平均輻射温度Trad(1)を演算するために、
車体温度Tb の影響を小さく、日射量Qsnの影響は大き
いとして、例えばK1 に0.1、K2 に0.5を設定し
て演算し、変数nが“2”の場合には脚部平均輻射温度
Trad(3)を演算するために、車体温度Tb と日射量Qsn
の影響を同一してK1 に0.3、K2 に0.3を設定し
て演算し、さらに変数nが“3”の場合には脚部平均輻
射温度Trad(3)を演算するために、車体温度Tb の影響
が大きく、日射量Qsnの影響が小さいとしてK1 に0.
5、K2 に0.1を設定して演算するものである。
【0027】ステップ550においては乗員各部位の気
流速Va(n)が下記する数式3によって演算される(重み
付け付加手段170)。
【0028】
【数3】Va(n)=K3 *Va ref
【0029】尚、Va refは、下記するファジー推論部
900によって演算された気流速である(気流速検出手
段110)。この実施例においては演算により気流速を
求めたが、吹出口11,12,13近傍に風速計を配
し、この風速計から直接風速を検出してもよいものであ
る。
【0030】また、Va(1)は頭部気流速を示し、Va(2)
は胸部気流速を示し、Va(3)は脚部気流速を示すもので
ある。頭部気流速Va(1)は、例えばK3 の値がベント吹
出モードの場合には0.8、バイレベルモードの場合に
は0.3、ヒートモードの場合には0.1と設定され、
上吹出のベントモードの場合には影響が大きく、下吹出
のヒートモードの場合には影響が小さくなるように演算
されるものである。また、胸部気流速Va(2)は、バイレ
ベルモード時に最大となるようにK3 の値を設定して演
算され、さらに脚部気流速Va(3)はヒートモード時に最
大となるようにK3 の値を設定して演算されるものであ
る。これによって、気流速は、吹出モード及び乗員の部
位による重み付けによって影響力を設定されて演算され
るものである。
【0031】ステップ560においては乗員各部位の等
価温度Teq(n) が下記する数式4により演算されるもの
である(乗員各部位等価温度演算手段180)。
【0032】
【数4】Teq(n) =A*Tair +B*{Trad(n)+(C
−D*Va(n)1/2 )}*(E−Tair )/(1+Icl)
【0033】尚、A,B,C,D,Eは演算定数であ
り、Teq(1) は頭部等価温度、Teq(2) は胸部等価温
度、Teq(3) は脚部等価温度を示すものである。これに
よって、頭部等価温度Teq(1) は、吹出温度Tair 、頭
部平均輻射温度Trad(1)、頭部気流速Va(1)、着衣量I
clによって演算されるもので、同様に胸部等価温度Teq
(2) 、脚部等価温度Teq(3) が順次演算されるものであ
る。
【0034】ステップ570においては、変数nの値を
1増やし(n+1を代入)、ステップ580においてこ
の変数nの値が“4”であるか否かを判定して、変数n
が“2”若しくは“3”の場合にはステップ530から
ステップ560の処理を繰り返すようにし、頭部等価温
度Teq(1) 、胸部等価温度Teq(2) 、及び脚部等価温度
Teq(3) を順次演算するものである。これによって、脚
部等価温度Teq(3) が演算された後は、ステップ570
において変数nの値が“4”に設定されるために、ステ
ップ580の判定によってステップ590に進むもので
ある。
【0035】このステップ590においては、前記頭部
等価温度Teq(1) 、胸部等価温度Teq(2) 、及び脚部等
価温度Teq(3) を下記する数式5によって直接風を受け
る部分の等価温度Teq Airを演算(制御用等価温度演算
手段190)し、ステップ600からメイン制御ルーチ
ンに復帰するものである。
【0036】
【数5】Teq Air=K5 *Teq(1) +K6 *Teq(2) +
7 *Teq(3)
【0037】尚、K5 ,K6 ,K7 は、各部位の重み付
けを行う演算定数である。
【0038】したがって、乗員の各部位の等価温度から
直接風を受ける部分の等価温度TeqAirが演算され、こ
の等価温度によって各空調制御機器が制御されるため
に、乗員の要求にあったきめの細かいより快適な空調環
境が得られるものである。
【0039】また、上述の車両用空調装置とは別の上下
独立温調を行うことのできる空調装置においては、前記
頭部等価温度Teq(1) を上部制御用等価温度として設定
し、さらに前記脚部等価温度Teq(3) を下部制御用等価
温度として設定することによってより快適な上下独立温
調の制御を行うことができるものである。
【0040】ステップ700において実行される空調機
器制御は、例えば図7のフローチャート図及び図8のブ
ロック図に示すもので、以下このフローチャートの空調
機器制御サブルーチン及びブロック図に従って説明す
る。尚、前記頭部等価温度Teq(1) 及び前記脚部等価温
度Teq(2) によって上下独立温調を行なう場合において
は、各々をTeq Airとして処理するものである。
