JP4860501B2 - プラズマディスプレイパネルの緑色蛍光体 - Google Patents

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Description

本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネルに関するものであり、特に、蛍光体の改良に関するものである。
一般的にテレビに用いるディスプレイとして、まず従来から用いられているCRTが考えられるわけであるが、CRTは解像度・画質の点でプラズマディスプレイや液晶に対して優れているものの、奥行きと重量の点で40インチ以上の大画面にはあまり向いていない。また、液晶は消費電力が少なく、駆動電圧も低いという優れた性能を有しているが、画面の大きさや視野角に限界がある。
これに対して、プラズマディスプレイは、奥行きや視野角の問題点は存在しないため、大画面ディスプレイの実現が可能であり、すでに40インチクラスの製品が開発されている(例えば、機能材料1996年2月号Vol.16、No.2、7ページ参照)。このプラズマディスプレイパネルの従来の構成について図面を参照しながら説明する。図3は、交流型(AC型)のプラズマディスプレイパネルの概略を示す断面図である。
図3において、41は、フロントカバープレート(前面ガラス基板)であり、この前面ガラス基板41上に表示電極42が形成されている。さらに、表示電極42が形成されているフロントカバープレート41は、誘電体ガラス層43及び酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層44により覆われている(例えば、特許文献1参照)。
また、45は、バックプレート(背面ガラス基板)であり、この背面ガラス基板45上には、アドレス電極46および隔壁47、蛍光体層48が設けられており、49が放電ガスを封入する放電空間となっている。そして、上記した現行の40〜42インチクラスのプラズマディスプレイの輝度は、NTSCの画素レベル(画素数640×480個、セルピッチ0.43mm×1.29mm、1セルの面積0.55mm2)において、150〜250cd/m2である(例えば、機能材料1996年2月号Vol.16、No.2、ページ7参照)。なお、これに対して従来のCRTでは500cd/m2程度の輝度を得ることが可能と言われている。
近年期待されているフルスペックのハイビジョンテレビの画素レベルでは、画素数が1920×1125となり、セルピッチも42インチクラスで、0.15mm×0.48mmで1セルの面積は0.072mm2の細かさになる。同じ42インチの大きさでプラズマディスプレイパネルのハイビジョンテレビを作製した時、1画素の面積でNTSCと比較すると、1/7〜1/8の細かさとなる。
したがって、同じ蛍光体と、ガス組成、ガス圧を使用して42インチのハイビジョンテレビをプラズマディスプレイパネルで作製すると輝度が30〜40cd/m2と低くなることが予想され、輝度に対する改善が望まれる。
特開平5−342991号公報
以上のように、プラズマディスプレイパネルによってハイビジョンテレビのような画素の小さなテレビを作製するにあたり、現行のNTSC並の明るさにしようと思えば、輝度を大幅に向上させなければならないという課題が存在する。そこで本願発明は、蛍光体を改良することによって蛍光体輝度の向上を図り、これにより高輝度化を実現したプラズマディスプレイパネルを提供することを目的としている。
本発明のプラズマディスプレイパネルの緑色蛍光体は、上記した目的を達成するために、付活剤として所定量のMn 2 3 が含有されたZn 2 SiO 4 :Mn 2+ を結晶骨格とする緑色蛍光体であって、マンガン(Mn)が酸化物換算で3モル%〜8モル%含有され、その平均粒径が0.8μm〜4.8μmで、比表面積(BET値)が2.3m 2 /g〜15m 2 /gであり、950℃〜1200℃で焼成されてなることを特徴とする。
