JP3241624B2 - 吸収式空調装置 - Google Patents

吸収式空調装置

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JP3241624B2
JP3241624B2 JP01841797A JP1841797A JP3241624B2 JP 3241624 B2 JP3241624 B2 JP 3241624B2 JP 01841797 A JP01841797 A JP 01841797A JP 1841797 A JP1841797 A JP 1841797A JP 3241624 B2 JP3241624 B2 JP 3241624B2
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    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

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  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収液を用いる吸
収式空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷却塔、吸収器伝熱管、及び凝縮器伝熱
管を順に環状接続してなり、冷房運転時には冷却水を循
環させる冷却水回路と、室内熱交換器、蒸発器伝熱管を
環状接続してなり、冷温水を循環させる冷温水回路と、
加熱源により低濃度吸収液中の冷媒を気化させて高濃度
吸収液と蒸気冷媒とに分離する再生器、前記凝縮器伝熱
管を配設し冷房運転時には再生器から高温の蒸気冷媒が
送り込まれる凝縮器、冷房運転時には前記凝縮器で液化
した液冷媒を低圧下で蒸発させる蒸発器、該蒸発器に併
設され前記吸収器伝熱管を配設し冷房運転時には前記蒸
発器で蒸発した蒸気冷媒を前記再生器から送られる高濃
度吸収液に吸収させる吸収器、及び該吸収器内の吸収液
を前記再生器に戻す溶液ポンプを有する吸収液回路と、
前記加熱源及び前記溶液ポンプを制御する制御器とを備
える吸収式空調装置が従来より知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の吸収式空調
装置では、冷房運転停止の際に、加熱停止後、局部的な
高温部での吸収液の晶析を防止するため、溶液ポンプを
作動継続して稀釈運転を行っているが、吸収器内の吸収
液を再生器に送り込むものであるため、稀釈運転終了時
点で再生器内における吸収液の液面の高さが高くなる。
この状態で運転を再開して加熱開始により再生器内の吸
収液が沸騰すると、吸収液が高温の液状態で冷媒回路側
に溢れて凝縮器に回り込むので能力ダウン状態に陥る。
【0004】本発明の目的は、運転停止時に稀釈運転を
行っても再生器内の吸収液の液面の高さが適正に調整さ
れ、全停止できる吸収式空調装置の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明は、以下の構成を採用した。 (1)冷却塔、吸収器伝熱管、及び凝縮器伝熱管を順に
環状接続してなり、冷房運転時には冷却水を循環させる
冷却水回路と、室内熱交換器、蒸発器伝熱管を環状接続
してなり、冷温水を循環させる冷温水回路と、吸収液が
入れられ加熱部が加熱源により加熱され冷房運転時には
低濃度吸収液中の冷媒を気化させて高濃度吸収液と蒸気
冷媒とに分離する再生器、前記凝縮器伝熱管を配設し冷
房運転時には前記再生器から高温の蒸気冷媒が送り込ま
れる凝縮器、冷房運転時には前記凝縮器で液化した液冷
媒を低圧下で蒸発させる蒸発器、該蒸発器と連通状態に
併設され前記吸収器伝熱管を配設し冷房運転時には前記
蒸発器で蒸発した蒸気冷媒を前記再生器から送られる高
