JP3243072B2 - 2,5−二置換ピリジン類の製造方法 - Google Patents

2,5−二置換ピリジン類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、エナミン類とβ−アミノ−アク
リロニトリル類とを反応させた後、この開鎖中間体をプ
ロトン酸もしくはアンモニアで環化させることによる、
2,5−二置換ピリジン類の製造方法に関する。
【0002】2,5−二置換ピリジン類は、除草剤(EP
108,483)、殺虫剤(EP 235,725)および薬剤(CA 1,1
89,509、これはDE-OS(ドイツ公開明細)2,812,585およ
びDE-OS(ドイツ公開明細)2,812,586に相当している)
を製造するための重要な中間体である。
【0003】この必要とされている2,5−二置換ピリ
ジン類は、閉環反応によるか或は3−アルキル−ピリジ
ン類の置換によって得ることが可能である。しかしなが
ら、後者の合成は、望ましくない位置異性体の生成を伴
っている。
【0004】興味の持たれているアプローチは、一緒に
してモルホリノプロペン環とアクリル酸誘導体を生じさ
せること、即ちC2およびC3構成ブロックの反応であ
る。しかしながら、この反応で入手可能なジヒドロピリ
ジン類を複雑な操作で芳香族化する必要がある(EP 10
8,483)。α−クロロ−アクリロニトリルを用いると2
−クロロ−5−メチルピリジンが直接生じるが、低収率
である(EP 162,464)。
【0005】C4−およびそれより高級なエナミン類と
α−クロロ−アクリロニトリルとの反応がTetrahedron
24 (1968)、3369に記述されている。しかしながら、二
次的反応が生じるのは明らかであり、非常に低い温度で
のみ満足できる収率が得られ、これは、工業的条件下で
達成するには高価である(Synthesis 1985、 1116)。従
って、上記文献を考慮すると、環化して相当する2,5
−二置換ピリジン類を生じ得る4−R1−5−アミノ−
ペンタ−2,4−ジエノニトリル類の開鎖中間体を、β
−アミノアクリロニトリル類を用いた簡潔な様式で得る
ことができることは、驚くべきことである。
【0006】本発明は、1モルの式
【0007】
【化4】
【0008】を有するβ−アミノ−アクリロニトリル
と、0.2−5モル、好適には0.4−3モル、特に好
適には0.7−1.5モルの式
【0009】
【化5】
【0010】を有するエナミンとを、−70℃から+5
0℃、好適には−40℃から+25℃の温度範囲で、液
相中、0.7−20当量、好適には1−10当量のC1
−C8−カルボン酸の存在下、反応させることで、開鎖
中間体を生じさせた後、C1−C10−カルボン酸、ハロ
ゲン置換炭化水素、アルコール類、アミド類またはそれ
らの混合物から成る反応媒体中で0.7−12当量、好
適には1−6当量のプロトン酸またはアンモニアを用い
た閉環反応を行うことを特徴とする、式
【0011】
【化6】
【0012】を有する2,5−二置換ピリジン類〔上記
式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立し
て、直鎖もしくは分枝のC1−C8−アルキル、C2−C8
−アルケニル、C2−C8−アルコキシアルキル、C3
8−アルコキシアルケニル、C3−C8−シクロアルキ
ル、C6−C12−アリール、C7−C10−アラルキル、或
はN、OおよびSから成る群からの1または2個のヘテ
ロ原子を有する5員から8員の飽和もしくは不飽和複素
環式環を表すか、更に、R2とR3またはR4とR5は、各
場合共それらが置換しているN原子と一緒になって、し
かし互いに独立して、N、OおよびSから成る群からの
更に一層のヘテロ原子を含んでいてもよい5員から8員
環を形成していてもよく、そしてXは、塩素、臭素、ヒ
ドロキシルまたはアミノを表す〕の製造方法に関する。
【0013】直鎖もしくは分枝のC1−C8−アルキルの
例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、t−ブチル、異性体のペンチル類、ヘ
キシル類、オクチル類であり、好適にはC1−C4−アル
キル基が挙げられる。
【0014】直鎖もしくは分枝のC2−C8−アルケニル
の例は、ビニル、プロピニル、アリル、異性体のブテニ
ル類、ペンテニル類、ヘキセニル類またはオクテニル類
であり、好適にはC3−C4−アルケニル基が挙げられ
る。
【0015】直鎖もしくは分枝のC2−C8−アルコキシ
