JP2994250B2 - 吸収式空調装置 - Google Patents

吸収式空調装置

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JP2994250B2
JP2994250B2 JP7306123A JP30612395A JP2994250B2 JP 2994250 B2 JP2994250 B2 JP 2994250B2 JP 7306123 A JP7306123 A JP 7306123A JP 30612395 A JP30612395 A JP 30612395A JP 2994250 B2 JP2994250 B2 JP 2994250B2
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Osaka Gas Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収式空調装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】室外熱交換器、吸収器伝熱管、凝縮器伝
熱管を順に環状接続してなり冷却水ポンプにより冷却水
を循環させる冷却水回路と、室内熱交換器、蒸発器伝熱
管を環状接続してなり冷水ポンプにより冷水を循環させ
る冷水回路と、加熱源により低濃度吸収液中の冷媒を気
化させて中濃度吸収液と蒸気冷媒とに分離する高温再生
器、該高温再生器を内包し前記中濃度吸収液を高濃度吸
収液と蒸気冷媒とに分離する低温再生器、前記凝縮器伝
熱管を配設するとともに各再生器から高温の蒸気冷媒が
送り込まれる凝縮器、該凝縮器で液化した液冷媒を減圧
下で蒸発させる蒸発器、該蒸発器に併設され前記吸収器
伝熱管を配設し前記蒸発器で蒸発した蒸気冷媒を前記低
温再生器から送られる高濃度の吸収液に吸収させる吸収
器、及び該吸収器内の吸収液を前記高温再生器に戻す溶
液ポンプを有する吸収液回路と、前記冷却水ポンプ、前
記冷水ポンプ、前記加熱源、及び前記溶液ポンプを制御
する制御器とを備え、冷房運転を停止する際に、前記制
御器が、前記加熱源及び前記冷水ポンプの作動を停止
し、前記溶液ポンプ及び冷却水ポンプの作動を継続して
稀釈運転を行う吸収式空調装置が従来より知られてい
る。上記、稀釈運転は、高温再生器内の低濃度吸収液の
温度を低下(110℃以下)させ、且つ部分的に濃縮し
た吸収液の均一濃度化を図る為、例えば、約9分間、継
続する必要がある。尚、稀釈運転が短いと、余熱による
後焚で中濃度吸収液等が濃縮され、晶析を招く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の吸収式空調
装置は、稀釈運転に時間がかかるので、以下の課題を有
する。稀釈運転の間、冷房運転中と同程度の電力が消費
される。一旦、運転停止指示すると、稀釈運転が行われ
る為、直ぐに再運転(冷房運転)を行えない。本発明の
目的は、稀釈運転時間を短縮できる吸収式空調装置の提
供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、以下の構成を採用した。 (1)室外熱交換器、吸収器伝熱管、凝縮器伝熱管を順
に環状接続してなり冷却水ポンプにより冷却水を循環さ
せる冷却水回路と、室内熱交換器、蒸発器伝熱管を環状
接続してなり冷水ポンプにより冷水を循環させる冷水回
路と、加熱源により低濃度吸収液中の冷媒を気化させて
中濃度吸収液と蒸気冷媒とに分離する高温再生器、該高
温再生器を内包し前記中濃度吸収液を高濃度吸収液と蒸
気冷媒とに分離する低温再生器、前記凝縮器伝熱管を配
設するとともに各再生器から高温の蒸気冷媒が送り込ま
れる凝縮器、該凝縮器で液化した液冷媒を減圧下で蒸発
させる蒸発器、該蒸発器に併設され前記吸収器伝熱管を
配設し前記蒸発器で蒸発した蒸気冷媒を前記低温再生器
から送られる高濃度吸収液に吸収させる吸収器、及び該
吸収器内の低濃度吸収液を前記高温再生器に戻す溶液ポ
ンプを有する吸収液回路と、前記高温再生器の温度を検
出する温度検出手段と、前記冷却水ポンプ、前記冷水ポ