従来のプラズマディスプレイパネル用の蛍光体は、一般的に、結晶が成長されやすい高温(この焼成温度は、蛍光体の組成によって変わるが、例えば1200℃以上であった。)で焼成された、粒子径が大きな(5〜10μm程度)蛍光体粒子が用いられてきた。このように作製された蛍光体粒子は、比表面積が比較的小さく以下の実施例でも示すようにBET法による測定値で1m2/g未満である。
これに対して、蛍光体粒子の比表面積(BET値)を1m2/g以上と従来よりも大きく設定することによって、蛍光体層の紫外線吸収量の向上を図り、パネルの輝度の向上を実現することができる。これは、波長が143nmや173nmの紫外線は、CRTに用いられている電子線と異なり、蛍光体のごく表面層しか進入できず(0.1μm以下)、蛍光体の表面で多重反射しながら減衰して行くから、蛍光体粒子の比表面積を大きくすれば、紫外線が蛍光体粒子の表面から吸収される量を多くすることができるからである。
そして、その効果は、全色の蛍光体層に、比表面積の大きな蛍光体粒子を用いることにより顕著に得られる。上記のように比表面積の大きな蛍光体粒子を得る上で、蛍光体を作製するときの焼成を従来よりも、低い焼成温度で長時間行うことが好ましい。即ち、焼成温度を低くかつ長時間焼成することにより蛍光体の粒成長(結晶成長)を抑え、蛍光体粒子を粉砕しなくとも、粒径を小さく比表面積を大きくし、且つ、十分に結晶成長させることが可能となるので、良好な蛍光体粒子を得ることができる。
なお、あまり比表面積が大き過ぎると、粒子径が小さくなり過ぎ、蛍光体粒子が凝集することによって、かえって蛍光体輝度が低下することになるので、実際には、20m2/g以下に設定することが望ましい。ところで、上記のように比表面積(BET値)が大きな蛍光体粒子では、吸収する紫外線量に対して十分な発光点を確保するために、付活剤を多めに添加して作製することが望ましい。従って、付活剤の含有量を3モル%〜8モル%に規定してある。
本発明のプラズマディスプレイパネルの緑色蛍光体は、付活剤として所定量のMn 2 3 が含有されたZn 2 SiO 4 :Mn 2+ を結晶骨格とする緑色蛍光体であって、マンガン(Mn)が酸化物換算で3モル%〜8モル%含有され、その平均粒径が0.8μm〜4.8μmで、比表面積(BET値)が2.3m 2 /g〜15m 2 /gであり、950℃〜1200℃で焼成されてなることを特徴とする。
このように、比表面積(BET値)が1m2/g以上と従来よりも大きな蛍光体粒子で蛍光体層を構成することによって、蛍光体層の紫外線を吸収する効率の向上を図り、パネルの輝度向上を実現する。ここで、前記蛍光体粒子の平均粒子径を0.3μm〜5μmに規定することで、比表面積が大きく前記効果を招来させるような蛍光体粒子を合理的に得ることができる。
このように粒子径を小さくすると、蛍光体層をインクジェット法によって形成する場合に、粒子の沈降を抑止でき、均一な蛍光体層を形成することができるといった効果も奏する。ここで、青色蛍光体として、ユーロピウム(Eu)が酸化物換算で8モル%〜15モル%含有されたBaMgAl1017:Eu2+からなるもので、その平均粒径が0.3μm〜5μmで、比表面積(BET値)が1.2m2/g〜20m2/gのものを用いることができる。
また、赤色蛍光体として、ユーロピウム(Eu)が酸化物換算で6モル%〜15モル%含有されたYBO3:Eu3+からなるもので、その平均粒径が0.5μm〜4.5μmで、比表面積(BET値)が1m2/g〜10m2/gのものを用いることができる。
更に、緑色蛍光体として、マンガン(Mn)が酸化物換算で3モル%〜8モル%含有されたZn2SiO4:Mn2+からなるもので、その平均粒径が0.8μm〜4.8μmで、比表面積(BET値)が2.3m2/g〜15m2/gのものを用いることができる。
以下、本発明実施の形態に係るプラズマディスプレイパネル及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態における交流面放電型プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という。)の概略を示す断面図である。