アルキルの例は、メトキシメチル、エトキシメチル、そ
して更に、CH2基がO原子で置換されているC3−C9
−アルキル基から成る群からの基である。
【0016】直鎖もしくは分枝のC3−C8−アルコキシ
アルケニルの例は、メトキシビニル、エトキシビニル、
メトキシアリル、2−メトキシプロペニル、およびCH
2基がO原子で置換されているC4−C9−アルケニルか
ら成る群から得られる他のものである。
【0017】C3−C8−シクロアルキルの例は、シクロ
プロピル、メチルシクロプロピル、ジメチルシクロプロ
ピル、シクロブチル、メチルシクロブチル、シクロペン
チル、メチル−シクロペンチル、シクロヘキシル、メチ
ル−シクロヘキシル、ジメチル−シクロヘキシル、シク
ロヘプチル、シクロオクチル、好適にはシクロプロピ
ル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、並びにそれ
らのメチルもしくはジメチル誘導体である。
【0018】C6−C12−アリールの例は、フェニル、
ナフチルまたはビフェニリルであり、好適にはフェニル
である。
【0019】C7−C10−アラルキルの例は、ベンジ
ル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、そして
更に、本分野の技術者に知られているこの種類の基であ
り、好適にはベンジルである。
【0020】N、OおよびSから成る群からの1または
2個のヘテロ原子を有する5員から8員の飽和もしくは
不飽和複素環式環では下記のものが挙げられる:ピロー
ル、フラン、チオフェン、ピロリジン、ピラゾール、イ
ミダゾール、チアゾール、オキサゾール、ピリジン、ピ
リミジン、ピペラジン(これらは、そのN原子上がC1
−C4−アルキルまたはヒドロキシ−C1−C4−アルキ
ルで置換されていてもよい)、モルホリン、ピラン、ア
ゼピン、アゾシン、イソキサゾール、イソチアゾール、
ピリダジンおよびピラジン。不飽和の複素環式環が多少
とも明確な芳香族的特徴を表し得ることは、本分野の技
術者によく知られている。このような飽和もしくは不飽
和の複素環式環として、好適には、C1−C4−アルキル
またはヒドロキシ−C1−C4−アルキルで置換されてい
てもよいモルホリン、ピロリジンおよびピペリジンが挙
げられる。
【0021】更に、R2とR3またはR4とR5は、各場合
共それらが置換しているN原子と一緒になって、しかし
互いに独立して、N、OおよびSから成る群からの更に
一層のヘテロ原子を含んでいてもよい5員から8員の飽
和もしくは不飽和環を形成していてもよい。上記環の例
は、上述した複素環である。
【0022】R1がメチルであり、R2とR3が、それら
が置換しているN原子と一緒になってモルホリンを表
し、そしてR4とR5がメチルを表す場合、本発明に従う
方法の反応は、下記の如き式で示され得る。
【0023】
【化7】
【0024】このように、このエナミンとβ−アミノ−
アクリロニトリルは、ジメチルアミンを放出して、式で
示す4−R1−5−アミノ−ペンタ−2,4−ジエノニ
トリルを生じ、これを、実施例に示すように、臭化水素
で処理することでモルホリンを放出させて環化させ、2
−ブロモ−5−メチルピリジンを生じさせる。
【0025】本発明に従う反応条件下では、このエナミ
ンとβ−アミノアクリロニトリルの間のアミン交換が生
じ得る。その結果として、この第一反応段階でモルホリ
ンが放出され、ジメチルアミンの代わりに開鎖中間体が
もたらされる。その結果、この閉環反応では、モルホリ
ンの代わりにジメチルアミンが放出される。この過程
は、以下の式で示され得る。
【0026】
【化8】
【0027】実際上、この両方の反応形態、即ちアミン
交換有り無しの反応形態が、並行して生じる。しかしな
がら、このことは、本発明に従う2段階反応にとって重
要ではない、と言うのは、この最終分析では常に両方の
アミノ基が放出されるからである。
【0028】好適には、直鎖もしくは分枝のC1−C8
アルキル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、フェニルまたはベンジルを表す置換基R11がR
1の位置を取っているエナミン類を用いる。
【0029】特に好適には、直鎖もしくは分枝のC1
4−アルキルを表す置換基R21がR11の位置を取って
いるエナミン類を用いる。
【0030】更に、本発明に従う方法で好適に用いられ
るエナミン類およびβ−アミノ−アクリロニトリル類