濃度吸収液に吸収させる吸収器、及び該吸収器内の吸収
液を前記再生器に戻す溶液ポンプを有する吸収液回路
と、途中に電磁開閉弁を配設し、前記再生器と前記蒸発
器とを接続するバイパス管と、再生器内の吸収液の温度
を検出する温度検出手段と、前記加熱源、前記溶液ポン
プ、及び前記電磁開閉弁を制御する制御器とを備える吸
収式空調装置において、冷房運転中に運転停止が指示さ
れると前記制御器は前記加熱源の作動を停止し、前記溶
液ポンプの作動を継続させ、その後、前記電磁開閉弁を
開弁状態に維持する稀釈運転を実施し、再生器内の吸収
液の温度が所定温度に降温すると、前記制御器は前記溶
液ポンプの作動を停止し、この停止から所定時間経過後
に前記電磁開閉弁を閉弁する。
【0006】(2)冷却塔、吸収器伝熱管、及び凝縮器
伝熱管を順に環状接続してなり、冷房運転時には冷却水
を循環させる冷却水回路と、室内熱交換器、蒸発器伝熱
管を環状接続してなり、冷温水を循環させる冷温水回路
と、吸収液が入れられ加熱部が加熱源により加熱され冷
房運転時には低濃度吸収液中の冷媒を気化させて高濃度
吸収液と蒸気冷媒とに分離する再生器、前記凝縮器伝熱
管を配設し冷房運転時には前記再生器から高温の蒸気冷
媒が送り込まれる凝縮器、暖房運転時には前記再生器か
ら高温の吸収液が送り込まれ冷房運転時には前記凝縮器
で液化した液冷媒を低圧下で蒸発させる蒸発器、該蒸発
器と連通状態に併設され前記吸収器伝熱管を配設し冷房
運転時には前記蒸発器で蒸発した蒸気冷媒を前記再生器
から送られる高濃度吸収液に吸収させる吸収器、及び該
吸収器内の吸収液を前記再生器に戻す溶液ポンプを有す
る吸収液回路と、途中に電磁開閉弁を配設し、前記再生
器と前記蒸発器とを接続するバイパス管と、再生器内の
吸収液の温度を検出する温度検出手段と、前記加熱源、
前記溶液ポンプ、及び前記電磁開閉弁を制御する制御器
とを備える吸収式空調装置において、暖房運転中に運転
停止が指示されると、前記制御器は前記加熱源の作動を
停止し、前記電磁開閉弁を開弁状態にしたまま前記溶液
ポンプの作動を継続する稀釈運転を実施し、再生器内の
吸収液の温度が前記所定温度に降温すると、前記制御器
は前記溶液ポンプの作動を停止し、この停止から所定時
間経過後に前記電磁開閉弁を閉弁する。
【0007】
【作用及び発明の効果】
〔請求項1の作用〕 (冷房運転)冷房運転時、再生器の加熱部が加熱源によ
り加熱され、低濃度吸収液は冷媒が気化して高濃度吸収
液と蒸気冷媒とに分離する。再生器から高温の蒸気冷媒
が凝縮器に送り込まれる。
【0008】凝縮器から蒸発器に送り込まれた液冷媒
は、冷温水が流れる蒸発器伝熱管に当たって蒸発し冷温
水を冷却する。冷却された冷温水が室内熱交換器に供給
されて室内熱交換器を通過することにより室内冷房が行
われる。蒸発器で蒸発した蒸気冷媒は吸収器内に進入
し、再生器から送られる高濃度の吸収液に吸収され吸収
器内に溜まる。吸収器内に溜まった吸収液は、溶液ポン
プにより再生器に戻される。
【0009】(冷房運転停止後における液面調整運転)
冷房中に運転停止が指示されると制御器は、加熱源の作
動を停止し、溶液ポンプの作動を継続させ、その後、電
磁開閉弁を開弁状態に維持する稀釈運転を実施する。そ
して、再生器内の吸収液の温度が所定温度に降温する
と、制御器は、溶液ポンプの作動を停止し、この停止か
ら所定時間経過後に電磁開閉弁を閉弁する。
【0010】稀釈運転中、電磁開閉弁を開弁状態にして
いるので、バイパス管を介して再生器内から蒸発器及び
吸収器内に流れ、吸収器内の吸収液が少ない状態が回避
されて吸収液の循環が円滑に行われるが、吸収器から再
生器に向かう溶液ポンプ圧による吸収液の圧力により、
再生器内の吸収液の液面が上昇した状態で稀釈運転が終
了する場合(能力ダウン状態に陥る可能性がある)があ
る。
【0011】しかし、請求項1では、溶液ポンプの作動
