JP3244029B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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JP3244029B2 JP20752697A JP20752697A JP3244029B2 JP 3244029 B2 JP3244029 B2 JP 3244029B2 JP 20752697 A JP20752697 A JP 20752697A JP 20752697 A JP20752697 A JP 20752697A JP 3244029 B2 JP3244029 B2 JP 3244029B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイス等に
用いるプラズマディスプレイパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】以下では、従来のプラズマディスプレイ
パネルについて図面を参照しながら説明する。
【0003】図2は交流型(AC型)のプラズマディス
プレイパネルの概略を示す断面図である。図2におい
て、41はフロントカバープレート(前面ガラス基板)
であり、この前面ガラス基板41上に表示電極42が形
成されている。さらに、表示電極42が形成されている
フロントカバープレート41は、誘電体ガラス層43及
び酸化マグネシウム(MgO)誘電体保護層44により
覆われている(例えば特開平5−342991号公報参
照)。
【0004】また、45は背面ガラス基板(バックプレ
ート)であり、この背面ガラス基板45上には、アドレ
ス電極46および隔壁47、蛍光体層48が設けられて
おり、49が放電ガスを封入する放電空間となってい
る。前記蛍光体層48はカラー表示のために、赤50、
緑51、青52の3色の蛍光体層が順に配置されてい
る。上記の各蛍光体層48は、放電によって発生する波
長の短い紫外線(波長147nm)より励起発光する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】プラズマディスプレイ
パネル用の蛍光体としては、赤、緑、青の各色について
数種類の蛍光体が検討されているが、現在までのとこ
ろ、いずれの材料においても、緑が最も輝度が高く、青
が低くなっている。たとえば、赤色蛍光体としてYBO
3:Eu、緑色蛍光体としてZnSiO4:Mn、青色蛍
光体としてBaMgAl1017:Euを用いた場合、各
色の輝度比は、約赤:緑:青=2:3:1となる。前記
のような条件で、3色を同時に発光させたときに現れる
白色は、バランスが悪く、色温度が5000度程度と低
くなる。したがって従来のプラズマディスプレイパネル
では、輝度の高い緑色蛍光体の発光を回路上で抑えて白
バランスを改良し色温度を高めている。しかしこの場合
は、輝度を抑えた分だけ、プラズマディスプレイパネル
が暗くなるという課題が発生する。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明のプラズマディ
スプレイパネルの製造方法は、上記した課題(各色の輝
度の違いによる白バランスの悪化)を解決するために、
バックプレートに隔壁を配置する工程と、前記配置され
た隔壁間ごとに赤、緑、青の各色の蛍光体層を形成する
工程と、フロントカバープレートと、隔壁間ごとにバッ
クプレートとを張り合わせる工程と、前記フロントカバ
ープレート、前記バックプレート及び前記隔壁により形
成された空間に放電可能なガス媒体を封入する工程を含
むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前
記隔壁をバックプレートに配置する工程では、発光面積
が同じ、赤、緑、青各色の蛍光体層を発光させた場合の
それぞれの光束量をl a 、l b 、l c とし、a×l a 、b×
b 、c×l c (a、b、cそれぞれは、赤、緑、青各色
の隔壁間隔の比a:b:cを表す係数)から決まる色温
度が9000度以上となるように前記隔壁間隔の比a:
b:cを算出し、前記青、赤の蛍光体層が配置される隔
壁間隔を緑の蛍光体層が配置される隔壁間隔よりも広
く、青の蛍光体層が配置される隔壁間隔を緑の蛍光体層
が配置される隔壁間隔に対してc/b倍よりも小さく、
かつ、赤の蛍光体層が配置される隔壁間隔を緑の蛍光体
層が配置される隔壁間隔に対してa/b倍よりも小さく
させて色温度を調整することを特徴とする。
【0007】前記構成において、隔壁間隔を、緑、赤、
青の順で広くすることが好ましい。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態における