は、互いに独立して直鎖もしくは分枝のC1−C8−アル
キル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、フェニルまたはベンジルを表す置換基R12、R13
14およびR15が、R2、R3、R4およびR5の位置を取
っているか、更に、R12とR13またはR14とR15が、各
場合共それらが置換しているN原子と一緒になって、し
かし互いに独立して、N、OおよびSから成る群からの
更に一層のヘテロ原子を含んでいてもよい5員から8員
環を形成していてもよいものである。
【0031】更に、本発明に従う方法で特に好適に用い
られるエナミン類およびβ−アミノ−アクリロニトリル
類は、互いに独立してC1−C4−アルキルを表す置換基
22、R23、R24およびR25が、R12、R13、R14およ
びR15の位置を取っているか、更に、R22とR23または
24とR25が、各場合共それらが置換しているN原子と
一緒になって、しかし互いに独立して、C1−C4−アル
キルまたはヒドロキシ−C1−C4−アルキルで置換され
ていてもよいモルホリン、ピロリジンまたはピペリジン
を表していてもよいものである。
【0032】本発明に従う方法に適したエナミン類は、
基本的に公知の様式で、基本的なアルデヒド類と基本的
な第二級アミン類から製造され得る。その製造の結果と
して、上記エナミンはまた、相当するアミナールの一部
と会合していてもよい。このことは、本発明に従う方法
の成功にとって重要ではない。
【0033】β−アミノアクリロニトリル類は、例え
ば、ホルミルアセトニトリル塩と第二級アミン類との反
応(EP 18 473)か、或はアセトニトリルを用いたオル
トアミン類の縮合によって容易に入手可能である。
【0034】本発明に従う方法における反応は、両方の
段階共、液相中で生じる。一緒に用いるエナミンとβ−
アミノ−アクリロニトリルが液相を生じる場合、溶媒を
用いる必要はない。そうでない場合、ハロゲン置換炭化
水素、ケトン類、ニトリル類、アミド類、エステル類ま
たはエーテル類、或はそれらの多数の混合物から成る群
からの溶媒中でこの反応を行ってもよい。上記溶媒の例
は、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ア
セトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N
−メチル−カプロラクタム(NMC)、テトラメチル尿
素、酢酸メチル、酢酸ブチル、メチルt−ブチルエーテ
ル、t−アミルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサンであり、好適には1種以上のハロゲン置換炭
化水素である。用いる溶媒の量は、エナミンとβ−アミ
ノ−アクリロニトリルの全重量に対して0から2000
重量%、好適には50から2000重量%、特に好適に
は200から1500重量%であり、ここで、一般的な
重量%範囲で挙げたゼロの下方限界は、この場合、該エ
ナミンとβ−アミノ−アクリロニトリルとの反応を液相
中で行うことを表しているが、上述した種類の追加的溶
媒を用いないことを示している。
【0035】2つの反応体であるエナミンとβ−アミノ
−アクリロニトリルの比率は、上述したモル範囲で選択
される。これらの2つの反応体のモル比に関する理想的
な値は、明らかに1:1の値に近いが、多くの場合、可
能ならばそれの完全な変換を助長する目的で、より高価
な成分を化学量論的量よりも少なく用いる。
【0036】反応成分であるエナミンとβ−アミン−ア
クリロニトリルのどちらを最初に導入してどちらを後で
加えるかは、本発明に従う方法の成功にとって重要では
なく、原則として、両方の成分を同時に計量して添加す
ることも可能である。溶媒を用いる必要がある場合、一
方もしくは両方の反応成分と一緒に添加するか、或は一
方もしくは両方の反応成分の添加と同時にこれを添加し
てもよい。これらの反応成分の添加は、上述した温度範
囲内で行われ、この反応は弱い発熱反応である。
【0037】該開鎖中間体を生じる反応は、C1−C8
カルボン酸の存在下、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸またはカプリル酸の存在
下で行われる。好適には、この反応は酢酸またはプロピ
オン酸の存在下、特に好適には酢酸の存在下で行われ
る。この酸は、化学量論的量未満で用いられる該反応成
分のモル数に対して0.7から20当量、好適には1か
