JP3243355B2 - インスタントカメラ - Google Patents

インスタントカメラ

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JP3243355B2
JP3243355B2 JP29500693A JP29500693A JP3243355B2 JP 3243355 B2 JP3243355 B2 JP 3243355B2 JP 29500693 A JP29500693 A JP 29500693A JP 29500693 A JP29500693 A JP 29500693A JP 3243355 B2 JP3243355 B2 JP 3243355B2
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  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は手動操作によりピント調
節を行うようにしたインスタントカメラに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インスタントカメラは、自己現像処理型
のインスタントフイルムユニットを使用しているため、
撮影したその場でプリント写真が得られるという特長が
あり、広く利用されている。しかし、インスタントフイ
ルムユニットは通常の35ミリフイルムのフルサイズ画
面よりもかなり大判であるため、カメラが大型化して携
帯に不便であるという難点がある。これを改善するため
に最近のインスタントカメラでは、フイルムパックが装
填されるカメラ本体に対し、撮影レンズを組み込んだレ
ンズボードが起伏自在となっており、不使用時にはコン
パクトに折り畳むことができるようになっている。
【0003】一方、インスタントカメラにおいても、オ
ートフォーカス装置を組み込んで撮影レンズのピント調
節を自動化したものがあるが、ローコストタイプのもの
ではマニュアル操作で撮影レンズのピント調節を行うよ
うにしている。マニュアル操作でピント調節を行うに
は、前述したように撮影レンズがレンズボードに組み込
まれているものでは、レンズボードにピント調節用の操
作部材を設け、そのスライド操作や回動操作に連動して
撮影レンズを光軸方向に進退させるのが簡便である。
【0004】マニュアル操作でピント調節を行うように
したカメラでは、その携帯時に生じたシャッターチャン
スに対しては迅速なピント調節操作を行わなくてはなら
ず、正確にピントが合った写真を撮影することは非常に
困難である。特に、上述のような折り畳み式のインスタ
ントカメラでは、ピント調節の前にまずレンズボードを
起立操作しなくてはならず、シャッターチャンスを逸す
ることが少なくなかった。
【0005】このような難点を解決するために、例えば
実開昭60−41938号公報に記載されたように、レ
ンズボードを折り畳んだときに、その折り畳み機構の作
動に連動して撮影レンズを常焦点位置にセットしておく
ものが知られている。これによれば、レンズボードを起
立させた直後に撮影レンズが常焦点位置にあるから、そ
のまま撮影を行ってもほとんどの場合、ピントの合った
写真を撮影することができるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報等で知られる常焦点セット機構は、レンズボードの折
り畳みに連動する数点の連動部材を介して撮影レンズを
常焦点位置に移動させており、構造が複雑でコストアッ
プが避けられない。また一般のカメラでは、レンズバリ
アを閉じたときに撮影レンズを常焦点位置にセットする
ものがあるが、ピント調節用の操作部材とは別に撮影レ
ンズを常焦点位置に移動させるための連動機構を必要と
し、撮影レンズの移動機構が複雑で部品点数も多い。
【0007】本発明は上記従来技術の欠点を解決するた
めになされたもので、構造が極めて簡略化され、作動も
確実な常焦点セット機構を備えたインスタントカメラを
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため
に、本発明のインスタントカメラでは、撮影レンズが組
み込まれ、フイルムパックが装填されるカメラ本体に対
して使用位置と不使用位置との間で起伏自在に取り付け
られたレンズボードと;前記レンズボードに設けた開口
から外部に露呈されており、前記撮影レンズのピント調
節のために前記開口内のうちの一定の移動範囲内で移動
操作されるとともに、前記移動範囲内のいずれの位置に
セットされた状態でもレンズボードの表面に露呈する係
