JP3264239B2 - 蛍光体材料とその製造方法、蛍光体膜 - Google Patents

蛍光体材料とその製造方法、蛍光体膜

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JP3264239B2
JP3264239B2 JP35705997A JP35705997A JP3264239B2 JP 3264239 B2 JP3264239 B2 JP 3264239B2 JP 35705997 A JP35705997 A JP 35705997A JP 35705997 A JP35705997 A JP 35705997A JP 3264239 B2 JP3264239 B2 JP 3264239B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高効率で発光する
蛍光体材料および蛍光体膜、および文字または画像表示
用のカラーテレビジョン受像機やディスプレイ等に使用
する希ガス放電発光を利用したプラズマディスプレイパ
ネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下では、従来のプラズマディスプレイ
パネルについて図面を参照しながら説明する。図5は交
流型(AC型)のプラズマディスプレイパネルの概略を
示す断面図である。
【0003】図5において、41はフロントカバープレ
ート(前面ガラス基板)であり、この前面ガラス基板4
1上に表示電極42が形成されている。さらに、表示電
極42が形成されているフロントカバープレート41
は、誘電体ガラス層43及び酸化マグネシウム(Mg
O)誘電体保護層44により覆われている(例えば特開
平5−342991号公報参照)。
【0004】また、45は背面ガラス基板(バックプレ
ート)であり、この背面ガラス基板45上には、アドレ
ス電極46と隔壁47、蛍光体層48が設けられてお
り、49が放電ガスを封入する放電空間となっている。
蛍光体層48はカラー表示のために、赤50、緑51、
青52の3色の蛍光体層が順に配置されている。上記各
蛍光体層48は、放電によって発生する波長の短い紫外
線(波長147nm)により励起発光する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来プラズマディスプ
レイパネルとして開発されてきたパネルの輝度は、40
インチのNTSCパネル(セル数が640×480でセ
ルピッチが0.43mm×1.29mm、1セル面積約
0.55mm2)で約250cd/m2であった(例え
ば、機能材料1996年2月号Vol.16、No.
2、ページ7)。
【0006】これに対して従来のCRTでは、500c
d/m2程度の輝度を得ることが可能と言われている。
【0007】近年期待されているフルスペックのハイビ
ジョンテレビの画素レベルは、画素数が1920×11
25となり、セルピッチも42インチクラスで0.15
mm×0.48mmで1セルの面積は0.072mm2
の細かさになる。
【0008】ここで放電空間から発生する紫外線の放射
効率は放電空間が小さくなるに従って悪くなる。この結
果、42インチのハイビジョンテレビ用のPDPを従来
通りのセル構成で作製した場合、パネル発光効率が、N
TSCの場合に比べて1/7〜1/8程度になり、0.
15〜0.17lm/W程度に低下する。
【0009】以上のように、プラズマディスプレイパネ
ルでハイビジョンのような画素の小さなテレビを作製す
るにあたり、現行のNTSC並の明るさにしようと思え
ば、輝度を大幅に向上させなければならないという課題