ら10当量の量で用いられる。このカルボン酸を水で希
釈してもよく、例えば50%濃度の酢酸を用いることが
できる。
【0038】これらの反応成分とカルボン酸とを一緒に
した後、上に式で記述した反応を、0.5から24時
間、好適には1から15時間かけて進行させる。次に、
水系を処理することで、該開鎖中間体(4−R1−5−
アミノ−ペンタ−2,4−ジエノニトリル)から該カル
ボン酸および放出されるアミンを分離する。この中間体
(これは水に難溶である)は、上記処理で固体として生
じるか、或は水に不溶な溶媒で抽出することによって、
抽出液の形態で得られる。このような水系の処理によ
り、この第一反応段階を、水に混和性を示さない溶媒の
存在下、例えばハロゲン置換炭化水素の存在下で行った
としても、非常に整然とした様式がもたらされる。従っ
て、このような操作は好適である。
【0039】該2,5−二置換ピリジンを生じる閉環反
応は、0.7から12当量、好適には1から6当量のプ
ロトン酸もしくはアンモニアを用いて行われる。このよ
うなプロトン酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐
酸、スルホン酸、または相当する強酸であってもよい。
塩酸または臭化水素酸を用いる場合、2位における置換
基Xは塩素または臭素である。上述したプロトン酸の他
のものを用いる場合、Xはヒドロキシルになる。酸の代
わりにアンモニアも用いられ得ることは非常に驚くべき
ことであり、この場合、この閉環反応過程において、置
換基Xはアミノの意味を取る。
【0040】ハロゲン化水素またはアンモニアを気体状
態で導入する場合、これらは、上述した値を越える量で
も用いられ得る。
【0041】プロトン酸存在下またはアンモニア存在下
における該閉環反応は、C1−C8−カルボン酸、ハロゲ
ン置換炭化水素、アルコール類、アミド類、更に上述し
た耐酸溶媒、或はそれらの混合物から生じ得る反応媒体
中で行われる。好適には、この反応は、カルボン酸とハ
ロゲン置換炭化水素の混合物中で行われる。該開鎖中間
体、該プロトン酸もしくはアンモニア、および該反応媒
体は、如何なる所望順序で一緒にされてもよいが、プロ
トン酸を用いて行う閉環の場合、最初に酸を導入した
後、該中間体を添加するのが好適である。この閉環反応
が生じる時間は、一般に0.1から5時間であり、この
時間は勿論そのバッチサイズに依存している。
【0042】
【実施例】
A)出発化合物実施例A1 1.3リットルのV4Aオートクレーブの中で、32
4.4gの90%純度エチルアミナールエステル(残り
はDMF)、123gのアセトニトリルおよび300m
LのDMFを、130℃で8時間加熱した。この粗生成
物を蒸留(80℃/0.3mm)することで、純度が9
9.3%のトランス−3−ジメチルアミノアクリロニト
リル(0.45%のDMF;NMRスペクトルに従いシ
ス:トランス=2:98)が187g得られ、これは理
論収量の95.4%に相当している。
【0043】実施例A2 60gのアセトニトリル、60gのDMFジメチルアセ
タール、36gのピロリジンおよび150mLのDMF
を8時間還流させた。蒸留で揮発成分を除去することに
より、ほとんど定量的に、96%の純度で3−ピロリジ
ノ−と3−ジメチルアミノアクリロニトリルの87:1
3混合物(GC、GC/MS)が得られた。
【0044】実施例A3 200gのモルホリンと10gの炭酸カリウムに、新し
く蒸留したプロピオンアルデヒドを62g、冷却(25
℃)しながら40分間かけて滴下した後、この混合物を
25から30℃で2時間撹拌した。ロータリーエバポレ
ーターを用いて短期間、この混合物を濃縮した後、この
懸濁液を濾過する。この濾液に真空蒸留(蒸留ヘッドが
備わっている30cmのVigreuxカラム)を受けさせ、
最初の圧力を30ミリバールにし、そして終点に向かっ
て10ミリバールにした。58から65℃で留出してく
る生成物画分は、1−モルホリノプロペンを71%そし
て相当するアミナールを12%含んでいた(85.8
g、これは理論収量の50.7%に相当している)。
【0045】実施例A4 213gのピロリジンと213gの炭酸カリウムから成
る混合物に、新しく蒸留したブチルアルデヒドを108
g、0℃で滴下した。この混合物を室温に一晩放置し、
300mLのトルエンで希釈した後、残渣を濾別した。
次に、この濾液に、85から90℃の真空蒸留(80ミ
リバール)を受けさせることで、純度が97%の1−ピ
ロリジノ−ブテンが102g得られ、これは、理論収量