合部を有したマニュアルフォーカス用の外部操作部材
と;前記レンズボードが不使用位置に倒伏するときに前
記係合部を待ち受けるカメラ本体外部の位置に設けら
れ、前記係合部が当接することで前記外部操作部材を前
記移動範囲内の一定位置に移動させて撮影レンズを常焦
点位置にピント調節する被係合部とを設けたものであ
る。これによれば、レンズボードを不使用位置にしたと
きに、レンズボードに設けた外部操作部材の係合部がカ
メラ本体に設けた被係合部に当接し、被係合部が外部操
作部材をその移動範囲内の一定位置に移動させるから、
撮影レンズのピント調節位置が常焦点位置にセットされ
る。外部操作部材としては、移動範囲のうちの複数の位
置のいずれかに操作するゾーンフォーカスタイプと、近
距離から遠距離まで連続してピント調節するタイプとが
ある。いずれにしても被係合部で外部操作部材をその移
動範囲のうちの一定位置に移動させることで撮影レンズ
を常焦点位置にピント調節するように構成すればよい。
【0009】
【実施例】図7は本発明を用いたインスタントカメラの
外観を示す。本体部20の背面には周知のように開閉自
在な装填蓋が設けられ、フイルムパックは本体部20に
装填される。本体部20の前面側には軸31によりレン
ズボード21が起伏自在に取り付けられている。レンズ
ボード21は使用時には図示の起立状態に保持される。
シャッタボタン29を押してシャッタを作動させると、
自己現像処理型のフイルムユニットに露光が行われ、露
光済みのフイルムユニットは周知のクロー及び展開ロー
ラによって排出口30から排出される。この排出時に、
フイルムユニットに設けられた現像液ポッドが展開ロー
ラによって潰されるとともに現像処理液の展開が行わ
れ、排出後、所定の現像時間が経過するとプリント写真
が得られる。不使用時にはレンズボード21は図8に示
したようにコンパクトに折り畳まれ、携帯しやすくな
る。
【0010】レンズボード21を起伏自在にするため
に、レンズボード21にはレンズステー22,23がそ
れぞれ軸40,39により軸着され、レンズステー22
はバネによって反時計方向に付勢されている。これらの
レンズステー22,23には長穴22a,23aが形成
され、本体部20に植設したピン34,33が係合して
いる。長穴22aの端部は図示のように屈曲しており、
レンズボード21を使用位置まで起立させるとこの屈曲
部にピン34が落ち込む。またレンズステー23は、レ
ンズステー22とその交叉部で係合しており、上記のよ
うにピン34が長穴22aの屈曲部に落ち込む位置まで
レンズステー22が回動すると、レンズステー23もロ
ック位置に回動し、長穴23aの端部に同様に形成され
た屈曲部にピン33が入り込む。この結果、レンズボー
ド21はレンズステー22,23により起立状態に保持
される。なお、レンズボード21を折り畳むときには、
ピン34が長穴22aの屈曲部から脱する位置までレン
ズステー22を持ち上げてからレンズボード21を押し
込めばよい。
【0011】本体部20とレンズボード21との間は折
り畳み自在な蛇腹26で連結され、撮影光路内に外光が
入らないようになっている。なお、撮影時にカメラを構
えるときに蛇腹26の底面を押し上げてしまうと撮影光
路にケラレが生じるので、これを避けるために保持カバ
ー24が設けられている。保持カバー24はレンズステ
ー23の回動に連動して出入りし、使用時には図示位置
に移動する。したがって、撮影時にこの保持カバー24
でカメラの底面を支えるようにすると、蛇腹26を押し
上げるようなことがない。
【0012】レンズボード21はボード本体50とボー
ドカバー51とからなり、図1にはボードカバー51を
取り外した状態の内部機構が分解して示されている。ボ
ード本体50の前面には撮影レンズ35を構成する後群
レンズ54が固定され、その前面にはピント調節用の前
群レンズ53を保持した保持枠71が周知のヘリコイド
機構を介して嵌め込まれている。保持枠71には先端が
フォーク状をした係合片71aが一体に設けられ、この
係合片71aを介して保持枠71を回動させると、前群
レンズ53が撮影光軸36に沿って進退してピント調節
が行われる。
【0013】ボード本体50の前面にベース板56がビ
ス止めされる。ベース板56には、クリック爪66aと
ともに連動レバー支持部66が一体に設けられている。
連動レバー支持部66の前面には、ビス76a,76b
及び長穴65b,65cにより、連動レバー65がスラ
イド自在に取り付けられている。連動レバー65の上縁
には3個のクリック溝75a,75b,75cが形成さ
