JP3241815B2 - ビニル系単量体の懸濁重合方法 - Google Patents
ビニル系単量体の懸濁重合方法Info
- Publication number
- JP3241815B2 JP3241815B2 JP24790192A JP24790192A JP3241815B2 JP 3241815 B2 JP3241815 B2 JP 3241815B2 JP 24790192 A JP24790192 A JP 24790192A JP 24790192 A JP24790192 A JP 24790192A JP 3241815 B2 JP3241815 B2 JP 3241815B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vinyl
- suspension polymerization
- polymerization
- component
- vinyl chloride
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F2/00—Processes of polymerisation
- C08F2/12—Polymerisation in non-solvents
- C08F2/16—Aqueous medium
- C08F2/20—Aqueous medium with the aid of macromolecular dispersing agents
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビニル系単量体の懸濁重
合方法に関し、詳しくは塩化ビニル等のビニル系単量体
の懸濁重合にあたって、反応の初期ないし中期の段階で
特定のブロック共重合体を添加することによって、熱安
定性のすぐれたビニル系樹脂、特に塩化ビニル系樹脂を
効率よく製造するに適した懸濁重合方法に関する。
合方法に関し、詳しくは塩化ビニル等のビニル系単量体
の懸濁重合にあたって、反応の初期ないし中期の段階で
特定のブロック共重合体を添加することによって、熱安
定性のすぐれたビニル系樹脂、特に塩化ビニル系樹脂を
効率よく製造するに適した懸濁重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、塩化ビニル樹脂等のビニル系樹
脂は、機械的強度,耐候性,耐薬品性および自己消炎性
等の物性がすぐれており、パイプ,板,フィルム,シー
トあるいは容器等に広く使用されているが、軟化温度が
低く、そのため耐熱変形性に劣るという欠点がある。例
えば、硬質塩化ビニル樹脂は、一般に70〜80℃で熱
変形を起こすため、それ以上の温度では使用できないと
いう問題がある。
脂は、機械的強度,耐候性,耐薬品性および自己消炎性
等の物性がすぐれており、パイプ,板,フィルム,シー
トあるいは容器等に広く使用されているが、軟化温度が
低く、そのため耐熱変形性に劣るという欠点がある。例
えば、硬質塩化ビニル樹脂は、一般に70〜80℃で熱
変形を起こすため、それ以上の温度では使用できないと
いう問題がある。
【0003】従来から、耐熱変形性を向上させるために
種々の方法が提案されており、例えば、塩化ビニル−N
−アリルマレイミド共重合体等が提案されている。この
共重合体は耐熱性が改善され、流動性もすぐれている
が、熱安定性が悪く、加熱成形時に脱塩酸しやすいとい
う欠点があった。また懸濁重合後の塩化ビニル樹脂に、
いわゆる熱安定剤をブレンドする方法として、例えば、
有機錫系安定剤,鉛系安定剤あるいはビオライト系化合
物を添加することが提案されているが、熱安定性は依然
として不足しており、実用的でない。
種々の方法が提案されており、例えば、塩化ビニル−N
−アリルマレイミド共重合体等が提案されている。この
共重合体は耐熱性が改善され、流動性もすぐれている
が、熱安定性が悪く、加熱成形時に脱塩酸しやすいとい
う欠点があった。また懸濁重合後の塩化ビニル樹脂に、
いわゆる熱安定剤をブレンドする方法として、例えば、
有機錫系安定剤,鉛系安定剤あるいはビオライト系化合
物を添加することが提案されているが、熱安定性は依然
として不足しており、実用的でない。
【0004】また、特開平2−276847号公報に
は、塩化ビニル系樹脂に、メタクリル酸メチル成分,N
−置換マレイミド成分および芳香族ビニル成分からなる
共重合体あるいは共役ジエン成分を含むエラストマーの
存在下にアクリル酸アルキルエステル,メタクリル酸ア
ルキルエステル,芳香族ビニル化合物およびシアン化ビ
ニル化合物よりなる群から選ばれた一種以上の単量体を
グラフト重合して得られる共重合体をブレンドする方法
が提案されている。この方法によれば、得られる樹脂
は、耐衝撃性の点では改善されるものの、熱安定性が依
然として不足しており、実用上不適当なものである。
は、塩化ビニル系樹脂に、メタクリル酸メチル成分,N
−置換マレイミド成分および芳香族ビニル成分からなる
共重合体あるいは共役ジエン成分を含むエラストマーの
存在下にアクリル酸アルキルエステル,メタクリル酸ア
ルキルエステル,芳香族ビニル化合物およびシアン化ビ
ニル化合物よりなる群から選ばれた一種以上の単量体を
グラフト重合して得られる共重合体をブレンドする方法
が提案されている。この方法によれば、得られる樹脂
は、耐衝撃性の点では改善されるものの、熱安定性が依
然として不足しており、実用上不適当なものである。
【0005】一方、塩化ビニル単量体の懸濁重合に際し
て、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のポリメタ
クリル酸エステルやポリアクリル酸エステル,ポリ酢酸
ビニル(PVAc)等のポリビニルエステル,ポリスチ
レン、さらにはポリ芳香族ビニル等の重合体を、塩化ビ
ニル単量体に対し1重量%以下の割合で添加する懸濁重
合方法は、従来から知られているが、これらの方法は、
得られる塩化ビニル樹脂の加工特性を改善する上では効
果的であるものの、熱安定性を改善する効果は全くなか
った。またこれらの重合体を、懸濁重合の際、塩化ビニ
ル単量体に対して5重量%以上添加すると、重合安定性
に悪影響を及ぼすという致命的欠点があった。また、熱