の63.7%に相当している。
【0046】B)反応実施例B1 A3で得られる14.1gのモルホリノプロペンを、初
期仕込み物として、50mLの塩化メチレンの中に導入
した後、A1で得られる7.7gの3−ジメチルアミノ
アクリロニトリルを−35℃で滴下した。この混合物
を、0℃に到達するまでゆっくりと温め、0℃に2時間
維持した後、50%濃度の酢酸を16mL、室温(R
T)で滴下した。RTで2時間撹拌した後、相分離さ
せ、そして水相を抽出した。濃縮した抽出液をGC/M
Sで分析することで、相当するジメチルアミノ誘導体に
加えて4−メチル−5−モルホリノ−ペンタ−2,4−
ジエノニトリルが主要生成物として同定された。開始化
合物とアミン交換開始化合物も、15%の量で存在して
いた。
【0047】実施例B2 A4で得られる13gのピロリジノブテンを最初に50
mLの塩化メチレンに導入した後、A2で得られる1
1.9gの3−ピロリジノアクリロニトリルを−30℃
で滴下した。この後の操作は実施例B1に記述したのと
同じであり、そしてGC/MSで、4−(1−ピロリジ
ノ−メチレン)−2−ヘキセノニトリルが主要生成物と
して同定された。
【0048】実施例B3 B1で得られる粗生成物を、80mLの酢酸と20mL
のクロロホルムから成る混合物に溶解させた後、乾燥塩
化水素ガスを30分かけて0℃で導入した。撹拌を0℃
で1時間そして25℃で4時間継続した。この混合物を
濃縮し、トルエンと水を加えた後、炭酸ナトリウムを用
いて、この混合物のpHを7−8にした。有機相を分離
し、濃縮した後、球管蒸留を行うことにより、理論収量
の37.5%で2−クロロ−5−メチルピリジンが得ら
れた。GCおよび基準材料を用いたGC/MS比較によ
って、この生成物の同定を行った。H−NMR(CDC
3):7.22(H3);7.48(H4);8.62
(H6)ppm。
【0049】実施例B4 B2で得られる粗生成物を用いてB3の操作を繰り返し
た。2−クロロ−5−エチル−ピリジンが39.6%で
得られ、そしてこれを、GC/MSカップリングおよび
H−NMRで同定した。
【0050】実施例B5 実施例1と同様にして製造した粗4−メチル−5−モル
ホリノ−2,4−ペンタジエンに20mLの濃硫酸を加
えた後、この混合物を氷の上に注いだ。この得られる反
応生成物は、主に2−ヒドロキシ−5−メチルピリジン
であった。
【0051】実施例B6 クロロホルム50mL中の、A4で得られる30gのピ
ロリジノ−ブテンに、−10℃で、19.3gのβ−ピ
ロリジノ−アクリロニトリルを加えた。この混合物をR
Tに温めた後、50mLの酢酸を滴下した。RTで15
時間撹拌した後、この混合物を−10℃に冷却し、そし
て乾燥塩化水素ガスを導入した。水系の処理を行うこと
で、主要生成物として2−クロロ−5−エチルピリジン
が得られた。
【0052】本発明の特徴および態様は以下のとうりで
ある。
【0053】1. 1モルの式
【0054】
【化9】
【0055】を有するβ−アミノ−アクリロニトリル
と、0.2−5モル、好適には0.4−3モル、特に好
適には0.7−1.5モルの式
【0056】
【化10】
【0057】を有するエナミンとを、−70℃から+5
0℃、好適には−40℃から+25℃の温度範囲で、液
相中、0.7−20当量、好適には1−10当量のC1
−C8−カルボン酸の存在下、反応させることで、開鎖
中間体を生じさせた後、C1−C8−カルボン酸、ハロゲ
ン置換炭化水素、アルコール類、アミド類またはそれら
の混合物から成る反応媒体中で、0.7−12当量、好
適には1−6当量のプロトン酸またはアンモニアを用い
た閉環反応を行うことを特徴とする、式
【0058】
【化11】
【0059】を有する2,5−二置換ピリジン類〔上記
式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立し
て、直鎖もしくは分枝のC1−C8−アルキル、C2−C8
−アルケニル、C2−C8−アルコキシアルキル、C3
8−アルコキシアルケニル、C3−C8−シクロアルキ
ル、C6−C12−アリール、C7−C10−アラルキル、或
はN、OおよびSから成る群からの1または2個のヘテ
ロ原子を有する5員から8員の飽和もしくは不飽和複素
環式環を表すか、更に、R2とR3またはR4とR5は、各
場合共それらが置換しているN原子と一緒になって、し
かし互いに独立して、N、OおよびSから成る群からの
更に一層のヘテロ原子を含んでいてもよい5員から8員