れ、前記クリック爪66aがこれらのクリック溝75a
〜75cのいずれかに係合する。また連動レバー65の
一端に突設した係合ピン65aは、保持枠71と一体の
係合片71aに係合される。
【0014】ベース板56に植設した軸63aには、
ニュアルフォーカス用の操作部材63が回動自在に取り
付けられる。操作部材63には係合ピン63bが一体化
され、連動レバー65の下縁に形成した溝65dに係合
する。操作部材63の底面は凸部63c,63dにより
逆V字型をしており、凸部63dを押し上げて操作部材
63を反時計方向に回動させると、係合ピン63b,溝
65dを介して連動レバー65が左方にスライドし、保
持枠71が時計方向に回動する。これにより前群レンズ
53が光軸方向に移動して撮影レンズ35は遠距離撮影
位置にピント調節される。なお、この位置でクリック爪
66aがクリック溝75cに係合し、連動レバー65が
不用意に移動することがないようにクリック止めする。
【0015】図2に示したように、操作部材63はボー
ド本体50の底面から露呈するように設けられ、上記の
ように凸部63dを押し上げたときには他方の凸部63
cだけが開口50aから突出する。この凸部63cを一
段押し上げて操作部材63を常焦点セット位置に移動さ
せると、連動レバー65が図1において右方にスライド
し、クリック爪66aがクリック溝75bに嵌まる。こ
れにより、撮影レンズ35は常焦点(中距離)撮影位置
にピント調節される。操作部材63は、この常焦点セッ
ト位置では凸部63c,63dを共に開口50aから少
しずつ突出させる。さらに凸部63cを押し上げると、
同様にして撮影レンズ35は近距離撮影位置にピント調
節され、開口50aからは凸部63dだけが突出する。
凸部63c,63dが本発明の係合部に相当する。
【0016】図1及び図3に示したように、本体部20
の下部には受け板20aが突設されている。この受け板
20aは、レンズボード21を折り畳んだときにボード
本体50の前端部底面側をカバーするだけでなく、撮影
レンズ35を常焦点撮影位置にセットするセット部材に
もなっている。このため受け板20aには凹部20bが
形成され、レンズボード21を折り畳むと、図6に示し
たように開口50aから部分的に突出した操作部材63
が入り込む。この凹部20bは、操作部材63を常焦点
セット位置にしたときに開口50aから突出する凸部6
3c,63dの高さと一致する深さHに決められてお
り、レンズボード21が不使用位置に倒伏したときに凸
部63c、63dが当接し、撮影レンズ35を常焦点撮
影位置にセットする位置に操作部材63を移動させる。
この凹部20bが本発明の被係合部に相当する。
【0017】上記構成による作用について説明する。イ
ンスタントカメラは、不使用状態では図8のように折り
畳まれている。使用に際しては、図3に示す摘み70を
操作してレンズボード21のロックを解除した状態でレ
ンズボード21を引き起こす。所定位置までレンズボー
ド21を引き起こすと、レンズボード21は図7に示し
た起立位置で支持され、撮影ができる状態になる。
【0018】ピント調節を行うには、レンズボード21
の前端部底面に設けられた操作部材63を操作する。後
述するように、レンズボード21を引き起こした直後に
は、操作部材63は常焦点セット位置にあるから、中距
離で撮影するときにはそのままシャッタボタン29を押
せばよい。また、撮影距離が近距離あるいは遠距離であ
るときには、それぞれ操作部材63の凸部63cあるい
は凸部63dを押すことによって、撮影レンズ35のピ
ント調節が行われる。なお、このピント調節状態はファ
インダー内でゾーンフォーカスマークにより表示され
る。
【0019】撮影を終えてレンズボード21を折り畳む
とき、最後の撮影が近距離撮影であった場合には、図4
に示すように操作部材63の凸部63cが開口50aか
ら突出し、また遠距離撮影であった場合には図5に示す
ように凸部63dが開口50aから突出している。そし
て、そのままレンズボード21を倒伏位置に向かって回
動してゆくと、操作部材63が近距離セット位置のまま
(図4)であるときには凸部63cが、また遠距離セッ
ト位置のまま(図5)であるときには凸部63dが受け
板20aの凹部20bの底面に当接し、いずれの場合で
も操作部材63は図6に示したように常焦点セット位置
に戻される。
【0020】操作部材63は、係合ピン63b及び溝6
5dを介して連動レバー65に連結され、また連動レバ
ー65の移動は係合ピン65aと係合片71aを介して