が存在する。
【0010】そこで本願発明は、蛍光体材料を改良する
ことによって良好な蛍光体膜を形成し、比較的高い発光
効率で動作するプラズマディスプレイパネルを提供する
ことを目的とするものである。
【0011】
【課題解決するための手段】 上記目的を達成するた
め、本発明の蛍光体材料は粒径分布を持った蛍光体材料
であり、前記粒径分布が少なくとも2つのピークを有
し、1つのピークが1.5μm以上5μm以下の粒径で
あり、もう1つのピークが1.5μm以下の粒径であ
り、前記2つのピークのうち少なくとも1つのピークの
粒径が他の1つのピークの粒径の2倍以上であることを
特徴とする。従来の蛍光体材料は、一般的に1つのピー
クを持ったある程度の粒径分布を有している。これらの
蛍光体材料から構成される蛍光体膜は、蛍光体の粒径が
小さくなるほど膜内での蛍光体粒子の充填率が向上し、
その結果、膜内部での反射効果が大きくなり、発生した
可視光を有効に膜前面に取り出すことが可能となる。
【0012】しかし、一方では蛍光体粒子が小さくなる
ほど粒子の比表面が大きくなるために、結晶欠陥が発生
しやすくなり、発光特性が劣化し、蛍光体膜として考え
た場合、これらの関係がトレードオフとなる。
【0013】これに対し本発明のように粒径分布が2つ
以上有する蛍光体材料を用いると、比較的大きな粒径の
蛍光体で効率良く発光し、しかも膜構成にした場合に、
比較的大きな粒径の蛍光体粒子間に比較的小さな粒径の
蛍光体粒子が詰まり充填率が向上し、結果として膜内で
の反射率が向上し、発光した可視光を効率よく膜前面に
取り出すことが可能となる。
【0014】
【0015】
【0016】さらに、少なくとも1つのピークの粒径が
他の1つのピークの粒径の5倍以上にすることで充填率
がさらに向上する。
【0017】また、ピーク間の最小値の粒径を境界とし
てそれぞれの分布を分割した場合、それぞれの分布の平
均粒径をA、最小粒子をdmin、最大粒径をdmax
とし、x=100A/(A+dmax−dmin)で表
されるx(%)を粒径集中度と定義したとき、それぞれ
の分布の粒径集中度が50%以上100%以下にするこ
とで、大きな粒子と小さな粒子の分布が明確になり、大
きな粒子間の隙間を小さな粒子で充填しやすくなる。
【0018】さらに、それぞれの分布の粒径集中度が8
0%以上100%以下にすることでさらに充填率は向上
する。
【0019】さらに、充填率の向上効果を出すために、
粒径分布のピーク間で粒子数が最小値となる粒径を境界
としてそれぞれの分布を分割した場合、粒径が小さい方
の蛍光体粒子の総数が、全蛍光体粒子数の10%〜90
%であることが好ましい。
【0020】
【0021】さらに、充填率の向上効果を出すために、
粒径分布のピーク間で粒子数が最小値となる粒径を境界
としてそれぞれの分布を分割した場合、粒径が小さい方
の蛍光体粒子の総数が、全蛍光体粒子数の10%〜90
%であることが好ましい。
【0022】また、粒径分布のピーク間で粒子数が最小
値となる粒径における粒子数が、粒径が小さい方のピー
クにおける粒子数の70%以下にすることで、充填率が
向上する。
【0023】さらに、粒径分布のピーク間で粒子数が最
小値となる粒径における粒子数が、粒径が小さい方のピ
ークにおける粒子数の50%以下にすることでさらに効
果的である。
【0024】また、蛍光体材料の粒子形状が球状もしく
は略球状にすることで高い充填率が実現できる。
【0025】本発明に係る蛍光体材料は、少なくとも1
種類の原料粒子が粒径分布を持っており、前記粒径分布
が少なくとも2つのピークを有し、1つのピークが1.