このPDPは、前面ガラス基板11上に放電電極(表示電極,銀電極)12,誘電体ガラス層13とMgO保護層14が配された前面パネル10と、背面ガラス基板21上にアドレス電極22,誘電体ガラス層23,隔壁24,蛍光体層25が配された背面パネル20とを張り合わせ、前面パネル10と背面パネル20の間に形成される放電空間26内に放電ガスが封入された構成となっており、以下に示すように作製される。なお、図1では断面で示しているが、放電電極12とアドレス電極22とは実際には直交して設けられる。また、蛍光体層は赤色、緑色、青色がそれぞれ隔壁で分離されているが、当該図1には、便宜上一色のみ図示している。
放電電極(表示電極)12は、前面ガラス基板11上に銀電極用のペーストをスクリーン印刷し、これを焼成することによって形成する。その上に例えば、75重量%の酸化鉛(PbO)、15重量%の酸化硼素(B23)、10重量%の酸化硅素(SiO2)から成る鉛系の誘電体ガラス層13をスクリーン印刷法と焼成を行う方法によって、例えば20μmの膜厚に形成する。
また、背面ガラス基板21上に形成するアドレス電極22も前記表示電極12と同様にスクリーン印刷法と焼成によって作製し、誘電体ガラス層23も前記誘電体ガラス層13と同様にして作製する。次に、前記誘電体ガラス層13上に酸化マグネシウム(MgO)をCVD法(化学蒸着法)にて成膜する方法について図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態において、PDPの保護層を形成する際に用いるCVD装置の概略図を示したものである。
図2において、31は、マグネシウムのキレートあるいはシクロペンタジエニル化合物をCVD装置内に輸送するためのアルゴン(Ar)ガスボンベ、32は、酸化マグネシウム(MgO)の原料となる金属キレートを加熱して蒸発させる気化器(バブラー)、33は、MgOの原料となるシクロペンタジエニル化合物を加熱して蒸発させる気化器(バブラー)、34は、反応ガスである酸素ボンベ、35は、CVD装置本体、36は、基板を加熱するヒータ、37は、誘電体ガラス層13が形成された前面ガラス基板11、38は、排気装置である。
前記CVD装置を用いて熱CVD法により、MgO保護層を形成する。ヒータ部36の上に、ガラス基板37を誘電体ガラス層13を上にして置き、所定の温度(350℃〜400℃)に加熱すると共に、反応容器内を排気装置38で所定圧(数十Torr程度)に減圧する。そして、気化器32または気化器33で、ソースとなるマグネシウムのキレートまたはシクロペンタジエニル化合物を所定の温度(80℃〜125℃)に加熱しながら、Arガスボンベ31aまたは31bからArガスを送り込む。また、これと同時に、酸素ボンベ34から酸素を流す。
これによって、CVD装置本体35内に送り込まれるマグネシウムのキレート若しくはシクロペンタジエニル化合物が酸素と反応し、ガラス基板37の誘電体ガラス層13の表面上にMgOからなる保護層14が形成される。次に、スクリーン印刷法と焼成によって例えば、0.15mmのガラス製の隔壁24(隔壁の間隔が、0.15mm)を作製する。
そして、形成された隔壁24間に蛍光体層25を形成する。蛍光体層25は、例えば、各色の蛍光体と10%のエチルセルローズを含むα−ターピネオールとを用いて、青、赤、緑の3種類それぞれの蛍光体ペーストを作製し、これをスクリーン印刷法にて隔壁内にそれぞれ印刷し、例えば500℃で焼成することで形成する。
このように蛍光体層25が設けられた背面パネル20を、封着用ガラスを用いて前記前面パネル10と張り合わせる。そして、放電ガス封入の前に放電空間部26を例えば、8×10-7Torrの真空度に排気し、放電空間部内にキセノン(Xe)ガス所定量含有するヘリウム(He)ガスを放電ガスとして封入する。なお、封入圧力は、パネル高輝度化を図るため500Torr以上とする。