環を形成していてもよく、そしてXは、塩素、臭素、ヒ
ドロキシルまたはアミノを表す〕の製造方法。
【0060】2. 直鎖もしくは分枝のC1−C8−アル
キル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、フェニルまたはベンジルを表す置換基R11がR1
位置を取ることを特徴とする第1項記載の方法。
【0061】3. 直鎖もしくは分枝のC1−C4−アル
キルを表す置換基R21がR11の位置を取ることを特徴と
する第2項記載の方法。
【0062】4. 互いに独立して直鎖もしくは分枝の
1−C8−アルキル、シクロプロピル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルを表す置
換基R12、R13、R14およびR15が、R2、R3、R4
よびR5の位置を取るか、更に、R 12とR13またはR14
とR15が、各場合共それらが置換しているN原子と一緒
になって、しかし互いに独立して、N、OおよびSから
成る群からの更に一層のヘテロ原子を含んでいてもよい
5員から8員環を形成していてもよいことを特徴とする
第1項記載の方法。
【0063】5. 互いに独立して直鎖もしくは分枝の
1−C4−アルキルを表す置換基R22、R23、R24およ
びR25が、R12、R13、R14およびR15の位置を取る
か、更に、R22とR23またはR24とR25が、各場合共そ
れらが置換しているN原子と一緒になって、しかし互い
に独立して、C1−C4−アルキルまたはヒドロキシ−C
1−C4−アルキルで置換されていてもよいモルホリノ、
ピロリジンまたはピペリジンを表してもよいことを特徴
とする第4項記載の方法。
【0064】6. 該開鎖中間体を生じさせる反応のた
めの該カルボン酸として酢酸またはプロピオン酸、好適
には酢酸を用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0065】7. 該開鎖中間体を生じさせる反応のた
めの該液相を調整する目的で、ハロゲン置換炭化水素、
ケトン類、ニトリル類、アミド類、エステル類およびエ
ーテル類から成る群からの溶媒またはそれらの多数から
成る混合物を用いることを特徴とする第1項記載の方
法。
【0066】8. 1種以上のハロゲン置換炭化水素を
用いることを特徴とする第7項記載の方法。
【0067】9. カルボン酸とハロゲン置換炭化水素
の混合物中で該閉環反応を行うことを特徴とする第1項
記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 213/00 - 213/73 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1モルの式 【化1】 を有するβ−アミノ−アクリロニトリルと、0.2−5
    モルの式 【化2】 を有するエナミンとを、−70℃から+50℃の温度範
    囲で、液相中、0.7−20当量のC1−C8−カルボン
    酸の存在下、反応させることで、開鎖中間体を生じさせ
    た後、C1−C8−カルボン酸、ハロゲン置換炭化水素、
    アルコール類、アミド類またはそれらの混合物から成る
    反応媒体中で、0.7−12当量のプロトン酸またはア
    ンモニアを用いた閉環反応を行うことを特徴とする、式 【化3】 を有する2,5−二置換ピリジン類 〔上記式中、 R1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、直
    鎖もしくは分枝のC1−C8−アルキル、C2−C8−アル
    ケニル、C2−C8−アルコキシアルキル、C3−C8−ア
    ルコキシアルケニル、C3−C8−シクロアルキル、C6
    −C12−アリール、C7−C10−アラルキル、或はN、
    OおよびSから成る群からの1または2個のヘテロ原子
    を有する5員から8員の飽和もしくは不飽和複素環式環
    を表すか、更に、R2とR3またはR4とR5は、各場合共
    それらが置換しているN原子と一緒になって、しかし互
    いに独立して、N、OおよびSから成る群からの更に一
    層のヘテロ原子を含んでいてもよい5員から8員環を形
    成していてもよく、そしてXは、塩素、臭素、ヒドロキ
    シルまたはアミノを表す〕の製造方法。
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