ンプ、前記加熱源、前記溶液ポンプ、及び前記電磁開閉
弁を制御する制御器とを備え、冷房運転を停止する際
に、前記制御器が、前記加熱源及び前記冷水ポンプの作
動を停止するとともに、前記溶液ポンプの作動を継続す
る稀釈運転を行う吸収式空調装置において、途中に電磁
開閉弁を配設し、前記高温再生器と前記蒸発器とを接続
するバイパス管を設け、前記稀釈運転中、前記高温再生
器の温度が所定温度に低下すると、前記制御器が前記電
磁開閉弁を開弁する。
【0005】(2)冷却塔ファンを付設した冷却塔、吸
収器伝熱管、凝縮器伝熱管を順に環状接続してなり、冷
房運転時には冷却水ポンプにより冷却水を循環させる冷
却水回路と、送風ファンを付設した室内熱交換器、蒸発
器伝熱管を環状接続してなり、冷温水ポンプにより冷温
水を循環させる冷温水回路と、加熱源により低濃度吸収
液中の冷媒を気化させて中濃度吸収液と蒸気冷媒とに分
離する高温再生器、該高温再生器を内包し冷房運転時に
は前記中濃度吸収液を高濃度吸収液と蒸気冷媒とに分離
する低温再生器、前記凝縮器伝熱管を配設するとともに
暖房運転時には前記高温再生器から蒸気冷媒が送り込ま
れ冷房運転時には各再生器から高温の蒸気冷媒が送り込
まれる凝縮器、暖房運転時には前記高温再生器から高温
の中濃度吸収液が送り込まれ冷房運転時には前記凝縮器
で液化した液冷媒を蒸発させる蒸発器、該蒸発器に併設
され前記吸収器伝熱管を配設し冷房運転時には前記蒸発
器で蒸発した蒸気冷媒を前記低温再生器から送られる高
濃度吸収液に吸収させる吸収器、及び該吸収器内の吸収
液を前記高温再生器に戻す溶液ポンプを有する吸収液回
路と、前記高温再生器と前記蒸発器とを接続し、暖房運
転時に開弁する冷暖切替弁を途中に配設した暖房管と、
前記高温再生器の温度を検出する温度検出手段と、前記
冷却塔ファン、前記送風ファン、前記冷却水ポンプ、前
記冷水ポンプ、前記加熱源、前記溶液ポンプ、及び前記
冷暖切替弁を制御する制御器とを備え、冷房運転を停止
する際に、前記制御器が、前記加熱源及び前記送風ファ
ンの作動を停止するとともに、前記溶液ポンプ、前記冷
却塔ファン、及び前記冷却水ポンプの作動を継続する稀
釈運転を行う吸収式空調装置において、前記稀釈運転
中、前記高温再生器の温度が所定温度に低下すると、前
記制御器が前記冷暖切替弁を開弁する。
【0006】
【作用】
〔請求項1について〕高温再生器は加熱源により加熱さ
れ、低濃度吸収液は、冷媒が気化して中濃度吸収液と蒸
気冷媒とに分離する。低温再生器は、中濃度吸収液を高
濃度吸収液と蒸気冷媒とに分離する。各再生器から蒸気
冷媒が凝縮器に送り込まれる。
【0007】凝縮器伝熱管を流れる冷却水により蒸気冷
媒が凝縮し、凝縮器内に溜まる。凝縮器内に溜まった液
冷媒は、蒸発器に送りこまれ、冷水が流れる蒸発器伝熱
管に当たって蒸発し、この時、蒸発器伝熱管内を通過す
る冷水を冷却する。冷却された冷水が室内熱交換器を通
過する事により室内冷房が行なわれる。
【0008】蒸発器で蒸発した蒸気冷媒は、低温再生器
から送られる高濃度吸収液に吸収され吸収器内に溜ま
る。吸収器内に溜まった低濃度吸収液は、溶液ポンプに
より高温再生器に戻される。
【0009】冷房運転を停止する際、制御器は、加熱源
及び冷水ポンプの作動を停止し、溶液ポンプ及び冷却水
ポンプの作動を継続する稀釈運転を行う。そして、この
稀釈運転中、高温再生器の温度が所定温度に低下する
と、制御器は電磁開閉弁を開弁する。
【0010】〔請求項2について〕高温再生器は加熱源
により加熱され、低濃度吸収液は、冷媒が気化して中濃
度吸収液と蒸気冷媒とに分離する。低温再生器は、冷房
運転時、中濃度吸収液を高濃度吸収液と蒸気冷媒とに分
離する。凝縮器には、暖房運転時に高温再生器から高温
の蒸気冷媒が送り込まれる。又、冷房運転時には、各再
生器から高温の蒸気冷媒が送り込まれ、この蒸気冷媒は
凝縮器伝熱管を流れる冷却水によって冷却され、液冷媒
となる。
【0011】蒸発器には、暖房運転時に高温再生器から
高温の中濃度吸収液が送り込まれ、凝縮器から蒸気冷媒
