JP3241507B2 - 板圧延機 - Google Patents

板圧延機

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JP3241507B2
JP3241507B2 JP25614993A JP25614993A JP3241507B2 JP 3241507 B2 JP3241507 B2 JP 3241507B2 JP 25614993 A JP25614993 A JP 25614993A JP 25614993 A JP25614993 A JP 25614993A JP 3241507 B2 JP3241507 B2 JP 3241507B2
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利幸 白石
茂 小川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板状の金属製品あるい
は帯状の金属製品を製造する際に行う圧延方法に用いる
板圧延機に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、本願出願人が先に出願した特願
平5−048375号に記載の板圧延機の例の説明図
で、(A)は全体の説明図、(B)は上ロールアセンブ
リーの分割補強ロールの配置を示す平面図である。例え
ば、上ロールアセンブリーは、軸方向に3分割以上(図
3では、7分割)に分割した分割補強ロール3A〜3
C,4A〜4Dによって、作業ロール1を支持する機構
とし、各々の分割補強ロール3A〜3C,4A〜4Dに
はそれぞれ独立に荷重検出装置と独立した分割補強ロー
ル圧下装置とが配置されている。図3は軸方向に、3
A,3B,3C,4A,4B,4C,4Dに7分割した
分割補強ロールの例であるが、この分割数は3以上であ
れば良い。なお、図中6は圧延材である。
【0003】例えば、図3に示した圧延機では上側のロ
ールアセンブリーにおいて、各々の分割補強ロールのロ
ール胴長、ロール径およびその位置は等しいけれども圧
延機の前後での分割補強ロールの数が異なる(3分割と
4分割)。
【0004】作業ロールを基準に水平方向の力の釣り合
いから、分割補強ロール4A,4B,4C,4Dの合力
と分割補強ロール3A,3B,3Cの合力は等しい。こ
のことは、おおまかにいって、各々の分割補強ロール3
A,3B,3Cに作用する力は、各々の分割補強ロール
4A,4B,4C,4Dに作用する力の1.33倍(4
/3倍)であることを示している。
【0005】ところで、圧延機の圧下限界のパラメータ
として、作業ロールと分割補強ロール間の最大ヘルツ応
力がある。圧延中において、最大ヘルツ応力がある限界
値を超えると、スポーリングと呼ばれるロールの表面疲
労欠陥やロールマークと呼ばれる分割補強ロールの端部
が圧延後の板に転写される表面疵等が発生する。最大ヘ
ルツ応力の限界値は、ロールの材質等によって異なる
が、一般に180〜220kgf/mm2 の値である。このよ
うな問題を避けるために、通常、最大ヘルツ応力の限界
値以下で圧延が行われている。
【0006】さて、図3で示した圧延機において、各々
の分割補強ロール3A,3B,3Cの最大ヘルツ応力
は、各々の分割補強ロール4A,4B,4C,4Dの最
大ヘルツ応力の1.15倍((4/3)1/2 倍)とな
る。従って、分割補強ロール3A,3B,3Cの最大ヘ
ルツ応力の限界値によって、最大圧延荷重(最大圧下
率)が規制されるため、時として生産性が阻害されると
いう問題があった。また、分割補強ロールの疲労および
摩耗による寿命は、応力と転動回数で決まり、分割補強
ロールが同径の場合、分割補強ロール4A,4B,4
C,4Dの方が寿命が長くなる。従って、図3の例で
は、分割補強ロールを寿命の限界値まで使う場合、ロー
ル交換が不規則となり、同様に生産性が低下するという
問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、図3で示し
たような圧延機を用いて板圧延を行う際に、最大ヘルツ
応力に起因する圧延荷重限界(圧下率限界)を向上させ
ることによって、生産性にすぐれた板圧延を行い、ま
た、分割補強ロールが同径の場合、摩耗・疲労が同等に
なるので、効率良く分割補強ロールを交換できるように
することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、上
下少なくともどちらか一方のロールアセンブリーが、軸
方向に3分割以上に分割された分割補強ロールによって
作業ロールを支持する機構を有し、各分割補強ロールに
はそれぞれ独立した荷重検出装置と圧下装置とを配置
し、かつ、該分割補強ロール数が圧延機入側と出側で異
なる板圧延機において、板幅方向中央位置の分割補強ロ
ールと作業ロール間の最大ヘルツ応力が圧延機の入側と
出側とで等しくなるように、各分割補強ロールの位置を
調整して配置したことを特徴とする。
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。図2に
おいて、上ロールアセンブリーは、軸方向に7分割に分
割した分割補強ロール3A〜3C,4A〜4Dによっ
て、作業ロール1を支持する機構とし、各々の分割補強
ロール3A〜3C,4A〜4Dにはそれぞれ独立に荷重
検出装置と独立した分割補強ロール圧下装置とが配置さ
れている。ここでは、作業ロールと分割補強ロール間に
は、板幅方向に圧延荷重分布はなく、分割補強ロール3
A〜3Cには均等に線荷重p1 が、分割補強ロール4A
〜4Dには均等に線荷重p2がかかっている場合を例に
とって説明する。
【0010】上側の作業ロール1(ロール径:D1 、ヤ
ング率:E1 )の中心位置と、3分割の分割補強ロール
3A〜3Cの中心とを結ぶ線が水平方向から反時計回り