安定性改善効果を有する懸濁重合用分散助剤あるいは分
散安定剤として、例えば特開平3−290402号公
報,同3−290403号公報,同3−290404号
公報および同4−93301号公報に示されるものがあ
るが、いずれも充分満足できるものではなかった。
て、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のポリメタ
クリル酸エステルやポリアクリル酸エステル,ポリ酢酸
ビニル(PVAc)等のポリビニルエステル,ポリスチ
レン、さらにはポリ芳香族ビニル等の重合体を、塩化ビ
ニル単量体に対し1重量%以下の割合で添加する懸濁重
合方法は、従来から知られているが、これらの方法は、
得られる塩化ビニル樹脂の加工特性を改善する上では効
果的であるものの、熱安定性を改善する効果は全くなか
った。またこれらの重合体を、懸濁重合の際、塩化ビニ
ル単量体に対して5重量%以上添加すると、重合安定性
に悪影響を及ぼすという致命的欠点があった。また、熱
安定性改善効果を有する懸濁重合用分散助剤あるいは分
散安定剤として、例えば特開平3−290402号公
報,同3−290403号公報,同3−290404号
公報および同4−93301号公報に示されるものがあ
るが、いずれも充分満足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点に鑑み、機械的強度,耐候性,耐薬品
性,加工性および自己消炎性等の各種物性を保持しつ
つ、熱安定性のすぐれた塩化ビニル系樹脂等のビニル系
樹脂を製造するのに適した懸濁重合方法を開発すること
にある。
従来技術の欠点に鑑み、機械的強度,耐候性,耐薬品
性,加工性および自己消炎性等の各種物性を保持しつ
つ、熱安定性のすぐれた塩化ビニル系樹脂等のビニル系
樹脂を製造するのに適した懸濁重合方法を開発すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、塩化
ビニル等のビニル系単量体の懸濁重合を行う際に、転化
率が比較的低い時点で特定のA−B型ブロック共重合体
を反応系に添加することにより、懸濁重合安定性を維持
すると共に、得られる樹脂の加工特性や各種物性を損な
うことなく、熱安定性を著しく改善できることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基いて完成したものであ
る。
的を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、塩化
ビニル等のビニル系単量体の懸濁重合を行う際に、転化
率が比較的低い時点で特定のA−B型ブロック共重合体
を反応系に添加することにより、懸濁重合安定性を維持
すると共に、得られる樹脂の加工特性や各種物性を損な
うことなく、熱安定性を著しく改善できることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基いて完成したものであ
る。
【0008】すなわち、本発明はビニル系単量体の懸濁
重合を行うにあたり、転化率が60%以下の時点で、ビ
ニル系単量体100重量部に対し、 式 A−B ・・・ (I) (式中、Aはアクリル酸エステル類,メタクリル酸エス
テル類およびビニルエステル類から選ばれた少なくとも
一種に由来する構成単位からなるブロック成分であり、
BはAとは異なるラジカル重合可能な単量体の少なくと
も一種に由来する構成単位からなるブロック成分であ
る。)で表されるブロック共重合体5〜100重量部を
重合系内に添加することを特徴とするビニル系単量体の
懸濁重合方法を提供するものである。
重合を行うにあたり、転化率が60%以下の時点で、ビ
ニル系単量体100重量部に対し、 式 A−B ・・・ (I) (式中、Aはアクリル酸エステル類,メタクリル酸エス
テル類およびビニルエステル類から選ばれた少なくとも
一種に由来する構成単位からなるブロック成分であり、
BはAとは異なるラジカル重合可能な単量体の少なくと
も一種に由来する構成単位からなるブロック成分であ
る。)で表されるブロック共重合体5〜100重量部を
重合系内に添加することを特徴とするビニル系単量体の
懸濁重合方法を提供するものである。
【0009】本発明において用いるブロック共重合体
は、上記式(I)で表されるものであり、通常はA成分
とB成分が直線状に結合し、両者ともに主鎖を形成する
ようなものを意味しているが、A成分とB成分の両方、
あるいはいずれか一方が主鎖にグラフトし、グラフト共
重合体となっているものをも包含するものである。ま
た、このブロック共重合体は、上記式(I)で表される
ようにA成分とB成分が直接結合したもののみならず、
硫黄原子を介して結合した形態、例えば 式 A−S−
B (Sは硫黄を示す)で表されるものをも包含する。
は、上記式(I)で表されるものであり、通常はA成分
とB成分が直線状に結合し、両者ともに主鎖を形成する
ようなものを意味しているが、A成分とB成分の両方、
あるいはいずれか一方が主鎖にグラフトし、グラフト共
重合体となっているものをも包含するものである。ま
た、このブロック共重合体は、上記式(I)で表される
ようにA成分とB成分が直接結合したもののみならず、
硫黄原子を介して結合した形態、例えば 式 A−S−
B (Sは硫黄を示す)で表されるものをも包含する。
【0010】ここで、上記A成分は、アクリル酸エステ
ル類,メタクリル酸エステル類およびビニルエステル類
から選ばれた少なくとも一種に由来する構成単位からな
るブロック成分である。このアクリル酸エステル類やメ
タクリル酸エステル類(以下、アクリル酸とメタクリル
酸を併せて(メタ)アクリル酸と言うことがある。)と
しては、通常は炭素数1〜22のアルキル基やシクロア
ルキル基、さらにはアリールアルキル基を有するエステ
ル類が好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチ
ル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸ブ
チル,(メタ)アクリル酸tert−ブチルシクロヘキ
シル,(メタ)アクリル酸アミル,(メタ)アクリル酸
オクチル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,