【0041】ステップ701においては、車体外壁温度
Tb out を下記する数式6に示す微分方程式によって演
算する。尚、この車体外壁温度Tb out に対して、前記
Tbは車体内壁温度に相当するものである。
【0042】
【数6】M*dTb out /dT=a2 *{dQsn−b2
*(Tb out −Tamb )−N2 *(Tb out −Tinc
)}
【0043】尚、M,a2 ,b2 ,N2 は演算定数であ
る。
【0044】ステップ702においては、下記する数式
7において直接空気の当たらない部分の等価温度Teq R
oom を演算する。
【0045】
【数7】Teq Room =P1*Tinc +P2*Trad
【0046】尚、P1,P2は演算定数であり、Trad
はこの実施例おいてはTrad(1), Trad(2), 及びTrad
(3)の平均 [Trad={Trad(1)+Trad(2)+Trad(3)}
/3〕を示すものである。
【0047】ステップ703においては、ファジー制御
を行なうための前処理が行なわれる。この前処理におい
て、ΔTeqを下記する数式8により演算する。
【0048】
【数8】ΔTeq=Teq ref m+Teq add+Teq Room
【0049】尚、Teq ref mは設定温度から求められた
設定等価温度、Teq addはファジー(FAZZY)推論
部900からフィードバックされた目標修正量である。
【0050】また、ステップ703の前処理において
は、ファジー推論部900に入力される各入力信号、例
えば前記ΔTeq、このΔTeqを図8に示すブロック90
1で微分して求めたdΔTeq/dT、車体外壁温度Tb
out 、車室内温度Tint 、直接風を受ける部分の等価温
度Teq Air、前記設定等価温度Teq ref mからボックス
902(Teq ref m−25)によって演算された等価温
度Teq ref、ベント吹出温度Tair 及びフット吹出温度
Tair f から演算された実吹出温度Tair act 、及びフ
ィードバックされた送風機のモータ31を駆動する補正
前の駆動電圧信号Va ref'(Va ref'=Va low +Va
up+Va low water )に、所定のゲインG1〜G8を乗
じて各入力信号を−1〜+1の範囲で正規化するもので
ある。
【0051】ステップ703において正規化された信号
は、ファジー推論部900に入力され、ステップ704
においてファジー制御値が演算される。このファジー制
御は、例えば図9に示すメンバーシップ関数によって得
られる各要素の適合値を所定のルールに従って直積して
各ファジー数FZY y 0 〜6 を求める公知のものである。
【0052】これによって求められた各ファジー数FZY
y 0 〜6 は、所定のゲインG10〜G16を乗じられた
後、ステップ705において後処理がなされる。
【0053】この後処理において、ファジー出力FZY y
6 にゲインG10が乗じられた信号は、前記目標修正値
Teq addとしてフィードバックされ、ファジー出力FZY
y 1にゲインG11が乗じられた信号Tair S(n)及びFZY
y 2 にゲインG12が乗じられた信号Tair add か
ら、下記する数式9及び数式10によって目標吹出温度
信号Tair ref が演算される。
【0054】
【数9】Tair S(n)=Tair S(n-1)+{FZY y 0'(n) +
FZY y 0'(n-1) }*Ts/2Ti
【0055】尚、FZY y 0'は、FZY y 0 *G11によっ
て演算されたFUZZY出力速度型のファジー制御値で
あり、Tsはサンプリング時間、Tiは積分定数を示す
ものである。
【0056】
【数10】Tair ref =Tair S +Tair add
【0057】尚、Tair add は、FZY y 1 *G12によ
って求められた目標吹出温度信号Tair ref の位置型出
力信号である。
【0058】また、ステップ705の後処理において
は、送風機(FAN)の低風量時(LOW風量時)のフ
ァジー出力FZY y 2 (基本パターン1)、ΔTeqによる
風量アップによるファジー出力FZY y 3 (基本パターン
2)、低水温起動に係るファジー出力FZY y 4 、及び騒
音補正に係るファジー出力FZY y 5 から、目標気流速V
a ref を下記する数式11によって演算する。
【0059】
【数11】Va ref =Va low +Va up+Va low wate
r −Va HOSEI
【0060】尚、Va low はG13*FZY y 2 によって
演算され、Va upはG14*FZY y3 によって演算さ
れ、VA low water はG15*FZY y 4 によって演算さ
れ、Va HOSEI はG16*FZY y 5 によって演算される
ものである。
【0061】ステップ706において行なわれるエアミ
ックスドア制御(MIX DOOR制御)は、例えば図
10のブロック図に示すもので、基本的には前記ステッ
プ705で演算された目標吹出温度Tair ref と実吹出