5μm以上5μm以下の粒径であり、もう1つのピーク
が1.5μm以下の粒径であり、前記2つのピークのう
ち少なくとも1つのピークの粒径が他の1つのピークの
粒径の2倍以上である原料粒子を用いることで製造でき
る。
【0026】また、粒径分布のピークとなる粒径が異な
る2種類以上の蛍光体材料を混合することにより製造す
ることも可能である。
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルについ
て図面を参照しながら説明する。
【0029】図3は、本発明の一実施の形態における交
流面放電型プラズマディスプレイパネルの概略を示す断
面図である。図3ではセルが1つだけ示されているが、
赤、緑、青の各色を発光するセルが多数配列されてPD
Pが構成されている。
【0030】このPDPは、前面ガラス基板(フロント
カバープレート)11上に表示電極12と誘電体ガラス
層13、保護層14が配された前面パネルと、背面ガラ
ス基板(バックプレート)15上にアドレス電極16、
可視光反射層17、隔壁18および蛍光体層19が配さ
れた背面パネルとを張り合わせ、前面パネルと背面パネ
ル間に形成される放電空間内に放電ガスが封入された構
成となっており、以下に示すように作製される。
【0031】(前面パネルの作製)前面パネルは、前面
ガラス基板11上に表示電極12を形成し、その上を鉛
系の誘電体ガラス層13で覆い、更に誘電体ガラス層1
3の表面に保護層14を形成することによって作製す
る。
【0032】本実施の形態では、表示電極12は銀電極
であって、銀電極用のペーストをスクリーン印刷した後
に焼成する方法で形成する。また、鉛系の誘電体ガラス
層13の組成は、酸化鉛[PbO]70重量%,酸化硼
素[B23]15重量%,酸化硅素[SiO2]15重
量%であって、スクリーン印刷法と焼成によって、約2
0μmの膜厚に形成した。次に上記の誘電体ガラス層1
3上にCVD法(化学蒸着法)にて1.0μmの酸化マ
グネシウム(MgO)の保護層14を形成した。
【0033】(背面パネルの作製)背面ガラス基板15
上に、銀電極用のペーストをスクリーン印刷しその後焼
成する方法によってアドレス電極16を形成し、その上
にスクリーン印刷法と焼成によってTiO2 粒子と誘電
体ガラスからなる可視光反射層17と、同じくスクリー
ン印刷をくり返し行なった後焼成することによって得ら
れたガラス製の隔壁18を所定のピッチで作成する。
【0034】そして、隔壁18に挟まれた各空間内に、
赤色蛍光体,緑色蛍光体,青色蛍光体の中の1つを配設
することによって蛍光体層19を形成する。この蛍光体
層19の形成方法および用いる蛍光体材料については後
で詳述するが、ノズルから蛍光体インクを連続的に噴射
しながら走査する方法で蛍光体インクを塗布し、焼成す
ることによって形成する。
【0035】尚、本実施の形態では、40インチクラス
のハイビジョンテレビに合わせて、隔壁の高さは0.1
〜0.15mmとし、隔壁ピッチは0.15〜0.3m
mとした。また、バックカバー面および隔壁側面に形成
した蛍光体層19は5〜50μmとした。
【0036】(パネル張り合わせによるPDPの作製)
次に、このように作製した前面パネルと背面パネルとを
封着用ガラスを用いて前面パネルと表示電極とアドレス
電極が直交するように張り合せると共に、隔壁18で仕
切られた放電空間内を高真空(8×10-7Torr)に
排気した後、所定の組成の放電ガスを所定の圧力で封入
することによってPDPを作製する。なお、本実施の形
態では、放電ガスにおけるXeの含有量を5体積%と
し、封入圧力を500〜800Torrの範囲に設定し
た。
【0037】(蛍光体層の形成方法について)図2は蛍
光体層19を形成する際に用いるインク塗布装置20の
概略構成図である。図2に示されるように、インク塗布
装置20において、サーバ21には蛍光体インクが貯え
られており、加圧ポンプ22は、このインクを加圧して
ヘッダ23に供給する。ヘッダ23には、インク室23
aおよびノズル24が設けられており、加圧されてイン
ク室23aに供給されたインクは、ノズル24から連続
的に噴射されるようになっている。
【0038】蛍光体インクは、各色蛍光体材料粒子、バ
インダー、溶剤成分、必要に応じて界面活性剤、シリカ
等が適度な粘度となるように調合されたものである。
【0039】(蛍光体材料について)蛍光体インクを構