(メタ)アクリル酸デシル,(メタ)アクリル酸ラウリ
ル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル
酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸ベンジルな
どが挙げられる。また、ビニルエステル類としては、例
えば、ギ酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,
酪酸ビニル,イソ酪酸ビニル,バーサチック酸ビニル,
カプロン酸ビニル,カプリル酸ビニル,カプリン酸ビニ
ル,ラウリル酸ビニル,パルミチン酸ビニル,ステアリ
ン酸ビニル,オレイン酸ビニルおよびピバリン酸ビニル
等があげられる。なお、このビニルエステル類をけん化
して用いる場合は、けん化度を50モル%以下に調整す
ることが望ましい。
ル類,メタクリル酸エステル類およびビニルエステル類
から選ばれた少なくとも一種に由来する構成単位からな
るブロック成分である。このアクリル酸エステル類やメ
タクリル酸エステル類(以下、アクリル酸とメタクリル
酸を併せて(メタ)アクリル酸と言うことがある。)と
しては、通常は炭素数1〜22のアルキル基やシクロア
ルキル基、さらにはアリールアルキル基を有するエステ
ル類が好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチ
ル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸ブ
チル,(メタ)アクリル酸tert−ブチルシクロヘキ
シル,(メタ)アクリル酸アミル,(メタ)アクリル酸
オクチル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,
(メタ)アクリル酸デシル,(メタ)アクリル酸ラウリ
ル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル
酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸ベンジルな
どが挙げられる。また、ビニルエステル類としては、例
えば、ギ酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,
酪酸ビニル,イソ酪酸ビニル,バーサチック酸ビニル,
カプロン酸ビニル,カプリル酸ビニル,カプリン酸ビニ
ル,ラウリル酸ビニル,パルミチン酸ビニル,ステアリ
ン酸ビニル,オレイン酸ビニルおよびピバリン酸ビニル
等があげられる。なお、このビニルエステル類をけん化
して用いる場合は、けん化度を50モル%以下に調整す
ることが望ましい。
【0011】一方、B成分は、上記A成分とは異なるラ
ジカル重合可能な単量体の少なくとも一種に由来する構
成単位からなるブロック成分である。このような単量体
としては、上記A成分とは異なることを条件として、上
述した(メタ)アクリル酸エステル類やビニルエステル
類を挙げることができるが、さらに芳香族ビニル,マレ
イミド化合物をはじめ各種の単量体を挙げることができ
る。ここで芳香族ビニルとしては、スチレン,α−メチ
ルスチレン,o−クロロスチレン,p−クロロスチレン
およびビニルトルエンなどが挙げられる。また、マレイ
ミド化合物としては、N−メチルマレイミド,N−エチ
ルマレイミド,N−プロピルマレイミド,N−イソプロ
ピルマレイミド,N−ブチルマレイミド,N−tert
−ブチルマレイミド,N−シクロヘキシルマレイミド,
N−フェニルマレイミド,N−ヒドロキシフェニルマレ
イミドおよびN−ラウロイルマレイミドなどが挙げられ
る。さらにB成分を構成する上記以外の単量体として
は、(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル酸アミド,
ビニルエーテル(例えばメチルビニルエーテル,エチル
ビニルエーテル,ブチルビニルエーテルなど),不飽和
ジカルボン酸(無水物)(例えばマレイン酸,無水マレ
イン酸,クロロマレイン酸無水物,ジクロロマレイン酸
無水物,シトラコン酸無水物,フェニルマレイン酸無水
物,アコニット酸無水物など),シアン化ビニル(例え
ばアクリルニトリル,メタクリロニトリル,α−クロロ
アクリロニトリルなど),ビニルピロリドン,α−オレ
フィン(例えばエチレン,プロピレンなど),ジエン類
(例えばブタジエン,イソプレンなど)、さらにはそれ
らの誘導体等種々のものが充当される。
ジカル重合可能な単量体の少なくとも一種に由来する構
成単位からなるブロック成分である。このような単量体
としては、上記A成分とは異なることを条件として、上
述した(メタ)アクリル酸エステル類やビニルエステル
類を挙げることができるが、さらに芳香族ビニル,マレ
イミド化合物をはじめ各種の単量体を挙げることができ
る。ここで芳香族ビニルとしては、スチレン,α−メチ
ルスチレン,o−クロロスチレン,p−クロロスチレン
およびビニルトルエンなどが挙げられる。また、マレイ
ミド化合物としては、N−メチルマレイミド,N−エチ
ルマレイミド,N−プロピルマレイミド,N−イソプロ
ピルマレイミド,N−ブチルマレイミド,N−tert
−ブチルマレイミド,N−シクロヘキシルマレイミド,
N−フェニルマレイミド,N−ヒドロキシフェニルマレ
イミドおよびN−ラウロイルマレイミドなどが挙げられ
る。さらにB成分を構成する上記以外の単量体として
は、(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル酸アミド,
ビニルエーテル(例えばメチルビニルエーテル,エチル
ビニルエーテル,ブチルビニルエーテルなど),不飽和
ジカルボン酸(無水物)(例えばマレイン酸,無水マレ
イン酸,クロロマレイン酸無水物,ジクロロマレイン酸
無水物,シトラコン酸無水物,フェニルマレイン酸無水
物,アコニット酸無水物など),シアン化ビニル(例え
ばアクリルニトリル,メタクリロニトリル,α−クロロ
アクリロニトリルなど),ビニルピロリドン,α−オレ
フィン(例えばエチレン,プロピレンなど),ジエン類
(例えばブタジエン,イソプレンなど)、さらにはそれ