停止から所定時間の間、電磁開閉弁を開弁状態に維持す
るので、再生器内の吸収液は、溶液ポンプ圧が無い状態
のため増加すること無く、水頭差により、バイパス管を
介して再生器内から、蒸発器及び吸収器内に流れ、蒸発
器及び吸収器内の液面と再生器内の吸収液の液面とが同
一高さに落ちつく。
【0012】〔請求項1の効果〕冷房運転終了時におけ
る再生器内の吸収液の液面の高さを適正にでき、次回の
冷房運転を正常(能力ダウンが起きない)に立ち上げる
ことができる。
【0013】〔請求項2の作用〕 (暖房運転)再生器の加熱部が加熱源により加熱され、
再生器から高温の吸収液が蒸発器内に送り込まれる。こ
れにより、蒸発器伝熱管を流れる冷温水が加熱される。
昇温した冷温水が室内熱交換器に供給されて室内熱交換
器を通過し室内暖房が行われる。蒸発器と連通する吸収
器の内部に溜まった吸収液は、溶液ポンプにより再生器
に戻される。
【0014】(暖房運転停止後における液面調整運転)
暖房中に運転停止が指示されると制御器は、加熱源の作
動を停止し、電磁開閉弁を開弁状態のまま溶液ポンプの
作動を継続する稀釈運転を実施する。再生器内の吸収液
の温度が所定温度に降温すると、制御器は溶液ポンプの
作動を停止し、この停止から所定時間経過後に電磁開閉
弁を閉弁する。
【0015】稀釈運転中、電磁開閉弁を開弁状態にして
いるので、バイパス管を介して再生器内から蒸発器及び
吸収器内に流れ、吸収器内の吸収液が少ない状態が回避
されて吸収液の循環が円滑に行われるが、吸収器から再
生器に向かう溶液ポンプ圧による吸収液の圧力により、
再生器内の吸収器の液面が上昇した状態で稀釈運転が終
了する場合がある。
【0016】しかし、請求項2では、溶液ポンプの作動
停止から所定時間の間、電磁開閉弁を開弁状態に維持す
るので、再生器内の吸収液は、溶液ポンプ圧が無い状態
のため増加すること無く、水頭差により、バイパス管を
介して再生器から、蒸発器及び吸収器内に流れ、蒸発器
及び吸収液の液面と再生器内の吸収液の液面とが同一高
さに落ちつく。
【0017】〔請求項2の効果〕暖房運転終了時におけ
る再生器内の吸収液の液面の高さを適正にでき、次回の
暖房運転の立ち上げを正常に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例(請求項1、2
に対応)を図1〜図6に基づいて説明する。図1に示す
様に、家庭用の吸収式空調装置Aは、冷房運転時に冷却
水10を循環させる冷却水回路1と、冷温水20を循環
させる冷温水回路2と、高温再生器3、低温再生器4、
凝縮器5、蒸発器6、吸収器7、及び溶液ポンプ80等
を有する吸収液回路8と、制御器9、温度センサ91、
92、93とを備える。
【0019】冷却水回路1は、冷却塔ファン11を付設
した冷却塔12と、冷却水槽13と、冷却水ポンプ14
と、吸収器伝熱管15と、凝縮器伝熱管16とを順に環
状接続して構成され、冷房運転時(図3参照)には冷却
水ポンプ14を作動させて冷却水10を循環させる。冷
却塔ファン11は、交流コンデンサモータ111により
駆動される。
【0020】交流コンデンサモータ111は、温度セン
サ93が検出する冷却水10の温度が31.5℃に維持
される様に制御器9により制御される。尚、温度センサ
93は、冷却水ポンプ14- 吸収器伝熱管15間を接続
する冷却水管101中に配設され、吸収器伝熱管15に
供給される冷却水10の温度を検出する。暖房運転時
(図4参照)は、冷却水回路1内の冷却水10は全て抜
かれ、交流コンデンサモータ111及び冷却水ポンプ1
4には通電されない。
【0021】冷温水回路2は、送風ファン211を付設
した室内熱交換器21(複数台数を並列接続可)、シス
ターン22、冷温水ポンプ81、蒸発器伝熱管37を環
状接続してなり、冷温水ポンプ81により冷温水20を
循環させている。