が送り込まれ、蒸発器伝熱管を流れる冷温水を加熱す
る。又、冷房運転時には凝縮器で凝縮した液冷媒が送り
込まれ、冷温水が流れる蒸発器伝熱管に当たって蒸発
し、冷温水を冷却する。
【0012】冷房運転時には、冷却された冷温水が室内
熱交換器を通過する際、送風ファンにより冷風が室内に
吹き出され室内冷房が行われる。又、暖房運転時には、
昇温した冷温水が室内熱交換器を通過する際、送風ファ
ンにより温風が室内に吹き出され室内暖房が行われる。
【0013】冷房運転時、蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は
吸収器内に進入し、低温再生器から送られる高濃度吸収
液に吸収され吸収器内に溜まる。又、暖房運転時は、蒸
発器から熱交換が終了した吸収液が進入し、吸収器内に
溜まる。吸収器内に溜まった吸収液は、溶液ポンプによ
り高温再生器に戻される。
【0014】冷房運転を停止する際、制御器は、加熱源
及び送風ファンの作動を停止し、溶液ポンプ、冷却塔フ
ァン、及び冷却水ポンプの作動を継続する稀釈運転を行
う。そして、この稀釈運転中、高温再生器の温度が所定
温度に低下すると、制御器は冷暖切替弁を開弁する。
【0015】
【発明の効果】
〔請求項1について〕冷房運転を停止する際、加熱源の
作動を停止し、溶液ポンプ及び冷却水ポンプの作動を継
続する稀釈運転を行ない、吸収液を、高温再生器→低温
再生器→吸収器→溶液ポンプ→高温再生器と循環させ
る。これにより、高温・低温再生器内の吸収液の温度が
低下するとともに、低温再生器〜吸収器間の高濃度吸収
液の濃度が充分に低下する。
【0016】この稀釈運転中、高温再生器の温度が所定
温度に低下すると、加熱源の作動を停止し、溶液ポンプ
及び冷却水ポンプの作動を継続した状態で電磁開閉弁を
開弁する。これにより、吸収液が、高温再生器→バイパ
ス管(電磁開閉弁)→蒸発器→吸収器→溶液ポンプ→高
温再生器と速やかに循環するので、吸収液の降温及び濃
度の均一化が早期(数分)に行われる。尚、電磁開閉弁
が開弁すると、吸収液は、高温再生器から低温再生器に
送り込まれなくなるので、中濃度吸収液の濃縮は起こら
ない。よって、稀釈運転にかかる時間が従来の約1/3
に短縮される。又、電気代も節約できる。
【0017】〔請求項2について〕冷房運転を停止する
際、加熱源及び送風ファンの作動を停止し、溶液ポン
プ、冷却塔ファン、及び冷却水ポンプの作動を継続する
稀釈運転を行ない、吸収液を、高温再生器→低温再生器
→吸収器→溶液ポンプ→高温再生器と循環させる。これ
により、高温・低温再生器内の吸収液の温度が低下する
とともに、低温再生器〜吸収器間の高濃度吸収液の濃度
が充分に低下する。
【0018】この稀釈運転中、高温再生器の温度が所定
温度に低下すると、加熱源及び送風ファンの作動を停止
し、溶液ポンプ、冷却塔ファン、及び冷却水ポンプの作
動を継続した状態で冷暖切替弁を開弁する。これによ
り、吸収液が、高温再生器→暖房管(冷暖切替弁)→蒸
発器→吸収器→溶液ポンプ→高温再生器と速やかに循環
するので、吸収液の降温及び濃度の均一化が早期(数
分)に行われる。尚、冷暖切替弁が開弁すると、吸収液
は、高温再生器から低温再生器に送り込まれなくなるの
で、中濃度吸収液の濃縮は起こらない。よって、稀釈運
転にかかる時間が従来の約1/3に短縮される。又、電
気代も節約できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例(請求項1、2
に対応)を図1〜図6に基づいて説明する。図に示す様
に、吸収式冷暖房装置Aは、冷房運転時に冷却水10を
循環させる冷却水回路1と、冷温水20を循環させる冷
温水回路2と、高温再生器3、低温再生器4、凝縮器
5、蒸発器6、吸収器7、及び溶液ポンプ802等を有
する吸収液回路8と、制御器9、温度センサ91とを備
える。
【0020】冷却水回路1は、室外熱交換器を構成する
冷却塔ファン11及び冷却塔12と、冷却水槽13と、
冷却水ポンプ14と、吸収器伝熱管15と、凝縮器伝熱
管16とを順に環状接続して構成され、冷房運転時には