成する蛍光体材料としては、一般的にPDPの蛍光体層
に使用されているものを用いることができる。その具体
例としては、 青色蛍光体: BaMgAl1017:Eu2+ 緑色蛍光体: Zn2SiO4:Mn2+またはBaAl12
19:Mn2+ 赤色蛍光体: YBO3:Eu3+または(YxGd1-x)
BO3:Eu3+ を挙げることができる。
【0040】蛍光体膜が良好な発光効率を得るために
は、使用するこれらの蛍光体材料の粒径分布が少なくと
も2つ以上のピークを有することが有効となる。図6に
従来の蛍光体材料の粒径分布の概略図を、図1に本実施
例の蛍光体材料の粒径分布の概略図を示す。
【0041】一般的に蛍光体膜は、蛍光体の粒径が小さ
くなるほど膜内での蛍光体粒子の充填率が向上し、その
結果、膜内部での反射効果が大きくなり、発生した可視
光を有効に膜前面に取り出すことが可能となる。
【0042】しかし、一方では蛍光体材料粒子が小さく
なるほど粒子の比表面が大きくなるために、結晶欠陥が
発生しやすくなり、発光特性が劣化し、蛍光体膜として
考えた場合、これらの関係がトレードオフとなる。
【0043】そこで、使用する蛍光体材料粒子に2つ以
上のピークをもつ粒径分布を持たすことで、比較的大き
な粒径の蛍光体で効率良く発光し、しかも膜構成にした
場合に、比較的大きな粒径の蛍光体粒子間に比較的小さ
な粒径の蛍光体粒子が詰まり充填率が向上し、結果とし
て膜内での反射率が向上し、発光した可視光を効率よく
膜前面に取り出すことが可能となる。
【0044】さらに、大きい方のピーク粒径は結晶欠陥
による劣化が顕著に現れないように1.5μm以上、ま
た十分な膜被覆率を得るために5μm以下であることが
効果的である。さらに小さい方のピーク粒径は1.5μ
m以下にすることで大きい蛍光体粒子の隙間を効率的に
埋めることが可能となる。また、小さい方の粒径が大き
い方の粒径の1/2以下程度から充填率が向上し始める
が、1/5以下で効果が顕著となってくる。
【0045】さらに充填率向上効果を上げるためには、
それぞれのピーク付近での分布を急峻にする必要があ
る。すなわち、ピーク間の最小値の粒径を境界としてそ
れぞれの分布を分割した場合、それぞれの分布の平均粒
径をA、最小粒子をdmin、最大粒径をdmaxと
し、x=100A/(A+dmax−dmin)で表さ
れるx(%)を粒径集中度と定義したとき、それぞれの
分布の粒径集中度を高くすることで大きな粒子と小さな
粒子の分布が明確になり、大きな粒子間の隙間を小さな
粒子で充填しやすくなる。粒径集中度が50%付近から
前記効果が現れるが、80%以上にすることで顕著にな
る。
【0046】さらに、PDP用蛍光体材料では一般的に
板状の蛍光体が多いが、球状もしくは略球状にすること
で、前記充填率向上効果が顕著に現れる。
【0047】これらの蛍光体材料を用いた蛍光体膜で
は、50μm以上になると反射率が飽和しはじめるため
従来の粒径分布の蛍光体と輝度に大差が出なかった。ま
た、5μm以下では、被覆率が低下するために輝度低下
が起こった。
【0048】本実施の形態で用いる各色蛍光体は以下の
ようにして作製できる。青色蛍光体は、まず、炭酸バリ
ウム(BaCo3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、
酸化アルミニウム(α−Al23)をBa,Mg,Al
の原子比で1対1対10になるように配合する。
【0049】次にこの混合物に対して所定量の酸化ユー
ロピウム(Eu23)を添加する。そして、適量のフラ
ックス(AlF2,BaCl2)と共にボールミルで混合
し、1400℃〜1650℃で所定時間(例えば、0.
5時間)、弱還元性雰囲気(H2,N2中)で焼成後、こ
れをふるい分けして得る。
【0050】赤色蛍光体は、原料として水酸化イットリ
ウムY2(OH)3と硼酸(H3BO3)とY,Bの原子比
1対1になるように配合する。次に、この混合物に対し
て所定量の酸化ユーロピウム(Eu23)を添加し、適
量のフラックスと共にボールミルで混合し、空気中12
00℃〜1450℃で所定時間(例えば1時間)焼成し
た後、これをふるい分けして得る。
【0051】緑色蛍光体は、原料として酸化亜鉛(Zn
O)、酸化珪素(Si02)をZn,Siの原子比2対1
になるように配合する。次にこの混合物に所定量の酸化
マンガン(Mn23)を添加し、ボールミルで混合後、
空気中1200℃〜1350℃で所定時間(例えば0.