次に、蛍光体層に用いる蛍光体ついて説明する。本実施の形態で用いる蛍光体は、組成は従来から用いられている金属酸化物からなるもので、各色蛍光体の具体的な組成としては、青色蛍光体には、BaMgAl1017を結晶骨格とし、付活剤として所定量の酸化ユーロピウムEu23が含有されたBaMgAl1017:Eu2+を、赤色蛍光体には、YBO3を結晶骨格とし、付活剤として所定量のEu23が含有されたYBO3:Eu3+を、緑色蛍光体には、Zn2SiO4を結晶骨格とし、付活剤として所定量のMn23が含有されたZn2SiO4:Mn2+を挙げることができるが、従来よりも比表面積(BET値)が1m2/g〜20m2/gと大きく、平均粒子径が0.3μm〜5μmの粉体を用いる。
なお、この平均粒子径は、レーザ回折法によって測定した値である(以下において同様である)。このように比表面積が1m2/g以上の蛍光体を用いることによって、各セルにおいて紫外線の吸収効率が向上し、パネル輝度の向上を図ることができる。前記蛍光体は、従来の場合よりも低い温度で焼成することによって、蛍光体粒子の結晶成長を抑え、比較的小さな粒子径になるよう制御して形成することによって得られる。この比較的低温による形成法は、粒子表面が粗く形成されるので、比表面積を大きくするには好適な方法である。
なお、やや長時間反応することによって、低温であっても結晶を形成する原子同士の結合を十分に形成させることができる。平均粒子径及び比表面積(BET値)を上記範囲に限定するのは、平均粒子径が0.3μm未満の場合や比表面積(BET値)が20m2/gを越える場合は、粒子が細かすぎるために蛍光体粒子同志が凝集してしまい、各粒子において紫外線の吸収が隣接する粒子によって阻害され、吸収量が低下するからである。また、この程度粒子径が小さいものになると結晶構造が十分に形成されていないものが多くなるので、蛍光体輝度が十分に得られない傾向があるからでもある。
尤も、蛍光体層を形成する際に用いる蛍光体粒子を分散させる溶剤等のマトリックスを工夫することによってある程度は、蛍光体粒子の凝集を抑制することは可能と考えられ、その場合には、更に小さな径で比表面積が大きな蛍光体粒子を用いることができると考えられる。このように蛍光体粒子の比表面積(BET値)が大きいぶん、従来よりやや多めに付活剤を含有させることが望ましい。これにより付活剤による発光点をより多く蛍光体粒子に形成し、蛍光体輝度の更なる向上を図ることができる。
これら各色蛍光体において付活剤として添加されている金属(EuやMn)は、酸化物換算で、青色蛍光体では、粒子全体に対して8モル%〜15モル%、赤色蛍光体では、粒子全体に対して6モル%〜15モル%、又、緑色蛍光体では、粒子全体に対して3モル%〜8モル%含有させることが望ましい。これらの範囲外では、輝度向上の効果が小さいからである。
この付活金属の酸化物換算の含有量(モル%)は、例えば青色蛍光体BaMgAl1017:Eu2+の場合、原子吸光で各金属元素の比率を測定し、蛍光体成分がBaMgAl1017とEu23とから成るものと見なし、以下の式1に基づいて算出する。
Figure 0004860501
本実施の形態で用いる各色蛍光体は、以下のようにして作製される。
青色蛍光体は、まず、原料として炭酸バリウム(BaCO3),炭酸マグネシウム(MgCO3),酸化アルミニウム(α−Al23)をモル比で1対1対5に配合する。次に、この混合物に対して、所定量の酸化ユーロピウム(Eu23)を添加する。そして、適量のフラックス(AlF2,BaCl2)と共にボールミルで混合し、1000℃〜1200℃で所定時間(例えば、5時間)、弱還元性雰囲気(H2,N2中)で焼成後、これをふるい分けして得る。
赤色蛍光体は、原料として酸化イットリウム(Y23)と硼酸(H3BO3)とをモル比で0.5対1に配合する。次に、この混合物に対して、所定量の酸化ユーロピウム(Eu23)を添加し、適量のフラックスと共にボールミルで混合し、空気中950℃〜1200℃で所定時間(例えば、5時間)焼成した後、これをふるい分けして上記粉体が得る。
緑色蛍光体は、原料として酸化亜鉛(ZnO),酸化硅素(SiO2)をモル比で2対1に配合する。次に、この混合物に対して所定量の酸化マンガン(Mn23)を添加し、ボールミルで混合後、空気中950℃〜1200℃で所定時間(例えば、5時間)焼成し、これをふるい分けして得る。なお、上記比表面積(BET値)は粉体を球と仮定して算出した値であるので、球に近い形状の赤色蛍光体では、六角板状の青色,緑色蛍光体と比べて、平均粒径が同一でもBET値は小さくなる。従って、赤色蛍光体について、他の蛍光体粒子と同程度、比表面積(BET値)を大きくするには、平均粒子径をより小さく設定する必要がある。