【0022】高温再生器3は、ガスバーナ31により加
熱されるスカート状の加熱室32、該加熱室32から上
方に立設する分離筒321、及び捕集容器322により
構成され、低濃度吸収液(以下、希液33と呼ぶ;本実
施例では58%臭化リチウム水溶液)中の冷媒(水)を
蒸発させて中濃度吸収液(以下、中液34と呼ぶ;本実
施例では60%臭化リチウム水溶液)と蒸気冷媒35と
に分離する。尚、加熱室32には、高温再生器3の温度
(希液33の温度)を測定する為の温度センサ91が配
設されている。
【0023】ガスバーナ31は、ブンゼン式であり、ガ
ス電磁弁311、312、ガス比例弁313を連設した
ガス管314によりガスが供給され、燃焼用ファン31
5により燃焼用空気が供給されて燃焼する。
【0024】尚、冷房運転時は、冷暖切替弁36が閉弁
しているので、中液34(165℃)は、中液配管34
1→高温熱交換流路342→オリフィス343付きの中
液配管344を経て低温再生器4の上部に送り込まれ
る。
【0025】低温再生器4は、捕集容器322を包囲
し、冷房運転時には、高温再生器3から送り込まれた中
液34は、捕集容器322から受熱して加熱される。こ
れにより、中液34の一部が蒸発して高濃度吸収液(以
下、濃液41と呼;本実施例では62%臭化リチウム水
溶液)と蒸気冷媒42とに分離する。
【0026】冷暖切替弁36が開弁する暖房運転時に
は、中液配管341はオリフィス343により流路抵抗
が生じるので中液34は全て暖房配管361に流れ、低
温再生器4に送り込まれない。
【0027】冷房運転時には高温再生器3、低温再生器
4から蒸気冷媒35、42が凝縮器5に送り込まれ、蒸
気冷媒35、42は、コイル状の凝縮器伝熱管16を流
れる冷却水10によって冷却され液化し、液冷媒(水)
52は凝縮器5の底部に溜まる。
【0028】尚、吸収器伝熱管15及び凝縮器伝熱管1
6を通過して昇温(37.5℃)した冷却水10は、冷
却塔12で冷却(31.5℃)される。
【0029】蒸発器6は、コイル状(溝付き)の蒸発器
伝熱管37を配設している。そして、暖房運転時には冷
暖切替弁36が開弁するので、暖房配管361を介して
高温の中液34が蒸発器6に送り込まれる。
【0030】冷房運転時に液冷媒52は、冷媒配管53
→散布器55を介して蒸発器伝熱管37上に散布され、
蒸発器6内は略真空(約6.5mmHg)であるので、
液冷媒52は蒸発器伝熱管37内を流れる冷温水20か
ら気化熱を奪って蒸発する。そして、冷却された冷温水
20は室内に配置された室内熱交換器21で室内に送風
される空気と熱交換して昇温し、昇温した冷温水20は
再び蒸発器伝熱管37を通過して冷却される。
【0031】吸収器伝熱管15を配設した吸収器7は、
蒸発器6に併設され、上部及び下部が蒸発器6と連絡し
ている。そして、冷房運転時には、蒸発器6で蒸発した
蒸気冷媒61は上部から吸収器7内に進入し、低温再生
器4→濃液配管411→低温熱交換流路412→濃液配
管413→散布器70を介して吸収器伝熱管15上に散
布される濃液41に吸収され、低濃度となった希液33
は吸収器7の底部に溜まる。
【0032】溶液ポンプ80はAC- 100Vで動作す
るDCブラシレスモータである。この溶液ポンプ80に
は、ホール素子800が取り付けられ、高温再生器3内
の吸収液の温度に応じた回転数に制御器9により制御さ
れる。
【0033】吸収器6の底部に溜まった希液33(暖房
運転時は吸収液)は、希液配管71→溶液ポンプ80→
希液配管72→低温高温熱交換流路73→希液配管74
を介して高温再生器3の加熱室32に送られる。
【0034】制御器9は、運転スイッチ(図示せず)か
らの信号、温度センサ91、92、93を含む各種セン
サからの信号等に基づき、以下のものを制御する。ガス
電磁弁311、312、ガス比例弁313、冷温水ポン