5時間)焼成し、これをふるい分けして得る。
【0052】上記製法でふるい分けされた所定の粒径分
布を有する蛍光体材料粒子を、2種類以上再び混合する
ことにより、粒径分布に所定の2つ以上のピークを有す
る蛍光体材料を得ることができた。
【0053】また、蛍光体の原料のうち少なくとも1種
類(例えば、青色蛍光体ではα−Al23、緑色蛍光体
ではSiO2、赤色蛍光体ではY2(OH)3)の粒径分
布を、所定の2つ以上のピークを有するように調整する
ことでも、粒径分布に所定の2つ以上のピークを有する
蛍光体材料を得ることができた。
【0054】同様に粒径集中度の調整も上記製法で実現
することができた。さらに、通常青色蛍光体や緑色蛍光
体は形状が板状であるが、原料である青色蛍光体ではα
−Al23、緑色蛍光体ではSiO2 を球状にすること
で、球状または略球状の蛍光体を実現することができ
る。また、青色球状蛍光体では、例えば特開昭62−2
01989号公報、特開平7−268319号公報に記
載されるような製造方法で製造できる。
【0055】
【実施例】(実施例1〜8および比較例9〜13)
【0056】
【表1】
【0057】試料No.1〜8のPDPは、前記実施の
形態に基づいて作製した実施例に係わるPDPであっ
て、ふるい分けによる粒径分布または原料粉体分布を種
々の設定にすることで、粒径分布の第一のピークにおけ
る粒径、第2のピークにおける粒径、それぞれのピーク
側での粒径集中度、または粒子形状を変化させたもので
ある。粒径分布の一例として、試料番号4〜6の青色蛍
光体の粒径分布を図4に示す。なお、図4における粒径
分布は、コールターカウンタ法により、粒径0.1μm
きざみで測定したものであり、各0.1μm間隔の中に
含まれる粒子総数から、粒子数割合を算出している。試
料No.9〜13のPDPは、比較例に係わるPDPで
ある。
【0058】なお、前記各PDPにおいて、蛍光体膜厚
は20μm、放電ガス圧は500Torrに設定した。
また、各PDPにおけるパネル輝度は、放電維持電圧が
150V、周波数が30kHzの放電条件で測定した。
【0059】なお、各PDPにおいて、各色の発光層は
発光時にパネルの白バランスが取れるように規定してあ
り、全面白色点灯で輝度を測定した。
【0060】試料No.1〜8及び試料No.9〜13
の輝度を比較して明らかなように、粒径分布に2つのピ
ークを持たせることで輝度向上することが確認できる。
【0061】試料No.1では大きい方のピーク粒径が
比較的大きいので厚さ20μmの膜では十分な被覆率が
得られないために輝度向上率は小さかった。また、試料
No.8では大きい方のピーク粒径が比較的小さいため
に蛍光体の結晶欠陥が多くなり輝度向上率は小さかっ
た。
【0062】粒径集中度に関しては試料No.4〜6お
よび11、12からわかるように、従来例(No.1
1、12)では、粒径集中度が低いほど輝度が高かった
が、本実施例(No.4〜6)では、粒径集中度が高い
ほど輝度が高かった。
【0063】これは、本実施例の構成では、それぞれの
ピーク側での粒径集中度を高くすることで、粒径の大き
い方の蛍光体の隙間に粒径の小さい方の蛍光体が緻密に
充填され、膜の反射率が向上するためと考えられる。一
方従来の構成では、粒径集中度が高くなるほど粒径が揃
うために、蛍光体間の隙間が大きくなり、膜の反射率が
低下したものと考えられる。
【0064】さらに、蛍光体の形状差では、従来の構成
(NO.10、11)では大きな輝度差は見られなかっ
たが、本実施例(No.6、7)では球状の方が輝度が
高かった。これは、蛍光体形状を球状にすることで板状
の蛍光体に比較して、粒径の大きい方の蛍光体の隙間に
粒径の小さい方の蛍光体が緻密に充填され、膜の反射率
が向上するためと考えられる。
【0065】さらに、表1の試料番号3の構成の蛍光体
材料を、0.3μmの第3のピーク粒径を有する構成に
した場合、充填率が向上し、輝度は510cd/m2
ら540cd/m2 向上した。
【0066】なお、本実施例では、緑色蛍光体にZn2
SiO4:Mn2+、赤色蛍光体にYBO3:Eu3+を用い
たが、BaAl1219:Mn2+や(YxGd1−x)B
3:Eu3+を用いた場合でも同様に、輝度向上効果が