保持枠71に伝えられるから、上記のように操作部材6
3を常焦点セット位置に戻すことによって、撮影レンズ
35も常焦点撮影位置に自動的に移動される。このよう
に、レンズボード21を折り畳む操作で撮影レンズ35
を常焦点撮影位置にセットしておくと、突発的にシャッ
タチャンスが発生したときには、レンズボード21を起
立操作した後にピント調節をせずに撮影を行っても、ほ
とんどの場合ピントの合ったプリント写真を得ることが
できる。
【0021】以上、操作部材63のセット位置クリッ
ク止めにより3個所に決め、ゾーンフォーカスでピント
調節を行うようにした実施例をもとに説明してきたが、
本発明ではこれに限らず、クリック機構を省略して近距
離セット位置から遠距離セット位置まで連続的にピント
調節できるようにしてよい。この場合には、例えば、
9に示したように、ピント調節にダイヤル式に回動され
る操作部材80を用いてもよい。図9に示した例では、
操作部材80の外周に設けたV溝81が破線で示したよ
うにボード本体50の開口50aから露呈する範囲内で
操作部材80を操作してピント調節を行う。レンズボー
ド21を折り畳んだときには、受け板20aに設けた突
起20cがV溝81に進入する。これによれば、操作部
材80がどのような位置に回動されていたとしても、レ
ンズボード21を折り畳んでゆく過程で突起20cがV
溝81のいずれかの斜面に当接して操作部材80を回動
させ、最終的には実線で示したように操作部材80は常
焦点セット位置に戻される。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインスタ
ントカメラによれば、レンズボードを折り畳んだときに
マニュアルフォーカス用の外部操作部材の係合部に、カ
メラ本体外部に設けた被係合部が係合し、撮影レンズの
移動機構に連結された外部操作部材を移動範囲の所定位
置に戻すようにしてあるから、他に何らの部品や機構を
用いることなく、レンズボードの畳み込みにより確実に
撮影レンズを常焦点位置にセットすることができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したインスタントカメラのボード
本体の分解斜視図である。
【図2】レンズボードを裏面から見た斜視図である。
【図3】本発明を実施したインスタントカメラの本体部
裏面を示す斜視図である。
【図4】撮影レンズが近距離の範囲に合焦したときのレ
ンズ移動機構の一部を示す説明図である。
【図5】撮影レンズが遠距離の範囲に合焦したときのレ
ンズ移動機構の一部を示す説明図である。
【図6】撮影レンズが中距離の範囲に合焦したときのレ
ンズ移動機構の一部を示す説明図である。
【図7】本発明のインスタントカメラの起立状態を示す
斜視図である。
【図8】本発明のインスタントカメラの倒伏状態を示す
斜視図である。
【図9】操作部材の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
20 本体部 20a 受け板 21 レンズボード 22,23 レンズステー 35 撮影レンズ 51 ボードカバー 53 前群レンズ 54 後群レンズ 63,80 操作部材 63c,63d 凸部 65 連動レバー 75 クリック溝 81 V溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 17/04 G02B 7/09

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズが組み込まれ、フイルムパッ
    クが装填されるカメラ本体に対して使用位置と不使用位
    置との間で起伏自在に取り付けられたレンズボードと、 前記レンズボードに設けた開口から外部に露呈されてお
    り、前記撮影レンズのピント調節のために前記開口内の
    うちの一定の移動範囲内で移動操作されるとともに、前
    記移動範囲内のいずれの位置にセットされた状態でもレ
    ンズボードの表面に露呈する係合部を有したマニュアル
    フォーカス用の外部操作部材と、 前記レンズボードが不使用位置に倒伏するときに前記係
    合部を待ち受けるカメラ本体外部の位置に設けられ、前
    記係合部が当接することで前記外部操作部材を前記移動
    範囲内の一定位置に移動させて撮影レンズを常焦点位置
    にピント調節する被係合部とを設けたことを特徴とする
    インスタントカメラ。
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