なお、上記のように全色について比表面積(BET値)の大きなものを用いることが望ましいが、蛍光体の一色だけあるいは2色だけ適用することも可能である。例えば、青色蛍光体に比表面積(BET値)が大きいものを用い、従来の赤色、緑色蛍光体と組み合わせることによっても、パネル輝度の向上を図ることが可能である。
これは、従来のPDPにおいては、通常、青色蛍光体が最も輝度が得られ難い実情から、赤色,緑色蛍光体層の塗布量を少なくしたり、シリカなどの添加剤を加えるなどして当該蛍光体層の輝度を低く設定し白バランスを採っていたため、パネル輝度は、青色蛍光体の輝度に制約されざるをえなかったが、この青色蛍光体の輝度の向上が実現されることで、その制約が解除されるからである。
従って、本発明により青色蛍光体の輝度向上を実現した意義は大きいと言える。また、上記蛍光体層はスクリーン印刷により形成したが、これ以外にも例えば、インクジェット法によって形成してもよい。インクジェット法による蛍光体層の形成については、例えば、特開平8−162079号公報に記載されているように蛍光体インキをノズルから噴出させながら、基板に蛍光体のパターンを描画する方法である。
この方法の場合、比較的粘度の低いインキを用いるので、特に、従来のように比表面積の小さい、大きな径の蛍光体粒子は沈降しやすく、均一な蛍光体層を形成するには、あまり望ましいと言えなかったが、本実施の形態のように小さい粒子径の蛍光体物質とすることにより、この沈降を抑止することができる。最後に、蛍光粒子の比表面積を大きくする方法として、上述したように従来の焼成温度よりも低温で焼成して、蛍光体粒子を作製する方法以外に例えば、蛍光体粒子を多孔性の粒子とする方法なども考えられる。
なお、従来の蛍光体粒子をボールミル等で機械的エネルギーを加え粉砕して小径にするとともに、比表面積を大きくすることも可能であるが、このように粉砕すると結晶構造が破壊されてしまうので、本実施の形態の蛍光体粒子と比べて、蛍光体輝度の点で劣る。また、従来のように比較的高温で短時間焼成して作製した蛍光体粒子を分級して、小径で比表面積の大きい粒子を得ることも可能であるが、この方法で得た小径の粒子は結晶が十分に形成されていないものが多いので、やはり本実施の形態の蛍光体と比べて蛍光体輝度の点では不十分である。
〔実施例1〜5及び比較例6,7〕
Figure 0004860501

試料No.1〜5のPDPは、前記実施の形態に基づいて作製した実施例に係るPDPであって、焼成温度を変えることで比表面積(BET値)及び粒子径の異なる蛍光体を形成し、加えて付活剤の濃度を種々の値に設定したものである。試料No.1〜4のPDPは降順に各蛍光体の焼成温度をより低くして、比表面積(BET値)を小さく設定してある。
試料No.5のPDPは、蛍光体の粒子径及び比表面積(BET値)は試料No.2に近いが、付活剤の濃度は、試料No.2のPDPに比べて低めに設定してある。なお、前記各PDPにおいて誘電体ガラス層の厚みは20μm、MgO保護層の厚みは1μm、放電電極の電極間距離は0.08mmに設定した。
試料No.6,7のPDPは、比較例に係るPDPである。試料No.6のPDPは、各蛍光体粒子を従来の焼成温度1300℃で形成(反応時間;2時間)することによって比表面積を小さく設定しており、試料No.7のPDPは、焼成温度を800℃付近と試料No.1のPDPに用いる蛍光体よりも更に低温にして、粒子径をより小さく作製することで比表面積(BET値)を20m2/gよりも大きく設定してある。それら特徴的な点以外は、前記試料No.1〜5のPDPと同様の設定にしてある。
なお、前記各PDPにおいて、各色蛍光体層は、発光時にパネルの白バランスがとれるように規定してある。このような各PDPNo.1〜7においてMgO保護膜のX線解析を行なった結果、当該保護膜の結晶は、(100)面に配向していた。表1の平均粒子径の値は、レーザ回折法によって測定した値である。