得られた。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明の蛍光体材料を用い
たプラズマディスプレイパネルによれば、形成される蛍
光体膜の充填率が高く反射特性の良好な膜となり、その
結果発生した可視光をパネル全面に有効に取り出すこと
が可能となり、輝度および発光効率の高いプラズマディ
スプレイパネルが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の蛍光体材料の粒径分布を
示す図
【図2】本実施の形態で蛍光体層を形成する際に用いる
インク塗布装置の概略構成図
【図3】本発明の一実施の形態に係わる交流面放電型プ
ラズマディスプレイパネルの概略を示す断面図
【図4】本実施例に用いた蛍光体の粒径分布図
【図5】従来の交流面放電型プラズマディスプレイパネ
ルの概略断面図
【図6】従来の蛍光体材料の粒径分布を示す図
【符号の説明】
11 前面ガラス基板(フロントカバープレート) 12 表示電極 13 誘電体ガラス層 14 誘電体保護層(MgO) 15 背面ガラス基板(バックプレート) 16 アドレス電極 17 可視光反射層 18 隔壁 19 蛍光体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−245062(JP,A) 特開 昭59−138999(JP,A) 特開 平4−292838(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/08 - 11/89 H01J 11/02 H01J 17/04 H01J 9/22 - 9/227

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子が粒径分布を持った蛍光体材料であ
    り、前記粒径分布が少なくとも2つのピークを有し、1
    つのピークが1.5μm以上5μm以下の粒径であり、
    もう1つのピークが1.5μm以下の粒径であり、前記
    2つのピークのうち少なくとも1つのピークの粒径が他
    の1つのピークの粒径の2倍以上であることを特徴とす
    プラズマディスプレイパネル用蛍光体材料。
  2. 【請求項2】 粒径分布が少なくとも2つ以上のピーク
    を有し、少なくとも1つのピークの粒径が他の1つのピ
    ークの粒径の5倍以上であることを特徴とする請求項1
    記載のプラズマディスプレイパネル用蛍光体材料。
  3. 【請求項3】 粒径分布のピーク間で粒子数が最小値と
    なる粒径を境界としてそれぞれの分布を分割した場合、
    それぞれの分布の平均粒径をA、最小粒子をdmin、
    最大粒径をdmaxとし、x=100A/(A+dma
    x−dmin)で表されるx(%)を粒径集中度と定義
    したとき、それぞれの分布の粒径集中度が50%以上1
    00%以下であることを特徴とする請求項1記載のプラ
    ズマディスプレイパネル用蛍光体材料。
  4. 【請求項4】 粒径分布のピーク間で粒子数が最小値と
    なる粒径を境界としてそれぞれの分布を分割した場合、
    それぞれの分布の平均粒径をA、最小粒子をdmin、
    最大粒径をdmaxとし、x=100A/(A+dma
    x−dmin)で表されるx(%)を粒径集中度と定義
    したとき、それぞれの分布の粒径集中度が80%以上1
    00%以下であることを特徴とする請求項1記載のプラ
    ズマディスプレイパネル用蛍光体材料。
  5. 【請求項5】 粒径分布のピーク間で粒子数が最小値と
    なる粒径を境界としてそれぞれの分布を分割した場合、
    粒径が小さい方の蛍光体粒子の総数が、全蛍光体粒子数
    の10%〜90%であることを特徴とする請求項1記載
    プラズマディスプレイパネル用蛍光体材料。
  6. 【請求項6】 粒径分布のピーク間で粒子数が最小値と
    なる粒径における粒子数が、粒径が小さい方のピークに
    おける粒子数の70%以下であることを特徴とする請求
    項1記載のプラズマディスプレイパネル用蛍光体材料。
  7. 【請求項7】 粒径分布のピーク間で粒子数が最小値と
    なる粒径における粒子数が、粒径が小さい方のピークに