プ81、溶液ポンプ80、交流コンデンサモータ11
1、冷暖切替弁36、冷却水ポンプ14、送風ファン2
11。
【0035】つぎに、冷房運転停止時における吸収式空
調装置Aの作動を図5に基づいて述べる。ステップs1
0で冷房運転中である。例えば、比例制御中であれば、
制御器9は、温度センサ92の出力に基づき、室内熱交
換器21に供給される冷温水20の温度が7℃になる様
にガス比例弁313の開度を決定し、インプット量を1
500kcal〜4800kcalの範囲で比例制御し
ている。
【0036】使用者が冷房運転スイッチ(図示せず)を
オフする(ステップs11でYES)と、制御器9は、
ガスバーナ31の燃焼及び冷温水ポンプ81の作動を停
止(ステップs12)し、ステップs13に進む。
【0037】ステップs13において、制御器9は、冷
却水ポンプ14の作動を継続したまま、溶液ポンプ80
の回転数をHGE温度に基づいて低減していく稀釈運転
を実施する。
【0038】ステップs14において、制御器9は、H
GE≦125℃であるか否か判別し、HGE≦125℃
である場合(YES)にはステップs15に進み、HG
E>125℃である場合(NO)にはステップs13に
戻る。
【0039】ステップs15において、制御器9は、冷
却水ポンプ14の作動を停止し、ステップs16に進
む。ステップs16で、制御器9は、冷暖切替弁36を
開弁してステップs17に進む。
【0040】ステップs17において、HGE≦110
℃になる(ステップs17でYES)とステップs18
に進む。又、HGE>110℃の場合はステップs16
に戻る。尚、110℃が所定温度に相当する。
【0041】ステップs18で、制御器9は、溶液ポン
プ80の作動を停止(稀釈運転終了)し、ステップs1
9に進む。溶液ポンプ80の停止から10秒が経過する
と、制御器9は冷暖切替弁36を閉弁する。
【0042】稀釈運転中、冷暖切替弁36を開弁状態に
しているので、バイパス管361を介して高温再生器3
から蒸発器8及び吸収器7に流れ、吸収器7内の吸収液
が少ない状態が回避されて吸収液の循環が円滑に行われ
るが、吸収器7から高温再生器3に向かう溶液ポンプ圧
による吸収液の圧力により、高温再生器3内の吸収液の
液面が上昇した状態で稀釈運転が終了する場合(能力ダ
ウン状態に陥る可能性がある)がある。
【0043】しかし、溶液ポンプ80の作動停止から1
0秒間、冷暖切替弁36を開弁状態に維持するので、高
温再生器3内の吸収液は、溶液ポンプ圧が無い状態のた
め増加すること無く、水頭差により、バイパス管361
を介して高温再生器3から、蒸発器8及び吸収器7内に
流れ、蒸発器8及び吸収器7の液面と高温再生器3内の
吸収液の液面とが同一高さに落ちつく。
【0044】つぎに、暖房運転停止時における吸収式空
調装置Aの作動を図6に基づいて述べる。ステップs2
0で暖房運転中である。例えば、比例制御中であれば、
制御器9は、温度センサ92の出力に基づき、室内熱交
換器21に供給される冷温水20の温度が60℃になる
様にガス比例弁313の開度を決定し、インプット量を
1500kcal〜8000kcalの範囲で比例制御
している。尚、冷暖切替弁36は開弁状態である。
【0045】使用者が暖房運転スイッチ(図示せず)を
オフする(ステップS21でYES)と、制御器9は、
ガスバーナ31の燃焼及び冷温水ポンプ81の作動を停
止(ステップs22)し、ステップs23に進む。
【0046】ステップs23において、制御器9は、冷
暖切替弁36を開弁状態のまま溶液ポンプ80の回転数
をHGE温度に基づいて低減していく稀釈運転を実施す
る。ステップs24において、制御器9は、HGE≦1
10℃であるか否か判別し、HGE≦110℃である場
合(YES)にはステップs25に進み、HGE>90
℃である場合(NO)には稀釈運転を継続する。尚、9
0℃が設定温度に相当する。