冷却水ポンプ14(1230リットル/h)を作動させ
て冷却水10を循環させる。尚、冷却塔ファン11は、
吸収器伝熱管15に供給される冷却水10の温度が3
1.5℃になる様に制御器9により回転数が制御され
る。又、暖房運転時(図4参照)には、冷却水回路1内
の冷却水10は全て抜かれる。
【0021】冷温水回路2は、送風ファン211を有す
る室内熱交換器21(複数台数を並列接続可)、シスタ
ーン22、冷温水ポンプ部801(最大能力時620リ
ットル/h)、蒸発器伝熱管37を環状接続してなり、
冷温水ポンプ801により冷温水20を循環させてい
る。尚、冷房運転時の室内熱交換器21の吸熱量は43
40kcal(最大能力時)であり、暖房運転時の室内
熱交換器21の放熱量は6200kcal(最大能力
時)である。
【0022】高温再生器3は、ガスバーナ31により加
熱されるドーム状の加熱室32、上方に立設する吹出筒
321、及び希液33(本実施例では58%臭化リチウ
ム水溶液)中の冷媒(水)を蒸発させて中液34(60
%臭化リチウム水溶液)と蒸気冷媒35とに分離する分
離筒322等により構成される。尚、加熱室32には、
高温再生器3の温度(希液33の温度)を測定する為の
温度センサ91が配設されている。
【0023】ガスバーナ31は、ブンゼン式であり、ガ
ス電磁弁311、312、ガス比例弁313を連設した
ガス管314によりガスが供給され、燃焼用ファン31
5により燃焼用空気が供給されて燃焼する。
【0024】冷房運転時、ガスバーナ31は、室内熱交
換器21に供給される冷温水20の温度が7℃になる様
にインプット量が1500〜4800kcalの間で制
御器9により制御される。尚、ターボ冷房運転時はイン
プット量が6500kcalとされる。
【0025】又、暖房運転時は、室内熱交換器21に供
給される冷温水20の温度が60℃になる様にインプッ
ト量が1500〜8000kcalの間で制御器9によ
り制御される。
【0026】冷房運転時は、冷暖切替弁36を閉弁して
いるので、中液34(165℃)は、中液配管341→
高温熱交換流路342→オリフィス343付きの中液配
管344を経て低温再生器4の上部に送り込まれる。
【0027】低温再生器4は、高温再生器3を内包し、
冷房運転時には、高温再生器3から送り込まれた中液3
4を濃液41(62%臭化リチウム水溶液)と蒸気冷媒
42とに分離する。尚、暖房運転時、中液34は低温再
生器4に送り込まれない。
【0028】凝縮器5には、暖房運転時、オリフィス5
11付きの蒸気冷媒配管51を介して高温再生器3から
高温の蒸気冷媒35が送り込まれるが、冷却水10が凝
縮器伝熱管16内を流れていないので凝縮しない。
【0029】冷房運転時には、高温再生器3、低温再生
器4から蒸気冷媒35、42が凝縮器5に送り込まれ、
蒸気冷媒35、42は、コイル状の凝縮器伝熱管16を
流れる冷却水10によって冷却され液化し、液冷媒
(水)52は凝縮器5の底部に溜まる。尚、昇温(3
7.5℃)した冷却水10は、冷却塔12で冷却(3
1.5℃)される。
【0030】蒸発器6は、コイル状(螺旋溝付き)の蒸
発器伝熱管37を配設している。そして、暖房運転時に
は冷暖切替弁36を開弁しているので、中液配管341
(冷暖切替弁36)→暖房配管361を介して高温の中
液34が蒸発器6に送り込まれる。又、同時に、凝縮器
5からは高温の蒸気冷媒42が、冷媒配管53(冷媒弁
54)を介して送り込まれる。
【0031】冷房運転時に冷媒弁54が開弁すると、液
冷媒52は、冷媒配管53(冷媒弁54)→散布器55
を介して蒸発器伝熱管37に散布され、蒸発器6内は略
真空(約6.5mmHg)であるので、液冷媒52は蒸
発器伝熱管37内を流れる冷温水20から気化熱を奪っ
て蒸発する。そして、冷却された冷温水20は室内に配
置された室内熱交換器21で室内に送風される空気と熱
交換(最大能力時、吸熱4340kcal/h)して昇
温し、昇温した冷温水20は再び蒸発器伝熱管37を通
過して冷却される。
【0032】吸収器伝熱管15を配設した吸収器7は、