温度Tair act との差ΔTair によってPI制御される
ものである。
【0062】実吹出温度Tair act は、ボックス906
において前記吹出モード信号Tmodeに基づいてベント吹
出温度Tair 及びフット吹出温度Tair f から演算され
るもので、具体的には、ベントモード(VENT)時に
はベント吹出温度Tair が実吹出温度Tair act として
設定され、バイレベルモード(BI−L)時には(Tai
r +Tair f)/2によって実吹出温度Tair act として
設定され、フットモード(FOOT)時にはフット吹出
温度Tair f が実吹出温度Tair act として設定される
ものである。
【0063】また、結合子911においては、前記実吹
出温度Tair act と前記目標吹出温度Tair ref との差
ΔTair が演算(ΔTair =Tair ref −Tair act )
され、この差ΔTair に基づいてボックス904及びボ
ックス905においてMIXDOORの積分制御量PBR
i 及び比例制御量PBR p が演算されるものである。さら
に、ボックス903において、車室内温度Tint によっ
て選択された特性線に基づいて目標吹出温度Tair efか
ら制御量PBR map が演算され、結合子912において加
算された前記積分制御量PBR i 及び比例制御量PBR p の
値に、結合子913において加算されてPBR(エアミ
ックスドア)目標値PBR ref が演算(PBR ref =PBR i
+PBR p +PBR map )されるものである。
【0064】ボックス907においては、結合子914
において減算されて求められた前記PBR目標値PBR re
f と実PBR開度PBR act との差ΔPBR が判定され、こ
れによって演算された制御量に従って図3のステップ8
00に示す出力が駆動回路27cに出力され、エアミッ
クスドア(PBR)10が所定の位置にくるようにアク
チュエータ29が制御されるものである。尚、ボックス
907のマップは所定値においてヒステリシスが形成さ
れており、エアミックスドアの駆動時におけるハンチン
グ等を防止するようになっている。
【0065】ステップ707におけるFAN制御は、例
えば図11に示すもので、吹出モード信号Tmodeに基づ
いて選択された特性線に基づき目標気流速Va ref から
目標ファン電圧Vfan ref が演算される。この目標ファ
ン電圧Vfan ref は、DA変換器910を介して駆動回
路27bに出力され、送風機のモータ31を制御するも
のである。
【0066】ステップ708におけるモードドア(MO
DE DOOR)14の制御は、図12に示す特性に従
って目標吹出温度Tair ref により設定されるものであ
る。
【0067】さらに、ステップ709における吸入モー
ド(INTAKE DOOR制御)の制御は、図13に
示す特性に従って目標吹出温度Tair ref により設定さ
れるものである。
【0068】これによって、各空調機器の制御が行なわ
れ、ステップ710からメイン制御ルーチンに復帰し、
ステップ300に回帰して上記制御が繰り返されるもの
である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、この発明において
は、乗員の各部位、頭部、胸部及び脚部の等価温度をそ
れぞれ独立して演算し、この各部位の等価温度から演算
用の等価温度を演算するようにしたために、より乗員の
体感に近い温調を達成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示した機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る車両用空調装置の構成説
明図である。
【図3】マイクロコンピュータで実行されるメイン制御
ルーチンを示したフローチャート図である。
【図4】本発明の実施例に係る等価温度演算ルーチンを
示したフローチャート図である。
【図5】着衣量演算のための特性線図である。
【図6】各部位及び吹出モードによる各演算定数の重み
付けの一例を示した表である。
【図7】空調機器制御のサブルーチンを示したフローチ
ャート図である。
【図8】ファジー制御を示した機能ブロック図である。
【図9】ファジー制御におけるメンバーシップ関数を示
した特性線図である。
【図10】エアミックスドア制御を示した機能ブロック
図である。
【図11】FAN制御を示した機能ブロック図である。
【図12】吹出モード制御を示した特性線図である。
【図13】インテークドア制御を示した特性線図であ
る。
【符号の説明】
1 空調ダクト 4 インテークドア 5 送風機 7 エバポレータ 9 ヒータコア 10 エアミックスドア 14 モードドア 21 車室内温度センサ 22 外気温度センサ 23 日射量センサ 24a,24b 吹出空気温度センサ 25 ポテンショメータ 26 操作パネル