らの誘導体等種々のものが充当される。
【0012】本発明において用いる上記式(I)で表さ
れるブロック共重合体のA成分およびB成分の重合度は
特に制限はないが、両成分共、その平均重合度(Pn)
が5000以下であることが好ましい。また、このブロ
ック共重合体は、上記性状を有するものである限り、そ
の製造法は特に制限はなく、各種の方法で製造したもの
を充当することができる。しかし、そのうちA成分また
はB成分を構成する一方の単量体(例えばA成分の単量
体)をラジカル重合する際に、チオールカルボン酸、あ
るいは2−アセチルチオエチルチオール,10−アセチ
ルチオデカンチオール等の分子内にチオエステルとチオ
ール基とを含有する化合物の共存下に重合し、得られた
重合体を水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリで
処理して、片末端にチオール基を有する重合体とし、こ
の重合体の存在下に、他方の成分を構成する単量体(例
えばB成分の単量体)をラジカル重合して得る方法が、
簡便かつ効率よくブロック共重合体を得る方法として最
も好ましい。この場合、A成分とB成分は硫黄原子を介
して結合したブロック共重合体(式 A−S−Bで表さ
れるもの)が得られる。なお、この製造方法は特開昭5
9−189111号公報にて詳述されている。
れるブロック共重合体のA成分およびB成分の重合度は
特に制限はないが、両成分共、その平均重合度(Pn)
が5000以下であることが好ましい。また、このブロ
ック共重合体は、上記性状を有するものである限り、そ
の製造法は特に制限はなく、各種の方法で製造したもの
を充当することができる。しかし、そのうちA成分また
はB成分を構成する一方の単量体(例えばA成分の単量
体)をラジカル重合する際に、チオールカルボン酸、あ
るいは2−アセチルチオエチルチオール,10−アセチ
ルチオデカンチオール等の分子内にチオエステルとチオ
ール基とを含有する化合物の共存下に重合し、得られた
重合体を水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリで
処理して、片末端にチオール基を有する重合体とし、こ
の重合体の存在下に、他方の成分を構成する単量体(例
えばB成分の単量体)をラジカル重合して得る方法が、
簡便かつ効率よくブロック共重合体を得る方法として最
も好ましい。この場合、A成分とB成分は硫黄原子を介
して結合したブロック共重合体(式 A−S−Bで表さ
れるもの)が得られる。なお、この製造方法は特開昭5
9−189111号公報にて詳述されている。
【0013】本発明の懸濁重合方法は、ビニル系単量体
の懸濁重合を行う反応系に、上記ブロック共重合体を添
加することによって進行するが、このブロック共重合体
の添加時期は、該ビニル系単量体の転化率が60%以下
の時点、好ましくは30%以下の時点、さらに好ましく
は10%以下の時点、特に好ましくは重合開始時または
開始以前である。ビニル系単量体の転化率が60%を越
えた後に添加した場合、このブロック共重合体とビニル
系単量体との混合が不充分となり、所期の効果が発現し
ない。また、ブロック共重合体の添加量は、重合原料で
あるビニル系単量体100重量部に対して、5〜100
重量部であり、好ましくは20〜80重量部であり、さ
らに好ましくは40〜70重量部である。
の懸濁重合を行う反応系に、上記ブロック共重合体を添
加することによって進行するが、このブロック共重合体
の添加時期は、該ビニル系単量体の転化率が60%以下
の時点、好ましくは30%以下の時点、さらに好ましく
は10%以下の時点、特に好ましくは重合開始時または
開始以前である。ビニル系単量体の転化率が60%を越
えた後に添加した場合、このブロック共重合体とビニル
系単量体との混合が不充分となり、所期の効果が発現し
ない。また、ブロック共重合体の添加量は、重合原料で
あるビニル系単量体100重量部に対して、5〜100
重量部であり、好ましくは20〜80重量部であり、さ
らに好ましくは40〜70重量部である。
【0014】本発明の懸濁重合方法では、必要に応じて
分散安定剤を使用することができるが、この分散安定剤
としては、塩化ビニル等のビニル系単量体を水媒体中で
懸濁重合する際に通常使用されるものでよく、これには
メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒド
ロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチル
セルロース等の水溶性セルロースエーテル、部分けん化
ポリビニルアルコール(けん化度60〜95モル%,平
均重合度500以上)およびこのイオン基またはノニオ
ン基変性物、低けん化度ポリビニルアルコール(けん化
度60モル%未満,平均重合度3000以下)およびこ
のイオン基またはノニオン基変性物、ゼラチン等の水溶
性ポリマー、ソルビタンモノラウレート,ソルビタント
リオレート,グリセリントリステアレート,エチレンオ
キシドプロピレンオキシドブロックコポリマー等の油溶
性乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト,ポリオキシエチレングリセリンオレート,ラウリン
酸ナトリウム等の水溶性乳化剤等が例示され、これらは
一種または二種以上の組合せで添加される。その添加量
は、特に制限はないが、塩化ビニル等のビニル系単量体
100重量部当たり0.03〜0.15重量部が好ましい。
分散安定剤を使用することができるが、この分散安定剤
としては、塩化ビニル等のビニル系単量体を水媒体中で
懸濁重合する際に通常使用されるものでよく、これには
メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒド
ロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチル
セルロース等の水溶性セルロースエーテル、部分けん化
ポリビニルアルコール(けん化度60〜95モル%,平
均重合度500以上)およびこのイオン基またはノニオ
ン基変性物、低けん化度ポリビニルアルコール(けん化
度60モル%未満,平均重合度3000以下)およびこ