蒸発器6に併設され、上部等が蒸発器6と連絡してい
る。そして、冷房運転時には、蒸発器6で蒸発した蒸気
冷媒61は上部等から吸収器7内に進入し、低温再生器
4→濃液配管411→低温熱交換流路412→濃液配管
413→散布器70を介して吸収器伝熱管15上に散布
される濃液41に吸収され、低濃度となった希液33は
吸収器7の底部に溜まる。又、暖房運転時には、蒸発器
6から高温の吸収液が送り込まれる。
【0033】溶液ポンプ802は、AC- 100Vで動
作する三相DCブラシレスモータ(定格出力200W、
消費電力250W)である。この溶液ポンプ802に
は、ホール素子800が取り付けられ、制御器9により
フィードバック制御される。尚、冷温水20の流量制御
はブロードで良いので、冷温水ポンプ801と溶液ポン
プ802とを一台のタンデムポンプで構成しても良い
が、この場合、稀釈運転中、タンデムポンプは作動を継
続させる。
【0034】吸収器7の底部に溜まった希液33(暖房
運転時は吸収液)は、希液配管71→溶液ポンプ802
(最大流量100リットル/h)→希液配管72→低温
熱交換流路73→高温熱交換流路74→希液配管75を
介して高温再生器3の加熱室32に送られる。
【0035】温度センサ91は、高温再生器3の加熱室
32の温度(希液33又は器体の温度)を検出する為の
ものである。制御器9は、運転スイッチ(図示せず)か
らの信号、温度センサ91を含む各種センサからの信号
等に基づき、以下のものを制御する。ガス電磁弁31
1、312、ガス比例弁313、冷温水ポンプ801、
溶液ポンプ802、冷却塔ファン11、冷媒弁54、冷
暖切替弁36、冷却水ポンプ14、送風ファン211。
【0036】つぎに、冷房運転中(図1、図3参照)に
ある吸収式冷暖房装置Aを冷房停止(高温異常停止も含
む)する際における、制御器9のマイクロコンピュータ
の作動を、図6に示すフローチャートに基づいて説明す
る。冷房運転の停止が指示されると、ステップs1で、
ガス電磁弁311、312を閉弁してガスバーナ31を
消火し、ステップs2に進む。
【0037】ステップs2で、以下に示す第一稀釈運転
を約3分間、行う。 〔第一稀釈運転〕送風ファン211及び冷温水ポンプ8
01の作動を停止し、燃焼用ファン315、溶液ポンプ
802、冷却水ポンプ14、及び冷却塔ファン11の作
動を継続する。
【0038】第一稀釈運転により、吸収液は、以下の様
に循環する。 高温再生器3→中液配管341→高温熱交換流路342
→オリフィス343付きの中液配管344→低温再生器
4→濃液配管411→低温熱交換流路412→濃液配管
413→吸収器7→希液配管71→溶液ポンプ802→
希液配管72→低温熱交換流路73→高温熱交換流路7
4→希液配管75→高温再生器3
【0039】高温再生器3→オリフィス511付きの蒸
気冷媒配管51を経て凝縮器5、又は、低温再生器4→
隙間を経て凝縮器5、そして、凝縮器5→冷媒配管53
(冷媒弁54)→蒸発器6→吸収器7
【0040】ステップs3で、高温再生器3の温度が1
30℃以下(温度センサ91が130℃以下の温度を検
出)に低下しているか否か判別し、低下している場合
(YES)はステップs4に進み、低下していない場合
(NO)はステップs2に戻って第一稀釈運転を継続す
る。
【0041】ステップs4で、以下に示す第二稀釈運転
を約45秒間、行う。 〔第二稀釈運転〕送風ファン211及び冷温水ポンプ8
01の作動を停止し、冷暖切替弁36を開弁し、燃焼用
ファン315、溶液ポンプ802、冷却水ポンプ14、
及び冷却塔ファン11の作動を継続する。
【0042】これにより、吸収液は、以下の様に速やか
に循環する。 高温再生器3→中液配管341→暖房配管361(冷暖
切替弁36)→蒸発器6→吸収器7→希液配管71→溶
液ポンプ802→希液配管72→低温熱交換流路73→
高温熱交換流路74→希液配管75→高温再生器3
【0043】ステップs5で、高温再生器3の温度が1
10℃以下(温度センサ91が110℃以下の温度を検
出)に低下しているか否か判別し、低下している場合