フロントページの続き (72)発明者 藤森 恭一 埼玉県東松山市箭弓町3丁目13番26号 株式会社ゼクセル 東松山工場内 (72)発明者 佐々木 陽子 埼玉県東松山市箭弓町3丁目13番26号 株式会社ゼクセル 東松山工場内 (56)参考文献 特開 平3−51650(JP,A) 特開 昭63−74709(JP,A) 特開 平2−189224(JP,A) 特開 平6−48156(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環境信号として、少なくとも車室内温
    度、外気温度及び日射量を検出する環境信号検出手段
    と、吹出口から吹き出す吹出空気の気流速を検出する気
    流速検出手段と、吹出口から吹き出す吹出空気の吹出温
    度を検出する吹出温度検出手段と、現状の吹出モードを
    検出する吹出モード検出手段と、前記環境信号から乗員
    の着衣量を演算する着衣量演算手段と、前記環境信号か
    ら車両の車体温度を演算する車体温度演算手段と、この
    車体温度演算手段によって演算された車体温度と前記環
    境信号に乗員各部位の位置に基づいて重み付けを付加す
    る乗員各部位重み付け付加手段と、この乗員各部位重み
    付け手段によって付加された重み付けによって前記車体
    温度と前記環境信号から乗員各部位の平均輻射温度を演
    算する乗員各部位輻射温度演算手段と、前記気流速検出
    手段によって検出された気流速に、前記吹出モード検出
    手段によって検出された吹出モードと乗員各部位の位置
    に従った重み付けによって乗員各部位の気流速を演算す
    る乗員各部位気流速演算手段と、前記乗員各部位輻射温
    度演算手段によって演算された乗員各部位の輻射温度
    と、前記乗員各部位気流速演算手段によっ演算された気
    流速と、前記着衣量演算手段によって演算された着衣量
    と、前記吹出温度検出手段によって検出された吹出温度
    とによって乗員各部位の等価温度を演算する乗員各部位
    等価温度演算手段と、この乗員各部位等価温度演算手段
    によって演算された各部位の等価温度を、乗員各部位の
    位置による重み付けによって演算し、制御用の等価温度
    を演算する制御用等価温度演算手段とを具備することを
    特徴とする車両用空調装置の等価温度演算装置であっ
    て、 前記車体温度演算手段が、日射量Qsn、外気温度Tamb
    、車室内温度Tinc の環境信号から、 M*dTb /dT=a*{dQsn−b*(Tb−Tamb
    )−K*(Tb−Tinc)} で示される微分方程式(M,a,b,Kは演算定数)に
    よって車体温度Tbを演算することを特徴とするもの。
  2. 【請求項2】 環境信号として、少なくとも車室内温
    度、外気温度及び日射量を検出する環境信号検出手段
    と、吹出口から吹き出す吹出空気の気流速を検出する気
    流速検出手段と、吹出口から吹き出す吹出空気の吹出温
    度を検出する吹出温度検出手段と、現状の吹出モードを
    検出する吹出モード検出手段と、前記環境信号から乗員
    の着衣量を演算する着衣量演算手段と、前記環境信号か
    ら車両の車体温度を演算する車体温度演算手段と、この
    車体温度演算手段によって演算された車体温度と前記環
    境信号に乗員各部位の位置に基づいて重み付けを付加す
    る乗員各部位重み付け付加手段と、この乗員各部位重み
    付け手段によって付加された重み付けによって前記車体
    温度と前記環境信号から乗員各部位の平均輻射温度を演
    算する乗員各部位輻射温度演算手段と、前記気流速検出
    手段によって検出された気流速に、前記吹出モード検出
    手段によって検出された吹出モードと乗員各部位の位置
    に従った重み付けによって乗員各部位の気流速を演算す
    る乗員各部位気流速演算手段と、前記乗員各部位輻射温
    度演算手段によって演算された乗員各部位の輻射温度
    と、前記乗員各部位気流速演算手段によっ演算された気
    流速と、前記着衣量演算手段によって演算された着衣量
    と、前記吹出温度検出手段によって検出された吹出温度
    とによって乗員各部位の等価温度を演算する乗員各部位
    等価温度演算手段と、この乗員各部位等価温度演算手段
    によって演算された各部位の等価温度を、乗員各部位の
    位置による重み付けによって演算し、制御用の等価温度
    を演算する制御用等価温度演算手段とを具備することを
    特徴とする車両用空調装置の等価温度演算装置であっ
    て、 前記乗員各部位輻射温度演算手段が、前記車体温度Tb
    及び日射量Qsnから、 Trad =K1 *Tb+K2 *Qsn で示される演算式(K1 ,K2 は演算定数)によって平
    均輻射温度Trad を演算することを特徴とするもの。
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