    おける粒子数の50%以下であることを特徴とする請求
    項1記載のプラズマディスプレイパネル用蛍光体材料。
  8. 【請求項8】 蛍光体粒子の粒径を任意の間隔で分割
    し、前記各分割された範囲内の粒子数の総数を各粒径に
    おける粒子数として粒径分布を決定することを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマディスプレ
    イパネル用蛍光体材料。
  9. 【請求項9】 蛍光体粒子の粒径を0.1μmきざみで
    分割し、前記各分割された範囲内の粒子数の総数を各粒
    径における粒子数として粒径分布を決定することを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマディス
    プレイパネル用蛍光体材料。
  10. 【請求項10】 紫外線で励起され可視光を発光するこ
    とを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のプラズ
    マディスプレイパネル用蛍光体材料。
  11. 【請求項11】 青色発光の蛍光体材料であり、原子式
    がBa1−xEuxMgAl10O17であることを特徴と
    する請求項1〜10のいずれかに記載のプラズマディス
    プレイパネル用蛍光体材料。
  12. 【請求項12】 緑色発光の蛍光体材料であり、原子式
    が(Zn1−xMnx)SiO4であることを特徴とする
    請求項1〜10のいずれかに記載のプラズマディスプレ
    イパネル用蛍光体材料。
  13. 【請求項13】 緑色発光の蛍光体材料であり、原子式
    がBa1−xMnxAl12O19であることを特徴とする
    請求項1〜10のいずれかに記載のプラズマディスプレ
    イパネル用蛍光体材料。
  14. 【請求項14】 赤色発光の蛍光体材料であり、原子式
    がY1−xEuxBO3であることを特徴とする請求項
    1〜10のいずれかに記載の蛍光体材料。
  15. 【請求項15】 赤色発光の蛍光体材料であり、原子式
    がY1−x−yGdxEuyBO3であることを特徴と
    する請求項1〜10のいずれかに記載のプラズマディス
    プレイパネル用蛍光体材料。
  16. 【請求項16】 蛍光体材料の粒子形状が球状もしくは
    略球状であることを特徴とする請求項1〜15のいずれ
    かに記載のプラズマディスプレイパネル用蛍光体材料。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16記載のいずれかのプラ
    ズマディスプレイパネル用蛍光体材料で構成されること
    を特徴とする蛍光体膜。
  18. 【請求項18】 膜厚が5μm以上50μm以下である
    ことを特徴とする請求項17記載のプラズマディスプレ
    イパネル用蛍光体膜。
  19. 【請求項19】 少なくとも1種類の原料粒子が粒径分
    布を持っており、前記粒径分布が少なくとも2つのピー
    クを有し、1つのピークが1.5μm以上5μm以下の
    粒径であり、もう1つのピークが1.5μm以下の粒径
    であり、さらに前記2つのピークのうち少なくとも1つ
    のピークの粒径が他の1つのピークの粒径の2倍以上で
    ある原料粒子を用いて、2つ以上のピークを有する蛍光
    体材料を形成することを特徴とするプラズマディスプレ
    イパネル用蛍光体材料の製造方法。
  20. 【請求項20】 粒径分布のピークとなる粒径が異なる
    2種類以上の蛍光体材料を混合することにより、少なく
    とも2つのピークを有し、1つのピークが1.5μm以
    上5μm以下の粒径であり、もう1つのピークが1.5
    μm以下の粒径であり、さらに前記2つのピークのうち
    少なくとも1つのピークの粒径が他の1つのピークの粒
    径の2倍以上である蛍光体材料を形成することを特徴と
    するプラズマディスプレイパネル用蛍光体材料の製造方
    法。
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