(YES)はステップs6に進み、低下していない場合
(NO)はステップs4に戻って第二稀釈運転を継続す
る。
【0044】ステップs6で、冷暖切替弁36を閉弁
し、燃焼用ファン315、溶液ポンプ802、冷温水ポ
ンプ801、冷却水ポンプ14、及び冷却塔ファン11
の作動を停止し、稀釈運転を終了する。
【0045】本実施例の吸収式冷暖房装置Aは、以下の
利点を有する。吸収式冷暖房装置Aは、冷房運転を停止
する場合、高温再生器3の温度が130℃以下になる
迄、上述した第一稀釈運転を行ない、続いて110℃に
なる迄、第二稀釈運転を行う構成である。
【0046】第一稀釈運転により、吸収液は、上述した
様に循環し、例えば、約3分で、高温再生器3の温度は
130℃に低下する(低温再生器4内の吸収液の温度も
低下する)とともに、低温再生器4〜吸収器7間の濃液
41の濃度が晶析安全域の範囲内(図5参照)に充分に
低下する。
【0047】更に、第二稀釈運転により、吸収液は、上
述した様に速やかに循環するので、約45秒後に、高温
再生器3内の吸収液の温度が約110℃に低下するとと
もに、高温再生器3〜蒸発器6間の中液34の濃度が充
分に低下する。尚、低温再生器4に吸収液が高温再生器
3から送り込まれなくなるので、中液34の濃縮は起こ
らない。
【0048】これにより、従来、例えば、約9分かかっ
ていた稀釈運転が、約4分に短縮される。稀釈運転終了
後は、電力が不要であるので、電気代が節約できる。
又、運転停止指示をした後、比較的短い待機時間(最大
でも約3分45秒)の経過後、再び冷房運転を再開する
事ができる。
【0049】尚、上記実施例では、高温再生器3の温度
が所定温度に低下した時、暖房配管の冷暖切替弁36が
開弁するものを示したが、暖房機能を有しないもので
は、高温再生器3と蒸発器6とを接続するバイパス管を
設け、バイパス管に設けた電磁開閉弁を開弁すれば良
い。又、冷暖切替弁36や電磁開閉弁は、三方弁であっ
ても良い。又、上記実施例では、加熱源としてガスバー
ナ31を示したが、電気ヒータであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る吸収式冷暖房装置の原
理説明図である。
【図2】その吸収式冷暖房装置のシステム図である。
【図3】その吸収式冷暖房装置を冷房運転させた場合の
作動説明図である。
【図4】その吸収式冷暖房装置を暖房運転させた場合の
作動説明図である。
【図5】吸収液が晶析する虞がある晶析域と、晶析する
虞がない安全域とを分ける晶析曲線である。
【図6】冷房運転停止の際の、制御器の作動を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
A 吸収式冷暖房装置(吸収式空調装置) 1 冷却水回路 2 冷温水回路(冷水回路) 3 高温再生器 4 低温再生器 5 凝縮器 6 蒸発器 7 吸収器 8 吸収液回路 9 制御器 11 冷却塔ファン 12 冷却塔(室外熱交換器) 14 冷却水ポンプ 15 吸収器伝熱管 16 凝縮器伝熱管 20 冷温水(冷水) 21 室内熱交換器 31 ガスバーナ(加熱源) 32 加熱部 33 希液(低濃度吸収液) 34 中液(中濃度吸収液) 35 蒸気冷媒 36 冷暖切替弁(電磁開閉弁) 37 蒸発器伝熱管 41 濃液(高濃度吸収液) 42 蒸気冷媒(高温冷媒) 52 液冷媒 53 冷媒配管 54 冷媒弁 61 蒸気冷媒 91 温度センサ(温度検出手段) 211 送風ファン 361 暖房配管(バイパス管) 801 冷温水ポンプ(冷水ポンプ) 802 溶液ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河本 薫 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大 阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−29001(JP,A) 実開 昭54−71756(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 15/00 306