になす角をθ1 (0度<θ1 <90度)、上側の作業ロ
ール1の中心位置と、4分割の分割補強ロール4A〜4
Dの中心とを結ぶ線が水平方向から時計回りになす角を
θ2 (0度<θ2 <90度)、分割補強ロール3A〜3
Cのロール径をD3 、ヤング率をE3 、幅をL、分割補
強ロール4A〜4Cのロール径をD4 、ヤング率を
4 、幅をLとする。また、分割補強ロール3A〜3C
と作業ロール間の力をP1 、分割補強ロール4A〜4D
と作業ロール間の力をP2 とする。
【0011】垂直方向の力の釣り合いから、 P=P1 sinθ1 +P2 sinθ2 水平方向の力の釣り合いから P1 cosθ1 =P2 cosθ2 従って、P1 =Pcosθ2 /sin(θ1 +θ2 )、 P2 =Pcosθ1 /sin(θ1 +θ2 ) 以上の結果から p1 =P1 /3/L=Pcosθ2 /sin(θ1 +θ2 )/3/L p2 =P2 /4/L=Pcosθ1 /sin(θ1 +θ2 )/4/L となる。
【0012】分割補強ロール3A〜3Cと作業ロール間
の最大ヘルツ応力をσHZMAX1、分割補強ロール4A〜4
Dと作業ロール間の最大ヘルツ応力σHZMAX2は次式で与
えられる。 σHZMAX1=0.418{p1 (E1 3 /(E1 +E3 )) 2(D1 +D3 )/(D1 3 )}1/2 σHZMAX2=0.418{p2 (E1 4 /(E1 +E4 )) 2(D1 +D4 )/(D1 4 )}1/2
【0013】本発明の条件はσHZMAX1=σHZMAX2の条件
であり、実用上ロールのヤング率はほぼ同じであること
を考慮すると次式が得られる。 (cosθ2 /3)・(D1 +D3 )/(D1 ・D3 ) =(cosθ1 /4)・(D1 +D4 )/(D1 ・D4
【0014】従って、上式を満足するように、分割補強
ロール3A〜3Cのロール径D3 およびその角度θ1
分割補強ロール4A〜4Dのロール径D4 およびその角
度θ2 を設計すれば良い。
【0015】
【実施例】図1を用いて、本発明の実施例を示す。図1
の(A)は本発明を適用する前の板圧延機であり、その
仕様を表1に示す。図1の(A)において、上ロールア
センブリーは、軸方向に7分割に分割した分割補強ロー
ル3A〜3C,4A〜4Dによって、作業ロール1を支
持する機構とし、各々の分割補強ロール3A〜3C,4
A〜4Dにはそれぞれ独立に荷重検出装置と独立した分
割補強ロール圧下装置とが配置されている。なお、1は
上作業ロール、2は下作業ロール、3は上分割補強ロー
ル(3分割)、4は上分割補強ロール(4分割)、5は
下補強ロール、6は圧延材である。また、上部の分割補
強ロールの角度は水平線に対してそれぞれ45度であ
り、各分割補強ロールの胴長は130mmである。
【0016】このミルを用いて、圧延速度40m/minで
無張力熱間圧延を行う場合、3の分割補強ロールの最大
ヘルツ応力限界(200kgf/mm2 )から、圧下率35
%、圧延荷重は約970TON までしかとることができな
かった。また、この際、3の分割補強ロールの摩耗は4
の分割補強ロールの摩耗よりも激しいことが確認され
た。
【0017】分割補強ロール3A〜3Cをそのままの条
件(角度45度)で、分割補強ロール4A〜4DCのロ
ール径はそのままで、本発明を適用し、上述の関係を満
たす角度を求めると約58度が求まる。この結果に基づ
き図1の(B)のように圧延機を改造し、圧延したとこ
ろ、圧延速度40m/minで無張力熱間圧延を行う場合、
3および4の分割補強ロールの最大ヘルツ応力限界(2
00kgf/mm2 )から、圧下率40%、圧延荷重は約11
00TON までとることができた。また、この際、3およ
び4の分割補強ロールの摩耗は同程度で変化することも
確認された。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明の圧延機によると、最大ヘルツ応
力限界による圧延荷重限界を高めることができるため、
より高圧下圧延が可能となり、圧延機の生産性を高める
ことができる。また、分割補強ロールが同径の場合、各
分割補強ロールの摩耗・疲労が同程度となるため、効率
の良いロール交換が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板圧延機の一例を示す説明図。
【図2】先行技術の問題点の説明図。
【図3】従来の板圧延機の説明図。
【符号の説明】
1 上作業ロール 2 下作業ロール 3 上分割補強ロール(3分割) 4 上分割補強ロール(4分割) 5 下補強ロール 6 圧延材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−69010(JP,A) 特開 平5−245504(JP,A) 特開 平5−212407(JP,A) 特開 昭63−252608(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/22 B21B 13/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下少なくともどちらか一方のロールア
    センブリーが、軸方向に3分割以上に分割された分割補
    強ロールによって作業ロールを支持する機構を有し、各
    分割補強ロールにはそれぞれ独立した荷重検出装置と圧
    下装置とを配置し、かつ、該分割補強ロール数が圧延機
    入側と出側で異なる板圧延機において、板幅方向中央位
    置の分割補強ロールと作業ロール間の最大ヘルツ応力が
    圧延機の入側と出側とで等しくなるように、各分割補強
    ロールの位置を調整して配置したことを特徴とする板圧
    延機。
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