【0047】ステップs25において、制御器9は、溶
液ポンプ80の作動を停止し、ステップs26に進む。
溶液ポンプ80の停止から10秒が経過すると、制御器
9は冷暖切替弁36を閉弁する(ステップs26)。
【0048】上記稀釈運転中、冷暖切替弁36を開弁状
態にしているので、バイパス管361を介して高温再生
器3内から蒸発器6及び吸収器7に流れ、吸収器7内の
吸収液が少ない状態が回避されて吸収液の循環が円滑に
行われるが、吸収器7から高温再生器3に向かう溶液ポ
ンプ圧による吸収液の圧力により、高温再生器3内の吸
収液の液面が上昇した状態で稀釈運転が終了する場合が
ある。
【0049】しかし、溶液ポンプの作動停止から所定時
間の間、冷暖切替弁36を開弁状態に維持するので、高
温再生器3内の吸収液は、溶液ポンプ圧が無い状態のた
め増加すること無く、水頭差により、バイパス管361
を介して高温再生器3から、蒸発器6及び吸収器7内に
流れ、蒸発器6及び吸収器7の液面と高温再生器内の吸
収液の液面とが同一高さに落ちつく。
【0050】本実施例の吸収式空調装置Aは以下の利点
を有する。吸収式空調装置Aは、運転停止の際に液面調
整を実施するので、冷房運転又は暖房運転終了時におけ
る、蒸発器6及び吸収器7内の吸収液の液面及び高温再
生器3の分離筒321内の吸収液の液面の高さを同一に
して、分離筒321内の液面の高さを適正にすることが
できる。この為、次回の冷房運転又は暖房運転を正常に
立ち上げることができ、能力ダウン等の不具合を防止す
ることができる。
【0051】本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施
態様を含む。a.溶液ポンプ80と冷温水ポンプ81を
タンデムポンプ(単一のモータ方式)で構成しても良
い。この場合、ステップs12、s22において、タン
デムポンプを停止させず、ステップs18、s25で停
止させる。
【0052】b.上記実施例は、二重効用式であるが一
重効用式でも良い。c.加熱源は、石油バーナ以外に電
気ヒータ等でも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る吸収式空調装置Aの原
理説明図である。
【図2】吸収式空調装置Aのシステム図である。
【図3】吸収式冷空調装置Aを冷房運転させた場合の作
動説明図である。
【図4】吸収式冷空調装置Aを暖房運転させた場合の作
動説明図である。
【図5】吸収式冷空調装置Aにおいて、冷房運転を停止
する場合における制御器の作動を示すフローチャートで
ある。
【図6】吸収式冷空調装置Aにおいて、暖房運転を停止
する場合における制御器の作動を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
A、B 吸収式空調装置 1 冷却水回路 2 冷温水回路(冷水回路) 3 高温再生器 4 低温再生器 5 凝縮器 6 蒸発器 7 吸収器 8 吸収液回路(吸収回路) 9 制御器 10 冷却水 12 冷却塔 14 冷却水ポンプ 15 吸収器伝熱管 16 凝縮器伝熱管 20 冷温水 21 室内熱交換器 31 ガスバーナ(加熱源) 33 希液(低濃度吸収液) 34 中液(中濃度吸収液) 35 蒸気冷媒 36 冷暖切替弁(電磁開閉弁) 37 蒸発器伝熱管 41 濃液(高濃度吸収液) 42 蒸気冷媒(高温冷媒) 52 液冷媒 61 蒸気冷媒 91 温度センサ(温度検出手段) 212 流量制御弁(電磁バルブ) 361 暖房配管(バイパス管) 801 冷温水ポンプ 80 溶液ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−28998(JP,A) 特開 平1−273964(JP,A) 特開 平8−29001(JP,A) 実開 昭54−71756(JP,U) 実開 昭55−116963(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 15/00 306