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室外熱交換器、吸収器伝熱管、凝縮器伝
    熱管を順に環状接続してなり冷却水ポンプにより冷却水
    を循環させる冷却水回路と、 室内熱交換器、蒸発器伝熱管を環状接続してなり冷水ポ
    ンプにより冷水を循環させる冷水回路と、 加熱源により低濃度吸収液中の冷媒を気化させて中濃度
    吸収液と蒸気冷媒とに分離する高温再生器、該高温再生
    器を内包し前記中濃度吸収液を高濃度吸収液と蒸気冷媒
    とに分離する低温再生器、前記凝縮器伝熱管を配設する
    とともに各再生器から高温の蒸気冷媒が送り込まれる凝
    縮器、該凝縮器で液化した液冷媒を減圧下で蒸発させる
    蒸発器、該蒸発器に併設され前記吸収器伝熱管を配設し
    前記蒸発器で蒸発した蒸気冷媒を前記低温再生器から送
    られる高濃度吸収液に吸収させる吸収器、及び該吸収器
    内の低濃度吸収液を前記高温再生器に戻す溶液ポンプを
    有する吸収液回路と、 前記高温再生器の温度を検出する温度検出手段と、 前記冷却水ポンプ、前記冷水ポンプ、前記加熱源、前記
    溶液ポンプ、及び前記電磁開閉弁を制御する制御器とを
    備え、 冷房運転を停止する際に、前記制御器が、前記加熱源の
    作動を停止するとともに、前記溶液ポンプ及び前記冷却
    水ポンプの作動を継続する稀釈運転を行う吸収式空調装
    置において、 途中に電磁開閉弁を配設し、前記高温再生器と前記蒸発
    器とを接続するバイパス管を設け、 前記稀釈運転中、前記高温再生器の温度が所定温度に低
    下すると、前記制御器が前記電磁開閉弁を開弁する事を
    特徴とする吸収式空調装置。
  2. 【請求項2】 冷却塔ファンを付設した冷却塔、吸収器
    伝熱管、凝縮器伝熱管を順に環状接続してなり、冷房運
    転時には冷却水ポンプにより冷却水を循環させる冷却水
    回路と、 送風ファンを付設した室内熱交換器、蒸発器伝熱管を環
    状接続してなり、冷温水ポンプにより冷温水を循環させ
    る冷温水回路と、 加熱源により低濃度吸収液中の冷媒を気化させて中濃度
    吸収液と蒸気冷媒とに分離する高温再生器、該高温再生
    器を内包し冷房運転時には前記中濃度吸収液を高濃度吸
    収液と蒸気冷媒とに分離する低温再生器、前記凝縮器伝
    熱管を配設するとともに暖房運転時には前記高温再生器
    から蒸気冷媒が送り込まれ冷房運転時には各再生器から
    高温の蒸気冷媒が送り込まれる凝縮器、暖房運転時には
    前記高温再生器から高温の中濃度吸収液が送り込まれ冷
    房運転時には前記凝縮器で液化した液冷媒を蒸発させる
    蒸発器、該蒸発器に併設され前記吸収器伝熱管を配設し
    冷房運転時には前記蒸発器で蒸発した蒸気冷媒を前記低
    温再生器から送られる高濃度吸収液に吸収させる吸収
    器、及び該吸収器内の吸収液を前記高温再生器に戻す溶
    液ポンプを有する吸収液回路と、 前記高温再生器と前記蒸発器とを接続し、暖房運転時に
    開弁する冷暖切替弁を途中に配設した暖房管と、 前記高温再生器の温度を検出する温度検出手段と、 前記冷却塔ファン、前記送風ファン、前記冷却水ポン
    プ、前記冷水ポンプ、前記加熱源、前記溶液ポンプ、及
    び前記冷暖切替弁を制御する制御器とを備え、 冷房運転を停止する際に、前記制御器が、前記加熱源及
    び前記送風ファンの作動を停止するとともに、前記溶液
    ポンプ、前記冷却塔ファン、及び前記冷却水ポンプの作
    動を継続する稀釈運転を行う吸収式空調装置において、 前記稀釈運転中、前記高温再生器の温度が所定温度に低
    下すると、前記制御器が前記冷暖切替弁を開弁する事を
    特徴とする吸収式空調装置。
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