プラズマディスプレイパネルについて図面を参照しなが
ら説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施の形態における交
流面放電型プラズマディスプレイパネルの概略を示す断
面図である。
【0013】図1において、11はフロントカバープレ
ートである前面ガラス基板であり、この前面ガラス基板
11上に表示電極となる銀電極12が形成されている。
さらに、銀電極12が形成されているフロントカバープ
レート11は、誘電体ガラス層13及び例えば(10
0)面に配向した酸化マグネシウム(MgO)誘電体保
護層14により覆われている。
【0014】また、15は背面ガラス基板(バックプレ
ート)であり、この背面ガラス基板15上には、アドレ
ス電極16および隔壁17、蛍光体層が設けられてお
り、前記蛍光体層はカラー表示のために、赤、緑、青の
3色の各蛍光体層18,19,20が順に配置されてい
る。上記各蛍光体層は、放電によって発生する波長の短
い紫外線(波長147nm)より励起発光する。さら
に、プレート間には、放電ガスを封入する放電空間21
が形成されている。
【0015】以上のように構成されたプラズマディスプ
レイパネルについてさらに詳しく説明する。
【0016】まず、前面ガラス基板11上にスクリーン
印刷後焼成することによって銀電極12を形成し、この
上に75重量%の酸化鉛(PbO)、15重量%の酸化
硼素(B23)、10重量%の酸化硅素(SiO2)から
成る鉛系の誘電体ガラス層13をスクリーン印刷後焼成
を行って、約20μmの膜厚に形成した。
【0017】次に上記の誘電体ガラス層13上にCVD
法(化学蒸着法)にて1.0μmの酸化マグネシウム
(MgO)の保護層14を形成した。このMgO膜のX
線解析を行なった結果、この膜は(100)面に配向し
ていることがわかった。
【0018】次に図1を用いて、背面パネルの作成方法
を述べる。図1において、背面ガラス基板15上にスク
リーン印刷後焼成することによって得られた銀電極(ア
ドレス電極)16と同じくスクリーン印刷をくり返し行
なった後焼成することによって得られた高さ0.15m
mのガラス製の隔壁17を作成する。
【0019】隔壁17間には、図1に示すように、左か
ら赤18、緑19、青20の順に蛍光体層を形成する
が、隔壁間隔は赤色部が0.153mm、緑色部が0.
133mm、青色部が0.164mmとした。
【0020】蛍光体の塗布は、赤色蛍光体である(Yx
Gd1-x)BO3:Eu3+、緑色蛍光体であるZn2SiO
4:Mn及び青色蛍光体であるBaMgAl1017:E
2+粉末をそれぞれ、10%のエチルセルローズを含む
α−ターピネオールを用い、スクリーン印刷用ペースト
状にし、スクリーン印刷法にて隔壁内に3色の蛍光体を
それぞれ印刷し、500℃で焼成後、蛍光体層18,1
9,20を形成する。
【0021】次に、この蛍光体層が設けられた背面ガラ
ス基板15を、封着用ガラスを用いて前面パネルと張り
合せ放電ガス封入の前に放電空間部21を8×10-7
orrの真空度に排気し、放電空間部内に5%キセノン
(Xe)ガスを含むヘリウム(He)ガスを放電ガスと
して500Torr封入し、交流面放電型プラズマディ
スプレイを形成した。
【0022】次に、このパネル全面を放電維持電圧15
0V周波数30KHzで放電させた時、パネルの輝度は
450cd/m2、白色表示の色温度は約11000度
であった。
【0023】尚、前記蛍光体を用いて、同じ作製プロセ
スで、隔壁間隔を赤色部、緑色部および青色部ともに
0.15mmとして均一にして作製したプラズマディス
プレイパネルを用いて、放電維持電圧150V周波数3
0KHzで全面放電させた時、パネルの輝度は480c
d/m2であった。
【0024】また、このパネルでは緑色の発光が他の色
よりも強いため、白色表示の色温度は約5000度であ
った。テレビ画像を表示する場合、白色表示の色温度と
しては、9000度以上が望ましい。したがって、隔壁
等間隔のパネルで9000度以上の色温度を実現するた
めには、意図的に緑色の輝度を落とす必要がある。前記
パネルでは、緑色の発光時間を調整することで輝度を約
65%にし、また同様に赤色の輝度を90%程度にする
ことで色温度が約11000度となった。
【0025】しかしこの場合、緑、赤の輝度を調整した
影響で、全体のパネル輝度が約390cd/m2と調整
前の80%程度に低下した。
【0026】これに対し、本実施の形態のように、隔壁
間距離を調整することで色温度調整をしたパネルでは、
輝度が450cd/m2 であり、大きな輝度劣化を防ぐ
ことができた。