また、試料No.1〜7の各PDPについて、パネルの輝度を以下の放電条件下で測定した。この結果を前記表1に併記する。
放電維持電圧 ; 150V
周波数 ; 30KHz
試料No.1〜4のPDP及び試料No.6のPDPの結果を比較して明らかなように、比表面積(BET値)が1m2/g以上(1〜20m2/g)の蛍光体を使用することによって、比表面積が1m2/g未満の蛍光体を用いる場合に比べて、特に、試料No.1〜4のPDPは、500cd/m2以上と大幅に輝度が向上している。
これに対して、試料No.1のPDPと試料No.7のPDPの結果を比較して明らかなように、粒子径が0.3μmよりも小さくなると、すなわち、比表面積が20m2/gが越えると輝度の向上効果は得られないことが分かる。試料No.5のPDPでは、比表面積(BET値)を1m2/g以上に設定したが、試料No.6のPDPに対して、パネル輝度の向上は僅かではある。
このことは、比表面積(BET値)に対して付活剤の濃度が低くて粒子に発光点が十分に形成されていないことを意味する。従って、比表面積(BET値)を増加させることによる輝度向上の効果を顕著に得るには、比表面積を大きくしたぶんある程度付活剤を多めに含有させる必要があると言える。また、このパネルの輝度向上効果を得るための蛍光体粒子の焼成温度としては、950℃〜1200℃が望ましく、それよりも低い焼成温度になると、比表面積(BET値)を大きくすることはできるが、粒子径が小さくなり過ぎ、輝度の向上を図れないことが分かる。
なお、試料No.4のPDPのように、従来の焼成温度に近い1200℃で焼成して得た小さい粒子径で、比表面積の大きな蛍光体を用いても、輝度の向上効果が得られるのは、従来の場合よりも長時間反応しているため、小さい粒子径であっても結晶構造が十分に形成されているからであると考えられる。
〔その他の事項〕
(1)用いる蛍光体としては、上記金属酸化物以外にも、例えば、以下の組成のものを挙げることができる。
赤色 ; Y23:Eu,YVO4:Eu
緑色 ; VaAl1219:Mn,YBO3:Tb
青色 ; Y2SiO5:Se
なお、これら組成の蛍光体の場合にも焼成は、前述したように焼成温度を低く且つ長時間行うことが望ましい。
(2)上記実施の形態は、交流型のPDPについて言及したが、直流型のPDPでも同様に適用可能である。
本発明にかかるプラズマディスプレイパネルは、ハイビジョンテレビのような画素の小さなテレビに利用できる。
本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの断面図である。 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルを製造する際に用いるCVD装置の概略図である。 従来の交流型のプラズマディスプレイパネルの断面図である。
符号の説明
11 前面ガラス基板(フロントカバープレート)
12 銀電極(表示電極)
13 誘電体ガラス層
14 MgO保護層
21 背面ガラス基板(バックプレート)
22 アドレス電極
23 誘電体ガラス層
24 隔壁
25 蛍光体
26 放電空間
31 アルゴンガスボンベ
32 Mgの金属キレートの気化器
33 Mgのシクロペンタジエニル化合物の気化器
34 酸素ガスボンベ
35 CVD装置
36 基板加熱ヒータ
37 誘電体ガラス層が形成されたガラス基板
38 排気装置

Claims (1)

  1. 付活剤として所定量のMn 2 3 が含有されたZn 2 SiO 4 :Mn 2+ を結晶骨格とする緑色蛍光体であって、
    マンガン(Mn)が酸化物換算で3モル%〜8モル%含有され、
    その平均粒径が0.8μm〜4.8μmで、
    比表面積(BET値)が2.3m2/g〜15m2/gであり、
    950℃〜1200℃で焼成されてなることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの緑色蛍光体。
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