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却塔、吸収器伝熱管、及び凝縮器伝熱
    管を順に環状接続してなり、冷房運転時には冷却水を循
    環させる冷却水回路と、 室内熱交換器、蒸発器伝熱管を環状接続してなり、冷温
    水を循環させる冷温水回路と、 吸収液が入れられ加熱部が加熱源により加熱され冷房運
    転時には低濃度吸収液中の冷媒を気化させて高濃度吸収
    液と蒸気冷媒とに分離する再生器、前記凝縮器伝熱管を
    配設し冷房運転時には前記再生器から高温の蒸気冷媒が
    送り込まれる凝縮器、冷房運転時には前記凝縮器で液化
    した液冷媒を低圧下で蒸発させる蒸発器、該蒸発器と連
    通状態に併設され前記吸収器伝熱管を配設し冷房運転時
    には前記蒸発器で蒸発した蒸気冷媒を前記再生器から送
    られる高濃度吸収液に吸収させる吸収器、及び該吸収器
    内の吸収液を前記再生器に戻す溶液ポンプを有する吸収
    液回路と、 途中に電磁開閉弁を配設し、前記再生器と前記蒸発器と
    を接続するバイパス管と、 再生器内の吸収液の温度を検出する温度検出手段と、 前記加熱源、前記溶液ポンプ、及び前記電磁開閉弁を制
    御する制御器とを備える吸収式空調装置において、 冷房運転中に運転停止が指示されると前記制御器は前記
    加熱源の作動を停止し、前記溶液ポンプの作動を継続さ
    せ、その後、前記電磁開閉弁を開弁状態に維持する稀釈
    運転を実施し、 再生器内の吸収液の温度が所定温度に降温すると、前記
    制御器は前記溶液ポンプの作動を停止し、この停止から
    所定時間経過後に前記電磁開閉弁を閉弁することを特徴
    とする吸収式空調装置。
  2. 【請求項2】 冷却塔、吸収器伝熱管、及び凝縮器伝熱
    管を順に環状接続してなり、冷房運転時には冷却水を循
    環させる冷却水回路と、 室内熱交換器、蒸発器伝熱管を環状接続してなり、冷温
    水を循環させる冷温水回路と、 吸収液が入れられ加熱部が加熱源により加熱され冷房運
    転時には低濃度吸収液中の冷媒を気化させて高濃度吸収
    液と蒸気冷媒とに分離する再生器、前記凝縮器伝熱管を
    配設し冷房運転時には前記再生器から高温の蒸気冷媒が
    送り込まれる凝縮器、暖房運転時には前記再生器から高
    温の吸収液が送り込まれ冷房運転時には前記凝縮器で液
    化した液冷媒を低圧下で蒸発させる蒸発器、該蒸発器と
    連通状態に併設され前記吸収器伝熱管を配設し冷房運転
    時には前記蒸発器で蒸発した蒸気冷媒を前記再生器から
    送られる高濃度吸収液に吸収させる吸収器、及び該吸収
    器内の吸収液を前記再生器に戻す溶液ポンプを有する吸
    収液回路と、 途中に電磁開閉弁を配設し、前記再生器と前記蒸発器と
    を接続するバイパス管と、 再生器内の吸収液の温度を検出する温度検出手段と、 前記加熱源、前記溶液ポンプ、及び前記電磁開閉弁を制
    御する制御器とを備える吸収式空調装置において、 暖房運転中に運転停止が指示されると、前記制御器は前
    記加熱源の作動を停止し、前記電磁開閉弁を開弁状態に
    したまま前記溶液ポンプの作動を継続する稀釈運転を実
    施し、 再生器内の吸収液の温度が前記所定温度に降温すると、
    前記制御器は前記溶液ポンプの作動を停止し、この停止
    から所定時間経過後に前記電磁開閉弁を閉弁することを
    特徴とする吸収式空調装置。
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