のイオン基またはノニオン基変性物、ゼラチン等の水溶
性ポリマー、ソルビタンモノラウレート,ソルビタント
リオレート,グリセリントリステアレート,エチレンオ
キシドプロピレンオキシドブロックコポリマー等の油溶
性乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト,ポリオキシエチレングリセリンオレート,ラウリン
酸ナトリウム等の水溶性乳化剤等が例示され、これらは
一種または二種以上の組合せで添加される。その添加量
は、特に制限はないが、塩化ビニル等のビニル系単量体
100重量部当たり0.03〜0.15重量部が好ましい。
【0015】その他各種添加剤も必要に応じて加えるこ
とができる。使用できる各種添加剤としては、アセトア
ルデヒド,ブチルアルデヒド,トリクロロエチレン,パ
ークロロエチレンあるいはメルカプタン類等の重合度調
節剤、フェノール化合物,イオウ化合物,N−オキシド
化合物等の重合禁止剤などがある。また、pH調整剤,
スケール防止剤,架橋剤等を加えることも任意であり、
上記の添加剤を複数併用しても差し支えない。また重合
装置にコンデンサー等の凝縮器を取り付けることも有効
である。
とができる。使用できる各種添加剤としては、アセトア
ルデヒド,ブチルアルデヒド,トリクロロエチレン,パ
ークロロエチレンあるいはメルカプタン類等の重合度調
節剤、フェノール化合物,イオウ化合物,N−オキシド
化合物等の重合禁止剤などがある。また、pH調整剤,
スケール防止剤,架橋剤等を加えることも任意であり、
上記の添加剤を複数併用しても差し支えない。また重合
装置にコンデンサー等の凝縮器を取り付けることも有効
である。
【0016】一方、重合開始剤も、従来塩化ビニル等の
ビニル系単量体の重合に使用されているものでよく、こ
れにはジイソプロピルパーオキシジカーボネート,ジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート,ジエト
キシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネ
ート化合物、t−ブチルパーオキシネオデカネート,α
−クミルパーオキシネオデカネート,t−ブチルパーオ
キシネオデカネート等のパーエステル化合物、アセチル
シクロヘキシルスルホニルパーオキサイドや2,4,4
−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセ
テート等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリル,アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル,
アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル)等のアゾ化合物などが挙げられ、さらにはこれら
に過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウム,過酸化水素等
を組み合わせて使用することもできる。この添加量は、
塩化ビニル等のビニル系単量体100重量部当たり0.0
2〜0.3重量部の範囲が好適である。
ビニル系単量体の重合に使用されているものでよく、こ
れにはジイソプロピルパーオキシジカーボネート,ジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート,ジエト
キシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネ
ート化合物、t−ブチルパーオキシネオデカネート,α
−クミルパーオキシネオデカネート,t−ブチルパーオ
キシネオデカネート等のパーエステル化合物、アセチル
シクロヘキシルスルホニルパーオキサイドや2,4,4
−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセ
テート等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリル,アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル,
アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル)等のアゾ化合物などが挙げられ、さらにはこれら
に過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウム,過酸化水素等
を組み合わせて使用することもできる。この添加量は、
塩化ビニル等のビニル系単量体100重量部当たり0.0
2〜0.3重量部の範囲が好適である。
【0017】また上記式(I)で表されるA−B型ブロ
ック共重合体を、ビニル系単量体の転化率60%以下の
時点で、該ビニル系単量体100重量部に対し5〜10
0重量部添加するのであれば、各成分の仕込割合,仕込
順序,重合温度等については、従来塩化ビニル等のビニ
ル系単量体の懸濁重合で採用されている条件に準じて定
めればよく、特に限定すべきものはない。また重合に用
いる水の仕込み温度についても特に制限はなく、40℃
〜95℃の温水を仕込む、いわゆるホットチャージ法も
使用できる。
ック共重合体を、ビニル系単量体の転化率60%以下の
時点で、該ビニル系単量体100重量部に対し5〜10
0重量部添加するのであれば、各成分の仕込割合,仕込
順序,重合温度等については、従来塩化ビニル等のビニ
ル系単量体の懸濁重合で採用されている条件に準じて定
めればよく、特に限定すべきものはない。また重合に用
いる水の仕込み温度についても特に制限はなく、40℃
〜95℃の温水を仕込む、いわゆるホットチャージ法も
使用できる。
【0018】本発明の懸濁重合方法で用いる原料単量体
としてのビニル系単量体は、各種のものがあるが、具体
的には塩化ビニル単独のほか、塩化ビニルを主体とする
単量体混合物(塩化ビニル50重量%以上)が包含さ
れ、この塩化ビニルと共重合されるコモノマーとして
は、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル、(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エ