【0027】なお、使用する蛍光体としては、上記以外
にも赤色としてY23:EuやYBO3:Eu等、緑色
としてBaAl1219:Mn,BaMgAl1423:M
n等、青色としてCaWO4:Pb等の真空紫外線で励
起可能な蛍光体を用いることが可能である。
【0028】また、プラズマ中から発生する真空紫外線
は放電空間が大きくなるほど効率よく発生する。したが
って、隔壁間隔を変えた場合、隔壁間に形成された各色
の蛍光体層の発光する光束量は単純に面積には比例しな
い。従って、発光面積が同じ場合の各色の光束がla
b、lcの場合、実現したい色温度が計算上、前記各光
束にそれぞれ特定の係数a,b,cを掛けて、ala
blb、clcから求められる場合でも、前記各色の蛍光
体層を配置すべき各隔壁間隔の比は、前記各色の特定の
係数の比a:b:cよりも小さくする必要がある。
【0029】本実施の形態の場合は、隔壁間隔が等間隔
のときの赤、緑、青の各蛍光体層の光束量la(赤)、
b(緑)、lc(青)に対して、a:b:cを約1.
3:1:1.5とすれば計算上白色の色温度が1100
0度となるが、パネルの隔壁間隔の比をこの値にする
と、色温度は11000度以上になり、一方、輝度低下
が大きくなった。この場合、本実施の形態のように隔壁
間隔の比を約1.15:1:1.23にすることで、輝
度を大きく落とすことなく11000度を実現すること
ができた。
【0030】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明による各
色蛍光体層の隔壁間隔調整は、輝度を大きく劣化させる
ことなく、色温度を調整することができ、高輝度、高発
光効率のプラズマディスプレイパネルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプ
レイパネルの断面図
【図2】従来の交流型のプラズマディスプレイパネルの
概略断面図
【符号の説明】
11 前面ガラス基板(フロントカバープレート) 12 銀電極 13 誘電体ガラス層 14 (100)配向面誘電体保護層 15 背面ガラス基板(バックプレート) 16 アドレス電極(銀電極) 17 隔壁 18 蛍光体層(赤) 19 蛍光体層(緑) 20 蛍光体層(青) 21 放電空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−115466(JP,A) 特開 平11−45662(JP,A) 特開 平10−308179(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 11/00 - 11/04 H01J 17/00 - 17/06 H01J 17/49

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バックプレートに隔壁を配置する工程
    と、 前記配置された隔壁間ごとに赤、緑、青の各色の蛍光体
    層を形成する工程と、 フロントカバープレートと、隔壁間ごとにバックプレー
    トとを張り合わせる工程と、 前記フロントカバープレート、前記バックプレート及び
    前記隔壁により形成された空間に放電可能なガス媒体を
    封入する工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造
    方法であって、 前記隔壁をバックプレートに配置する工程では、 発光面積が同じ、赤、緑、青各色の蛍光体層を発光させ
    た場合のそれぞれの光束量をl a 、l b 、l c とし、a×
    a 、b×l b 、c×l c (a、b、cそれぞれは、赤、
    緑、青各色の隔壁間隔の比a:b:cを表す係数)から
    決まる色温度が9000度以上となるように前記隔壁間
    隔の比a:b:cを算出し、 前記青、赤の蛍光体層が配置される隔壁間隔を緑の蛍光
    体層が配置される隔壁間隔よりも広く、青の蛍光体層が
    配置される隔壁間隔を緑の蛍光体層が配置される隔壁間
    隔に対してc/b倍よりも小さく、かつ、赤の蛍光体層
    が配置される隔壁間隔を緑の蛍光体層が配置される隔壁
    間隔に対してa/b倍よりも小さくさせて色温度を調整
    することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記隔壁間隔を、緑、赤、青の順で広く
    することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプ
    レイパネルの製造方法。
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