チル等の(メタ)アクリル酸エステル、エチレン,プロ
ピレン等のオレフィン、無水マレイン酸,アクリロニト
リル,イタコン酸,スチレン,塩化ビニリデン,ビニル
エーテル、その他塩化ビニルと共重合可能な単量体が例
示される。さらには、塩化ビニルを含まない上記ビニル
系単量体の単独重合や共重合にあたっても、本発明の懸
濁重合方法を採用することができる。
としてのビニル系単量体は、各種のものがあるが、具体
的には塩化ビニル単独のほか、塩化ビニルを主体とする
単量体混合物(塩化ビニル50重量%以上)が包含さ
れ、この塩化ビニルと共重合されるコモノマーとして
は、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル、(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エ
チル等の(メタ)アクリル酸エステル、エチレン,プロ
ピレン等のオレフィン、無水マレイン酸,アクリロニト
リル,イタコン酸,スチレン,塩化ビニリデン,ビニル
エーテル、その他塩化ビニルと共重合可能な単量体が例
示される。さらには、塩化ビニルを含まない上記ビニル
系単量体の単独重合や共重合にあたっても、本発明の懸
濁重合方法を採用することができる。
【0019】なお、本発明の懸濁重合方法によって得ら
れる塩化ビニル系樹脂等のビニル系樹脂には、必要に応
じて種々のゴム成分を添加することもできる。ここで添
加することのできるゴム成分としては、例えばポリブタ
ジエン,スチレン−ブタジエンブロックポリマー,ニト
リルゴム,マレイン化ゴム,ポリイソプレンゴム,ブタ
ジエン−アクリロニトリルゴム,エチレン−プロピレン
−ジエンターポリマー,ブタジエン−スチレン−ブタジ
エンターポリマー,ブタジエン−イソプレン−ブタジエ
ンターポリマーなどが挙げられる。同様に従来から塩化
ビニル系樹脂用の安定剤として使用されているステアリ
ン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸バリ
ウム,ステアリン酸カドミウム,ステアリン酸鉛等の金
属石けん、二塩基性硫酸塩,二塩基性ステアリン酸鉛,
水酸化カルシウム,ケイ酸カルシウム等の無機安定剤、
さらには滑剤,顔料,充填剤,耐衝撃改良剤,加工助
剤,紫外線吸収剤などを後添加してもよい。
れる塩化ビニル系樹脂等のビニル系樹脂には、必要に応
じて種々のゴム成分を添加することもできる。ここで添
加することのできるゴム成分としては、例えばポリブタ
ジエン,スチレン−ブタジエンブロックポリマー,ニト
リルゴム,マレイン化ゴム,ポリイソプレンゴム,ブタ
ジエン−アクリロニトリルゴム,エチレン−プロピレン
−ジエンターポリマー,ブタジエン−スチレン−ブタジ
エンターポリマー,ブタジエン−イソプレン−ブタジエ
ンターポリマーなどが挙げられる。同様に従来から塩化
ビニル系樹脂用の安定剤として使用されているステアリ
ン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸バリ
ウム,ステアリン酸カドミウム,ステアリン酸鉛等の金
属石けん、二塩基性硫酸塩,二塩基性ステアリン酸鉛,
水酸化カルシウム,ケイ酸カルシウム等の無機安定剤、
さらには滑剤,顔料,充填剤,耐衝撃改良剤,加工助
剤,紫外線吸収剤などを後添加してもよい。
【0020】
【実施例】以下実施例をあげて本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定される
ものではない。なお、以下の実施例において「%」およ
び「部」はとくに断りのない限り、「重量%」および
「重量部」を意味する。尚、以下の実施例において用い
たブロック共重合体は、特開昭59−189111号公
報に記載された方法により合成されたスルフィド結合に
よりA成分とB成分が連結されたA−S−B型ブロック
共重合体である。以下の実施例および比較例における分
散剤使用量およびプロック共重合体使用量は塩化ビニル
100部に対する量である。
明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定される
ものではない。なお、以下の実施例において「%」およ
び「部」はとくに断りのない限り、「重量%」および
「重量部」を意味する。尚、以下の実施例において用い
たブロック共重合体は、特開昭59−189111号公
報に記載された方法により合成されたスルフィド結合に
よりA成分とB成分が連結されたA−S−B型ブロック
共重合体である。以下の実施例および比較例における分
散剤使用量およびプロック共重合体使用量は塩化ビニル
100部に対する量である。
【0021】実施例1 けん化度70モル%および平均重合度700のポリビニ
ルアルコール(PVA)からなる分散剤(分散安定剤)
および第1表に示したブロック共重合体を使用して塩化
ビニルの懸濁重合を下記の方法で行った。即ち、グラス
ライニングオートクレーブに脱イオン水50部,上記分
散剤0.06部(塩化ビニル100部に対して),上記ブ
ロック共重合体5部(塩化ビニル100部に対して)お
よびジイソプロピルパーオキシジカーボネートの50重
量%トルエン溶液0.009部を仕込み、オートクレーブ
内を50mmHgとなるまで脱気して酸素を除いた後、
塩化ビニルを30部仕込み、攪拌下に57℃に昇温して
重合を行った。重合開始時、オートクレーブ内の圧力は
8.0kg/cm2 Gであったが、重合開始6時間後に5.
0kg/cm2 Gとなったのでこの時点で重合を停止
し、未反応塩化ビニル単量体をパージし、内容物を取り
出し脱水乾燥した。懸濁重合に用いた分散剤(分散安定
剤)およびA−B型ブロック共重合体の種類と使用量を
第1表に、また得られた塩化ビニル樹脂の性能を第2表
に示す。
ルアルコール(PVA)からなる分散剤(分散安定剤)
および第1表に示したブロック共重合体を使用して塩化
ビニルの懸濁重合を下記の方法で行った。即ち、グラス
ライニングオートクレーブに脱イオン水50部,上記分
散剤0.06部(塩化ビニル100部に対して),上記ブ
ロック共重合体5部(塩化ビニル100部に対して)お
よびジイソプロピルパーオキシジカーボネートの50重
量%トルエン溶液0.009部を仕込み、オートクレーブ
内を50mmHgとなるまで脱気して酸素を除いた後、
塩化ビニルを30部仕込み、攪拌下に57℃に昇温して
重合を行った。重合開始時、オートクレーブ内の圧力は
8.0kg/cm2 Gであったが、重合開始6時間後に5.
0kg/cm2 Gとなったのでこの時点で重合を停止
し、未反応塩化ビニル単量体をパージし、内容物を取り
出し脱水乾燥した。懸濁重合に用いた分散剤(分散安定
剤)およびA−B型ブロック共重合体の種類と使用量を
第1表に、また得られた塩化ビニル樹脂の性能を第2表
に示す。
【0022】実施例2〜10および比較例1〜7 分散剤(分散安定剤)およびA−B型ブロック共重合体
の種類と使用量を第1表に示すように変えたこと以外は
実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行った。
得られた塩化ビニル樹脂の性能を第2表に示す。
の種類と使用量を第1表に示すように変えたこと以外は
実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行った。
得られた塩化ビニル樹脂の性能を第2表に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】MMA:メタクリル酸メチル BA:アクリル酸n−ブチル MA:メタクリル酸 2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル VAc:酢酸ビニル PVi:ピバリン酸ビニル NPM:N−フェニルマレイミド EVA:エチレン−酢酸ビニル MAA:無水マレイン酸 NCHM:N−シクロヘキシルマレイミド St:スチレン
【0026】
【表3】
【0027】なお、第2表において、得られた塩化ビニ
ル樹脂の平均粒子径および熱安定性は、下記の方法によ
り測定した。 〔平均粒子径〕タイラーメッシュ基準の金網を使用して
乾式ふるい分析により測定した。 〔熱安定性〕懸濁重合により得られた塩化ビニル樹脂を
65℃で8時間乾燥させたのち、粒子を170℃のホッ
トブロックバス中で加熱して、着色の度合いを目視にて
判定した。 ◎ 着色なし ○ わずかに着色あり △ ピンク色に着色 × 赤〜褐色に着色
ル樹脂の平均粒子径および熱安定性は、下記の方法によ
り測定した。 〔平均粒子径〕タイラーメッシュ基準の金網を使用して
乾式ふるい分析により測定した。 〔熱安定性〕懸濁重合により得られた塩化ビニル樹脂を
65℃で8時間乾燥させたのち、粒子を170℃のホッ
トブロックバス中で加熱して、着色の度合いを目視にて
判定した。 ◎ 着色なし ○ わずかに着色あり △ ピンク色に着色 × 赤〜褐色に着色
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の懸濁重合方法によって製造される塩化ビニル系樹脂等
のビニル系樹脂は、粒子径が大きいためその取扱い時の
飛散が少なく、また熱安定性にすぐれているため、加工
時に着色するおそれが少なく、その取扱いが容易であ
る。したがって、本発明の懸濁重合方法は、優れた物性
および加工特性を有するビニル系樹脂の製造方法とし
て、実用上その利用価値は極めて高い。
の懸濁重合方法によって製造される塩化ビニル系樹脂等
のビニル系樹脂は、粒子径が大きいためその取扱い時の
飛散が少なく、また熱安定性にすぐれているため、加工
時に着色するおそれが少なく、その取扱いが容易であ
る。したがって、本発明の懸濁重合方法は、優れた物性
および加工特性を有するビニル系樹脂の製造方法とし
て、実用上その利用価値は極めて高い。
Claims (2)
- 【請求項1】 ビニル系単量体の懸濁重合を行うにあ
たり、転化率が60%以下の時点で、ビニル系単量体1
00重量部に対し、 式 A−B (式中、Aはアクリル酸エステル類,メタクリル酸エス
テル類およびビニルエステル類から選ばれた少なくとも
一種に由来する構成単位からなるブロック成分であり、
BはAとは異なるラジカル重合可能な単量体の少なくと
も一種に由来する構成単位からなるブロック成分であ
る。)で表されるブロック共重合体5〜100重量部を
重合系内に添加することを特徴とするビニル系単量体の
懸濁重合方法。 - 【請求項2】 前記ビニル系単量体100重量部に対
し、前記ブロック共重合体20〜80重量部を重合系内
に添加することを特徴とする請求項1に記載のビニル系
単量体の懸濁重合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24790192A JP3241815B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | ビニル系単量体の懸濁重合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24790192A JP3241815B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | ビニル系単量体の懸濁重合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06100606A JPH06100606A (ja) | 1994-04-12 |
JP3241815B2 true JP3241815B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=17170251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24790192A Expired - Fee Related JP3241815B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | ビニル系単量体の懸濁重合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3241815B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021101099A1 (ko) | 2019-11-21 | 2021-05-27 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
WO2021101101A1 (ko) | 2019-11-21 | 2021-05-27 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
KR20210061687A (ko) | 2019-11-20 | 2021-05-28 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
WO2022108358A1 (ko) | 2020-11-20 | 2022-05-27 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
-
1992
- 1992-09-17 JP JP24790192A patent/JP3241815B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20210061687A (ko) | 2019-11-20 | 2021-05-28 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
WO2021101099A1 (ko) | 2019-11-21 | 2021-05-27 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
WO2021101101A1 (ko) | 2019-11-21 | 2021-05-27 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
KR20210062312A (ko) | 2019-11-21 | 2021-05-31 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
KR20210062313A (ko) | 2019-11-21 | 2021-05-31 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
WO2022108358A1 (ko) | 2020-11-20 | 2022-05-27 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
KR20220069371A (ko) | 2020-11-20 | 2022-05-27 | 주식회사 엘지화학 | 공중합체 제조방법, 이로부터 제조된 공중합체 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06100606A (ja) | 1994-04-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101671487B1 (ko) | 염화비닐계 수지의 제조 방법 | |
JP2676672B2 (ja) | コアとシェルの間に改善された相結合を有するコア/シェル分散粒子のグラフト共重合体ラテックスの製造方法 | |
JP3241815B2 (ja) | ビニル系単量体の懸濁重合方法 | |
JP2004269877A (ja) | アクリル系共重合体ラテックスの製造方法及びそれを用いた塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JP2003171423A (ja) | ポリビニルアルコール系樹脂およびその用途 | |
JP2003105007A (ja) | アクリル系エマルジョンの製造方法 | |
US3846390A (en) | Process for producing polyvinyl chloride in the presence of alkyl thioglycolate as a chain transfer agent | |
JP3240196B2 (ja) | ビニル系重合体の製造方法 | |
JP3262700B2 (ja) | 塩化ビニル系樹脂 | |
JPH07149847A (ja) | 塩化ビニル系共重合体の製造方法 | |
JPH09316139A (ja) | 塩化ビニル系樹脂及びその製造方法 | |
JPS6272710A (ja) | アクリル酸エステル系ポリマ−コンポジツトの製造法 | |
JP4244733B2 (ja) | 車輌カーペット用不織布バインダー用水性樹脂組成物 | |
JP3382714B2 (ja) | 塩化ビニルグラフト樹脂 | |
JP2510627B2 (ja) | ジオレフィン系重合体ラテックス分子量調節方法 | |
JPH0635498B2 (ja) | 塩化ビニル樹脂の製造方法 | |
JPH06107734A (ja) | 耐熱塩化ビニル系共重合体の製造方法 | |
JPS5811889B2 (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JP3240176B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤 | |
JPS6173714A (ja) | 塩化ビニル樹脂の製造方法 | |
JPH0489810A (ja) | 低重合度塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JPS6173713A (ja) | 塩化ビニル樹脂の製造方法 | |
JPH02142844A (ja) | 塩化ビニル系樹脂組成物 | |
JPH1060059A (ja) | 塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法 | |
JPH06104707B2 (ja) | 塩化ビニル樹脂の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071019 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091019 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |